(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073688
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】装備品および装備品の使用方法
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20220510BHJP
A45D 44/22 20060101ALI20220510BHJP
A44C 5/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61H39/04 P
A45D44/22 A
A44C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183835
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】505269995
【氏名又は名称】エイベックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】野口 郁
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101BA01
4C101BA08
4C101BB08
4C101BB12
4C101BC06
4C101BD17
4C101BE20
(57)【要約】
【課題】時間や場所を問わず継続して容易に使用でき、顔への美容効果を十分に発揮できる装備品および装備品の使用方法を提供する。
【解決手段】本発明の装備品1は、手首100の伸筋支帯105回りに装着される本体部2と、装着時において、本体部2における手首100の伸筋腱106に対応する位置に設けられ、手首100側に向かって突出し手首100に当接する突起部3と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首の伸筋支帯回りに装着される本体部と、
装着時において、前記本体部における前記手首の伸筋腱に対応する位置に設けられ、前記手首側に向かって突出し前記手首に当接する突起部と、
を備えることを特徴とする装備品。
【請求項2】
前記本体部は、周方向の長さが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の装備品。
【請求項3】
前記本体部の少なくとも一部は、弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装備品。
【請求項4】
前記突起部の先端は、丸みを帯びていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装備品。
【請求項5】
前記突起部は、
多面体状に形成された突起部本体と、
装着時において、前記突起部本体の前記手首側に面する面に設けられ、前記手首側に向かって突出し前記手首に当接する刺激部と、
を有し、
前記突起部本体の角部は、丸みを帯びていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装備品。
【請求項6】
前記本体部の幅は、15mm未満であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装備品。
【請求項7】
前記本体部は、
一方向に延びるとともに、切断容易な材料で形成されたバンドと、
前記バンドを環状に保持する留め具と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装備品。
【請求項8】
前記留め具は、
前記バンドの一端部に設けられる係止孔と、
前記バンドの他端部に設けられ、前記係止孔に係止される係止用突起と、
前記係止孔と前記係止用突起との係止状態を解除する解除ボタンと、
を有することを特徴とする請求項7に記載の装備品。
【請求項9】
前記留め具は、前記バンドの端部を覆うクリップを有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装備品。
【請求項10】
前記突起部は、複数設けられ、
前記バンドには前記複数の突起部が移動可能に挿通されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の装備品。
【請求項11】
前記複数の突起部において、隣り合う側面同士は、互いに密着可能となっていることを特徴とする請求項10に記載の装備品。
【請求項12】
前記側面は、平坦面であることを特徴とする請求項11に記載の装備品。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の装備品の使用方法であって、
前記手首の前記伸筋支帯回りに前記本体部を装着し、前記手首に前記突起部を当接させることを特徴とする装備品の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装備品および装備品の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、肌に密着させてマッサージする美容機器(装備品)が開示されている。美容機器は、棒状のハンドピースと、ハンドピースの先端にY字状に一対設けられたボール組立体と、を備えている。美容機器の使用者は、ハンドピースを把持してボール組立体を顔の肌に押し付ける。ボール組立体は、肌に密着しながら回転する。肌には、ボール組立体を介して低周波が伝達される。美容機器の使用者は、肌のしわやたるみを防止できるという美容効果を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔への美容効果は、上記美容機器を繰り返し使用することで十分に発揮される。