IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社タクマの特許一覧 ▶ 株式会社eスターの特許一覧

特開2022-73546ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム
<>
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図1
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図2
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図3
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図4
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図5
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図6
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図7
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図8
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図9
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図10
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図11
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図12
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図13
  • 特開-ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073546
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】ガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラム
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20220510BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20220510BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20220510BHJP
   B08B 9/027 20060101ALI20220510BHJP
   F23J 3/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
F23K5/00 302
G01M99/00 Z
B08B7/00
B08B9/027
F23J3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183594
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000133032
【氏名又は名称】株式会社タクマ
(71)【出願人】
【識別番号】506065725
【氏名又は名称】株式会社eスター
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】田井 宏
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 輝行
(72)【発明者】
【氏名】坂本 修
(72)【発明者】
【氏名】池田 治
【テーマコード(参考)】
2G024
3B116
3K068
3K261
【Fターム(参考)】
2G024AD33
2G024BA27
2G024CA18
2G024CA30
2G024FA01
3B116AA12
3B116AB53
3B116BC03
3B116BC05
3K068AA03
3K068AB04
3K068BB14
3K068EA07
3K261GA12
(57)【要約】
【課題】燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができるガス供給システムを提供する。
【解決手段】燃焼用ガス供給管路141,142におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ介設される上流側開閉弁151,152及び下流側開閉弁150と、燃焼用ガス供給管路141,142における上流側開閉弁151,152と下流側開閉弁150との間に接続される圧力計145と、上流側開閉弁151,152及び下流側開閉弁150の弁の開閉を制御する制御装置160とを備えるものとする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用ガスを容器に供給するための燃焼用ガス供給管路と、
前記燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ介設される上流側開閉弁及び下流側開閉弁と、
前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に接続される圧力計と、
前記上流側開閉弁及び前記下流側開閉弁を含む弁の開閉を制御する弁制御手段と、
を備えるガス供給システム。
【請求項2】
前記弁制御手段は、前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉し、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とする請求項1に記載のガス供給システム。
【請求項3】
前記容器の開口部を塞ぐ封止体が配設され、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼によって前記容器内の圧力を高めることにより、前記封止体を破壊して圧力波を発生させ、当該圧力波を利用して対象物に付着した付着物を除去する付着物除去装置に適用される請求項1又は2に記載のガス供給システム。
【請求項4】
一端側が開放されたガス排気管路と、
前記ガス排気管路に介設されるガス排気弁と、
をさらに備え、
前記ガス排気管路の他端側は、前記燃焼用ガス供給管路における前記圧力計が接続される位置と前記下流側開閉弁が介設される位置との間に接続されており、
前記弁制御手段は、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記ガス排気弁を開いた状態とする請求項1~3の何れか一項に記載のガス供給システム。
【請求項5】
前記容器の開口部近傍にパージガスを供給するためのパージガス供給管路と、
前記パージガス供給管路に介設されるパージガス供給弁と、
をさらに備え、
前記弁制御手段は、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記パージガス供給弁を開いた状態とする請求項3又は4に記載のガス供給システム。
【請求項6】
燃焼用ガスの燃焼時に前記容器から前記燃焼用ガス供給管路を介して前記下流側開閉弁に作用する圧力を減じる減圧手段をさらに備える請求項1~5の何れか一項に記載のガス供給システム。
【請求項7】
燃焼用ガスに代えて圧縮エアガスを前記燃焼用ガス供給管路を介して前記容器に供給したときの前記圧力計の計測結果に基づいて、前記封止体で塞がれている前記容器の開口部からのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段をさらに備える請求項3~6の何れか一項に記載のガス供給システム。
【請求項8】
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段を備え、
前記電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックする通電チェック手段をさらに備える請求項1~7の何れか一項に記載のガス供給システム。
【請求項9】
燃焼用ガスを容器に供給するための燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ上流側開閉弁及び下流側開閉弁が介設されるとともに、前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に圧力計が接続されており、
前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉する工程と、
前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とする工程と、
を包含するガス供給方法。
【請求項10】
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックする通電チェック工程をさらに包含する請求項9に記載のガス供給方法。
【請求項11】
容器に対する燃焼用ガスの供給を制御するコンピュータに実行させるガス供給プログラムであって、
燃焼用ガスを前記容器に供給するための燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ上流側開閉弁及び下流側開閉弁が介設されるとともに、前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に圧力計が接続されており、
前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉するステップと、
前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とするステップと、
を前記コンピュータに実行させるガス供給プログラム。
【請求項12】
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックするステップを前記コンピュータにさらに実行させる請求項11に記載のガス供給プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼によって容器内の圧力を高めることで発生させた圧力波を利用して対象物に付着した付着物を除去する付着物除去装置において適用可能なガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電設備が併設された廃棄物焼却施設での発電量向上が重要となっている。廃棄物焼却施設での発電は、焼却炉での廃棄物の燃焼に伴い発生する高温の排ガスからボイラにて熱回収を行い、所定の温度、圧力の蒸気を生成してタービン発電機に導入することにより行われている。
【0003】
ボイラは、放射室と対流伝熱室とを有している。放射室には、放射伝熱管が放射伝熱面として配設され、対流伝熱室には、過熱器が対流伝熱面として配設されている。過熱器は、水平方向に伝熱管(過熱管)が複数配設された伝熱管群が高さ方向に複数段配設されて構成されている。
【0004】
焼却炉からの排ガスには、腐食成分や、重金属類等を含むダストが含まれている。このため、運転経過に伴い、ボイラの放射伝熱面や、対流伝熱面に徐々にダストが付着、堆積し、熱回収性能の低下や、ガス流路の閉塞、伝熱管の腐食といった障害を招き、正常な運転の継続が困難な状態に陥ることがある。
【0005】
そこで、圧力波を利用して付着物を除去する付着物除去装置をボイラに付設することにより、ボイラの正常な運転を継続的に行うことを可能としている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
特許文献1に係る付着物除去装置は、開口部を有する耐圧容器と、開口部を塞ぐ閉鎖体とを備え、供給ラインを介して耐圧容器内に供給された酸化剤を含むガス状の燃料(燃焼用ガス)の爆発によって圧力波を発生させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献3】国際公開第2007/028264号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、燃焼用ガスが耐圧容器に導入されることについて開示されているものの、耐圧容器に導入される燃焼用ガスの供給量の制御については具体的に開示されていない。このため、特許文献1に係る付着物除去装置では、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができず、圧力波の威力にばらつきが生じ、圧力波の威力を正確に調節することができない虞がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができるガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係るガス供給システムの特徴構成は、
燃焼用ガスを容器に供給するための燃焼用ガス供給管路と、
