(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073309
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20220510BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20220510BHJP
H02K 5/24 20060101ALI20220510BHJP
H02K 11/33 20160101ALN20220510BHJP
【FI】
F04B39/00 102R
F04C29/00 C
H02K5/24 A
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183215
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】島田 賢
(72)【発明者】
【氏名】村西 明広
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 洋介
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 久弥
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB07
3H003AC03
3H003BB07
3H003CD01
3H003CF01
3H129AA02
3H129AA18
3H129AB03
3H129BB25
3H129CC03
3H129CC27
5H605AA05
5H605BB07
5H605CC01
5H605EA11
5H611BB01
5H611TT01
(57)【要約】
【課題】騒音の発生を抑制すること。
【解決手段】支持部30が、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する。したがって、支持部30によってハウジング14に対して支持されているインバータカバー15の部位の共振が抑制される。また、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位に動吸振器31を設けた。よって、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位の共振が動吸振器31によって抑制される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動する電動モータと、
前記電動モータを駆動するとともに電気回路が実装された回路基板を有しているインバータと、
前記圧縮部及び前記電動モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに連結されるとともに前記インバータを収容するインバータ室を形成するインバータカバーと、
前記回路基板における前記電気回路が実装されていない部分を貫通して、前記インバータカバーを前記ハウジングに対して支持する支持部と、
前記インバータカバーにおいて、前記回路基板における前記電気回路が実装されている部分を覆う部位に設けられる動吸振器と、を備えた電動圧縮機。
【請求項2】
前記支持部は、
前記ハウジングから前記インバータカバーに向けて突出する筒状のボス部と、
前記インバータカバーを貫通して前記ボス部に螺合されるボルトと、を有している請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記電気回路は、
前記電動モータを駆動するための高電圧回路と、
前記高電圧回路を制御するための低電圧回路と、を有し、
前記動吸振器は、前記インバータカバーにおいて、前記回路基板における前記高電圧回路が実装されている部分を覆う部位に設けられている請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記支持部は、前記回路基板における前記高電圧回路と前記低電圧回路との間の絶縁部分を貫通している請求項3に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記動吸振器は、
前記インバータカバーにおける前記回路基板の厚み方向で前記回路基板と対向する対向面に取り付けられる平板状の板バネと、
前記板バネに一体的に設けられる平板状の錘と、を有し、
前記板バネ及び前記錘それぞれの厚み方向は、前記回路基板の厚み方向に一致している請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
【請求項6】
前記板バネは、平面視長四角板状であるとともに前記板バネの長手方向の中央部が前記対向面に固定されており、
前記錘は、前記板バネの長手方向の両端部にそれぞれ設けられており、
前記各錘は、平面視長四角形状であり、
前記板バネの長手方向と前記各錘の長手方向とは互いに直交している請求項5に記載の電動圧縮機。
【請求項7】
前記錘は、前記対向面に接している請求項5又は請求項6に記載の電動圧縮機。
【請求項8】
前記錘と前記対向面との間には、吸振材が介在されている請求項5又は請求項6に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動する電動モータと、電動モータを駆動するインバータと、圧縮部及び電動モータを収容するハウジングと、を備えている。また、電動圧縮機は、ハウジングに連結されるインバータカバーを備えている。インバータカバーは、インバータを収容するインバータ室を形成する。
