(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072967
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62M 25/06 20060101AFI20220510BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20220510BHJP
B62J 45/42 20200101ALI20220510BHJP
B62H 1/02 20060101ALI20220510BHJP
B62J 11/19 20200101ALI20220510BHJP
【FI】
B62M25/06 Z
B62J45/41
B62J45/42
B62H1/02 E
B62J11/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182691
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】黒須 弘稔
(72)【発明者】
【氏名】堀内 智貴
(72)【発明者】
【氏名】福島 謙司
(57)【要約】
【課題】シフトペダルの操作を検出する防水センサがシフトロッドに備えられ、車幅方向の大型化が抑制された鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】鞍乗型車両は、シフトロッド40に備えられた防水センサ50を備えている。車両側面視において、シフトロッド40の一部はサイドフレーム10と重なっている。防水センサ50に接続されたワイヤハーネス60は、車両側面視においてサイドフレーム10と重なる重なり部60Aと、重なり部60Aの後方に位置する後方部60Cとを有している。防水センサ50の少なくとも一部は、サイドフレーム10よりも後方に配置されている。ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40の下方に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の側方に配置され、下方に延びるサイドフレームと、
前記内燃機関に設けられたシフト軸と、
シフトペダルと、
前記シフト軸と前記シフトペダルとを連結するシフトロッドと、
前記シフトロッドに備えられ、前記シフトロッドの収縮または伸長を検出する防水センサと、
前記防水センサに接続されたワイヤハーネスと、を備え、
車両側面視において、前記シフトロッドの一部は前記サイドフレームと重なり、
前記ワイヤハーネスは、車両側面視において前記サイドフレームと重なる重なり部および前記重なり部の後方に位置する後方部を有し、
前記防水センサの少なくとも一部は、前記サイドフレームよりも後方に配置され、
前記ワイヤハーネスの前記重なり部および前記後方部は、前記シフトロッドの下方に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項2】
前記シフトペダルは、上下に回転可能なペダル支持軸と、前記ペダル支持軸から前方に延びるペダルアームと、前記ペダルアームから車幅方向の外方に延びるペダル操作軸と、を有し、
前記防水センサは、前記ペダル操作軸よりも後方に配置されている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記ペダル操作軸は、車両側面視において前記サイドフレームと重なっている、請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記防水センサは、センサロッドと、前記センサロッドとの接触によりON/OFFされる機械式スイッチと、を有している、請求項1~3のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記防水センサは、前記機械式スイッチが収容されたスイッチケースを有し、
前記スイッチケースは、前記サイドフレームよりも後方に配置されている、請求項4に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記スイッチケースは、前方に開いた接続口を有し、
前記ワイヤハーネスは、前記接続口に接続されている、請求項5に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
車両平面視において、前記ワイヤハーネスの前記重なり部および前記後方部は、前記シフトロッドと重なっている、請求項1~6のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記ワイヤハーネスを前記シフトロッドに固定する固定部材を備えている、請求項1~7のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記ワイヤハーネスが挿入されたホース状のハーネスカバーを備え、
前記ハーネスカバーは、前記シフトロッドの下方に配置され、かつ、車両平面視において前記シフトロッドと重なる部分を有している、請求項1~8のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記防水センサは、前記サイドフレームよりも車幅方向の外方、かつ、前記シフトペダルよりも車幅方向の内方に配置されている、請求項1~9のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項11】
前記防水センサの車幅方向の外方に配置され、車両側面視において前記防水センサと重なり、前記シフトペダルを操作するライダーの足が前記防水センサに当たることを防止するガード部材を備えている、請求項1~10のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項12】
上下に回転可能に支持された根元部と先端部とを有するサイドスタンドを備え、
