IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 胡 厚 飛の特許一覧

<>
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図1
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図2
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図3
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図4
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図5
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図6
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図7
  • 特開-毛筆分類のための測定方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073862
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】毛筆分類のための測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/06 20060101AFI20220510BHJP
   G01N 3/40 20060101ALI20220510BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G01N3/06
G01N3/40 Z
B42D15/00 321Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215044
(22)【出願日】2020-12-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】109137907
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516032540
【氏名又は名称】胡 厚 飛
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】胡 厚 飛
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA02
2G061AB01
2G061BA20
2G061CA09
2G061CB20
2G061CC11
2G061DA01
2G061EA01
2G061EA02
2G061EA05
2G061EB03
2G061EC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】毛筆の規格標準化を達成し、毛筆を選ぶ時に、適する規格を容易に探し出せ、且つ毛筆を再購入するときの根拠となる毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図を提供する。
【解決手段】毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図は、穂首50の根部を穂首設置杆40に接続し、穂首設置杆40を筆握り再現角度で検出器台20上に固定し、且つ穂首50を検出器台20に設置された圧力センサー部材23に向ける。検出器台20が穂首設置杆40を駆動して運筆再現のための下方向押圧のルートで進ませ、穂首50を圧力センサー部材23にタッチしてから弾力で湾曲状になるまで押圧して変位し、それを複数回、重複して行い、取得した複数の圧力値で平均値を取る。実際圧力値を測定し、規格マトリクス図を対照して比較圧力値を符合させる時、穂首50は符合した比較圧力値が属する穂径、穂の長さおよび対応する筆毛硬さとなる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛筆分類のための測定方法であって、
以下のステップを含み、
穂首の根部を穂首設置杆に接続し、
前記穂首設置杆を筆握り再現角度で検出器台上に固定し、且つ前記穂首は前記検出器台に設置した圧力センサー部材に向け、
前記検出器台は前記穂首設置杆を駆動して運筆再現のための下方向押圧のルートで進ませ、前記穂首が前記圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位させ、それを複数回、重複して行い、取得した複数の圧力値で平均値を取り、実際圧力値を測定し、
前記実際圧力値を規格マトリクス図に対照させ比較圧力値に符合させた時、前記穂首は符合した比較圧力値に属する穂径、穂の長さおよび対応する筆毛硬さとなり、
前記規格マトリクス図は実際圧力値を測定する前に作成し、
前記規格マトリクス図は分類する毛筆の穂首根部の直径の大きさにもとづき、複数の穂径に区分し、且つ各穂径は複数の前記穂の長さを区分し、各穂の長さの中で更に複数の前記筆毛硬さを区分し、
