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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073594
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】スイッチ装置および操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/00 20060101AFI20220510BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
H01H23/00 A
B60R16/02 630A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183671
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 元哉
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035AA18
5G035CA05
5G035DA10
5G035DA17
(57)【要約】
【課題】省スペースのスイッチ装置および操作装置を提供することにある。
【解決手段】温度設定あるいは風量設定を行うスイッチ装置であって、操作者が操作を行うノブ10と、ノブ10を揺動可能に支持する筐体20と、ノブ10の複数段階の揺動操作を検出する操作検出部40と、操作検出部40からの信号により、複数段階の揺動操作に対応した設定を行う制御部60と、を備える。また、温度設定あるいは風量設定を行う複数のスイッチ装置を搭載した操作装置であって、スイッチ装置1を搭載している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度設定あるいは風量設定を行うスイッチ装置であって、
操作者が操作を行うノブと、
前記ノブを揺動可能に支持する筐体と、
前記ノブの複数段階の揺動操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部からの信号により、前記複数段階の揺動操作に対応した設定を行う制御部と、
を備えるスイッチ装置。
【請求項2】
前記ノブは、揺動されていない中立状態から2つの方向に揺動し、
前記操作検出部が検出する前記複数段階の揺動操作は、前記2つの方向でそれぞれ2段であり、
一方の方向へは、1段目が前記設定の値を所定値上げる設定を行い、2段目が前記設定の値を最大値にする設定を行い、
他方の方向へは、1段目が前記設定の値を所定値下げる設定を行い、2段目が前記設定の値を最小値にする設定を行う、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
操作者が操作時に節度感を得るための節度部と、前記節度部に付勢力を与える弾性を有した弾性体とを備える、
請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
温度設定あるいは風量設定を行う複数のスイッチ装置を搭載した操作装置であって、
前記複数のスイッチ装置の少なくともひとつは、請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置である、操作装置。
【請求項5】
前記複数のスイッチ装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置を複数搭載した、
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記複数のスイッチ装置は、室内空気調整用と座席調整用の請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置を含む、
請求項4又は5に記載の操作装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置は、その近傍に設定状態を表示する表示部を備える、
請求項4から6のいずれか一項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者が所定項目の設定を操作するスイッチ装置および操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両内における温度、風量及び風向の設定に関する温度項目、風量項目、及び風向項目を操作する操作装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
この操作装置は、エアコン設定(設定温度、風量及び風向など)に関する操作を行う部位を備える。
【0004】
操作装置は、ユニットの下部に設けられており、回転操作スイッチ(方向スイッチ)と、押しボタンとで構成されている。回転操作スイッチは、中央への押圧操作、左右への押圧操作、及び、回転操作を可能としたスイッチである。押しボタンは、押圧操作を受け付けるスイッチである。これらの押しボタンのうち、第1~第3押しボタンが回転操作スイッチの左側に配置され、第4~第6押しボタンが回転操作スイッチの右側に配置されている。
【0005】
