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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073628
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】仕切り装置、収納什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 57/58 20060101AFI20220510BHJP
   A47B 96/02 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A47B57/58 D
A47B96/02 D
A47B96/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183744
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(57)【要約】
【課題】コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置する仕切り装置、収納什器を提供する。
【解決手段】仕切り装置2Aは、前部杆体3と、後部杆体4Aと、仕切板5と、を備え、前部杆体3は、什器本体10のうち物品載置面Pよりも上方において、前部杆体3よりも前方に位置して後方を向く後向面16rに突き当たることによって前方への移動を規制する杆体前向面31fと、仕切板5に突き当たることで後方への移動を規制する後方規制部31kと、を備え、後部杆体4Aは、什器本体10のうち記物品載置面Pよりも上方において、後部杆体4Aよりも後方に位置して前方を向く前向面17fに突き当たることによって後方への移動を規制する杆体後向面41rと、仕切板5に突き当たることで前方への移動を規制する前方規制部41kと、を備えている構成とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を向く物品載置面を少なくとも一つ備えた什器本体に対して設置され、前記物品載置面の上方に形成される収納空間を仕切る仕切り装置であって、
前記物品載置面の前部において左右方向に沿って載置され、後面側に左右方向に間隔をあけて形成された複数の前部仕切板支持部を有する前部杆体と、
前記物品載置面の後部において左右方向に沿って載置され、前面側に左右方向に間隔をあけて形成された複数の後部仕切板支持部を有する後部杆体と、
前記前部杆体及び前記後部杆体の間に配置されるとともに、前端部が前記前部仕切板支持部に保持される一方、後端部が前記後部仕切板支持部に保持されて、前記収納空間を左右に仕切る仕切板と、を備え、
前記前部杆体は、
前記什器本体のうち前記物品載置面よりも上方において、前記前部杆体よりも前方に位置して後方を向く後向面に突き当たることによって前記什器本体に対する前記前部杆体の前方への移動を規制する杆体前向面と、
前記仕切板に突き当たることで前記仕切板に対する前記前部杆体の後方への移動を規制する後方規制部と、を備え、
前記後部杆体は、
前記什器本体のうち前記物品載置面よりも上方において、前記後部杆体よりも後方に位置して前方を向く前向面に突き当たることによって前記什器本体に対する前記後部杆体の後方への移動を規制する杆体後向面と、
前記仕切板に突き当たることで前記仕切板に対する前記後部杆体の前方への移動を規制する前方規制部と、を備えている
仕切り装置。
【請求項2】
上方を向く物品載置面を少なくとも一つ備えた什器本体と、
前記物品載置面に載置されるとともに、前記物品載置面の上方に形成される収納空間を仕切る、請求項1に記載の仕切り装置と、を備える
収納什器。
【請求項3】
前記什器本体は、
左右方向両側に配置された一対の側板と、
前記前部杆体の左右方向の長さよりも狭い間隔で前記前部杆体の前方に配置され、それぞれ前記後向面を有する一対の前部支柱と、を備え、
前記前部杆体は、
前記前部支柱の前記後向面に突き当たることで、前記什器本体に対する前方への移動が規制され、
左右方向の前部杆体端部が前記側板に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されている
請求項2に記載の収納什器。
【請求項4】
前記什器本体は、
左右方向両側に配置された一対の側板と、
前記後部杆体の左右方向の長さよりも狭い間隔で前記後部杆体の後方の左右方向両側に配置され、それぞれ前記前向面を有する一対の後部支柱と、を備え、
前記後部杆体は、
