(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073475
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】三面水路
(51)【国際特許分類】
E02B 5/02 20060101AFI20220510BHJP
E02B 13/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
E02B5/02 J
E02B13/00 301
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183476
(22)【出願日】2020-11-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】315000098
【氏名又は名称】田中シビルテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】511169999
【氏名又は名称】石川県公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】松田 展也
(72)【発明者】
【氏名】森 丈久
(57)【要約】
【課題】多くの三面水路に経済的に設置することができ特に夜間における転落防止効果を有した三面水路を提供する。
【解決手段】三面水路100は、複数のフリューム101を縦列方向に連結して構成されている。フリューム101は、底部102、左側壁103および右側壁104を有して断面形状がU字状に形成されている。互いに隣接する2つのフリューム101間には、止水部105が設けられている。止水部105は、蓄光材を含むシーリング材で構成されている。これにより、互いに隣接する2つのフリューム101間で露出する止水部105によって光輝部110が形成されている。この場合、光輝部110は、互いに隣接する2つのフリューム101の各表面から凹状に窪んだ位置に形成されている。光輝部110は、底面光輝部111、側壁内側光輝部112、側壁上面光輝部113および側壁外側光輝部114で構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して前記底面の上方が開放された三面水路において、
前記底面および前記2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に前記三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、
前記光輝部は、
蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項2】
請求項1に記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記三面水路内における水中となる部分に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記表面に対して凹状に窪んで形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項5】
請求項1に記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁と面一または同側壁よりも突出して形成されるとともに前記水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記三面水路が、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結して構成されており、
前記光輝部は、
互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記底面および前記2つの側壁は、コンクリートで構成されており、
前記光輝部は、
前記コンクリートにおけるPコン穴に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であることを特徴とする三面水路。
【請求項9】
予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の形成方法であって、
互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程を含むことを特徴とする三面水路の形成方法。
【請求項10】
予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の補修方法であって、
互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に形成された目地材を除去する工程と、
前記除去された前記連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程とを含むことを特徴とする三面水路の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して前記底面の上方が開放された三面水路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農業用、工業用または上水用の水を供給する用水路または排水のための側溝などの三面水路には、転落防止のために柵が設けられていることがある。例えば、下記特許文献1には、側溝の開口部分の全体をアーチ状に覆う金網状または格子状の側溝用被覆材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された側溝用被覆材においては、設置に多額の費用が掛かり多くの三面水路に設置することが現実的でないという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、多くの三面水路に経済的に設置することができ特に夜間における転落防止効果を有した三面水路を提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して底面の上方が開放された三面水路において、底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、光輝部は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されていることにある。