前記サイドスタンドは、前記先端部が前記根元部の下方に位置する起立位置と、前記先端部が前記根元部の後方に位置する傾倒位置とに回転可能に構成され、
前記鞍乗型車両が水平面上に直立した状態であって前記サイドスタンドが前記傾倒位置にあるときに、前記防水センサは、前記サイドスタンドよりも上方、前記サイドスタンドの前記根元部よりも後方、かつ、前記サイドスタンドの前記先端部よりも前方に配置されている、請求項1~11のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項13】
前記サイドスタンドの前記根元部に取り付けられ、前記サイドスタンドの位置を検出するサイドスタンドスイッチを備え、
前記防水センサは、前記サイドスタンドスイッチの後方かつ上方に配置されている、請求項12に記載の鞍乗型車両。
【請求項14】
前記サイドフレームに固定され、前記サイドフレームの後方に配置されたフットレストブラケットを備え、
前記シフトペダルは、前記フットレストブラケットに取り付けられ、
前記フットレストブラケットは、前記防水センサよりも上方に配置され、かつ、車両平面視において前記防水センサの少なくとも一部と重なっている、請求項1~13のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項15】
前記ワイヤハーネスに接続された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記防水センサからの信号を受けて、前記内燃機関の出力を一時的に低下させる制御を行うように構成されている、請求項1~14のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項16】
前記サイドフレームに支持されたピボット軸と、
前記ピボット軸を介して前記サイドフレームに揺動可能に連結されたリアアームと、を備え、
前記防水センサは、前記ピボット軸よりも後方に配置されている、請求項1~15のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【請求項17】
前記防水センサは、前記シフトロッドの収縮および伸長のいずれか一方のみを検出するように構成されている、請求項1~16のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトペダルの操作を検出するセンサを備えた鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開平5-26065号公報の
図10に記載されているように、シフトペダルと、シフトペダルが操作されたことを検出するセンサとを備え、シフトペダルの操作が検出されると、変速機の変速が円滑に行われるようにエンジンが制御される鞍乗型車両が知られている。この鞍乗型車両では、シフトペダルと変速機のシフト軸とは、シフトロッドによって連結されている。センサはシフトロッドに備えられている。
【0003】
上記鞍乗型車両は、エンジンの側方に配置され、下方に延びるサイドフレームを備えている。車両側面視において、シフトロッドの一部はサイドフレームと重なっている。シフトロッドは、サイドフレームの前方から後方にわたって延びている。センサは、サイドフレームよりも前方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シフトペダルの操作を検出するセンサとして、防水性を有するセンサ(以下、防水センサという)を用いることとすれば、水たまりの多い悪路等も問題なく走行することができる。しかし、防水センサは、防水性を有していないセンサに比べて大型である。上記鞍乗型車両のセンサを防水センサに置き換えようとした場合、防水センサとサイドフレームとの干渉が懸念される。そこで、サイドフレームを避けるために、防水センサを上記センサが配置されている位置よりも車幅方向の外方に配置することが考えられる。ところがこれでは、シフトペダルの近傍部分について、車幅方向の寸法が大きくなってしまうという課題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、シフトペダルの操作を検出する防水センサがシフトロッドに備えられ、車幅方向の大型化が抑制された鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示される鞍乗型車両は、内燃機関と、前記内燃機関の側方に配置され、下方に延びるサイドフレームと、前記内燃機関に設けられたシフト軸と、シフトペダルと、前記シフト軸と前記シフトペダルとを連結するシフトロッドと、前記シフトロッドに備えられ、前記シフトロッドの収縮または伸長を検出する防水センサと、前記防水センサに接続されたワイヤハーネスと、を備える。車両側面視において、前記シフトロッドの一部は前記サイドフレームと重なっている。前記ワイヤハーネスは、車両側面視において前記サイドフレームと重なる重なり部および前記重なり部の後方に位置する後方部を有している。前記防水センサの少なくとも一部は、前記サイドフレームよりも後方に配置されている。前記ワイヤハーネスの前記重なり部および前記後方部は、前記シフトロッドの下方に配置されている。
【0008】
上記鞍乗型車両によれば、防水センサの少なくとも一部はサイドフレームよりも後方に配置されている。サイドフレームの後方のスペースが、防水センサの少なくとも一部の設置スペースとして活用される。防水センサは比較的後方に配置されており、防水センサとサイドフレームとは比較的干渉しにくい。よって、鞍乗型車両におけるシフトペダルの近傍部分について、車幅方向の大型化は抑制される。ところで、防水センサが比較的後方に配置されている場合、ワイヤハーネスの重なり部および後方部とシフトロッドとの干渉が懸念される。しかし、上記鞍乗型車両によれば、ワイヤハーネスの重なり部および後方部は、シフトロッドの下方に配置されている。よって、車幅方向の大型化を抑制しながら、それらの干渉を避けることができる。したがって、上記鞍乗型車両によれば、車幅方向の大型化を抑制しながら、シフトロッドに備えられるセンサとして防水センサを用いることができる。
