(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073553
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】雨水排水口改修用部材、雨水排水口改修方法および改修雨水排水口構造
(51)【国際特許分類】
E04D 13/04 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
E04D13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183609
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000217365
【氏名又は名称】田島ルーフィング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】森 章太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの雨水排水口であって、改修後に回収する必要がなく、かつ、接着剤の硬化時間を考慮せずに、接着を達成することができる雨水排水口改修用部材を提供する。
【解決手段】雨水排水口改修用部材1は、筒状部2とフランジ部3とを有し、筒状部2は樹脂または金属からなる内層4と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層5とからなり、外層5の外径は改修ドレン部材17の筒状部17aの内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材1の筒状部2の内層は改修ドレン部材17の筒状部17aよりも硬く、雨水排水口改修用部材1の筒状部2を改修ドレン部材17の筒状部17aに嵌め込むことにより、改修ドレン部材17の筒状部17aを既存ドレン部材15の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を接着させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修用部材。
【請求項2】
発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーが0.02~2MPaの25%圧縮強度を有する、請求項1に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項3】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層の厚みが1~10mmである、請求項1または2に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項4】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層および第3のフランジ部が、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレンまたは金属からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項5】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層は、内層よりも筒状部の軸方向に長い、請求項1~4のいずれか1項に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項6】
雨水排水口改修用部材が目詰まり防止のためのストレーナー部をさらに有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項7】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修方法。
【請求項8】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層の厚みが1~10mmであり、外層の外径が改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも0.1~4mm大きい、請求項7に記載の雨水排水口改修方法。
【請求項9】
改修ドレン部材が軟質塩化ビニル樹脂からなる、請求項7または8に記載の雨水排水口改修方法。
【請求項10】
雨水排水口がドレンまたはオーバーフロー管の流入口である、請求項7~9のいずれか1項に記載の雨水排水口改修方法。
【請求項11】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第2の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能している、改修雨水排水口構造。
【請求項12】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修用部材。
【請求項13】
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部の外径は第5のフランジ部側から先細りとなっていくようにテーパーを有し、第5の筒状部の外径のテーパーの大きさは0超過5/100以下であり、改修ドレン部材の第4の筒状部の内径は第4のフランジ部側から先細りとなっていくようにテーパーを有し、第4の筒状部の内径のテーパーの大きさは0超過5/100以下である、請求項12に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項14】
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より0.1~0.5mm大きい、請求項12または13に記載の雨水排水口改修用部材。
【請求項15】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修方法。
【請求項16】
建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第4の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能している、改修雨水排水口構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は雨水排水口改修用部材、雨水排水口改修方法および改修雨水排水口構造に関する。より具体的には、本発明は建築物の屋上等に設けられた既存ドレンまたはオーバーフロー管等の雨水排水口の改修に用いられる雨水排水口改修用部材、それを用いた雨水排水口改修方法およびそれを用いて改修された改修雨水排水口構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋上等に防水シートが施された場合、雨水の排水口としてドレンやオーバーフロー管が設けられる。また、ドレンやオーバーフロー管にはしばしば、目詰まりを防止するためのストレーナーキャップが設けられている。
【0003】