ここで、蓄光材は、電灯または太陽光などの光エネルギを吸収して光の照射を受けなくなった後においても発光する物質(例えば、アルミン酸塩化合物)である。また、蛍光材は、光を受けている間のみ受けた光エネルギよりも長い波長で再度放出する物質である。反射材は、どのような方向および角度から入射した光も光源に向かってそのまま反射する物質である。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、三面水路を構成する底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成された光輝部が形成されているため、夕方または夜間に三面水路の近くにいる者に対して三面水路の存在を容易に認識させて転落を抑制する効果を経済的な構成で実現することができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されていることにある。
【0009】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されているため、光輝部が発する光が水面付近で乱反射することで三面水路の近くにいる者に水面の存在を容易に認識させることができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、三面水路内における水中となる部分に形成されていることにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が三面水路内における水中となる部分に形成されているため、水面の揺らぎによって光輝部の視認性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、表面に対して凹状に窪んで形成されていることにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、底面および/または側壁の表面に対して凹状に窪んで形成されているため、周囲に存在する物(砂埃、石、流木、人の足など)が接触することで光輝部が損傷することを抑制することができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに前記水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されていることにある。
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部における水面より上方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されているため、水中における光輝部の損傷を抑えつつ水面より上方部分の視認性を高めることができる。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、三面水路が、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結して構成されており、光輝部は、互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に形成されていることにある。
【0017】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に形成されているため、光輝部を容易に設置することができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、底面および2つの側壁は、コンクリートで構成されており、光輝部は、コンクリートにおけるPコン穴に形成されていることにある。
【0019】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が底面および/または2つの側壁を構成するコンクリートのPコン穴に形成されているため、光輝部を容易に設置することができる。ここで、Pコン穴とは、コンクリートを流し込む型枠の間隔を保つために互いに対向する2つの型枠間に架設される棒状のセパレータの両端に付けられるプラスチックコーンの跡であり、台形円錐状に形成されている。
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であることにある。
【0021】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であるため、コンクリートにおける継ぎ目またはPコン穴へのシーリング作業と同時に光輝部を形成することができる。また、光輝部は、シーリング材の表面を削ることによって発光または反射する部分を簡単に復活させることもできる。
【0022】
また、本発明は、三面水路の発明として実施できるばかりでなく、三面水路の形成方法または三面水路の補修方法としても実施できるものである。
【0023】
具体的には、三面水路の形成方法は、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の形成方法であって、互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程を含むとよい。これによれば、三面水路の形成方法は、上記三面水路と同様の作用効果を期待することができる。
【0024】
また、三面水路の補修方法は、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の補修方法であって、互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に形成された目地材を除去する工程と、除去された連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程とを含むとよい。これによれば、三面水路の補修方法は、上記三面水路と同様の作用効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る三面水路の構造の概略を示す破断斜視図である。
【
図2】
図1に示す三面水路を構成する2つの左側壁の連結部分を示す一部拡大断面図である。
【
図3】
