(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073506
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】風呂システム、浴槽洗浄装置及び排水栓装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20220510BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20220510BHJP
E03C 1/22 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
F24H1/00 602L
A47K3/00 Q
E03C1/22 C
F24H1/00 602W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183534
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501362906
【氏名又は名称】積水ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
(72)【発明者】
【氏名】三谷 恭平
【テーマコード(参考)】
2D061
3L024
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DB07
3L024CC30
3L024DD35
3L024DD45
3L024DD50
3L024EE05
3L024EE07
3L024GG31
3L024HH38
3L024HH39
(57)【要約】
【課題】浴槽洗浄装置、排水栓装置、給湯装置の通信規格が異なる場合でも各装置の連動動作を実現可能とする風呂システム、浴槽洗浄装置、排水栓装置を提供する。
【解決手段】浴槽洗浄装置2は、排水栓の開閉状態を切り替える排水栓制御信号の出力部、排水栓の開閉状態を示す排水栓モニタ信号の入力部を有する第1HA端子71を備える。排水栓装置3は、排水栓制御信号の入力部、排水栓モニタ信号の出力部を有する第2HA端子72と、湯はり運転の運転状態を切り替える湯はり運転制御信号の出力部、湯はり運転の運転状態を示す湯はり運転モニタ信号の入力部を有する第3HA端子73とを備える。給湯装置4は、湯はり運転制御信号の入力部、湯はり運転モニタ信号の出力部を有する第4HA端子74を備える。第1HA端子71及び第2HA端子72間、第3HA端子73及び第4HA端子74間は、夫々が通信可能に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置と、浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置と、浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を実行する給湯装置とを備える風呂システムであって、
浴槽洗浄装置は、排水栓装置との間でコントローラ用HA端子となる第1HA端子を備え、
第1HA端子は、排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号を排水栓装置に対して出力する排水栓制御信号出力部と、排水栓の開閉状態を示す信号である排水栓モニタ信号が排水栓装置から入力される排水栓モニタ信号入力部とを有し、
排水栓装置は、排水栓の開閉状態を検出する開閉状態検出部と、浴槽洗浄装置との間で端末機器用HA端子となる第2HA端子と、給湯装置との間でコントローラ用HA端子となる第3HA端子とを備え、
第2HA端子は、前記排水栓制御信号が浴槽洗浄装置から入力される排水栓制御信号入力部と、前記排水栓モニタ信号を浴槽洗浄装置に対して出力する排水栓モニタ信号出力部とを有し、
第3HA端子は、湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える湯はり運転状態切替動作の指示信号である湯はり運転制御信号を給湯装置に対して出力する湯はり運転制御信号出力部と、湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が給湯装置から入力される湯はり運転モニタ信号入力部とを有し、
給湯装置は、湯はり運転の運転状態を検出する湯はり運転状態検出部と、排水栓装置との間で端末機器用HA端子となる第4HA端子とを備え、
第4HA端子は、前記湯はり運転制御信号が排水栓装置から入力される湯はり運転制御信号入力部と、前記湯はり運転モニタ信号を排水栓装置に対して出力する湯はり運転モニタ信号出力部とを有し、
前記第1HA端子及び前記第2HA端子間、並びに、前記第3HA端子及び前記第4HA端子間は、夫々が通信可能に接続される風呂システム。
【請求項2】
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置であって、
浴槽洗浄運転の終了後に浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を給湯装置に実行させる洗浄湯はり運転を実行指示可能に構成され、
浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置が備える排水栓装置側端末機器用HA端子に通信可能に接続される浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子を有し、
浴槽洗浄運転の実行指示がなされると、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子から前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に排水栓の開閉状態を示す信号として入力される排水栓モニタ信号が開栓状態を示す信号の場合は、浴槽洗浄運転を開始し、
前記排水栓モニタ信号が閉栓状態を示す信号の場合は、前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓装置側端末機器用HA端子に対して、排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号を出力して、排水栓を閉栓状態から開栓状態へ切り替える動作を指示し、
浴槽洗浄運転が終了すると、洗浄湯はり運転が指示されている場合は、前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓装置側端末機器用HA端子に対して、前記排水栓制御信号を出力して、排水栓を開栓状態から閉栓状態へ切り替える動作を指示する構成を備える浴槽洗浄装置。
【請求項3】
浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置であって、
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置が備える浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に通信可能に接続される排水栓装置側端末機器用HA端子と、浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を実行する給湯装置が備える給湯装置側端末機器用HA端子に通信可能に接続される排水栓装置側コントローラ用HA端子とを有し、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子から前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に対して排水栓の開閉状態を示す信号である排水栓モニタ信号を常時出力し、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号が入力されて、排水栓状態切替動作を実行する場合、
前記排水栓制御信号が入力されたとき、
