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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073140
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】選考装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220510BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220510BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
G06T7/00 660Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182936
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】519063196
【氏名又は名称】株式会社ZENKIGEN
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】小荷田 成尭
【テーマコード(参考)】
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L049AA08
5L049AA11
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA39
5L096HA02
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】合格者の決定までを容易にするとともに、より事業者の希望に合った志願者を判断することが可能な選考装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】所定の事業者への志願者Uを被写体として含む動画像に基づいて、志願者Uの選考を実施する選考装置1であって、動画像を取得する動画像取得部101と、動画像に含まれる志願者Uの特徴量と、他の志願者Uを被写体として含む動画像と、他の志願者Uの合否判断に関する情報とに基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する推奨度判断部106と、判断結果に基づいて、志願者Uの合格推奨度を出力する出力部113と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置であって、
前記動画像を取得する動画像取得部と、
前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量と、他の志願者を被写体として含む動画像と、前記他の志願者の合否判断に関する情報とに基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断する推奨度判断部と、
判断結果に基づいて、前記志願者の合格推奨度を出力する出力部と、
を備える選考装置。
【請求項2】
前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量を抽出する抽出部をさらに備える請求項1に記載の選考装置。
【請求項3】
前記抽出部は、抽出された特徴量に基づいて、前記志願者に対してラベル付けを実施し、
前記推奨度判断部は、前記志願者に対して付されたラベルと、前記他の志願者に付されたラベルと、前記他の志願者の合否判断に関する情報に基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断する請求項2に記載の選考装置。
【請求項4】
合格推奨度に関する判断結果の傾向を評価する評価部と、
評価結果に基づいて、重視する特徴量を調整する調整部と、
をさらに備え、
前記推奨度判断部は、調整された特徴量を用いて合格推奨度を判断する請求項3に記載の選考装置。
【請求項5】
前記抽出部は、前記動画像に含まれる前記志願者の服装、表情、口調、環境照明、部屋の背景、顔立ち、体型、髪型、及び撮影環境の少なくとも1つの特徴量を抽出する請求項3又は4に記載の選考装置。
【請求項6】
前記推奨度判断部は、過去の合格者の動画像に付されたラベルに基づいて前記志願者の合格推奨度を判断する請求項3から5のいずれかに記載の選考装置。
【請求項7】
前記推奨度判断部は、前記合格者の受け答えの論理性、喋り方、振る舞い、発言、及び発言内容の真意度の少なくとも1つに関する特徴量に基づいて前記志願者の合格推奨度を判断する請求項6に記載の選考装置。
【請求項8】
前記推奨度判断部は、さらに前記志願者のステータス及び外部評価要因に関する情報に基づいて、合格推奨度を判断する請求項3から7のいずれかに記載の選考装置。
【請求項9】
所定以上の合格推奨度と判断された前記志願者から、合格ラインを超えているか否かを判定する判定部をさらに備える請求項3から8のいずれかに記載の選考装置。
【請求項10】
前記志願者について、前記ラベルに対する充足度を算出する充足度算出部をさらに備える請求項9に記載の選考装置。
【請求項11】
取得された前記動画像を用いて所定の前記事業者への合否判断をシミュレートするシミュレート実行部をさらに備え、