【0009】
好ましい一態様によれば、前記シフトペダルは、上下に回転可能なペダル支持軸と、前記ペダル支持軸から前方に延びるペダルアームと、前記ペダルアームから車幅方向の外方に延びるペダル操作軸と、を有している。前記防水センサは、前記ペダル操作軸よりも後方に配置されている。
【0010】
上記態様によれば、ペダル操作軸よりも後方のスペースが防水センサの設置スペースとして活用される。防水センサがより後方に配置されているので、車幅方向の大型化は更に抑制される。
【0011】
前記ペダル操作軸は、車両側面視において前記サイドフレームと重なっていてもよい。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記防水センサは、センサロッドと、前記センサロッドとの接触によりON/OFFされる機械式スイッチと、を有している。
【0013】
上記態様によれば、防水センサは機械式のセンサであるので、防水センサが光学式のセンサの場合に比べて安価となる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記防水センサは、前記機械式スイッチが収容されたスイッチケースを有している。前記スイッチケースは、前記サイドフレームよりも後方に配置されている。
【0015】
上記態様によれば、スイッチケースには機械式スイッチが止水性を確保しながら内蔵されているので、スイッチケースは比較的大型となる。しかし、スイッチケースはサイドフレームよりも後方に配置されている。スイッチケースとサイドフレームとの干渉が避けられるので、車幅方向の大型化は抑制される。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記スイッチケースは、前方に開いた接続口を有している。前記ワイヤハーネスは、前記接続口に接続されている。
【0017】
上記態様によれば、ワイヤハーネスはスイッチケースから前方に向けて延び、ワイヤハーネスがスイッチケースから下方に出っ張ることは避けられる。ワイヤハーネスをコンパクトに配置することができる。
【0018】
好ましい一態様によれば、車両平面視において、前記ワイヤハーネスの前記重なり部および前記後方部は、前記シフトロッドと重なっている。
【0019】
上記態様によれば、ワイヤハーネスの重なり部および後方部は、シフトロッドよりも車幅方向の外方に大きく出っ張ってはいない。よって、車幅方向の大型化は抑制される。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記ワイヤハーネスを前記シフトロッドに固定する固定部材を備えている。
【0021】
上記態様によれば、ワイヤハーネスをシフトロッドに沿わせることができる。よって、ワイヤハーネスをコンパクトに配置することができる。
【0022】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記ワイヤハーネスが挿入されたホース状のハーネスカバーを備えている。前記ハーネスカバーは、前記シフトロッドの下方に配置され、かつ、車両平面視において前記シフトロッドと重なる部分を有している。
【0023】
上記態様によれば、ハーネスカバーにより、路面から巻き上げられる砂利や泥、または、ライダーの足などからワイヤハーネスを保護することができる。ハーネスカバーはワイヤハーネスよりも大径であるが、ハーネスカバーのうちシフトロッドの下方の部分は、シフトロッドの真下に配置されており、シフトロッドよりも車幅方向の外方に大きく出っ張ってはいない。よって、車幅方向の大型化は抑制される。
【0024】
好ましい一態様によれば、前記防水センサは、前記サイドフレームよりも車幅方向の外方、かつ、前記シフトペダルよりも車幅方向の内方に配置されている。
【0025】
上記態様によれば、防水センサはサイドフレームとシフトペダルとの間にコンパクトに配置される。
【0026】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記防水センサの車幅方向の外方に配置され、車両側面視において前記防水センサと重なり、前記シフトペダルを操作するライダーの足が前記防水センサに当たることを防止するガード部材を備えている。
【0027】
防水センサが比較的後方に配置されていると、シフトペダルを操作する際にライダーの足が防水センサに当たることが懸念される。しかし上記態様によれば、ガード部材により、ライダーの足が防水センサに当たることが防止される。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、上下に回転可能に支持された根元部と先端部とを有するサイドスタンドを備えている。前記サイドスタンドは、前記先端部が前記根元部の下方に位置する起立位置と、前記先端部が前記根元部の後方に位置する傾倒位置とに回転可能に構成されている。前記鞍乗型車両が水平面上に直立した状態であって前記サイドスタンドが前記傾倒位置にあるときに、前記防水センサは、前記サイドスタンドよりも上方、前記サイドスタンドの前記根元部よりも後方、かつ、前記サイドスタンドの前記先端部よりも前方に配置されている。
【0029】
上記態様によれば、防水センサおよびサイドスタンドを、互いの干渉を避けながらコンパクトに配置することができる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記サイドスタンドの前記根元部に取り付けられ、前記サイドスタンドの位置を検出するサイドスタンドスイッチを備えている。前記防水センサは、前記サイドスタンドスイッチの後方かつ上方に配置されている。
【0031】