この回転操作スイッチの中央に対して押圧操作が行われた場合、その旨の信号が制御部に入力され、制御部は、エアコン機器がオート設定されたと判断する。これにより制御部は、予め設定される設定温度となるような最適条件を算出し、この条件に応じてエアコン機器を制御する。また、回転操作スイッチの左右に対して押圧操作が行われた場合、その旨の信号が制御部に入力され、制御部は、選択中の選択項目から隣合う他の選択項目に変更する操作があったと判断する。また、回転操作スイッチが回転操作された場合、その旨の信号が制御部に入力され、制御部は、回転方向と回転量に応じた制御を行う。
【0006】
第1押しボタンは、エアコン機器の冷房除湿機能をオンオフするためのボタンであり、第2押しボタンは、花粉除去機能をオンオフするためのボタンであり、第3押しボタンは、送付を停止するためのボタンである。また、第4押しボタンは、フロントガラスの曇り取り機能をオンオフするためのボタンであり、第5押しボタンは、リアガラスの曇り取り機能をオンオフするためのボタンであり、第6押しボタンは、外機導入と内気循環とを切り替えるためのボタンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-81315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す操作装置では、各操作項目にそれぞれ別体のスイッチが設けられ、広い配置面積を要するという問題があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、省スペースのスイッチ装置および操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]上記目的を達成するため、温度設定あるいは風量設定を行うスイッチ装置であって、操作者が操作を行うノブと、ノブを揺動可能に支持する筐体と、ノブの複数段階の揺動操作を検出する操作検出部と、操作検出部からの信号により、複数段階の揺動操作に対応した設定を行う制御部と、を備えるスイッチ装置を提供する。
【0011】
[2]また、温度設定あるいは風量設定を行う複数のスイッチ装置を搭載した操作装置であって、複数のスイッチ装置の少なくともひとつは、上記[1]記載のスイッチ装置である、操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の操作装置によれば、省スペースのスイッチ装置および操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を車両のインパネに搭載した場合の運転席付近を示す概略斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を用いた操作装置の概略正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の概略構造図である。
図4】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の構成ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置のプログラムのフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を1段目に揺動したときの断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を2段目に揺動したときの断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置のノブのF-S(Force-Stroke)特性図である。
図9】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を用いた第2の操作装置の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を用いた操作装置が車両に搭載された場合の運転席付近を示す概略斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を用いた操作装置の概略正面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の概略構造図であり、図3(a)は図2のA-A断面図、図3(b)は、図2のB-B断面図である。図4は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の構成ブロック図である。図5は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置のプログラムのフローチャートである。
【0015】
スイッチ装置1は、車両100に操作装置の少なくともひとつのスイッチ装置として搭載され、制御対象とする機器への操作を受け付けるスイッチ装置として機能することができ、種々の機器へ適用できる。
【0016】
(スイッチ装置1を用いた操作装置110)
図1に示すように、車両100は、インストルメントパネルに、車両室内の空気状態調整を行う操作装置110と表示装置150を搭載している。
【0017】