防水シートは経年劣化するため、数年が経過した後に改修施工される。この際に既存の防水シートの上から新規に改修用の防水シートを敷設し、既存のドレンやオーバーフロー管は撤去した後に新品と交換する方法と、撤去せずにフランジ部と排水管を組合せるなどした改修用部材を上から挿入し、既存のドレンまたはオーバーフロー管とシーリング等により接合する方法がある。
【0004】
改修用部材を上から挿入する場合、排水口の内径を小さくすることによる排水性能の低下を軽減するため、改修用部材は排水管を設けずにフランジ部のみとした構造とし、既存のドレンまたはオーバーフロー管の排水管内周面からフランジ部にかけて改修用部材を接着する。
【0005】
既存のドレンまたはオーバーフロー管の排水管内周面に改修用部材を接着させるために、排水管内周面に接着剤を塗布し、改修用部材を挿入し、特殊な拡張冶具を用いて排水管内周面に改修用部材を圧着し続け、接着剤が硬化した後、拡張冶具を回収する方法がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の方法は、作業者が拡張冶具を用意する必要があり、拡張冶具を購入する費用が発生してしまう。また、最終的に拡張冶具を回収する必要があるため、接着剤が硬化するまで作業を完了することができず、これに工期が依存してしまう。さらに、接着剤の硬化にかかる時間は気温等の作業環境に左右されるため、圧着し続ける時間が不足すれば接着性が不十分となり、過剰となれば必要以上の工期を要してしまう。
そこで、本発明は、拡張冶具を回収する必要がなく、かつ、接着剤の硬化時間を考慮せずに、接着を達成することができる改修用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件第1発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させることを特徴とする。
【0009】
本件第2発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させることを特徴とする。
【0010】
本件第3発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第2の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能していることを特徴とする。
【0011】
本件第4発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させることを特徴とする。
【0012】
本件第5発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させることを特徴とする。
【0013】
本件第6発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第4の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能していることを特徴とする。
【0014】
本発明は、次の実施態様を含む。
[1]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修用部材。
[2]発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーが0.02~2MPaの25%圧縮強度を有する、[1]に記載の雨水排水口改修用部材。
[3]雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層の厚みが1~10mmである、[1]または[2]に記載の雨水排水口改修用部材。
[4]雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層および第3のフランジ部が、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレンまたは金属からなる、[1]~[3]のいずれかに記載の雨水排水口改修用部材。
[5]雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層は、内層よりも筒状部の軸方向に長い、[1]~[4]のいずれかに記載の雨水排水口改修用部材。
[6]雨水排水口改修用部材が目詰まり防止のためのストレーナー部をさらに有する、[1]~[5]のいずれかに記載の雨水排水口改修用部材。
【0015】
[7]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第2の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修方法。
[8]雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層の厚みが1~10mmであり、外層の外径が改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも0.1~4mm大きい、[7]に記載の雨水排水口改修方法。
[9]改修ドレン部材が軟質塩化ビニル樹脂からなる、[7]または[8]に記載の雨水排水口改修方法。
[10]雨水排水口がドレンまたはオーバーフロー管の流入口である、[7]~[9]のいずれかに記載の雨水排水口改修方法。
【0016】
[11]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第2の筒状部と第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第2の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第2の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第3の筒状部と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部とを有し、第3の筒状部は樹脂または金属からなる内層と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層とからなり、内層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも小さく、外層の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層は改修ドレン部材の第2の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第2の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能している、改修雨水排水口構造。
【0017】
[12]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材であって、
雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修用部材。