【0003】
このような電動圧縮機において、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達される場合がある。インバータカバーに振動が伝達されると、インバータカバーが共振することによって騒音が発生してしまう虞がある。そこで、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達されたとしても、インバータカバーが共振してしまうことを抑制するために、例えば特許文献1のように、インバータカバーに溝部を形成して共振点をずらす等の対策を施すことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達されたとしても、インバータカバーが共振してしまうことをさらに効率良く抑制し、騒音の発生を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動するとともに電気回路が実装された回路基板を有しているインバータと、前記圧縮部及び前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに連結されるとともに前記インバータを収容するインバータ室を形成するインバータカバーと、前記回路基板における前記電気回路が実装されていない部分を貫通して、前記インバータカバーを前記ハウジングに対して支持する支持部と、前記インバータカバーにおいて、前記回路基板における前記電気回路が実装されている部分を覆う部位に設けられる動吸振器と、を備えた。
【0007】
これによれば、支持部が、回路基板における電気回路が実装されていない部分を貫通して、インバータカバーをハウジングに対して支持する。したがって、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達したとしても、支持部によってハウジングに対して支持されているインバータカバーの部位の共振が抑制される。
【0008】
一方で、回路基板における電気回路が実装されている部分には、支持部を貫通させることができないため、インバータカバーにおいて、回路基板における電気回路が実装されている部分を覆う部位は、共振し易くなっている。そこで、インバータカバーにおいて、回路基板における電気回路が実装されている部分を覆う部位に動吸振器を設けた。これによれば、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達したとしても、インバータカバーにおいて、回路基板における電気回路が実装されている部分を覆う部位の共振を動吸振器によって抑制することができる。以上により、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達されたとしても、インバータカバーが共振してしまうことを効率良く抑制することができ、騒音の発生を抑制することができる。
【0009】
上記電動圧縮機において、前記支持部は、前記ハウジングから前記インバータカバーに向けて突出する筒状のボス部と、前記インバータカバーを貫通して前記ボス部に螺合されるボルトと、を有しているとよい。
【0010】
このように、支持部が、ハウジングからインバータカバーに向けて突出する筒状のボス部と、インバータカバーを貫通してボス部に螺合されるボルトと、を有している構成は、回路基板における電気回路が実装されていない部分を貫通して、インバータカバーをハウジングに対して支持する支持部として好適な構成である。
【0011】
上記電動圧縮機において、前記電気回路は、前記電動モータを駆動するための高電圧回路と、前記高電圧回路を制御するための低電圧回路と、を有し、前記動吸振器は、前記インバータカバーにおいて、前記回路基板における前記高電圧回路が実装されている部分を覆う部位に設けられているとよい。
【0012】
高電圧回路を構成する電子部品の体格は、低電圧回路を構成する電子部品の体格よりも比較的大きいため、回路基板において、高電圧回路が占める領域は、低電圧回路が占める領域よりも大きくなりがちである。したがって、インバータカバーにおいて、回路基板における高電圧回路が実装されている部分を覆う部位は、回路基板における低電圧回路が実装されている部分を覆う部位よりも共振し易くなっている。そこで、インバータカバーにおいて、回路基板における高電圧回路が実装されている部分を覆う部位に動吸振器を設けた。これによれば、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達したとしても、インバータカバーにおいて、回路基板における高電圧回路が実装されている部分を覆う部位の共振を動吸振器によって抑制することができる。したがって、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達されたとしても、インバータカバーが共振してしまうことをさらに効率良く抑制することができ、騒音の発生をさらに抑制し易くすることができる。
【0013】
上記電動圧縮機において、前記支持部は、前記回路基板における前記高電圧回路と前記低電圧回路との間の絶縁部分を貫通しているとよい。
回路基板における高電圧回路と低電圧回路との間の絶縁部分は、回路基板において確保しなければならないスペースである。そして、支持部は、回路基板における高電圧回路と低電圧回路との間の絶縁部分を貫通している。したがって、回路基板における高電圧回路と低電圧回路との間の絶縁部分とは別に、支持部を貫通させるスペースを回路基板に確保する必要が無いため、回路基板を小型化することができる。その結果、インバータ室内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機の小型化を図ることができる。