しかしながら、上記美容機器は、ハンドピースを把持してボール組立体を顔の肌に押し付ける必要があるため、時間や場所を問わず継続して使用するのは困難な場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、時間や場所を問わず継続して容易に使用でき、顔への美容効果を十分に発揮できる装備品および装備品の使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る装備品は、手首の伸筋支帯回りに装着される本体部と、装着時において、前記本体部における前記手首の伸筋腱に対応する位置に設けられ、前記手首側に向かって突出し前記手首に当接する突起部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、突起部は、装備品の装着時において、伸筋腱の対応する位置に設けられている。突起部は、装着時において、手首側に向かって突出し手首に当接している。これにより、突起部は、手首の伸筋腱に圧力を加えることができる。突起部からの圧力は、手首の伸筋腱を刺激する。突起部からの刺激は、手首の伸筋腱から総伸筋腱に伝達される。手首の伸筋腱や総伸筋腱に加えられた刺激は、手首や腕の筋膜に伝達され、手首や腕の筋膜を緩めることができる。これにより、手首や腕の筋膜の突っ張りがほぐされる。
ところで、手首や腕の筋膜は、総伸筋腱を介して顔の筋膜に繋がっている。このため、手首や腕の筋膜の突っ張りやねじれは、顔の筋膜を下方に引っ張り、顔のたるみを引き起こす。手首や腕の筋膜の突っ張りがほぐされると、顔の筋膜は、下方に引っ張られる前の状態に戻る。これにより、顔のたるみが解消されるので、顔の輪郭がリフトアップされる。したがって、装備品は、手首に装着するだけで、時間や場所を問わず継続して容易に使用でき、顔の輪郭のリフトアップ効果という顔への美容効果を十分に発揮できる。
【0008】
手首や腕の筋膜は、総伸筋腱を介して肩に繋がっている。このため、手首や腕の筋膜の突っ張りやねじれは、肩を引っ張り、肩こりを引き起こす。手首や腕の筋膜の突っ張りがほぐされると、肩は、引っ張られる前の状態に戻る。これにより、肩こりが解消される。
【0009】
本発明に係る装備品において、前記本体部は、周方向の長さが調整可能であってもよい。
この構成によれば、装備品の使用者は、手首に合わせて本体部の周方向の長さを調整できる。これにより、装備品は、様々な大きさの手首に装着できる。
使用者は、茎状突起よりも掌側に位置する手首のくびれに合わせて本体部の周方向の長さを調整し、本体部で手首を締め付けることができる。これにより、本体部は、茎状突起よりも肩側に移動することが抑制されるとともに、伸筋支帯の回りに回転不能に保持される。伸筋支帯には、各指の伸筋腱が集まっている。このため、突起部は、手首の伸筋腱に対応する位置に密着した状態で保持される。これにより、突起部は、伸筋腱に刺激を与え続けることができるので、確実に顔の輪郭のリフトアップ効果および肩こり解消効果を発揮できる。
【0010】
本体部は、周方向の長さが調整可能となっているので、使用者は、本体部による手首の締め付けを調整することができる。これにより、使用者は、突起部から伸筋腱に加えられる圧力を調整することができる。
また、使用者は、例えば手首を動かした場合に、突起部が手首の伸筋腱に対応する位置に密着した状態で伸筋腱に対して相対移動可能なように突起部からの圧力を調整できる。これにより、伸筋腱には、突起部の相対移動による刺激が加えられる。したがって、伸筋腱には、手首の動作によって刺激が加えられるので、装備品は、確実に顔の輪郭のリフトアップ効果および肩こり解消効果を発揮できる。
【0011】
本発明に係る装備品において、前記本体部の少なくとも一部は、弾性材料で形成されていてもよい。
この構成によれば、本体部は、弾性復元力により、手首の伸筋支帯の回りを締め付けることができる。これにより、装備品は、本体部を手首の伸筋支帯の回りに確実に保持できる。
【0012】
本発明に係る装備品において、前記突起部の先端は、丸みを帯びていてもよい。
この構成によれば、装備品は、突起部の先端が手首に当接して生じる痛みの発生を防止できる。
【0013】
本発明に係る装備品において、前記突起部は、多面体状に形成された突起部本体と、装着時において、前記突起部本体の前記手首側に面する面に設けられ、前記手首側に向かって突出し前記手首に当接する刺激部と、を有し、前記突起部本体の角部は、丸みを帯びていてもよい。
この構成によれば、装備品は、例えば使用者が手首を動かした場合に、角部が手首に当接して生じる痛みの発生を防止できる。
【0014】
本発明に係る装備品において、前記本体部の幅は、15mm未満であってもよい。
一般的に、茎状突起よりも掌側に位置する手首のくびれの幅は、15mm程度である。この構成によれば、使用者は、本体部の全体を手首のくびれ内に配置した状態で、本体部を手首に締め付けることができる。したがって、装備品は、手首の動作により、茎状突起よりも肩側に移動されることを抑制できる。
【0015】
本発明に係る装備品において、前記本体部は、一方向に延びるとともに、切断容易な材料で形成されたバンドと、前記バンドを環状に保持する留め具と、を有してもよい。
この構成によれば、使用者は、バンドを容易に切断できるので、バンドの長さを調整できる。本体部は、バンドを環状に保持する留め具を有しているので、切断後のバンドを留め具によって環状に保持できる。したがって、使用者は、バンドを切断するだけで、本体部の周方向の長さを調整できる。
【0016】
本発明に係る装備品において、前記留め具は、前記バンドの一端部に設けられる係止孔と、前記バンドの他端部に設けられ、前記係止孔に係止される係止用突起と、前記係止孔と前記係止用突起との係止状態を解除する解除ボタンと、を有してもよい。