[13]雨水排水口改修用部材の第5の筒状部の外径は第5のフランジ部側から先細りとなっていくようにテーパーを有し、第5の筒状部の外径のテーパーの大きさは0超過5/100以下であり、改修ドレン部材の第4の筒状部の内径は第4フランジ部側から先細りとなっていくようにテーパーを有し、第4の筒状部の内径のテーパーの大きさは0超過5/100以下である、[12]に記載の雨水排水口改修用部材。
[14]雨水排水口改修用部材の第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より0.1~0.5mm大きい、[12]または[13]に記載の雨水排水口改修用部材。
【0018】
[15]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口を除いて改修防水シートを敷設し、第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面に接着剤を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部に改修ドレン部材の第4の筒状部を嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有する雨水排水口改修用部材を準備し、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部を改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接させ、既存ドレン部材と改修ドレン部材を接着させる、雨水排水口改修方法。
【0019】
[16]建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面に、雨水排水口を除いて既存防水シートが敷設され、雨水排水口に第1の筒状部と第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部とを有する既存ドレン部材が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口を除いて改修防水シートが敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部に第4の筒状部と第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部とを有する改修ドレン部材の第4の筒状部が嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部の内周面と改修ドレン部材の第4の筒状部の外周面とは接着剤を介して接合されている改修雨水排水口構造であって、
前記改修雨水排水口構造は、改修ドレン部材の第4の筒状部に嵌め込まれた雨水排水口改修用部材を含み、雨水排水口改修用部材は、第5の筒状部と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部とを有し、第5の筒状部は樹脂または金属からなり、第5の筒状部の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部の内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部は改修ドレン部材の第4の筒状部よりも硬く、雨水排水口改修用部材は改修ドレン部材の第4の筒状部を既存ドレン部材の第1の筒状部に圧接するように機能している、改修雨水排水口構造。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、改修用部材が挿入された状態を仕上りとすることができ、接着剤が硬化した後に改修用部材を回収する必要がないため、工期の短縮が可能となり、かつ、圧着時間の不足は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の雨水排水口改修用部材の平面図および断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の改修雨水排水口構造の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態の雨水排水口改修用部材の平面図および断面図である。
【
図4】
図4は、本発明のさらに別の実施形態の雨水排水口改修用部材を含む改修雨水排水口構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明するが、本発明は図面に示されたものに限定されない。
図1は本発明の雨水排水口改修用部材の平面図および断面図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)はI-I線断面図である。
図2は本発明の改修雨水排水口構造の断面図である。
【0023】
本発明の雨水排水口改修用部材1は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口13を除いて改修防水シート16を敷設し、第2の筒状部17aと第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部17bとを有する改修ドレン部材17を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部15aの内周面または改修ドレン部材の第2の筒状部17aの外周面に接着剤18を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部15aに改修ドレン部材の第2の筒状部17aを嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材1であって、
雨水排水口改修用部材1は、第3の筒状部2と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部3とを有し、第3の筒状部2は樹脂または金属からなる内層4と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層5とからなり、内層4の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部17aの内径よりも小さく、外層5の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部17aの内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層4は改修ドレン部材の第2の筒状部17aよりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を接着させることを特徴とする。
【0024】
外層5の外径が改修ドレン部材の第2の筒状部17aの内径よりも大きいことにより、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を効果的に接着させることができる。
【0025】
雨水排水口改修用部材1は、第3の筒状部2と第3のフランジ部3を有する。第3のフランジ部3は、第3の筒状部の一端外周に突設されている。第3の筒状部2は、内層4と外層5とからなる。内層4は樹脂または金属からなる。外層5は発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる。
