(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073588
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】浴槽洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183663
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
(57)【要約】
【課題】熱源機から導入される湯の温度が所定温度以上であった場合、たとえ注湯弁が開故障していても、洗浄ノズルから異常な高温の湯が噴射されることを防止できる浴槽洗浄システムを提供する。
【解決手段】浴槽洗浄システム1は、熱源機4で加熱した湯を洗浄ノズル21へ導く給湯路60を開閉させる注湯弁32と、注湯弁を開弁させて洗浄ノズルから湯を噴射させて浴槽洗浄運転を制御する制御装置5と、給湯路内の湯の温度を検出する温度検出手段51と、下流端が給湯路に接続されて給水源から供給される水を給湯路に流入させる注水路70と、注水路を開閉させる注水弁71と、報知手段とを備える。制御装置は、浴槽洗浄運転の実行中に、温度検出手段が所定温度以上の湯の温度を検出した場合、注湯弁を閉弁させて浴槽洗浄運転の実行を停止し、報知手段によって異常を報知させ、注水弁を開弁させて給湯路内に水を流入させるように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機で加熱した湯を浴槽に設けられた洗浄ノズルへ導く給湯路と、給湯路を開閉させる注湯弁と、注湯弁を開弁させて洗浄ノズルから湯を噴射させて浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行するように制御する制御装置とを備える浴槽洗浄システムであって、
給湯路内を流れる湯の温度を検出する温度検出手段と、
下流端が給湯路に接続され、給水源から供給される水を給湯路に流入させる注水路と、
注水路を開閉させる注水弁と、
異常を報知する報知手段とを備え、
前記制御装置は、浴槽洗浄運転の実行中に、温度検出手段が所定温度以上の湯の温度を検出した場合、前記注湯弁を閉弁させて浴槽洗浄運転の実行を停止するともに、前記報知手段によって異常を報知させるように制御し、更に、前記注水弁を開弁させて給湯路内に給水源から供給される水を流入させるように制御する構成を備える浴槽洗浄システム。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽洗浄システムにおいて、
前記注湯弁が開故障していることを判断する開故障判断手段を更に備え、
前記制御装置は、浴槽洗浄運転の実行中に、温度検出手段が所定温度以上の湯の温度を検出した場合、前記開故障判断手段が注湯弁の開故障を判断した場合にのみ前記注水弁を開弁させるように制御する構成とする浴槽洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機で加熱した湯を洗浄ノズルから浴槽に噴射させる浴槽洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽洗浄システムは、熱源機で加熱した湯を洗浄ノズルへ導く給湯路に注湯弁が設けられ、注湯弁を開弁させて洗浄ノズルから湯を浴槽に噴射させて浴槽洗浄運転を実行する。従来の浴槽洗浄装置において、浴槽洗浄運転の予備洗浄を開始したとき、熱源機から供給される湯の温度を検出して、異常に高温となっていた場合は浴槽洗浄運転の実行を緊急停止させている(特許文献1の段落0043)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の浴槽洗浄装置において、湯の温度が異常な高温の場合に浴槽洗浄運転の実行を緊急停止するため給湯路の注湯弁を閉弁させる必要があるが、注湯弁が開故障した際には、洗浄ノズルからの湯の噴射を停止できないため、洗浄ノズルから高温の湯が噴射されてしまう不具合を防止できなかった。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、熱源機から導入される湯の温度が所定温度以上であった場合、たとえ注湯弁が開故障していても、洗浄ノズルから異常な高温の湯が噴射されることを防止できる浴槽洗浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る浴槽洗浄システムは、
