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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007342
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】吊り金具用の保護プレート
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/14 20060101AFI20220105BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20220105BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
F16L3/14 B
F16B1/00 A
F16B2/08 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110258
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】520192496
【氏名又は名称】株式会社タクム部材
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】川中 真
【テーマコード(参考)】
3H023
3J022
【Fターム(参考)】
3H023AA05
3H023AB05
3H023AC04
3H023AD08
3H023AD31
3H023AD54
3H023AD55
3J022DA11
3J022EA16
3J022EC17
3J022ED06
3J022FA01
3J022FB06
3J022GA12
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB53
(57)【要約】
【課題】簡単な構成でコスト抑制を図りつつも、吊り金具50に対して安定的に装着できる保護プレート10を提供する。
【解決手段】本発明の保護プレート10は、配管101と吊り金具50のバンド部52との間に介在させるものである。配管101に当接するプレート体11を備える。プレート体11下面の中央部に、バンド部52の下部に形成された嵌合穴58に嵌まる第1嵌合突起13を形成する。第1嵌合突起13は、割り溝15によって2分割された軸部14を有する割りピン形状に形成する。各軸部14の先端側には、嵌合穴58の縁部に引っ掛かる係合爪16を形成する。両軸部14は、互いに近接する方向に弾性変形可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管とこれを保持する吊り金具のバンド部との間に介在させる保護プレートであって、
前記配管に当接するプレート体を備えており、前記プレート体下面の中央部に、前記バンド部の下部に形成された嵌合穴に嵌まる第1嵌合突起が形成されており、
前記第1嵌合突起は、割り溝によって2分割された軸部を有する割りピン形状に形成されており、前記各軸部の先端側には、前記嵌合穴の縁部に引っ掛かる係合爪が形成されており、前記両軸部は、互いに近接する方向に弾性変形可能になっている、
吊り金具用の保護プレート。
【請求項2】
前記プレート体において配管軸方向に延びる仮想中央線を挟んで両側に、配管軸方向に沿って連続的又は飛び飛びに形成された切り取り用の脆弱部が形成されている、
請求項1に記載した吊り金具用の保護プレート。
【請求項3】
前記プレート体において前記第1嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部及び脆弱部の箇所に、第1切り欠き部が形成されている、
請求項2に記載した吊り金具用の保護プレート。
【請求項4】
前記プレート体下面のうち前記中央部から配管軸方向に離れた部位に、前記第1嵌合突起と同じ構成の第2嵌合突起が形成されている、
請求項3に記載した吊り金具用の保護プレート。
【請求項5】
前記プレート体において前記第2嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部及び脆弱部の箇所に、第2切り欠き部が形成されている、
請求項4に記載した吊り金具用の保護プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を吊り下げて保持する吊り金具用の保護プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空調用や給湯用の配管を建造物の天井等に吊り下げて保持する吊り金具はよく知られている。吊り金具のバンド部で配管を直接保持した場合、配管の自重によって配管を覆う被覆部(保温材)がバンド部に食い込み、被覆部が圧潰したり破れたりして、被覆部の保温断熱機能を低下させるおそれがあった。