図1に示した三面水路を施工する工程を示す工程フローチャートである。
【
図4】
図2に示すフリューム間において流動体状の止水部を成形する作業の様子を示す説明図である。
【
図5】本発明の変形例に係る三面水路の構造の概略を示す破断斜視図である。
【
図6】本発明の他の変形例に係る三面水路を構成する2つの左側壁の連結部分を示す一部拡大断面図である。
【
図7】本発明の他の変形例に係る三面水路の一部の断面を示す一部拡大断面図である。
【
図8】本発明の他の変形例に係る三面水路の構造の概略を示す破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る三面水路の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る三面水路100の構成の概略を示す破断斜視図である。また、
図2は、
図1に示す三面水路100における左側壁103の一部拡大断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この三面水路100は、農業に用いる水Wを流す農業用の用水路である。
【0027】
(三面水路100の構成)
三面水路100は、複数のフリューム101によって構成されている。フリューム101は、三面水路100における底部102、左側壁103および右側壁104をそれぞれ構成する部品である。本実施形態においては、フリューム101は、コンクリートによって底部102、左側壁103および右側壁104が一体的に形成されている。
【0028】
底部102は、三面水路100を流れる水Wを下方から支持する部分であり、水Wが流れる方向に延びる板状に形成されている。この場合、本実施形態においては、底部102において水Wが流れる上面である底面102aが平坦面で形成されているが、平坦面以外の形状、例えば、凹凸を有して形成されていてもよい。
【0029】
左側壁103および右側壁104は、三面水路100を流れる水Wを左右の側方から支持する部分であり、底部102における三面水路100の幅方向の両端部からそれぞれ上方に起立した壁状に形成されている。この場合、左側壁103および右側壁104は、三面水路100を流れる水Wの高さ(つまり、水嵩)以上の高さに形成されている。また、左側壁103および右側壁104は、フリューム101の上部を残して他の主要部が地中に埋設されているため、上部が地表G上に露出している。
【0030】
このフリューム101は、三面水路100内の水Wの流れる方向に所定の長さに形成されており、複数のフリューム101が縦列に連結されることで三面水路100の全体を構成している。この場合、互いに隣接する2つのフリューム101の間の連結部分には、止水部105、光輝部110および支持部120がそれぞれ形成されている。
【0031】
止水部105は、互いに隣接する2つのフリューム101の間の連結部分からの水Wの漏れを防止するための部品であり、シーリング材(コーキング材ともいう)で構成されている。本実施形態においては、止水部105は、蓄光顔料を含有したシリコーン系のシーリング材で構成されている。この場合、止水部105は、
図2に示すように、互いに隣接する2つのフリューム101の表面に対して奥側に形成されることで同表面に対して凹状に窪んだ状態で形成されている。
【0032】
これにより、止水部105は、互いに隣接する2つのフリューム101の間で外部に露出する部分が夜間に発光する。すなわち、止水部105における前記外部に露出して発光する部分が光輝部110である。なお、
図2は、左側壁103における断面を示しているが、右側壁104および底部102においても同様である。
【0033】
本実施形態においては、光輝部110は、底面光輝部111、側壁内側光輝部112、側壁上面光輝部113および側壁外側光輝部114で構成されている。底面光輝部111は、三面水路100の底面102aに露出して形成されている。本実施形態においては、底面光輝部111は、三面水路100の幅方向に直線状に延びて形成されている。
【0034】
側壁内側光輝部112は、三面水路100の左側壁103および右側壁104における各内側面にそれぞれ露出して形成されている。本実施形態においては、側壁内側光輝部112は、左側壁103および右側壁104の各上端部から各下端部まで直線状に延びてそれぞれ形成されている。なお、
図1においては、右側壁104に形成された側壁内側光輝部112は右側壁104自身によって隠れて見えていない。
【0035】
側壁上面光輝部113は、三面水路100の左側壁103および右側壁104における各上面にそれぞれ露出して形成されている。本実施形態においては、側壁上面光輝部113は、左側壁103および右側壁104の上面に厚さ方向に直線状に延びて形成されている。
【0036】
側壁外側光輝部114は、三面水路100の左側壁103および右側壁104における各外側面にそれぞれ露出して形成されている。本実施形態においては、側壁外側光輝部114は、左側壁103および右側壁104の各上端部から各下端部まで直線状に延びてそれぞれ形成されている。この場合、側壁外側光輝部114は、左側壁103および右側壁104の各上部のみが地表Gから露出しているため、側壁外側光輝部114のみが地表Gから露出している。
【0037】
支持部120は、止水部105を内側から支持する部分であり、硬質のウレタン発泡体で構成されている。この支持部120は、止水部105の内側に止水部105の背面に沿って設けられており、止水部105の形成時に止水部105を構成するシーリング材が過度に奥側に注入されることを防止している。
【0038】
(三面水路100の施工)
次に、このように構成された三面水路100の施工について
図3を参照しながら説明する。まず、作業者は、第1工程として、フリューム101を用意する。この場合、フリューム101は、型枠(図示せず)にコンクリートを流し込んで成形されたものが種々の大きさおよび形状で市販されている。したがって、作業者は、構築する三面水路100の仕様に応じて適切な大きさ、形状および数のフリューム101を入手する。
【0039】
次に、作業者は、第2工程として、下穴を掘る。具体的には、作業者は、バックホーなどの建機を用いて三面水路100を形成する場所にフリューム101を設置する溝状の穴を掘る。この場合、作業者は、溝状に掘って形成した下穴の底部に砕石(図示せず)を敷く、またはコンクリートを板状に打設してフリューム101を設置する土台を形成する。