熱源機で加熱した湯を浴槽に設けられた洗浄ノズルへ導く給湯路と、給湯路を開閉させる注湯弁と、注湯弁を開弁させて洗浄ノズルから湯を噴射させて浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行するように制御する制御装置とを備える浴槽洗浄システムであって、
給湯路内を流れる湯の温度を検出する温度検出手段と、
下流端が給湯路に接続され、給水源から供給される水を給湯路に流入させる注水路と、
注水路を開閉させる注水弁と、
異常を報知する報知手段とを備え、
前記制御装置は、浴槽洗浄運転の実行中に、温度検出手段が所定温度以上の湯の温度を検出した場合、前記注湯弁を閉弁させて浴槽洗浄運転の実行を停止するともに、前記報知手段によって異常を報知させるように制御し、更に、前記注水弁を開弁させて給湯路内に給水源から供給される水を流入させるように制御する構成を備えるものである。
【0007】
前記構成により、温度検出手段が給湯路内の湯の温度が所定温度以上であることを検出した場合には、注湯弁を閉弁制御して浴槽洗浄運転の実行を停止させ、使用者に対して異常を報知し、更に、注水弁を開弁させて給湯路内に水を流入させるようにする。従って、給湯路内の湯の温度が異常な高温であった場合には、たとえ注湯弁が開故障して給湯路を閉止できない場合であっても、給湯路内の湯に水が混合されるため、洗浄ノズルから所定温度以上の高温の湯が噴射されることを防止できる。この場合、何らかの理由でこの湯が使用者にかかっても、使用者に対して高温の湯に起因する不快感を与えてしまうことを防止できる。
【0008】
前記浴槽洗浄システムにおいて、
前記注湯弁が開故障していることを判断する開故障判断手段を更に備え、
前記制御装置は、浴槽洗浄運転の実行中に、温度検出手段が所定温度以上の湯の温度を検出した場合、前記開故障判断手段が注湯弁の開故障を判断した場合にのみ前記注水弁を開弁させるように制御する構成とすることができる。
【0009】
これにより、注湯弁が開故障して、洗浄ノズルから所定温度以上の湯が噴射されるおそれのある場合にのみ注水弁を開弁させて水を混合させるため、不要な注水弁開弁動作がなくなり、注水弁の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態による浴槽洗浄システムの全体構成を示す模式図である。
【
図3】浴槽洗浄運転の工程を説明するためのフローチャートである。
【
図4】異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態の浴槽洗浄システム1は、洗浄ユニット3、制御ユニット5、洗浄リモコン53等を備えている。また、実施形態の浴槽洗浄システム1は、熱源機となる給湯器4が接続されているが、熱源機としては給湯器4に限らず、貯湯式温水器等でもよい。
【0012】
浴槽2には、底壁に湯又は洗浄水を噴射する洗浄ノズル21と、自動開閉式の排水栓22とが設置されている。浴槽2の側壁には、湯の供給口等となる循環アダプタ23が設置されている。浴槽2の上面側のフランジ壁には、排水栓22の開閉駆動部24と、洗剤タンク25とが設置されている。
【0013】
洗浄ユニット3は、給湯器4の出湯管42から引き出された給湯導入管6(給湯路60)が接続され、給湯器4で加熱した湯が導入される。給湯導入管6には、給湯器4の給水管43から引き出された注水管7(注水路70)の下流端が接続されている。注水管7には、注水弁71が設けられ、注水弁71を開弁することで水道等の給水源から供給される水が給水管43から引き出した注水管7を通して給湯導入管6内に流入される。これにより、給湯導入管6から洗浄ユニット3に導入される湯の温度が所定温度(例えば、50℃)以上の異常な高温であった場合、注水弁71を開弁して給湯導入管6内に水を流入させることで給湯導入管6から導入される湯を低温の湯にすることができる。
【0014】