前記燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ介設される上流側開閉弁及び下流側開閉弁と、
前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に接続される圧力計と、
前記上流側開閉弁及び前記下流側開閉弁を含む弁の開閉を制御する弁制御手段と、
を備えることにある。
【0011】
本構成のガス供給システムによれば、燃焼用ガスを容器に供給するための燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ上流側開閉弁及び下流側開閉弁が介設され、これら上流側開閉弁と下流側開閉弁との間における燃焼用ガス供給管路に圧力計が接続される。上流側開閉弁及び下流側開閉弁の両方が開いた状態では、燃焼用ガスが燃焼用ガス供給管路を介して容器へと供給される。この場合、圧力計には、燃焼用ガス供給管路における上流側開閉弁の上流側からの圧力と、既に供給された燃焼用ガスが充填されている容器側からの圧力との両方が作用するため、容器内の圧力を正確に計測することができず、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができない。そこで、弁制御手段は、容器側からの圧力のみが圧力計に作用するように上流側開閉弁及び下流側開閉弁の弁の開閉を制御したり、燃焼用ガスが燃焼用ガス供給管路を介して容器へと供給されるように上流側開閉弁及び下流側開閉弁の弁の開閉を制御したりして、容器側からの圧力のみが圧力計に作用している状態のときの圧力計の計測値が目標値に近づくようにする。これにより、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができる。
【0012】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
前記弁制御手段は、前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉し、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とすることが好ましい。
【0013】
本構成のガス供給システムによれば、弁制御手段は、下流側開閉弁を開いた状態として、上流側開閉弁が閉じている状態のときの圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、上流側開閉弁を開閉する。すなわち、下流側開閉弁が開いた状態で、且つ上流側開閉弁が閉じている状態では、燃焼用ガス供給管路における上流側開閉弁の上流側からの圧力は上流側開閉弁が閉じていることによって圧力計に作用せずに、下流側開閉弁が開いていることによる容器側からの圧力のみが圧力計に作用することになり、容器内の圧力を正確に計測することができる。この状態のときの計測値が目標値に達していなければ、上流側開閉弁を開いて、燃焼用ガスを容器に供給し、その後、上流側開閉弁を閉じて、圧力計により圧力を計測し、このときの計測値が未だ目標値に達していなければ、上流側開閉弁を開いて、燃焼用ガスを容器に供給するといった動作を繰り返すことにより、下流側開閉弁が開いた状態で、且つ上流側開閉弁が閉じている状態での圧力計の計測値が目標値に近づくことになる。こうして、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができる。そして、弁制御手段は、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、下流側開閉弁を閉じた状態とする。これにより、燃焼用ガスの燃焼時に、容器内の圧力が燃焼用ガス供給管路を介して圧力計に作用しようとしても、下流側開閉弁が閉じていることによって阻止されるので、ガス供給量制御に供する圧力計を保護することができる。
【0014】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
前記容器の開口部を塞ぐ封止体が配設され、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼によって前記容器内の圧力を高めることにより、前記封止体を破壊して圧力波を発生させ、当該圧力波を利用して対象物に付着した付着物を除去する付着物除去装置に適用されることが好ましい。
【0015】
本構成のガス供給システムによれば、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼によって容器内の圧力を高めることで容器の開口部を塞ぐ封止体を破壊して圧力波を発生させる付着物除去装置において、容器内への燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができるので、圧力波の威力を正確に調節することができる。
【0016】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
一端側が開放されたガス排気管路と、
前記ガス排気管路に介設されるガス排気弁と、
をさらに備え、
前記ガス排気管路の他端側は、前記燃焼用ガス供給管路における前記圧力計が接続される位置と前記下流側開閉弁が介設される位置との間に接続されており、
前記弁制御手段は、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記ガス排気弁を開いた状態とすることが好ましい。
【0017】
本構成のガス供給システムによれば、一端側が大気に開放されたガス排気管路と、ガス排気管路に介設されるガス排気弁とをさらに備える構成とされる。ガス排気管路の他端側は、燃焼用ガス供給管路における圧力計が接続される位置と下流側開閉弁が介設される位置との間に接続されている。そして、弁制御手段は、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、ガス排気弁を開いた状態とする。これにより、燃焼用ガスの燃焼時に、燃焼用ガス供給管路を介して圧力計に作用しようとする容器内の圧力を、万一、下流側開閉弁が閉じることによっても阻止しきれなかった場合、当該圧力をガス排気管路を介して開放することができ、圧力計を確実に保護することができる。
【0018】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
前記容器の開口部近傍にパージガスを供給するためのパージガス供給管路と、
前記パージガス供給管路に介設されるパージガス供給弁と、
をさらに備え、
前記弁制御手段は、前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記パージガス供給弁を開いた状態とすることが好ましい。
【0019】
本構成のガス供給システムによれば、容器の開口部近傍にパージガスを供給するためのパージガス供給管路に介設されるパージガス供給弁が、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に開いた状態とされる。これにより、パージガスがパージガス供給管路を介して容器の開口部近傍に供給されることになり、燃焼用ガスの燃焼時において、圧力波の放出に伴い容器内が真空に近い状態となり、しかも封止体の破壊によって外部に対し露出した状態の容器の開口部を通って容器内に侵入しようとする、例えばダスト等の異物が、パージガスによって外部へと追い払われることになる。従って、容器内への異物の侵入を未然に防ぐことができる。
【0020】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
燃焼用ガスの燃焼時に前記容器から前記燃焼用ガス供給管路を介して前記下流側開閉弁に作用する圧力を減じる減圧手段をさらに備えることが好ましい。
【0021】
本構成のガス供給システムによれば、燃焼用ガスの燃焼時に容器から燃焼用ガス供給管路を介して下流側開閉弁に作用する圧力が減圧手段によって減じられるので、下流側開閉弁として、耐圧性能に優れた高価な開閉弁を用いなくても済み、コストの削減を図ることができる。
【0022】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
燃焼用ガスに代えて圧縮エアガスを前記燃焼用ガス供給管路を介して前記容器に供給したときの前記圧力計の計測結果に基づいて、前記封止体で塞がれている前記容器の開口部からのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段をさらに備えることが好ましい。
【0023】
本構成のガス供給システムによれば、燃焼用ガスに代えて圧縮エアガスを燃焼用ガス供給管路を介して容器に供給したときの圧力計の計測結果に基づいて、封止体で塞がれている容器の開口部からのガス漏れがガス漏れ検知手段によって検知されるので、封止体で塞がれている容器の開口部からのガス漏れを、燃焼用ガスを無駄に用いることなく、安価な圧縮エアガスを用いて確実に検知することができる。
【0024】
本発明に係るガス供給システムにおいて、
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段を備え、
前記電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックする通電チェック手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
本構成のガス供給システムによれば、電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて電気的着火手段の通電状態が通電チェック手段によってチェックされるので、電気的着火手段による燃焼用ガスへの着火の確実性に関する信頼性を高めることができる。
【0026】
次に、上記課題を解決するための本発明に係るガス供給方法の特徴構成は、
燃焼用ガスを容器に供給するための燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ上流側開閉弁及び下流側開閉弁が介設されるとともに、前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に圧力計が接続されており、
前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉する工程と、
前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とする工程と、
を包含することにある。
【0027】
本構成のガス供給方法によれば、下流側開閉弁を開いた状態として、上流側開閉弁が閉じている状態のときの圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、上流側開閉弁を開閉する工程が行われる。こうして、下流側開閉弁が開いた状態で、且つ上流側開閉弁が閉じている状態、すなわち燃焼用ガス供給管路における上流側開閉弁の上流側からの圧力は上流側開閉弁が閉じていることによって圧力計に作用せずに、下流側開閉弁が開いていることによる容器側からの圧力のみが圧力計に作用する状態での圧力計の計測値に基づいて、燃焼用ガスを容器に導入することにより、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができる。また、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、下流側開閉弁を閉じた状態とする工程が行われる。これにより、燃焼用ガスの燃焼時に、容器内の圧力が燃焼用ガス供給管路を介して圧力計に作用しようとしても、下流側開閉弁が閉じていることによって阻止されるので、ガス供給量制御に供する圧力計を保護することができる。
【0028】
本発明に係るガス供給方法において、
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックする通電チェック工程をさらに包含することが好ましい。
【0029】
本構成のガス供給方法によれば、燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて電気的着火手段の通電状態をチェックする通電チェック工程が実施されるので、電気的着火手段による燃焼用ガスへの着火の確実性に関する信頼性を高めることができる。
【0030】
次に、上記課題を解決するための本発明に係るガス供給プログラムの特徴構成は、
容器に対する燃焼用ガスの供給を制御するコンピュータに実行させるガス供給プログラムであって、
燃焼用ガスを前記容器に供給するための燃焼用ガス供給管路におけるガス流れの上流側及び下流側にそれぞれ上流側開閉弁及び下流側開閉弁が介設されるとともに、前記燃焼用ガス供給管路における前記上流側開閉弁と前記下流側開閉弁との間に圧力計が接続されており、
前記下流側開閉弁を開いた状態として、前記上流側開閉弁が閉じている状態のときの前記圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、前記上流側開閉弁を開閉するステップと、