前記出力部は、シミュレート結果を出力する請求項2から10のいずれかに記載の選考装置。
【請求項12】
合格ラインを越えていると判定された前記志願者に関して、判定された前記志願者の傾向を分析する分析部をさらに備える請求項10に記載の選考装置。
【請求項13】
合格ラインを越えていないと判定された前記志願者に関して、判定された前記志願者の傾向を分析する分析部をさらに備える請求項10に記載の選考装置。
【請求項14】
前記抽出部は、所定の特徴量を用いて、取得された複数の前記動画像をソートする請求項2から13のいずれかに記載の選考装置。
【請求項15】
所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置であって、
前記動画像を取得する動画像取得部と、
前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量を抽出する抽出部と、
抽出された前記特徴量を出力する出力部と、
を備える選考装置。
【請求項16】
所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記動画像を取得する動画像取得部、
前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量と、他の志願者を被写体として含む動画像と、前記他の志願者の合否判断に関する情報とに基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断する推奨度判断部、
判断結果に基づいて、前記志願者の合格推奨度を出力する出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選考装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークを用いたオンライン面接が実施されている。オンライン面接では、面接会場に足を運ぶことなく実施することができるので、志願者及び事業者(企業)の時間の節約及び会場確保の手間を省くことができる。このようなオンライン面接可能な装置として、志願者の所持する端末に対して、質問及び回答を送受信可能な装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-263537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、新卒採用等で多数の人材を面接するような場合、数千から数万の志願者の中から、志願者を絞る必要があった。そのため、合格者を決定するまでには、多くの時間及び労力がかかっていた。また、事業者としては、より希望する人材に沿った志願者を採用することが望まれている。例えば、単に試験の成績が良いだけではなく、企業風土に合う志願者を採用することが望まれている。また、オンラインで志願者から提供された動画像を用いる場合には、全ての動画像を閲覧する必要があるため、選考に時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、合格者の決定までを容易にするとともに、より事業者の希望に合った志願者を判断することが可能な選考装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置であって、前記動画像を取得する動画像取得部と、前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量と、他の志願者を被写体として含む動画像と、前記他の志願者の合否判断に関する情報とに基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断する推奨度判断部と、判断結果に基づいて、前記志願者の合格推奨度を出力する出力部と、を備える選考装置に関する。
【0007】
また、選考装置は、前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量を抽出する抽出部をさらに備えるのが好ましい。
【0008】
また、前記抽出部は、抽出された特徴量に基づいて、前記志願者に対してラベル付けを実施し、前記推奨度判断部は、前記志願者に対して付されたラベルと、前記他の志願者に付されたラベルと、前記他の志願者の合否判断に関する情報に基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断するのが好ましい。
【0009】
また、選考装置は、合格推奨度に関する判断結果の傾向を評価する評価部と、評価結果に基づいて、重視する特徴量を調整する調整部と、をさらに備え、前記推奨度判断部は、調整された特徴量を用いて合格推奨度を判断するのが好ましい。
【0010】
また、前記抽出部は、前記動画像に含まれる前記志願者の服装、表情、口調、環境照明、部屋の背景、顔立ち、体型、髪型、及び撮影環境の少なくとも1つの特徴量を抽出するのが好ましい。
【0011】
また、前記推奨度判断部は、過去の合格者の動画像に付されたラベルに基づいて前記志願者の合格推奨度を判断するのが好ましい。
【0012】
また、前記推奨度判断部は、前記合格者の受け答えの論理性、喋り方、振る舞い、発言、及び発言内容の真意度の少なくとも1つに関する特徴量に基づいて前記志願者の合格推奨度を判断するのが好ましい。