給湯器4は、本体内にバーナ及び熱交換器(図示せず)を備え、ガス供給管41から供給される燃料ガスをバーナで燃焼させて熱交換器で給水管43から供給される水を加熱して出湯管42により出湯する給湯運転、浴槽2の循環アダプタ23に接続する風呂往き管44及び風呂戻り管45を介して熱交換器で加熱した湯を浴槽2に所定量供給する湯はり運転、浴槽2の湯を風呂往き管44及び風呂戻り管45を介して循環させながら熱交換器で加熱する追焚き運転等を実行する。
【0015】
また、給湯器4は、給湯器4の動作を制御するための制御部46を備えている。この制御部46により、給湯運転、湯はり運転、追焚き運転等の動作を制御する。制御部46には、給湯器4を遠隔操作するための台所リモコン47及び浴室リモコン48が通信線により接続されている。台所リモコン47には、給湯運転を可能とする運転スイッチ、湯はり運転の実行を指示する自動スイッチ等が設けられている。浴室リモコン48には、給湯運転を可能とする運転スイッチ、湯はり運転の実行を指示する自動スイッチ、追焚き運転の実行を指示する追焚きスイッチ等が設けられている。
【0016】
図2に示すように、洗浄ユニット3は、本体ケース30内に、給湯配管61と洗剤配管27とが配設されている。給湯配管61は、上流端に給湯導入管6が接続され、下流端に洗浄管62が接続されている。洗浄管62は、下流端に洗浄ノズル21が接続され、洗浄ノズル21に湯や洗浄水を供給する。洗剤配管27は、上流端に洗剤タンク25から引き出された洗剤管26が接続され、下流端が給湯配管61に接続されている。洗剤配管27と給湯配管61との合流部にはベンチュリ36が設けられている。洗剤配管27には、洗剤弁35が配設され、洗剤弁35が開弁されると洗剤タンク25内の洗剤原液が給湯配管61内の湯と混合される。ここで、給湯導入管6、給湯配管61及び洗浄管62は、熱源機となる給湯器4で加熱した湯を洗浄ノズル21へ導く給湯路60を構成する。
【0017】
また、給湯配管61には、上流側から、流量調整弁31、注湯弁32、逆止弁33、逃し弁34がこの順に設けられている。逃し弁34には排水管37が接続されている。流量調整弁31には洗浄サーミスタ51が配設され、流量調整弁31と注湯弁32との間の給湯配管61には流量センサ52が配設されている。洗浄サーミスタ51は、給湯配管61内を流れる湯の温度を検出する温度検出手段となり、湯の温度が所定温度(例えば、50℃)以上の異常な高温となっているかを検出する。流量センサ52は、給湯配管61内を流れる湯の流量を検出する流量検出手段である。この流量センサ52は、注湯弁32の開故障を判断するための開故障判断手段となる。すなわち、注湯弁32に閉弁動作の指示を行ったにもかかわらず、流量センサ52で検出する湯の流量が所定流量(例えば、0.2L/min)以上である場合は、注湯弁32が開故障しているため、給湯配管61を閉止できないと判断することができる。
【0018】
制御ユニット5は、浴槽洗浄システム1に電力を供給するとともに浴槽洗浄システム1の動作を制御する。再び
図1を参照して、制御ユニット5には、浴槽洗浄システム1を遠隔操作するための洗浄リモコン53が通信線により接続されている。洗浄リモコン53には、浴槽洗浄運転の実行を指示する洗浄スイッチ、浴槽洗浄後に湯はりを行う洗浄湯はり運転の実行を指示する洗浄・湯はりスイッチ等が設けられている。
【0019】
また、洗浄リモコン53は、使用者に対して異常を報知する報知手段(図示せず)を有する。報知手段は、スピーカによる音声アナウンスやブザー、表示器によるエラー表示等で異常報知する構成とすることができる。異常報知は、例えば、浴槽洗浄運転の実行中に給湯器4から導入される湯の温度が所定温度以上の異常な高温であった場合に行われる。
【0020】
また、制御ユニット5は、注水管7の注水弁71と電気的に接続され、注水弁71をON(開弁)/OFF(閉弁)制御する。本実施形態では、電磁弁で構成する注水弁71にリレー72を接続して、制御ユニット5とリレー72とを接点信号線で結線することにより、リレー72が制御ユニット5から接点ONの接点信号を受信すると注水弁71を開弁させる構成とする。これにより、制御ユニット5の通信規格によらず簡易な構成で注水弁71の開閉制御を実現できる。なお、本発明は、このようなリレー72を用いて接点信号により注水弁71の開閉制御を行う構成に限らず、リレー72を設けず、制御ユニット5と注水弁71とを制御信号線で接続して、制御ユニット5からの制御信号により注水弁71を開閉制御する構成であってもよい。
