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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073671
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】マウスガード
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220510BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 A
A41D13/11 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183811
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】506093810
【氏名又は名称】株式会社長門屋商店
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】横溝 純一
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】冠婚葬祭などよりフォーマルな場所における使用に適しており、利便性の高いマウスガードを提供することを。
【解決手段】飛沫拡散防止のために口を覆うためのマウスガードであって、
前記本体は、直線と直線から成る角を有さず、曲線部を含んで外縁が構成される本体からなり、前記本体の形状は、前記本体中のいずれの軸をとっても非対象に構成されており、1枚の用紙から構成されていることからなる。また、前記本体と連結され、本体側へ折り返された時に本体と外縁の一部を共有する補強部を備えることからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛沫拡散防止のために口を覆うマウスガードであって、
下部を成す直線と、
前記直線の両端から延伸する曲線部によって外縁が確定される本体からなり、
前記本体は直線と直線から成る角を備えず、
前記曲線部は、直線の一端から他端へ向かって、異なるRを備えた複数の曲線部からなり、
曲線部において直線との距離が最も離隔された点は、直線の中央より前記一端側に近く、
本体中にいずれの軸をとっても非対称の形状からなる、マウスガード。
【請求項2】
前記曲線部は、直線の一端から他端へ向かって、第1の曲線部、第2の曲線部、第3の曲線部、第4の曲線部、第5の曲線部を含み、
前記第1の曲線のRの大きさが前記第5のRの大きさより大きいことを特徴とする請求項1に記載のマウスガード。
【請求項3】
前記直線を共有し、前記直線を介して折り返された時に前記第5の曲線部と重なる補強部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のマウスガード。
【請求項4】
第1の切り込みが前記本体に設けられ、
第2の切り込みが前記補強部に設けられ、
補強部が本体へ折り返された時に、いずれかの切り込みにより形成される部分が他方の切り込み内に挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマウスガード。
【請求項5】
前記第4の曲線部中の1点と、前記直線上の前記他端よりの点が折り返したときに重なるように直線の折り線が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマウスガード。
【請求項6】
1枚の用紙または樹脂素材から成ることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマウスガード。
【請求項7】
和紙で構成されることを特徴とする請求項6に記載のマウスガード。
【請求項8】
請求項4に記載のマウスガードと、
第1の開口と、第2の開口を備えたマウスガード置きからなり、
当該マウスガード置きは、折り線を備えたシート状であることを特徴とする、マウスガードとマウスガード置きのセット。
【請求項9】
前記第1の開口は前記第2の開口より、幅が広く高さが小さい略菱形状であることを特徴とする請求項8に記載のマウスガードとマウスガード置きのセット。
【請求項10】
飛沫拡散防止のために口を覆うためのマウスガードであって、
前記本体は、直線と直線から成る角を有さず、曲線部を含んで外縁が構成される本体からなり、
前記本体の形状は、前記本体中のいずれの軸をとっても非対象に構成されており、