【0013】
また、前記推奨度判断部は、さらに前記志願者のステータス及び外部評価要因に関する情報に基づいて、合格推奨度を判断するのが好ましい。
【0014】
また、選考装置は、所定以上の合格推奨度と判断された前記志願者から、合格ラインを超えているか否かを判定する判定部をさらに備えるのが好ましい。
【0015】
また、選考装置は、前記志願者について、前記ラベルに対する充足度を算出する充足度算出部をさらに備えるのが好ましい。
【0016】
また、選考装置は、取得された前記動画像を用いて所定の前記事業者への合否判断をシミュレートするシミュレート実行部をさらに備え、前記出力部は、シミュレート結果を出力するのが好ましい。
【0017】
また、選考装置は、決定された合格者に関して、前記合格者の傾向を分析する分析部をさらに備えるのが好ましい。
【0018】
また、選考装置は、合格ラインを越えていないと判定された前記志願者に関して、判定された前記志願者の傾向を分析する分析部をさらに備えるのが好ましい。
【0019】
また、前記抽出部は、所定の特徴量を用いて、取得された複数の前記動画像をソートするのが好ましい。
【0020】
また、本発明は、所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置であって、前記動画像を取得する動画像取得部と、前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量を抽出する抽出部と、抽出された前記特徴量を出力する出力部と、を備える選考装置に関する。
【0021】
また、本発明は、所定の事業者への志願者を被写体として含む動画像に基づいて、前記志願者の選考を実施する選考装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記動画像を取得する動画像取得部、前記動画像に含まれる前記志願者の特徴量と、他の志願者を被写体として含む動画像と、前記他の志願者の合否判断に関する情報とに基づいて、前記志願者の合格推奨度を判断する推奨度判断部、判断結果に基づいて、前記志願者の合格推奨度を出力する出力部、として機能させるプログラムに関する。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、合格者の決定までを容易にするとともに、より事業者の希望に合った志願者を判断することが可能な選考装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る選考装置を含む選考システムのシステム構成を示す概略図である。
図2】一実施形態の選考装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態の選考装置の推奨度判断部によって判断された結果を示す画面図である。
図4】一実施形態の選考装置の評価部によって評価された結果を示す画面図の一例である。
図5】一実施形態の選考装置の評価部によって評価された結果を示す画面図の他の一例である。
図6】一実施形態の選考装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る選考装置1及びプログラムについて、図1から図6を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る選考装置1を含む選考システム100について説明する。
【0025】
選考システム100は、例えば、事業者(企業)の求人に応募した志願者Uについて、志願者Uの合格推奨度を判断するシステムである。選考システム100は、例えば、志願者Uから提供される動画像に基づいて、志願者Uの推奨度を判断する。特に、選考システム100は、事業者の企業風土に合うと思われる志願者Uについて推奨度を高く判断する。この選考システム100は、例えば、一次面接前の書類選考の段階において用いられるシステムである。選考システム100は、ユーザ端末20と、選考装置1と、を備える。
【0026】
ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン等の携帯端末又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末20は、志願者Uの動画像を撮像可能に構成される。ユーザ端末20は、例えば、予め提供される課題(スピーチ等)に対して、ユーザの回答を動画像で撮像する。
【0027】
選考装置1は、例えば、サーバである。選考装置1は、例えば、インターネット回線Nを介してユーザ端末20に接続される。選考装置1は、ユーザ端末20によって撮像された動画像を取得可能に構成される。すなわち、選考装置1は、志願者Uから所定の事業者に応募される動画像を取得可能に構成される。選考装置1は、所定の事業者への志願者Uを被写体として含む動画像に基づいて、志願者Uの選考を実施する。
【0028】
次に、本実施形態に係る選考装置1の構成について、図2を参照して説明する。
選考装置1は、動画像取得部101と、動画像格納部102と、抽出部103と、ラベル格納部104と、特徴量格納部105と、推奨度判断部106と、判断結果格納部107と、評価部108と、調整部109と、判定部110と、充足度算出部111と、分析部112と、出力部113と、を備える。