【0014】
上記電動圧縮機において、前記動吸振器は、前記インバータカバーにおける前記回路基板の厚み方向で前記回路基板と対向する対向面に取り付けられる平板状の板バネと、前記板バネに一体的に設けられる平板状の錘と、を有し、前記板バネ及び前記錘それぞれの厚み方向は、前記回路基板の厚み方向に一致しているとよい。
【0015】
これによれば、回路基板と動吸振器との距離を極力近付けつつも、動吸振器をインバータカバーの対向面に取り付けることができるため、インバータ室内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機の小型化を図ることができる。
【0016】
上記電動圧縮機において、前記板バネは、平面視長四角板状であるとともに前記板バネの長手方向の中央部が前記対向面に固定されており、前記錘は、前記板バネの長手方向の両端部にそれぞれ設けられており、前記各錘は、平面視長四角形状であり、前記板バネの長手方向と前記各錘の長手方向とは互いに直交しているとよい。
【0017】
これによれば、例えば、板バネの長手方向と各錘の長手方向とが同一方向である場合に比べると、動吸振器全体の体格が、板バネの長手方向に長くなってしまうことを抑制することができる。したがって、動吸振器全体をコンパクトにすることができる。その結果、インバータ室内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機の小型化を図ることができる。
【0018】
上記電動圧縮機において、前記錘は、前記対向面に接しているとよい。
これによれば、例えば、錘が対向面に接しておらず、錘と対向面との間に隙間がある場合に比べると、インバータ室内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機の小型化を図ることができる。
【0019】
上記電動圧縮機において、前記錘と前記対向面との間には、吸振材が介在されているとよい。
これによれば、吸振材によっても振動が吸収されるため、圧縮部における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジングを介してインバータカバーに伝達されたとしても、インバータカバーが共振してしまうことをさらに効率良く抑制することができ、騒音の発生をさらに抑制し易くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、騒音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態における電動圧縮機を示す側断面図。
【
図5】動吸振器がインバータカバーに取り付けられている状態を示す斜視図。
【
図6】動吸振器がインバータカバーに取り付けられている状態を示す断面図。
【
図8】別の実施形態における電動圧縮機の一部分を拡大して示す断面図。
【
図9】別の実施形態における電動圧縮機の一部分を拡大して示す断面図。
【
図10】別の実施形態における電動圧縮機の一部分を拡大して示す断面図。
【
図11】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【
図12】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【
図13】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【
図14】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【
図15】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【
図16】別の実施形態における動吸振器を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、電動圧縮機を具体化した一実施形態を
図1~
図7にしたがって説明する。実施形態の電動圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、電動圧縮機10は、圧縮部11と、電動モータ12と、インバータ13と、ハウジング14と、インバータカバー15と、を備えている。圧縮部11は、流体である冷媒を圧縮する。圧縮部11は、例えば、スクロール式である。電動モータ12は、圧縮部11を駆動する。インバータ13は、電動モータ12を駆動する。ハウジング14は、圧縮部11及び電動モータ12を収容する。インバータカバー15は、ハウジング14に連結されている。
【0023】
図1及び
図2に示すように、ハウジング14は、モータハウジング16及びコンプレッサハウジング17を有している。モータハウジング16及びコンプレッサハウジング17は、金属製であり、例えば、アルミニウム製である。したがって、ハウジング14は、金属製であり、例えば、アルミニウム製である。モータハウジング16及びコンプレッサハウジング17は、四角ブロック状である。
【0024】