図2に示すように、操作装置110は、中央部に3つのトグル式スイッチを備え、その左側に2つのプッシュ式スイッチを備え、また、その右側に4つのプッシュ式スイッチを備える。
【0018】
中央部の3つのトグル式スイッチは、左から、風向調整スイッチ112、風量調整スイッチ113、温度調整スイッチ114である。左側の2つのプッシュ式スイッチは、上段がAUTO(オート)スイッチ121、下段がA/C(エアコンディショナ)スイッチ122である。右側の4つのプッシュボタン式スイッチは、上段の左から、前窓デフロスタースイッチ123、後窓デフロスタースイッチ124、下段の左から、内外気切り替えスイッチ125、後部座席送風切り替えスイッチ126である。
【0019】
表示装置150は3つの表示部を備える。3つの表示部は、操作装置110の中央部の3つのトグル式スイッチの上段の位置に横並びに配置され、それぞれ、横並びのトグル式スイッチに対応した制御対象の調整状態を表示する。すなわち、表示装置150の表示部は、左から、風向調整設定表示部152、風量調整設定表示部153、温度調整設定表示部154である。
【0020】
左側の2つのプッシュ式スイッチ121、122と右側の4つのプッシュ式スイッチ123~126には、各々のスイッチの機能を表す文字又は図形のアイコン(シンボル)が表示されている。また、設定状態を示す表示ランプを備える。
【0021】
なお、スイッチ121~126は、プッシュ式スイッチに代えて、静電容量式のタッチ式スイッチであっても構わない。また、スイッチ121~126の設定状態は、表示装置150に表示されるものであっても構わない。
【0022】
本発明の実施の形態のスイッチ装置は、操作装置110のスイッチうち、トグル式スイッチの風量調整スイッチ113と温度調整スイッチ114が該当する。次に、風量調整スイッチ113をスイッチ装置1として、本発明の実施の形態のスイッチ装置1について説明する。
【0023】
(スイッチ装置1の概略全体構成)
図3に示すように、スイッチ装置1は、筐体20に収容され、揺動可能に支持されたノブ10を備えている。ノブ10は、節度部13と弾性体30による節度機構を備えている。また、スイッチ装置1は、本体50に支持された4つの操作検出部40(40A、40B、40C、40D)と、回路基板65に搭載された制御部60を備えている。また、図4に示すように、スイッチ装置1において、4つの操作検出部40(40A、40B、40C、40D)は、制御部60と接続されている。そして、制御部60は、送風駆動部や表示回路部と接続されている。
【0024】
(ノブ10)
ノブ10は、合成樹脂製であり、図3に示すように、ノブ10は、基台部11と操作部12と節度部13と揺動伝達部14で構成されている。
【0025】
基台部11は、略半円柱状であり、操作部12と節度部13と揺動伝達部14の基台である。操作部12は、基台部11から板状に突出した形状であり、操作者によるノブ10の揺動操作を容易にする。
【0026】
節度部13は、基台部11の操作部12が設けられていない側、つまり、ノブ10の操作者側に露出しない側の面に形成された、傾斜の異なる2つの凹状の円錐面である。そして、これらによる節度山13a、13bが形成されている。節度部13は、A-A断面上とB-B断面上の2か所に形成されている。節度部13は、後述の弾性体30とともに節度機構を構成するものである。
【0027】
揺動伝達部14は、ノブ10の基台部11の操作者に露出しない側に突出している突出部である。操作者がノブ10の揺動操作をすると、揺動伝達部14が操作検出部40を押すことによって、揺動操作が検出される。そして、揺動伝達部14は、4か所に形成されている。すなわち、A-A断面上とB-B断面上に、それぞれ2か所、節度部13を挟む位置に形成されている。ここで、A-A断面上とB-B断面上の揺動伝達部14は、突出度合が異なり、A-A断面上の揺動伝達部14aは、B-B断面上の揺動伝達部14bより大きく突出している。
【0028】
(筐体20)
筐体20は、合成樹脂製であり、スイッチ装置1を収納する。筐体20は、上面21がノブ10の周囲の枠部となり、基台部11の一部と操作部12が操作者側に露出するようにノブ10を収容し、ノブ10を揺動可能に支持する。
【0029】
ノブ10の揺動の回転中心は、図3に示すように、弾性体30上にある。なお、図3は、ノブ10の揺動操作を行っていない、中立状態のノブ10を示してある。スイッチ装置1はモーメンタリスイッチであり、後述する節度機構により、ノブ10は中立状態で安定な状態となり、外力が加わらないときは、ノブ10は中立状態の位置に定まる。
【0030】
(弾性体30)
弾性体30は、樹脂製の節度用プッシャ31と、銅合金などの金属製のばね32で構成されている。節度用プッシャ31は、略円柱形状であり、一方の側の先端部が半球状で、ばね32に挿入される他方の側の先端部が平面状である。弾性体30は、ノブ10の節度山13a、13bとの組み合わせで、ノブ10の操作時の操作感を生じさせる弾性部材である。なお、節度用プッシャ31は金属製であっても構わない。
【0031】
(操作検出部40)