前記複数の穂径および前記複数の穂の長さに対応する複数の筆毛硬さで前記規格マトリクス図を構成し、
前記規格マトリクス図の中で、各穂径の各穂の長さ中の任意の筆毛硬さはすべて前記比較圧力値に対応することを特徴とする、
毛筆分類のための測定方法。
【請求項2】
前記各穂径は長毛、中毛、短毛の三種の穂の長さに区分し、前記穂の長さのうちの任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で穂の長さが長毛の内の同じ筆毛硬さの比較圧力値の第一定数倍であり、穂の長さが短毛の内の任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で、穂の長さが中毛の内の同じ筆毛硬さの比較圧力値の前記第一定数倍であり、各穂の長さは剛毛、標準毛、柔毛の三種の筆毛硬さに区分し、任意の穂の長さに属する筆毛硬さにおいて、前記標準毛の比較圧力値は、前記柔毛の比較圧力値の第二定数倍であり、前記剛毛の比較圧力値は前記標準毛の比較圧力値の前記第二定数倍であり、前記第一定数倍は1.16倍であり、前記第二定数倍は1.3倍であり、前記穂径は直径4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mmの十八種の穂径であり、前記穂首が前記圧力センサー部材にタッチしてから弾力で湾曲状になるまで押圧して変位するのに必要なプロセスは、前記穂首が前記穂首設置杆で長さの半分露出し、前記穂首が変位して前記圧力センサー部材を弾力で湾曲状になるまで押圧することを複数回行い、その回数は五回であり、筆握り角度は前記圧力センサー部材の垂直方向に対して12度傾斜し、運筆再現のための下方向押圧のルートは、前記圧力センサー部材の垂直方向に対して45度傾斜して進むことを特徴とする請求項1記載の毛筆分類のための測定方法。
【請求項3】
前記毛筆分類のための測定方法は、前記穂首を設置する前記穂首設置杆を前記検出器台に固定する前に、穂首を湿らせて穂先が鋭角形状になるように筆毛を梳き、且つ前記穂首設置杆を校正台上で定位し、前記校正台には一端が鋭角形状の校正ヘッドを設け、固定された前記穂首は鋭角形状の端部が前記校正ヘッドの鋭角形状の一端側に向き、且つ鋭角と鋭角が向き合った時、穂首の鋭角形状の端部が中心に合わさっていることを確認し、次に前記穂首の前記実際圧力値を測定するために前記穂首設置杆を前記検出器台に改めて固定し、前記検出器台は基台、挟持装置および前記圧力センサー部材を含み、前記基台はX軸方向とY軸方向で水平で交わると定義し、且つZ軸方向は前記X軸方向と前記Y軸方向において垂直で交わると定義し、前記挟持装置は、前記基台上に設置し且つ前記基台に対し、前記X軸方向、前記Y軸方向および前記Z軸方向のうちの少なくとも一軸方向に沿って変位し、前記挟持装置は前記穂首設置杆を挟持でき、前記圧力センサー部材は前記穂首と前記圧力センサー部材の相互間のタッチレベルを感知し、前記実際圧力値を測定するため、前記挟持装置と前記基台にもとづき相対して変位し、前記挟持装置は移動部材と定位台を含み、前記穂首設置杆は前記定位台に固定され、前記移動部材は前記基台に設置し且つ駆動部材を連結し、前記定位台は前記移動部材に設置し、前記移動部材は前記駆動部材によって動き、前記基台に相対し前記X軸方向、前記Y軸方向および前記Z軸方向の少なくとも一軸方向に対して変位され、前記定位台は前記移動部材によって動き、前記圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位する前記穂首を連動し、前記圧力センサー部材と前記駆動部材はどちらも電子制御ユニットに電気連接され、前記規格マトリクス図は前記電子制御ユニットに電子保存され、前記電子制御ユニットは前記駆動部材が前記移動部材を動かす変位速度を制御し、且つ前記電子制御ユニットは前記圧力センサー部材が測定した前記実際圧力値を表示し、更に前記電子制御ユニットは前記実際圧力値と前記規格マトリクス図内の比較圧力値が符合するか否かを比較するためのディスプレーを有し、前記穂首設置杆はアルミニウム製でホルダー体およびヘッド部を含み、前記ヘッド部は前記ホルダー体の一端に接続し、前記穂首の根部を前記ヘッド部に接続することを特徴とする請求項1記載の毛筆分類のための測定方法。
【請求項4】
毛筆分類のための測定方法を用いた規格マトリクス図であって、
分類する毛筆の穂首根部の直径の大きさにもとづき、複数の穂径に区分し、且つ各穂径の中で複数の穂の長さを区分し、各穂の長さの中で更に複数の筆毛硬さを区分し、
前記複数の穂径および前記複数の穂の長さに対応する複数の筆毛硬さで前記規格マトリクス図を作成し、
前記規格マトリクス図は各穂径の対応する各穂の長さ中の任意の筆毛硬さにもとづき、すべて相互に対応する比較圧力値を有することを特徴とする、
毛筆分類のための測定方法の規格マトリクス図。
【請求項5】