第3の筒状部2の軸方向に垂直な断面の形状は、好ましくは円形である。第3のフランジ部3の形状は、好ましくは円形である。
【0026】
第3のフランジ部3を構成する材料は、好ましくは、樹脂または金属である。第3のフランジ部3を構成する材料は、内層4を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、内層4と第3のフランジ部3は、同一の材料で一体に成形されたものである。
内層4および第3のフランジ部3を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱硬化性樹脂でもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。内層4および第3のフランジ部3を構成する熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂(硬質塩化ビニル樹脂または軟質塩化ビニル樹脂)、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどが挙げられるが、好ましくは硬質塩化ビニル樹脂である。
内層4および第3のフランジ部3を構成する金属としては、アルミニウム、ステンレス鋼などが挙げられるが、好ましくはアルミニウムである。
【0027】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層4は改修ドレン部材の第2の筒状部17aよりも硬い。雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層4は改修ドレン部材の第2の筒状部17aよりも硬いことにより、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を効果的に接着させることができる。内層4および改修ドレン部材の第2の筒状部17aの硬さは、デュロメータにより測定する。内層4を構成する材料と改修ドレン部材の第2の筒状部17aを構成する材料の好ましい組み合わせは、内層4が硬質塩化ビニル樹脂で構成され、改修ドレン部材の第2の筒状部17aが軟質塩化ビニル樹脂で構成されるものである。
【0028】
外層5を構成する発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーは、好ましくは0.02~2MPaの25%圧縮強度を有し、より好ましくは0.02~0.3MPaの25%圧縮強度を有し、さらに好ましくは0.03~0.2MPaの25%圧縮強度を有する。この範囲の圧縮強度を有することにより、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を効果的に接着させることができる。
圧縮強度は、JIS Z 0235により測定する。
外層5を構成する発泡体としては、上記の圧縮強度を有する限り限定されないが、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡エチレンプロピレンジエンゴム(発泡EPDM)などが挙げられる。なかでも発泡ポリエチレンが好ましい。
外層5を構成するゴムとしては、上記の圧縮強度を有する限り限定されないが、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、ニトリルブタジエンゴムなどが挙げられる。なかでもEPDMが好ましい。
外層5を構成する熱可塑性エラストマーとしては、上記の圧縮強度を有する限り限定されないが、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。なかでも塩化ビニル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0029】
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層5の厚みは、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を接着させることができる限り限定されないが、好ましくは1~10mmであり、より好ましくは1~5mmであり、さらに好ましくは1~2mmである。
【0030】
外層5の外径は、改修ドレン部材の第2の筒状部の内径よりも大きい。外層5の外径と改修ドレン部材の第2の筒状部の内径との差は、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第2の筒状部17aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を接着させることができる限り限定されないが、外層5の外径は、改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径よりも、好ましくは0.1~4mm大きく、より好ましくは0.1~3mm大きく、さらに好ましくは0.1~2mm大きい。
外層5の外径は、改修ドレン部材の第2の筒状部の内径に依存するが、たとえば69~77mmであり、好ましくは69~76mmであり、より好ましくは69~75mmである。
【0031】
内層4の外径は改修ドレン部材の第2の筒状部17aの内径よりも小さい。内層4の外径が改修ドレン部材の第2の筒状部17aの内径よりも小さいので、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部2を改修ドレン部材の第2の筒状部17aに嵌め込むことができる。外層5の外径と改修ドレン部材の第2の筒状部の内径との差は、限定するものではないが、好ましくは0.1~4mmであり、より好ましくは0.1~3mmであり、さらに好ましくは0.1~2mmである。
内層4の外径は、改修ドレン部材の第2の筒状部の内径に依存するが、たとえば30~75mmであり、好ましくは60~73mmであり、より好ましくは68~73mmである。
内層4の厚みは、限定するものではないが、好ましくは0.5~3mmであり、より好ましくは0.5~2mmであり、さらに好ましくは1~2mmである。
【0032】
外層5と内層4の筒状部の軸方向の長さは、
図1(b)に示すように同一であってもよいし、
図3(b)に示すように異なっていてもよい。好ましくは、内層雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層5は、内層4よりも筒状部の軸方向に長い。内層雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層5が内層4よりも筒状部の軸方向に長いことにより、雨水排水口改修用部材の第3の筒状部を改修ドレン部材の第2の筒状部に嵌め込むのが容易になる。
【0033】
雨水排水口改修用部材の第3のフランジ部3の外径は、限定するものではないが、好ましくは77~100mmであり、より好ましくは80~90mmであり、さらに好ましくは80~85mmである。
【0034】
雨水排水口改修用部材1の製造方法は、限定するものではないが、次のようにして製造することができる。
雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の内層4および第3のフランジ部3を構成する材料を射出成形することにより、内層4および第3のフランジ部3を作製する。別途、発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる筒状物を公知の方法により作製する。雨水排水口改修用部材の第3の筒状部の外層5を
【0035】
改修ドレン部材17は、第2の筒状部17aと第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部17bとを有する。第2の筒状部17aおよび第2のフランジ部17bを構成する材料は、限定するものではないが、軟質塩化ビニル樹脂、EPDM、ウレタン樹脂などが挙げられ、なかでも軟質塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0036】
改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径は、好ましくは36~75mmであり、より好ましくは69~73mmであり、さらに好ましくは69~70mmである。
改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの外径は、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内径よりも小さく、好ましくは40~79mmであり、より好ましくは73~74mmであり、さらに好ましくは73~74mmである。
改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの厚みは、好ましくは0.5~3mmであり、より好ましくは0.5~2mmであり、さらに好ましくは1~2mmである。
改修ドレン部材17の第2のフランジ部17bの外径は、好ましくは140~280mmであり、より好ましくは200~250mmであり、さらに好ましくは220~250mmである。
【0037】
既存ドレン部材15は、既知のものを使用することができる。既存ドレン部材15は、第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する。第1の筒状部15aおよび第1のフランジ部15bを構成する材料は、限定するものではないが、硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、金属などが挙げられ、なかでも軟質塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0038】
既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内径は、好ましくは40~78mmであり、より好ましくは51~78mであり、さらに好ましくは76~78mmである。
既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの外径は、好ましくは48~90mmであり、より好ましくは60~90mmであり、さらに好ましくは89~90mmである。
既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの厚みは、好ましくは1~6mmであり、より好ましくは1~3mmであり、さらに好ましくは1~2mmである。
既存ドレン部材15の第1のフランジ部15bの外径は、好ましくは140~280mmであり、より好ましくは200~250mmであり、さらに好ましくは220~250mmである。
【0039】
既存防水シート14および改修防水シート16は、既知のものを使用することができ、限定するものではないが、軟質塩化ビニル樹脂シート、加硫ゴムシートなどを例示することができる。なかでも軟質塩化ビニル樹脂シートが好ましい。
【0040】
既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内周面または改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの外周面には、接着剤が塗布される。接着剤としては、限定するものではないが、塩ビ配管用接着剤、変性シリコーンなどが挙げられ、なかでも塩ビ配管用接着剤が好ましい。
【0041】
雨水排水口13は、好ましくはドレンまたはオーバーフロー管の流入口である。
【0042】
図3は、本発明の雨水排水口改修用部材の別の実施形態の平面図および断面図であり、
図3(a)は平面図、
図3(b)はII-II線断面図である。
図3の雨水排水口改修用部材1は、目詰まり防止のためのストレーナー部6を有する。
図3の雨水排水口改修用部材は、目詰まり防止のためのストレーナー部6を有する点以外は、
図1の雨水排水口改修用部材と同じである。
ストレーナー部6の形状等は、目詰まり防止機能を有する限り、限定されない。
ストレーナー部6は、第3のフランジ部3または第3の筒状部2に、取り外し不能に取り付けられていてもよいし、取り外し可能に取り付けられていてもよい。
ストレーナー部6を構成する材料は、限定するものではないが、好ましくは、熱可塑性樹脂または金属である。熱可塑性樹脂としては、硬質塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどが挙げられるが、好ましくは硬質塩化ビニル樹脂である。金属としては、ステンレス鋼、アルミニウムなどが挙げられるが、好ましくはアルミニウムである。ストレーナー部6を構成する材料は、第3のフランジ部3または第3の筒状部2を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
好ましくは、
図3に示すように、ストレーナー部6は、第3のフランジ部3および第3の筒状部2と一体に成形されたものである。
雨水排水口改修用部材にストレーナー機能を設けることで、既存のストレーナーキャップの代替品とすることができるため、特許文献1の方法に必要な特殊な拡張冶具のような費用が発生しない。
【0043】
本件第2発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口13を除いて改修防水シート16を敷設し、第2の筒状部17aと第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部17bとを有する改修ドレン部材17を準備し、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内周面または改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの外周面に接着剤18を塗布し、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aに改修ドレン部材17の第2の筒状部17aを嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第3の筒状部2と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部3とを有する雨水排水口改修用部材1を準備し、雨水排水口改修用部材1の第3の筒状部2を改修ドレン部材17の第2の筒状部17aに嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材1の第3の筒状部2は樹脂または金属からなる内層4と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層5とからなり、内層4の外径は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径よりも小さく、外層5の外径は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材1の第3の筒状部2の内層4は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aよりも硬く、