【0003】
このため、国土交通省公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)平成31年版においては、吊り金具のバンド部と配管との間に、合成樹脂製等の保護プレートを設けることが明記されている。このように構成すると、配管に対する支持面積が保護プレートの存在によって大きくなるため、配管の自重を分散でき、バンド部に対する被覆部の食い込みを抑制できる(被覆部の圧潰や破れを防止できる)利点がある。
【0004】
この種の保護プレートとしては、例えば特許文献1等のものが挙げられる。特許文献1の保護プレートにおいては、配管に当接するプレート体下面の中央部に、配管軸方向に長い保持アームが設けられている。プレート体自体と保持アームとで吊り金具のバンド部を挟持することによって、吊り金具に対する保護プレートの配管軸方向へのずれ動きが規制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-115740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記従来の構成では、吊り金具に対する保護プレートの配管軸方向へのずれ動きは規制できるものの、配管周方向へのずれ動きを規制できないという問題があった。また、設備運転時等の振動によって、保護プレートが配管周方向にずれ動く可能性も否定できないのであった。さらに、配管軸方向に長い保持アームをプレート体に挟持可能に設けているため、部品点数や製造コストの点において改善の余地もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した吊り金具用の保護プレートを提供することを技術的課題としている。
【0008】
本発明は、配管とこれを保持する吊り金具のバンド部との間に介在させる保護プレートであって、前記配管に当接するプレート体を備えており、前記プレート体下面の中央部に、前記バンド部の下部に形成された嵌合穴に嵌まる第1嵌合突起が形成されており、前記第1嵌合突起は、割り溝によって2分割された軸部を有する割りピン形状に形成されており、前記各軸部の先端側には、前記嵌合穴の縁部に引っ掛かる係合爪が形成されており、前記両軸部は、互いに近接する方向に弾性変形可能になっているというものである。
【0009】
本発明に係る吊り金具用の保護プレートにおいて、前記プレート体において配管軸方向に延びる仮想中央線を挟んで両側に、配管軸方向に沿って連続的又は飛び飛びに形成された切り取り用の脆弱部が形成されるようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る吊り金具用の保護プレートにおいて、前記プレート体において前記第1嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部及び脆弱部の箇所に、第1切り欠き部が形成されるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る吊り金具用の保護プレートにおいて、前記プレート体下面のうち前記中央部から配管軸方向に離れた部位に、前記第1嵌合突起と同じ構成の第2嵌合突起が形成されるようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る吊り金具用の保護プレートにおいて、前記プレート体において前記第2嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部及び脆弱部の箇所に、第2切り欠き部が形成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、嵌合突起と嵌合穴との嵌め合いという極めて簡単な構成を採用したものでありながら、吊り金具に対する保護プレートの配管軸方向へのずれ動きだけでなく、配管周方向へのずれ動きまでも規制できる。従って、簡単な構成でコスト抑制を図りつつも、吊り金具に対して保護プレートを安定的に装着できる。また、吊り金具に対する保護プレートの着脱作業も極めて簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】保護プレートの通常の使用状態を示す概略正面図である。
図2】吊り金具の概略斜視図である。
図3】保護プレートの下面(表面)を示す概略正面図である。
図4】保護プレートの上面(裏面)を示す概略背面図である。
図5】保護プレートを配管軸方向から見た側面を示す概略側面図である。
図6】両側縁部を切り取った保護プレートの使用状態を示す概略正面図である。