前記各穂径は、長毛、中毛、短毛の三種の穂の長さに区分し、前記穂の長さ内の任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で穂の長さの長毛の中の同じ筆毛硬さの比較圧力値の第一定数倍であり、前記穂の長さの短毛の内の任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で、穂の長さの中毛の中の同じ筆毛硬さの比較圧力値の前記第一定数倍であり、各穂の長さは剛毛、標準毛、柔毛の三種の筆毛硬さに区分し、任意の穂の長さに属する筆毛硬さにおいて、前記標準毛の比較圧力値は、前記柔毛の比較圧力値の第二定数倍であり、前記剛毛の比較圧力値は前記標準毛の比較圧力値の前記第二定数倍であり、前記第一定数倍は1.16倍であり、前記第二定数倍は1.3倍であり、前記穂径は直径4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mmの十八種の穂径であることを特徴とする請求項4記載の毛筆分類のための測定方法の規格マトリクス図。
【請求項6】
前記毛筆分類のための測定方法の規格マトリクス図は、毛筆分類する時には穂首の根部を穂首設置杆に接続し、前記穂首設置杆を筆握り再現角度で検出器台上に固定し、前記検出器台は前記穂首設置杆を駆動して運筆再現のための下方向押圧のルートで進み、実際圧力値を測定するため、前記穂首が圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位し、前記実際圧力値は前記規格マトリクス図を対照して前記の比較圧力値を符合させる時、前記穂首は、前記符合した比較圧力値に属する穂径、穂の長さおよび対応する筆毛硬さとなり、且つ分類後に製造された毛筆の杆体はエンコードで対応する前記穂径、前記穂の長さおよび前記筆毛硬さを表示し、この表示で毛筆の規格を識別させ、前記実際圧力値は前記穂首を前記圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位させ、それを複数回行った後、取得した複数の圧力値から平均値を求め、前記穂首が前記圧力センサー部材にタッチしてから弾力で湾曲状になるまで変位するのに必要なプロセスは、前記穂首が前記穂首設置杆で長さの半分露出し、前記穂首が変位して前記圧力センサー部材を弾力で湾曲状になるまで押圧することを複数回行い、その回数は五回であり、前記穂首を設置する前記穂首設置杆を前記検出器台に固定する前に、穂首を湿らせて穂先が鋭角形状になるように筆毛を梳き、且つ前記穂首設置杆を校正台上で定位し、前記校正台には一端が鋭角形状の校正ヘッドを設け、固定された前記穂首は鋭角形状の端部が前記校正ヘッドの鋭角形状の一端側に向き、且つ鋭角と鋭角が向き合った時、穂首の鋭角形状の端部が中心に合わさっていることを確認し、次に前記穂首の前記実際圧力値を測定するために前記穂首設置杆を前記検出器台に改めて固定し、更に電子制御ユニットを含み、前記規格マトリクス図は前記電子制御ユニットに電子保存し、前記電子制御ユニットは前記圧力センサー部材が測定した前記実際圧力値を表示し、更に前記電子制御ユニットが前記実際圧力値と前記規格マトリクス図中の比較圧力値が符合するか否かを比較するためのディスプレーを有することを特徴とする請求項5記載の毛筆分類のための測定方法の規格マトリクス図。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図に関し、特に分類のための測定方法および規格マトリクス図を行うための毛筆の規格標準化を提供する。
【背景技術】
【0002】
市場で生産されている毛筆は、すべて筆職人の手によって手作り生産されている。製造は、純粋に筆職人個人の経験に基づき制作され、現在のところ、標準化された規格がない。そのため、同じデザインの毛筆が仮に同じ筆職人によって製作されたとしても、筆の性質には差異が生まれる。拠って、異なる経験を持つ筆職人が同じデザインの毛筆を制作した場合、筆質の差異は更に明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のとおり、現在の毛筆の製法は筆質の差異が明らかに表れやすい。そのため、毛筆を購入する時、特に書家や水墨画家のような毛筆愛好者は、何百本もの毛筆の中から一本の自分に合う毛筆を見つけることができるが、次回同じ毛筆を購入する時、たとえ表示が同じ毛筆であっても、実際のところ、すべてが同じではないという問題が発生する。このため、書を書くときに手になじまず、毛筆をもう一度買い直すという問題が起こり、且つ毛筆を選ぶときの根拠がない。拠って、現在の毛筆が規格標準化されていない問題をいかにして解決するかが、本発明が解決しようとする課題である。
【0004】
上述の課題を改善するため、本発明は、穂首の規格測定を行い、毛筆分類の根拠するため、毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例として、毛筆分類の測定方法を提供する。それは、以下ステップを含む。穂首の根部を穂首設置杆に接続し、穂首設置杆を筆握り再現角度で検出器台上に固定し、且つ穂首は検出器台に設置した圧力センサー部材に向かい、検出器台が穂首設置杆を駆動して運筆再現のための下方向押圧のルートを進ませ、穂首を圧力センサー部材に弾力で湾曲するまで押圧して変位し、それを複数回、重複して行い、取得した複数の圧力値で平均値を取り、実際圧力値を測定し、実際圧力値を規格マトリクス図に対照させ比較圧力値に符合させた時、穂首は符合の比較圧力値に属する穂径、穂の長さおよび対応する筆毛硬さとなる。