前記容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、前記下流側開閉弁を閉じた状態とするステップと、
を前記コンピュータに実行させることにある。
【0031】
本構成のガス供給プログラムがコンピュータによって実行されると、下流側開閉弁を開いた状態として、上流側開閉弁が閉じている状態のときの圧力計により計測される圧力値が目標値に近づくように、上流側開閉弁が開閉される。こうして、下流側開閉弁が開いた状態で、且つ上流側開閉弁が閉じている状態、すなわち燃焼用ガス供給管路における上流側開閉弁の上流側からの圧力は上流側開閉弁が閉じていることによって圧力計に作用せずに、下流側開閉弁が開いていることによる容器側からの圧力のみが圧力計に作用する状態での圧力計の計測値に基づいて、燃焼用ガスを容器に導入することにより、燃焼用ガスの供給量を正確に制御することができる。また、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼時に、下流側開閉弁が閉じられる。これにより、燃焼用ガスの燃焼時に、容器内の圧力が燃焼用ガス供給管路を介して圧力計に作用しようとしても、下流側開閉弁が閉じていることによって阻止されるので、ガス供給量制御に供する圧力計を保護することができる。
【0032】
本発明に係るガス供給プログラムにおいて、
燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて前記電気的着火手段の通電状態をチェックするステップを前記コンピュータにさらに実行させることが好ましい。
【0033】
本構成のガス供給プログラムによれば、燃焼用ガスに着火する電気的着火手段への通電電流値と通電時間とに基づいて電気的着火手段の通電状態をチェックするステップがコンピュータにおいてさらに実行されるので、電気的着火手段による燃焼用ガスへの着火の確実性に関する信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置がボイラに付設されている状態図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置を一部破断して示し、封止体を挟持した封止体挟持状態図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置を一部破断して示し、封止体を挟持していない封止体非挟持状態図である。
図4図4は、封止体を示し、(a)は図2のA矢視図、(b)は図2のB矢視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置の駆動制御システム構成図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるメタンガス供給工程の手順を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される酸素ガス供給工程の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される着火工程の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される封止体供給工程の手順を示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるリークチェック工程(1)の手順を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるリークチェック工程(2)の手順を示すフローチャートである。
図12図12は、切換機構の別実施形態を示す図である。
図13図13は、封止体供給機構の別実施形態を示す図である。
図14図14は、プラグ通電チェック工程の手順を示すフローチャートを示し、(a)はメタンガス供給工程、酸素ガス供給工程、着火工程、及びリークチェック工程(1)と並行して実施する場合、(b)はリークチェック工程(2)の後の排気工程と並行して実施する場合である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、本発明が適用される対象として、廃棄物焼却施設の焼却炉に並設されたボイラに備え付けられる付着物除去装置を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
【0036】
<付着物除去装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置がボイラに付設されている状態図である。図1に示すように、付着物除去装置10Aは、ボイラ1の排ガス流路2を構成する側壁3の外側に配置されている。ボイラ1の排ガス流路2には、水平方向に配列される複数の伝熱管4をボイラ1の上下方向に複数段設けてなる複数の伝熱管群5,6が配設されている(図1では2つの伝熱管群のみ図示する。)。伝熱管群5,6を構成する伝熱管4が、付着物(ダスト)が付着した対象物となる。上側の伝熱管群5と下側の伝熱管群6との間には、所定広さの空間が設けられ、この空間に連通状態で接続ダクト7が側壁3に突設されている。付着物除去装置10Aは、ノズル体8を介して接続ダクト7に取り付けられている。付着物除去装置10Aは、容器11、蓋体12、切換機構13及び封止体供給機構15を備えている。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置を一部破断して示し、封止体を挟持した封止体挟持状態図である。図3は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置を一部破断して示し、封止体を挟持していない封止体非挟持状態図である。なお、図2及び図3では、後述するケーシング31の内部構造を明示する都合上、図1において描かれている左側の連結板36を図示省略している。
【0038】
<容器>
図2に示すように、容器11は、側壁3(図1参照)に向かう方向を「前方」とした場合、後方(図2の左側から右側に向かう方向)に向かってこの記載順に配される小径円筒状部11a、円錐台筒状部11b、及び大径円筒状部11cを有している。これら筒状部11a,11b,11cは、互いの軸線(管軸)を一致させた状態で一体的に連設されている。ここで、大径円筒状部11cの後端側は、端壁部20によって閉鎖されている。一方、小径円筒状部11aの前端側は、丸孔状に開口されて開口部21が形成されている。また、小径円筒状部11aの前端部には、開口部21を包含するように容器側フランジ部22が外向きに張り出すように形成されている。容器側フランジ部22の前面には、開口部21を円環状に取り囲むように形成されるOリング溝にOリング23が装着されている。なお、以下の説明において、管軸方向とは、特に断りのない限り、容器11の軸線(管軸)が延びる方向のことである。
【0039】
<蓋体>
蓋体12は、容器11の開口部21に対応して設けられるものであり、容器側フランジ部22と対向するように容器側フランジ部22の前方側に配置されている。蓋体12は、容器側フランジ部22の全体を覆うのに十分な大きさの板面を有する矩形板状部材で構成されている。
【0040】
<噴射口部>
蓋体12は、容器11内に通じる一つの噴射口部25を有している。噴射口部25は、蓋体12を貫通する断面円形の丸孔状に形成されている。噴射口部25は、その開口面積が容器11の開口部21のそれと略同じで、管軸方向に投影したときに、開口部21と一致するように配置されている。
【0041】
<切換機構>
図2に示すように、切換機構13は、ケーシング31、油圧シリンダ32及び付勢手段33を備えている。
【0042】
[ケーシング]
ケーシング31は、主フレーム部材35及び連結板36を備えている。主フレーム部材35は、容器11の小径円筒状部11aが貫通可能な開口部(図示省略)を有する矩形板状部材で構成されている。主フレーム部材35は、蓋体12に対し管軸方向に所定間隔を存して、前後方向に板面を向けて蓋体12と対向するように配置されている。前方に向かって左右両側の連結板36は、蓋体12及び主フレーム部材35の左右両側部同士を連結する。
【0043】
後述する巻回体61から繰り出される封止体60が、管軸方向に板面を向けた状態でケーシング31内における蓋体12と容器側フランジ部22との間の領域を通り、管軸方向と交差(直交)する方向である鉛直下方へと送り出すことができるようになっている。
【0044】
蓋体12、主フレーム部材35及び連結板36の下面側には、容器11の下方に位置するように管軸方向に延設される支持部材39が固定されている。容器11は、支持部材39に転動可能に取り付けられるガイドローラ40を介して管軸方向に移動可能に支持部材39に支持されている。
【0045】
[油圧シリンダ]
油圧シリンダ32は、蓋体12に容器側フランジ部22を近づけるように相対移動させる流体アクチュエータである。本実施形態の場合は、油圧シリンダ32の伸長作動により、容器側フランジ部22が蓋体12へと近づくように相対移動される。
【0046】
油圧シリンダ32は、複数(本例では4個)設けられている。複数の油圧シリンダ32は、主フレーム部材35に固定状態で組み付けられている。複数の油圧シリンダ32は、容器11の管軸回りに等角度(90°毎)で配置されている。具体的には、主フレーム部材35の前面側から見て、容器11の管軸に原点Oを一致させるようにX-Y直交軸を設定し、X軸の正の向きの軸を基準(0°)として、原点Oを中心に反時計回りを正の回転方向と定めた場合、45°、135°、225°及び315°のそれぞれの位置に油圧シリンダ32が配置されている。図2及び図3では、説明の都合上、主フレーム部材35の前面側から見て45°及び315°のそれぞれの位置に配置される油圧シリンダ32のみが図示されている。
【0047】
油圧シリンダ32は、単動形の片ロッドシリンダである。油圧シリンダ32におけるシリンダロッドの先端部には、先端側が半球状に形成された押当部材41が取り付けられている。押当部材41の先端は、容器側フランジ部22の後面に当接されている。油圧シリンダ32において、図示省略されるピストンの復帰は、当該油圧シリンダ32に内蔵された圧縮コイルばね(図示省略)の付勢力や、付勢手段33の付勢力によってなされる。なお、押当部材41の先端が当接される容器側フランジ部22の後面側に当板(図示省略)を交換可能に配設するのが好ましい。こうすることにより、押当部材41から作用する押圧力によって容器側フランジ部22が局所的に凹むのを防ぐことができ、押当部材41から容器側フランジ部22を保護することができる。
【0048】
[案内手段]
上述したように、容器側フランジ部22は、油圧シリンダ32の伸長作動により、蓋体12に近づくように管軸方向に相対移動される。また、容器側フランジ部22は、油圧シリンダ32に内蔵された圧縮コイルばねの付勢力や、付勢手段33の付勢力により、蓋体12から離れるように管軸方向に相対移動される。このような、蓋体12に対する容器側フランジ部22の相対移動が正確、且つスムーズに行われるようにするために、案内手段45が設けられている。案内手段45は、ガイドピン46と、ガイドブシュ47とにより構成されている。
【0049】
ガイドピン46は、複数(本例では2本)設けられている。複数のガイドピン46は、容器側フランジ部22を貫通し、且つ各ガイドピン46の軸線が容器11の管軸と平行をなすように、蓋体12と主フレーム部材35との間に配設され、蓋体12及び主フレーム部材35に図示されないボルト等の締結具により固定されている。複数のガイドピン46は、容器11の管軸回りに等角度(180°毎)で配置されている。具体的には、蓋体12の前面側から見て、容器11の管軸に原点Oを一致させるようにX-Y直交軸を設定し、X軸の正の向きの軸を基準(0°)として、原点Oを中心に反時計回りを正の回転方向と定めた場合、90°及び270°のそれぞれの位置にガイドピン46が配置されている。図2及び図3では、ガイドピン46及びその他の部品を識別可能に図面上に示す都合上、実際は蓋体12の前面側から見て90°及び270°のそれぞれの位置にあるガイドピン46を、蓋体12の前面側から見て67.5°及び292.5°のそれぞれの位置にずらした状態で図示している。
【0050】
ガイドブシュ47は、複数のガイドピン46に対応するように、複数(本例では2個)設けられている。複数のガイドブシュ47は、容器側フランジ部22に設けられた取付孔に圧入されて容器側フランジ部22に固定されている。複数のガイドブシュ47は、容器11の管軸回りに等角度(180°毎)で配置されている。具体的には、容器側フランジ部22の前面側から見て、容器11の管軸に原点Oを一致させるようにX-Y直交軸を設定し、X軸の正の向きの軸を基準(0°)として、原点Oを中心に反時計回りを正の回転方向と定めた場合、90°及び270°のそれぞれの位置にガイドブシュ47が配置されている。図2及び図3では、ガイドブシュ47及びその他の部品を識別可能に図面上に示す都合上、実際は蓋体12の前面側から見て90°及び270°のそれぞれの位置にあるガイドブシュ47を、蓋体12の前面側から見て67.5°及び292.5°のそれぞれの位置にずらした状態で図示している。
【0051】