排水栓の開閉状態が開栓状態である場合は、排水栓状態切替動作の実行とともに、前記排水栓装置側コントローラ用HA端子から前記給湯装置側端末機器用HA端子に対して湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える湯はり運転状態切替動作の指示信号である湯はり運転制御信号を出力して、給湯装置の湯はり運転の運転状態を動作状態へ切り替える動作を指示し、
排水栓の開閉状態が閉栓状態である場合は、排水栓状態切替動作を実行し、前記湯はり運転制御信号は出力しない構成を備える排水栓装置。
する構成を備える排水栓装置。
【請求項4】
請求項3に記載の排水栓装置において、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子には、前記給湯装置側端末機器用HA端子から湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が常時入力され、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子に前記給湯装置側端末機器用HA端子から入力される前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転動作中であることを示す湯はり動作信号である場合は、排水栓の開閉状態を閉栓状態とし、
前記湯はり運転モニタ信号が前記湯はり動作信号である場合に、前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓制御信号が入力されたときでも、排水栓を開栓状態とする排水栓状態切替動作を実行しない構成を備える排水栓装置。
【請求項5】
請求項3に記載の排水栓装置において、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子には、前記給湯装置側端末機器用HA端子から湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が常時入力され、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子に前記給湯装置側端末機器用HA端子から入力される前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転動作中であることを示す湯はり動作信号である場合は、排水栓の開閉状態を閉栓状態とし、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓制御信号が入力されたとき、前記湯はり運転モニタ信号が前記湯はり動作信号である場合は、前記排水栓装置側コントローラ用HA端子から前記給湯装置側端末機器用HA端子に対して前記湯はり運転制御信号を出力し、前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転停止中であることを示す湯はり停止信号となった場合に、排水栓を開栓状態とする排水栓状態切替動作を実行する構成を備える排水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽洗浄装置と浴槽の排水栓装置と給湯装置との間で連動した動作が可能な風呂システム、浴槽洗浄装置、排水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂システムとして、浴槽洗浄装置と、浴槽の排水栓と、給湯装置とを備え、浴槽洗浄運転終了後に引き続いて湯はり運転を実行させるといった連動動作を実行可能とするものが知られている(例えば、特許文献1)。このような風呂システムでは、浴槽洗浄装置と、浴槽の排水栓と、給湯装置とを連動して動作させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記風呂システムにおいて、各装置を通信可能に接続して連動動作を実行させるためには、各装置間で共通の通信規格を用いて通信可能に接続する必要があるが、通信規格はメーカ毎に異なるため、各装置を異なるメーカ品とした場合には連動動作を実行させることができなかった。この場合、各装置を個別に運転指示する必要があり、利便性に劣るものとなっていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、浴槽洗浄装置、浴槽の排水栓装置、給湯装置で使用する通信規格が異なる場合であっても、各装置の連動動作を実現可能とする風呂システム、また、浴槽洗浄装置、排水栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第一形態の風呂システムは、
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置と、浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置と、浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を実行する給湯装置とを備える風呂システムであって、
浴槽洗浄装置は、排水栓装置との間でコントローラ用HA端子となる第1HA端子を備え、
第1HA端子は、排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号を排水栓装置に対して出力する排水栓制御信号出力部と、排水栓の開閉状態を示す信号である排水栓モニタ信号が排水栓装置から入力される排水栓モニタ信号入力部とを有し、
排水栓装置は、排水栓の開閉状態を検出する開閉状態検出部と、浴槽洗浄装置との間で端末機器用HA端子となる第2HA端子と、給湯装置との間でコントローラ用HA端子となる第3HA端子とを備え、
第2HA端子は、前記排水栓制御信号が浴槽洗浄装置から入力される排水栓制御信号入力部と、前記排水栓モニタ信号を浴槽洗浄装置に対して出力する排水栓モニタ信号出力部とを有し、
第3HA端子は、湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える湯はり運転状態切替動作の指示信号である湯はり運転制御信号を給湯装置に対して出力する湯はり運転制御信号出力部と、湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が給湯装置から入力される湯はり運転モニタ信号入力部とを有し、
給湯装置は、湯はり運転の運転状態を検出する湯はり運転状態検出部と、排水栓装置との間で端末機器用HA端子となる第4HA端子とを備え、
第4HA端子は、前記湯はり運転制御信号が排水栓装置から入力される湯はり運転制御信号入力部と、前記湯はり運転モニタ信号を排水栓装置に対して出力する湯はり運転モニタ信号出力部とを有し、
前記第1HA端子及び前記第2HA端子間、並びに、前記第3HA端子及び前記第4HA端子間は、夫々が通信可能に接続されるものである。
【0007】
前記HA(ホームオートメーション)端子とは、日本電機工業会が定めるJEM-A1427規格の端子であり、機器のON/OFF制御を行う制御信号と、その機器の動作状態を示すモニタ信号とを通信可能とする。具体的には、IFU(インターフェイスユニット)に搭載されたコントローラ用HA端子と、機器側の端末機器用HA端子とを通信ケーブルで接続し、コントローラ用HA端子から、端末機器用HA端子に制御信号を送信することで、機器側のON/OFF制御が可能となる。また、端末機器用HA端子からはコントローラ用HA端子に、機器のON/OFF状態を示すモニタ信号が送信される。前記HA端子は、機器のメーカを問わない共通の通信規格であり、本来は、機器に搭載するHA端子をIFUに接続することで、例えば、外出先からスマートフォン等の通信端末によってIFUと通信して家庭内の機器をON/OFF制御し、その機器の動作状態を通信端末側でモニタすることを可能とするものである。
【0008】
本発明に係る第一形態の風呂システムによれば、浴槽洗浄装置、排水栓装置及び給湯装置に夫々備えるHA端子を通信可能に接続させることで各装置が通信規格の合わない異なるメーカ品で構成されていても、HA端子を介して相互に通信を行うことが可能となる。これにより、浴槽洗浄装置と排水栓装置と給湯装置とが通信規格の合わない異なるメーカ品であってもHA端子を介して制御信号及びモニタ信号を通信することで各装置が連動した動作を行うことが可能となる。