図2に示すように、モータハウジング16は、コンプレッサハウジング17に連結される第1連結面16aを有している。また、モータハウジング16は、インバータカバー15が連結される第2連結面16bを有している。第2連結面16bには、第1室形成凹部16cが形成されている。第1室形成凹部16cにおける第1連結面16a側の端部は、第1連結面16aに開口している。第2連結面16bには、雌ねじ孔16hが2つ形成されている。2つの雌ねじ孔16hは、第2連結面16bにおいて、第1連結面16aとは反対側の端部に位置している。第2連結面16bを平面視すると、各雌ねじ孔16hは、第2連結面16bの四隅のうち、第2連結面16bにおける第1連結面16aとは反対側に位置する2箇所にそれぞれ配置されている。
【0025】
コンプレッサハウジング17は、モータハウジング16に連結される第1連結面17aを有している。また、コンプレッサハウジング17は、インバータカバー15が連結される第2連結面17bを有している。第2連結面17bには、第2室形成凹部17cが形成されている。第2室形成凹部17cにおける第1連結面17a側の端部は、第1連結面17aに開口している。第2連結面17bには、雌ねじ孔17hが2つ形成されている。2つの雌ねじ孔17hは、第2連結面17bにおいて、第1連結面17aとは反対側の端部に位置している。第2連結面17bを平面視すると、各雌ねじ孔17hは、第2連結面17bの四隅のうち、第2連結面17bにおける第1連結面17aとは反対側に位置する2箇所にそれぞれ配置されている。
【0026】
インバータカバー15は、平板状である。インバータカバー15は、金属製であり、例えば、アルミニウム製である。インバータカバー15には、第1挿通孔15aが4つ形成されている。各第1挿通孔15aは、インバータカバー15を厚み方向に貫通している。各第1挿通孔15aは、インバータカバー15の四隅にそれぞれ配置されている。また、インバータカバー15には、第2挿通孔15bが2つ形成されている。各第2挿通孔15bは、インバータカバー15を厚み方向に貫通している。
【0027】
モータハウジング16及びコンプレッサハウジング17は、モータハウジング16の第1連結面16aとコンプレッサハウジング17の第1連結面17aとの間に金属ガスケット18を介在させた状態で、互いに連結されている。金属ガスケット18は、モータハウジング16の第1連結面16aとコンプレッサハウジング17の第1連結面17aとの間をシールしている。
【0028】
モータハウジング16の第2連結面16bとコンプレッサハウジング17の第2連結面17bとは同一平面上である。インバータカバー15は、弾性シール部材19を介してモータハウジング16の第2連結面16b及びコンプレッサハウジング17の第2連結面17bに対して連結されている。そして、インバータカバー15と、モータハウジング16の第1室形成凹部16cと、コンプレッサハウジング17の第2室形成凹部17cとによって、インバータ室20が区画されている。したがって、インバータカバー15は、ハウジング14と協働してインバータ室20を形成する。インバータ室20は、インバータ13を収容する。弾性シール部材19は、モータハウジング16の第2連結面16b及びコンプレッサハウジング17の第2連結面17bとインバータカバー15との間をシールしている。
【0029】
図3に示すように、インバータ13は、回路基板21を有している。回路基板21には、電気回路22が実装されている。電気回路22は、電動モータ12を駆動するための高電圧回路23と、高電圧回路23を制御するための低電圧回路24と、を有している。高電圧回路23は、高電圧が印加される配線がパターニングされることにより形成されている。低電圧回路24は、低電圧が印加される配線がパターニングされることにより形成されている。
【0030】
回路基板21には、高電圧回路23を構成する複数のスイッチング素子やフィルタ素子等の電子部品23aが搭載されている。また、回路基板21には、低電圧回路24を構成する制御素子等の電子部品24aが搭載されている。高電圧回路23を構成する電子部品23aの体格は、低電圧回路24を構成する電子部品24aの体格よりも比較的大きい。したがって、回路基板21において、高電圧回路23が占める領域は、低電圧回路24が占める領域よりも大きい。各電子部品23a,24aは、回路基板21における厚み方向の一方の面である第1基板面21aに搭載されている。
【0031】
回路基板21は、高電圧回路23と低電圧回路24との間に配置されるとともに高電圧回路23と低電圧回路24とを分離する分離領域25を有している。分離領域25は、高電圧回路23と低電圧回路24との距離を予め定められた距離分だけ互いに離間させて、高電圧回路23と低電圧回路24との絶縁距離を確保している。よって、分離領域25は、回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間を絶縁する絶縁部分である。したがって、分離領域25は、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分である。回路基板21における分離領域25に対応する部分には、貫通孔21hが2つ形成されている。各貫通孔21hは、回路基板21を厚み方向に貫通している。
【0032】
回路基板21は、4つの基板締結ボルト26によって、モータハウジング16の第1室形成凹部16cの底面、及びコンプレッサハウジング17の第2室形成凹部17cの底面に対して固定されている。したがって、回路基板21は、ハウジング14に固定された状態で、インバータ室20内に収容されている。回路基板21は、回路基板21の厚み方向とインバータカバー15の厚み方向とが一致した状態で、インバータ室20内に収容されている。