【0040】
次に、作業者は、第3工程として、フリューム101を設置する。具体的には、作業者は、溝状に掘って形成した下穴上にクレーンなどの建機を用いてフリューム101を溝状に延びる下穴に沿って縦列に配置する。この場合、作業者は、互いに隣接する2つのフリューム101とフリューム101との間に止水部105を形成する隙間を介してフリューム101を配置する。
【0041】
次に、作業者は、第4工程として、支持部120を形成する。具体的には、作業者は、硬質ウレタン発泡体を互いに隣接する2つのフリューム101とフリューム101との間に設置する。この場合、作業者は、止水部105の形成を考慮して硬質ウレタン発泡体で構成された支持部120を2つのフリューム101とフリューム101との間における奥側に詰める。
【0042】
なお、硬質ウレタン発泡体とは、種々のものを用いることができるが、本実施形態においては、NCO(イソシアネート)基を2個以上有するポリイソシアネートとOH(ヒドロキシル)基を2個以上有するポリオールとを、触媒(例えば、アミン化合物など)、発泡剤(例えば、水やフルオロカーボンなど等)および整泡剤(例えば、シリコーンオイル)などと混合して泡化反応と樹脂化反応とを同時に行わせることによって得られる均質なプラスチック発泡体である。この場合、硬質ウレタン発泡体は、断面形状が円形(だ円形を含む)または方形に形成された棒状のほか、薄板状に形成されている。また、本願発明における硬質ウレタン発泡体は、圧縮強さ(10%圧縮)が少なくとも2.0kgf/cm2以上が好ましい。なお、支持部120は、液体状の硬質ウレタン発泡体を2つのフリューム101とフリューム101との間における奥側に注入して配置することもできる。
【0043】
次に、作業者は、第5工程として、止水部105および光輝部110をそれぞれ形成する。具体的には、作業者は、蓄光顔料を含んだシーリング材を互いに隣接する2つのフリューム101とフリューム101との間に注入する。ここで、蓄光顔料は、アルミン酸カルシウムまたはアルミン酸ストロンチウムなどの公知の蓄光材を含んで構成されている。
【0044】
この第5工程においては、作業者は、
図4に示すように、互いに隣接する2つのフリューム101間に注入したシーリング材に対して板状のヘラHを用いて奥側に押すことでシーリング材の表面を2つのフリューム101の各表面よりも内側に位置させて凹状に凹ませて形成することができる。この場合、作業者は、シーリング材の表面がフリューム101の表面に対して1mm以上かつ5mm以下の範囲で窪んだ位置に形成されるように調整するとよい。これらにより、シーリング材が硬化することで止水部105が形成されるとともに、この止水部105の表面に光輝部110がフリューム101の表面よりも1mm以上かつ5mm以下の範囲で内側に凹んだ状態で形成される。
【0045】
次に、作業者は、第6工程として、フリューム101を埋め戻す。具体的には、
バックホーなどの建機を用いて三面水路100を形成する場所にフリューム101を設置する溝状の穴を掘る。この場合、作業者は、縦列に繋がったフリューム101における左側壁103および右側壁104の各外側に土を入れる。この場合、作業者は、本実施形態においては、左側壁103および右側壁104の各外側面を完全に埋めずに各上部部分が露出する程度に埋める。これにより、作業者は、上方が開口した開渠構造の三面水路100の構築することができる。
【0046】
(三面水路100の作動)
次に、このように構成した三面水路100の作動について説明する。この三面水路100は、日中に光輝部110が太陽光などから吸収した光エネルギを用いて夜間に発光する。この場合、三面水路100は、光輝部110を構成する底面光輝部111、側壁内側光輝部112、側壁上面光輝部113および側壁外側光輝部114がそれぞれ発光する。これより、夜間に三面水路100の近くを徒歩または二輪車で通る通行人は、光輝部110の発光によって三面水路100の存在を認識することができる。
【0047】
この場合、底面光輝部111は、三面水路100内の水Wの透明度が高い場合、水Wの水深が浅い場合、または水Wが一時的に枯れている場合において通行人に対して三面水路100の存在を認識させることができる。この場合、三面水路100における水中に形成された光輝部110は、水面の揺らぎによって通行人に対する視認性を高めることができる。また、側壁内側光輝部112は、左側壁103および右側壁104の最低部から最高部に亘って形成されているため、水Wの水面の位置を含めて三面水路100の存在を通行人に認識させることができる。
【0048】
また、側壁上面光輝部113は、左側壁103および右側壁104の各上面に形成されているため、三面水路100の川幅を含めて三面水路100の存在を通行人に認識させることができる。また、側壁外側光輝部114は、左側壁103および右側壁104の各外側面の各上部部分が発光しているため、三面水路100の周囲の地面に対する段差の量を含めて三面水路100の存在を通行人に認識させることができる。
【0049】
次に、三面水路100のメンテナンスについて説明する。光輝部110が汚損、損傷または劣化した場合には、メンテナンスを行う作業者は、光輝部110の表面を布またはサンドペーパなどを用いて拭くまたは磨くことで汚損、損傷または劣化した部分を除去して新たな表面を露出させることができる。これにより、作業者は、光輝部110の発光能力を再生することができる。
【0050】
また、作業者は、光輝部110を含めて止水部105の損傷または劣化が激しい場合には、止水部105を新設することもできる。具体的には、作業者は、まず、既設の止水部105をカッターなどの工具を用いて除去する。この場合、作業者は、支持部120の損傷または劣化が激しい場合には、支持部120も併せて除去することができる。
【0051】
次に、作業者は、前記した第5工程と同様に、止水部105および光輝部110をそれぞれ形成する。この場合、作業者は、支持部120も併せて除去していた場合には、前記した第4工程と同様に、支持部120を形成した後に、止水部105および光輝部110をそれぞれ形成する。これにより、作業者は、既設の三面水路100にける光輝部110を再生することができる。なお、この光輝部110の再生は、光輝部110を有さない既存の三面水路に対しても行えるものである。