図7】配管の屈曲部近傍を吊り金具で支持する場合における保護プレートの使用状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づき説明する。
【0016】
まず始めに、図1及び図2を参照しながら、空調用や給湯用の被覆配管101(保温材で覆われた配管、以下「配管」という)を建造物の天井100に吊り下げて保持する吊り金具50の構造について説明する。
【0017】
図1及び図2に示す吊り金具50は、金属製のものであり、天井100に設けた吊りボルト102に締結されるタンバックル部51と、配管101の周囲を取り囲んで保持するための略環状のバンド部52とを備えている。
【0018】
タンバックル部51には、吊りボルト102にねじ込まれる吊りナット53が取り付けられている。言うまでもないが、天井100の吊りボルト102に吊りナット53をねじ込むことによって、吊り金具50は天井100から吊り下げられる。タンバックル部51は、一対のブラケット片54を有している。一方、バンド部52は、タンバックル部51の両ブラケット片54を外側から挟む一対の挟持片55を有している。
【0019】
両ブラケット片54を両挟持片55で外側から挟み込み、両ブラケット片54と両挟持片55とをボルト56及びナット57で共締めすることによって、タンバックル部51とバンド部52とが連結されている。バンド部52の下部には、後述する保護プレート10の嵌合突起13,17が着脱可能に嵌まる嵌合穴58が上下に貫通するように形成されている(図2参照)。
【0020】
次に、図3以降も参照しながら、吊り金具50用の保護プレート10の構造について説明する。
【0021】
保護プレート10は、配管101とこれを保持する吊り金具50のバンド部52との間に介在させるものである。実施形態の保護プレート10は、可撓性を有する合成樹脂製のものであり、配管101に下方から当接するプレート体11を備えている。プレート体11は、平面視略矩形の平担板形状、又は下向き凸の湾曲板形状(図5参照)に形成されている。
【0022】
プレート体11の下面(表面)には、配管軸方向Aに長い複数本の凸条12が、配管周方向Cに適宜間隔を開けて一体的に形成されている。このため、プレート体11の下面(表面)は、起伏が連続する凹凸形状になっている。プレート体11下面の凸条12群は、プレート体11の劣化を防止する補強用のものであり、プレート体11を配管周方向Cの下向き凸状態に湾曲させやすいように、配管軸方向Aに長い形態になっている。なお、図4に示すように、プレート体11の上面(裏面)は、平滑面になっている。
【0023】
図1及び図3図7に示すように、プレート体11下面の中央部には、バンド部52の下部に形成された嵌合穴58に嵌まる下向き凸状の第1嵌合突起13が配置されている。第1嵌合突起13は、プレート体11下面の中央部に一体的に形成されている。
【0024】
第1嵌合突起13は、縦(上下)方向に延びる割り溝15によって2分割された軸部14を有する割りピン形状になっている。それぞれの軸部14の先端側には、嵌合穴58の縁部に引っ掛かる係合爪16が形成されている。保護プレート10が可撓性を有する合成樹脂製であることもあって、両軸部14は、互いに近接する方向に弾性変形可能になっている。このため、第1嵌合突起13は、バンド部52の嵌合穴58に対して係脱(着脱)することが可能になっている。
【0025】
プレート体11下面のうち中央部(第1嵌合突起13の部位)から配管軸方向Aに離れた部位には、第1嵌合突起13と同じ構成の第2嵌合突起17が配置されている。第2嵌合突起17も、プレート体11下面の中央部から配管軸方向Aに離れた部位に一体的に形成されている。
【0026】
第2嵌合突起17も、割り溝19によって2分割された軸部18を有する割りピン形状であり、それぞれの軸部18の先端側に、嵌合穴58の縁部に引っ掛かる係合爪20が形成されている。第2嵌合突起17の両軸部18も、互いに近接する方向に弾性変形可能になっている。従って、第2嵌合突起17も、第1嵌合突起13と同様に、バンド部52の嵌合穴58に対して係脱(着脱)することが可能になっている。なお、各嵌合突起13,17の軸部14,18の並び方向は、実施形態通りの配管軸方向Aに限るものではなく、配管周方向Cに並んでもよいし、これら方向A,Cと交差する方向であってもよく、特に問わない。
【0027】
図3及び図4等に示すように、プレート体11において配管軸方向Aに延びる仮想中央線ALを挟んで両側には、配管軸方向Aに沿って連続的又は飛び飛びに形成された切り取り用の脆弱部21がそれぞれ形成されている。プレート体11における配管周方向Cの両側縁部11aは、それぞれ脆弱部21に沿って引き裂いて分離除去することが可能である(図6参照)。