上記態様によれば、防水センサおよびサイドスタンドスイッチを、互いの干渉を避けながらコンパクトに配置することができる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記サイドフレームに固定され、前記サイドフレームの後方に配置されたフットレストブラケットを備えている。前記シフトペダルは、前記フットレストブラケットに取り付けられている。前記フットレストブラケットは、前記防水センサよりも上方に配置され、かつ、車両平面視において前記防水センサの少なくとも一部と重なっている。
【0033】
上記態様によれば、防水センサはフットレストブラケットの少なくとも一部の真下に配置されている。防水センサは、フットレストブラケットよりも車幅方向の外方に大きく出っ張ってはいない。よって、車幅方向の大型化が抑制される。
【0034】
前記鞍乗型車両は、前記ワイヤハーネスに接続された制御装置を備えていてもよい。前記制御装置は、前記防水センサからの信号を受けて、前記内燃機関の出力を一時的に低下させる制御を行うように構成されていてもよい。
【0035】
前記鞍乗型車両は、前記サイドフレームに支持されたピボット軸と、前記ピボット軸を介して前記サイドフレームに揺動可能に連結されたリアアームと、を備えていてもよい。前記防水センサは、前記ピボット軸よりも後方に配置されていてもよい。
【0036】
好ましい一態様によれば、前記防水センサは、前記シフトロッドの収縮および伸長のいずれか一方のみを検出するように構成されている。
【0037】
上記態様によれば、防水センサがシフトロッドの収縮および伸張の両方を検出するように構成されている場合に比べて、防水センサを小型化することができる。よって、車幅方向の大型化を更に抑制することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、シフトペダルの操作を検出する防水センサがシフトロッドに備えられ、車幅方向の大型化が抑制された鞍乗型車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
【
図2】自動二輪車の主要部を抽出して表す斜視図である。
【
図3】自動二輪車の主要部を抽出して表す左側面図である。
【
図4】自動二輪車の主要部を抽出して表す平面図である。
【
図5】自動二輪車の主要部を抽出して表す正面図である。
【
図6】センサロッドおよびワイヤハーネスの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。
図1は、鞍乗型車両の一例である自動二輪車1の左側面図である。
【0041】
以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、乗員が乗車せずかつ荷物が載せられていない自動二輪車1が水平面上に直立した状態で停止している場合に、シート2に着座した仮想的な乗員から見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図中のF、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。前方とは、車両平面視において、車両中心線CL(
図4参照)に沿って前向きに延びる方向だけでなく、当該方向から左右に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。同様に、後方とは、車両平面視において、車両中心線CLに沿って後向きに延びる方向だけでなく、当該方向から左右に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。左方とは、車両平面視において、車両中心線CLに対して垂直に左向きに延びる方向だけでなく、当該方向から前後に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。右方とは、車両平面視において、車両中心線CLに対して垂直に右向きに延びる方向だけでなく、当該方向から前後に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。上方とは、車両側面視において、鉛直上向きの方向だけでなく、当該方向から前後に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。下方とは、車両側面視において、鉛直下向きの方向だけでなく、当該方向から前後に45度以内の角度で傾いた方向も含まれるものとする。
【0042】
図1に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム3と、車体フレーム3に支持されたシート2と、前輪4と、後輪5と、前輪4を操舵するハンドルバー6と、後輪5を駆動する内燃機関(以下、エンジンという)7とを備えている。エンジン7は車体フレーム3に支持されている。
【0043】
車体フレーム3は、下方に延びる左および右のサイドフレーム10を有している。各サイドフレーム10は、エンジン7の側方に配置されている。
図1に示すように、左のサイドフレーム10はエンジン7の左方に配置されている。
【0044】
サイドフレーム10にはピボット軸11が支持されている。ピボット軸11には、リアアーム8の前端部が揺動可能に連結されている。リアアーム8は、ピボット軸11を介してサイドフレーム10に揺動可能に連結されている。リアアーム8の後端部には、後輪5が回転可能に連結されている。エンジン7と後輪5とは、動力伝達部材の一例であるチェーン9により連結されている。
【0045】
図示は省略するが、エンジン7は有段式の変速機を備えている。エンジン7には、変速機のシフト軸16が設けられている。シフト軸16が回転すると、変速機のギア段が変更される。シフト軸16の一部は、エンジン7の外部に配置されている。
【0046】