1枚の用紙から構成されていることを特徴とするマウスガード。
【請求項11】
前記本体と連結され、前記本体側へ折り返された時に前記本体と外縁の一部を共有する補強部を備えることを特徴とする請求項10に記載のマウスガード。
【請求項12】
使用時に、口及び鼻口を立体的に覆うように、前記本体中に直線の折り線が設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載のマウスガード。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項に記載のマウスガードと、
前記マウスガードの外縁を受ける、第1の開口と第2の開口を備え、かつ折り線を備えたシート状であるマウスガード置きからなる、マウスガードとマウスガード置きのセット。
【請求項14】
前記第1の開口は前記第2の開口より、幅が広く高さが小さい略菱形状であることを特徴とする請求項13に記載のマウスガードとマウスガード置きのセット。
【請求項15】
和紙で構成されることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載のマウスガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスガードに関する。より詳細には、食事中の飛沫拡散防止のために口を覆う、マウスガードに関する。
【背景技術】
【0002】
コロナ禍においては、無症状や軽症の人であっても、他の人に感染を広げる例があるため、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」を避けることが要求されている。
【0003】
このような状況下において、飲食業界においては、従来の様式では上記要求を満たすことが難しいために試行錯誤が行われている。特に、会食中の感染を防ぐために、飛沫を拡散させないことも要求されている。しかし、食事を摂取している時にはマスクの着用をすることができない。このため、口部分を覆うフェイスガード等が用いられる場合がある。
【0004】
しかし、冠婚葬祭などよりフォーマルな場所においては、その外観に大きな影響があり、利用に適さない場合がある。特に、着物や和装で会食を行うような機会においては、これらフェイスガードは頭部に着用して利用されることから、化粧や髪型にも影響を与えてしまい、特に女性における利便性について問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、冠婚葬祭などよりフォーマルな場所における使用に適しており、利便性の高いマウスガードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のマウスガードは、飛沫拡散防止のために口を覆うことを可能にするものであって、
下部を成す直線と、前記直線の両端から延伸する曲線部によって外縁が確定される本体からなり、前記本体は直線と直線から成る角を備えず、前記曲線部は、直線の一端から他端へ向かって、異なるRを備えた複数の曲線部からなり、曲線部において直線との距離が最も離隔された点は、直線の中央より前記一端側に近く、本体中にいずれの軸をとっても非対称の形状からなる。
【0007】
また、前記曲線部は、直線の一端から他端へ向かって、第1の曲線部、第2の曲線部、第3の曲線部、第4の曲線部、第5の曲線部を含み、前記第1の曲線のRの大きさが前記第5のRの大きさより大きいことが好適である。
【0008】
前記直線を共有し、前記直線を介して折り返された時に前記第5の曲線部と重なる補強部をさらに備えることが好適である。
【0009】
また、第1の切り込みが前記本体に設けられ、第2の切り込み前記補強部に設けられ、補強部が本体へ折り返された時に、いずれかの切り込みにより形成される部分が他方の切り込み内に挿入可能に構成されていることが好適である。
【0010】
また、前記第4の曲線部中の1点と、前記直線上の前記他端よりの点が折り返したときに重なるように直線の折り線が設けられていることことが好適である。
【0011】
また、マウスガードが1枚の用紙または樹脂素材から成ることが好適である。
【0012】
また、マウスガードが和紙で構成されることが好適である。
【0013】
また、本発明は、前記マウスガードと、第1の開口と、第2の開口を備えたマウスガード置きからなり、当該マウスガード置きは、折り線を備えたシート状である、マウスガードとマウスガード置きのセットからなる。