この構成によれば、使用者は、係止孔に係止用突起を係止するだけで、バンドを手首の径に合わせた環状に保持できる。これにより、使用者は、片手でも容易に留め具を操作して装備品を手首に取り付けることができる。
使用者は、解除ボタンを押すだけで、バンドの係止状態を解除できる。これにより、使用者は、片手でも容易に留め具を操作して装備品を手首から取り外すことができる。したがって、使用者は、片手でも容易に装備品を着脱できる。
【0017】
本発明に係る装備品において、前記留め具は、前記バンドの端部を覆うクリップを有してもよい。
この構成によれば、クリップは、バンドの端部を覆うことで、バンドの両端部を外側から視認不可とすることができる。例えば本体部の長さ調整のためにバンドを切断した場合、クリップは、バンドの端部を覆うことで、バンドの切断面を外側から視認不可とすることができる。これにより、装備品は、本体部の意匠性を向上できる。
【0018】
本発明に係る装備品において、前記突起部は、複数設けられ、前記バンドには前記複数の突起部が移動可能に挿通されていてもよい。
この構成によれば、バンドには、複数の突起部が移動可能に挿通されている。このため、使用者は、バンドに対する各突起部の位置を変更できるので、伸筋腱の位置に合わせて突起部の位置を調整できる。
バンドには、複数の突起部が移動可能に挿通されている。このため、使用者は、バンドから各突起部を着脱できるので、一部の伸筋腱に対応する突起部を取り外すことができる。したがって、使用者は、突起部により刺激が加えられる伸筋腱を選択することができる。
【0019】
本発明に係る装備品において、前記複数の突起部において、隣り合う側面同士は、互いに密着可能となっていてもよい。
この構成によれば、複数の突起部における隣り合う側面同士を密着させることにより、複数の突起部を密着させて纏めることができる。したがって、装備品は、本体部および突起部の意匠性を向上できる。
装備品は、複数の突起部が周方向に広がることを抑制できる。これにより、装備品は、装着時において、複数の突起部が茎状突起側に回りこむことを抑制できる。よって、装備品は、装着時において、親指側と小指側との2つの茎状突起同士の対向方向に沿う本体部の径寸法を十分に確保できる。一般的に、茎状突起同士の対向方向に沿う手首の幅寸法は、手首の幅寸法の中で最も大きい。この構成によれば、装備品は、装着時において、茎状突起同士の対向方向に沿う本体部の径寸法を十分に確保できる。これにより、装備品は、手首のうち幅寸法の最も大きい部分が本体部によって過度に締め付けられることを抑制できる。したがって、装備品は、本体部による過度な締め付けによる手首の痛みの発生を防止できる。
【0020】
本発明に係る装備品において、前記側面は、平坦面であってもよい。
この構成によれば、装備品の製造者は、突起部の側面を切断するだけで、側面を平坦面に形成できる。これにより、装備品の製造者は、複数の突起部を容易に加工して製造できるので、装備品の生産性を向上できる。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明に係る装備品の使用方法は、上記いずれかの装備品の使用方法であって、前記手首の前記伸筋支帯回りに前記本体部を装着し、前記手首に前記突起部を当接させることを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、上記いずれかの装備品を使用している。このため、本体部を手首に装着するだけで、時間や場所を問わず継続して容易に装備品を使用でき、顔の輪郭のリフトアップ効果という顔への美容効果を十分に発揮できる。
また、本体部を手首に装着するだけで、肩こりが解消される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、時間や場所を問わず継続して容易に使用でき、顔への美容効果を十分に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る装備品が手首に装着された状態を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る装備品が手首に装着された状態を示す側面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るバンドの斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る装着時における留め具周辺を示す平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るクリップ周辺を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る留め具の解除状態を示す側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る突起部の斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る留め具の解除状態を示す側面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る留め具の係止状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
(装備品)
以下、
図1から
図8を参照して本発明の第1実施形態に係る装備品1を説明する。
図1は、装備品1が手首100に装着された状態を示す図である。
図1に示す装備品1は、使用者の顔の輪郭をリフトアップするために用いられる。装備品1は、使用者の手首100に装着される装飾用のブレスレットとしても機能する。
【0026】
図2は、装備品1が手首100に装着された状態を示す側面図である。