前記後部支柱の前記前向面に突き当たることで、前記什器本体に対する後方への移動が規制され、
左右方向の後部杆体端部が前記側板に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されている
請求項2又は3に記載の収納什器。
【請求項5】
前記什器本体は、
前記後部杆体の左右方向の長さよりも広い間隔で、前記後部杆体の左右方向両側に形成された一対の後部支柱と、
前記一対の後部支柱間の後方を塞ぐ背板と、
を備え、
前記後部杆体は、
前記一対の後部支柱の間で前記背板に突き当たることで、前記什器本体に対する後方への移動が規制され、
左右方向の後部杆体端部が前記後部支柱に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されている
請求項2又は3に記載の収納什器。
【請求項6】
前記前部杆体の下面、前記後部杆体の下面、前記物品載置面は、それぞれ平面状に形成され、
前記前部杆体及び前記後部杆体は、前記物品載置面上で移動可能な状態とされている
請求項2から5の何れか一項に記載の収納什器。
【請求項7】
前記什器本体は、前記前部杆体、及び前記後部杆体と接する接触面の少なくとも一部が、磁性材料から形成され、
前記前部杆体、及び前記後部杆体は、それぞれ、前記前部杆体、及び前記後部杆体を前記接触面に磁着させるための磁石を備えている
請求項2から5の何れか一項に記載の収納什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切り装置、収納什器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、棚板の前後方向に間隔をあけて、仕切板を保持するための一対の保持板を備えた構成が開示されている。この構成において、前方の保持板の後面と、後方の保持板の前面には、それぞれ左右方向に間隔をあけ、仕切板を保持するための凹所が形成されている。このような保持板は、棚板に形成した凹部に、保持板側に形成した凸部を係合させることによって、前後方向への移動が規制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭52-131213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような構成では、保持板を棚板上に固定するため、凹部や凸部を形成する必要がある。このため、保持板を係合させるための凹部等が形成されていない棚に対しては、保持板を設置することが難しい。また、棚板に凹部等を形成することは、製造コストの増加、意匠性の低下にも繋がる。
本発明は、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置することができる仕切り装置、収納什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る仕切り装置は、上方を向く物品載置面を少なくとも一つ備えた什器本体に対して設置され、前記物品載置面の上方に形成される収納空間を仕切る仕切り装置であって、前記物品載置面の前部において左右方向に沿って載置され、後面側に左右方向に間隔をあけて形成された複数の前部仕切板支持部を有する前部杆体と、前記物品載置面の後部において左右方向に沿って載置され、前面側に左右方向に間隔をあけて形成された複数の後部仕切板支持部を有する後部杆体と、前記前部杆体及び前記後部杆体の間に配置されるとともに、前端部が前記前部仕切板支持部に保持される一方、後端部が前記後部仕切板支持部に保持されて、前記収納空間を左右に仕切る仕切板と、を備え、前記前部杆体は、前記什器本体のうち前記物品載置面よりも上方において、前記前部杆体よりも前方に位置して後方を向く後向面に突き当たることによって前記什器本体に対する前記前部杆体の前方への移動を規制する杆体前向面と、前記仕切板に突き当たることで前記仕切板に対する前記前部杆体の後方への移動を規制する後方規制部と、を備え、前記後部杆体は、前記什器本体のうち前記物品載置面よりも上方において、前記後部杆体よりも後方に位置して前方を向く前向面に突き当たることによって前記什器本体に対する前記後部杆体の後方への移動を規制する杆体後向面と、前記仕切板に突き当たることで前記仕切板に対する前記後部杆体の前方への移動を規制する前方規制部と、を備えている。
【0006】