雨水排水口改修用部材1の第3の筒状部2を改修ドレン部材17の第2の筒状部17aに嵌め込むことにより、改修ドレン部材17の第2の筒状部17aを既存ドレン部材15の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材17を接着させることを特徴とする。
【0044】
本件第3発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口13を除いて改修防水シート16が敷設され、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aに第2の筒状部17aと第2の筒状部の一端外周に突設された第2のフランジ部17bとを有する改修ドレン部材17の第2の筒状部17aが嵌め込まれ、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内周面と改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの外周面とは接着剤18を介して接合されている改修雨水排水口構造11であって、
前記改修雨水排水口構造11は、改修ドレン部材17の第2の筒状部17aに嵌め込まれた雨水排水口改修用部材1を含み、雨水排水口改修用部材1は、第3の筒状部2と第3の筒状部の一端外周に突設された第3のフランジ部3とを有し、第3の筒状部2は樹脂または金属からなる内層4と発泡体、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる外層5とからなり、内層4の外径は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径よりも小さく、外層5の外径は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aの内径よりも大きく、雨水排水口改修用部材1の第3の筒状部2の内層4は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aよりも硬く、雨水排水口改修用部材1は改修ドレン部材17の第2の筒状部17aを既存ドレン部材15の第1の筒状部15aに圧接するように機能していることを特徴とする。
【0045】
図2に、本発明の改修雨水排水口構造の一例を示す。
図2中、19は排水管である。
【0046】
図4は、本発明のさらに別の実施形態の雨水排水口改修用部材22を含む改修雨水排水口構造21の断面図である。
本件第4発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口13を除いて改修防水シート16を敷設し、第4の筒状部25aと第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部25bとを有する改修ドレン部材25を準備し、既存ドレン部材15の第1の筒状部15aの内周面または改修ドレン部材25の第4の筒状部25aの外周面に接着剤18を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部15aに改修ドレン部材の第4の筒状部25aを嵌め込むことによる雨水排水口改修方法に用いる雨水排水口改修用部材22であって、
雨水排水口改修用部材22は、第5の筒状部23と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部24とを有し、第5の筒状部23は樹脂または金属からなり、第5の筒状部23の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23は改修ドレン部材の第4の筒状部25aよりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23を改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部25aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材25を接着させることを特徴とする。
第5の筒状部23の外径が改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径より大きいことにより、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23を改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込んだときに、改修ドレン部材の第4の筒状部25aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材25を接着させることができる。
【0047】
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23の外径は、好ましくは、第5のフランジ部24側から先細りとなっていくようにテーパーを有する。第5の筒状部23の外径のテーパーの大きさは、好ましくは0超過5/100以下であり、より好ましくは1/100~4/100であり、さらに好ましくは1/100~2/100である。
なお、第5の筒状部23の外径のテーパーの大きさとは、第5の筒状部23の第5のフランジ部24側の端の外径D1と第5の筒状部23の第5のフランジ部24側とは反対側の端の外径D2との差を第5の筒状部23の軸方向長さL1で割った値をいう。
改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径は、好ましくは、第4のフランジ部25b側から先細りとなっていくようにテーパーを有する。第4の筒状部25aの内径のテーパーの大きさは、好ましくは0超過5/100以下であり、より好ましくは1/100~4/100であり、さらに好ましくは1/100~2/100である。
なお、第4の筒状部25aの内径のテーパーの大きさとは、第4の筒状部25aの第4のフランジ部25b側の端の外径D3と第4の筒状部25aの第4のフランジ部25b側とは反対側の端の外径D4との差を第5の筒状部23の軸方向長さL2で割った値をいう。