【0006】
本発明の別の一実施例として、毛筆分類のための測定方法を用いた規格マトリクス図を提供する。それは、分類する毛筆の穂首根部の直径の大きさにもとづき、複数の穂径に区分し、且つ各穂径の中で複数の穂の長さを区分し、各穂の長さの中で更に複数の筆毛硬さを区分し、複数の穂径および複数の穂の長さに対応する複数の筆毛硬さで規格マトリクス図を作成する。規格マトリクス図の中で各穂径に対応する各穂の長さの中の任意の筆毛硬さは、すべて相互に対応する比較圧力値を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図は、各穂首に対応する実際圧力値を測定し、毛筆を分類する際、各穂首の実際圧力値にもとづきその属する規格を導き出すことができる。これによって、各穂首がすべてその属する規格を持つことで、毛筆の規格標準化を達成し、人々が毛筆を選ぶ時に、適する規格を容易に探し出せ、且つ毛筆を再購入するときの根拠となるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明実施例の穂径が穂首およびその根部長さに対応する表および穂首の指示図である。
図2】本発明実施例の規格マトリクス図の指示図である。
図3】本発明実施例の方法実行のフローチャートである。
図4】本発明実施例の穂首根部を穂首設置杆のヘッド部に接続する指示図である。
図5】本発明実施例の穂首が校正台上で校正ヘッドと、鋭角と鋭角で向き合った指示図である。
図6】本発明実施例の穂首を接続した穂首設置杆を筆握り再現角度で検出器台に固定した指示図である。
図7】(A)は本発明の図6が示す穂首が測定準備のため、圧力センサー部材にタッチした状態指示図である。(B)は(A)の穂首が運筆再現のための下方向押圧のルートで設定プロセスまで進み、弾力で湾曲状になった状態指示図である。
図8】本発明実施例の規格マトリクス図とすでに製造された毛筆の対照指示図であり、図中の毛筆の杆体には分類のエンコードを有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
本発明を説明するため、上述の発明内容で示す中心的な思想を具体的実施例を挙げて説明する。実施例の中の各種異なる部材は、説明のための比率、サイズ、変形量または変位量であり、実際の部材の比率ではないことをここに述べておく。
【0010】
本発明は、毛筆分類のための測定方法およびその方法の規格マトリクス図を提供する。先ず、説明するのは、以下実施例の中で分類する毛筆である。図1、2では、毛筆の穂首50根部の直径(以下穂径と呼ぶ)は4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mmで区分され、十八種の異なる穂径の穂径Aで区分する。
更に各穂径Aの中を複数の穂の長さB(本発明が示す穂の長さBは即ち、穂首50から根部を差し引いた後の筆の穂の長さを指す)に区分する。本実施例の各穂径Aは、長毛、中毛、短毛三種の穂の長さB(単位はmm)をそれぞれ有し、且つ図1では更に各穂径Aの穂首根部の長さを示す。
更に、各穂の長さBの中を、複数の筆毛硬さCで区分する。本実施例では剛毛、標準毛、柔毛の三種の筆毛硬さCで区分する。
拠って、以下説明する実施例において、分類できる毛筆は十八種の穂径Aがあり、各穂径Aにはそれぞれ三種の穂の長さBがあり、且つ各穂の長さBにはそれぞれ三種の筆毛硬さCがあるため、本実施例では百六十二種の異なる規格の毛筆に分類できる。但し、ここで述べる毛筆の分類の規格および数量は、本実施例を説明するに過ぎず、上述の百六十二種の規格に制限するものではない。
【0011】
本実施例において、測定方法は上述の毛筆で分類する一百六十二種の規格にもとづき、先ず、毛筆分類の規格マトリクス図100図2参照)を作成する。それは分類する毛筆の穂首50の根部の直径の大きさ(4mm~21mm)にもとづき、十八種の穂径Aを区分し、その穂径Aは図2の縦欄のヘッダーに示す。
各穂径Aの中で、上述の長毛、中毛、短毛の穂の長さBに区分し、更に各穂の長さBの中で、上述の剛毛、標準毛、柔毛の筆毛硬さCに区分する。これらの穂の長さBおよび対応する筆毛硬さCは、図2横列のヘッダーに示す。これらに拠って、本実施例では一百六十二種の規格マトリクス図100が作成される。
【0012】
図2に示す規格マトリクス図100において、各穂径Aに対応する各穂の長さBうちの任意の筆毛硬さCはすべて相互に対応する比較圧力値Dを有する。毛筆を分類する時、各毛筆の穂首はその属する穂径Aと穂の長さBにもとづき、次に規格マトリクス図100の各筆毛硬さCに対応する比較圧力値Dを比較基準として参照し、それらに拠って毛筆の分類を行う。