案内手段45においては、蓋体12と主フレーム部材35との間に配設されるガイドピン46がガイドブシュ47の内部に摺動可能に差し込まれている。これにより、蓋体12に対し容器側フランジ部22が管軸方向に相対移動する際に、ガイドピン46に沿ってガイドブシュ47が摺動される。こうして、蓋体12に対する容器側フランジ部22の相対移動の際に、容器側フランジ部22が案内手段45によって案内されるようになっている。
【0052】
[付勢手段]
付勢手段33は、引張ロッド51、圧縮コイルばね52、座金53、第一ナット54及び第二ナット55を備えている。
【0053】
引張ロッド51は、複数(本例では2本)設けられている。複数の引張ロッド51は、各引張ロッド51の軸線が容器11の管軸と平行をなすようにして、容器側フランジ部22の後面側に突出するように容器側フランジ部22に固定状態で植設されている。複数の引張ロッド51は、容器11の管軸回りに等角度(180°毎)で配置されている。具体的には、容器側フランジ部22の前面側から見て、容器11の管軸に原点Oを一致させるようにX-Y直交軸を設定し、X軸の正の向きの軸を基準(0°)として、原点Oを中心に反時計回りを正の回転方向と定めた場合、0°及び180°のそれぞれの位置に引張ロッド51が配置されている。図2及び図3では、引張ロッド51及びその他の部品を識別可能に図面上に示す都合上、実際は蓋体12の前面側から見て0°及び180°のそれぞれの位置にある引張ロッド51を、蓋体12の前面側から見て90°及び270°のそれぞれの位置にずらした状態で図示している。
【0054】
容器側フランジ部22の後面側に突出されている引張ロッド51は、主フレーム部材35を貫通し、主フレーム部材35の後面側にさらに突出されている。主フレーム部材35の後面側に突出されている引張ロッド51の部分には、主フレーム部材35の後方に向かってこの記載順に配される圧縮コイルばね52及び座金53がそれぞれ外嵌されている。主フレーム部材35の後面側に突出されている引張ロッド51の部分には、当該引張ロッド51の後端から先端に向かう所要の領域に雄螺子部51aが形成されている。この雄螺子部51aには、後方に向かってこの記載順に配される第一ナット54及び第二ナット55がそれぞれ螺合されている。
【0055】
圧縮コイルばね52において、前端側は、主フレーム部材35の後面に当接され、後端側は、座金53に当接されている。座金53には、第一ナット54が当接されており、第一ナット54を締め込んだり、緩めたりする操作により、圧縮コイルばね52の初期たわみ量を調整することができるようになっている。そして、第一ナット54の操作による圧縮コイルばね52の初期たわみ量調整後において、第一ナット54に当接状態で第二ナット55を締め付け、その後、第一ナット54を緩める方向に逆回転させることにより、第一ナット54の締め込み状態がダブルナットの効果で保持される。
【0056】
付勢手段33において、圧縮コイルばね52の弾性力は、座金53、ナット54,55を介して引張ロッド51に伝達される。こうして、付勢手段33は、蓋体12に対し容器側フランジ部22を引き離す方向(後方)に容器側フランジ部22を付勢する。
【0057】
<封止体供給機構>
封止体供給機構15は、容器11の開口部21を塞ぐとともに、蓋体12に設けられた噴射口部25を塞ぐのに十分な広さを有する封止体60を供給するものであり、巻回体61、繰り出しドラム62及び回収機構63を備えている。
【0058】
<封止体>
封止体60は、例えば、ステンレス系、鉄系、銅系のばね鋼や、アルミニウム等の金属材料、樹脂材料等を帯状に長く成形した板状体からなるものである。このように、封止体60を帯板状に構成することにより、封止体60の板厚方向における装置長さを短縮することができ、切換機構13及び封止体供給機構15がコンパクトな構成となり、これによって付着物除去装置10A全体のコンパクト化を図ることができる。
【0059】
[巻回体]
巻回体61は、帯板状の封止体60をロール状に巻き回してなるものであり、容器11の上方に配される繰り出しドラム62に装着されている。
【0060】
[繰り出しドラム]
繰り出しドラム62は、容器11の管軸を含む平面上に投影したときに直交する関係にある軸線を有する支持軸64を介して図示されない装置フレームに回転可能に取り付けられている。ここで、巻回体61から繰り出される封止体60は、その板面を容器11の管軸方向に向けて開口部21及び噴射口部25を塞ぎながら管軸方向と交差(直交)する方向である鉛直下方へと向かう送りラインに沿って進むように、図示されない装置フレームに対する繰り出しドラム62の取付位置等が定められている。
【0061】
[回収機構]
回収機構63は、巻取りドラム65、巻取りモータ66、ガイドローラ67及び送り量検出手段68を備えている。
【0062】
巻取りドラム65は、容器11の管軸(軸線)を基準として、繰り出しドラム62と対称の位置関係となるように容器11の下方に配設されている。巻取りドラム65は、容器11の管軸(軸線)を含む平面上に投影したときに直交する関係にある軸線を有する支持軸69を介して図示されない装置フレームに回転可能に取り付けられている。巻取りドラム65には、繰り出しドラム62から繰り出され、蓋体12と容器側フランジ部22との間を通った封止体60の先端側が巻き掛け装着されている。
【0063】
巻取りドラム65には、支持軸69に回転動力を伝達可能に巻取りモータ66が付設されている。巻取りモータ66の作動により、繰り出しドラム62から繰り出される封止体60が巻取りドラム65によって巻き取られるようになっている。
【0064】
ガイドローラ67は、繰り出しドラム62から蓋体12と容器側フランジ部22との間、及び巻取りドラム65に至る送りラインの途中の要所に配設されており、繰り出しドラム62から繰り出されて巻取りドラム65で巻き取られる封止体60を案内する。
【0065】
図4は、封止体を示し、(a)は図2のA矢視図、(b)は図2のB矢視図である。図2に示す送り量検出手段68としては、例えば、照射したレーザ光線の反射光により封止体60の破壊された部分(丸孔60b:図4(b)参照)を検出できるレーザセンサ等が挙げられる。後述する制御装置160は、送り量検出手段68の検知結果に基づいて、封止体60の送り量を演算し、算出された送り量に基づいて、巻取りモータ66の回転を制御する。
【0066】
封止体供給機構15は、切換機構13が後述する封止体非挟持状態のときに、送り量検出手段68の検出結果に基づいて、後述する制御装置160が巻取りモータ66の回転を制御することにより、封止体60の破壊された部分(丸孔60b:図4(b)参照)に代えて、破壊されていない部分60a(図4(a)参照)で容器11の開口部21及び蓋体12の噴射口部25を塞ぐように封止体60を供給することができる。
【0067】
図2に示すように、容器11の端壁部20には、プラグ保護部材70を介してグロープラグ71が取り付けられている。このような構成において、グロープラグ71に通電することにより、容器11の内部の混合ガスを発火させることができる。また、混合ガスの燃焼・爆発に伴い生じた圧力波の殆どは、プラグ保護部材70によって遮られるので、グロープラグ71を保護することができ、グロープラグ71の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0068】
<ノズル体>
ノズル体8は、蓋体12に設けられた噴射口部25を通して容器11の開口部21に対応するように開口された小径円筒状部8aと、前方に向って徐々に拡径する逆截頭円錐筒状部8bと、小径円筒状部8aよりも口径が大きい大径円筒状部8cとを有している。小径円筒状部8a、逆截頭円錐筒状部8b及び大径円筒状部8cは、前方に向かってこの記載順で一体的に連設されている。
【0069】
ノズル体8において、大径円筒状部8c及び逆截頭円錐筒状部8bは、接続ダクト7の内部に差し込まれている。ノズル体8の中間部は、小径円筒状部8aの前端部に一体的に設けられたフランジが接続ダクト7の本体部分77の後端部に一体的に設けられたフランジに所要のボルトで締着されることによって接続ダクト7に固定されている。ノズル体8の後端は、小径円筒状部8aの後端部に一体的に設けられたフランジが蓋体12に所要のボルトで締着されることによって蓋体12に固定されている。
【0070】
ノズル体8における小径円筒状部8aの前端と後端との中間部には、吹出管76の一端部が、小径円筒状部8aの内部に連通状態で小径円筒状部8aに接合されている。吹出管76は、小径円筒状部8aの管軸と直交する軸方向に延びる円筒状部材から構成されている。
【0071】
接続ダクト7の本体部分77の後端部に一体的に設けられたフランジに近い部分には、排気管78の一端部が、接続ダクト7の内部に連通状態で接続ダクト7に接合されている。排気管78は、接続ダクト7の管軸と直交する軸方向に延びる円筒状部材から構成されている。
【0072】
図5は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムが適用される付着物除去装置の駆動制御システム構成図である。
【0073】
<油圧駆動手段>
図5に示すように、切換機構13を油圧シリンダ32により駆動する油圧駆動手段80は、エアハイドロブースタ(以下、単に「ブースタ」と略称する。)81と、方向制御弁82とを備えている。
【0074】
[ブースタ]
ブースタ81は、ブースタ本体85と、ブースタ本体85に内蔵されるピストン体86とを備えている。ピストン体86は、大径ピストン87と小径ピストン88とが連結ロッド89によって連結されてなるものである。ブースタ本体85において、ブースタ本体85の一方側(図5において右側)の閉鎖端部と大径ピストン87との間には、駆動室90が区画形成されている。大径ピストン87と小径ピストン88とブースタ本体85との間の区画室には、リターンスプリング91が配設されている。ブースタ本体85の他方側(図5において左側)の閉鎖端部と小径ピストン88との間には、増圧室92が区画形成されている。増圧室92内には、作動油が充満されている。増圧室92と油圧シリンダ32とは、油圧管路93によって接続されている。
【0075】
[方向制御弁]
方向制御弁82は、例えば、第一出入ポート、第二出入ポート、第一排気ポート、第二排気ポート及び圧縮エア導入ポートを有する5ポート2位置切換電磁操作式の方向制御弁である。方向制御弁82の第一出入ポートと駆動室90とは、エア管路94によって接続されている。方向制御弁82の第一排気ポートは、エア管路95を介してサイレンサ96に接続されている。方向制御弁82の第二排気ポートは、エア管路97を介してサイレンサ98に接続されている。方向制御弁82の圧縮エア導入ポートは、エア管路99を介して圧縮エアガス供給源100に接続されている。
【0076】
切換機構13には、図3に示すような封止体非挟持状態のときに、蓋体12の噴射口部25を塞ぐシャッタ装置110が付設されている。なお、説明の都合上、シャッタ装置110は、図5においてのみ図示している。
【0077】
図5に示すように、シャッタ装置110は、蓋体12の噴射口部25(図3参照)を塞ぐことが可能な大きさの板面部を有する遮蔽板111と、遮蔽板111を昇降駆動するエアシリンダ112と、エアシリンダ112の伸縮動作を切り換える方向制御弁113とを備えている。
【0078】
方向制御弁113は、例えば、第一出入ポート、第二出入ポート、第一排気ポート、第二排気ポート及び圧縮エア導入ポートを有する5ポート2位置切換電磁操作式の方向制御弁である。方向制御弁113の第一出入ポートとエアシリンダ112のヘッド側室とは、エア管路114によって接続されている。方向制御弁113の第二出入ポートとエアシリンダ112のボトム側室とは、エア管路115によって接続されている。方向制御弁113の第一排気ポートは、エア管路116を介してサイレンサ117に接続されている。方向制御弁113の第二排気ポートは、エア管路118を介してサイレンサ119に接続されている。方向制御弁113の圧縮エア導入ポートは、エア管路120を介して圧縮エアガス供給源121に接続されている。
【0079】
<ガス供給システム>
次に、付着物除去装置10Aの容器11に対し、燃焼に必要な可燃性ガスや酸化剤ガス等の燃焼用ガスを供給するガス供給システムについて、図5を用いて詳述する。
【0080】
容器11の端壁部20には、主供給管路130の一端側が接続されている。主供給管路130の他端側には、第一分岐管路131、第二分岐管路132及び第三分岐管路133のそれぞれの一端側が接続されている。第一分岐管路131の他端側には、可燃性ガス供給源(メタンガス供給源)135が接続されている。第二分岐管路132の他端側には、酸化剤ガス供給源(酸素ガス供給源)136が接続されている。第三分岐管路133の他端側には、圧縮エアガス供給源137が接続されている。ここで、可燃性ガス供給源135としては、例えば、耐圧容器内に可燃性ガスを高圧(例えば、14.7MPa)で封入してなる高圧可燃性ガスボンベが挙げられる。可燃性ガスとしては、例えば、メタンガス、水素ガス等が挙げられる(本例ではメタンガス)。また、酸化剤ガス供給源136としては、例えば、耐圧容器内に酸化剤ガスを高圧(例えば、14.7MPa)で封入してなる高圧酸化剤ガスボンベが挙げられる。酸化剤ガスとしては、例えば、酸素ガス、空気等が挙げられる(本例では酸素ガス)。圧縮エアガス供給源137としては、例えば、エアコンプレッサに付設されたエアタンクが挙げられる。なお、各ガス供給源135,136,137からのガスは、図示されないレギュレータにより、例えば0.9MPaに減圧されて下流側へと供給される。
