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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073697
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】昇降式足場装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20220510BHJP
   E04G 1/24 20060101ALI20220510BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
B66F9/06 W
E04G1/24 301B
B66F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183849
(22)【出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】594052755
【氏名又は名称】サンレイズ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(72)【発明者】
【氏名】西澤 賢志
【テーマコード(参考)】
2E003
3F333
【Fターム(参考)】
2E003CA02
2E003CB01
2E003CC01
3F333AA08
3F333AA15
3F333AB13
3F333AC07
3F333AC11
3F333AD06
3F333AE35
3F333BE05
(57)【要約】
【課題】天井等とのスペースが少ない場所への重量のあるボードの取付作業を容易に行うことができる昇降式の足場装置を安価に提供する。
【解決手段】昇降機構23を備えて上下方向に移動可能に構成された足場部2と、足場部2を水平方向に移動可能とする走行機構部3と、足場部2の側方に上下方向に延びて設けられるガイド部4と、ボード100を載置でき、かつ、ガイド部4に沿って上下方向に移動可能に構成された載置台部5と、載置台部5をガイド部4に沿って上下移動させる駆動機構部6とを有する。そして、ガイド部4、載置台部5および駆動機構部6として、市販の梯子を使った荷揚げ装置を用いる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機構を備えて上下方向に移動可能に構成された足場部と、
前記足場部を水平方向に移動可能とする走行機構部と、
前記足場部の側方に上下方向に延びて設けられるガイド部と、
板状の資材を載置でき、かつ、前記ガイド部に沿って上下方向に移動可能に構成された載置台部と、
前記載置台部を前記ガイド部に沿って上下移動させる駆動機構部とを有する
ことを特徴とする昇降式足場装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、手動または原動機付きのウインチで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降式足場装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記載置台部に載置された資材を、前記足場部の床面から1m乃至2mの高さ位置にまで引き上げ可能な長さ寸法を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の昇降式足場装置。
【請求項4】
前記載置台部は、前記板状の資材の下端部の脱落を防止しつつ支持できるように先端部が略コ字状に曲折されて鉤状を呈し、この鉤状を呈する先端部分に前記資材の下端部が収容されるようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の昇降式足場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、昇降式足場装置に関し、より詳細には、放射線、電磁波などの遮蔽や遮音などの特定の機能を備えた機能付きボード(資材)の運搬・施工作業に適した昇降式の足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線や電磁波の遮蔽、遮音など特定の機能を備えた部屋(放射線室、シールドルーム、防音室など)を構築する場合、その部屋や隣接する部屋・廊下などの壁面に、特定の機能を付与する機能付きのボードを取り付けることがある。
【0003】
たとえば、放射線室を構築する場合、図4に示すように、放射線遮蔽材(たとえば、鉛板)を備えた放射線遮蔽機能付きのボードaを、放射線室の壁面Wなどに隙間なく壁一面に貼り付けている。
【0004】