このような構成によれば、前部杆体は、収納什器の物品載置面の前部に載置された状態で、什器本体のうち、物品載置面よりも上方に配置された後向面に杆体前向面が突き当たることによって、什器本体に対する前方への移動が規制される。また、前部杆体は、前部杆体と後部杆体との間に配置された仕切板に後方規制部が突き当たることで、仕切板に対する後方への移動が規制される。後部杆体は、物品載置面の後部に載置された状態で、什器本体のうち、物品載置面よりも上方に配置された前向面に杆体後向面が突き当たることによって、什器本体に対する後方への移動が規制される。また、後部杆体は、前部杆体と後部杆体との間に配置された仕切板に前方規制部が突き当たることで、仕切板に対する前方への移動が規制される。このようにして、前部杆体、及び後部杆体を物品載置面に対して固定するための凹部や凸部等を形成することなく、仕切り装置を構成する前部杆体、及び後部杆体が、物品載置面上で前後方向に不用意に移動してしまうことが規制される。このため、仕切板も、前部杆体と後部杆体との間に支持された状態を維持できる。したがって、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置することができる仕切り装置を提供することが可能となる。
【0007】
この発明に係る収納什器は、上方を向く物品載置面を少なくとも一つ備えた什器本体と、前記物品載置面に載置されるとともに、前記物品載置面の上方に形成される収納空間を仕切る、上記の仕切り装置と、を備える。
【0008】
この構成によれば、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置することができる仕切り装置を備えた什器を構成することができる。
【0009】
本発明の一態様に係る収納什器において、前記什器本体は、左右方向両側に配置された一対の側板と、前記前部杆体の左右方向の長さよりも狭い間隔で前記前部杆体の前方に配置され、それぞれ前記後向面を有する一対の前部支柱と、を備え、前記前部杆体は、前記前部支柱の前記後向面に突き当たることで、前記什器本体に対する前方への移動が規制され、左右方向の前部杆体端部が前記側板に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されているようにしてもよい。
この構成によれば、前部杆体は、什器本体を構成する前部支柱の後向面と、側板とに突き当たることで、前方及び左右方向への移動が規制される。このため、前部支柱及び側板を備えた什器本体であれば、前部杆体の物品載置面上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、前部杆体の位置ずれを有効に抑えることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る収納什器において、前記什器本体は、左右方向両側に配置された一対の側板と、前記後部杆体の左右方向の長さよりも狭い間隔で前記後部杆体の後方の左右方向両側に配置され、それぞれ前記前向面を有する一対の後部支柱と、を備え、前記後部杆体は、前記後部支柱の前記前向面に突き当たることで、前記什器本体に対する後方への移動が規制され、左右方向の後部杆体端部が前記側板に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されているようにしてもよい。
この構成によれば、後部杆体は、什器本体を構成する後部支柱の前向面と、側板とに突き当たることで、後方及び左右方向への移動が規制される。このため、後部支柱及び側板を備えた什器本体であれば、後部杆体の物品載置面上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、後部杆体の位置ずれを有効に抑えることができる。
【0011】
本発明の一態様に係る収納什器において、前記什器本体は、前記後部杆体の左右方向の長さよりも広い間隔で、前記後部杆体の左右方向両側に形成された一対の後部支柱と、前記一対の後部支柱間の後方を塞ぐ背板と、を備え、前記後部杆体は、前記一対の後部支柱の間で前記背板に突き当たることで、前記什器本体に対する後方への移動が規制され、左右方向の後部杆体端部が前記後部支柱に突き当たることで、前記什器本体に対する左右方向への移動が規制されているようにしてもよい。
この構成によれば、後部杆体は、什器本体を構成する背板と、左右両側の後部支柱とに突き当たることで、後方及び左右方向への移動が規制される。このため、背板及び後部支柱を備えた什器本体であれば、後部杆体の物品載置面上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、後部杆体の位置ずれを有効に抑えることができる。
【0012】