【0081】
<メタンガス供給管路、酸素ガス供給管路、リークチェックガス供給管路>
図5において、メタンガス供給管路141は、メタンガス供給源135からのメタンガスを容器11へと供給するための管路であり、主供給管路130と第一分岐管路131とにより構成されている。酸素ガス供給管路142は、酸素ガス供給源136からの酸素ガスを容器11へと供給するための管路であり、主供給管路130と第二分岐管路132とにより構成されている。リークチェックガス供給管路143は、圧縮エアガス供給源137からの圧縮エアガス(リークチェックガス)を容器11へと供給するための管路であり、主供給管路130と第三分岐管路133とにより構成されている。メタンガス及び酸素ガスは、燃焼に必要な燃焼用ガスであり、メタンガス供給管路141及び酸素ガス供給管路142は、燃焼用ガス(メタンガス、酸素ガス)を容器11に供給するための燃焼用ガス供給管路として機能する。
【0082】
<ガス主塞止弁、メタンガス供給弁、酸素ガス供給弁>
主供給管路130の途中には、主供給管路130を開閉するガス主塞止弁150が介設されている。第一分岐管路131の途中には、第一分岐管路131を開閉するメタンガス供給弁151が介設されている。第二分岐管路132の途中には、第二分岐管路132を開閉する酸素ガス供給弁152が介設されている。第三分岐管路133の途中には、第三分岐管路133を開閉するリークチェック弁153が介設されている。
【0083】
<圧力計>
ガス供給量制御に供する圧力計145は、メタンガス供給管路141におけるメタンガス供給弁151とガス主塞止弁150との間に接続されている。また、圧力計145は、酸素ガス供給管路142における酸素ガス供給弁152とガス主塞止弁150との間に接続されるとともに、リークチェックガス供給管路143におけるリークチェック弁153とガス主塞止弁150との間に接続されている。
【0084】
<減圧手段>
主供給管路130の一端側の一部の管路は、その他の部分の管路の管内通流面積よりも小さい管内通流面積の細管が螺旋状に巻かれてなる螺旋状細管138によって構成されている。螺旋状細管138は、燃焼用ガス(メタンガス及び酸素ガスの混合ガス)の燃焼時に容器11から主供給管路130を介してガス主塞止弁150に作用する圧力を減じる減圧手段として機能する。こうして、主供給管路130の一部に圧力損失が大きい螺旋状細管138を敢えて設けることにより、主供給管路130における螺旋状細管138の下流側における圧力を降下させるようにしている。これにより、燃焼用ガスの燃焼時に容器11から主供給管路130を介してガス主塞止弁150に作用する圧力が螺旋状細管138によって減じられるので、ガス主塞止弁150として、耐圧性能に優れた高価な弁を用いなくても済み、コストの削減を図ることができる。また、螺旋状細管138が螺旋状に形成されることにより、容器11の管軸方向の移動の際に、螺旋状細管138が主供給管路130の長さ方向の変位を吸収することができる。
【0085】
<ガス排気管路、ガス排気弁>
メタンガス供給管路141、酸素ガス供給管路142及びリークチェックガス供給管路143のそれぞれのガス供給管路141,142,143と排気管78とは、ガス排気管路155によって接続されている。ガス排気管路155の一端側は、排気管78及び接続ダクト7を介してボイラ1の排ガス流路2に開放されている。ガス排気管路155の他端側は、ガス供給管路141,142,143における圧力計145が接続される位置とガス主塞止弁150が介設される位置との間に接続されている。ガス排気管路155の途中には、ガス排気管路155を開閉するガス排気弁156が介設されている。
【0086】
<パージガス供給管路、パージガス供給弁>
吹出管76と圧縮エアガス供給源157とは、パージガス供給管路158によって接続されている。パージガス供給管路158の途中には、パージガス供給管路158を開閉するパージガス供給弁159が介設されている。
【0087】
<ガス漏れ検知手段>
本実施形態において、リークチェックガス供給管路143、リークチェック弁153、圧力計145及び後述する制御装置160を含む構成が本発明における「ガス漏れ検知手段」に相当し、燃焼用ガス(メタンガス、酸素ガス)に代えて圧縮エアガスをリークチェックガスとしてリークチェックガス供給管路143を介して容器11に供給したときの圧力計145の計測結果に基づいて、封止体60で塞がれている容器11の開口部21からのガス漏れを制御装置160が検知するようにされている。
【0088】
<制御装置>
図5において、制御装置160は、マイクロコンピュータを主体に構成されるものであり、図6図11のフローチャートに示すアルゴリズムに従って作成されるガス供給プログラムを含む所定プログラムを読み込むとともに、圧力計145からの計測値を読み込み、所定プログラムを実行することにより、各種弁82,113,150,151~153,156,159の開閉及び弁開度を制御したり、グロープラグ71への通電を制御したりする。
【0089】
<通電チェック手段>
本実施形態においては、制御装置160によって制御されるグロープラグ71への通電電流を計測する電流計170が設けられている。制御装置160は、グロープラグ71への通電電流値と通電時間とに基づいて、グロープラグ71の通電状態をチェックする。本実施形態において、電流計170及び制御装置160を含む構成が本発明における「通電チェック手段」に相当する。
【0090】
以上に述べたように構成される付着物除去装置10Aにおいては、後述するメタンガス供給工程を実施するにあたって、蓋体12と容器側フランジ部22との間に封止体60を位置させた状態で、方向制御弁82の所定の操作により、方向制御弁82の弁位置を図5に示すような第一位置82aに切り換える。かかる方向制御弁82の切換動作は、方向制御弁82の弁位置を第一位置82aに切り換えるための信号が制御装置160から方向制御弁82の操作部に送信されることによってなされる。方向制御弁82が第一位置82aに切り換えられた場合、圧縮エアガス供給源100からの圧縮空気は、エア管路99、方向制御弁82及びエア管路94を介して駆動室90に供給される。これにより、ピストン体86は、図5において左側に移動され、増圧室92内の作動油が圧縮される。増圧室92内の作動油は、大径ピストン87と小径ピストン88との面積比に応じて増圧される。増圧された作動油(圧油)は、油圧管路93を介して油圧シリンダ32に供給されて、油圧シリンダ32が伸長作動され、容器側フランジ部22が蓋体12に近づくように前方へと移動される。これに伴い、容器11が管軸に沿って前方に移動される。
【0091】
図2に示すように、容器11は、ガイドローラ40を介して支持部材39に支持されているので、容器11の前方への移動がスムーズに行われる。容器側フランジ部22が前方へ移動されると、蓋体12と容器側フランジ部22との間に位置する封止体60が、容器側フランジ部22と蓋体12とによって挟持される状態となる(以下、この状態を「封止体挟持状態」と称する。)。この封止体挟持状態においては、Oリング23のシール効果により、容器側フランジ部22と封止体60とが気密状態に保たれる。従って、後述するように容器11の内部の圧力を高めることで封止体60が破壊されるまで、蓋体12の噴射口部25及び容器の開口部21を封止体60によって確実に塞ぐことができるので、所望の圧力波を確実に発生させることができる。
【0092】
また、容器側フランジ部22が前方へと移動されると、容器側フランジ部22と共に引張ロッド51も前方へと移動される。これに伴い、圧縮コイルばね52が引張ロッド51の移動に応じて圧縮され、圧縮量に応じた弾性反発力が付勢手段33において蓄勢される。
【0093】
[メタンガス供給工程]
図6は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるメタンガス供給工程の手順を示すフローチャートである。なお、図中記号「S」は、ステップを表わす(図7図11、及び図14においても同様)。
【0094】
<ステップS1~S2>
図5に示す制御装置160は、ガス主塞止弁150及びメタンガス供給弁151のそれぞれに対し弁開信号を送信する(S1~S2)。これにより、ガス主塞止弁150及びメタンガス供給弁151のそれぞれの弁が開かれて、メタンガス供給源135からメタンガスがメタンガス供給管路141を介して容器11に供給される。
【0095】
<ステップS3~S4>
制御装置160は、所定時間経過後に、メタンガス供給弁151に対し弁閉信号を送信する(S3~S4)。これにより、メタンガス供給弁151が閉じられる。このように、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つメタンガス供給弁151が閉じている状態では、メタンガス供給管路141におけるメタンガス供給弁151の上流側からの圧力はメタンガス供給弁151が閉じていることによって圧力計145に作用せずに、ガス主塞止弁150が開いていることによる容器11側からの圧力のみが圧力計145に作用することになり、容器11内の圧力を正確に計測することが可能な状態となる。
【0096】
<ステップS6>
制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.2MPa)以上であるか否かを判断する(S6)。容器11内の圧力が目標値以上である場合(ステップS6において「YES」)には、ステップS7へと進む。容器11内の圧力が目標値未満である場合(ステップS6において「NO」)には、ステップS9へと進む。
【0097】
<ステップS7~S8>
ステップS7において、制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が上限値(例えば、目標値(0.2MPa)の1.1倍の0.22MPa)以下であるか否かを判断する。容器11内の圧力が上限値以下である場合(ステップS7において「YES」)には、酸素ガス供給工程のフロー(図7参照)へと進む。容器11内の圧力が上限値を超えている場合(ステップS7において「NO」)、制御装置160は、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S8)。これにより、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0098】
<ステップS9~S14>
ステップS9において、制御装置160は、メタンガスを充填した回数(n)が、充填回数上限値(N)以下であるか否かを判断する(S9)。メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)以下の場合(ステップS9において「YES」)、制御装置160は、メタンガス充填回数(n)を1カウントアップ(n+1→n)し(S10)、メタンガス供給弁151に対し弁開信号を送信し(S11)、所定時間経過後にメタンガス供給弁151に対し弁閉信号を送信し(S12~S13)、更に所定時間経過したらステップS6に戻って(S14)、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.2MPa)以上であるか否かを判断する(S6)。なお、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている場合(ステップS9において「NO」)には、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S15)。これにより、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0099】
本実施形態では、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)の範囲内において、ステップS6での判断を基準に、ステップS9~S14の処理を繰り返し実行する。すなわち、ステップS6において、圧力計145の計測値が目標値以上でなければ、メタンガス供給弁151を開いて、メタンガスを容器11に供給し、その後、メタンガス供給弁151を閉じて、圧力計145により圧力を計測し、このときの計測値が未だ目標値以上でなければ、メタンガス供給弁151を開いて、メタンガスを容器11に供給するといった動作を繰り返す。これにより、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つメタンガス供給弁151が閉じている状態、すなわち容器11内の圧力のみが圧力計145に作用している状態の容器11内の実際の圧力値が目標値以上となる。
【0100】
容器11内の実際の圧力値が目標値以上(ステップS6において「YES」)で、且つ容器11内の実際の圧力値が上限値以下(ステップS7において「YES」)である場合、すなわち容器11内の実際の圧力値が目標値に近い値である場合には、メタンガス供給工程に続いて、酸素ガス供給工程を実施する。