【0029】
動画像取得部101は、例えば、CPUが動作することにより実現される。動画像取得部101は、ユーザ端末20から送信される動画像を取得する。
【0030】
動画像格納部102は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。動画像格納部102は、取得された動画像を格納する。
【0031】
抽出部103は、例えば、CPUが動作することにより実現される。抽出部103は、動画像に含まれる志願者Uの特徴量を抽出する。抽出部103は、例えば、動画像に含まれる志願者Uの服装、表情、口調、環境照明、部屋の背景、顔立ち、体型、髪型、及び撮影環境の少なくとも1つの特徴量を抽出する。また、抽出部103は、抽出された特徴量に基づいて、志願者Uに対してラベル付けを実施する。
【0032】
ラベル格納部104は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。ラベル格納部104は、例えば、過去の志願者Uを被写体として含む動画像に含まれるラベルと、過去の志願者Uの合否判断に関する情報とを格納する。
【0033】
特徴量格納部105は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。特徴量格納部105は、事業者に応じて重視する特徴量(ラベル)を格納する。特徴量格納部105は、例えば、特徴量(ラベル)に対する重み付けの量を格納する。特徴量格納部105は、例えば、口調の特徴量を重視する場合、口調の特徴量を重くする重み付け量を格納する。
【0034】
推奨度判断部106は、例えば、CPUが動作することにより実現される。推奨度判断部106は、動画像に含まれる志願者Uの特徴量と、他の志願者Uを被写体として含む動画像と、過去の志願者Uの合否判断に関する情報とに基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する。具体的には、推奨度判断部106は、志願者Uに対して付されたラベルと、過去の志願者Uに付されたラベルと、過去の志願者Uの合否判断に関する情報に基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する。すなわち、推奨度判断部106は、過去の合格者の動画像に付されたラベルに基づいて志願者Uの合格推奨度を判断する。また、推奨度判断部106は、合格者の受け答えの論理性、喋り方、振る舞い、発言及び発言内容の真意度の少なくとも1つに関する特徴量に基づいて志願者Uの合格推奨度を判断する。推奨度判断部106は、例えば、図3に示すように、魅力度、ハキハキ度、流暢度、及び笑顔度を特徴量として合格推奨度を判断する。推奨度判断部106は、合格推奨度について、パーセント表示で表示する。また、推奨度判断部106は、後述する調整部109よって調整された特徴量を用いて合格推奨度を判断する。
【0035】
判断結果格納部107は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。判断結果格納部107は、推奨度判断部106によって判断された合格推奨度を判断結果として格納する。判断結果格納部107は、例えば、志願者Uと、対応する合格推奨度とを判断結果として格納する。
【0036】
評価部108は、例えば、CPUが動作することにより実現される。評価部108は、合格推奨度に関する判断結果の傾向を評価する。評価部108は、例えば、複数の志願者Uの判断結果において、特定の特徴量の高い又は低い志願者Uが多く含まれるか否かについてその傾向を評価する。具体的には、評価部108は、複数の志願者Uの判断結果において、魅力度が高い志願者Uが多く含まれるか否かについてその傾向を評価する。評価部108は、例えば、図4に示すように、判断結果に含まれる全ての志願者Uの特徴量の傾向についてその傾向を評価する。
【0037】
調整部109は、例えば、CPUが動作することにより実現される。調整部109は、評価結果に基づいて、重視する特徴量を調整する。調整部109は、例えば、特定の特徴量の重み付けを増加又は低減する調整を実施する。調整部109は、例えば、図4に示す画面図に含まれる特徴量に対して、調整する特徴量と、調整量とを外部から取得する。調整部109は、取得した特徴量及び調整量に基づいて、重み付けを調整する。調整部109は、例えば、魅力度に強みのある志願者Uの合格推奨度を高くしたい場合、魅力度に対する重み付けを大きくする調整を実施する。
【0038】
判定部110は、例えば、CPUが動作することにより実現される。判定部110は、所定以上の合格推奨度と判断された志願者Uから、合格ラインを超えているか否かを判定する。判定部110は、例えば、予め定められた合格ラインを満たす志願者Uについて、合格ラインを越えていると判定する。判定部110は、例えば、合格させる人数に応じて予め定められる合格ラインに基づいて、志願者Uについて合格ラインを越えているか否かを判定する。
【0039】
充足度算出部111は、例えば、CPUが動作することにより実現される。判定部110は、志願者Uについて、ラベルに対する充足度を算出する。充足度算出部111は、例えば、図5に示すように、志願者Uごとに、付されたラベルの充足度を算出する。
【0040】