本発明の一態様に係る収納什器において、前記前部杆体の下面、前記後部杆体の下面、前記物品載置面は、それぞれ平面状に形成され、前記前部杆体及び前記後部杆体は、前記物品載置面上で移動可能な状態とされているようにしてもよい。
この構成によれば、前部杆体、及び後部杆体を、平面状の物品載置面上に単に載置するのみで、物品載置面上における位置ずれを有効に抑えることのできる仕切り装置を構成することができる。
【0013】
本発明の一態様に係る収納什器において、前記什器本体は、前記前部杆体、及び前記後部杆体と接する接触面の少なくとも一部が、磁性材料から形成され、前記前部杆体、及び前記後部杆体は、それぞれ、前記前部杆体、及び前記後部杆体を前記接触面に磁着させるための磁石を備えているようにしてもよい。
この構成によれば、磁石により、前部杆体及び後部杆体を、什器本体に固定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る収納什器の全体構成を示す斜視図である。
図2】上記仕切り装置、収納什器の第1の実施形態において、収納什器の物品載置面上に配置された仕切り装置を示す平面図である。
図3図2のA-A矢視断面図である。
図4】上記仕切り装置、収納什器の第2の実施形態に係る収納什器において、物品載置面上に配置された仕切り装置を示す平面図である。
図5】上記仕切り装置、収納什器の実施形態の変形例に係る収納什器において、物品載置面上に配置された仕切り装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明による仕切り装置、収納什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る収納什器1Aの全体構成を示す斜視図である。図2は、収納什器1Aの物品載置面P上に配置された仕切り装置2Aを示す平面図である。図3は、図2のA-A矢視断面図である。
図1図3に示すように、収納什器1Aは、什器本体10と、仕切り装置2Aと、を備えている。
【0018】
図1に示すように、什器本体10は、底板11と、一対の側板12と、天板13と、背板14と、前部支柱16と、後部支柱17と、棚板15と、を備えている。底板11は、平面視長方形状で、床面F上に支持されている。以下の説明において、底板11の長辺方向を左右方向Dw、底板11の短辺方向を前後方向Dfr、左右方向Dw及び前後方向Dfrに直交する方向を上下方向Dvと称する。
【0019】
一対の側板12は、底板11の左右方向Dwの両端部からそれぞれ上方に向けて立設されている。一対の側板12は、左右方向Dwに直交する鉛直面に沿って、互いに平行に設けられている。各側板12は、左右方向Dwから視た側面視で、上下方向Dvに長い矩形状に形成されている。
天板13は、平面視矩形で、一対の側板12の上端部間に架設されている。
背板14は、底板11、側板12及び天板13の後端部間に架設されている。
【0020】
棚板15は、什器本体10内に配置されている。棚板15は、什器本体10内に、上下方向Dvに間隔を空けて1段以上、配置されている。本実施形態では、例えば、1段の棚板15が配置されている。なお、棚板15は、1段以上の任意の段数に設定可能である。棚板15は、上下方向Dvに直交する水平面に沿って配置されている。
【0021】
底板11の上面、及び棚板15の上面は、それぞれ、各種の物品が載置可能な物品載置面Pとされている。物品載置面Pは、上下方向Dvに直交する面に沿って形成されている。物品載置面Pは、上下方向Dvに突出又は窪む凹凸を有さない平面状とされている。
【0022】
底板11,及び棚板15の物品載置面Pの上方には、それぞれ、物品が収納可能な収納空間Sが画成されている。各収納空間Sは、底板11、一対の側板12、背板14、及び上段側の棚板15又は天板13によって区画されている。各収納空間Sは、前方に開口する前面開口Kを有している。
【0023】
図1図2に示すように、前部支柱16、及び後部支柱17は、上方から見て、什器本体10の四隅に配置されている。各前部支柱16、後部支柱17は、平面視矩形の筒状で、上下方向Dvに延びている。左右方向Dwの両端部のそれぞれにおいて、前部支柱16と後部支柱17との間は、側板12によって塞がれている。左右方向Dwの両端部の後部支柱17同士の間は、背板14によって塞がれている。
【0024】
前部支柱16は、底板11、及び棚板15の物品載置面Pの前部において、左右方向Dwの両端部に配置されている。図2図3に示すように、前部支柱16は、底板11、及び棚板15の各物品載置面Pの上方に、後方を向く後向面16rを有している。
【0025】