【0009】
また、前記構成では、排水栓装置は、浴槽洗浄装置との間で端末機器用HA端子となる第2HA端子と、給湯装置との間でコントローラ用HA端子となる第3HA端子とを備える。この場合、排水栓装置は、第2HA端子に浴槽洗浄装置のコントローラ用HA端子となる第1HA端子から排水栓制御信号が入力され、また、第3HA端子から給湯装置の端末機器用HA端子となる第4HA端子に湯はり運転制御信号を出力する。これにより、浴槽洗浄装置と排水栓装置と給湯装置とを適切なタイミングで各装置に所定の動作を実行させることができ、例えば、浴槽洗浄運転開始時に排水栓を開栓状態として、浴槽洗浄運転を実行させ、浴槽洗浄運転終了後に排水栓を閉栓状態として、湯はり運転を実行させるといった連動動作が実現可能となる。従って、浴槽洗浄装置と排水栓装置と給湯装置とを個別に操作する必要がなく、使用者の利便性が向上する。
【0010】
本発明に係る第二形態の浴槽洗浄装置は、
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置であって、
浴槽洗浄運転の終了後に浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を給湯装置に実行させる洗浄湯はり運転を実行指示可能に構成され、
浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置が備える排水栓装置側端末機器用HA端子に通信可能に接続される浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子を有し、
浴槽洗浄運転の実行指示がなされると、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子から前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に排水栓の開閉状態を示す信号として入力される排水栓モニタ信号が開栓状態を示す信号の場合は、浴槽洗浄運転を開始し、
前記排水栓モニタ信号が閉栓状態を示す信号の場合は、前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓装置側端末機器用HA端子に対して、排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号を出力して、排水栓を閉栓状態から開栓状態へ切り替える動作を指示し、
浴槽洗浄運転が終了すると、洗浄湯はり運転が指示されている場合は、前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓装置側端末機器用HA端子に対して、前記排水栓制御信号を出力して、排水栓を開栓状態から閉栓状態へ切り替える動作を指示する構成を備えるものである。
【0011】
本発明に係る第二形態の浴槽洗浄装置によれば、浴槽洗浄装置と排水栓装置とに夫々備えるHA端子を通信可能に接続させることで各装置が通信規格の合わない異なるメーカ品で構成されていても、HA端子を介して相互に通信を行うことが可能となる。これにより、浴槽洗浄装置と排水栓装置とが通信規格の合わない異なるメーカ品であってもHA端子を介して制御信号及びモニタ信号を通信することで各装置が連動した動作を行うことが可能となる。
【0012】
また、前記構成では、浴槽洗浄装置は、浴槽洗浄運転実行時に排水栓が「閉栓状態」の場合にのみ「排水栓制御信号」を出力し、また、浴槽洗浄運転終了後(排水栓は開栓状態にある)に「洗浄湯はり運転」が指示されている場合にのみ「排水栓制御信号」を出力する。これにより、排水栓装置は、浴槽洗浄装置から「排水栓制御信号」が入力されたときに排水栓が「開栓状態」の場合は、「洗浄湯はり運転が選択された場合であり、且つ、浴槽洗浄運転が終了した状態」であることが判別ないし認識できるため、例えば、この排水栓装置での認識に基づいて浴槽洗浄運転終了後に排水栓を閉栓状態にするとともに給湯装置で湯はり運転を実行させるように指示することができる。また、浴槽洗浄運転実行時に排水栓が「閉栓状態」の場合は、排水栓制御信号を出力することにより排水栓が「開栓状態」になると、浴槽洗浄運転が開始される。従って、浴槽洗浄運転の実行指示がなされたとき、排水栓が「開栓状態」となってから浴槽洗浄運転が開始され、さらに、洗浄湯はり運転の実行指示がなされている場合には、浴槽洗浄運転の終了後、排水栓を「閉栓状態」として、湯はり運転が実行されるように指示することができ、各装置の連動動作を好適に実現できる。
【0013】
本発明に係る第三形態の排水栓装置は、
浴槽の排水栓を自動で開閉する排水栓装置であって、
浴槽に洗浄水を噴射して浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置が備える浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に通信可能に接続される排水栓装置側端末機器用HA端子と、浴槽に所定量の湯を供給する湯はり運転を実行する給湯装置が備える給湯装置側端末機器用HA端子に通信可能に接続される排水栓装置側コントローラ用HA端子とを有し、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子から前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子に対して排水栓の開閉状態を示す信号である排水栓モニタ信号を常時出力し、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から排水栓の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である排水栓制御信号が入力されて、排水栓状態切替動作を実行する場合、
前記排水栓制御信号が入力されたとき、
排水栓の開閉状態が開栓状態である場合は、排水栓状態切替動作の実行とともに、前記排水栓装置側コントローラ用HA端子から前記給湯装置側端末機器用HA端子に対して湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える湯はり運転状態切替動作の指示信号である湯はり運転制御信号を出力して、給湯装置の湯はり運転の運転状態を切り替える動作を指示し、
排水栓の開閉状態が閉栓状態である場合は、排水栓状態切替動作を実行し、前記湯はり運転制御信号は出力しない構成を備えるものである。
【0014】
本発明に係る第三形態の排水栓装置によれば、浴槽洗浄装置と排水栓装置と給湯装置とに夫々備えるHA端子を通信可能に接続させることで各装置が通信規格の合わない異なるメーカ品で構成されていても、HA端子を介して相互に通信を行うことが可能となる。これにより、浴槽洗浄装置と排水栓装置と給湯装置とが通信規格の合わない異なるメーカ品であってもHA端子を介して制御信号及びモニタ信号を通信することで各装置が連動した動作を行うことが可能となる。
【0015】
また、前記構成では、浴槽洗浄装置に対して排水栓の開閉状態を示す排水栓モニタ信号を出力しているため、浴槽洗浄装置は、排水栓の開閉状態を認識可能である。従って、排水栓が開栓状態であるときに、浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力される場合は、浴槽洗浄装置の浴槽洗浄運転が終了した状態であると判別ないし認識できる。よって、湯はり運転停止状態のときに浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力され、そのときの排水栓が開栓状態である場合は、浴槽洗浄運転が終了した状態であるため、排水栓装置は、排水栓状態切替動作の実行により排水栓を閉弁状態とするとともに、湯はり運転制御信号を出力することで、湯はり運転を開始させることができる。従って、浴槽洗浄運転の終了後に、排水栓を閉栓状態として、湯はり運転を実行させるといった連動動作が実現できる。
【0016】