自動二輪車1は、フットレストブラケット20と、シフト軸16を操作するシフトペダル30と、シフト軸16とシフトペダル30とを連結するシフトロッド40と、ワイヤハーネス60と、サイドスタンド70と、サイドスタンドスイッチ80とを備えている。
図2、
図3、
図4、
図5は、それら部品(以下、主要部という)の斜視図、左側面図、平面図、正面図をそれぞれ表す。
【0047】
図2に示すように、フットレストブラケット20は、ボルト24によりサイドフレーム10に固定されている。フットレストブラケット20は、サイドフレーム10の後方に配置されている。フットレストブラケット20は、上アーム21と、上アーム21の下方に配置された下アーム22と、サイドカバー23とを有している。
図3に示すように、サイドカバー23は、上アーム21から上方および後方に延びている。
図2に示すように、上アーム21の前部および下アーム22の前部は、ボルト24によりサイドフレーム10に固定されている。上アーム21の後部および下アーム22の後部は一体化されている。サイドカバー23は上アーム21と一体化されている。
【0048】
シフトペダル30は、乗員の足により操作される。シフトペダル30はフットレストブラケット20に取り付けられている。シフトペダル30は、上下に回転可能なペダル支持軸31と、ペダル支持軸31から前方に延びるペダルアーム32と、ペダルアーム32から左方に延びるペダル操作軸33と、ペダル支持軸31から下方に延びるリンクアーム35とを有している。ペダル操作軸33は、ペダルアーム32から車幅方向の外方に延びている。なお、「車幅方向の外方」とは、車両中心線CL(
図4参照)から遠ざかる方を言う。「車幅方向の内方」とは、車両中心線に近づく方を言う。
図3に示すように、ペダル操作軸33は、車両側面視においてサイドフレーム10と重なっている。ペダル支持軸31は、フットレストブラケット20に回転可能に支持されている。
図4に示すように、ペダル支持軸31の車幅方向の外方には、フットレスト34が配置されている。フットレスト34は、ペダル支持軸31の左方に配置され、左方に延びている。
【0049】
フットレスト34には乗員の足が載せられる。ペダル操作軸33は乗員の足のつま先により、上方または下方に移動させられる。シフトペダル30は、シフトアップの際にはペダル操作軸33が上方に移動するように操作され、シフトダウンの際にはペダル操作軸33が下方に移動するように操作される。
図3において、シフトペダル30は、シフトアップの際にはペダル支持軸31の中心周りに時計回りに回転し、シフトダウンの際にはペダル支持軸31の中心周りに反時計回りに回転する。
【0050】
シフトロッド40は、メインロッド41と防水センサ50とを有している。メインロッド41の前端部は、リンクアーム42を介してシフト軸16に連結されている。シフト軸16は、リンクアーム42の上端部に回転可能に接続されている。メインロッド41の前端部は、リンクアーム42の下端部に回転可能に接続されている。メインロッド41の後端部は、防水センサ50の前端部に接続されている。防水センサ50の後端部は、シフトペダル30のリンクアーム35に回転可能に接続されている。
【0051】
防水センサ50は、シフトロッド40の収縮を検出する防水性のセンサである。
図6に示すように、防水センサ50は、棒状のセンサロッド51と、センサロッド51を軸線方向に摺動可能に支持するケーシング52と、センサロッド51との接触によりON/OFFされる機械式のスイッチ53と、スイッチ53が収容されたスイッチケース54と、センサロッド51をスイッチ53から遠ざかる方に付勢するばね(図示せず)とを有している。ケーシング52およびスイッチケース54は、水の侵入を阻止する止水構造(図示せず)を備えている。センサロッド51の前端部51aは、メインロッド41の後端部41bに接続されている。
【0052】
前述の通り
図3において、シフトアップの際に、シフトペダル30は時計回りに回転する。シフトアップの際に、シフトロッド40には圧縮力が加わる。シフトロッド40に圧縮力が加わると、センサロッド51はスイッチ53の方に移動し、スイッチ53に接触する。これにより、スイッチ53はONとなる。防水センサ50は、シフトペダル30のシフトアップ操作を検出するように構成されている。乗員Pのシフトアップ操作が終了すると、センサロッド51は前記ばねの力を受けて、スイッチ53から離間した中立位置に戻る。
【0053】
なお、本実施形態では、防水センサ50は、シフトロッド40の伸張を検出しないように構成されている。防水センサ50は、シフトペダル30のシフトダウン操作を検出しないように構成されている。
【0054】
図3に示すように、防水センサ50の少なくとも一部は、サイドフレーム10よりも後方に配置されている。なお、「サイドフレーム10よりも後方に配置されている」とは、車両側面視においてサイドフレーム10の後縁よりも後方に配置されていることを意味する。防水センサ50は、ペダル操作軸33よりも後方に配置されている。防水センサ50は、ピボット軸11よりも後方に配置されている。スイッチケース54は、サイドフレーム10よりも後方に配置されている。
図4および
図5に示すように、防水センサ50は、サイドフレーム10よりも左方、かつ、シフトペダル30よりも右方に配置されている。防水センサ50は、サイドフレーム10よりも車幅方向の外方、かつ、シフトペダル30よりも車幅方向の内方に配置されている。
【0055】
図3に示すように、フットレストブラケット20は、防水センサ50の上方に配置されている。
図5に示すように、フットレストブラケット20のサイドカバー23は、上方かつ車幅方向の外方に延びる傾斜部23aと、傾斜部23aから上方に延びる垂直部23bとを有している。
図4に示すように車両平面視において、フットレストブラケット20は、防水センサ50の少なくとも一部と重なっている。
【0056】
ワイヤハーネス60は防水センサ50に接続されている。