図1および
図2に示すように、装備品1は、本体部2と、突起部3と、を有している。
(本体部)
本体部2は、環状に形成されている。本体部2には、手首100が挿入されている。本体部2は、手首100の茎状突起101よりも掌102側(または手の甲103側)に位置するくびれ104内に配置されている。これにより、本体部2は、伸筋支帯105回りに装着される。
以下、本体部2の周方向を単に「周方向」といい、本体部2の軸方向を単に「軸方向」といい、本体部2の径方向を単に「径方向」という。
本体部2は、周方向の長さが調整可能となっている。本体部2の軸方向に沿う幅W1は、例えば9mmである。本体部2は、バンド10と、留め具20と、を有している。
【0027】
図3は、バンド10の斜視図である。
図3に示すように、バンド10は、一方向に延びる板状に形成されている。バンド10は、全体がシリコーンで形成されている。バンド10は、全体が弾性材料かつ切断容易な材料で形成されているのが好ましい。バンド10の各面のうち手首100に接する面には、複数の溝11が形成されている。各溝11は、バンド10の短手方向に延びている。複数の溝11は、バンド10の長手方向に沿って等間隔に設けられている。
図1および
図2に示すように、バンド10は、装着時において、溝11(
図3参照)を手首100側に向けた状態で伸筋支帯105回りに巻き付けられる。バンド10の長手方向の中央部は、装着時において、手首100のうち手の甲103側に位置している。バンド10の短手方向の幅W2は、例えば8mmである。バンド10の板厚方向の幅W3は、例えば3mmである。
【0028】
図4は、装着時における留め具20周辺を示す平面図である。
図4は、径方向外側から見た留め具20を示している。
図2および
図4に示すように、留め具20は、バンド10の両端を連結し、環状に保持している。留め具20は、装着時において、手首100のうち掌102側に位置している。留め具20は、ステンレスで形成されている。留め具20は、クリップ21と、中留22と、ロックバー23と、を有している。
【0029】
図5は、クリップ21周辺を示す斜視図である。
クリップ21は、バンド10の周方向の両端部に1個ずつ計2個取付けられている。以下、クリップ21の周方向両端のうち、周方向でバンド10の周方向中間部に近い側の端をクリップ21の一端といい、周方向でバンド10の周方向中間部から遠い側の端をクリップ21の他端という。
図5に示すように、クリップ21は、外板21aと、側板21bと、内板21cと、を有している。
外板21aは、バンド10の端部を挟んで手首100とは反対側に設けられている。
【0030】
内板21cは、バンド10の端部を挟んで外板21aとは反対側に設けられている。
内板21cは、内板本体21c1と、爪部21c2と、を有している。
内板本体21c1は、周方向に沿っている。以下、内板本体21c1の周方向両端のうち、周方向でバンド10の周方向中間部に近い側の端を内板本体21c1の一端といい、周方向でバンド10の周方向中間部から遠い側の端を内板本体21c1の他端という。
爪部21c2は、内板本体21c1の一端から外板21a側に突出している。爪部21c2の先端には、3つの凸部21c3が設けられている。3つの凸部21c3は、軸方向に並んでいる。凸部21c3は、バンド10の溝11に引っかかっている。なお、凸部21c3は、溝11の有無にかかわらずバンド10にくい込むことも可能である。
【0031】
側板21bは、外板21a及び内板21cを挟んで軸方向に対向するように一対設けられている。側板21bの径方向外側の端部は、外板21aと連続している。一対の側板21bは、内板21cを回転可能に支持している。
クリップ21は、バンド10の端部を外板21aおよび内板21cで挟み込んでいる。クリップ21は、バンド10の端部を一対の側板21bで覆っている。
【0032】
図6は、留め具20の解除状態を示す側面図である。
図2および
図6に示すように、中留22は、2つのクリップ21を周方向に連結している。中留22は、内板24と、内板24に対して回転可能に連結された中板25と、中板25に対して回転可能に連結された外カバー26と、を有している。中留22は、装着時において、内板24、中板25および外カバー26が径方向内側からこの順に重なり合う三つ折れ方式の中留である。
【0033】
内板24は、手首100回りの湾曲に沿って凸となっている。内板24の一端は、一方のクリップ21の他端に連結されている。内板24には、係止用突起27が設けられている。係止用突起27は、内板24から外側に突出している。
【0034】
中板25は、内板24と同等の曲率で湾曲している。中板25の一端は、内板24の他端に回転軸28を介して回転可能に連結されている。中板25には、貫通孔29が設けられている。貫通孔29には、装着時において、係止用突起27が挿入される。
【0035】
外カバー26は、内板24および中板25と同等の曲率で湾曲している。外カバー26は、径方向内側に開口する箱状に形成されている。外カバー26の一端は、中板25の他端に回転軸30を介して回転可能に連結されている。外カバー26の内側には、径方向内側に開口する係止孔31が設けられている。係止孔31は、装着時において、貫通孔29と重なるとともに、係止用突起27が挿入される。係止孔31は、係止用突起27を係止する。以下、係止用突起27と係止孔31とが係止された状態を係止状態といい、係止用突起27と係止孔31との係止が解除された状態を解除状態という。
係止用突起27と係止孔31とが係止状態にあるとき、内板24、中板25および外カバー26は、三つ折りにたたまれた状態で保持されている。内板24および中板25は、係止状態において、外カバー26内に収納される。
【0036】