また、浴槽洗浄装置は、排水栓モニタ信号により排水栓の開閉状態を認識可能であるため、排水栓が閉栓状態であるときに、浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力される場合は、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄運転を開始する時であると判別ないし認識できる。よって、湯はり運転停止状態のときに浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力され、そのときの排水栓が閉栓状態である場合は、浴槽洗浄運転の開始時であるため、排水栓装置は、排水栓状態切替動作の実行のみ行うことにより排水栓を開弁状態として、湯はり運転が実行されることなく、浴槽洗浄運転を開始させることができる。従って、湯はり運転の停止中に浴槽洗浄運転を適切に実行させることができる。
【0017】
前記第三形態の排水栓装置において、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子には、前記給湯装置側端末機器用HA端子から湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が常時入力され、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子に前記給湯装置側端末機器用HA端子から入力される前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転動作中であることを示す湯はり動作信号である場合は、排水栓の開閉状態を閉栓状態とし、
前記湯はり運転モニタ信号が前記湯はり動作信号である場合に、前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓制御信号が入力されたときでも、排水栓を開栓状態とする排水栓状態切替動作を実行しない構成を備えるものとすることができる。
ここで、『・・湯はり動作信号である場合は、排水栓の開閉状態を閉栓状態とし』の排水栓装置の動作は、湯はり動作信号が入力されたときに、排水栓が閉栓状態の場合はその状態を維持し、排水栓が開栓状態であった場合は排水栓状態切替動作を実行して排水栓を閉栓状態とすることを含む。
【0018】
前記構成によれば、湯はり運転動作中は、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄運転を開始しようとして、浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力された場合でも、排水栓は開栓状態とならない。従って、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄運転の開始条件を、排水栓が開栓状態であることとしている場合には、湯はり運転動作中に浴槽洗浄運転が開始されることはなく、湯はり運転を継続することができる。よって、湯はり運転優先の動作を実現できる。
【0019】
前記第三形態の排水栓装置において、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子には、前記給湯装置側端末機器用HA端子から湯はり運転の運転状態を示す信号である湯はり運転モニタ信号が常時入力され、
前記排水栓装置側コントローラ用HA端子に前記給湯装置側端末機器用HA端子から入力される前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転動作中であることを示す湯はり動作信号である場合は、排水栓の開閉状態を閉栓状態とし、
前記排水栓装置側端末機器用HA端子に前記浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子から前記排水栓制御信号が入力されたとき、前記湯はり運転モニタ信号が前記湯はり動作信号である場合は、前記排水栓装置側コントローラ用HA端子から前記給湯装置側端末機器用HA端子に対して前記湯はり運転制御信号を出力し、前記湯はり運転モニタ信号が、湯はり運転停止中であることを示す湯はり停止信号となった場合に、排水栓を開栓状態とする排水栓状態切替動作を実行する構成を備えるものとすることができる。
【0020】
前記構成より、湯はり運転動作中に、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄運転を開始しようとして、浴槽洗浄装置から排水栓制御信号が入力された場合、湯はり運転制御信号により給湯装置の湯はり運転が停止されてから、排水栓状態切替動作を実行して排水栓を開栓状態とすることで、浴槽洗浄装置での浴槽洗浄運転を優先させて実行させることができる。従って、湯はり運転を中断して、浴槽洗浄運転を優先させる動作を実現できる。また、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄運転の開始条件を、排水栓が開栓状態であることとしている場合には、湯はり運転が停止してから浴槽洗浄運転が開始されるため、湯はり運転動作中に浴槽洗浄運転が開始されてしまうことを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態による風呂システムの全体構成を示す模式図である。
【
図3】浴槽洗浄装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】排水栓装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】湯はり運転を優先する場合の排水栓装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】浴槽洗浄運転を優先する場合の排水栓装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】給湯装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態の風呂システム1は、浴槽5に洗浄水を噴射して浴槽5を洗浄する浴槽洗浄運転を実行する浴槽洗浄装置2と、浴槽5の排水栓32を自動で開閉する排水栓装置3と、浴槽5に所定量の湯を供給する湯はり運転等を実行する給湯装置4とを備える。この風呂システム1は、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3との間、及び、排水栓装置3と給湯装置4との間を、HA端子を介して相互に通信可能に接続した構成とされている。
【0023】
浴槽5には、側壁に風呂往き管64及び風呂戻り管65に接続する循環アダプタ51が設置され、底壁に自動開閉駆動制御式の排水栓32及び浴槽洗浄装置2の洗浄ノズル52が設置されている。浴槽5の上面側のフランジ壁には、排水栓32の排水栓駆動部33及び洗剤タンク23が設置されている。
【0024】
浴槽洗浄装置2は、洗浄ユニット22を備えており、洗浄ユニット22を動作させて洗浄ノズル52から浴槽5内に湯水や洗浄水を噴射させることにより浴槽5を自動洗浄する浴槽洗浄運転を実行する。洗浄ユニット22には、弁機構を配設する配管(図示せず)が設置されており、この配管には、熱源機6の出湯管63から引き出されて湯水を導入する接続管66、洗浄ノズル52に接続されて洗浄ノズル52に湯水や洗浄水を供給する洗浄管54、洗剤タンク23の下部から引き出されて洗剤タンク23内の洗剤原液を洗浄管54内に混入させる洗剤供給管53が接続されている。
【0025】
また、浴槽洗浄装置2は、浴槽洗浄装置2の動作を制御するための洗浄制御ユニット21を備えている。この洗浄制御ユニット21は、洗浄ユニット22に動作指令を行うことにより浴槽洗浄運転動作を制御する。洗浄制御ユニット21には、浴槽洗浄装置2を遠隔操作するための洗浄リモコン24が通信線により接続されている。洗浄リモコン24には、浴槽洗浄運転の実行を指示する洗浄スイッチ25、浴槽洗浄運転後に湯はり運転を行う洗浄湯はり運転の実行を指示する洗浄・湯はりスイッチ26等が設けられている。なお、洗浄リモコン24は、洗浄・湯はりスイッチ26を設けず、洗浄スイッチ25を特殊操作(例えば、長押し)することで洗浄湯はり運転の実行を指示する構成であってもよい。