操作検出部40は、樹脂製の接点用プッシャ41とゴムやシリコーン製のラバースイッチ42で構成されている。操作検出部40は、操作者によるノブ10の揺動操作を検出し、オン/オフ信号を出力するスイッチである。なお、スイッチ装置1には、4つの操作検出部40(40A、40B、40C、40D)が用いられるが、これらは同じ仕様である。
【0032】
接点用プッシャ41は、ラバースイッチ42側にフランジが形成された円柱形状である。ラバースイッチ42は、ドーム部42a、42b、42cと、スカート部42dと、取り付け部42eで構成されている。ドーム部の下部42bはゴムやシリコーンの塊であるが、ドーム部の上部42aは中空状の筒形状である。また、ドーム部の下部42bには下面42cに導電性部材を有している。スカート部42dは、ドーム部42a、42bの端部から引き出されている裾部であり、取り付け部42eと繋がっている。取り付け部42eは、回路基板65に搭載される部位である。
【0033】
ラバースイッチ42は、ノブ10操作の際、接点用プッシャ41からの力を受け、スカート部42dなどが弾性変形する。そして、ドーム部の下部42bの下面42cが回路基板65に接して、所定の回路を導通させることで、オン/オフ信号を出力する。
【0034】
ラバースイッチ42は、ノブ10の操作がなくなると、接点用プッシャ41からの力が加わらなくなり、元の形状に戻る。このラバースイッチ42の復元力によって、接点用プッシャ41は元の位置に戻る。
【0035】
なお、操作検出部40は、引き上げ操作量、押し下げ操作量に対応してアナログ出力、デジタル出力を出力する検出センサであってもよい。
【0036】
(本体50)
本体50は、合成樹脂製であり、2つの弾性体30を収納保持する穴52、および、4つの操作検出部40を収納保持する貫通孔53を備えた形状とされている。
【0037】
そして、図3に示すように、本体50の穴52は、弾性体30を収納保持し、節度用プッシャ31がノブ10の節度山13a、13b側で、ばね32が本体50の穴52の底部側として、ノブ10の下部に弾性体30を配置している。この際、弾性体30は、自然長より短い状態で、ノブ10の節度山13a、13bと本体50の穴52の底部の間に配置されている。つまり、節度山13a、13bへばね32による付勢力が与えられる状態である。
【0038】
また、本体50の貫通孔53は、操作検出部40を収納保持し、ノブ10の揺動伝達部14と回路基板65の間に操作検出部40を配置している。ノブ10が中立状態のとき、A-A断面上の揺動伝達部14aは、接点用プッシャ41と接している。一方、B-B断面上の揺動伝達部14bは、接点用プッシャ41との間に隙間があり、接していない。
【0039】
(制御部60)
制御部60は、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータを備える。また、スイッチ装置1の送風機を駆動するための電流ドライバ等を備えることができる。
【0040】
図4のように、制御部60には、4つの操作検出部40(40A、40B、40C、40D)によるノブ10の操作の信号S、S、S、Sが入力される。制御部60は、これらの入力信号のオン/オフに基づき、所定のプログラムに従って、車両のスイッチ装置1の設定を行なう。そして、制御部60は、送風駆動部へ信号S10を出力し、表示回路部へ信号S11を出力する。
【0041】
車両のスイッチ装置1は、風量0の「OFF」設定から、風量7の「MAX」設定まで合計8段階の風量の設定が可能である。そして、ノブ10の操作の信号に基づき、図5に示すフローチャートに従った風量設定がなされる。
【0042】
(Step01~Step07)
Step01において、制御部60は、信号Sがオンの場合は(Step01:Yes)、Step02へ進み、信号Sがオンでない場合は(Step01:No)、Step11へ進む。Step02において、制御部60は、信号Sがオンの場合は(Step02:Yes)、Step03へ進み、信号Sがオンでない場合は(Step02:No)、Step05へ進む。
【0043】
Step03において、制御部60は、信号Sと信号Sがオフの場合は(Step03:Yes)、Step04へ進み、スイッチ装置1の設定を「MAX」設定とする。制御部60は、信号Sと信号Sがオフでない場合は(Step03:No)、Step07へ進み、「エラー」であると判定する。Step05において、制御部60は、信号Sと信号Sがオフの場合は(Step05:Yes)、Step06へ進み、スイッチ装置1の設定を「1ステップ上げる」設定とする。制御部60は、信号Sと信号Sがオフでない場合は(Step05:No)、Step07へ進み、「エラー」であると判定する。
【0044】
(Step11~Step17)
Step11において、制御部60は、信号Sがオンの場合は(Step11:Yes)、Step12へ進み、信号Sがオンでない場合は(Step11:No)、Step01へ進む。Step12において、制御部60は、信号Sがオンの場合は(Step12:Yes)、Step13へ進み、信号Sがオンでない場合は(Step12:No)、Step15へ進む。
【0045】