軸方向に対向する外カバー26の一対の側壁26aには、それぞれ解除ボタン32が1つずつ設けられている。使用者が2つの解除ボタン32を押すことにより、係止用突起27と係止孔31との係止が解除される。外カバー26の他端には、他方のクリップ21の他端が連結されている。
図4および
図6に示すように、底壁26bの径方向外側の面には、軸方向に延びる溝26cが設けられている。溝26cの軸方向中央部には、溝26cから周方向外側に延出するように設けられた回避溝26c1が設けられている。
【0037】
ロックバー23は、内板24の端部に設けられている。ロックバー23は、側壁23aと、バー本体23bと、を有している。側壁23aは、装着時において、外カバー26を軸方向両側から挟み込む。以下、側壁23aの周方向両端のうち、周方向でクリップ21に近い側の端を側壁23aの一端といい、周方向でクリップ21から遠い側の端を側壁23aの他端という。
一対の側壁23aの間には、軸方向に延びる回転軸23cが設けられている。回転軸23cは、側壁23aの一端に設けられている。一対の側壁23aは、回転軸23cを介して内板24に対して回転可能に設けられている。
【0038】
バー本体23bは、一対の側壁23aの間に設けられている。バー本体23bは、側壁23aの他端に設けられている。バー本体23bは、外カバー26の溝26cに嵌め込み可能に設けられている。バー本体23bが溝26cに嵌め込まれることにより、内板24、中板25および外カバー26は、三つ折りにたたまれた状態で強固に保持されている。以下、バー本体23bと溝26cとが嵌め込まれた状態を、ロック状態という。
【0039】
(突起部)
図1および
図2に示すように、突起部3は、5個設けられている。突起部3は、装着時において、手首100の伸筋腱106に対応する位置に設けられている。
図7は、突起部3の斜視図である。
図7に示すように、突起部3は、突起部本体40と、刺激部41と、を有している。
突起部本体40は、立方体状に形成されている。突起部本体40のうち8つの角部40aは、丸みを帯びている。突起部本体40は、ステンレスで形成されている。突起部本体40には、挿通孔42が形成されている。挿通孔42の軸方向に沿う幅W4は、例えば7.9mmである。挿通孔42の径方向に沿う幅W5は、例えば2.9mmである。
図1および
図2に示すように、挿通孔42には、バンド10が挿通されている。これにより、突起部3は、バンド10に移動可能となっている。
隣り合う側面40bは、平坦面である。隣り合う側面40b同士は、互いに密着可能となっている。
図7に示すように、突起部本体40の各面のうち手首100側に面する面には、平面視で円形状の凹部43が設けられている。
【0040】
刺激部41は、凹部43に接着剤を用いて取付けられている。刺激部41は、装着時において突起部本体40から手首100側に突出している。刺激部41の先端41aは、丸みを帯びている。先端41aは、装着時において、手首100の伸筋腱106に対応する位置に当接する。刺激部41は、マグネットで形成されている。
【0041】
(装備品の使用方法)
続いて、装備品1の使用方法について説明する。
装備品1の使用者は、バンド10を切断することによりバンド10の長さを調整する。使用者は、バンド10に突起部3を挿通する。使用者は、バンド10の両端部をクリップ21で挟み込む。このようにして、使用者の手首100に合うように装備品1が調整される。
【0042】
使用者は、解除状態にある装備品1に手首100を挿入し、くびれ104まで装備品1を移動させる。使用者は、装備品1を手首回りに回転させ、突起部3を伸筋腱106に対応する位置に配置する。使用者は、内板24、中板25および外カバー26を三つ折りにたたむ。使用者は、片手で係止用突起27と係止孔31とを係止し、装備品1を係止状態とする。使用者は、片手でロックバー23を内側に回転させ、外カバー26の溝26cにロックバー23のバー本体23bを嵌め込み、装備品1をロック状態とする。これにより、手首100は、突起部3に密着された状態で、バンド10によって締め付けられた状態となる。このようにして、装備品1は、手首100に装着される。
【0043】
突起部3の先端41aは、手首100の伸筋腱106に対応する位置に密着する。これにより、伸筋腱106には、突起部3からの圧力が加えられる。突起部3の圧力は、伸筋腱106への刺激となる。
使用者は、バンド10による手首100の締め付け度合を調整することにより、手首を動かす動作により、突起部3が伸筋腱106に対して相対移動可能にできる。手首を動かす動作とは、例えばキーボードのタイピングや、皿洗い等の日常的な動作を含む。手首を動かす動作により、突起部3から伸筋腱106に刺激が加えられる。
突起部3から伸筋腱106に加えられた刺激は、手首100の筋膜の突っ張りを緩める。手首100の筋膜の突っ張りが緩められると、手首100の筋膜に引っ張られた顔の筋膜が引っ張られる前の位置に戻り、顔の輪郭がリフトアップされる。このようにして、顔の輪郭のリフトアップという顔への美容効果が発揮される。
【0044】
装備品1を手首100から取り外す場合、まず、使用者は、回避溝26c1からバー本体23bに指先をかけ、片手でロックバー23を外側に回転させる。これにより、バー本体23bと溝26cとの嵌め込みが解除され、ロック状態が解除される。続いて、使用者は、片手で外カバー26の一対の側壁26aにそれぞれ設けられた2つの解除ボタン32を押す。これにより、係止用突起27と係止孔31との係止が解除される。使用者は、三つ折りにたたまれた内板24、中板25および外カバー26を展開した後、装備品1から手首100を引き抜く。このようにして、装備品1は、手首100から取り外される。
【0045】
(作用効果)
上述の第1実施形態によれば、以下の作用および効果が得られる。