【0026】
浴槽洗浄装置2による浴槽洗浄運転の工程は、湯水を洗浄ノズル52から浴槽5内壁に噴射する予備洗浄工程、湯水に洗剤原液を混入させた洗浄水を洗浄ノズル52から浴槽5内壁に噴射する洗浄工程、湯水を洗浄ノズル52から浴槽5内壁に噴射するすすぎ工程を、この順に行う。なお、予備洗浄工程の前に排水栓32が開栓状態になると所定の排水待機時間の経過を待って浴槽5内の浴槽水を排水させる排水工程を行うようにしてもよく、また、予備洗浄工程、洗浄工程、すすぎ工程の各工程では、任意に、湯水又は洗浄水の噴射動作と、湯水又は洗浄水の噴射後に所定時間の経過を待つ待機動作とを有すること、また噴射動作と待機動作とを有する工程を複数回繰り返すようにしてもよい。
【0027】
排水栓装置3は、浴槽5の底壁に設ける排水栓32と、排水栓32を開閉させる排水栓駆動部33と、排水栓32の開閉状態を検出する開閉状態検出部(図示せず)と、排水栓装置3の動作を制御するための排水栓制御ユニット31とを備える。
【0028】
排水栓装置3の開閉状態検出部は、排水栓駆動部33の駆動部分の動作位置又は排水栓32の動作位置を検出するセンサ等で構成することができ、例えば、磁気センサ(例えば、ホールIC)で排水栓駆動部33の駆動部分となるモータの回転位置を検出することにより排水栓32の開閉状態を検出することができる。
【0029】
排水栓制御ユニット31は、排水栓駆動部33に動作指令を行うことにより排水栓32の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作を制御する。
【0030】
給湯装置4は、風呂給湯器等の熱源機6を備えている。熱源機6は、缶体内部に、バーナ及び熱交換器等(図示せず)を備えている。熱源機6は、ガス供給管61から供給される燃料ガスをバーナで燃焼させて熱交換器で給水管62に供給される水を加熱して出湯管63から出湯する給湯運転、浴槽5の循環アダプタ51に接続する風呂往き管64及び風呂戻り管65を介して熱交換器で加熱した湯を浴槽5に所定量供給する湯はり運転、また、浴槽5の湯を風呂往き管64及び風呂戻り管65を介して循環させながら熱交換器で加熱する追焚き運転等を実行する。なお、湯はり運転において所定量のお湯の供給終了後に引き続いて浴槽5内のお湯の温度を一定温度に保つ保温運転を所定の保温時間行う場合は、この保温運転中も湯はり運転の動作中とする。
【0031】
また、給湯装置4は、熱源機6の動作を制御するための制御部60を備えている。この制御部60は、熱源機6の各部に動作指令を行うことにより、給湯運転、湯はり運転、追焚き運転等の動作を制御する。制御部60には、給湯運転、湯はり運転、追焚き運転等の運転状態を検出する運転状態検出部を有している。例えば、湯はり運転の運転状態を検出する湯はり運転状態検出部は、台所リモコン41等により湯はり運転の指示がなされ、制御部60が各部に湯はり運転を実行させる状態に移行させた場合に湯はり運転状態であると検出することができる。
【0032】
また、給湯装置4の制御部60には、給湯装置4を遠隔操作するための台所リモコン41及び浴室リモコン44が通信線により接続されている。台所リモコン41には、給湯運転を可能とする運転スイッチ43、湯はり運転の実行を指示する自動スイッチ42等が設けられている。浴室リモコン44には、運転スイッチ45、自動スイッチ46、追焚き運転の実行を指示する追焚スイッチ47等が設けられている。
【0033】
ところで、浴槽洗浄装置2による浴槽洗浄運転の終了後に引き続いて、給湯装置4による湯はり運転を実行させるには、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4とを通信可能に接続して連動させる必要があり、従来は、これら各装置が通信規格が合わない異なるメーカ品である場合は装置間で相互通信することができず、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4との連動した運転ができなかったため、個別に独立して動作させるしかなかった。
【0034】
本発明は、本来はスマートフォン等の通信端末で公衆通信回線を介して外出先から家庭内の機器のON/OFF制御を可能とするホームオートメーション(HA)用のHA端子(日本電機工業会が定めるJEM-A1427規格)の新規な利用方法として、このHA端子を利用して浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4とが通信規格が合わない異なるメーカ品であっても相互に通信可能にして連動させる風呂システム1の新規な構成を実現するものである。
【0035】
すなわち、実施形態の風呂システム1では、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3との間、及び、排水栓装置3と給湯装置4との間を、HA端子71,72,73,74を介して通信ケーブル75,76を接続することによって相互に通信可能とする。これにより、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4との連動した動作を可能とする。
【0036】
HA(ホームオートメーション)端子は、日本電機工業会が定めるJEM-A1427規格による端子であり、前記規格は機器のメーカを問わない通信の共通規格である。
図2に示すように、HA端子71,72,73,74は、制御信号用のピンC1,C2と、モニタ信号用のピンM1,M2とを有し、コントローラ用のHA端子側にフォトカプラが配設される。コントローラ用HA端子と端末機器用HA端子とを、各々の制御信号用ピンC1,C2同士、モニタ信号用ピンM1,M2同士を通信ケーブルで接続し、コントローラ用HA端子から端末機器用HA端子にピンC1,C2を介して制御信号を送信することで、機器側のON/OFF制御が可能となる。また、端末機器用HA端子からはコントローラ用HA端子にピンM1,M2を介して機器のON/OFF状態を示すモニタ信号が送信される。前記制御信号及び前記モニタ信号の通信は、各機器での通信規格を問わない。従って、コントローラ用HA端子を配設する機器は、端末機器用HA端子を配設する機器との間で、HA端子を介して制御信号による機器のON/OFF制御とモニタ信号による機器の動作状態の確認を行うことができる。
【0037】
本実施形態では、
図1に示すように、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21に第1HA端子71を備え、排水栓装置3の排水栓制御ユニット31に第2HA端子72及び第3HA端子73を備え、給湯装置4の台所リモコン41に第4HA端子74を備えている。第1HA端子71と第2HA端子72との間、及び、第3HA端子73と第4HA端子74との間は、通信ケーブル75,76によって各々の制御信号用ピンC1,C2同士が通信可能に接続されるとともに各々のモニタ信号用ピンM1,M2同士が通信可能に接続される。
【0038】
浴槽洗浄装置2側の第1HA端子71は、コントローラ用HA端子となり、排水栓装置3側の第2HA端子72は、端末機器用HA端子となる。第1HA端子71の制御信号用ピンC1,C2が排水栓制御信号の出力部71Cを構成し、第2HA端子72の制御信号用ピンC1,C2が排水栓制御信号の入力部72Cを構成する。第1HA端子71のモニタ信号用ピンM1,M2が排水栓モニタ信号の入力部71Mを構成し、第2HA端子72のモニタ信号用ピンM1,M2が排水栓モニタ信号の出力部72Mを構成する。
【0039】
前記排水栓制御信号は、排水栓32の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える排水栓状態切替動作の指示信号である。浴槽洗浄運転の開始時、終了時に、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21は、排水栓制御信号出力部71Cから排水栓装置3の排水栓制御ユニット31の排水栓制御信号入力部72Cに対して、排水栓制御信号(C1C2の信号状態がON)を出力する。排水栓制御ユニット31は、排水栓制御信号(C1C2の信号状態がON)が入力されると、所定の制限(例えば、湯はり優先)がない限り、排水栓駆動部33に排水栓状態切替動作を実行させるように制御して、排水栓32の開閉状態を開栓状態及び閉栓状態の一方から他方へ切り替える。