【0052】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、三面水路100は、三面水路100を構成する底面102a、左側壁103および右側壁104の各表面に三面水路100の長手方向に沿って断続的に蓄光材で構成された光輝部110が形成されているため、夕方または夜間に三面水路100の近くいる者に対して三面水路100の存在を容易に認識させて転落を抑制する効果を経済的な構成で実現することができる。
【0053】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例において、上記実施形態と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
例えば、上記実施形態においては、光輝部110は、底部102、左側壁103および右側壁104にそれぞれ形成した。しかし、光輝部110は、底部102、左側壁103および右側壁104のうちの少なくとも1つに形成すればよい。この場合、光輝部110は、互いに対向する側壁内側光輝部112および底面光輝部111によって断面形状がU字状に連続的または断続的に形成されることで三面水路100の形状を把握させ易くすることができる。
【0055】
また、上記実施形態においては、光輝部110は、底部102、左側壁103および右側壁104において連続的に延びる直線状に形成した。しかし、光輝部110は、連続的に延びる曲線状に形成してもよいし、断続的に延びる直線状または曲線状に形成することもできる。また、光輝部110は、
図5に示すように、三面水路100における幅方向に代えてまたは加えて長手方向(水Wが流れる方向)に沿って連続的または断続的に形成することができる。
【0056】
また、上記実施形態においては、光輝部110は、左側壁103および右側壁104における下端部から上端部まで形成した。しかし、光輝部110は、左側壁103および右側壁104における下部部分のみ、中間部のみ、または上部部分のみに形成することもできる。この場合、光輝部110は、水Wの水面を跨るように上下方向に延びて形成してもよいし、水面よりも完全に上方に形成することもできる。さらに、光輝部110は、上記実施形態のように三面水路100における水中に水没する部分を含んで形成するほか、または水没する部分にのみ形成することもできる。また、光輝部110は、三面水路100における水面から上の部分にのみ形成することもできる。
【0057】
また、上記実施形態においては、光輝部110は、底部102、左側壁103および右側壁104の各表面に対して凹状に窪んで形成されている。これにより、光輝部110は、周囲に存在する物、例えば、砂埃、石、流木、人の足などが接触することを抑制して光輝部110が損傷することを抑制することができる。なお、この場合、水W内の光輝部110においても、流れる水自体または水中内の異物との間の摩擦が抑えられることで光輝部110が損傷することを抑制することができる。
【0058】
しかしながら、光輝部110は、底部102、左側壁103および右側壁104の各表面に対して面一、またはこれらの各表面に対して凸状に突出して形成することもできる。これによれば、光輝部110は、視認性を向上させることができる。この場合、光輝部110は、
図6に示すように、凸状の円弧状に膨らんで形成することで光輝部110を中心とする放射方向に光を放つことができ広範囲な視認性を向上させることができる。また、円弧状の光輝部110を水中に形成した場合には、水Wから受ける抵抗を少なくすることもできる。また、光輝部110は、左側壁103および右側壁104の各表面に対して1mm以上かつ5mm以下の範囲で突出しているとよい。
【0059】
また、光輝部110は、
図7に示すように、左側壁103および右側壁104のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成することもできる。これによれば、光輝部110は、水中における光輝部110の損傷を抑えつつ水面より上方部分の視認性を高めることができる。この場合、光輝部110は、左側壁103の下端部側から上端部側に向かって連続的に突出する傾斜面で構成することもできる。なお、光輝部110は、左側壁103および右側壁104のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁と面一に形成されるとともに水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成することもできる。また、光輝部110は、側壁における水面より下方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに水面よりも上方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成することもできる。
【0060】
また、上記実施形態においては、光輝部110は、互いに隣接する2つのフリューム101の連結部分に形成した。これにより、作業者は、光輝部110を容易に設置することができる。しかし、光輝部110は、互いに隣接する2つのフリューム101の連結部分以外の部分、例えば、底部102、左側壁103および右側壁104の表面自体に形成することができる。
【0061】
また、光輝部110は、
図8に示すように、フリューム101などのコンクリート製の三面水路におけるPコン穴115内に形成することもできる。ここで、Pコン穴115とは、コンクリートを流し込む型枠の間隔を保つために互いに対向する2つの型枠間に架設される棒状のセパレータの両端に付けられるプラスチックコーンの跡であり、台形円錐状に形成されている。
【0062】
また、上記実施形態においては、光輝部110は、蓄光材を含むシーリング材で構成した。しかし、光輝部110は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材で構成することができる。この場合、反射材としては、ラメフレークまたはメタリックパウダーなど用いることができる。
【0063】