【0013】
更に、図2に示す規格マトリクス図100において、各穂径Aで区分した長毛、中毛、短毛等三種の穂の長さBのうち、穂の長さBが「中毛」の中で任意の筆毛硬さCの比較圧力値Dは、同じ穂径A内の穂の長さBが「長毛」のうち、同じ筆毛硬さCの比較圧力値Dの1.16倍である(ここでは第一定数倍と定義する)。
穂の長さBが「短毛」の中で任意の筆毛硬さCの比較圧力値Dは、同じ穂径A内で穂の長さBが「中毛」の内、同じ筆毛硬さCの比較圧力値Dが1.16倍である。例を挙げて説明すると、穂径Aが直径5mmの穂首で同じであり、その穂の長さBが「中毛」で且つ筆毛硬さCが「標準毛」の対応する比較圧力値D「25g」は、穂の長さBが「長毛」で且つ同じ筆毛硬さCの対応する比較圧力値D「22g」の1.16倍(四捨五入して整数値にする)である。
同様に、穂径Aが直径5mmの穂首であり、それは穂の長さBが「短毛」で且つ筆毛硬さCが「標準毛」の対応する比較圧力値D「29g」は、穂の長さBが「中毛」で且つ同じ筆毛硬さCの対応する比較圧力値D「25g」の1.16倍であり、その他の穂径Aの計算もこれに倣う。
【0014】
上述のとおり、図2に示す規格マトリクス図100において、各穂の長さBは剛毛、標準毛、柔毛等三種の筆毛硬さCに区分する。任意の穂の長さBに属する筆毛硬さCのうち、「標準毛」の比較圧力値Dは、「柔毛」の比較圧力値Dの1.3倍(ここでは第二定数倍と定義する)であり、また「剛毛」の比較圧力値Dは「標準毛」の比較圧力値Dの1.3倍である。例を挙げて説明すると、穂径Aは直径5mmで同じであり、且つ穂の長さBは「中毛」の穂首である。その筆毛硬さCが「標準毛」の比較圧力値D「25g」は、筆毛硬さCが「柔毛」の比較圧力値D「19g」の1.3倍(四捨五入して整数値にする)である。
同様に、穂径Aが直径5mmであり、且つ穂の長さBが「中毛」の穂首であり、筆毛硬さCが「剛毛」の比較圧力値D「33g」は、筆毛硬さCが「標準毛」の比較圧力値D「25g」の1.3倍であり、その他の穂径Aおよび穂の長さB時の計算もこれに倣う。上述の第一定数倍と第二定数倍は即ち、対応する穂の長さBの1.16倍、および対応する筆毛硬さCの1.3倍であり、長年の反復検証のもと、良好な結果を得た。但し、本発明はこれを制限しない。例として、第一定数倍または第二定数倍はすべて1.1-1.5倍の範囲内で調整してもよい。
【0015】
上述のとおり、各穂径Aは異なる穂の長さBおよび対応する筆毛硬さCの比較圧力値Dにおいて、すべてが上述の第一定数倍と第二定数倍のように獲得される。故に、本実施例が図2の規格マトリクス図100を作成する時、十八種の穂径(4mm~21mm)の穂径Aにおいて、本発明は5mm、11mmと17mmの穂径Aの中で、穂の長さBが「中毛」で且つ筆毛硬さCが「標準毛」の比較圧力値Dをそれぞれ経験的に測定し、次に平均分担方式で4mm~21mmのすべての穂径Aの比較圧力値Dを確立する。穂径Aが大から小へ対応する比較圧力値Dは、高から低への方式で減少し、更に前述の第一定数倍と第二定数倍にもとづき上述方式ですべての穂の長さBの対応する筆毛硬さCの比較圧力値Dを算出する。
【0016】
図5から図6に示すのは、毛筆分類の測定方法を応用する装置であり、本実施例では校正台10、検出器台20、および電子制御ユニット30を含む。
図5に示すとおり、校正台10には校正ヘッド11を設け、その校正ヘッド11の一端は鋭角形状であり、その校正ヘッド11は本実施例では校正台10上方に設置し且つ鋭角形状の一端は下向きである。
図6に示すとおり、検出器台20は本実施例において、基台21、挟持装置22および圧力センサー部材23を含む。挟持装置22は移動部材221と定位台222を含み、移動部材221は基台21に設置し且つ駆動部材24を連接する。定位台222は移動部材221に設置し、圧力センサー部材23と駆動部材24はどちらも電子制御ユニット30に電気連接し、電子制御ユニット30によって駆動部材24が制御され移動部材221を変位させる。規格マトリクス図100は電子化で電子制御ユニット30に保存され、電子制御ユニット30はディスプレー31を有する。規格マトリクス図100は例えば、パソコンまたはスマートフォンに保存して表示するというように電子化して端末装置(図未提示)に保存してもよく、毛筆分類時の根拠とする。
また、規格マトリクス図100は例えば、紙またはボード部材で表示するというように実体であってもよい。圧力センサー部材23は、本実施例では荷重であり、本実施例の実際圧力値は圧力センサー部材23が計測する荷重であり、前述の比較圧力値Dは同じくg(グラム)を単位として表示される。
【0017】
本実施例において、基台21はX軸方向とY軸方向が水平に交わると定義し、且つZ軸方向がX軸方向とY軸方向で垂直で交わると定義する。本実施例の移動部材221は駆動部材24によって動かされ、基台21に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の少なくとも一軸方向に沿って変位する。本実施例の駆動部材24はサーボモータであり、且つリードスクリュー(図未提示)で移動部材221を連結し、定位台222はスライド台およびスライドレール(図未提示)で移動部材221に設置する。