【0040】
前記排水栓モニタ信号は、排水栓32の開閉状態が開栓状態であるのか閉栓状態であるのかを示す信号である。排水栓制御ユニット31は、排水栓装置3の開閉状態検出部が検出する排水栓32の開閉状態に応じて、排水栓モニタ信号出力部72Mから浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21の排水栓モニタ信号入力部71Mに対して、排水栓32が閉栓状態であることを示すモニタ信号(M1M2の信号状態がON)、又は、排水栓32が開栓状態であることを示すモニタ信号(M1M2の信号状態がOFF)を出力する。これにより、洗浄制御ユニット21は、排水栓モニタ信号により排水栓32の開閉状態を知ることができ、浴槽洗浄運転を適切に動作制御することができる。
【0041】
また、排水栓装置3側の第3HA端子73は、コントローラ用HA端子となり、給湯装置4側の第4HA端子74は、端末機器用HA端子となる。第3HA端子73の制御信号用ピンC1,C2が湯はり運転制御信号の出力部73Cを構成し、第4HA端子74の制御信号用ピンC1,C2が湯はり運転制御信号の入力部74Cを構成する。第3HA端子73のモニタ信号用ピンM1,M2が湯はり運転モニタ信号の入力部73Mを構成し、第4HA端子74のモニタ信号用ピンM1,M2が湯はり運転モニタ信号の出力部74Mを構成する。
【0042】
前記湯はり運転制御信号は、湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える湯はり運転状態切替動作の指示信号である。洗浄湯はり運転の際に浴槽洗浄運転を終了した時又は浴槽洗浄運転優先の際に湯はり運転中に浴槽洗浄運転を開始する時に、排水栓装置3の排水栓制御ユニット31は、湯はり運転制御信号出力部73Cから給湯装置4の台所リモコン41の湯はり運転制御信号入力部74Cに対して、湯はり運転制御信号(C1C2の信号状態がON)を出力する。台所リモコン41は、湯はり運転制御信号(C1C2の信号状態がON)が入力されると、給湯装置4の制御部60に湯はり運転状態切替動作を実行させるように制御して、湯はり運転の運転状態を動作状態及び停止状態の一方から他方へ切り替える。
【0043】
前記湯はり運転モニタ信号は、給湯装置4の湯はり運転の運転状態が動作中であるのか停止中であるのかを示す信号である。台所リモコン41は、給湯装置4の湯はり運転状態検出部が検出する湯はり運転の運転状態に応じて、湯はり運転モニタ信号出力部74Mから排水栓装置3の排水栓制御ユニット31の湯はり運転モニタ信号入力部73Mに対して、湯はり運転が動作中であることを示すモニタ信号(湯はり動作信号、M1M2の信号状態がON)、又は、湯はり運転が停止中であることを示すモニタ信号(湯はり停止信号、M1M2の信号状態がOFF)を出力する。これにより、排水栓制御ユニット31は、湯はり運転モニタ信号により給湯装置4の湯はり運転状態を知ることができ、排水栓32の開閉状態を適切な状態に動作制御することができる。
【0044】
以下に、風呂システム1の動作として、各装置の動作を説明する。
なお、以下の説明において、排水栓制御信号の入出力は、浴槽洗浄装置2における洗浄制御ユニット21の排水栓制御信号出力部71Cと排水栓装置3における排水栓制御ユニット31の排水栓制御信号入力部72Cとの間で行われ、また、排水栓モニタ信号の入出力は、浴槽洗浄装置2における洗浄制御ユニット21の排水栓モニタ信号入力部71Mと排水栓装置3における排水栓制御ユニット31の排水栓モニタ信号出力部72Mとの間で行われるものであるが、出力部及び入力部の明記は省略している。また、湯はり運転制御信号の入出力は、排水栓装置3における排水栓制御ユニット31の湯はり運転制御信号出力部73Cと給湯装置4における台所リモコン41の湯はり運転制御信号入力部74Cとの間で行われ、また、湯はり運転モニタ信号の入出力は、排水栓装置3における排水栓制御ユニット31の湯はり運転モニタ信号入力部73Mと給湯装置4における台所リモコン41の湯はり運転モニタ信号出力部74Mとの間で行われものであるが、出力部及び入力部の明記は省略している。また、前記各信号の入出力の主体は、洗浄制御ユニット21、排水栓制御ユニット31、台所リモコン41であるが、適宜、浴槽洗浄装置2側、排水栓装置3側、給湯装置4側のように装置を主体に述べる場合がある。
【0045】
まず、浴槽洗浄装置2における動作を説明する。
図3のフローチャートを参照して、浴槽洗浄装置2において、洗浄リモコン24の洗浄スイッチ25又は洗浄・湯はりスイッチ26がON操作されて、浴槽洗浄運転の実行指示がなされると(ステップS1で「YES」)、洗浄制御ユニット21は、排水栓装置3側からの排水栓モニタ信号により排水栓32が開栓状態にあるか否かを確認する(ステップS2)。
【0046】
洗浄制御ユニット21は、排水栓32が閉栓状態となっていた場合(ステップS2で「NO」)は、排水栓装置3の排水栓制御ユニット31に対して、排水栓制御信号を出力(ステップS3)して、排水栓32を開栓状態に切り替えるように指示する。排水栓制御信号は、制御実行時だけ出力(ON状態)され、それ以外では出力停止(OFF状態)となる(本実施形態で述べる「制御信号」も同様に制御実行時だけON状態となる信号である。)。そして、排水栓制御ユニット31からの排水栓モニタ信号により排水栓32の開栓が確認されると(ステップS2で「YES」)、洗浄制御ユニット21は、洗浄ユニット22に対して浴槽洗浄運転を開始させるように制御する(ステップS4)。これにより、排水栓32が開栓した状態で浴槽洗浄運転が開始される。排水栓モニタ信号は、機器のON/OFF状態として、排水栓32の開閉状態が開弁状態(モニタ信号OFF状態)であるのか閉弁状態(モニタ信号ON状態)であるのか常時出力されている(本実施形態で述べる「モニタ信号」も同様に常時出力される信号である。)。なお、浴槽洗浄運転の開始時に、排水栓32が閉栓状態となっていた場合(ステップS2で「NO」)は、浴槽5内に浴槽水が溜まっている可能性があるので、浴槽洗浄運転は、所定の待機時間(例えば、10分程度)の経過を待つ排水工程を行ってから予備洗浄工程を行うようにすることができる。
【0047】
一方、洗浄制御ユニット21は、排水栓32が開栓状態となっていた場合(ステップS2で「YES」)は、排水栓制御ユニット31に対して排水栓制御信号を出力することなく、洗浄ユニット22に対して浴槽洗浄運転を開始させるように制御する(ステップS4)。
【0048】
浴槽洗浄運転を開始した後、浴槽洗浄運転が終了するまでの間に浴槽洗浄運転の停止指示が行われた場合(ステップS5で「NO」、ステップS6で「YES」)、洗浄制御ユニット21は、洗浄ユニット22に対して浴槽洗浄運転を停止させるように制御する(ステップS7)。これにより、例えば、誤って洗浄スイッチ25等を押してしまった場合は、迅速に浴槽洗浄運転の実行を取り消すことができる。前記浴槽洗浄運転の停止指示は、例えば、洗浄リモコン24にて使用者がキャンセル操作(キャンセルボタンの押下げ、洗浄スイッチ25又は洗浄・湯はりスイッチ26のダブルクリック等の特殊操作など)を行うことで実施することができる。
【0049】
浴槽洗浄運転の停止指示がなく(ステップS6で「NO」)、浴槽洗浄運転が終了すると(ステップS5で「YES」)、洗浄制御ユニット21において湯はり連動フラグがONしている否かを確認する(ステップS8)。
【0050】
湯はり連動フラグは、洗浄リモコン24で洗浄・湯はりスイッチ26がON操作された場合に湯はり連動フラグがONされ、洗浄スイッチ25がON操作された場合は湯はり連動フラグはONされない。すなわち、湯はり連動フラグがONしていない場合(ステップS8で「NO」)は、「浴槽洗浄運転のみ」の実行指示であるから、洗浄制御ユニット21は、浴槽洗浄運転の終了により、浴槽洗浄装置2の動作を終了する。この場合、排水栓32は、開栓状態のままで浴槽洗浄運転が終了される。