テーパーは、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23と改修ドレン部材の第4の筒状部25aの両方につけてもよいし、いずれか一方につけてもよい。
第5の筒状部23および/または第4の筒状部25aがテーパーを有することにより、雨水排水口改修用部材を第4の筒状部25aに引っかかることなく確実に嵌め込むことができる。
【0048】
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23の外径は、改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径より、好ましくは0.1~0.5mm大きく、より好ましくは0.2~0.4mm大きく、さらに好ましくは0.2~0.3mm大きい。
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23の外径または改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径がテーパーを有するときは、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23の外径と改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径との差は、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23を改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込んだときに対応する位置における差をいうものとする。
【0049】
本件第4発明の雨水排水口改修用部材22は、第5の筒状部23が外層を有しない点、第5の筒状部23または第4の筒状部25aがテーパーを有する点、および雨水排水口改修用部材の筒状部の外径と改修ドレン部材の筒状部の内径との差以外は、本件第1発明の雨水排水口改修用部材1と同じである。
【0050】
本件第5発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造において、雨水排水口13を除いて改修防水シート16を敷設し、第4の筒状部25aと第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部25bとを有する改修ドレン部材25を準備し、既存ドレン部材の第1の筒状部15aの内周面または改修ドレン部材の第4の筒状部25aの外周面に接着剤18を塗布し、既存ドレン部材の第1の筒状部15aに改修ドレン部材の第4の筒状部25aを嵌め込むことによる雨水排水口改修方法であって、
前記雨水排水口改修方法は、第5の筒状部23と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部24とを有する雨水排水口改修用部材22を準備し、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23を改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込むことを含み、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23は樹脂または金属からなり、第5の筒状部23の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23は改修ドレン部材の第4の筒状部25aよりも硬く、
雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23を改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込むことにより、改修ドレン部材の第4の筒状部25aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接させ、既存ドレン部材15と改修ドレン部材25を接着させることを特徴とする。
【0051】
本件第5発明の雨水排水口改修方法は、第5の筒状部23が外層を有しない点、第5の筒状部23または第4の筒状部25aがテーパーを有する点、および雨水排水口改修用部材の筒状部の外径と改修ドレン部材の筒状部の内径との差以外は、本件第2発明の雨水排水口改修方法と同じである。
【0052】
本件第6発明は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面12に、雨水排水口13を除いて既存防水シート14が敷設され、雨水排水口13に第1の筒状部15aと第1の筒状部の一端外周に突設された第1のフランジ部15bとを有する既存ドレン部材15が設けられた既存シート防水構造に、雨水排水口13を除いて改修防水シート16が敷設され、既存ドレン部材の第1の筒状部15aに第4の筒状部25aと第4の筒状部の一端外周に突設された第4のフランジ部25bとを有する改修ドレン部材25の第4の筒状部25aが嵌め込まれ、既存ドレン部材の第1の筒状部15aの内周面と改修ドレン部材の第4の筒状部25aの外周面とは接着剤18を介して接合されている改修雨水排水口構造21であって、
前記改修雨水排水口構造21は、改修ドレン部材の第4の筒状部25aに嵌め込まれた雨水排水口改修用部材22を含み、雨水排水口改修用部材22は、第5の筒状部23と第5の筒状部の一端外周に突設された第5のフランジ部24とを有し、第5の筒状部23は樹脂または金属からなり、第5の筒状部23の外径は改修ドレン部材の第4の筒状部25aの内径より大きく、雨水排水口改修用部材の第5の筒状部23は改修ドレン部材の第4の筒状部25aよりも硬く、雨水排水口改修用部材22は改修ドレン部材の第4の筒状部25aを既存ドレン部材の第1の筒状部15aに圧接するように機能していることを特徴とする。
【0053】
本件第6発明の改修雨水排水口構造21は、第5の筒状部23が外層を有しない点、第5の筒状部23または第4の筒状部25aがテーパーを有する点、および雨水排水口改修用部材の筒状部の外径と改修ドレン部材の筒状部の内径との差以外は、本件第3発明の改修雨水排水口構造11と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の雨水排水口改修用部材は、建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーに設けられた雨水排水口の改修に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 雨水排水口改修用部材
2 第3の筒状部
3 第3のフランジ部
4 内層
5 外層
6 ストレーナー部
11 改修雨水排水口構造
12 建築物の屋上、ベランダまたはバルコニーの表面
13 雨水排水口
14 既存防水シート
15 既存ドレン部材
15a 第1の筒状部
15b 第1のフランジ部
16 改修防水シート
17 改修ドレン部材
17a 第2の筒状部
17b 第2のフランジ部
18 接着剤
19 排水管
21 改修雨水排水口構造
22 雨水排水口改修用部材
23 第5の筒状部
24 第5のフランジ部
25 改修ドレン部材
25a 第4の筒状部
25b 第4のフランジ部