【0018】
毛筆分類の測定方法は、本実施例のステップにおいて図3に示すとおりであり、詳細は以下のとおりである。
【0019】
先ず、測定待ちの穂首50の根部を穂首設置杆40(ステップS1)に接続する。この穂首設置杆40は本実施例ではアルミニウム製であり、それはホルダー体41およびヘッド部42を含む。ヘッド部42はホルダー体41の一端に設置され、次に穂首50の根部をヘッド部42に接続する(図4参照)。本実施例で用いる穂首設置杆40は、アルミニウム製であるが、それは主に、穂首設置杆40が環境の変化に影響されず、サイズの誤差がない長所を有し、木材による構成的桿体が温度または湿度によってサイズの変化を引き起こすのを防止する。
この他、ホルダー体41とヘッド部42の組み合わせは、本実施例では一個のホルダー体41だけであり、他に本実施例の十八種の穂径Aに対応させるのはそれぞれが相互に対応するヘッド部42を選択して使用し、ここでは一個のヘッド部42を例として取り上げた。
【0020】
穂首50の根部を穂首設置杆40に接続するステップが完成すると、穂首設置杆40を検出器台20上に筆握り再現角度で固定できる。実際に筆を握る動作を再現するため、穂首50は先ず濡らすことで更に実際の運筆状況に近づけることができる。
本実施例において、穂首設置杆40を筆握り再現角度で検出器台20上に固定する前、穂首50を濡らして筆毛を整える動作を行い、穂首50の穂先を鋭角形状にする。次に穂首設置杆40を校正台10上で定位させる(図5参照)。この時、穂首50を穂首設置杆40に直立状にし、固定された穂首50は鋭角形状の端部が校正ヘッド11の鋭角形状の一端に向き、且つ鋭角と鋭角が向き合った時、穂首50の鋭角形状の端部が中心に合わさっていることを確認する。この穂首50の鋭角形状の端部が中心に合わさっていることを確認する動作の主な長所は、穂首50が穂首設置杆40と共に検出器台20に固定される時、鋭角形状の穂首50の端部が中心からずれて計測の誤差が起こらないことを確保する。
【0021】
穂首50の鋭角形状の端部が中心と合っていることを確認した後、穂首設置杆40を検出器台20上で固定できる(図6参照)。更に穂首設置杆40の固定時は筆握り再現角度であり、且つ穂首50が検出器台20に設置した圧力センサー部材23(ステップS2)に向く。本実施例において、穂首設置杆40は定位台222に固定され、且つ固定時は人が書写する習性に倣い、圧力センサー部材23の垂直方向に相対して傾斜12度をその筆握り再現角度とする。
【0022】
穂首設置杆40を筆握り再現角度で検出器台20上に固定する時、検出器台20が穂首設置杆40を変位させるルート、変位速度およびプロセスを設定する必要がある。ルートとは、穂首設置杆40が定位台222において筆握り再現角度で固定し、且つ圧力センサー部材23の垂直方向に対して12度で傾斜させた情況において、検出器台20が穂首設置杆40を運筆再現のための下方向押圧して進むルートである。
本実施例において、穂首設置杆40は圧力センサー部材23の垂直方向にたいして45度で傾斜するルートで駆動し変位される。変位速度は、即ち、電子制御ユニット30が駆動部材24を制御して移動部材221を変位させる速度であり、本実施例では50cm/minで設定し、その変位速度は人が毛筆で書写する速度を再現した速度である。
【0023】
プロセスは、穂首50が圧力センサー部材23にタッチしてから弾力で湾曲して変位するまでに必要なプロセスを指す。また本実施例において、穂首50は穂首設置杆40から露出する長さの半分に設定する。
例として、穂径Aが直径10mmの穂首50の場合、それは穂の長さBが「短毛」で38.5mm(図1参照)であり、即ち穂首50は根部の長さ7mmを差し引いた後、穂首設置杆40から露出する長さであり、その半分の長さは約19mm(四捨五入して整数値にする)である。即ち、穂首50が圧力センサー部材23にタッチしてから弾力で湾曲して変位するまでに必要なプロセスは、19mmであると設定できる。その他の穂径Aは各穂の長さBに必要なプロセスに対応してこれらに類推される。
【0024】
仮に、穂首50が直径12mmで且つ穂の長さBを「中毛」とした場合、その測定時の変位に必要なプロセスは、穂の長さB(53mm)の半分の長さで約27mm(四捨五入して整数値にする)となる。
穂首設置杆40が筆握り再現角度で定位台222に固定され、且つ予め設定された穂首設置杆40が変位するルート、プロセスおよび変位速度において、即ち、挟持装置22が穂首50を穂先が圧力センサー部材23に少しタッチする箇所まで調整し(図7(A)参照)、次に電子制御ユニット30を稼働し駆動部材24で移動部材221を変位させる(X軸方向、Z軸方向の両軸方向に沿って45度に傾斜して変位する)。即ち、速度が一致し且つ平穏に進む。この時、穂首50は筆握り再現角度および運筆再現のための下方向押圧のルートで、圧力センサー部材23にタッチしてから弾力で湾曲状になるまで27mm変位する(図7(B)参照)まで進む(ステップS3)。この時、測定した実際圧力値は116gであり、この実際圧力値はディスプレー31上に表示される。