図6に示すように、スイッチケース54には、前方に開いた接続口54aが形成されている。ワイヤハーネス60は接続口54aに接続されている。スイッチケース54の内部において、ワイヤハーネス60の一端部はスイッチ53に接続されている。ワイヤハーネス60は、スイッチケース54から前方に延びている。ワイヤハーネス60は、スイッチケース54から下方に出っ張っていない。ワイヤハーネス60の他端部はECU(Electronic Control Unit)90に接続されている(
図3参照)。
【0057】
ECU90は、防水センサ50から信号を受けて、エンジン7の出力を一時的に低下させる制御を行うように構成されている。防水センサ50がシフトアップ操作を検知すると、ECU90はエンジン7の出力を一時的に低下させることにより、変速機のギア(図示せず)の駆動トルクを低減させる。これにより、例えば、アクセルを戻さなくてもシフトチェンジを行うことができる。また、クラッチを切らずにシフトチェンジを行うことができる。そのため、シフトチェンジを迅速に行うことが可能となる。また、乗員のシフト操作の負担が軽減される。
【0058】
ワイヤハーネス60の一部は、ハーネスカバー66によって覆われている。ハーネスカバー66はホース状に形成されている。ワイヤハーネス60の一部は、ハーネスカバー66に挿入されている。
【0059】
図6に示すように、ハーネスカバー66は、車両側面視においてサイドフレーム10と重なる重なり部66Aと、重なり部66Aの前方に位置する前方部66Bと、重なり部66Bの後方に位置する後方部66Cとを有している。ここでは、重なり部66Aおよび後方部66Cは、シフトロッド40の真下に配置されている。
図4に示すように車両平面視において、ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび後方部66Cは、シフトロッド40と重なっている。
【0060】
前述したように、ハーネスカバー66にはワイヤハーネス60が挿入されている。
図6に示すように、ワイヤハーネス60は、車両側面視においてサイドフレーム10と重なる重なり部60Aと、重なり部60Aの前方に位置する前方部60Bと、重なり部60Aの後方に位置する後方部60Cとを有している。ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40の下方に配置されている。ここでは、重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40の真下に配置されている。車両平面視において、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40と重なっている(
図4参照)。
【0061】
図6に示すように、ワイヤハーネス60はハーネスカバー66と共に、結束バンド65によってシフトロッド40に留められている。ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび後方部66Cと共に、シフトロッド40に沿って配置されている。ここでは、ワイヤハーネス60およびハーネスカバー66は、結束バンド65により、メインロッド41に留められている。ただし、ワイヤハーネス60およびハーネスカバー66は、結束バンド65により防水センサ50に留められていてもよい。結束バンド65の本数は限定されない。ワイヤハーネス60およびハーネスカバー66は、メインロッド41および防水センサ50のいずれか一方のみに留められていてよく、両方に留められていてもよい。結束バンド65は、ワイヤハーネス60をシフトロッド40に固定する固定部材の一例であるが、固定部材は特に限定されない。固定部材は、帯状の部材に限らず、紐状の部材であってもよく、その他の部材であってもよい。
【0062】
図3に示すように、防水センサ50はシフトペダル30の近傍に配置されている。自動二輪車1は、シフトペダル30を操作する乗員の足が防水センサ50に当たることを防止するガード部材36を備えている。ガード部材36は、車両側面視において防水センサ50と重なっている。車両側面視において、ガード部材36の少なくとも一部はスイッチケース54と重なっている。ここでは、ガード部材36はシフトペダル30に固定されている。ガード部材36は、棒状の部材により構成されている。ただし、ガード部材36の形状は特に限定されない。ガード部材36は、例えば板状の部材であってもよい。
【0063】
前述の通り、ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび後方部66Cは、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cと共に、シフトロッド40の下方に配置されている。ガード部材36は、乗員の足がハーネスカバー66およびワイヤハーネス60に当たることを防止する。
【0064】
サイドフレーム10の下部にはブラケット76が固定されている。サイドスタンド70は、ブラケット76に回転可能に支持されている。サイドスタンド70は、ブラケット76に上下に回転可能に支持された根元部71と、先端部72とを有している。サイドスタンド70は、先端部72が根元部71の下方に位置する起立位置と、先端部72が根元部71の後方に位置する傾倒位置とに回転可能に構成されている。なお、
図3は、サイドスタンド70が傾倒位置にある状態を表している。自動二輪車1の駐車時には、サイドスタンド70は起立位置に位置づけられる。サイドスタンド70が起立位置にあるときに、先端部72は地面に接触する。自動二輪車1に乗員が乗車するときには、サイドスタンド70は傾倒位置に位置づけられる。サイドスタンド70が傾倒位置にあるときに、先端部72は地面よりも上方に位置し、地面から離間する。
図3に示すように、自動二輪車1が水平面上に直立した状態であってサイドスタンド70が傾倒位置にあるときに、防水センサ50は、サイドスタンド70よりも上方、サイドスタンド70の根元部71よりも後方、かつ、サイドスタンド70の先端部72よりも前方に配置されている。