【0014】
また、前記第1の開口は前記第2の開口より、幅が広く高さが小さい略菱形状であることが好適である。
【0015】
さらに、本発明は、飛沫拡散防止のために口を覆うためのマウスガードであって、
前記本体は、直線と直線から成る角を有さず、曲線部を含んで外縁が構成される本体からなり、前記本体の形状は、前記本体中のいずれの軸をとっても非対象に構成されており、1枚の用紙から構成されていることが好適である。
【0016】
また、本体と連結され、本体側へ折り返された時に本体と外縁の一部を共有する補強部を備えることが好適である。
【0017】
また、使用時に、口及び鼻口を立体的に覆うように、本体中に直線の折り線が設けられていることが好適である。
【0018】
また、本発明は、前記マウスガードと、前記マウスガードの外縁を受ける、第1の開口と第2の開口を備え、かつ折り線を備えたシート状であるマウスガード置きからなる、マウスガードとマウスガード置きのセットからなる。
【0019】
また、前記第1の開口は前記第2の開口より、幅が広く高さが小さい略菱形状であることが好適である。
【0020】
本発明は、これまでのマスクやフェイスガードと異なり、冠婚葬祭など公式な場、特に会食時における機能性と美観調和の両者を満たすものとして創作されたものである。本体部分は、直線と直線から成る角を有さず、全体として外縁が曲線的に構成されつつも、本体中にいずれの軸位置(直線軸)をとっても非対称となるように構成され、所謂千鳥団扇のような独特の和風美観及び形状を備える。
【0021】
好適には、下部に直線又は直線的な部分を含み、当該直線部分以外は全て曲線部で構成され、直線の一端から他端へ向かって、第1の曲線部、第2の曲線部、第3の曲線部、第4の曲線部、第5の曲線部の5つの曲線部を少なくとも含む(この時、第5の曲線部が直線部の他端から延伸している。)。そして、第1の曲線のRの大きさが第5のRの大きさより大きく、第2の曲線のRと第4の曲線のRが異なる。さらに好適には、第1の曲線部、第2の曲線部、第3の曲線部、第4の曲線部、第5の曲線部は、いずれの曲線部のRも異なって構成され、Rの小さい順から、第5の曲線部、第1の曲線部、第3の曲線部、第2の曲線部、第4の曲線部となる。当該構成は、後述の機能の発揮及び美観の観点から好適である。ただし、手持ち部分の明確化等のために、曲線部に部分的に直線部を挿入してもよいし、何らかのモチーフを示すために多くの曲線部から構成しても良い。なお、本願における上下左右の語は、図面に示した向きで配置した場合を示す相対的概念である。
【0022】
そして、本体が最も厚い幅の部分は、中央部ではなく一端側に偏っている。より具体的には、下部直線部分から最も離隔した点は、直線部分の中央に相当する位置に存在せず、一端側に偏っている。当該構成は、使用時には口よりも斜め下位置で手に持つことが自然であるため、手持ち部分の自然な誘導と、本体が最も厚い幅の部分を口廻り及び鼻口廻りにかけるのを容易にする。また、顔の大きさは個人差が大きいが、大凡の使用者において手持ち位置から口と鼻口を同時に覆うことを可能にするために、直線部分から最も離隔した点の距離、すなわち本体中最も縦幅の広い部分は、8cm以上、さらには12cm以上であり、横幅は10cm以上、さらには15cm以上であり、縦幅よりも横幅が大きいことが望ましい。
【0023】
さらに、本体の下部に、折り返された時に本体の外縁の一部、または第5の曲線部を共有する補強部が設けられる。当該構成は、手持ち部分の明確化と手持ち時の強度補強の効果を奏する。そして、補強部はいずれの方向にも折りたためる構成となっていれば、右利き左利きいずれの使用者にも適した使用を提供できる。このため、利き手による折り返し方向が表示または指示がされている態様を用いても良い。また、補強部は、折り返されたままで特別な接着をしない態様や、粘着テープ等で接着する態様を本体に固定する手段としても良いが、好ましくは、本体に第1の切り込みと、補強部分に第2の切り込みが設けられ、いずれか切り込みから形成される形状が、他方の切り込みへ挿入できる形状に構成されることが好ましい。例えば、一方の切り込みは円弧状に構成されたタブを提供し、他方の切り込みは直線状に構成される。当該構成は、別途他部材をせずに補強部分をいずれの方向でも本体に固定させることができる。
【0024】