【0028】
すなわち、実施形態のプレート体11は、配管周方向Cの長さを大小2種類に変更できる。従って、1種類の保護プレート10だけで、バンド部52内径の異なる複数種類の吊り金具50に適用でき、使い勝手がよい。実施形態の脆弱部21は、ミシン目形状になっているが、これに限らず、例えば薄肉状のスコアであってもよい。
【0029】
図1及び図3図7に示すように、プレート体11において第1嵌合突起13を通って配管周方向Cに延びる仮想線CL1と交差する側縁部11a及び脆弱部21の箇所には、第1切り欠き部22a,22bがそれぞれ形成されている。
【0030】
第1嵌合突起13と各第1切り欠き部22a,22bとは、バンド部52に保護プレート10を取り付けるにおいてバンド部52に重なるような位置関係で、プレート体11に設けられている。このため、バンド部52の嵌合穴58に保護プレート10の嵌合突起13,17を嵌め込むのに位置合わせしやすい利点がある。
【0031】
第1切り欠き部22a,22bの配管軸方向Aの長さは、バンド部52に保護プレート10を取り付けるにおいてバンド部52が収まるように、バンド部52の幅より若干長い寸法に設定されている。
【0032】
実施形態では、プレート体11の各側縁部11aに1個ずつの第1切り欠き部22aが設けられている。そして、各脆弱部21上の部位に1個ずつの第1切り欠き部22bが設けられている。従って、プレート体11には、合計4個の第1切り欠き部22a,22bが設けられている。
【0033】
各脆弱部21上の第1切り欠き部22bは、プレート体11の両側縁部11aを脆弱部21に沿って引き裂いて分離除去したときに、切り取らない場合の側縁部11a上の第1切り欠き部22aと同様の機能を発揮する。
【0034】
保護プレート10に第1切り欠き部22a,22bを設けておくと、バンド部52に取り付けた保護プレート10を配管軸方向Aや配管周方向Cと交差する斜め方向に動かしたりしても、第1切り欠き部22a,22bにバンド部52が引っ掛かるため、保護プレート10のずれ動きを規制できる。このため、吊り金具50に対して保護プレート10をより安定的な装着姿勢で維持できる。
【0035】
図1及び図3図7に示すように、プレート体11において第2嵌合突起17を通って配管周方向Cに延びる仮想線CL2と交差する側縁部11a及び脆弱部21の箇所には、第1切り欠き部22a,22bと同じ構成の第2切り欠き部23a,23bがそれぞれ形成されている。
【0036】
実施形態では、プレート体11の各側縁部11aに1個ずつの第2切り欠き部23aが設けられている、そして、各脆弱部21上の部位に1個ずつの第2切り欠き部23bが設けられている。従って、プレート体11には、合計4個の第2切り欠き部23a,23bが設けられている。第2切り欠き部23a,23bが第1切り欠き部22a,22bと同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0037】
図1図3図4及び図6に示すように、プレート体11において両脆弱部21で挟まれた領域の四隅部には、係止穴24がそれぞれ形成されている。実施形態では、配管周方向Cに並ぶ係止穴24同士に結束バンド103を挿通させて、配管101と保護プレート10とを結束バンド103で結束することが可能になっている。
【0038】
上記の構成において、吊り金具50に保護プレート10を取り付ける場合、通常はバンド部52からの保護プレート10の張り出し量をバランスよく同程度にするため、第1嵌合突起13をバンド部52の嵌合穴58に上方から嵌め込むことになる。すなわち、吊り金具50のボルト56及びナット57を緩めて、両挟持片55が離れるようにバンド部52を広げてから、バンド部52内に保護プレート10を載せ、第1嵌合突起13を嵌合穴58に上方から強制嵌合させる。
【0039】
そうすると、第1嵌合突起13の両係合爪16が弾性復元力によって嵌合穴58の縁部に張り出して引っ掛かる結果、保護プレート10が吊り金具50に対して外れ不能に取り付けられる。その後、両ブラケット片54を両挟持片55で外側から挟み込み、両ブラケット片54と両挟持片55とをボルト56及びナット57で共締めして、バンド部52で配管101を保護プレート10ごと挟持するのである。
【0040】
実施形態の保護プレート10によると、第1嵌合突起13と嵌合穴58との嵌め合いという極めて簡単な構成を採用したものでありながら、吊り金具50に対する保護プレート10の配管軸方向Aへのずれ動きだけでなく、配管周方向Cへのずれ動きまでも規制できる。従って、簡単な構成でコスト抑制を図りつつも、吊り金具50に対して保護プレート10を安定的に装着できる。
【0041】