また、光輝部110は、シーリング材以外の物質で構成することもできる。例えば、光輝部110は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだ塗料で構成することができる。この場合、作業者は、塗料を塗るまたは吹き付けることによって光輝部110を形成することができる。また、光輝部110は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだ流動体状の樹脂材(熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂)を止水部105またはフリューム101に塗布して硬化させて構成することもできる。また、また、光輝部110は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだ板状またはブロック状の樹脂材で構成して、止水部105またはフリューム101に接着剤、ボルトまたはリベットなどで貼り付けて構成することもできる。
【0064】
また、上記実施形態においては、三面水路100は、断面形状がU字状のフリューム101で構成した。しかし、三面水路100は、断面形状がL字状のフリュームで構成することもできる。また、三面水路100は、コンクリート製以外のフリューム、具体的には、樹脂製のフリュームを用いることもできる。また、三面水路100は、三面水路100の施工現場で三面水路100の形状に直接コンクリートを打設して形成することもできる。この場合、光輝部110は、コンクリートの表面に直接形成してもよいが、伸縮吸収用の目地材に形成することもできる。
【0065】
また、上記実施形態においては、三面水路100は、支持部120を設けて構成した。しかし、三面水路100は、支持部120を省略して構成することもできる。
【符号の説明】
【0066】
W…水、G…地表、H…ヘラ、
100…三面水路、101…フリューム、102…底部、102a…底面、103…左側壁、104…右側壁、105…止水部、
110…光輝部、111…底面光輝部、112…側壁内側光輝部、113…側壁上面光輝部、114…側壁外側光輝部、115…Pコン穴、
120…支持部。
【手続補正書】
【提出日】2021-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して前記底面の上方が開放された三面水路において、
前記底面および前記2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に前記三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、
前記三面水路が、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結して構成されており、
前記光輝部は、
蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されているとともに、互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項2】
水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して前記底面の上方が開放された三面水路において、
前記底面および前記2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に前記三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、
前記底面および前記2つの側壁は、コンクリートで構成されており、
前記光輝部は、
蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されているとともに、前記コンクリートにおけるPコン穴に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項3】
水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して前記底面の上方が開放された三面水路において、
前記底面および前記2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に前記三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、
前記光輝部は、
蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であることを特徴とする三面水路。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記三面水路内における水中となる部分に形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記表面に対して凹状に窪んで形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した三面水路において、
前記光輝部は、
前記2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁と面一または同側壁よりも突出して形成されるとともに前記水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されていることを特徴とする三面水路。
【請求項8】
予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の形成方法であって、
互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程を含むことを特徴とする三面水路の形成方法。
【請求項9】
予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結することで断面形状がU字状に形成された三面水路の補修方法であって、
互いに隣接する2つの前記フリューム間の連結部分に形成された目地材を除去する工程と、