Step13において、制御部60は、信号Sと信号Sがオフの場合は(Step13:Yes)、Step14へ進み、スイッチ装置1の設定を「OFF」設定とする。制御部60は、信号Sと信号Sがオフでない場合は(Step13:No)、Step17へ進み、「エラー」であると判定する。Step15において、制御部60は、信号Sと信号Sがオフの場合は(Step15:Yes)、Step16へ進み、スイッチ装置1の設定を「1ステップ上げる」設定とする。制御部60は、信号Sと信号Sがオフでない場合は(Step15:No)、Step17へ進み、「エラー」であると判定する。
【0046】
上記一連の動作により、スイッチ装置1の動作は終了するが、上記の動作は必要に応じて繰り返して実行することが可能である。
【0047】
(スイッチ装置1の動作)
図6は実施の形態に係るスイッチ装置を1段目に揺動したときの断面図であり、図6(a)は、図2のA-A断面図であり、図6(b)は、図2のB-B断面図である。図7は、実施の形態に係るスイッチ装置を2段目に揺動したときの断面図であり、図7(a)は、図2のA-A断面図であり、図7(b)は、図2のB-B断面図である。図8は、実施の形態に係るスイッチ装置のノブのF-S(Force-Stroke)特性図である。
【0048】
図3に示すノブ10の中立状態から、操作者がノブ10を引き上げる操作を行うと、ノブ10は時計回りに揺動する。また、ノブ10の中立状態から、操作者がノブ10を押し下げると、ノブ10は反時計回りに揺動する。この際、制御部60は、ノブ10の揺動角度に応じた操作検出部40の信号が入力される。また、操作者はノブ10の揺動角度に応じた節度感を得る。
【0049】
中立状態から、ノブ10を時計回りに揺動角度θに操作した図6に示す1段目の状態では、操作検出部40Aの信号Sはオンであるが、操作検出部40Bの信号Sはオフである。すなわち、図6(a)のA-A断面に示すように、操作検出部40Aのラバースイッチ42の下面42cは回路基板65と接している状態であるが、図6(b)のB-B断面に示すように、操作検出部40Bのラバースイッチ42の下面42cは回路基板65と接していない状態である。
【0050】
そして、信号Sはオンで信号Sはオフであるため、制御部60は、スイッチ装置1の設定を「1ステップ上げる」設定とする。例えば、操作前に風量3の設定であれば、風量4の設定とする。
【0051】
中立状態から、ノブ10を揺動角度θより、時計回りに、さらに大きな角度へ揺動し、ノブ10を揺動角度θに操作した図7に示す2段目の状態では、操作検出部40Aの信号Sと操作検出部40Bの信号Sは共にオンである。すなわち、図7(a)のA-A断面に示すように、操作検出部40Aのラバースイッチ42の下面42cは回路基板65と接している状態であり、図7(b)のB-B断面に示すように、操作検出部40Bのラバースイッチ42の下面42cは回路基板65と接している状態である。
【0052】
そして、信号Sと信号Sはともにオンであるため、制御部60は、スイッチ装置1の設定を「MAX」設定とする。この場合、操作前にどの風量設定であったとしても、風量7の「MAX」の設定とする。
【0053】
ノブ10を反時計回りに揺動した場合も同様であり、角度θに操作した1段目の状態では、操作検出部40Cの信号Sはオンであるが、操作検出部40Dの信号Sはオフである。そして、制御部60は、スイッチ装置1の設定を「1ステップ下げる」設定とする。例えば、操作前に風量4の設定であれば、風量3の設定とする。
【0054】
また、ノブ10を戻りの力の谷間が生じる揺動角度θから、時計回りに、さらに大きな角度へ揺動し、ノブ10を揺動角度θに操作した2段目の状態では、操作検出部40Cの信号Sと操作検出部40Dの信号Sは共にオンである。そして、制御部60は、スイッチ装置1の設定を「OFF」設定とする。この場合、操作前にどの風量設定であったとしても、風量0の「OFF」の設定とする。
【0055】
操作者がノブ10の引き上げや押し下げの揺動操作を行うと、操作者は図8に示すような節度感を得る。図8の横軸はノブ10の揺動角度[°]であり、縦軸は節度機構によって生じる操作力[N]である。操作者が得る節度感、すなわち、操作力は、ノブ10の中立状態から、ノブ10の揺動角度が大きくになるにつれて大きくなる傾向にある。但し、弾性体30が節度山13bに位置する揺動角度θでは、操作力の谷間が生じる。なお、ノブ10の揺動角度を大きくするときと、ノブ10の揺動角度を小さくするときとでは、操作力は、若干の差が生じる。
【0056】
(実施の形態の効果)
(1)本実施の形態に係るスイッチ装置は、2段階のスイッチにより、ひとつずつ値を変える設定と、最小値あるいは最大値とする設定の機能をひとつのスイッチ装置に備えている。また、従来、独立したスイッチとして設けられていた、「OFF」の設定スイッチを省くことができる。そして、これらのそれぞれによって、省スペースのスイッチ装置および操作装置とすることができる。
(2)どの風量設定からでも、最小値あるいは最大値とする設定を1回の操作ででき、操作性を向上させることができる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
【0058】