図4に示す施工例は、階高L1が4500mmの壁面Wに、放射線遮蔽機能を備えたボードaを上下3段に配置した場合を示しており、図示例では、下段および中段に高さL2が1820mm、幅L3が910mmの大型のボードa1を配設し、これら下段および中段のボードa1によっては覆いきれない残余のスペースである上段に高さL4が710mm、幅L3が910mmの小型のボードa2を配設することによって、壁面Wの全面をボードaで覆うように施工している。
【0005】
ところで、このような機能付きのボードaは、上述した放射線遮蔽材の鉛板のように、ボードに特定の機能を付与する機能材が備えられているため、小型のボードa2であっても1枚あたりの重さが十数kgを超え、大型のボードa1においては数十kg(たとえば、60kg)程度の重さになることがある。そのため、この種のボードaを、図4に示すように多段に配置するためには、2段目より上の段に配設するボードaは、昇降式の足場装置b(たとえば、特許文献1の「高所作業車」を参照)を用いて所望の高さ位置まで持ち上げて貼り付けるようにしている。
【0006】
図5はこの種の昇降式の足場装置bの一例を示している。図5に示す昇降式の足場装置bは、足場cを上下に昇降移動させる昇降機構dを備えており、作業員がこの昇降機構dを操作することによって、足場cを任意の高さ位置に昇降させることができるようになっている。出願人は、このような足場装置bの側方にボードaを載置する載置台eを取り付け、足場cの上昇に伴って載置台eに載置したボードaが持ち上げられるようにし、このような足場装置bを使ってボードaを2段目より上の段の位置まで持ち上げ、その状態から壁面Wへの貼り付けを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-302389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のやり方には以下の問題があった。
すなわち、足場cの側面に設けた載置台eにボードaを載せて持ち上げる方法では、図6の左側に図示するように、天井までのスペースに余裕がある中段へのボードa1の取り付け作業は、載置台eを中段の高さ位置(中段の施工ラインCL1)まで上昇させ、この状態でボードa1を載置台eから壁面Wに移し替えながら壁面Wに貼り付けることができるが、天井までのスペースに余裕がなく、ダクトDなどの障害物もある上段へのボードa2の取り付け作業では、ボードaが上段の高さ位置(上段の施工ラインCL2)に配置されるまで足場cを上昇させようとすると、足場cと天井との隙間が狭くなりすぎて作業員が起立状態で作業することができなくなったり、あるいは、足場装置bとダクトDとが接触干渉するなどして、足場cを所望の高さ位置まで上昇させることができない。そのため、現状では、上段へのボードaの取付作業にあたっては、図6の右側に図示するように、足場cを中段の中ほどの高さ位置で止め、そこから上段の高さ位置までボードa2を人力で持ち上げて(図6の右側の矢符参照)、ボードa2の取付作業を行っており、重量のあるボードaの上げ下ろしに多大の労力が必要であった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、天井等とのスペースが少ない場所への重量のあるボードの取付作業を容易に行うことができる昇降式の足場装置を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る昇降式足場装置は、昇降機構を備えて上下方向に移動可能に構成された足場部と、上記足場部を水平方向に移動可能とする走行機構部と、上記足場部の側方に上下方向に延びて設けられるガイド部と、板状の資材を載置でき、かつ、上記ガイド部に沿って上下方向に移動可能に構成された載置台部と、上記載置台部を上記ガイド部に沿って上下移動させる駆動機構部とを有することを特徴とする。
【0011】
そして、好適な実施態様として、以下の特徴を有している。
(1)上記駆動機構は、手動または原動機付きのウインチで構成されていることを特徴とする。
【0012】
(2)上記ガイド部は、上記載置台部に載置された資材を、上記足場部の床面から1m乃至2mの高さ位置にまで引き上げ可能な長さ寸法を有していることを特徴とする。
【0013】