前記除去された前記連結部分に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材を詰める工程とを含むことを特徴とする三面水路の補修方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して底面の上方が開放された三面水路において、底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、三面水路が、予め断面形状がU字状またはL字状に形成された複数のフリュームを縦列に連結して構成されており、光輝部は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されているとともに、互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に形成されていることにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して底面の上方が開放された三面水路において、底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、底面および2つの側壁は、コンクリートで構成されており、光輝部は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成されているとともに、コンクリートにおけるPコン穴に形成されていることにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、水が流れる底面およびこの底面の幅方向の両端部からそれぞれ起立する2つの側壁を有して底面の上方が開放された三面水路において、底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に光輝部が形成されており、光輝部は、蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であることにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
これらの場合、蓄光材は、電灯または太陽光などの光エネルギを吸収して光の照射を受けなくなった後においても発光する物質(例えば、アルミン酸塩化合物)である。また、蛍光材は、光を受けている間のみ受けた光エネルギよりも長い波長で再度放出する物質である。反射材は、どのような方向および角度から入射した光も光源に向かってそのまま反射する物質である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
このように構成した本発明の特徴によれば、三面水路を構成する底面および2つの側壁のうちの少なくとも1つの表面に三面水路の長手方向に沿って連続的または断続的に蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つで構成された光輝部が形成されているため、夕方または夜間に三面水路の近くにいる者に対して三面水路の存在を容易に認識させて転落を抑制する効果を経済的な構成で実現することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、三面水路は、光輝部が互いに隣接する2つのフリューム間の連結部分に形成されているため、光輝部を容易に設置することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、三面水路は、光輝部が底面および/または2つの側壁を構成するコンクリートのPコン穴に形成されているため、光輝部を容易に設置することができる。ここで、Pコン穴とは、コンクリートを流し込む型枠の間隔を保つために互いに対向する2つの型枠間に架設される棒状のセパレータの両端に付けられるプラスチックコーンの跡であり、台形円錐状に形成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、三面水路は、光輝部が蓄光材、蛍光材および反射材のうちの少なくとも1つを含んだシーリング材であるため、コンクリートにおける継ぎ目またはPコン穴へのシーリング作業と同時に光輝部を形成することができる。また、光輝部は、シーリング材の表面を削ることによって発光または反射する部分を簡単に復活させることもできる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されていることにある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁に水面を跨るように上下方向に延びて形成されているため、光輝部が発する光が水面付近で乱反射することで三面水路の近くにいる者に水面の存在を容易に認識させることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、三面水路内における水中となる部分に形成されていることにある。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部が三面水路内における水中となる部分に形成されているため、水面の揺らぎによって光輝部の視認性を向上させることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、表面に対して凹状に窪んで形成されていることにある。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、底面および/または側壁の表面に対して凹状に窪んで形成されているため、周囲に存在する物(砂埃、石、流木、人の足など)が接触することで光輝部が損傷することを抑制することができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記三面水路において、光輝部は、2つの側壁のうちの少なくとも一方の側壁における水面より上方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに前記水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されていることにある。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、三面水路は、光輝部における水面より上方部分が同側壁よりも突出して形成されるとともに水面よりも下方部分が同側壁と面一または凹状に窪んで形成されているため、水中における光輝部の損傷を抑えつつ水面より上方部分の視認性を高めることができる。