【0033】
図4に示すように、回路基板21がインバータ室20内に収容された状態において、各貫通孔21hは、インバータカバー15の各第2挿通孔15bに対して、回路基板21の厚み方向で重なっている。回路基板21は、第1基板面21aがインバータカバー15に対向するとともに、回路基板21における第1基板面21aとは反対側の面である第2基板面21bが、モータハウジング16の第1室形成凹部16cの底面、及びコンプレッサハウジング17の第2室形成凹部17cの底面に対向するようにインバータ室20内に収容されている。
【0034】
インバータカバー15における回路基板21の厚み方向で回路基板21と対向する対向面15cには、円筒状の突起部15dが2つ形成されている。なお、
図4では、2つの突起部15dのうちの1つだけを図示している。各突起部15dの内側は、各第2挿通孔15bの内側にそれぞれ連通している。各突起部15dの先端面は、平坦面状である。各突起部15dの先端面は、回路基板21の第1基板面21aにおける各貫通孔21hの周囲に接触している。
【0035】
モータハウジング16の第1室形成凹部16cの底面には、円筒状のボス部27が2つ形成されている。なお、
図4では、2つのボス部27のうちの1つだけを図示している。各ボス部27の内側はボス雌ねじ孔27hになっている。各ボス部27は、第1室形成凹部16cの底面からインバータカバー15に向けて突出している。したがって、各ボス部27は、ハウジング14からインバータカバー15に向けて突出している。各ボス部27の先端面は、平坦面状である。各ボス部27と各突起部15dとはそれぞれ向かい合っている。各ボス部27の先端面は、回路基板21の第2基板面21bにおける各貫通孔21hの周囲に接触している。各突起部15dの内側と各ボス部27の内側とは、各貫通孔21hを介して連通している。
【0036】
図2及び
図4に示すように、各第1挿通孔15aを通過した各第1ボルトB1は、各雌ねじ孔16h,17hにそれぞれ螺合されるとともに、各第2挿通孔15b、各突起部15dの内側、及び各貫通孔21hを通過した各第2ボルトB2は、各ボス部27のボス雌ねじ孔27hに螺合される。これにより、インバータカバー15は、モータハウジング16及びコンプレッサハウジング17に対して連結されている。
【0037】
各第2ボルトB2は、インバータカバー15を貫通してボス部27に螺合されるボルトである。各突起部15d、各第2ボルトB2、及び各ボス部27は、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する支持部30である。したがって、支持部30は、ボス部27と、第2ボルトB2と、を有している。
【0038】
各第2ボルトB2は、回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分である分離領域25を貫通している。したがって、支持部30は、回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分を貫通している。各第2ボルトB2は、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分である分離領域25を貫通している。したがって、支持部30は、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持している。
【0039】
図5及び
図6に示すように、電動圧縮機10は、動吸振器31を備えている。動吸振器31は、インバータカバー15に設けられている。動吸振器31は、インバータカバー15の対向面15cに取り付けられている。
【0040】
動吸振器31は、板バネ32と、2つの錘33と、を有している。板バネ32は、平板状である。板バネ32は、インバータカバー15の対向面15cに取り付けられている。板バネ32は、平面視長四角板状である。板バネ32の長手方向の中央部には、固定用孔32aが形成されている。固定用孔32aは、板バネ32を厚み方向に貫通している。
【0041】
各錘33は、平板状である。各錘33は、平面視長四角形状である。各錘33は、板バネの長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。各錘33は、板バネ32に一体的に設けられている。板バネ32の厚み方向と各錘33それぞれの厚み方向とは一致している。本実施形態の板バネ32及び各錘33は、1枚の金属板を打ち抜くことにより形成されている。板バネ32の厚みと各錘33の厚みとは同じである。動吸振器31は、平面視H字形状である。板バネ32及び各錘33それぞれの厚み方向は、インバータカバー15の厚み方向に一致している。したがって、板バネ32及び各錘33それぞれの厚み方向は、回路基板21の厚み方向に一致している。板バネ32の長手方向と各錘33の長手方向とは互いに直交している。各錘33は、対向面15cに接している。動吸振器31は、固定用孔32aを通過する固定用ボルト34がインバータカバー15にねじ込まれて、板バネ32の長手方向の中央部が対向面15cに固定されることにより、インバータカバー15に取り付けられている。
【0042】
図3に示すように、動吸振器31は、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位に設けられている。動吸振器31は、インバータカバーにおいて、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位に設けられている。動吸振器31の一部分は、回路基板21の厚み方向で、高電圧回路23を構成する各電子部品23aを覆っている。具体的には、動吸振器31の板バネ32の一部分、及び各錘33の一部分が、回路基板21の厚み方向で、高電圧回路23を構成する各電子部品23aを覆っている。