後部支柱17は、底板11、及び棚板15の物品載置面Pの後部において、左右方向Dwの両端部に配置されている。後部支柱17は、底板11、及び棚板15の各物品載置面Pの上方に、前方を向く前向面17fを有している。
【0026】
仕切り装置2Aは、什器本体10に対して着脱可能に設置される。仕切り装置2Aは、底板11、棚板15の物品載置面P上に載置可能である。本実施形態では、仕切り装置2Aは、棚板15の物品載置面P上に載置されている。仕切り装置2Aは、物品載置面Pの上方の収納空間Sを、左右方向Dwに仕切ることができる。仕切り装置2Aは、前部杆体3と、後部杆体4Aと、仕切板5と、を備えている。
【0027】
前部杆体3は、物品載置面Pの前部に配置される。前部杆体3は、物品載置面P上に、左右方向Dwに沿って延びるように載置される。前部杆体3の左右方向Dwの長さは、左右方向Dwにおける前部支柱16同士の間隔よりも長く、左右方向Dw両側の側板12同士の間隔よりも短い。前部杆体3は、左右方向Dwに延びる管状をなしている。前部杆体3は、左右方向Dwから見たときの断面形状が矩形状をなしている。前部杆体3は、杆体本体31と、前部仕切板支持部32と、を有している。
【0028】
図3に示すように、杆体本体31は、下面31bと、杆体前向面31fと、後面31rと、上面31tと、有している。
下面31bは、物品載置面P上に載置されている。下面31bは、物品載置面P上に載置された状態で、上下方向Dvに直交する面に沿っている。下面31bは、上下方向Dvに突出又は窪む凹凸の無い平面状に形成されている。前部杆体3は、下面31bが平面状であるので、同様に平面状である物品載置面P上で、物品載置面Pに沿って移動可能な状態とされている。
【0029】
杆体前向面31fは、下面31bの前端から物品載置面Pに直交して上方に起立している。杆体前向面31fは、平面状で、前後方向Dfrに直交する面に沿って形成されている。杆体前向面31fは、前方を向いている。
【0030】
後面31rは、下面31bの後端から物品載置面Pに直交して上方に起立している。後面31rは、前後方向Dfrに直交する面に沿って形成されている。後面31rは、後方を向いている。
【0031】
上面31tは、杆体前向面31fの上端と後面31rの上端との間に架設されている。上面31tは、上下方向Dvに直交する面に沿って形成されている。上面31tは、上方を向いている。
【0032】
図2に示すように、前部仕切板支持部32は、杆体本体31の後面31r側に、左右方向Dwに間隔をあけて複数形成されている。図3に示すように、前部仕切板支持部32は、前部杆体3のうち上面31tと後面31rとがなす角部31cに跨がるスリット状に形成されている。前部仕切板支持部32は、上方かつ後方に開放されている。前部仕切板支持部32は、上面31tにおいて前後方向Dfrに延びている。前部仕切板支持部32の前端開口縁32fは、杆体前向面31fよりも後方に配置されている。前部仕切板支持部32は、後面31rにおいて上下方向Dvに延びている。前部仕切板支持部32の後面31rにおける下端開口縁32bは、下面31bよりも所定寸法上方に配置されている。
【0033】
後部杆体4Aは、物品載置面Pの後部に配置される。図2に示すように、後部杆体4Aは、物品載置面P上に、左右方向Dwに沿って延びるように載置される。後部杆体4Aの左右方向Dwの長さは、左右方向Dwにおける後部支柱17同士の間隔よりも長く、左右方向Dw両側の側板12同士の間隔よりも短い。後部杆体4Aは、左右方向Dwに延びる管状をなしている。後部杆体4Aは、左右方向Dwから見たときの断面形状が矩形状をなしている。後部杆体4Aは、杆体本体41と、後部仕切板支持部42と、を有している。
【0034】
図3に示すように、杆体本体41は、下面41bと、前面41fと、杆体後向面41rと、上面41tと、有している。
下面41bは、物品載置面P上に載置されている。下面41bは、物品載置面P上に載置された状態で、上下方向Dvに直交した面に沿っている。下面41bは、上下方向Dvに突出又は窪む凹凸の無い平面状に形成されている。後部杆体4Aは、下面41bが平面状であるので、同様に平面状である物品載置面P上で、物品載置面Pに沿って移動可能な状態とされている。
【0035】
前面41fは、下面41bの前端から物品載置面Pに直交して上方に起立している。前面41fは、前後方向Dfrに直交する面に沿って形成されている。前面41fは、前方を向いている。
【0036】
杆体後向面41rは、下面41bの後端から物品載置面Pに直交して上方に起立している。杆体後向面41rは、平面状で、前後方向Dfrに直交する面に沿って形成されている。杆体後向面41rは、後方を向いている。