【0065】
サイドスタンド70の根元部71には、サイドスタンドスイッチ80が取り付けられている。サイドスタンドスイッチ80は、サイドスタンド70の位置を検出するように構成されている。サイドスタンドスイッチ80は、サイドスタンド70の位置が起立位置から傾倒位置に切り替えられたとき、または、傾倒位置から起立位置に切り替えられたときに、ONまたはOFFされる。サイドスタンドスイッチ80には、ワイヤハーネス81が接続されている。ワイヤハーネス81は前方に延びている。ワイヤハーネス81の前端部はECU90に接続されている。防水センサ50は、サイドスタンドスイッチ80の後方かつ上方に配置されている。
【0066】
以上が本実施形態に係る自動二輪車1の構成である。次に、自動二輪車1によってもたらされる様々な効果について説明する。
【0067】
本実施形態に係る自動二輪車1によれば、シフトペダル30の操作を検出するセンサとして、防水センサ50を備えている。そのため、水たまりの多い悪路等であっても、問題なく走行することができる。しかし、防水センサ50は、防水性を有していないセンサに比べると大型である。
【0068】
本実施形態によれば、防水センサ50は比較的後方に配置されている。防水センサ50の少なくとも一部は、サイドフレーム10よりも後方に配置されている。サイドフレーム10の後方のスペースが、防水センサ50の少なくとも一部の設置スペースとして活用される。防水センサ50とサイドフレーム10とは、比較的干渉しにくい。よって、防水センサ50を備えているが、防水センサ50の近傍部分について、車幅方向の大型化を抑制することができる。
【0069】
防水センサ50が比較的後方に配置されている場合、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cとサイドフレーム10との干渉、および、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cとシフトロッド40との干渉が懸念される。しかし、本実施形態によれば、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40の下方に配置されている。よって、車幅方向の大型化を抑制しながら、それらの干渉を避けることができる。
【0070】
したがって、本実施形態によれば、車幅方向の大型化を抑制しながら、シフトロッド40に備えられるセンサとして、防水センサ50を用いることができる。
【0071】
本実施形態によれば、防水センサ50はペダル操作軸33よりも後方に配置されている。ペダル操作軸33よりも後方のスペースが防水センサ50の設置スペースとして活用される。防水センサ50がより後方に配置されているので、車幅方向の大型化を更に抑制することができる。
【0072】
本実施形態によれば、
図6に示すように、防水センサ50は、センサロッド51と、センサロッド51との接触によりON/OFFされる機械式のスイッチ53とを有している。防水センサ50は機械式のセンサである。光学式のセンサに比べて、防水センサ50を安価にすることができる。
【0073】
防水センサ50は、スイッチ53が収容されたスイッチケース54を備えている。スイッチケース54は止水構造を有している。スイッチケース54の上下幅は、防水センサ50の他の部分の上下幅よりも大きい。スイッチケース54は、防水センサ50の他の部分よりも大型である。本実施形態によれば、スイッチケース54はサイドフレーム10よりも後方に配置されている。よって、スイッチケース54とサイドフレーム10とは干渉しないので、車幅方向の大型化を抑制することができる。
【0074】
スイッチケース54は前方に開いた接続口54aを有し、ワイヤハーネス60は接続口54aに接続されている。ワイヤハーネス60はスイッチケース54から前方に向けて延びている。ワイヤハーネス60がスイッチケース54から下方に出っ張ることは避けられている。これにより、ワイヤハーネス60をコンパクトに配置することができる。
【0075】
本実施形態によれば、
図4に示すように車両平面視において、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、シフトロッド40と重なっている。ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび後方部60Cは、車幅方向の外方に出っ張っていない。よって、車幅方向の大型化を抑制することができる。
【0076】
本実施形態によれば、
図6に示すように、ワイヤハーネス60はハーネスカバー66と共に、結束バンド65によりシフトロッド40に固定されている。ワイヤハーネス60をハーネスカバー66と共にシフトロッド40に沿わせることができる。よって、ワイヤハーネス60およびハーネスカバー66をコンパクトに配置することができる。
【0077】
本実施形態によれば、ワイヤハーネス60はハーネスカバー66に覆われている。路面から巻き上げられる砂利や泥等から、ワイヤハーネス60を保護することができる。また、乗員がシフトペダル30またはサイドスタンド70を操作するときに、乗員の足からワイヤハーネス60を保護することができる。ハーネスカバー66はワイヤハーネス60よりも大径であるが、ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび後方部66Cは、シフトロッド40の下方に配置され、かつ、車両平面視においてシフトロッド40と重なっている(
図4参照)。ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび後方部66Cは、シフトロッド40よりも車幅方向の外方に出っ張っていない。よって、車幅方向の大型化を抑制することができる。
【0078】
本実施形態によれば、