突起部3は、装備品1の装着時において、伸筋腱106の対応する位置に設けられている。突起部3は、装着時において、手首100側に向かって突出し手首に当接している。これにより、突起部3は、手首100の伸筋腱106に圧力を加えることができる。突起部3からの圧力は、手首100の伸筋腱106を刺激する。突起部3からの刺激は、手首100の伸筋腱106から総伸筋腱に伝達される。手首100の伸筋腱106や総伸筋腱に加えられた刺激は、手首100や腕の筋膜に伝達され、手首100や腕の筋膜を緩めることができる。これにより、手首100や腕の筋膜の突っ張りがほぐされる。
ところで、手首100や腕の筋膜は、総伸筋腱を介して顔の筋膜に繋がっている。このため、手首100や腕の筋膜の突っ張りやねじれは、顔の筋膜を下方に引っ張り、顔のたるみを引き起こす。手首100や腕の筋膜の突っ張りがほぐされると、顔の筋膜は、下方に引っ張られる前の状態に戻る。これにより、顔のたるみが解消されるので、顔の輪郭がリフトアップされる。したがって、装備品1は、手首100に装着するだけで、時間や場所を問わず継続して容易に使用でき、顔の輪郭のリフトアップ効果という顔への美容効果を十分に発揮できる。
顔の筋膜の下方への引っ張りが解消されることにより、眼精疲労の回復が促される。
【0046】
手首100や腕の筋膜は、総伸筋腱を介して肩に繋がっている。このため、手首100や腕の筋膜の突っ張りやねじれは、肩を引っ張り、肩こりを引き起こす。手首100や腕の筋膜の突っ張りがほぐされると、肩は、引っ張られる前の状態に戻る。これにより、肩こりが解消される。
【0047】
本体部2は、周方向の長さが調整可能となっているので、装備品1の使用者は、手首に合わせて本体部2の周方向の長さを調整できる。これにより、装備品1は、様々な大きさの手首100に装着できる。
使用者は、茎状突起101よりも掌102側に位置する手首100のくびれ104に合わせて本体部2の周方向の長さを調整し、本体部2で手首100を締め付けることができる。これにより、本体部2は、茎状突起101よりも肩側に移動することが抑制されるとともに、伸筋支帯105の回りに回転不能に保持される。伸筋支帯105には、各指の伸筋腱106が集まっている。このため、突起部3は、手首100の伸筋腱106に対応する位置に密着した状態で保持される。これにより、突起部3は、伸筋腱106に刺激を与え続けることができるので、確実に顔の輪郭のリフトアップ効果および肩こり解消効果を発揮できる。
【0048】
本体部2は、周方向の長さが調整可能となっているので、使用者は、本体部2による手首100の締め付けを調整することができる。これにより、使用者は、突起部3から伸筋腱106に加えられる圧力を調整することができる。
また、使用者は、例えば手首100を動かした場合に、突起部3が手首100の伸筋腱106に対応する位置に密着した状態で伸筋腱106に対して相対移動可能なように突起部3からの圧力を調整できる。これにより、伸筋腱106には、突起部3の相対移動による刺激が加えられる。したがって、伸筋腱106には、手首100の動作によって刺激が加えられるので、装備品1は、確実に顔の輪郭のリフトアップ効果および肩こり解消効果を発揮できる。
【0049】
本体部2のうちバンド10が、弾性材料で形成されている。これにより、本体部2は、弾性復元力により、手首100の伸筋支帯105の回りを締め付けることができる。これにより、装備品1は、本体部2を手首100の伸筋支帯105の回りに確実に保持できる。
バンド10の全体が弾性材料で形成されている。これにより、バンド10の一部が弾性材料で形成されている場合と比較して、弾性変形による本体部2の周方向の長さの変化幅を多く確保できる。したがって、装備品1は、より大きい手首に合わせて本体部の周方向の長さを調整できる。これにより、装備品1は、より様々な大きさの手首100に装着できる。
【0050】
バンド10は、シリコーンで形成されている。シリコーンは、切断してもほつれることがなく、皮材料や布材料等と比較して破れにくい材料である。したがって、装備品1は、本体部2の強度を向上できる。
【0051】
突起部3の先端41aは、丸みを帯びている。これにより、装備品1は、突起部3の先端41aが手首100に当接して生じる痛みの発生を防止できる。
【0052】
突起部本体40の角部40aは、丸みを帯びている。これにより、装備品1は、例えば使用者が手首100を動かした場合に、角部40aが手首100に当接して生じる痛みの発生を防止できる。
【0053】
本体部2の軸方向に沿う幅W1は、例えば9mmである。
一般的に、茎状突起101よりも掌102側に位置する手首100のくびれ104の幅は、15mm程度である。この構成によれば、本体部2の軸方向に沿う幅W1は、例えば15mm未満となる。これにより、使用者は、本体部2の全体を手首100のくびれ104内に配置した状態で、本体部2を手首100に締め付けることができる。したがって、装備品1は、手首100の動作により、茎状突起101よりも肩側に移動されることを抑制できる。
【0054】
本体部2は、切断容易な材料で形成されたバンド10を有している。使用者は、バンド10を容易に切断できるので、バンド10の長さを調整できる。本体部2は、バンド10を環状に保持する留め具20を有しているので、切断後のバンド10を留め具20によって環状に保持できる。したがって、使用者は、バンド10を切断するだけで、本体部2の周方向の長さを調整できる。
使用者は、バンド10を切断してバンド10の長さを調整できるので、例えば1mmから2mm程度の細かな長さ調整を容易に行うことができる。
バンド10の全体が切断容易な材料で形成されている。これにより、装備品1は、バンド10の一部が切断容易な材料で形成されている場合と比較して、バンド10の長さの調整幅を多く確保できる。したがって、装備品1は、より様々な大きさの手首100に装着できる。