(3)上記載置台部は、上記板状の資材の下端部の脱落を防止しつつ支持できるように先端部が略コ字状に曲折されて鉤状を呈し、この鉤状を呈する先端部分に上記資材の下端部が収容されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、昇降式足場装置の足場部の側方に上下方向に延びるガイド部が設けられ、資材を載置する載置台部がこのガイド部に沿って上下方向に移動可能に構成されていることから、シンプルかつ安価な構成で、資材が載置された載置部を足場部の高さ位置からさらに上方に移動させることができる。したがって、天井等とのスペースを十分に確保できる位置に足場部を止めた状態で、その位置から資材を天井付近の所望の高さ位置まで持ち上げることができ、少ない労力で、壁面への資材の取付作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る昇降式足場装置の一例を模式的に示した正面図である。
図2】同昇降式足場装置の載置台部を上方に移動させた状態を模式的に示した側面図である。
図3】同昇降式足場装置を用いて行う壁面へのボードの取付作業の様子を示す説明図である。
図4】放射線遮蔽機能を有するボードの壁面への施工例を示す説明図である。
図5】資材の載置部を設けた従来の足場装置の構造を示す側面図である。
図6】従来の足場装置を用いて行う壁面へのボードの取付作業の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る昇降式足場装置1は、特定の機能が付与されたボード(たとえば、放射線遮蔽、電磁波遮蔽、遮音などの機能が付与されたボード)100を壁面Wに取り付ける作業、特に、高さ方向に多段にボード100を取り付ける作業に適した昇降式の足場装置であって、上下方向に移動可能に構成された足場部2と、足場部2を水平方向に移動可能に構成する走行機構部3と、足場部2の側方に上下方向に延びて設けられるガイド部4と、ボード100などの資材を載置でき、かつ、ガイド部4に沿って上下方向に移動可能に構成された載置台部5と、載置台部5をガイド部4に沿って上下移動させる駆動機構部6とを主要部として備えている。
【0017】
足場部2は、作業員の作業スペースとなる作業床21と、作業床21の周囲に設けられる脱落防止柵22と、作業床21を上下方向に移動させる昇降機構23とを主要部として有している。図示の作業床21は、図1の左右方向を長手方向とする(平面視において)略長方形状の平坦な床面を有しており、この床面の周囲には高さ数cm程度の周壁24が設けられ、作業床上に置かれたビスなどの小さな物品が外部に転がり落ちないようになっている。
【0018】
脱落防止柵22は、作業床21上で作業する作業員が落下するのを防止するための柵であって、図示例では、作業床21の周囲に、高さ1~1.5m程度の手摺を配置したような形状の柵が設けられている。なお、この脱落防止柵22は、作業員の落下防止の目的が達成できる形状であればよく、その具体的な形状は適宜変更可能である。
【0019】
昇降機構23は、作業床21を上下方向に移動させるための機構であって、図示例では、作業床21の短手方向の側面に設けられた伸縮自在の柱状の形態とされ、図示しない昇降動作用の操作パネルの操作に応じて図外の駆動部が作動することにより、柱状の昇降機構23の柱部分が伸縮して作業床21(足場部2)の高さ位置を変更できるようになっている。なお、本実施形態では、昇降機構23が柱状の駆動機構で構成された場合を示したが、作業床21を上下方向に移動できる構造であれば、たとえば、作業床21の下に設けられた伸縮式のシザーアームの形態であってもよい。
【0020】
走行機構部3は、上述したように、足場部2を水平方向に移動可能にするための機構で構成されている。本実施形態では、この走行機構部3は、車台部31と、車台部31に設けられた4つの車輪32と、車輪32の動力源(図示せず)とを有している。
【0021】
車台部31は、作業床21を支持する台車であって、この車台部31は車輪32によって水平方向に移動可能に構成されている。車輪32の動力源としては、たとえば、電動モータが用いられるが、電動モータ以外の動力源で動くものであってもよい。そして、この車台部31は、足場部2に設けられた操作パネル(図示例では、昇降機構23の上端位置に設けられている)7を用いて操縦可能になっており、作業床21上の作業員が車台部31の水平移動を自在に操縦できるようになっている。なお、足場部2および走行機構部3を備える足場装置としては、市販されている既製の高所作業車を用いることにより、これらの製造コストを安価に抑えることができる。本実施形態では、これら足場部2および走行機構部3として既製品の高所作業車を用いている。
【0022】
ガイド部4は、載置台部5の上下方向の移動を案内するためのガイドレールを構成するものであって、足場部2の側方に上下方向に延びるように設けられている。そして、本実施形態では、このガイド部4として、梯子を使った荷揚げ装置の梯子部分が用いられている。すなわち、本実施形態では、このガイド部4、載置台部5および駆動機構部6を構成するものとして、梯子を使った市販(既製品)の荷揚げ装置を用いており、その梯子部分を足場部2の側面に取り付け固定することによってガイド部4を形成している。