分析部112は、例えば、CPUが動作することにより実現される。分析部112は、合格ラインを越えていると判定された志願者Uに関して、判定された志願者Uの傾向を分析する。分析部112は、例えば、合格ラインを越えている志願者Uについて、特徴量の傾向を分析する。
【0041】
出力部113は、例えば、CPUが動作することにより実現される。出力部113は、判断結果に基づいて、志願者Uの合格推奨度を出力する。また、出力部113は、評価部108による評価結果、充足度算出部111によって算出された充足度、及び分析部112によって分析された特徴量の傾向を出力する。出力部113は、例えば、表示装置(図示せず)等に、出力する。
【0042】
次に、選考装置1の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、動画像取得部101は、ユーザ端末20から動画像を取得する(ステップS1)。次いで、抽出部103は、動画像に含まれる特徴量を抽出する(ステップS2)。次いで、推奨度算出部は、各志願者Uの合格推奨度を算出する(ステップS3)。
【0043】
次いで、合格ラインの判定要否が判断される(ステップS4)。合格ラインの判定を要する場合(ステップS4:YES)、処理は、ステップS5に進む。一方、合格ラインの判定が不要である場合、(ステップS4:NO)、処理は、ステップS7に進む。
【0044】
ステップS5において、判定部110は、志願者Uについて、所定の合格ラインを越えているか否か判定する。次いで、充足度算出部111は、充足度を算出する(ステップS6)。次いで、処理は、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7において、特徴量の調整の要否が判断される。特徴量の調整を要する場合(ステップS7:YES)、処理は、ステップS8に進む。一方、特徴量の調整が不要である場合(ステップS7:NO)、処理は、ステップS10へ進む。
【0046】
ステップS8において、評価部108は、合格推奨度の判断結果を評価する。次いで、調整部109は、判断結果に基づいて取得された調整量に基づいて、特徴量の重み付けを調整する(ステップS9)。次いで、処理は、ステップS10に進む。
【0047】
ステップS10において、出力部113は、判断結果を出力する。また、出力部113は、判断結果及び評価結果を必要に応じて出力する。以上により、本フローによる処理は、終了する。
【0048】
次に、プログラムについて説明する。
選考装置1に含まれる各構成は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0049】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、表示プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0050】
以上、本実施形態に係る選考装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(1)所定の事業者への志願者Uを被写体として含む動画像に基づいて、志願者Uの選考を実施する選考装置1であって、動画像を取得する動画像取得部101と、動画像に含まれる志願者Uの特徴量と、他の志願者Uを被写体として含む動画像と、他の志願者Uの合否判断に関する情報とに基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する推奨度判断部106と、判断結果に基づいて、志願者Uの合格推奨度を出力する出力部113と、を備える。
また、所定の事業者への志願者Uを被写体として含む動画像に基づいて、志願者Uの選考を実施する選考装置1としてコンピュータを機能させるプログラムであって、コンピュータを、動画像を取得する動画像取得部101、動画像に含まれる志願者Uの特徴量と、他の志願者Uを被写体として含む動画像と、他の志願者Uの合否判断に関する情報とに基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する推奨度判断部106、判断結果に基づいて、志願者Uの合格推奨度を出力する出力部113、として機能させる。
これにより、事業者の希望に応じた志願者Uの合格推奨度を出力することができるので、合格者の決定までを容易にするとともに、より事業者の希望に合った志願者Uを判断することができる。
【0051】
(2)選考装置1は、動画像に含まれる志願者Uの特徴量を抽出する抽出部103をさらに備える。これにより、判断に用いられる特徴量について、動画像から容易に取得することができる。
【0052】
(3)抽出部103は、抽出された特徴量に基づいて、志願者Uに対してラベル付けを実施し、推奨度判断部106は、志願者Uに対して付されたラベルと、他の志願者Uに付されたラベルと、他の志願者Uの合否判断に関する情報に基づいて、志願者Uの合格推奨度を判断する。これにより、他の志願者Uに基づいて、より事業者の希望に合った志願者Uを判断することができる。
【0053】
(4)選考装置1は、合格推奨度に関する判断結果の傾向を評価する評価部108と、評価結果に基づいて、重視する特徴量を調整する調整部109と、をさらに備え、推奨度判断部106は、調整された特徴量を用いて合格推奨度を判断する。これにより、合格推奨度が偏る場合であっても、合格推奨度をより好適に調整することができる。