実施形態の保護プレート10において、配管101の自重を分散して、バンド部52に対する配管101被覆部の食い込みを抑制できる(配管101被覆部の圧潰や破れを防止できる)ことは言うまでもない。
【0042】
なお、吊り金具50から保護プレート10を取り外したい場合は、バンド部52の嵌合穴58に嵌まった第1嵌合突起13の両係合爪16を指等で摘んで、両軸部14を弾性に抗して変形させ、両軸部14を互いに近接させればよい。そうすると、両係合爪16が嵌合穴58を通過可能な状態になるので、このまま第1嵌合突起13を嵌合穴58から押し出すだけで、第1嵌合突起13と嵌合穴58との嵌合状態が解除される。
【0043】
上記の説明から分かるように、実施形態の保護プレート10によると、簡単な構成でコスト抑制を図りつつ、吊り金具50に対する保護プレート10の配管軸方向A及び配管周方向Cへのずれ動きを規制できる保護プレート10でありながら、吊り金具50に対する保護プレート10の着脱作業も極めて簡単に行える。
【0044】
ところで、建造物のコーナー部付近等に配置するために、配管101において逆L字状に屈曲する部分がある場合、当該屈曲部分には、自重によって鉛直方向に大きな負荷がかかりやすい。このため、配管101のうちできるだけ屈曲部分に近い位置を吊り金具50で保持するのが好ましい。
【0045】
そこで、図7では、バンド部52から屈曲部分に向かう保護プレート10の張り出し量を短くして、吊り金具50を屈曲部分に近づけるため、第2嵌合突起17をバンド部52の嵌合穴58に上方から嵌め込んでいる。嵌合穴58に対する第2嵌合突起17の着脱態様は、前述した第1嵌合突起13の着脱態様と同様である。この場合、前述した第1嵌合突起13の例と同様の作用効果を奏すると共に、保護プレート10の存在が邪魔にならずに、配管101の屈曲部分近傍を吊り金具50によって適切に支持できる。
【0046】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
A 配管軸方向
AL 仮想中央線
C 配管周方向
CL1 仮想線
CL2 仮想線
10 保護プレート
11 プレート体
11a 側縁部
13,17 嵌合突起
14,18 軸部
15,19 割り溝
16,20 係合爪
21 脆弱部
22a,22b 第1切り欠き部
23a,23b 第2切り欠き部
50 吊り金具
52 バンド部
58 嵌合穴
101 配管
102 吊りボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保温材で覆われた配管とこれを保持する吊り金具のバンド部との間に介在させる保護プレートであって、
前記配管に当接する合成樹脂製で平面視略矩形板状のプレート体を備えており、前記プレート体下面の中央部に、前記バンド部の下部に形成された嵌合穴に嵌まる下向き凸状の第1嵌合突起が形成されており、
前記プレート体において、配管軸方向に延びて前記第1嵌合突起上を通る仮想中央線を挟んで両側には、配管軸方向に沿って連続的又は飛び飛びに形成された切り取り用の脆弱部が形成されている、
吊り金具用の保護プレート。
【請求項2】
前記第1嵌合突起は、割り溝によって2分割された軸部を有する割りピン形状に形成されており、前記各軸部の先端側には、前記嵌合穴の縁部に引っ掛かる係合爪が形成されており、前記両軸部は、互いに近接する方向に弾性変形可能になっている、
請求項1に記載した吊り金具用の保護プレート。
【請求項3】
前記プレート体において前記第1嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部及び脆弱部の箇所に、第1切り欠き部が形成されている、
請求項に記載した吊り金具用の保護プレート。
【請求項4】
保温材で覆われた配管とこれを保持する吊り金具のバンド部との間に介在させる保護プレートであって、
前記配管に当接する合成樹脂製で平面視略矩形板状のプレート体を備えており、前記プレート体下面の中央部に、前記バンド部の下部に形成された嵌合穴に嵌まる下向き凸状の第1嵌合突起が形成されており、
前記プレート体下面のうち前記中央部から配管軸方向に離れた部位であり、かつ、配管軸方向に延びて前記第1嵌合突起上を通る仮想中央線上の部位には、前記第1嵌合突起と同じ構成の第2嵌合突起が形成されている、
吊り金具用の保護プレート。
【請求項5】
前記プレート体において前記第1嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部の箇所に、第1切り欠き部が形成されており、前記プレート体において前記第2嵌合突起を通って配管周方向に延びる仮想線と交差する側縁部の箇所に、第2切り欠き部が形成されている、
請求項4に記載した吊り金具用の保護プレート。