【0055】
留め具20は、係止孔31と、係止用突起27と、を有している。係止孔31は、他方のクリップ21及び外カバー26を介してバンド10の一端部に設けられている。係止用突起27は、一方のクリップ21及び内板24を介してバンド10の他端部に設けられている。係止用突起27は、係止孔31に係止される。これにより、使用者は、係止孔31に係止用突起27を係止するだけで、バンド10を手首100の径に合わせた環状に保持できる。これにより、使用者は、片手でも容易に留め具20を操作して装備品1を手首100に取り付けることができる。
留め具20は、係止孔31と係止用突起27との係止状態を解除する解除ボタン32を有している。使用者は、解除ボタン32を押すだけで、バンド10の係止状態を解除できる。これにより、使用者は、片手でも容易に留め具20を操作して装備品1を手首100から取り外すことができる。したがって、使用者は、片手でも容易に装備品1を着脱できる。
【0056】
留め具20は、バンド10の端部を覆うクリップ21を有している。これにより、クリップ21は、バンド10の端部を覆うことで、バンド10の両端部を外側から視認不可とすることができる。例えば本体部2の長さ調整のためにバンド10を切断した場合、クリップ21は、バンド10の端部を覆うことで、バンド10の切断面を外側から視認不可とすることができる。これにより、装備品1は、本体部2の意匠性を向上できる。
【0057】
バンド10には、複数の突起部3が移動可能に挿通されている。このため、使用者は、バンド10に対する各突起部3の位置を変更できるので、伸筋腱106の位置に合わせて突起部3の位置を調整できる。
バンド10には、複数の突起部3が移動可能に挿通されている。このため、使用者は、バンド10から各突起部3を着脱できるので、一部の伸筋腱106に対応する突起部3を取り外すことができる。したがって、使用者は、突起部3により刺激を加えられる伸筋腱106を選択することができる。
【0058】
複数の突起部3において、隣り合う側面40b同士は、互いに密着可能となっている。複数の突起部3における隣り合う側面40b同士を密着させることにより、複数の突起部3を密着させて纏めることができる。したがって、装備品1は、本体部2および突起部3の意匠性を向上できる。
装備品1は、複数の突起部3が周方向に広がることを抑制できる。これにより、装備品1は、装着時において、複数の突起部3が茎状突起101側に回りこむことを抑制できる。よって、装備品1は、装着時において、親指側と小指側との2つの茎状突起101同士の対向方向に沿う本体部2の径寸法を十分に確保できる。一般的に、茎状突起101同士の対向方向に沿う手首100の幅寸法は、手首100の幅寸法の中で最も大きい。この構成によれば、装備品1は、装着時において、茎状突起101同士の対向方向に沿う本体部2の径寸法を十分に確保できる。これにより、装備品1は、手首100のうち幅寸法の最も大きい部分が本体部2によって過度に締め付けられることを抑制できる。したがって、装備品1は、本体部2による過度な締め付けによる手首100の痛みの発生を防止できる。
【0059】
側面40bは、平坦面であるので、装備品1の製造者は、突起部3の側面40bを切断するだけで、側面40bを平坦面に形成できる。これにより、装備品1の製造者は、複数の突起部3を容易に加工して製造できるので、装備品1の生産性を向上できる。
【0060】
装備品1の使用方法は、手首100の伸筋支帯105回りに本体部2を装着し、手首100に突起部3を当接させる。これにより、本体部2を手首100に装着するだけで、時間や場所を問わず継続して容易に装備品1を使用でき、顔の輪郭のリフトアップ効果という顔への美容効果を十分に発揮できる。
また、本体部2を手首100に装着するだけで、肩こりが解消される。
【0061】
刺激部41は、マグネットで形成されている。刺激部41は、装着時において手首100に当接する。手首100には血管が集中しているので、刺激部41は、磁力によって血流を改善することができる。
【0062】
留め具20および突起部本体40は、ステンレスで形成されているので、サビを防止できる。
ステンレスは、非磁性材料である。このため、例えば使用者が装備品1を複数装着したとしても、複数の装備品1が磁力によって互いに吸着されることを抑制できる。
【0063】
留め具20は、ロックバー23を備えている。装備品1は、ロックバー23のバー本体23bを外カバー26の溝26cに嵌め込むことができる。これにより、内板24、中板25および外カバー26は、三つ折りにたたまれた状態で強固に保持される。
【0064】
クリップ21の凸部21c3は、バンド10の溝11に引っかかっている。これにより、装備品1は、バンド10からのクリップ21離脱を防止できる。
【0065】
バンド10の短手方向の幅W2は、例えば8mmである。バンド10の板厚方向の幅W3は、例えば3mmである。これにより、例えば使用者が手首100を動かした際に、装備品1が手の甲103に当たることを抑制できる。したがって、装備品1が日常生活の妨げになることを防止できる。
【0066】
加えて、突起部3の挿通孔42の軸方向に沿う幅W4は、例えば7.9mmである。挿通孔42の径方向に沿う幅W5は、例えば2.9mmである。これにより、バンド10は、挿通孔42に軽圧入されるので、挿通孔42は、バンド10からの圧力を適度に受けることができる。これにより、装備品1は、突起部3に周方向の外力が加えられていない場合には突起部3をバンド10の特定の位置に保持できる。さらに、装備品1は、突起部3に周方向の外力が加えられた場合には突起部3が容易に移動される状態を維持できる。よって、この場合でも、使用者は、突起部3の配置を容易に調整できる。