【0101】
[酸素ガス供給工程]
図7は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される酸素ガス供給工程の手順を示すフローチャートである。
【0102】
<ステップS22>
図5に示す制御装置160は、酸素ガス供給弁152に対し弁開信号を送信する(S22)。これにより、酸素ガス供給弁152が開かれて、酸素ガス供給源136から酸素ガスが酸素ガス供給管路142を介して容器11に供給される。
【0103】
<ステップS23~S24>
制御装置160は、所定時間経過後に、酸素ガス供給弁152に対し弁閉信号を送信する(S23~S24)。これにより、酸素ガス供給弁152が閉じられる。このように、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つ酸素ガス供給弁152が閉じている状態では、酸素ガス供給管路142における酸素ガス供給弁152の上流側からの圧力は酸素ガス供給弁152が閉じていることによって圧力計145に作用せずに、ガス主塞止弁150が開いていることによる容器11側からの圧力のみが圧力計145に作用することになり、容器11内の圧力を正確に計測することが可能な状態となる。
【0104】
<ステップS26>
制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.6MPa)以上であるか否かを判断する(S26)。容器11内の圧力が目標値以上である場合(ステップS26において「YES」)には、ステップS27へと進む。容器11内の圧力が目標値未満である場合(ステップS26において「NO」)には、ステップS29へと進む。
【0105】
<ステップS27~S28>
ステップS27において、制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が上限値(例えば、目標値(0.6MPa)の1.1倍の0.66MPa)以下であるか否かを判断する。容器11内の圧力が上限値以下である場合(ステップS27において「YES」)には、酸素ガス供給工程を終了する。容器11内の圧力が上限値を超えている場合(ステップS27において「NO」)、制御装置160は、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S28)。これにより、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0106】
<ステップS29~S34>
ステップS29において、制御装置160は、酸素ガスを充填した回数(n)が、充填回数上限値(N)以下であるか否かを判断する(S29)。酸素ガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)以下の場合(ステップS29において「YES」)、制御装置160は、酸素ガス充填回数(n)を1カウントアップ(n+1→n)し(S30)、酸素ガス供給弁152に対し弁開信号を送信し(S31)、所定時間経過後に酸素ガス供給弁152に対し弁閉信号を送信し(S32~S33)、更に所定時間経過したらステップS26に戻って(S34)、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.6MPa)以上であるか否かを判断する(S26)。なお、酸素ガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている場合(ステップS29において「NO」)、制御装置160は、酸素ガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S35)。これにより、酸素ガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、メタンガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0107】
本実施形態では、酸素ガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)の範囲内において、ステップS26での判断を基準に、ステップS29~S34の処理を繰り返し実行する。すなわち、ステップS26において、圧力計145の計測値が目標値以上でなければ、酸素ガス供給弁152を開いて、酸素ガスを容器11に供給し、その後、酸素ガス供給弁152を閉じて、圧力計145により圧力を計測し、このときの計測値が未だ目標値以上でなければ、酸素ガス供給弁152を開いて、酸素ガスを容器11に供給するといった動作を繰り返す。これにより、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つ酸素ガス供給弁152が閉じている状態、すなわち容器11内の圧力のみが圧力計145に作用している状態の容器11内の実際の圧力値が目標値以上となる。
【0108】
容器11内の実際の圧力値が目標値以上(ステップS26において「YES」)で、且つ容器11内の実際の圧力値が上限値以下(ステップS27において「YES」)である場合、すなわち容器11内の実際の圧力値が目標値以上で、且つ目標値に近い値である場合には、酸素ガス供給工程を終了する。
【0109】
上記のメタンガス供給工程の実施により、容器11内には、約0.2MPaの圧力が生じる量のメタンガスが容器11内に充填される。また、上記の酸素ガス供給工程の実施により、先のメタンガス供給工程の実施で約0.2MPaとなっている容器11内の圧力が約0.6MPaにまで上昇するその差分の約0.4MPaの圧力が生じる量の酸素ガスが容器11内に充填される。こうして、容器11内には、メタンガスと酸素ガスとが、所定の混合比(本例では、1:2)で混合された状態で充填される。こうして、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つメタンガス供給弁151及び酸素ガス供給弁152が閉じている状態での圧力計145の計測値に基づいて、メタンガス及び酸素ガスを容器11に導入することにより、メタンガス及び酸素ガスの供給量を正確に制御することができる。こうして、メタンガス及び酸素ガスの供給量を正確に制御することができるので、メタンガスと酸素ガスとの混合比を正確に調節することができ、これによって圧力波の威力を正確に調節することができる。
【0110】
[着火工程]
図8は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される着火工程の手順を示すフローチャートである。
【0111】
<ステップS41~S42>
図5に示す制御装置160は、容器11内におけるメタンガスと酸素ガスとの混合ガスに着火するにあたり、ガス主塞止弁150に対し弁閉信号を送信する一方で、ガス排気弁156に対し弁開信号を送信する(S41~S42)。これにより、ガス主塞止弁150が閉じられる一方で、ガス排気弁156が開かれる。
【0112】
<ステップS43>
制御装置160は、パージガス供給弁159に対し弁開信号を送信すると同時に、グロープラグ71への通電を開始する(S43)。これにより、圧縮エアガス供給源157からのパージガスがパージガス供給管路158及び吹出管76を介してノズル体8の小径円筒状部8a内に導入されて、容器11の開口部21近傍にパージガスが供給されると同時に、容器11内における混合ガスの温度がグロープラグ71によって上昇される。
【0113】
グロープラグ71による混合ガスの温度上昇により、容器11内の混合ガスが発火すると、容器11の内部で火炎が急速に伝播するような燃焼・爆発が起こる。容器11の内部の気体は、燃焼によって引き起こされる温度上昇によって一気に膨張しようとする。閉鎖空間である容器11の内部の圧力は、急激に高まり、圧力に耐えきれなくなった封止体60が、粉々に破壊される。封止体60が破壊されると、蓋体12の噴射口部25から一気に高圧の気体が噴出することによって圧力が急激に開放される。圧力の急激な開放の結果、圧力波が発生する。発生した圧力波は、ノズル体8における小径円筒状部8a、逆截頭円錐筒状部8b及び大径円筒状部8cを介してボイラ1の排ガス流路2内に放出される(図1参照)。このようにして放出された圧力波による風圧、振動により、伝熱管4に付着したダストが剥離して除去される。
【0114】
容器11内の混合ガスの燃焼時には、ガス主塞止弁150が閉じた状態とされている。これにより、容器11内の混合ガスの燃焼時に、容器11内の圧力が主供給管路130を介して圧力計145に作用しようとしても、ガス主塞止弁150が閉じていることによって阻止されるので、ガス供給量制御に供する圧力計145を保護することができる。
【0115】
さらに、容器11内の混合ガスの燃焼時には、ガス排気弁156が開いた状態とされるので、容器11内の混合ガスの燃焼時に、主供給管路130を介して圧力計145に作用しようとする容器11内の圧力を、万一、ガス主塞止弁150が閉じることによっても阻止しきれなかった場合、当該圧力をガス排気管路155、排気管78及び接続ダクト7を介して外部(ボイラ1内)に開放することができ、圧力計145を確実に保護することができる。
【0116】
<ステップS44~S45>
制御装置160は、グロープラグ71への通電開始(S43)から所定時間経過後に、パージガス供給弁159に対し弁閉信号を送信する(S44~S45)。これにより、パージガス供給弁159が閉じられて、容器11の開口部21近傍へのパージガスの供給が停止される。これと同時に、グロープラグ71への通電を停止する(S44~S45)。
【0117】
<ステップS46~S49>
制御装置160は、ガス排気弁156に対し弁閉信号を送信する一方で、ガス主塞止弁150に対し弁開信号を送信する(S46~S47)。これにより、ガス排気弁156が閉じられる一方で、ガス主塞止弁150が開かれる。そして、制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が所定値(例えば、0.1MPa)未満であるか否かを判断し(S48)、所定値未満であれば着火工程を終了する(ステップS48において「YES」)。なお、容器11内の圧力が所定値以上である場合(ステップS48において「NO」)、制御装置160は、残圧異常である旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S49)。これにより、残圧異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、残圧異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0118】
[封止体供給工程]
図9は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施される封止体供給工程の手順を示すフローチャートである。
【0119】
<ステップS51>
図5に示す制御装置160は、圧力波を放出した後、次の圧力波放出の準備のため、方向制御弁82の弁位置を第二位置82bに切り換えるための信号を方向制御弁82の操作部に送信する(S51)。これにより、方向制御弁82の弁位置が第二位置82bに切り換えられる。
【0120】
方向制御弁82の弁位置が第二位置82bにある場合、駆動室90内の空気は、エア管路94、方向制御弁82、エア管路95及びサイレンサ96を介して排気される。そして、リターンスプリング91の付勢力により、ピストン体86が、図5において右側に移動され、増圧室92の作動油受入容積が増加する。そして、油圧シリンダ32に内蔵されたピストン復帰用の圧縮コイルばね(図示省略)の付勢力や、付勢手段33(図3参照)の付勢力の作用により、油圧シリンダ32内の作動油が油圧管路93を介して増圧室92へと送り込まれ、油圧シリンダ32が収縮する。これと同時に、図3に示すように、付勢手段33における圧縮コイルばね52の弾性反発力により、引張ロッド51が後方へと引っ張られ、容器側フランジ部22が蓋体12から離れるように後方へと移動される。これに伴い、容器11が管軸に沿って後方へと移動される。容器11は、ガイドローラ40を介して支持部材39に支持されているので、容器11の後方への移動がスムーズに行われる。
【0121】
容器側フランジ部22が後方へ移動されると、図3に示すように、容器側フランジ部22と封止体60の間に隙間が生じ、蓋体12と容器側フランジ部22との間に位置する封止体60が、容器側フランジ部22と蓋体12とによって挟持されない状態となる(以下、この状態を「封止体非挟持状態」と称する。)。
【0122】
<ステップS52>
図5に示す制御装置160は、方向制御弁113の弁位置を第二位置113bに切り換えるための信号を方向制御弁113の操作部に送信する(S52)。これにより、方向制御弁113の弁位置が第二位置113bに切り換えられる。方向制御弁113の弁位置が第二位置113bにある状態では、圧縮エアガス供給源121からの圧縮エアガスがエアシリンダ112のボトム側に供給されて、エアシリンダ112が伸長し、遮蔽板111が下降され、容器11の開口部21(蓋体12の噴射口部25)が遮蔽板111によって塞がれる。こうして、封止体60の破壊された部分に代えて、破壊されていない部分で容器11の開口部21(蓋体12の噴射口部25)を塞ぐように封止体60を供給する際に、ボイラ1側からノズル体8、噴射口部25及び開口部21を通って容器11内に侵入しようとするダスト等の異物を遮蔽板111によって遮って、容器11内へのダスト等の異物の侵入を防ぐようにされている。
