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  • 特開-ゴルフクラブヘッドのマーカー 図1
  • 特開-ゴルフクラブヘッドのマーカー 図2
  • 特開-ゴルフクラブヘッドのマーカー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073178
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッドのマーカー
(51)【国際特許分類】
   A63B 57/00 20150101AFI20220510BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220510BHJP
【FI】
A63B57/00
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182996
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】320010446
【氏名又は名称】株式会社SUE Corporation
(72)【発明者】
【氏名】末次 正浩
(57)【要約】
【課題】ゴルフのアドレスの際に、ボールとクラブを正しい位置にセットし、始動時に正しい方向にクラブを振り上げる事が出来る「ゴルフクラブマーカー」を提供する。
【解決手段】本発明品の2本の足を、ウッド・ユーティリティクラブにおいては、クラブヘッド上面のフェイス面に引っ掛けて、またアイアンクラブにおいては、ソールに引っ掛けて、本体に空けた穴を使ってマーキングする事で、クラブの重心線上にマークされる。マーキング線を基準とする事で、ボールとクラブを正しい位置にセットできるだけでなく、マーキング線の方向に振り上げる事でミスショットを減らし、ボールの「方向性」と「飛距離」を向上させる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのヘッドにマーキングする「ヘッドマーカー」において、長方形の板(本体)の片方を二股に分け、その分けた二つの足の先端を、本体とは鉛直の同方向に起こした形状に、本体の中心に直線を引くための「細長い穴」を開けた構造を持つ、ゴルフクラブヘッドのマーカー。
【請求項2】
本体の表面に、本体に空けた細長い穴の方向とは 垂直の方向に「基準線」を入れた事を特徴とする、請求項1のゴルフクラブヘッドのマーカー。
【請求項3】
本体と鉛直の同方向に起こした二股の足の内側に「緩衝材」を接着させた事を特徴とする、請求項1のゴルフクラブヘッドのマーカー。
【請求項4】
本体の材質が、柔軟性のある素材である事をと特徴とする、請求項1のゴルフクラブヘッドのマーカー。
【請求項5】
本体の材質が「磁性体素材」で、磁気を有する事を特徴とする、請求項1のゴルフクラブヘッドのマ―カー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフでの「打球の方向性」と「飛距離」を向上できる 補助道具における。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブにてショットする時、ボールが当たったクラブフェイス上の打点が、クラブヘッドの重心に近いほど「芯を捉える」感覚が得られて、「飛距離」だけではなく「風に強い」球が、打てる。
【0003】
クラブヘッドの重心は、クラブヘッド全体の中央付近にある事が多く、クラブフェイス面上では、中央付近にクラブヘッドの重心に最も近い点(スイートスポット)が存在する。
【0004】
ウッドやユーティリティクラブにおいては、クラブヘッドの上面にマークが付けてあるモノがある。これは、クラブフェイスの中心点から上方へ延長し、クラブヘッド上面の上に印したモノなので、この後方延長線上に「重心に最も近い点」がある事が知られている。このマークは、アドレスの際にクラブとボールの位置を決める指針になるが、アイアンクラブについては、この様なマークは無い。
【0005】
しかし、最近のウッドやユーティリティクラブには、そのマークが無い製品もある。
マークが無い場合、アドレスの時にボールとクラブを、正しい位置や方向にセットできず、ミスショットする確率が、高くなる。
【0006】
またアドレスで、正しい位置や方向にセットしても、現状のクラブでは、振り上げる「始動方向」を示す指標がない。クラブの「始動方向」を誤った場合、多くの確率でミスショットする事が、知られている。
【0007】