【0037】
上面41tは、前面41fの上端と杆体後向面41rの上端との間に架設されている。上面41tは、上下方向Dvに直交する面に沿って形成されている。上面41tは、上方を向いている。
【0038】
後部仕切板支持部42は、杆体本体41の前面41f側に、左右方向Dwに間隔をあけて複数形成されている。後部仕切板支持部42は、後部杆体4Aのうち上面41tと前面41fとがなす角部41cに跨がるスリット状に形成されている。後部仕切板支持部42は、上方かつ前方に開放されている。後部仕切板支持部42は、上面41tにおいて前後方向Dfrに延びている。後部仕切板支持部42の後端開口縁42rは、杆体後向面41rよりも前方に配置されている。後部仕切板支持部42は、前面41fにおいて上下方向Dvに延びている。後部仕切板支持部42の前面41fにおける下端開口縁42bは、下面41bよりも所定寸法上方に配置されている。
【0039】
仕切板5は、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に配置される。仕切板5は、下縁部5bと、上縁部5tと、前縁部5fと、後縁部5rと、を備えている。下縁部5bは、仕切板5を前部杆体3と後部杆体4Aとの間に配置した状態で、物品載置面P上に沿って直線状に延びている。上縁部5tは、前方から後方に向かって物品載置面Pからの高さが漸次高くなるように形成されている。前縁部5fは、下縁部5bの前端から上方に起立している。後縁部5rは、下縁部5bの後端から上方に起立している。
仕切板5の前縁部5fの上部には、前縁部5fよりも前方に突出する前端部52が形成されている。仕切板5の後縁部5rの上部には、後縁部5rよりも後方に突出する後端部54が形成されている。
【0040】
このような仕切り装置2Aは、前部杆体3、及び後部杆体4Aを物品載置面P上に載置するとともに、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に仕切板5を配置することで使用される。
図2図3に示すように、前部杆体3は、左右方向Dw両側の前部支柱16の後方で、物品載置面Pの前部に載置する。一対の前部支柱16は、前部杆体3の左右方向Dwの長さよりも狭い間隔で前部杆体3の前方に配置されている。各前部支柱16の後向面16rは、物品載置面Pよりも上方において、前部杆体3よりも前方に位置して後方を向いている。前部杆体3の左右方向Dwの前部杆体端部31p、31qのそれぞれにおいて、それぞれ、杆体前向面31fを前部支柱16の後向面16rに突き当てている。これにより、前部杆体3は、什器本体10に対する前方への移動が規制される。
また、前部杆体3は、左右方向Dwの前部杆体端部31p、31qが側板12に突き当たることで、什器本体10に対する左右方向Dwへの移動が規制される。
【0041】
後部杆体4Aは、左右方向Dw両側の後部支柱17の前方で、物品載置面Pの後部に載置する。一対の後部支柱17は、後部杆体4Aの左右方向Dwの長さよりも狭い間隔で後部杆体4Aの後方に配置されている。各後部支柱17の前向面17fは、物品載置面Pよりも上方において、後部杆体4Aよりも後方に位置して前方を向いている。後部杆体4Aの左右方向Dwの後部杆体端部41p、41qにおいて、それぞれ、杆体後向面41rが後部支柱17の前向面17fに突き当てられている。これにより、後部杆体4Aは、什器本体10に対する後方への移動が規制される。
また、後部杆体4Aは、左右方向Dwの後部杆体端部41p、41qが側板12に突き当たることで、什器本体10に対する左右方向Dwへの移動が規制される。
【0042】
図3に示すように、仕切板5は、前端部52を前部杆体3の前部仕切板支持部32に上方から差し込むとともに、後端部54を後部杆体4Aの後部仕切板支持部42に上方から差し込むことで、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に配置される。仕切板5の下縁部5bは、前部杆体3と後部杆体4Aとの間で物品載置面P上に突き当たる。これにより、仕切板5は、物品載置面Pにほぼ直交して起立した状態で支持される。
【0043】
仕切板5と前部杆体3とは、仕切板5の一部と、前部杆体3の一部とが互いに突き当たることによって、前後方向Dfrへの相対移動が規制される。仕切板5は、前端部52、又は前縁部5fが、前部杆体3の前端開口縁32f、又は後面31rに突き当たることで、前部杆体3に対する前方への移動が規制される。すなわち、前端開口縁32f、又は後面31rは、仕切板5の前端部52、又は前縁部5fに突き当たることで、仕切板5に対する前部杆体3の後方への移動を規制する後方規制部31kとして機能する。