【0123】
<ステップS53~S55>
制御装置160は、巻取りモータ66に対しモータ駆動信号を送信し、送り量検出手段68の検知結果に基づいて、封止体60の送り量を演算し、算出された送り量に基づいて、巻取りモータ66の回転を制御し、所定時間経過後に、巻取りモータ66に対しモータ駆動停止信号を送信する(S53~S55)。これにより、封止体非挟持状態において、封止体60を下方へと所定の送りピッチで送るように、巻取りモータ66が作動される。これにより、封止体60の破壊された部分(丸孔60b:図4(b)参照)に代えて、破壊されていない部分60a(図4(a)参照)で容器11の開口部21(蓋体12の噴射口部25)を塞ぐように、封止体60を位置させることができる。
【0124】
付着物除去装置10Aにおいては、封止体挟持状態として混合ガスを充填、発火する動作と、封止体非挟持状態として封止体60を送る動作とを交互に繰り返し実行可能である。これにより、圧力波を連続的に放出することが可能であり、伝熱管4の付着物を継続的に除去することができる。
【0125】
<ステップS56>
制御装置160は、方向制御弁113の弁位置を第一位置113aに切り換えるための信号を方向制御弁113の操作部に送信する(S56)。これにより、方向制御弁113の弁位置が第一位置113aに切り換えられる。方向制御弁113の弁位置が第一位置113aにある状態では、圧縮エアガス供給源121からの圧縮エアガスがエアシリンダ112のヘッド側に供給されて、エアシリンダ112が収縮し、遮蔽板111が上昇され、切換機構13の内部から遮蔽板111が退避される。
【0126】
<ステップS57>
制御装置160は、方向制御弁82の弁位置を第一位置82aに切り換えるための信号を方向制御弁82の操作部に送信する(S57)。これにより、方向制御弁82の弁位置が第一位置82aに切り換えられる。方向制御弁82が第一位置82aに切り換えられた場合、圧縮エアガス供給源100からの圧縮空気が駆動室90に供給される。これにより、ピストン体86は、図5において左側に移動されて、増圧室92内の作動油が、油圧シリンダ32に供給されて、油圧シリンダ32が伸長作動され、容器側フランジ部22が蓋体12に近づくように前方へと移動される。容器側フランジ部22が前方へ移動されると、蓋体12と容器側フランジ部22との間に位置する封止体60が、容器側フランジ部22と蓋体12とによって挟持される封止体挟持状態となり、封止体供給工程が完了する。
【0127】
[リークチェック工程(1)]
図10は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるリークチェック工程(1)の手順を示すフローチャートである。
【0128】
<ステップS62>
制御装置160は、リークチェック弁153に対し弁開信号を送信する(S62)。これにより、リークチェック弁153が開かれて、圧縮エアガス供給源137からリークチェック用の圧縮エアガスがリークチェックガスとしてリークチェックガス供給管路143を介して容器11に供給される。
【0129】
<ステップS63~S64>
制御装置160は、所定時間経過後に、リークチェック弁153に対し弁閉信号を送信する(S63~S64)。これにより、リークチェック弁153が閉じられる。このように、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つリークチェック弁153が閉じている状態では、リークチェックガス供給管路143におけるリークチェック弁153の上流側からの圧力はリークチェック弁153が閉じていることによって圧力計145に作用せずに、ガス主塞止弁150が開いていることによる容器11側からの圧力のみが圧力計145に作用することになり、容器11内の圧力を正確に計測することが可能な状態となる。
【0130】
<ステップS66>
制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.6MPa)以上であるか否かを判断する(S66)。容器11内の圧力が目標値以上である場合(ステップS66において「YES」)には、ステップS67へと進む。容器11内の圧力が目標値未満である場合(ステップS66において「NO」)には、ステップS69へと進む。
【0131】
<ステップS67~S68>
ステップS67において、制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が上限値(例えば、目標値(0.6MPa)の1.1倍の0.66MPa)以下であるか否かを判断する。容器11内の圧力が上限値以下である場合(ステップS67において「YES」)には、ステップS76(図11参照)へと進む。容器11内の圧力が上限値を超えている場合(ステップS67において「NO」)には、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S68)。これにより、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、容器11内の圧力が上限値を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0132】
<ステップS69~S75>
ステップS69において、制御装置160は、リークチェック用の圧縮エアガスを充填した回数(n)が、充填回数上限値(N)以下であるか否かを判断する(S69)。リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)以下の場合(ステップS69において「YES」)には、リークチェック用エアガス充填回数(n)を1カウントアップ(n+1→n)し(S70)、リークチェック弁153に対し弁開信号を送信し(S71)、所定時間経過後にリークチェック弁153に対し弁閉信号を送信し(S72~S73)、所定時間経過したらステップS66に戻って(S74)、容器11内の圧力が目標値(例えば、0.6MPa)以上であるか否かを判断する(S66)。なお、リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている場合(ステップS69において「NO」)には、リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S75)。これにより、リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)を超えている旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0133】
本実施形態では、リークチェック用エアガス充填回数(n)が充填回数上限値(N)の範囲内において、ステップS66での判断を基準に、ステップS69~S74の処理を繰り返し実行する。すなわち、ステップS66において、圧力計145の計測値が目標値以上でなければ、リークチェック供給弁153を開いて、リークチェック用エアガスを容器11に供給し、その後、リークチェック弁153を閉じて、圧力計145により圧力を計測し、このときの計測値が未だ目標値以上でなければ、リークチェック弁153を開いて、リークチェック用エアガスを容器11に供給するといった動作を繰り返す。これにより、ガス主塞止弁150が開いた状態で、且つリークチェック弁153が閉じている状態、すなわち容器11内の圧力のみが圧力計145に作用している状態の容器11内の実際の圧力値が目標値以上となる。
【0134】
容器11内の実際の圧力値が目標値以上(ステップS66において「YES」)で、且つ容器11内の実際の圧力値が上限値以下(ステップS67において「YES」)である場合、すなわち容器11内の実際の圧力値が目標値に近い値である場合には、ステップS76(図11参照)へと進む。
【0135】
[リークチェック工程(2)]
図11は、本発明の一実施形態に係るガス供給システムにおいて実施されるリークチェック工程(2)の手順を示すフローチャートである。
【0136】
<ステップS76~77>
図5に示す制御装置160は、ステップS67(図10参照)において、容器11内の実際の圧力値が上限値以下であると判断してから所定時間経過後に(ステップS76において「YES」)、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が下限値(例えば、目標値(0.6MPa)の0.9倍の0.54MPa)以上であるか否かを判断する。容器11内の圧力が下限値以上である場合(ステップS77において「YES」)には、ステップS78へと進む。容器11内の圧力が下限値未満である場合(ステップS77において「NO」)には、容器11内の圧力が下限値未満、言い換えれば容器11のガス漏れが有る旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S83)。これにより、容器11のガス漏れが有る旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、容器11のガス漏れが有る旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0137】
<ステップS78~81>
制御装置160は、ステップS77において、容器11内の実際の圧力値が下限値以上であると判断してから所定時間経過後に、ガス排気弁156に対し弁開信号を送信する(S78~S79)。これにより、ガス排気弁156が開かれる。制御装置160は、ガス排気弁156が開かれてから所定時間経過後に、ガス排気弁156に対し弁閉信号を送信する(S80~S81)。これにより、ガス排気弁156が閉じられる。
【0138】
<ステップS82>
制御装置160は、圧力計145の計測値に基づいて、容器11内の圧力が所定値(例えば、0.1MPa)未満であるか否かを判断する。容器11内の圧力が所定値未満である場合(ステップS82において「YES」)には、残圧異常なしとして、リークチェック工程を終了する。容器11内の圧力が所定値を超えている場合(ステップS82において「NO」)には、容器11内の残圧が異常である旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162にそれぞれ送信する(S84)。これにより、容器11内の残圧が異常である旨の異常を示す警報音が警報器161から発せられるとともに、容器11内の残圧が異常である旨の異常を示す画面や文字等が表示器162に表示される。
【0139】
リークチェック工程の実施により、封止体60で塞がれている容器11の開口部21(蓋体12の噴射口部25)からのガス漏れを、メタンガスや酸素ガスを無駄に用いることなく、安価な圧縮エアガスを用いて確実に検知することができる。
【0140】
以上、本発明のガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラムについて、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。具体的な別実施形態は以下のとおりである。
【0141】
〔切換機構の別実施形態〕
図12は、切換機構の別実施形態を示す図である。上記実施形態における切換機構13に代えて、図12(a)~(d)に示す切換機構を採用することができる。
【0142】
図12(a)に示す切換機構213は、ケーシング214と、トグルリンク215と、トグルリンク215を駆動するアクチュエータとしてのエアシリンダ216とを備えている。
【0143】
ケーシング214は、主フレーム部材35と、主フレーム部材35と蓋体12とを連結するように配設されるアクチュエータ支持部材217とを備えている。
【0144】
トグルリンク215は、容器側フランジ部22と主フレーム部材35との間に配設されている。トグルリンク215は、第一リンク221と第二リンク222とにより構成されている。第一リンク221の後端部は、主フレーム部材35に固着されたブラケットに第一連結ピン231を介して連結されている。第二リンク222の前端部は、容器側フランジ部22に固着されたブラケットに第二連結ピン232を介して連結されている。第一リンク221の前端部と第二リンク222の後端部とは、第三連結ピン233によって連結されている。
【0145】
エアシリンダ216のシリンダロッド先端部は、第三リンク223及び第三連結ピン233を介してトグルリンク215(第一リンク221及び第二リンク222)に連結されている。ここで、第三リンク223における第三連結ピン233が挿通される挿通孔223aは、小径円筒状部11aの管軸方向に長い長孔状に形成されている。このような挿通孔223aを設けることにより、エアシリンダ216の伸縮作動によってトグルリンク215が拡縮する際に、第三連結ピン233が小径円筒状部11aの管軸方向に移動するのを許容してエアシリンダ216にラジアル方向の力が作用するのを防ぎつつ、エアシリンダ216の伸縮力(推力)を第三リンク223、及び第三連結ピン233を介してトグルリンク215に確実に伝達することができる。なお、エアシリンダ216に代えて、油圧シリンダを用いてもよい。