特開 2012-16532 では、ゴルフクラブの指向「マーキング」用テンプレートが、考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-16532
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明品は、ウッド及びユーティリティクラブにおいては、クラブヘッドの上面部に、「重心に最も近い点」を通る直線を、誰もが、簡単に、引くことができる道具である。
【0010】
アイアンクラブにおいては、クラブフェイス面上に「重心に最も近い点」を通る直線を、誰もが、簡単に、引く事ができる道具である。
【0011】
ゴルフにおける「打球の方向性」は、アドレスした時に、ボールとクラブの「位置」と、ボールが当たる瞬間の「クラブを振り抜く方向」で、ほぼ決定される。
【0012】
しかしアドレスした後に、クラブの「始動方向」が正しくないと、多くの確率で「正しい方向」にクラブを振り下ろせない事が、知られている。
【0013】
従って「打球の方向性」の向上を実現するには、クラブを振り上げる「始動方向」が、重要になる事が、解る。
【0014】
またクラブヘッドの重心に近い点(スイートスポット)を外してボールを打った場合、クラブヘッドの形状や方向が変化して、意図した方向へボールを飛ばす事ができない。
従って「方向性」を確保する事は、スイートスポットを外さない様にショットする事も、重要である。
【0015】
本発明品を使ってクラブ上に引いた「直線」は、まさしくボールを飛ばす方向であり、同時にクラブの「始動方向」にもなる。アドレスの時に、ボールの中心とクラブヘッド上に本発明品を使って引いた直線とを、狙った方向に合わせてクラブをセットする。本発明品による直線に沿って、クラブを「始動」してショットする事で、多くの確率で「狙った方向」へボールが飛ばす事ができるだけでなく、意図した「飛距離」も確保できる。
【0016】
特開 2012-16532で考案されている「ゴルフクラブの指向マーキング用テンプレート」は、練習用のウッド類のクラブに限定されており、アイアンクラブには使えない。また、実際にマーキングをする際「ゴルフボール」現物を、用意しなければならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ウッド・ユーティリティクラブでは、クラブ上面の形状は、半径の異なる「円弧」の組合せからなる事が、多い。
【0018】
またアイアンクラブにおいては、クラブのソールが「ほぼ直線」の場合もあるが、芝の振り抜けを良くするため、「複雑な曲線」を描いている場合もある。
【0019】
パター以外のクラブには、フェイス上には何本かの「平行」な溝が入っている。これはボールを回転させる為のモノで、この溝の鉛直方向が ボールを狙う方向となる。
【0020】
ウッド・ユーティリティクラブにおいては、そのフェイス側の「円弧」の中央部分から、「円弧」と垂直方向の直線を引いて、クラブヘッド後方の「円弧」と、垂直に交わる直線を探し当てれば、その直線上に「重心」と最も近い点がある事が、多い。
【0021】
アイアンクラブにおいては、クラブのソール中央付近の「曲線」と、垂直方向の直線を引いた時、その直線上に「重心」と最も近い点がある事が、多い。
【0022】
アイアンクラブに入れてある溝は、地面と平行である事が多く、その溝に対して垂直の線を引く事で、ボールを狙う「方向」とクラブの「始動方向」が示される。
【0023】
いずれにせよ、その様にして引いた「重心に近い点を通る直線」が、ボールを飛ばす方向となり、クラブの「始動方向」にもなる事が、本発明品の「クラブマーカー」の特徴となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明品を使って、クラブにマーキングする事によって、アドレスする時に、クラブにマークされた直線と、ボールの中心点とを結んだ直線を、「狙った方向」に合わせるだけで、クラブの位置と方向が、正しくセットできるという効果がある。
【0025】
さらにマークされた直線に沿って、クラブを「始動」する事で、ミスショットが少なくなるという効果がある。
【0026】
特に「深いラフ」や「バンカーでの目玉」等で、ボールが目視しづらい場面であっても、ボールの中心と、本発明によるクラブ上にマークされた直線とを合わせ、その直線の延長上へ「狙った方向」を合わせて、アドレスする。そして、マークされた直線の方向へ「始動」すると、無意識に正しい方向に振り下ろす作用があるので、誰もが、簡単に、打球の「方向性」を向上できるという効果がある。
【0027】