本発明の実施の形態のスイッチ装置1について、風量調整スイッチ113を例として説明したが、温度調整スイッチ114としても同様の効果がある。さらに、風量調整スイッチ113では、例えば、合計8段階の風量の設定があるとしたが、これに対し、温度調整スイッチ114は、18.0℃から30.0℃の範囲で、0.5℃間隔の設定があるとすると、合計25段階の温度の設定となる。この10段階以上の設定数の場合のように、設定数が多い場合、一度の操作で最小値や最大値の設定ができることは、操作性の向上により効果的である。
【0059】
また、揺動角度θの2段目の設定は、最小値や最大値の設定ではなく、所定間隔(数段階飛ばし)の設定などとしてもよい。また、2段階のスイッチに限らず、例えば、3段階のスイッチとして、ステップ設定と、最小値や最大値の設定、および、これらの中間に、所定間隔での設定が行えるものとしてもよい。さらに、3段階より多いスイッチ機能としても構わない。
【0060】
また、上下2段のスイッチに対応して、4つの操作検出部を備えたものとして説明したが、2段の操作を検出する操作検出部として、2つの操作検出部を備えたものとしてもよい。ただし、単純な構成の操作検出部を4つ備える方が望ましい。
【0061】
また、節度機構は、例えば、揺動角度θとθのそれぞれに、操作力の谷間が生じるものとして、揺動角度θとθのそれぞれで設定感覚を得ることができるものとしてもよい。また、ノブ10に節度部を設けた例を示したが、これに限らない。例えば、本体側に節度機構を設けてもよい。なお、節度機構は必須ではなく省いても構わない。
【0062】
[実施の形態を用いた第2の操作装置]
図9は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を用いた第2の操作装置の概略正面図である。以下の説明において、実施の形態と同一の構成および機能を有する部分については同一の引用数字を付している。
【0063】
この第2の操作装置110は、実施の形態で説明した操作装置が室内の風量調整用のスイッチ装置1と温度調整用のスイッチ装置2を搭載していたのに対し、さらに、座席用の温度調整用のスイッチ装置3を搭載していることにおいて実施の形態と相違している。以下、この相違点について重点的に説明する。
【0064】
第2の操作装置110は、中央部に4つのトグル式スイッチを備える。4つのトグル式スイッチは横一列に配列され、操作部12が連続に横一列に配置されている。中央部の4つのトグル式スイッチは、左から、座席用の温度調整用のスイッチ111、風向調整スイッチ112、風量調整スイッチ113、室温用の温度調整スイッチ114である。また、表示装置150は4つの表示部を備える。表示装置150の表示部は、左から、座席用の設定表示部151、風向調整設定表示部152、風量調整設定表示部153、室温用の温度調整設定表示部154である。
【0065】
スイッチ装置3の座席用の温度調整用のスイッチ111は、室内の風量調整用のスイッチ装置1と温度調整用のスイッチ装置2と同様、上下に2段階の設定が可能である。スイッチ装置3は、「OFF」、ヒーター温度「Lo」、ヒーター温度「Hi」、ヒーター温度「Hi」&「送風」の合計4つの設定が可能である。そして、スイッチ装置1の1段目の操作によって、ひとつずつ設定を変えることができ、2段目の操作によって、一度の操作で、最小値の「OFF」、あるいは、最大値のヒーター温度「Hi」&「送風」の設定とすることができる。例えば、車両始動時の「OFF」(最小値)の設定から、一度の操作で最大値の設定とすることができる。
【0066】
スイッチ装置3の座席用の温度調整用のスイッチ111は、それ自体と車両室内用の空気調整スイッチの小型化により、限られたパネルスペースへの搭載ができる。そして、座席用の温度調整用のスイッチが、座席およびその周辺など、車両室内用の空気調整スイッチとは別な場所に配置されているものに比べ、温度調整として同機能のスイッチを同一パネルに集約配置することで、スイッチの位置を認識しやすくなり、操作性が向上する。また、一度の操作で、最小値から最大値の設定とすることができるなど、操作が向上する。さらに、座席用の設定表示部が、室内用の空気調整用の設定表示部と同一パネルに配置されることによって、操作性の向上と設定状態の認識性が向上する。
【0067】
以上説明した実施の形態では、座席ヒーターの温度設定と送風のスイッチ装置を備えた操作装置を示したが、これに限るものではない。例えば、座席ヒーターの風量設定をさらに備えた操作装置としても構わないし、座席毎のスイッチ装置を備えた操作装置としてもよい。
【0068】
以上、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1、2、3…スイッチ装置、10…ノブ、11…基台部、12…操作部、13…節度部、13a、13b…節度山、14…揺動伝達部、20…筐体、、21…上面、22…底面、23…支持部、30…弾性体、31…プッシャ、32…ばね、40…操作検出部、41…プッシャ、42…ラバースイッチ、42a42b42c…ドーム部、42d…スカート部、42e…取り付け部、50…本体、52…穴、53…貫通孔、60…制御部、65…回路基板、100…車両、110…操作装置、150…表示装置、S、S、S、S…操作信号、S10、S11…制御信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9