なお、挿通孔42は、バンド10が挿通孔42に少なくとも一部が接触した状態で挿通される程度の大きさに形成されてもよい。この場合、突起部3は、バンド10との摩擦力を適度に受けることができる。したがって、装備品1は、突起部3に周方向の外力が加えられていない場合には突起部3が移動するのを抑制できる。さらに、装備品1は、突起部3に周方向の外力が加えられた場合には突起部3が容易に移動される状態を維持できる。このため、使用者は、突起部3の配置を容易に調整できる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、
図8および
図9を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
図8は、留め具20Aの解除状態を示す側面図である。
図9は、留め具20Aの係止状態を示す側面図である。以下の第2実施形態では、留め具20Aは、外板26Aを備えている構成と、係止用突起27と係止孔31との係止のみによって、内板24、中板25および外板26Aが三つ折りにたたまれた状態で保持される構成とで、第1実施形態と相異している。なお、第2実施形態の構成のうち、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0068】
図8および
図9に示すように、装備品1Aの留め具20Aは、クリップ21と、中留22と、を有している。中留22は、内板24と、中板25と、外板26Aと、を有している。外板26Aは、装着時において、板厚方向が径方向と一致する板状に形成されている。外板26Aの周方向の長さは、内板24および中板25の周方向の長さよりも短く形成されている。外板26Aは、装着時において、径方向内側の面に係止孔31を有し、軸方向に面する両側面に解除ボタン32を有している。外板26Aの係止孔31が内板24の係止用突起27を係止することにより、内板24、中板25および外板26Aは、三つ折りにたたまれた状態で保持される。
【0069】
上述の第2実施形態によれば、以下の作用および効果が得られる。
装備品1Aにおいて、係止用突起27と係止孔31との係止のみによって、内板24、中板25および外板26Aが三つ折りにたたまれた状態で保持される。内板24、中板25および外板26Aが三つ折りにたたまれた状態で保持されるための構成を別途設ける必要がないので、装備品1Aの構成を簡略化できる。これにより、装備品1Aの製造費を削減し、装備品1Aの生産性を向上できる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0071】
上記各実施形態では、本体部2は、環状に形成されているとしたが、本体部2は、一部が開口したC字状に形成されてもよい。
上記各実施形態では、本体部2の軸方向の幅W1は、例えば9mmであるとしたが、これに限られない。本体部2の軸方向の幅W1は、例えば15mm未満であればよい。
【0072】
上記各実施形態では、バンド10は、全体が弾性材料で形成されているとしたが、バンド10の少なくとも一部が弾性材料で形成されていてもよい。
上記各実施形態では、バンド10は、全体が切断容易な材料で形成されているとしたが、少なくとも一部が切断容易な材料で形成されていてもよい。バンド10は、切断が容易でない材料で形成されていてもよい。
【0073】
上記各実施形態では、バンド10は、シリコーンで形成されているとしたが、繊維材料で形成されていてもよいし、合成皮や天然皮等の皮材料で形成されていてもよい。ただし、バンド10がシリコーンで形成されている場合は、バンド10が皮材料で形成されている場合と比較して、切断が容易である点と、切断面にほつれが生じないため意匠性を向上できる点と、バンド10が弾性変形可能である点とで優位性がある。また、バンド10は、シリコーン以外の弾性変形可能かつ切断容易な樹脂材料で形成されていてもよい。
【0074】
バンド10には、複数の突起部3が移動可能に挿通されているとしたが、これに限られない。突起部3は、複数の設けられていなくもよい。突起部3の個数は、適宜変更可能である。突起部3の大きさは、適宜変更可能であり、1つの突起部3に複数の刺激部41が設けられていてもよい。突起部3は、バンド10に対して移動不能に設けられていてもよい。
突起部3は、突起部本体40と、刺激部41と、を有しているとしたが、これに限られない。突起部3の形状は、適宜変更可能である。突起部3は、突起部本体40のみから構成されてもよい。この場合、突起部3突起部本体40の角部40aが、突起部3の先端として機能し、手首100の伸筋腱106に対応する位置に当接する。
【0075】
突起部本体40は、立方体状に形成されているとしたが、突起部本体40のうち軸方向に面する両側面40cは、軸方向に凸状または凹状に形成された湾曲面であってもよい。突起部本体40は、例えば五角柱や六角柱等の立方体状以外の多面体であってもよい。
【0076】
突起部本体40は、ステンレスで形成されているとしたが、ステンレス以外の金属材料や樹脂材料で形成されてもよい。
刺激部41は、マグネットで形成されているとしたが、突起部本体40と同様にステンレスで形成されてもよい。
刺激部41は、凹部43に接着剤を用いて取付けられているとしたが、刺激部41は、凹部43に嵌め込みによって固定されていてもよい。刺激部41は、突起部本体40と一体に形成されていてもよい。
【0077】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…装備品
1A…装備品
2…本体部
3…突起部
10…バンド
20…留め具
20A…留め具
21…クリップ
27…係止用突起
31…係止孔
32…解除ボタン
40…突起部本体
40a…角部
40b…側面
41…刺激部
41a…先端
100…手首
105…伸筋支帯
106…伸筋腱
W1…幅