本発明品で、マーキングする線は1本であり、 本体は軽量・小型。また構造も簡単で壊れにくいので胸ポケット等に入れて携行する事も出来るという効果がある。
【0028】
請求項2においては、「基準線」が引いてある事で、クラブの形状によらず、より正確にボールの狙う方向とクラブの始動方向を示す直線を引く事ができる。という効果が、ある。
【0029】
請求項3において、マーキングする際に、2つに分けた足をクラブに引っ掛けた後に、ガタつきを無くなると共に、正しい直線を定めるための「遊び」にもなり、また本体の位置を決めた後、強く押し当てれば固定されるので、より正確にマーキングできるという効果がある。
【0030】
請求項4において、クラブヘッドの形状に合わせて「密着」させることができるので、より正確にマーキングできるという効果がある。
【0031】
請求項5において、鉄・ステンレス等の「磁性体素材」のクラブに密着させると、クラブと本体の間に「吸着力」が働くので、より正確にマーキングできるという効果がある。
【0032】
本発明品を使ってマーキングしたクラブでショットすると、芯を外したショットが減り、打球の方向が安定するばかりか、意図した飛距離も確保できる。従って、スコア向上に貢献するだけでなく、競技会では上位に着ける事も出来て、ストレスの解消にも繋がるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明品の斜視図。
図2】ウッド・ユーティリティクラブにおいて、本発明品の使用方法を示す上面図。
図3】アイアンクラブにおいて、本発明品の使用方法を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明品でマーキングする場所は、ウッド・ユーティリティクラブにおいては、クラブヘッドの上面。アイアンクラブにおいては、クラブフェイス表面上となる。
【0035】
その方法を、図面を使って説明する。図1は、本発明品の斜視図である。本発明であるマーキングの方法については、ウッド・ユーティリティクラブにおいては、クラブヘッドの上面に 本体1を密着させ、二股に分け鉛直方向に起こした足2を、クラブフェイス面の上端から下方に垂らした状態にする。
【0036】
クラブフェイス上に垂らした二股の足2を、クラブフェイス面6の中央付近に引っ掛けて、基準線3とクラブヘッド後方の「円弧」に引いた接線7とが、平行になる様に、二股の足2をスライドさせて、位置決めする。ヘッドマークのあるクラブでは、二股の足2の間を通るように密着させて、本体1を密着・固定する。そして、本体に空けた穴4を利用し、ペン等を使って、マーキングする。(図2
【0037】
アイアンクラブにおいては、クラブのソール8の中央付近に、二股の足2を引っ掛けて、基準線3とクラブフェイス上の溝9が平行になるように位置決めして、本体1を密着・固定する。そして、本体に空けた穴4を利用し、ペン等を使って、マーキングする。(図3
【0038】
本体の材質であるが、丸みを帯びたヘッドにマーキングするため、密着しやすいように「軟質プラスティック」「ビニール」「ウレタン」等の「軟らかい素材」を用いる。
また請求項5の如く、磁気を有するには、板厚が薄い「鉄板」「ステンレス」等の素材でも良いが、「磁気テープ」に代表されるような「軟らかい素材」でも良い。
【0039】
緩衝材5は、位置決めやマーキングをする際、足2を引っ掛けた時の「ガタつき」を無くすためのモノである。従って、ある程度の硬さを持つ「ウレタン」「スポンジ」等の素材を、足2に接着させた構造にしても良いし、足2全体を「硬質ウレタン」などの材質にして、本体1に固定させる構造などでも良い。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるモノではなく、様々に設定変更可能である。例えば、ウッド・ユーティリティクラブの上面に、クラブフェイスと平行な直線を、基準線などを使って追加する事も出来る。また本発明品でマーキングした直線に対して、少し角度を付けた直線を引いて、その直線に沿ってスイングする事で、クセ玉を減らす「スイング矯正用」の線としても、利用可能である。その他、本体の材質や形状、表面の色や模様、基準線の幅や間隔、足の形状や本数など、本発明の実施形態を満たすモノであれば、いずれも利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 本体
2 足
3 基準線
4 穴
5 緩衝材
6 クラブフェイス面
7 クラブヘッド後方の「円弧」に引いた接線
8 ソール
9 溝
図1
図2
図3