次に電子制御ユニット30で測定した実際圧力値と前述の規格マトリクス図100の中の比較圧力値Dが符合するか否かを比較する(ステップS4)。この比較により、穂首50が直径12mmで且つ穂の長さBが「中毛」の場合、実際圧力値116gは規格マトリクス図100を見ると、筆毛硬さCが「剛毛」の比較圧力値D(同為116g)に符合することがわかる。穂首50は116gの比較圧力値Dに属する穂径Aが12mmで、穂の長さBが「中毛」で、その対応する筆毛硬さCが「剛毛」の規格に符合する(これは穂径A、穂の長さBおよび筆毛硬さCを「12-中毛-剛毛」として略称できる)。
【0025】
本実施例の実際圧力値は、更に正確性を高めるため、ステップS3において、穂首50を圧力センサー部材23に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位させ、それを複数回行った後、取得した複数の圧力値の平均値を得る。例として、同様に穂首50が直径12mmで且つ穂の長さBが「中毛」の場合、前述の測定の動作にもとづき穂首50を圧力センサー部材23に弾力で湾曲するまで押圧して変位させ、それをたとえば五回繰り返して行う。仮にそれぞれが116g、117g、115g、118g、114gの圧力値として測定した場合、それを平均し116gの実際圧力値を得ることで(誤差数値範囲は対照の比較圧力値Dの±5%内を合格とする)、たった一回の測定結果と比較して客観的で且つ更に正確になり、筆毛の太さ、筆毛間の摩擦、穂首50が湿った時の水分の多寡等の要素が測定結果に影響するのを避ける。
【0026】
測定結果が合格の場合、穂首設置杆40から取外した穂首50がそのまま毛筆となる。測定結果が不合格の場合、穂首設置杆40から取外した穂首50は再度筆毛を調整し、改めて縛り直し、調整後の穂首50を再度測定し、それを合格するまで行う。
【0027】
上述の実施例の毛筆分類の測定方法および規格マトリクス図100で分類し製造された毛筆は、穂径A、穂の長さBおよび筆毛硬さCを数字エンコードで表示する。例を挙げて説明すると、図8に示す毛筆の杆体60上には「0413」のエンコードが表示される。そのエンコードは原則、前二コード「04」は穂径Aで直径が4mmであり4号と呼ばれる。仮に「05」ならば、穂径Aの直径が5mmで5号と呼ばれ、これに類推される。
第3番目のコードは穂の長さBを表し、「1」は長毛、「2」は中毛、「3」は短毛とする。
第4番目のコードは筆毛硬さCを表し、「1」は剛毛、「2」は標準毛、「3」は柔毛である。そのため、毛筆の杆体60上に「0413」のエンコードが表示されると、毛筆の杆体60に接続された穂首50は「4号-長毛-柔毛」の規格であることを表し、即ちこの表示によって、毛筆の規格がはっきりと識別される。
【0028】
上述の説明から、本発明の特徴として、本発明の測定方法、並びに規格マトリクス図100の応用に拠って、各穂首50にもとづきその対応する実際圧力値を出す。また毛筆の分類を実施する時、各穂首50に基づいて出した実際圧力値はそれに属した規格を導き出し、異なる穂首50がすべて、それに属する規格で毛筆の規格標準化を達成し、毛筆を選ぶ時に適した規格を選びやすくする。例として、「12-中毛-剛毛」の穂首50で書写した時に適すると思ったが、うまく手に馴染まないので、「12-中毛-標準毛」または「12-中毛-柔毛」を試すことができ、最終的に「12-中毛-標準毛」が最も手に馴染むと思った場合、後日、再度購入したい時、「12-中毛-標準毛」を購入する根拠となり、自分に最も適した毛筆を選んで購入しやすくなる。このように毛筆分類の規格標準化によって、毛筆購入の根拠を提供できる。
【0029】
この他、毛筆分類のための測定方法を用いた規格マトリクス図本体は、多種類の毛筆を明確に分類する機能を有し、多種の異なる毛筆の標準化分類に役立つ。この毛筆分類の規格マトリクス図は、画期的な発明であり、多種の異なる毛筆を標準化分類する機能を達成し、書道家が簡単に同一種の毛筆を選ぶ拠り所となる。以降、書道家が同じ筆質の毛筆を再度、求める時、六ヶ月または六年過ぎていても、この毛筆分類の規格マトリクス図にもとづけば、同じ筆質の毛筆を得ることができる。本発明は、長年にわたって毛筆の筆質の不統一を克服できずにいた問題を確実に解決でき、これは顕著な進歩性を備えた発明である。
【符号の説明】
【0030】
10 校正台
11 校正ヘッド
20 検出器台
21 基台
22 挟持装置
221 移動部材
222 定位台
23 圧力センサー部材
24 駆動部材
30 電子制御ユニット
31 ディスプレー
40 穂首設置杆
41 ホルダー体
42 ヘッド部
50 穂首
60 杆体
100 規格マトリクス図
A 穂径
B 穂の長さ
C 筆毛硬さ
D 比較圧力値
S1~S4 ステップ
X、Y、Z 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛筆分類のための測定方法であって、