【0023】
具体的には、ガイド部4を構成する梯子部分は、図1に示すように、梯子の下端部分が床面FLの近傍に位置するように配置される。ここで、梯子部分の下端位置は、後述する載置台部5へのボード100の積み下ろしの容易性を考慮すると、できる限り床面FLに近いのが好ましいが、あまりに床面FLに近づきすぎると、走行時に梯子の下端部分が床面FLと接触して走行の妨げになるおそれがあるので、床面FLとの間に数cm程度の隙間ができるように構成しておくのが好ましい。
【0024】
これに対し、梯子部分の長さ、すなわち、載置台部5の上昇上限の高さは、作業床21上に起立した作業員が起立状態でボード100を持ち運びできる程度の高さ、具体的には、たとえば、載置台部5に載置されたボード100を足場部2の床面(作業床21の床面)から1m乃至2mの高さ位置にまで引き上げ可能な長さ寸法とされる。これにより、載置台部5に載置されたボード100を作業員の胸元や目線の高さ程度の位置まで持ち上げて作業することができるようになる。
【0025】
載置台部5は、荷揚げ装置に備え付けの荷台部分を用いることもできるが、本実施形態では、この載置台部5は、図2に示すように、先端部が略コ字状に曲折されて鉤状を呈する金具で構成されている。すなわち、この載置台部5は、図2に示すように、板状のボード100を載置した際に、載置台部5の先端部分がボード100の下端部を挟み込んでその脱落を防止しつつ支持できる構造とされている。
【0026】
駆動機構部6は、梯子を使った荷揚げ装置において荷台部分(載置台部5)を持ち上げるのに使用する動力機構で構成される。本実施形態では、この駆動機構部6は、先端部が載置台部5に連結されたワイヤ61と、ワイヤ61を巻き上げる電動ウインチ(原動機付きウインチ)62とで構成されている。電動ウインチ62は、図示しないウインチ操作部を操作すことによってワイヤ61の巻き上げ/巻き戻しが自動で行われるように構成されており、これによって、載置台部5が荷揚げ装置の梯子部分(ガイド部4)に沿って上下に移動するように構成されている。なお、本実施形態ではワイヤ61の巻き上げ/巻き戻しに原動機付のウインチを用いた場合を示したが、手動の巻き上げハンドルを備えた手動ウインチを用いることも勿論可能である。
【0027】
次に、このように構成された昇降式足場装置1を用いたボード100の壁面Wへの取付作業について、図3を参照しながら説明する。
【0028】
図3に示すボード100の施工例は、図4に示す施工例と同様に、階高L1が4500mmの壁面Wに放射線遮蔽機能を備えたボード100を上下3段に取り付ける場合を示しており、下段および中段には高さL2が1820mm、幅L3が910mmの大型のボード100aを取り付け、これら下段および中段のボード100aによっては覆いきれない残余のスペースである上段には高さL4が710mm、幅L3が910mmの小型のボード100bを取り付ける場合を例示している。
【0029】
図3の左側に示すように、天井までのスペースに余裕がある下段および中段へのボード100aの取り付け作業は、まず、ボード100aを載置台部5に載置した昇降式足場装置1をボード100aの取付位置(ボード100aを取り付ける壁面Wと対面する位置)まで水平移動させる。このとき、昇降式足場装置1は、載置台部5が設けられた側が壁面Wと対面するようにする。そしてその状態で、電動ウインチ62を操作して載置台部5を下端位置、すなわち、床面LF近傍の高さ位置まで下げる。そして、壁面下段へのボード100aの取り付けにあたっては、この状態から作業床21上の作業員が人力でボード100aを少し持ち上げて、ボード100aの下端部分を載置台部5のコ字状部分から取り外し、壁面Wの下段の所定位置に移し替えて貼り付ける。
【0030】
次に、壁面中段へのボード100aの取り付けは、下段への貼り付けと同様に、まず、ボード100aを載置台部5に載置した昇降式足場装置1をボード100aの取付位置まで水平移動させる。そして、次に昇降式足場装置1の昇降機構23を操作して、載置台部5が壁面中段への施工位置(中段の施工ラインCL1の高さ位置)の近傍に位置するようにし、この状態から上記同様に作業床21上にいる作業員が人力でボード100aを少し持ち上げて載置台部5から取り外し、壁面Wの中段の所定位置に移し替えて貼り付ける。
【0031】
なお、このときの載置台部5の高さ位置の調節は、上述したように昇降式足場装置1の昇降機構23だけで行ってもよいが、載置台部5を上下移動させる駆動機構部6を併用して載置台部5の高さ位置の微調整を行ってもよい。
【0032】