【0146】
切換機構213において、エアシリンダ216が伸長作動すると、第三連結ピン233が小径円筒状部111aに近づくように押され、これに伴い第一連結ピン231と第二連結ピン232との相対距離が広がり、トグルリンク215が拡げられる。これにより、容器側フランジ部22が蓋体12に向かって近づくように容器11の全体が移動され、蓋体12と容器側フランジ部22との間に位置する封止体60が、蓋体12と容器側フランジ部22とによって挟持され、封止体挟持状態とされる。
【0147】
切換機構213において、エアシリンダ216が収縮作動すると、第三連結ピン233が小径円筒状部111aから離れるように引かれ、これに伴い第一連結ピン231と第二連結ピン232との相対距離が縮まり、トグルリンク215が縮められる。これにより、蓋体12から容器側フランジ部22が離れるように容器11の全体が移動され、封止体60が蓋体12と容器側フランジ部22とによって挟持されていない封止体非挟持状態とされる。
【0148】
図12(b)に示す切換機構313は、反力受け部材315、エアシリンダ316及び油圧ジャッキ317を備えている。
【0149】
反力受け部材315は、容器11を内包する骨組構造体からなり、蓋体12に固定されている。エアシリンダ316は、反力受け部材315に取り付けられている。エアシリンダ316と容器11とは、アーム部材318によって接続されている。油圧ジャッキ317は、容器11の端壁部20と反力受け部材315との間に介設されている。
【0150】
切換機構313においては、エアシリンダ316の伸長作動により、蓋体12から容器側フランジ部22が離れるように、容器11が蓋体12に対して相対移動される。これにより、封止体非挟持状態とされる。油圧ジャッキ317の伸長作動により、容器側フランジ部22が蓋体12へと近づくように、容器11が蓋体12に対して相対移動される。これにより、封止体挟持状態とされる。こうして、エアシリンダ316と油圧ジャッキ317との協働により、封止体挟持状態と封止体非挟持状態とが切り換えられる。なお、エアシリンダ316や油圧ジャッキ317等の流体アクチュエータに代えて、電動アクチュエータ(例えば、電動シリンダ等)を用いてもよい。
【0151】
図12(c)に示す切換機構413は、反力受け部材415、エアシリンダ416及び押付機構417を備えている。
【0152】
反力受け部材415は、容器11の端壁部20と対向する反力受け板部418と、蓋体12に固定されて反力受け板部418を支持する支持板部419とにより構成されている。エアシリンダ416は、反力受け板部418に取り付けられている。エアシリンダ416のシリンダロッドは、容器11の端壁部20に接続されている。押付機構417は、本体部420、爪部421、及び油圧作動部422を備えている。本体部420は、蓋体12における容器側フランジ部22と対向する部分に向かって延びるように蓋体12に形成されるT溝(図示省略)に摺動自在に装着されている。爪部421は、蓋体12と容器側フランジ部22とが封止体60を挟んだ状態にあるときの容器側フランジ部22の側部に対して押付状態と非押付状態とを切り換え可能に枢支軸423を介して本体部420に取り付けられている。油圧作動部422は、爪部421が前記押付状態とするための枢支軸423回りのトルクを爪部421に作用させる。
【0153】
切換機構413においては、蓋体12と容器側フランジ部22とが封止体60を挟んだ状態にあるときに、容器側フランジ部22に近づくように押付機構417が相対移動される。そして、油圧作動部422の作動によって爪部421が容器側フランジ部22を蓋体12へと押し付ける。これにより、封止体挟持状態とされる。一方、押付機構417における油圧作動部422が作動停止状態とされて爪部421が非押付状態とされた後に、容器側フランジ部22から離れるように押付機構417が相対移動される。これにより、封止体非挟持状態とされる。こうして、押付機構417の容器側フランジ部22への相対移動と、爪部421の容器側フランジ部22への押付状態と非押付状態との切り換えとの連携動作により、封止体挟持状態と封止体非挟持状態とを切り換えることができる。
【0154】
図12(d)に示す切換機構513は、蓋体12と容器側フランジ部22とを締結する締結具500を備えて構成されている。締結具500としては、例えば、蓋体12及び容器側フランジ部22を封止体60を避けて貫通するボルト501と、ボルト501に螺合するナット502とよりなるものが挙げられる。切換機構513においては、ボルト501及びナット502の締付操作により、封止体挟持状態とし、ボルト501及びナット502の締付解除操作により、封止体非挟持状態とすることができる。
【0155】
〔封止体供給機構の別実施形態〕
図13は、封止体供給機構の別実施形態を示す図である。上記実施形態における封止体供給機構15に代えて、図13(a)及び(b)に示す封止体供給機構615を採用することができる。
【0156】
図13(a)及び(b)に示す封止体供給機構615は、上記各実施形態における回収機構63に代えて、送り機構660を備えている。図13(a)及び(b)に示すように、送り機構660は、封止体60の両側部に対応して配設される一対のチャック機構661と、一対のチャック機構661を支持する取付ベース板662と、取付ベース板662を介して一対のチャック機構661を昇降する昇降機構663とを備えて構成されている。
【0157】
チャック機構661は、帯板状の封止体60の板厚方向に相対移動自在な一組の爪664を備え、封止体60の側部(図13(a)及び(b)における丸孔60bの両側の外郭余剰部60e)に対し一組の爪664を近づけるように相対移動させることで封止体60の側部を一組の爪664で挟んだり、封止体60の側部に対し一組の爪664を離すように相対移動させることで封止体60の側部を解放したりすることができるようになっている。
【0158】
昇降機構663は、エアシリンダ665と直動案内部材666とを組み合わせてなるものである。エアシリンダ665は、その本体部に対する圧縮空気の給排を切換制御することにより、上下方向にシリンダロッド665aが進退作動してエアシリンダ665全体が伸縮するように構成されている。
【0159】
エアシリンダ665のシリンダロッド665aの先端部は、取付ベース板662の中央部に接合されている。直動案内部材666は、エアシリンダ665の本体部の両側部に上下方向に出没自在に差し込まれる軸状部材からなるものである。直動案内部材666の先端部は、取付ベース板662における中央寄りの部位に接合されている。
【0160】
送り機構660においては、封止体非挟持状態にあるときに、一対のチャック機構661における一組の爪664で封止体60の両側部を挟むとともに、昇降機構663におけるエアシリンダ665の収縮作動で取付ベース板662を介して一対のチャック機構661を下降させると、封止体60が容器11の容器側フランジ部22に接触しながら下方へと送られる。その後、一対のチャック機構661における一組の爪664を離すように相対移動させることで封止体60の側部を解放するとともに、昇降機構663におけるエアシリンダ665の伸長作動で取付ベース板662を介して一対のチャック機構661を上昇させることにより、上述した封止体60の下方送り動作が実施可能な状態とすることができる。このように、一対のチャック機構661で封止体60の両側部を挟んで一対のチャック機構661を下降させる動作と、封止体60を解放した状態で一対のチャック機構661を上昇させる動作とを繰り返すことにより、封止体60を下方へと所定の送りピッチで順次送ることができる。
【0161】
〔ガス供給方法及びガス供給プログラムの別実施形態〕
[プラグ通電チェック工程]
図14は、プラグ通電チェック工程の手順を示すフローチャートを示し、(a)はメタンガス供給工程、酸素ガス供給工程、着火工程、及びリークチェック工程(1)と並行して実施する場合、(b)はリークチェック工程(2)の後の排気工程と並行して実施する場合である。
【0162】
図14(a)に示すように、例えば、メタンガス供給工程において、メタンガス供給メインプログラム(図6参照)における、例えば、ステップS1の処理を実行した後で、ステップS2の処理を実行する前に、プラグ通電チェックサブプログラムを呼び出し、メタンガス供給メインプログラムと並行してプラグ通電チェックサブプログラムを実行することにより、メタンガス供給工程と並行して、ステップS91~94に示すようなプラグ通電チェック工程を実施する態様もある。
【0163】
<ステップS91~94>
図14(a)のフローチャートに示すように、制御装置160(図5参照)は、グロープラグ71への通電を開始する(S91)。制御装置160は、電流計170によって計測されるグロープラグ71への通電電流値が所定値以上であるか否かを判断する(S92)。通電電流値が所定値以上である場合(ステップS92において「YES」)には、プラグ通電チェックサブプログラムを終了し、メタンガス供給メインプログラムの直列処理を実行する。一方、通電電流値が所定値未満で所定時間経過した場合(ステップS92において「NO」、且つステップS93において「YES」)、制御装置160は、断線等の不具合に起因する通電不良であると判断して、グロープラグ71への通電が不良である旨の異常警報を発する信号を警報器161及び表示器162(図5参照)にそれぞれ送信する(S94)。こうして、メタンガス供給工程と並行してプラグ通電チェック工程を実施することにより、別途、グロープラグ71の通電状態をチェックする時間を要することなく、グロープラグ71による着火工程の確実性に関する信頼性を高めることができる。なお、ステップS91において、グロープラグ71への通電時間は、グロープラグ71の加熱による容器11内のガス圧上昇を抑えるため、極力短く(例えば、0.5秒程度)するのが好ましい。
【0164】
なお、プラグ通電チェック工程を酸素ガス供給工程と並行して実施する場合、酸素供給メインプログラム(図7参照)における、例えば、ステップS22の処理を実行する前に、プラグ通電チェックサブプログラムを呼び出し、上述と同様の要領にてプラグ通電チェック工程を実施する(S91~94)。
【0165】
また、着火工程による爆発後に、爆発の影響によってグロープラグ71が損傷しておらず正常に作動するかを確認するため、ステップS45の処理を実行した後で、ステップS46の処理を実行する前に、プラグ通電チェックサブプログラムを呼び出し、上述と同様の要領にてプラグ通電チェック工程を実施する(S91~94)。
【0166】
さらに、図14(b)に示す例では、容器11の残圧異常の有無の判断(S82)の後、封止体非挟持状態として、容器11内のリークチェックガスを排気する排気工程を実施し(S85、S86)、この排気工程と並行して、プラグ通電チェックサブプログラムの実行により、プラグ通電チェック工程を上述と同様の要領にて実施する(S91~94)。
【0167】
上記ステップS91~S94に示すプラグ通電チェック工程は、メタンガス供給工程、酸素ガス供給工程、着火工程、リークチェック工程(1)、及びリークチェック工程(2)の後の排気工程の全ての工程と並行して実施してもよいし、これらの工程のうちから適宜に選択される工程と並行して実施してもよい。
【0168】
上記実施形態では、燃焼用ガス(メタンガス及び酸素ガスの混合ガス)に着火する電気的着火手段として、通電により燃焼用ガスの温度を上昇させて着火するグロープラグ71を用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、電気火花により燃焼用ガスに着火爆発を起こす点火プラグを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明のガス供給システム、ガス供給方法、及びガス供給プログラムは、容器内に供給された燃焼用ガスの燃焼によって容器内の圧力を高めることで発生させた圧力波を利用して対象物に付着した付着物を除去する付着物除去装置において、前記容器に燃焼用ガスを供給する用途において利用可能である。
【符号の説明】
【0170】
10A 付着物除去装置
11 容器
21 開口部
60 封止体
71 グロープラグ(電気的着火手段)
138 螺旋状配管(減圧手段)
141 メタンガス供給管路(燃焼用ガス供給管路)
142 酸素ガス供給管路(燃焼用ガス供給管路)
143 リークチェックガス供給管路(ガス漏れ検知手段)
145 圧力計(ガス漏れ検知手段)
150 ガス主塞止弁(下流側開閉弁)
151 メタンガス供給弁(上流側開閉弁)
152 酸素ガス供給弁(上流側開閉弁)
153 リークチェック弁(ガス漏れ検知手段)
155 ガス排気管路
156 ガス排気弁
158 パージガス供給管路
159 パージガス供給弁
160 制御装置(弁制御手段、ガス漏れ検知手段、通電チェック手段)
170 電流計(通電チェック手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14