【0043】
次に、本実施形態の作用について説明する。
電動圧縮機10において、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達される場合がある。インバータカバー15に振動が伝達されると、インバータカバー15が共振する場合がある。このとき、支持部30が、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持している。このため、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達したとしても、支持部30によってハウジング14に対して支持されているインバータカバー15の部位の共振が抑制される。
【0044】
一方で、回路基板21における電気回路22が実装されている部分には、支持部30を貫通させることができないため、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位は、共振し易くなっている。特に、高電圧回路23を構成する各電子部品23aの体格は、低電圧回路24を構成する各電子部品24aの体格よりも比較的大きいため、回路基板21において、高電圧回路23が占める領域は、低電圧回路24が占める領域よりも大きくなりがちである。したがって、インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位は、回路基板21における低電圧回路24が実装されている部分を覆う部位よりも共振し易くなっている。
【0045】
そこで、本実施形態では、インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位に動吸振器31が設けられている。よって、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達したとしても、インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位の共振が動吸振器31によって抑制される。
【0046】
図7に示すように、動吸振器31は、インバータカバー15が共振すると、板バネ32における長手方向の中央部を基点として、板バネ32が、インバータカバー15の対向面15cの反りに追従して撓むように変形する。すると、板バネ32が撓むことに伴って、各錘33が、インバータカバー15における板バネ32の中央部と重なる部位が変位する方向と逆方向へ変位する。つまり、動吸振器31の共振周波数(固有振動数)がインバータカバー15の共振周波数(固有振動数)と同じとなるように設定することにより、共振周波数が同等となり、反共振することになる。その結果、反共振によりインバータカバー15の振動が抑制され、電動圧縮機10から生じる騒音の発生が抑制されている。
【0047】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)支持部30が、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する。したがって、支持部30によってハウジング14に対して支持されているインバータカバー15の部位の共振が抑制される。また、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位に動吸振器31を設けた。これによれば、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位の共振を動吸振器31によって抑制することができる。以上により、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達されたとしても、インバータカバー15が共振してしまうことを効率良く抑制することができ、騒音の発生を抑制することができる。
【0048】
(2)支持部30が、ハウジング14からインバータカバー15に向けて突出する筒状のボス部27と、インバータカバー15を貫通してボス部27に螺合される第2ボルトB2と、を有している。このような構成は、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する支持部30として好適な構成である。
【0049】
(3)インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位に動吸振器31を設けた。これによれば、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達したとしても、インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位の共振を動吸振器31によって抑制することができる。したがって、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達されたとしても、インバータカバー15が共振してしまうことをさらに効率良く抑制することができ、騒音の発生をさらに抑制し易くすることができる。
【0050】