さらに、口廻り及び鼻口廻りを立体的にカバーすることで飛沫防止効果を向上すべく、本体に折り線が設けられることが好適である。当該折り線は、直線状に構成されることで使用が容易であり、印刷による表示又はスジ入れ加工など、公知の手段が使用される。さらに、第4の曲線部中の1点と、下部、好ましくは直線部分の他端よりの点が折り重ねた時に重なるように、直線の折り線が設けられていることで、口よりも斜め下位置で手に持つことが使用者においてより自然に行うことができる。
【0025】
また、本発明によれば、1枚の用紙または樹脂素材から構成されれば、製造効率の利点だけでなく、飲食店としても、場所をとらずシート状にて保管・提供することができる利点を有する。特に、和紙で構成されることで、冠婚葬祭や各種行事など、よりフォーマルな会食の機会において、本発明の形状が与える美観との調和と、飛沫の確保及び保持の両立を図ることができる。和紙は、樹脂シートや一般的な洋紙に比して繊維が複雑に絡んでいることで、表面の凹凸や素材の多孔質性に優れるため、飛沫の確保と保持力が高く、より望ましい効果を奏することができる。このため、本発明における和紙とは、機械漉きの和紙、及び表面の凹凸や多孔質性に優れた和風紙を含む概念である。具体的な例としては、例えば、食品原紙(無蛍光和紙)で、90kg/四六判の用紙を使用することが好ましい。また、和紙は一般的に表裏面で異なる構成を備えており、裏面に凸凹が多く、飛沫保持能力が高いため、裏面が内側(人の顔側)として使用されるような誘導表示が存在することが好ましい。用紙や樹脂シートの厚さ、重量は用途に応じて適宜選択される。また、本発明は和風模様など用途に沿った様々な美的装飾を印刷等することが可能である。
【0026】
本発明のマウスガードは、主に会話時に口を覆いながら使用するため、食している時はマウスガードを一時的に食卓に置く必要がある。そこで、本発明のマウスガードに適したマウスガード置きが有効である。具体的には、折り返されたマウスガードの受けるための第1の開口と、第2の開口を備えたマウスガード置きからなり、当該マウスガード置きは、折り線を備えたシート状であり、好ましくは前記マウスガードと同じ用紙または樹脂素材からなる。当該構成は、折り線で折られたマウスガードをそのままの形状で、飛沫付着面を内側にして食卓状に置くことを可能にするもので、マウスガードの形状及び美観を維持しつつ、食事中、会話時、回収時のいずれにおいても、表裏面を違えて使用してしまうことを避け、飛沫の移りを回避する効果を奏することができる。当該目的のために、前記第1の開口は前記第2の開口より、幅が広く高さが小さい略菱形状であり、第2の開口に直線部が、第1の開口に曲線部が挿入可能であることが好適である。
【0027】
マウスガード置きは、マウスガードと同じ素材で、シート状に構成され、使用者において折ることで構成されれば、製造効率上の有利性及び使い捨て用途に適しているだけでなく、美観上の統一性を持たせることができ、使用者における会話の発端にもなる。シートのより好適な一例としては、断面が三角形又は山型であり、第2の開口から第1の開口に向けて相似形で大きくなっていくように複数の折り線が設けられ、組み立てられた時に第1の開口は第2の開口よりも位置が高く構成される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のマウスガードの1例を示す図である。
図2】本発明のマウスガード置きの1例を示す図である。
図3】本発明のマウスガードの他の1例を示す図である。
図4】組み立てたマウスガード置きに、マウスガードを載せた状態を示す写真である。
図5】マウスガードの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の1例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、マウスガード1は、印刷可能な和紙により構成され、千鳥団扇のような形状の本体2を備える。本体2は、本体中にいずれの軸をとっても非対象となっている。また、本体2は、横幅約19センチ、縦幅が約15センチである(より詳細な寸法は図1参照。)。下部の直線3と、直線3右端部から順に、各々円弧状の曲線から成る第1の曲線部4,第2の曲線部5、第3の曲線部6、第4の曲線部7,第5の曲線部8とによりその外縁形状が確定されている。
【0030】
直線3は長さが約16センチであり、第1の曲線部4のRは36.5,第2の曲線部5のRは109、第3の曲線部6のRは52、第4の曲線部7のRは120,第5の曲線部8のR28となっており、全てのRが異なって構成されている。直線から最も離隔した点9(最も高い点)は第3の曲線部6中に設けられており、当該点9は、直線3の中央より右側に偏っている。