【0051】
一方、湯はり連動フラグがONしていた場合(ステップS8で「YES」)は、「洗浄湯はり運転」の実行指示であるから、洗浄制御ユニット21は、排水栓制御ユニット31に対して、排水栓32を閉栓状態とするため、排水栓制御信号を出力(ステップS9)して、浴槽洗浄装置2の動作を終了する。この場合、浴槽洗浄運転の終了後、排水栓装置3では、排水栓制御信号の入力を受けて排水栓32が閉栓状態に切り替えられる。従って、次に給湯装置4により湯はり運転を開始するときは、排水栓32が閉栓状態になっていることとなる。
【0052】
次に、排水栓装置3における通常の動作を説明する。
図4のフローチャートを参照して、排水栓装置3において、排水栓制御ユニット31に浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21から排水栓制御信号の入力が無い間(ステップS11で「NO」)は、給湯装置4の台所リモコン41からの湯はり運転モニタ信号(湯はり動作信号又は湯はり停止信号)により、給湯装置4の湯はり運転状態が動作しているか否かを確認する(ステップS12)。
【0053】
給湯装置4で湯はり運転が動作中(湯はり動作信号)である場合(ステップS12で「YES」)、排水栓制御ユニット31は、排水栓32が閉栓状態であったときは(ステップS13で「NO」)、排水栓装置3での動作を終了し、排水栓32が開栓状態であったときは(ステップS13で「YES」)、排水栓駆動部33に対して排水栓状態切替動作を実行(ステップS16)させるように制御して、排水栓32を閉栓状態とする。これにより、給湯装置4が単独で湯はり運転を実行開始したときに排水栓32が閉栓状態とされ、排水栓32が開栓状態のままで湯はり運転が実行されることを防止することができる。
【0054】
排水栓制御ユニット31は、湯はり運転停止中(湯はり停止信号)のとき(ステップS12で「NO」)、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21から排水栓制御信号が入力(ステップS11で「YES」)されると、開閉状態検出部が検出する排水栓32の開閉状態を確認する(ステップS14)。
【0055】
ところで、排水栓装置3は、浴槽洗浄装置2側から排水栓制御信号が入力されたとき、浴槽洗浄装置2で浴槽洗浄運転状態が「動作中(開始時)」なのか「停止中(終了時)」なのかは判別がつかない。一方、排水栓装置3は、浴槽洗浄装置2に対して排水栓32の開閉状態を示す排水栓モニタ信号を常時出力しているため、浴槽洗浄装置2は、排水栓32の開閉状態を認識可能である。上述のとおり、浴槽洗浄装置2において、排水栓装置3に対して排水栓制御信号を出力するときは、浴槽洗浄運転開始時(
図3のステップS3)又は浴槽洗浄運転終了時(
図3のステップS9)であり、浴槽洗浄運転開始時では、排水栓32が「閉栓状態」の場合(
図3のステップS2で「NO」)にのみ「排水栓制御信号」を出力し、浴槽洗浄運転終了時では、「洗浄湯はり運転」が指示されている場合(
図3のステップS8で「YES」)にのみ「排水栓制御信号」を出力する構成となっている。浴槽洗浄運転終了時点では、排水栓32は「開栓状態」となっている。
【0056】
従って、排水栓制御ユニット31は、浴槽洗浄装置2側から「排水栓制御信号」が入力されたとき、排水栓32が「閉栓状態」であった場合(ステップS14で「NO」)は、「浴槽洗浄運転開始時」であると判別できるから、排水栓駆動部33に排水栓状態切替動作を実行(ステップS16)させるように制御して排水栓32を開栓状態とする。これにより、浴槽洗浄運転開始時には排水栓32を開栓状態とすることができる。
【0057】
一方、浴槽洗浄装置2側から「排水栓制御信号」が入力されたとき、排水栓32が「開栓状態」であった場合(ステップS14で「YES)は、「洗浄湯はり運転が選択され、浴槽洗浄運転が終了した状態の時」であると判別できるから、排水栓制御ユニット31は、給湯装置4の台所リモコン41に対して、湯はり運転制御信号を出力(ステップS15)して給湯装置4に湯はり運転実行の開始指示をするとともに、排水栓駆動部33に排水栓状態切替動作を実行(ステップS16)させるように制御して排水栓32を閉栓状態とする。これにより、洗浄湯はり運転の連動動作の際、浴槽洗浄運転終了後に排水栓32を閉栓状態とすることができ、次に給湯装置4で湯はり運転が開始するときには排水栓32が閉栓状態になっていることとなる。
【0058】
次に、排水栓装置3において、湯はり運転を優先する場合の動作を説明する。
この場合、
図5のフローチャートを参照して、排水栓制御ユニット31において、浴槽洗浄装置2側から排水栓制御信号の入力が無い間の動作(ステップS21で「NO」、ステップS22、S23、S27)は、前記通常の動作の場合(
図4のステップS11で「NO」、ステップS12、S13、S16)と同様である。
【0059】
排水栓制御ユニット31は、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21から排水栓制御信号が入力された場合(ステップS21で「YES」)、給湯装置4の台所リモコン41からの湯はりモニタ信号(湯はり動作信号又は湯はり停止信号)により、給湯装置4の湯はり運転状態が停止しているか否かを確認する(ステップS24)。給湯装置4の湯はり運転が停止中(湯はり停止信号)であった場合の動作(ステップS24で「YES」、ステップS25、S26、S27)は、前記通常の動作の場合(
図4のステップS14、S15、S16)と同様である。
【0060】
一方、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21から排水栓制御信号が入力されたとき、給湯装置4で湯はり運転が動作中(湯はり動作信号)であった場合(ステップS24で「NO」)、排水栓制御ユニット31は、排水栓状態切替動作を実行させることなく、排水栓装置3での動作を終了する。これにより、浴槽洗浄装置2での浴槽洗浄運転を開始させず、給湯装置4での湯はり運転を優先して実行することができる。すなわち、浴槽洗浄装置2は、浴槽洗浄運転開始時に排水栓32が閉栓状態の場合に排水栓制御信号を出力(
図3のステップS2で「NO」、ステップS3)するが、排水栓32が開栓状態とならない限り、浴槽洗浄運転が開始されることはない(
図3のステップS2で「YES」、ステップS4)。従って、浴槽洗浄装置2が浴槽洗浄運転を開始するため排水栓装置3側に対して排水栓制御信号を出力(ステップS21で「YES」)しても、排水栓装置3は、給湯装置4が湯はり運転動作中の場合(ステップS24で「NO」)は、排水栓状態切替動作を実行することなく排水栓32を閉栓状態に維持するから、浴槽洗浄装置2で浴槽洗浄運転が開始されることなく、給湯装置4の湯はり運転を優先して継続することができる。よって、湯はり運転優先の動作が実現される。
【0061】
次に、排水栓装置3において、浴槽洗浄運転を優先する場合の動作を説明する。
この場合、
図6のフローチャートを参照して、排水栓制御ユニット31において、浴槽洗浄装置2側から排水栓制御信号の入力が無い間の動作(ステップS31で「NO」、ステップS32、S33、S38)、及び、排水栓制御信号が入力されたときに排水栓32が開栓状態であった場合の動作(ステップS34で「YES」、ステップS37、S38)は、前記通常の動作の場合(
図4のステップS11で「NO」、ステップS12、S13、S16、及び、
図4のステップS14で「YES」、ステップS15、S16)と同様である。
【0062】