以下のステップを含み、
穂首の根部を穂首設置杆に接続し、
前記穂首設置杆を筆握り再現角度で検出器台上に固定し、且つ前記穂首は前記検出器台に設置した圧力センサー部材に向け、
前記検出器台は前記穂首設置杆を駆動して運筆再現のための下方向押圧のルートで進ませ、前記穂首が前記圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位させ、それを複数回、重複して行い、取得した複数の圧力値で平均値を取り、実際圧力値を測定し、
前記実際圧力値を規格マトリクス図に対照させ比較圧力値に符合させた時、前記穂首は符合した比較圧力値に属する穂径、穂の長さおよび対応する筆毛硬さとなり、
前記規格マトリクス図は実際圧力値を測定する前に作成し、
前記規格マトリクス図は分類する毛筆の穂首根部の直径の大きさにもとづき、複数の穂径に区分し、且つ各穂径は複数の前記穂の長さを区分し、各穂の長さの中で更に複数の前記筆毛硬さを区分し、
前記複数の穂径および前記複数の穂の長さに対応する複数の筆毛硬さで前記規格マトリクス図を構成し、
前記規格マトリクス図の中で、各穂径の各穂の長さ中の任意の筆毛硬さはすべて前記比較圧力値に対応し、
前記穂首を設置する前記穂首設置杆を前記検出器台に固定する前に、穂首を湿らせて穂先が鋭角形状になるように筆毛を梳き、且つ前記穂首設置杆を校正台上で定位し、
前記校正台には一端が鋭角形状の校正ヘッドを設け、固定された前記穂首は鋭角形状の端部が前記校正ヘッドの鋭角形状の一端側に向き、且つ鋭角と鋭角が向き合った時、穂首の鋭角形状の端部が中心に合わさっていることを確認し、次に前記穂首の前記実際圧力値を測定するために前記穂首設置杆を前記検出器台に改めて固定し、
前記検出器台は基台、挟持装置および前記圧力センサー部材を含み、
前記基台はX軸方向とY軸方向で水平で交わると定義し、且つZ軸方向は前記X軸方向と前記Y軸方向において垂直で交わると定義し、
前記挟持装置は、前記基台上に設置し且つ前記基台に対し、前記X軸方向、前記Y軸方向および前記Z軸方向のうちの少なくとも一軸方向に沿って変位し、
前記挟持装置は前記穂首設置杆を挟持でき、
前記圧力センサー部材は前記穂首と前記圧力センサー部材の相互間のタッチレベルを感知し、前記実際圧力値を測定するため、前記挟持装置と前記基台にもとづき相対して変位し、
前記挟持装置は移動部材と定位台を含み、
前記穂首設置杆は前記定位台に固定され、
前記移動部材は前記基台に設置し且つ駆動部材を連結し、
前記定位台は前記移動部材に設置し、
前記移動部材は前記駆動部材によって動き、前記基台に相対し前記X軸方向、前記Y軸方向および前記Z軸方向の少なくとも一軸方向に対して変位され、
前記定位台は前記移動部材によって動き、前記圧力センサー部材に弾力で湾曲状になるまで押圧して変位する前記穂首を連動し、
前記圧力センサー部材と前記駆動部材はどちらも電子制御ユニットに電気連接され、
前記規格マトリクス図は前記電子制御ユニットに電子保存され、
前記電子制御ユニットは前記駆動部材が前記移動部材を動かす変位速度を制御し、
前記電子制御ユニットは前記圧力センサー部材が測定した前記実際圧力値を表示し、
前記電子制御ユニットは前記実際圧力値と前記規格マトリクス図内の比較圧力値が符合するか否かを比較するためのディスプレーを有し、
前記穂首設置杆はアルミニウム製でホルダー体およびヘッド部を含み、
前記ヘッド部は前記ホルダー体の一端に接続し、前記穂首の根部を前記ヘッド部に接続することを特徴とする、
毛筆分類のための測定方法。
【請求項2】
前記各穂径は長毛、中毛、短毛の三種の穂の長さに区分し、前記穂の長さのうちの任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で穂の長さが長毛の内の同じ筆毛硬さの比較圧力値の第一定数倍であり、穂の長さが短毛の内の任意の筆毛硬さの比較圧力値は、同じ穂径内で、穂の長さが中毛の内の同じ筆毛硬さの比較圧力値の前記第一定数倍であり、各穂の長さは剛毛、標準毛、柔毛の三種の筆毛硬さに区分し、任意の穂の長さに属する筆毛硬さにおいて、前記標準毛の比較圧力値は、前記柔毛の比較圧力値の第二定数倍であり、前記剛毛の比較圧力値は前記標準毛の比較圧力値の前記第二定数倍であり、前記第一定数倍は1.16倍であり、前記第二定数倍は1.3倍であり、前記穂径は直径4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mmの十八種の穂径であり、前記穂首が前記圧力センサー部材にタッチしてから弾力で湾曲状になるまで押圧して変位するのに必要なプロセスは、前記穂首が前記穂首設置杆で長さの半分露出し、前記穂首が変位して前記圧力センサー部材を弾力で湾曲状になるまで押圧することを複数回行い、その回数は五回であり、筆握り角度は前記圧力センサー部材の垂直方向に対して12度傾斜し、運筆再現のための下方向押圧のルートは、前記圧力センサー部材の垂直方向に対して45度傾斜して進むことを特徴とする請求項1記載の毛筆分類のための測定方法。