【0031】
補強部10が、直線3を共有して本体2の下部に設けられている。補強部10には、折り返されると本体の外縁の一部と重なるように、具体的には第5の曲線8を共有する第6の曲線11が設けられ、Rが41である第7の曲線12において最も直線から離隔した点13が設けられる。第8の曲線14は直線からの距離が低減する方向に設けられる。第9の曲線15はRが3.5であり、折り返されても第1の曲線4とは一致しない。折り返された時の本体2における対応部が点線16を介して示される。
【0032】
本体2には上向きの曲線状の切り込み17Aが、補強部10には直線状の切り込み17Bが設けられ、切り込み17Aにより構成されるタブ18は、使用時に補強部10を折り返した際に切り込み17Bで構成する開口に挿入される。
【0033】
さらに、直線3の中心より左よりの点19が、折り返された時に第4の曲線7上の点20に重なるように、直線で構成される折り線21が印刷により表示又はスジ入れ加工されている。補強部10にも、折り返されると折り線21と重なる位置に折り線21Aが設けられている。この構成は、マウスガード1を若干折った状態で使用することにより、より顔の形状に沿うことができると共に、補強部10が手持ち部分となり、自然に斜め下から口及び鼻に向けて持つことを誘導し、本体が最も大きい部分が口及び鼻口を囲うことになり、十分な飛散防止効果を発揮する。
【0034】
図2に示すように、マウスガード置き22は、四角状のシート23に、左右に広い菱形の第1の開口24と、第1の開口24より左右幅が狭く、上下幅が広い、底辺が中央で内側に折れた直線からなる略三角形状の第2の開口25を備える。さらに、折り線が3つ、中央線26、左線27、右線28として設けられる。中央線26はシート23の中央で開口を横断する直線として設けられ、左線27及び右線28は、中央線26を軸として左右対称に、下部へ向けて幅が狭まるような直線として設けられる。左側辺にタブ29が設けられ、組み立てた時に直線上の切り込み30に差し込まれる。図4に示すように、組み立てられたマウスガード置き22は、マウスガード1を第1の開口24及び第2の開口25により保持することができる。
【0035】
図3は、図1とは別の形状のマウスガードの例である。マウスガード1’は、図1の実施例とほぼ同様の仕様であるが、各部のR及び寸法が若干異なっているほか、図1の例における第5の曲線部8に相当する部分(8’)が、曲線部8A’,直線部8B’、曲線部8C’として構成されている点で相違している。当該構成は、直線3’に対して垂直である短い直線部8C’を部分的に備えていることで、手持ち部分の自然な誘導を強化している。
【0036】
使用例としては、飲食店は、シート状のマウスガード1及びマウスガード置き22を卓上に配置する。使用方法は、マウスガード1自体に印刷する方法、別途説明書を添える方法、口頭で説明する方法等を採用できる。使用者は、補強部10を折り返してタブ18を切り込み17に差し込み、折り線21で若干折って、食事の会話中等に使用する。図5に示すように、曲線で構成されたマウスガード1が高い美観を保持しつつ、本体が最も大きい部分が口及び鼻口を囲うことになり、飛沫拡散を適切に防止するため、格式の高い場においても安心して会話することができる。
【0037】
マウスガード1の不使用時は、使用者において組み立てたマウスガード置き22に置いておくことができる。そして必要になればマウスガード1を使用することを繰り返す。このとき、使用状態に近い形でマウスガード置き22に保持されるので、使用毎に表裏面を違えることを防ぎ、また飛沫付着面が他の部材に接してしまうことを防ぎつつ、マウスガード1の美観を維持したままでいることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 マウスガード
2 本体
3 下部の直線
4 第1の曲線部
5 第2の曲線部
6 第3の曲線部
7 第4の曲線部
8 第5の曲線部
9 直線から最も隔離した点
10 補強部
11 第6の曲線
12 第7の曲線
13 最も直線から離隔した点
14 第8の曲線
15 第9の曲線
16 点線
17A 曲線状の切り込み
17B 直線状の切り込み
18 タブ
19 点
20 点
21 折り線
22 マウスガード置き
23 シート
24 第1の開口
25 第2の開口
26 中央線
27 左線
28 右線
29 タブ
30 切り込み
図1
図2
図3
図4
図5