(4)回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分である分離領域25は、回路基板21において確保しなければならないスペースである。そして、支持部30は、回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分である分離領域25を貫通している。したがって、回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分とは別に、支持部30を貫通させるスペースを回路基板21に確保する必要が無いため、回路基板21を小型化することができる。その結果、インバータ室20内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0051】
(5)板バネ32及び錘33それぞれの厚み方向が、回路基板21の厚み方向に一致している。これによれば、回路基板21と動吸振器31との距離を極力近付けつつも、動吸振器31をインバータカバー15の対向面15cに取り付けることができるため、インバータ室20内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0052】
(6)板バネ32の長手方向と各錘33の長手方向とは互いに直交している。これによれば、例えば、板バネ32の長手方向と各錘33の長手方向とが同一方向である場合に比べると、動吸振器31全体の体格が、板バネ32の長手方向に長くなってしまうことを抑制することができる。したがって、動吸振器31全体をコンパクトにすることができる。その結果、インバータ室20内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0053】
(7)各錘33が、インバータカバー15の対向面15cに接している。これによれば、例えば、各錘33が対向面15cに接しておらず、各錘33と対向面15cとの間に隙間がある場合に比べると、インバータ室20内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0054】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0055】
○
図8に示すように、各錘33とインバータカバー15の対向面15cとの間に、吸振材35がそれぞれ介在されていてもよい。各吸振材35は、薄板状のゴム製である。各吸振材35の厚みは、各錘33の厚みよりも薄い。各吸振材35は、各錘33におけるインバータカバー15側の面に密着するとともに、インバータカバー15の対向面15cに密着している。板バネ32におけるインバータカバー15側の面には、スペーサ突起部32bが設けられている。スペーサ突起部32bは、板バネ32におけるインバータカバー15側の面から突出する筒状である。スペーサ突起部32bの先端面は、平坦面状である。スペーサ突起部32bの内側は、固定用孔32aに連通している。スペーサ突起部32bの内側には、固定用孔32aを通過した固定用ボルト34の軸部が挿通可能である。スペーサ突起部32bにおける板バネ32からの突出長さは、各吸振材35の厚みと同じである。スペーサ突起部32bの先端面は、インバータカバー15の対向面15cに接触している。
【0056】
これによれば、各吸振材35によっても振動が吸収されるため、圧縮部11における流体の圧縮が行われることにより発生する振動が、ハウジング14を介してインバータカバー15に伝達されたとしても、インバータカバー15が共振してしまうことをさらに効率良く抑制することができ、騒音の発生をさらに抑制し易くすることができる。
【0057】
○
図9に示すように、インバータカバー15の対向面15cに各突起部15dが形成されていなくてもよい。さらに、各ボス部27の先端面が、回路基板21の第2基板面21bにおける各貫通孔21hの周囲に接触していなくてもよい。この場合であっても、各第2ボルトB2は、各第2挿通孔15b及び各貫通孔21hを通過して各ボス部27のボス雌ねじ孔27hに螺合される。したがって、各第2ボルトB2は、インバータカバー15を貫通してボス部27に螺合されるボルトであり、各第2ボルトB2及び各ボス部27は、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する支持部30である。
【0058】
○
図10に示すように、各突起部15dの先端面と各ボス部27の先端面とが接触していてもよい。各ボス部27の先端部は、各貫通孔21hの内側に挿入され、各ボス部27の先端面は、各突起部15dの先端面に接触している。この場合、各ボス部27及び各突起部15dは、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分を貫通して、インバータカバー15をハウジング14に対して支持する支持部30を構成している。そして、この場合、第2ボルトB2を省略してもよい。これによれば、第2ボルトB2を省略することができるため、部品点数を削減することができる。なお、各突起部15dの先端面と各ボス部27の先端面との間に吸振材を介在させてもよい。これによれば、ハウジング14からの振動を吸振材によって抑制することができるため、インバータカバー15が共振してしまうことを抑制し易くすることができる。
【0059】
○