【0021】
また、制御ユニット5は、給湯器4の台所リモコン47と接点信号線で接続されており、例えば、給湯器4の湯はり運転実行時に台所リモコン47から制御ユニット5に対して接点ONの接点信号を送信し、制御ユニット5から排水栓22の開閉駆動部24に対して排水栓22の閉栓を指示させ、排水栓22を閉栓状態とすることができる。これにより、制御ユニット5とは通信規格が異なる他社製の台所リモコン47であっても、台所リモコン47と制御ユニット5との間での接点信号によって給湯器4と連動した浴槽洗浄システム1を実現することができる。なお、制御ユニット5と台所リモコン47とが共通の通信規格である場合は、通信線で制御ユニット5と台所リモコン47とを通信可能に接続することで、制御ユニット5は、浴槽洗浄システム1での通信規格による制御信号によって給湯器4と連動した運転を行うことができる。
【0022】
次に、浴槽洗浄システム1において、浴槽洗浄運転の工程を説明する。
図3に示すように、浴槽洗浄運転は、排水工程、予備洗浄工程、洗浄工程、すすぎ工程の各工程がこの順に行われる。
【0023】
洗浄リモコン53のスイッチ操作により制御ユニット5が浴槽洗浄運転の実行開始を指示すると、まず、浴槽2の排水栓22を開栓状態にし、所定の排水待機時間の経過を待って浴槽2内の浴槽水を排水する排水工程(ステップS1)を行う。
【0024】
排水工程終了後、注湯弁32を開弁して給湯器4で加熱した湯を導入して洗浄管62を通して洗浄ノズル21から浴槽2の内壁に湯を噴射する予備洗浄工程(ステップS2)を行う。この洗浄ノズル21からの湯の噴射を所定の予備洗浄時間行った後、注湯弁32を閉弁して洗浄ノズル21からの湯の噴射を停止して予備洗浄工程を終了する。
【0025】
予備洗浄工程終了後、注湯弁32と洗剤弁35とを開弁して給湯配管61内の湯に洗剤タンク25内の洗剤原液を混入させた洗浄水を洗浄管62を通して洗浄ノズル21から浴槽2の内壁に噴射する洗浄工程(ステップS3)を行う。洗浄ノズル21からの洗浄水の噴射を所定の洗浄時間行った後、注湯弁32及び洗剤弁35を閉弁して洗浄水の噴射を停止して洗浄工程を終了する。なお、洗浄工程は、洗浄水を噴射する噴射動作と、この噴射停止後に所定時間の経過を待つ待機動作とを1サイクルとして、このサイクルを複数回行うようにしてもよい。
【0026】
洗浄工程終了後、注湯弁32を開弁して給湯器4で加熱した湯を導入して洗浄管62を通して洗浄ノズル21から浴槽2の内壁に湯を噴射するすすぎ工程(ステップS4)を行う。この洗浄ノズル21からの湯の噴射を所定のすすぎ時間行った後、注湯弁32を閉弁して洗浄ノズル21からの湯の噴射を停止してすすぎ工程を終了する。このすすぎ工程の終了をもって浴槽洗浄運転の完了となる。
【0027】
本実施形態の浴槽洗浄システム1は、前記浴槽洗浄運転の実行中に異常に高温の湯が洗浄ノズル21から噴射されることがないように異常検出処理を行っている。この異常検出処理の動作について、以下に説明する。
【0028】
図4に示すように、浴槽洗浄運転が実行され、予備洗浄工程に入ると浴槽洗浄運転が終了するまで、制御ユニット5は、洗浄サーミスタ(温度検出手段)51の検出値tにより、給湯配管61内を流れる湯の温度が所定温度T(例えば、50℃)より高くなっていないか監視(ステップS11)する。洗浄サーミスタ51が検出する湯の温度(t)が所定温度(T)を超える異常な高温になっていた場合(ステップS11で「YES」)、制御ユニット5は、注湯弁32を閉弁させるように制御(ステップS12)し、浴槽洗浄運転の実行を停止(ステップS13)させる。また、制御ユニット5は、洗浄リモコン53に有する報知手段によって高温異常エラーの報知(ステップS14)を行うように制御して、使用者には給湯配管61内の湯が高温になっていることを知らせる。
【0029】
そして、制御ユニット5は、注湯弁32を閉弁させる動作の制御を行った後、流量センサ52の検出値qにより、給湯配管61内の湯の流量が所定流量Q(例えば、0.2L/min)以上になっていないか確認(ステップS15)する。流量センサ52が検出する湯の流量(q)が所定流量(Q)未満になっていた場合(ステップS15で「NO」)、注湯弁32が正常に閉弁動作して、給湯配管61が閉止されて湯の流れが止められたと判断(ステップS16)でき、これにて異常検出処理の動作を終了する。この場合、洗浄ノズル21に湯を導入する給湯配管61が閉止されたことで洗浄ノズル21からの湯の噴射が停止するので、洗浄ノズル21から高温の湯が噴射されることはない。