【0054】
(5)推奨度判断部106は、過去の合格者の動画像に付されたラベルに基づいて志願者Uの合格推奨度を判断する。これにより、より事業者の希望に合った志願者Uを判断することができる。
【0055】
(6)選考装置1は、所定以上の合格推奨度と判断された志願者Uから、合格ラインを超えているか否かを判定する判定部110をさらに備える。これにより、合否判断まで実施することができるので、選考をより容易にすることができる。
【0056】
(7)選考装置1は、志願者Uについて、ラベルに対する充足度を算出する充足度算出部111をさらに備える。これにより、判定の理由を容易に得ることができる。
【0057】
(8)選考装置1は、決定された合格者に関して、合格者の傾向を分析する分析部112をさらに備える。これにより、事業者の希望に実際に合っているか否かを容易に判断することができる。
【0058】
以上、本発明の選考装置及びプログラムの好ましい各実施形態につき説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0059】
例えば、上記実施形態において、推奨度判断部106は、過去の志願者Uに基づいて合格推奨度を判定したが、これに制限されない。推奨度判断部106は、事業者が理想とする志願者U像を他の志願者Uとして、実際の志願者Uの合格推奨度を判定してもよい。
【0060】
また、上記実施形態において、選考装置1は、抽出部103を備えるとしたが、これに制限されない。抽出部103に変えて、既に動画像から抽出された特徴量を取得してもよい。推奨度判断部106は、合格推奨度の算出に抽出された特徴量を用いてもよい。
【0061】
また、上記実施形態において、推奨度判断部106は、さらに志願者Uのステータス及び外部評価要因に関する情報に基づいて、合格推奨度を判断してもよい。推奨度判断部106は、例えば、志願者Uの経歴及び試験の結果に関する情報に基づいて、合格推奨度を判断してもよい。推奨度判断部106は、外部評価要因として、濃色試験の結果を用いてもよい。
【0062】
また、上記実施形態において、選考装置1は、取得された動画像を用いて所定の事業者への合否判断をシミュレートするシミュレート実行部114を備えてもよい。出力部113は、シミュレート結果を出力してもよい。例えば、シミュレート実行部114は、実際に事業者に応募する前に、合否判断をシミュレートしてもよい。出力部113は、動画像を送信したユーザ端末20に対して、シミュレート結果を送信してもよい。
【0063】
また、上記実施形態において、選考装置1は、複数の事業者ごとに、志願者Uの動画像を取得してもよい。また、選考装置1は、複数の事業者ごとに、合格推奨度を判断してもよい。選考装置1は、ユーザ端末20から動画像を取得するとともに、志望先の事業所名を取得してもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、ラベルは、動画像から抽出された特徴に基づいて付されるものに限定されない。例えば、ラベルは、予め用意された基準と、複数の動画像とから、正解ラベルを作成した上で、他の複数の動画像を正解ラベルで判断した際の基準との差異を用いて、ラベルを調整及び決定してもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、出力部113は、志願者Uの合格推奨度を出力するとしたが、これに制限されない。出力部113は、合格推奨度を出力せずに、特徴量を出力するようにしてもよい。また、出力部113は、合格推奨度及び特徴量の双方を出力するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態において、抽出部103は、前記動画像に含まれる内容から、志願者Uの属性(体育会系及び留学生等)を抽出してもよい。推奨度判断部106は、属性に基づいて合格推奨度を判断してもよい。
【0067】
また、上記実施形態において、シミュレート実行部114は、動画像以外の情報(メタ情報(能力試験及び学歴等の情報))を組み合わせて判断してもよい。また、シミュレート実行部114は、合否判断として、2値での判断に限らず、3値以上に分類されるものであってもよい。また、シミュレート実行部114は、合否判断として、合格率等の連続性のある値で示されるものであってもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、分析部112は、合格ラインを越えていないと判定された志願者Uに関して、判定された志願者Uの傾向を分析してもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、選考装置1は、一次面接前の書類選考の段階に限定されず、選考プロセスの中のいずれの選考において用いられてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 選考装置
101 動画像取得部
102 動画像格納部
103 抽出部
106 推奨度判断部
108 評価部
109 調整部
110 判定部
111 充足度算出部
112 分析部
113 出力部
114 シミュレート実行部
U 志願者
図1
図2
図3
図4
図5
図6