一方、排水栓制御ユニット31は、浴槽洗浄装置2の洗浄制御ユニット21から排水栓制御信号が入力されたときに排水栓32が閉栓状態であった場合(ステップS31で「YES」、ステップS34で「NO」)、すなわち、浴槽洗浄装置2が浴槽洗浄運転開始時に排水栓32を開栓状態とするために指示を行った場合である。この場合、排水栓制御ユニット31は、給湯装置4の台所リモコン41からの湯はりモニタ信号(湯はり動作信号又は湯はり停止信号)により、給湯装置4の湯はり運転状態が動作しているか否かを確認する(ステップS35)。給湯装置4の湯はり運転が停止中(湯はり停止信号)であった場合(ステップS35で「NO」)は、排水栓制御ユニット31は、排水栓駆動部33に排水栓状態切替動作を実行(ステップS38)させるように制御して排水栓32を開栓状態とする。これにより、湯はり運転停止中のとき、排水栓32を開弁状態にすることで浴槽洗浄装置2での浴槽洗浄運転が開始される。
【0063】
給湯装置4の湯はり運転が動作中(湯はり動作信号)であった場合(ステップS35で「YES」)は、排水栓制御ユニット31は、給湯装置4の台所リモコン41に対して、湯はり運転制御信号を出力(ステップS36)して、給湯装置4の湯はり運転を停止させる指示を行う。そして、排水栓制御ユニット31は、台所リモコン41からの湯はり運転モニタ信号により、給湯装置4の湯はり運転の停止(湯はり停止信号)を確認(ステップS35で「NO」)すると、排水栓駆動部33に排水栓状態切替動作を実行(ステップS38)させるように制御して排水栓32を開栓状態とする。これにより、浴槽洗浄装置2では、洗浄制御ユニット21は、排水栓装置3側からの排水栓モニタ信号により、排水栓32の開栓状態が確認されると、洗浄ユニット22に対して浴槽洗浄運転を開始させるように制御することとなる(
図3のステップS2、S4)。従って、給湯装置4が湯はり運転動作中の場合に、浴槽洗浄運転の開始が指示されたときは、給湯装置4の湯はり運転動作を停止させて、浴槽洗浄装置2での浴槽洗浄運転を優先して実行させることができる。よって、浴槽洗浄運転優先の動作が実現される。
【0064】
次に、給湯装置4における動作を説明する。
図7のフローチャートを参照して、給湯装置4において、台所リモコン41に排水栓装置3側から湯はり運転制御信号の入力が無い間(ステップS42で「NO」)に、台所リモコン41の自動スイッチ42又は浴室リモコン44の自動スイッチ46がON操作(ステップS41で「YES」)されると、給湯装置4の制御部60により湯はり運転を開始させる(ステップS43)。この湯はり運転動作の開始により、台所リモコン41は、排水栓装置3の排水栓制御ユニット31に対して、湯はり運転が動作中であることを示す湯はり運転モニタ信号として湯はり動作信号が出力(ステップS44)されるので、排水栓装置3では、排水栓32を閉栓状態とする(
図4のステップS12で「YES」、ステップS13、S16)。
【0065】
台所リモコン41は、自動スイッチ42のON操作が無い間(ステップS41で「NO」)に、排水栓装置3側から湯はり運転制御信号が入力(ステップS42で「YES」)されたとき、給湯装置4の制御部60に対して湯はり運転動作の開始を指示して、湯はり運転を開始させる(ステップS43)。このときの湯はり運転制御信号は、湯はり運転停止中のときに入力されてきたものであるから、洗浄湯はり運転の連動動作が選択され、浴槽洗浄運転が終了した状態の時に排水栓装置3側から出力(
図4のステップS15、
図5のステップS26、
図6のステップS37)されたものである。従って、排水栓32は、閉栓状態にされるから(
図4のステップS16、
図5のステップS27、
図6のステップS38)、給湯装置4は、浴槽洗浄運転が終了した後、排水栓32が閉栓した状態で、湯はり運転を開始することができる。
【0066】
台所リモコン41は、湯はり運転を開始した後、湯はり運転が終了するまでの間に排水栓装置3側から湯はり運転制御信号(ステップS45で「NO」、ステップS46で「YES」)が入力された場合は、給湯装置4の制御部60に対して湯はり運転を停止(ステップS47)させる指示を行う。すなわち、このときの湯はり運転制御信号は、浴槽洗浄優先のフラグがONされていて、湯はり運転動作中に浴槽洗浄運転の開始指示が行われたときに排水栓装置3側から出力(
図6のステップS36)されたものである。従って、湯はり運転が停止されて排水栓32が開栓状態になると、浴槽洗浄運転が開始されることとなる。
【0067】
一方、排水栓装置3側からの湯はり運転制御信号による湯はり運転の停止指示がなく、浴槽5への所定量の湯の供給が終了(ステップS45で「YES」)すると、引き続いて湯温を一定温度に保つ保温運転を行う場合(ステップS48で「YES」)は、所定の保温時間の経過(ステップS49で「YES」)により湯はり運転を終了し、また、保温運転を行わない場合(ステップS48で「NO」)は、浴槽5への湯の供給終了をもって湯はり運転を終了する。
【0068】
湯はり運転を終了するとき、台所リモコン41は、排水栓装置3の排水栓制御ユニット31に対して、湯はり運転が停止中であることを示す湯はり運転モニタ信号として湯はり停止信号を出力(ステップS50)する。これにより、排水栓装置3では、前記湯はり停止信号により、給湯装置4の湯はり運転状態が停止中であることが認識される。湯はり運転を終了すると、給湯装置4は、運転待機の状態となる(ステップS51)。
【0069】
以上より、本実施形態の風呂システム1によれば、浴槽洗浄装置2、排水栓装置3及び給湯装置4に夫々備えるHA端子71,72,73,74を通信ケーブル75,76で通信可能に接続させることで各装置2,3,4が通信規格の合わない異なるメーカ品で構成されていても、HA端子71,72,73,74を介して相互に通信を行うことが可能となる。
【0070】
これにより、浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4とを適切なタイミングで各装置に所定の動作を実行させるように制御することができ、例えば、浴槽洗浄運転開始時に排水栓32を開栓状態として、浴槽洗浄運転を実行させ、浴槽洗浄運転終了後に排水栓32を閉栓状態として、湯はり運転を実行させるといった洗浄湯はりの連動動作が実現可能とする。また、湯はり運転中は浴槽洗浄運転を開始させない湯はり優先運転、湯はり運転中に湯はり運転を停止させて浴槽洗浄運転を開始させる浴槽洗浄優先運転も実現可能とする。従って、風呂システム1を構成する浴槽洗浄装置2と排水栓装置3と給湯装置4とが異なるメーカ品であっても、各装置2,3,4を個別に操作する必要がなく、使用者の利便性が向上する。
【0071】
なお、本発明は、以上の実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々な変更を施すことが可能である。例えば、浴室リモコン44又は給湯装置4の制御部60にHA端子を備える場合は、これを第4HA端子74として排水栓制御ユニット31の第3HA端子73と通信可能に接続して、前記台所リモコン41の場合と同様の動作を行う構成とすることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 風呂システム
2 浴槽洗浄装置
3 排水栓装置
4 給湯装置
5 浴槽
6 熱源機
21 洗浄制御ユニット
22 洗浄ユニット
23 洗剤タンク
24 洗浄リモコン
25 洗浄スイッチ
26 洗浄・湯はりスイッチ
31 排水栓制御ユニット
32 排水栓
33 排水栓駆動部
41 台所リモコン
42 台所リモコンの自動スイッチ
43 台所リモコンの運転スイッチ
44 浴室リモコン
45 浴室リモコンの運転スイッチ
46 浴室リモコンの自動スイッチ
47 浴室リモコンの追焚スイッチ
51 循環アダプタ
52 洗浄ノズル
53 洗剤管
54 洗浄管
60 給湯装置の制御部
61 ガス供給管
62 給水管
63 出湯管
64 風呂往き管
65 風呂戻り管
66 接続管
71 第1HA端子(浴槽洗浄装置側コントローラ用HA端子)
72 第2HA端子(排水栓装置側端末機器用HA端子)
73 第3HA端子(排水栓装置側コントローラ用HA端子)
74 第4HA端子(給湯装置側端末機器用HA端子)
71C 排水栓制御信号出力部
72C 排水栓制御信号入力部
73C 湯はり運転制御信号出力部
74C 湯はり運転制御信号入力部
71M 排水栓モニタ信号入力部
72M 排水栓モニタ信号出力部
73M 湯はり運転モニタ信号入力部
74M 湯はり運転モニタ信号出力部
75,76 通信ケーブル