【0030】
一方、流量センサ52が検出する湯の流量(q)が所定流量(Q)以上であった場合(ステップS15で「YES」)、注湯弁32が閉弁せず開故障を起こしていると判断(ステップS17)する。この場合、制御ユニット5は、リレー72に対して、注水管7の注水弁71を開弁させるための注水弁開信号(接点信号ON)を出力(ステップS18)して、注水弁71を開弁させるように制御する。これにより、給水源の水が注水管7を介して給湯導入管6内に流入されるため、給湯導入管6内を流れる高温の湯に水を混合して、給湯配管61に導入する湯を低温の湯とすることができる。従って、注湯弁32が開故障して給湯配管61を閉止できない場合であっても、給湯配管61及び洗浄管62を通して洗浄ノズル21から所定温度(T)以上の高温の湯が噴射されることを防止できる。この場合、何らかの理由でこの湯が使用者にかかっても、使用者に対して高温の湯に起因する不快感を与えてしまうことを防止できる。なお、注湯弁32が開故障していると判断した場合、洗浄リモコン53等の報知手段により注湯弁32の開故障報知を行うようにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、注湯弁32が開故障して洗浄ノズル21から所定温度以上の湯が噴射されるおそれのある場合にのみ注水弁71を開弁させるため、不必要な注水弁71の開弁動作がなくなり、注水弁71の耐久性が向上する。
【0032】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で様々な変更を施すことが可能である。
【0033】
例えば、異常検出処理の動作において、給湯配管61内を流れる湯の温度(t)が所定温度(T)よりも高くなっていた場合は、給湯配管61内の湯の流量(q)を検出することなく(
図4のステップS15~S17を省略する。)、注水弁71を開弁して注水管7から給湯導入管6内に水を流入させるようにしてもよい。この場合、給湯配管61内の湯の流量を検出する流量センサ52及び制御ユニット5での注湯弁開故障判断の構成を設けなくてもよく、構成を簡素にしつつ、注湯弁32の開故障時であっても洗浄ノズル21から高温の湯が噴射されることを防止できる。
【0034】
注水管7は、実施形態では、注湯弁32より上流位置の給湯導入管6(給湯路60)に接続するが、注湯弁32より下流位置の洗浄管62(給湯路60)に接続する構成としてもよい。この場合でも、前記実施形態と同様に、異常検出処理において、注湯弁32の開故障を検出した場合は、洗浄ノズル21からは低温の湯が噴射され、高温の湯が噴射されないようにすることができ、注湯弁32が正常に閉弁した場合は、注水弁71が開弁されることはなく、洗浄ノズル21からの噴射が停止される。
【0035】
異常検出処理において、注湯弁32の開故障を検出した場合(
図4のステップS17)、制御ユニット5は、注湯弁32の開弁指示及び閉弁指示を何回か行うようにしてもよい。その結果、流量センサ52の検出値qが所定流量Q以下となった場合は、注湯弁32の開故障が解消して正常に閉弁したと判断してもよい。この場合、注水管7において開弁した注水弁71を閉弁させるようにすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 浴槽洗浄システム
2 浴槽
3 洗浄ユニット
4 給湯器(熱源機)
5 制御ユニット
6 給湯導入管
7 注水管
21 洗浄ノズル
22 排水栓
23 循環アダプタ
24 開閉駆動部
25 洗剤タンク
26 洗剤管
27 洗剤配管
31 流量調整弁
32 注湯弁
33 逆止弁
34 逃し弁
35 洗剤弁
36 ベンチュリ
37 排水管
41 ガス供給管
42 給水管
43 出湯管
44 風呂往き管
45 風呂戻り管
46 制御部
47 台所リモコン
51 洗浄サーミスタ(温度検出手段)
52 流量センサ(開故障判断手段)
53 洗浄リモコン
60 給湯路
61 給湯配管
62 洗浄管
70 注水路
71 注水弁
72 リレー