図5に示すように、防水センサ50は、サイドフレーム10よりも車幅方向の外方、かつ、シフトペダル30よりも車幅方向の内方に配置されている。防水センサ50は、サイドフレーム10とシフトペダル30との間にコンパクトに配置される。
【0079】
本実施形態によれば、
図3に示すように、防水センサ50が比較的後方に配置されているため、シフトペダル30を操作する際に乗員の足が防止センサ50に当たることが懸念される。しかし、シフトペダル30にガード部材36が設けられている。ガード部材36により、乗員の足が防水センサ50に当たることを防止することができる。
【0080】
本実施形態によれば、自動二輪車1が水平面上に直立した状態であってサイドスタンド70が傾倒位置にあるときに、防水センサ50は、サイドスタンド70よりも上方、サイドスタンド70の根元部71よりも後方、かつ、サイドスタンド70の先端部72よりも前方に配置されている。防水センサ50およびサイドスタンド70を、互いの干渉を避けながらコンパクトに配置することができる。
【0081】
防水センサ50は、サイドスタンドスイッチ80の後方かつ上方に配置されている。防水センサ50およびサイドスタンドスイッチ80を、互いの干渉を避けながらコンパクトに配置することができる。
【0082】
本実施形態によれば、フットレストブラケット20は、
図3に示すように防水センサ50よりも上方に配置され、かつ、
図4に示すように車両平面視において、防水センサ50の少なくとも一部と重なっている。防水センサ50は、フットレストブラケット20の少なくとも一部の真下に配置されている(
図5参照)。そのため、車幅方向の大型化を抑制することができる。
【0083】
防水センサ50は、シフトロッド40の収縮および伸張の両方を検出するように構成されていてもよいが、本実施形態では、シフトロッド40の収縮のみを検出するように構成されている。そのため、防水センサ50がシフトロッド40の収縮および伸張の両方を検出するように構成されている場合に比べて、防水センサ50を小型化することができる。
【0084】
以上、一実施形態について説明した。しかし、前記実施形態は一例に過ぎず、他にも様々な実施形態が可能である。次に、他の実施形態の例について簡単に説明する。
【0085】
防水センサ50の前後方向の位置は適宜に変更することができる。防水センサ50の一部のみがサイドフレーム10よりも後方に配置されていてもよいが、防水センサ50の全部がサイドフレーム10よりも後方に配置されていてもよい。
【0086】
シフトロッド40は、シフトアップの際に伸張するように構成されていてもよい。例えば、シフトロッド40とシフトペダル30との接続部分は、ペダル支持軸31の上方に位置していてもよい。この場合、防水センサ50はシフトロッド40の伸張のみを検出するように構成されていてもよい。
【0087】
防水センサ50の一部はペダル操作軸33よりも前方に配置されていてもよい。ペダル操作軸33は、サイドフレーム10よりも前方に配置されていてもよい。
【0088】
防水センサ50は光学式センサであってもよい。防水センサ50のスイッチケース54の少なくとも一部は、車両側面視においてサイドフレーム10と重なっていてもよい。
【0089】
スイッチケース54の接続口54aは下方に開口していてもよい。ワイヤハーネス60はスイッチケース54から下方に延びてから前方に延びていてもよい。
【0090】
ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび/または後方部60Cは、シフトロッド40の真下に配置されていなくてもよい。車両平面視において、ワイヤハーネス60の重なり部60Aおよび/または後方部60Cは、シフトロッド40と重なっていなくてもよい。
【0091】
ワイヤハーネス60はシフトロッド40に固定されていなくてもよい。例えば、ワイヤハーネス60は、他の車両部品に固定されていてもよい。
【0092】
ハーネスカバー66は無くてもよい。ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび/または後方部66Cは、シフトロッド40の真下に配置されていなくてもよい。車両平面視において、ハーネスカバー66の重なり部66Aおよび/または後方部66Cは、シフトロッド40と重なっていなくてもよい。
【0093】
ガード部材36は、シフトペダル30以外の車両部品に設けられていてもよい。また、ガード部材36は無くてもよい。
【0094】
サイドスタンドスイッチ80は無くてもよい。
【0095】
フットレストブラケット20は、車両平面視において防水センサ50と重なっていなくてもよい。シフトペダル30はフットレストブラケット20に支持されていなくてもよい。シフトペダル30は、フットレストブラケット20以外の車両部品に支持されていてもよい。フットレストブラケット20は無くてもよい。
【0096】
鞍乗型車両とは、乗員が跨がって乗車する車両のことである。鞍乗型車両は自動二輪車1に限定されない。鞍乗型車両は、例えば、自動三輪車、ATV(All Terrain vehicle)、スノーモービルであってもよい。
【0097】
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0098】
1…自動二輪車(鞍乗型車両)、7…内燃機関、8…リアアーム、10…サイドフレーム、11…ピボット軸、16…シフト軸、20…フットレストブラケット、30…シフトペダル、31…ペダル支持軸、32…ペダルアーム、33…ペダル操作軸、36…ガード部材、40…シフトロッド、50…防水センサ、51…センサロッド、53…機械式スイッチ、54…スイッチケース、54a…接続口、60…ワイヤハーネス、60A…重なり部、60C…後方部、65…結束バンド(固定部材)、66…ハーネスカバー、66A…重なり部、66C…後方部、70…サイドスタンド、71…根元部、72…先端部、80…サイドスタンドスイッチ、90…ECU(制御装置)