図11に示すように、板バネ32の長手方向の中央部に、インバータカバー15との溶接部40が形成されていてもよい。溶接部40は、板バネ32とインバータカバーとを接合している。溶接部40は、例えば、スポット溶接により、板バネ32の長手方向の中央部とインバータカバー15とを溶接することにより形成された部分である。これによれば、動吸振器31をインバータカバー15に取り付ける際に、固定用ボルト34を用いる必要が無いため、部品点数を削減することができる。また、固定用ボルト34の頭部が、板バネ32から突出することが無いため、その分、回路基板21と動吸振器31との距離を極力近付けることができる。したがって、インバータ室20内の省スペース化を図ることができ、電動圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0060】
○
図12に示すように、動吸振器31Aが、平面視矩形板状であってもよい。この場合、動吸振器31Aの外周部は、錘33Aとして機能し、動吸振器31Aにおける錘33Aとして機能する部分よりも内側の部分が板バネ32Aとして機能する。
【0061】
○
図13に示すように、動吸振器31Bが、板バネ32Bの長手方向と各錘33Bの長手方向とが同一方向である構成であってもよい。この場合、各錘33Bの厚みは、板バネ32Bの厚みよりも厚いことが好ましい。
【0062】
○
図14に示すように、動吸振器31Cが、平面視T字形状であってもよい。動吸振器31Cは、例えば、溶接部40と、溶接部40から延びる板バネ32Cと、板バネ32Cにおける溶接部40とは反対側に連続する錘33Cと、を有している。錘33Cは、平面視長四角板状である。錘33Cの長手方向は、板バネ32における溶接部40からの延在方向に対して直交する方向である。
【0063】
○
図15に示すように、動吸振器31Dが、錘33Dを3つ有していてもよい。動吸振器31Dは、溶接部40から放射状に延びる3つの板バネ32Dと、各板バネ32Dにおける溶接部40とは反対側の端部に連続する錘33Dと、を有している。
【0064】
○
図16に示すように、動吸振器31Eが、平面視円形状であってもよい。動吸振器31Eは、円板状の板バネ32Eと、板バネ32Eの外周部全周に亘って連続する環状の錘33Eと、を有している。錘33Eの厚みは、板バネ32の厚みよりも厚い。
【0065】
○
図12~
図16に示す実施形態において、動吸振器31A,31B,31C,31D,31Eをインバータカバー15に取り付ける際に、固定用ボルト34を用いてもよい。
【0066】
○ 実施形態において、動吸振器31の構成は、平板状の板バネ32と、平板状の錘33と、を有するものでなくてもよく、動吸振器31の構成は、特に限定されるものではない。要は、動吸振器31は、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位に設けることが可能な構成であれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0067】
○ 実施形態において、各突起部15dの先端面と、回路基板21の第1基板面21aにおける各貫通孔21hの周囲との間に吸振材が介在されていてもよい。これによれば、ハウジング14からの振動を吸振材によって抑制することができるため、インバータカバー15が共振してしまうことを抑制し易くすることができる。
【0068】
○ 実施形態において、第2ボルトB2に代えて、例えば、ボス部27の内側に圧入される圧入ピンを用いてもよい。この場合、ボス部27の内側はボス雌ねじ孔27hではなく、圧入ピンが圧入可能な孔である。
【0069】
○ 実施形態において、動吸振器31が、インバータカバー15において、回路基板21における低電圧回路24が実装されている部分を覆う部位にもさらに設けられていてもよい。
【0070】
○ 実施形態において、動吸振器31を、インバータカバー15において、回路基板21における高電圧回路23が実装されている部分を覆う部位に設けずに、回路基板21における低電圧回路24が実装されている部分を覆う部位に設けてもよい。要は、動吸振器31は、インバータカバー15において、回路基板21における電気回路22が実装されている部分を覆う部位に設けられていればよい。
【0071】
○ 実施形態において、支持部30が、回路基板21における電気回路22が実装されていない部分であって、且つ回路基板21における高電圧回路23と低電圧回路24との間の絶縁部分である分離領域25とは別の部位を貫通していてもよい。
【0072】
○ 実施形態において、例えば、各錘33が対向面15cに接しておらず、各錘33と対向面15cとの間に隙間があってもよい。
○ 実施形態において、圧縮部11は、スクロール式に限らず、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
【0073】
○ 実施形態において、電動圧縮機10は、車両空調装置に用いられていたが、これに限らず、例えば、電動圧縮機10は、燃料電池車に搭載されており、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部11により圧縮するものであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…電動圧縮機、11…圧縮部、12…電動モータ、13…インバータ、14…ハウジング、15…インバータカバー、15c…対向面、20…インバータ室、21…回路基板、22…電気回路、23…高電圧回路、24…低電圧回路、27…ボス部、30…支持部、31,31A,31B,31C,31D,31E…動吸振器、32,32A,32B,32C,32D,32E…板バネ、33,33A,33B,33C,33D,33E…錘、35…吸振材、B2…ボルトである第2ボルト。