【0044】
仕切板5と後部杆体4Aとは、仕切板5の一部と、後部杆体4Aの一部とが互いに突き当たることによって、前後方向Dfrへの相対移動が規制される。仕切板5は、後端部54、又は後縁部5rが、後部杆体4Aの後端開口縁42r、又は前面41fに突き当たることで、後部杆体4Aに対する後方への移動が規制される。すなわち、後端開口縁42r、又は前面41fは、仕切板5の後端部54、又は後縁部5rに突き当たることで、仕切板5に対する後部杆体4Aの前方への移動を規制する前方規制部41kとして機能する。
【0045】
このように、本実施形態では、仕切り装置2A、及び収納什器1Aは、前部杆体3は、収納什器1Aの物品載置面Pの前部に載置された状態で、什器本体10のうち、物品載置面Pよりも上方に配置された後向面16rに杆体前向面31fが突き当たることによって、什器本体10に対する前方への移動が規制される。また、前部杆体3は、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に配置された仕切板5に後方規制部31kが突き当たることで、仕切板5に対する後方への移動が規制される。後部杆体4Aは、物品載置面Pの後部に載置された状態で、什器本体10のうち、物品載置面Pよりも上方に配置された前向面17fに杆体後向面41rが突き当たることによって、什器本体10に対する後方への移動が規制される。また、後部杆体4Aは、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に配置された仕切板5に前方規制部41kが突き当たることで、仕切板5に対する前方への移動が規制される。
このような構成によれば、前部杆体3、及び後部杆体4Aを物品載置面Pに対して固定するための凹部や凸部等を形成することなく、仕切り装置2Aを構成する前部杆体3、及び後部杆体4Aが、物品載置面P上で前後方向に不用意に移動してしまうことが規制される。このため、仕切板5も、前部杆体3と後部杆体4Aとの間に支持された状態を維持できる。したがって、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板15や底板11の物品載置面Pに容易に設置することができる仕切り装置2Aを提供することが可能となる。
【0046】
本実施形態では、前部杆体3は、什器本体10を構成する前部支柱16の後向面16rと、側板12とに突き当たることで、前方及び左右方向Dwへの移動が規制される。
このような構成によれば、前部支柱16及び側板12を備えた什器本体10であれば、前部杆体3の物品載置面P上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、前部杆体3の位置ずれを有効に抑えることができる。したがって、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、仕切り装置2Aを物品載置面P上に設置することができる。
【0047】
本実施形態では、後部杆体4Aは、什器本体10を構成する後部支柱17の前向面17fと、側板12とに突き当たることで、後方及び左右方向Dwへの移動が規制される。
このような構成によれば、後部支柱17及び側板12を備えた什器本体10であれば、後部杆体4Aの物品載置面P上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、後部杆体4Aの位置ずれを有効に抑えることができる。したがって、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、仕切り装置2Aを物品載置面P上に設置することができる。
【0048】
本実施形態では、前部杆体3の下面31b、後部杆体4Aの下面41b、物品載置面Pは、それぞれ平面状に形成され、前部杆体3及び後部杆体4Aは、物品載置面P上で移動可能な状態とされている構成とした。
このような構成によれば、前部杆体3、及び後部杆体4Aを、平面状の物品載置面P上に単に載置するのみで、物品載置面P上における位置ずれを有効に抑えることのできる仕切り装置2Aを構成することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる仕切り装置、収納什器の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る収納什器1Bにおいて、物品載置面P上に配置された仕切り装置2Bを示す平面図である。
図4に示すように、収納什器1Bは、什器本体10と、仕切り装置2Bと、を備えている。