そして最後に、壁面上段へのボード100bの取り付けは、図3の右側に図示するように、まず、ボード100bを載置台部5に載置した昇降式足場装置1をボード100bの取付位置まで水平移動させるのは、下段および中段への取り付けと同様である。そして、この状態から昇降式足場装置1の昇降機構23を操作して、載置台部5の高さ位置を壁面上段のボードの施工位置(CL2)の近傍に位置させる。すなわち、天井等との隙間が少ない上段へのボード100bの施工では、天井等に邪魔されることなく作業床21上の作業員が起立状態で作業できる高さ位置(図示例では、中段の施工ラインL1より高いが、上段の施工ラインL2よりも低い位置)まで移動させる。
【0033】
そして、この状態から駆動機構部6の電動ウインチ62を操作して、載置台部5に載置されたボード100bが壁面上段の施工位置(CL2)の近傍に位置するように、載置台部5の高さ位置を調節する。そして、ボード100bが壁面上段の施工位置(CL2)の近傍まで持ち上げられると、この状態から作業床21上の作業員が人力でボード100bを持ち上げて載置台部5から取り出し、壁面Wの上段位置への貼り付け作業を行う。
【0034】
このように、本発明に係る昇降式足場装置1によれば、足場部2を上下方向に移動させる昇降機構23に加えて、ボード100を載置する載置台部5を上下方向に移動させる駆動機構部6が備えられているので、天井等とのスペースが十分に確保できないような場所であっても、スペースを確保できる位置に足場部2を止め、この状態からボード100を天井付近の所望の高さ位置まで持ち上げることができるので、少ない労力でボード100の壁面への取付作業を行うことができる。
【0035】
しかも、本実施形態に示す昇降式足場装置1では、ガイド部4、載置台部5および駆動機構部6として既製品の荷揚げ装置を用いているので、これを既製品の高所作業車に取り付けることで、本発明に係る昇降式足場装置1を極めて容易に製造することができ、重量のあるボード100の壁面への取り付け作業に適した昇降式足場装置1をシンプルな構成でかつ安価に提供することができる。
【0036】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0037】
たとえば、上述した実施形態では、走行機構部3を車輪32で構成した場合を示したが、車輪32に代えて起動輪を有する無限軌道で構成することも可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、載置台部5として、先端部が略コ字状に曲折された鉤状の金具を用いた場合を示したが、ボード100を載置可能な形状であればよく、たとえば、先端部が略L字状に曲折された金具や略ム字状に曲折された金具などで載置台部5を構成してもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、載置台部5に載置する資材として特定の機能付きのボード100を用いた場合を示したが、重量のある板状の資材であれば他の資材の運搬等に用いてもよい。また、上述した実施例では、ボードaとして、高さL2が1820mm、幅L3が910mmの大型のボード100aと、高さL4が710mm、幅L3が910mmの小型のボード100bを用いた場合を示したが、これらボードaの大きさは適宜変更可能であることは勿論である。
【0040】
また、上述した実施形態では、足場部2の一側面にガイド部4、載置台部5および駆動機構部6を設けた場合を示したが、これらとは反対側の面にも、図2に示すような資材の載置台51を設け、この台51にも資材(ボード100)を載置するように構成してもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、ガイド部4、載置台部5および駆動機構部6を構成するものとして、ガイド部4に梯子を使った荷揚げ装置を用いた場合を示したが、ガイド部4は上下方向に延びて載置台部5の上下移動を案内可能な構造であれば梯子以外の形態でもよく、たとえば、荷物を載置するフォークを前面に備え、このフォークが上下に移動可能に構成された既製のリフト装置(リフター)を用いてガイド部4および駆動機構部6を構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 昇降式足場装置
2 足場部
3 走行機構部
4 ガイド部
5 載置台部
6 駆動機構部
21 作業床
22 脱落防止柵
23 昇降機構
31 車台部
32 車輪
61 ワイヤ
62 電動ウインチ(原動機付きウインチ)
100 ボード(資材)
D ダクト
B コンクリート梁
W 壁面
FL 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6