【0050】
仕切り装置2Bは、什器本体10に対して着脱可能に設置される。仕切り装置2Bは、底板11,棚板15の物品載置面P上に載置可能である。仕切り装置2Bは、前部杆体3と、後部杆体4Bと、仕切板5と、を備えている。
【0051】
後部杆体4Bは、物品載置面Pの後部に配置される。後部杆体4Bは、物品載置面P上に、左右方向Dwに沿って延びるように載置される。後部杆体4Bの左右方向Dwの長さは、左右方向Dwにおける後部支柱17同士の間隔よりも短い。
【0052】
後部杆体4Bは、一対の後部支柱17の間において、背板14の前方で物品載置面Pの後部に載置する。一対の後部支柱17は、後部杆体4Bの左右方向Dwの長さよりも広い間隔で、後部杆体4Bの左右方向Dw両側に配置されている。各背板14の背板前面(前向面)14fは、物品載置面Pよりも上方において、後部杆体4Bよりも後方に位置して前方を向いている。後部杆体4Bは、左右方向Dwの全体において杆体後向面41rを背板前面14fに突き当てる。これにより、後部杆体4Bは、什器本体10に対する後方への移動が規制される。
また、後部杆体4Bは、左右方向Dwの後部杆体端部41p、41qが左右方向Dw両側の一対の後部支柱17に突き当たることで、什器本体10に対する左右方向Dwへの移動が規制される。
【0053】
このように、本実施形態では、後部杆体4Bは、什器本体10を構成する背板14の背板前面14fと、左右方向Dw両側の一対の後部支柱17とに突き当たることで、後方及び左右方向Dwへの移動が規制される。このため、背板14及び後部支柱17を備えた什器本体10であれば、後部杆体4Bの物品載置面P上における移動を規制するための部材を別途備えることなく、後部杆体4Bの位置ずれを有効に抑えることができる。したがって、コスト上昇、及び意匠性の低下を抑えつつ、棚板に容易に設置することができる仕切り装置2Bを提供することが可能となる。
【0054】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、前部杆体3,及び後部杆体4A、4Bを、物品載置面P上に、単に載置するようにしたが、これに限られない。
例えば、図5に示すように、前部杆体3、及び後部杆体4Aを、什器本体10に対して、磁石80により磁着させるようにしてもよい。このため、什器本体10は、前部杆体3、及び後部杆体4Aと接する接触面の少なくとも一部、例えば棚板15が、磁性材料から形成されている。前部杆体3、及び後部杆体4Aは、それぞれ、磁石80を下面31b、41bに備えている。
このような構成によれば、磁石80により、前部杆体3及び後部杆体4Aを、什器本体10に係合させることなく、容易に着脱可能な状態で固定することができる。
【0055】
上述した実施形態では、前部杆体3を、前部支柱16の後向面16rに突き当てることで、什器本体10に対する前部杆体3の前方への移動を規制するようにしたがこれに限られない。什器本体10のうち物品載置面Pよりも上方において、前部杆体3よりも前方に位置して後方を向く後向面であれば、前部支柱16の後向面16r以外の他の部分に前部杆体3を突き当てるようにしてもよい。
【0056】
上述した実施形態では、後部杆体4Bを、後向面16r、背板14の背板前面14fに突き当てることで、什器本体10に対する後部杆体4Bの後方への移動を規制するようにしたがこれに限られない。什器本体10のうち物品載置面Pよりも上方において、後部杆体4Bよりも後方に位置して前方を向く前向面であれば、後向面16r、背板前面14f以外の他の部分に後部杆体4Bを突き当てるようにしてもよい。
仕切板5は、前部杆体3又は後部杆体4Aと、物品載置面Pと、の双方に下方から支持されている必要はなく、前部杆体3又は後部杆体4Aと、物品載置面Pと、の何れかに下方から支持されている構成であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1A、1B…収納什器
2A、2B…仕切り装置
3…前部杆体
4A、4B…後部杆体
5…仕切板
10…什器本体
12…側板
14…背板
14f…背板前面(前向面)
16…前部支柱
16r…後向面
17…後部支柱
17f…前向面
31b…下面
31f…杆体前向面
31k…後方規制部
31p、31q…前部杆体端部
31r…後面
32…前部仕切板支持部
41b…下面
41f…前面
41k…前方規制部
41p、41q…後部杆体端部
41r…杆体後向面
42…後部仕切板支持部
52…前端部
54…後端部
80…磁石
Dw…左右方向
P…物品載置面
S…収納空間
図1
図2
図3
図4
図5