(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073905
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/38 20060101AFI20220510BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
H01G4/38 A
H01G4/30 201H
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074023
(22)【出願日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0144010
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ボム ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ミン キョン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082CC03
(57)【要約】
【課題】20kHz未満の可聴周波数領域のアコースティックノイズ及び20kHz以上の高周波振動を低減させることができる電子部品を提供する。
【解決手段】
本発明は、少なくとも一つ以上の第1及び第2積層型キャパシタが上記第1積層型キャパシタの一面に対して垂直な第1方向に外部電極が互いに接続されるように交互に積層され、上記第1積層型キャパシタは、複数の内部電極が第1方向に積層され、上記第2積層型キャパシタは、複数の内部電極が上記第1方向と垂直な第2方向に積層される電子部品を提供する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1積層型キャパシタと、少なくとも一つの第2積層型キャパシタが、前記第1積層型キャパシタの一面に垂直な第1方向に外部電極が互いに接続されるように交互に積層され、
前記第1積層型キャパシタは、複数の内部電極が第1方向に積層され、
前記第2積層型キャパシタは、複数の内部電極が前記第1方向に垂直な第2方向に積層される電子部品。
【請求項2】
第1方向の最下段に第1積層型キャパシタが位置する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
第1方向の最下段に第2積層型キャパシタが位置する、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第1積層型キャパシタの外部電極と、前記第2積層型キャパシタの外部電極との間に配置される導電性接着層をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第1積層型キャパシタは、第1本体と、第2方向と垂直な第3方向に前記第1本体の両端にそれぞれ形成される第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記第1本体は、複数の第1誘電体層と前記第1誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、
前記第2積層型キャパシタは、第2本体と、前記第3方向に前記第2本体の両端にそれぞれ形成される第3外部電極及び第4外部電極と、を含み、
前記第2本体は、複数の第2誘電体層と前記第2誘電体層を間に挟んで第2方向に交互に配置される第3内部電極及び第4内部電極を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第3方向に前記第1本体の両端面にそれぞれ形成される第1頭部及び第2頭部と、前記第1頭部及び前記第2頭部から前記第1本体の上下面の一部と両側面の一部までそれぞれ延長される第1バンド部及び第2バンド部と、をそれぞれ含み、
前記第3外部電極及び前記第4外部電極は、前記第3方向に前記第2本体の両端面にそれぞれ形成される第3頭部及び第4頭部と、前記第3頭部及び前記第4頭部から前記第2本体の上下面の一部と両側面の一部までそれぞれ延長される第3バンド部及び第4バンド部と、をそれぞれ含む、請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記外部電極と接続され、前記第1積層型キャパシタ又は前記第2積層型キャパシタを実装面から離隔させるメタルフレームをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第1頭部及び前記第3頭部と接合される第1垂直部と、前記第1垂直部の下端から第3方向に延長される第1実装部を含む第1メタルフレームと、
前記第2頭部及び前記第4頭部と接合される第2垂直部と、前記第2垂直部の下端から第3方向に延長される第2実装部を含む第2メタルフレームと、を含む、請求項6に記載の電子部品。
【請求項9】
第1積層型キャパシタ及び第2積層型キャパシタが前記第1積層型キャパシタの一面に対して垂直な第1方向に並んで積層され、
前記第1積層型キャパシタは、複数の第1内部電極及び第2内部電極が第1方向に交互に積層され、両端部に前記第1内部電極及び前記第2内部電極とそれぞれ接続されるように、第1外部電極及び第2外部電極がそれぞれ配置され、
前記第2積層型キャパシタは、複数の第3内部電極及び第4内部電極が前記第1方向に垂直な第2方向に交互に積層され、両端部に前記第3内部電極及び前記第4内部電極とそれぞれ接続されるように、第3外部電極及び第4外部電極がそれぞれ配置され、
前記第1外部電極と前記第3外部電極が互いに接続され、前記第2外部電極と前記第4外部電極が互いに接続される電子部品。
【請求項10】
実装面に隣接するように第1積層型キャパシタが位置する、請求項9に記載の電子部品。
【請求項11】
実装面に隣接するように第2積層型キャパシタが位置する、請求項9に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品の一つとして積層型キャパシタは、小型でありながら高容量の実現が可能であり、様々な電子機器に使用されている。
【0003】
最近では、環境にやさしい自動車及び電気自動車が注目を浴びており、自動車内の電力駆動システムが増加している。これに伴い、自動車に必要な積層型キャパシタの需要も増加している。
【0004】
自動車用の部品としては、高いレベルの熱や電気的信頼性が要求されるため、積層型キャパシタの要求性能も次第に高度化している。特に部品の実装密度が増加するに伴い、限られたスペースへの実装密度を向上させ、高容量の実現が可能な複数のチップスタック型のキャパシタや振動及び変形に対する耐久性が強いキャパシタが要求されている。
【0005】
積層型キャパシタは誘電体材料からなる。この誘電体材料は、圧電性を有するため、印加電圧に同期して変形することができる。
【0006】
印加電圧の周期が可聴周波数の帯域にあるとき、その変位は振動となり、はんだを介して基板に伝わり、基板の振動が音として聞こえるようになる。かかる音をアコースティックノイズという。
【0007】
人の耳が認知するアコースティックノイズとは別に、積層型キャパシタの圧電振動が20kHz以上の高周波領域で発生する場合、IT及び産業/電装で使用される各種センサ類の誤動作を発生させる原因となることがある。
【0008】
最近、自動車内部において積層型キャパシタの使用量が増加するとともに、積層型キャパシタから発生する振動騒音に対する低減要求が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1031111号
【特許文献2】特開2012-43947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、20kHz未満の可聴周波数領域のアコースティックノイズ及び20kHz以上の高周波振動を低減させることができる電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、少なくとも一つの第1積層型キャパシタと、少なくとも一つの第2積層型キャパシタが、上記第1積層型キャパシタの一面に垂直な第1方向に外部電極が互いに接続されるように交互に積層され、上記第1積層型キャパシタは、複数の内部電極が第1方向に積層され、上記第2積層型キャパシタは、複数の内部電極が上記第1方向と垂直な第2方向に積層される電子部品を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態において、第1方向の最下段に第1積層型キャパシタが位置することができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、第1方向の最下段に第2積層型キャパシタが位置することができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、上記電子部品は、上記第1積層型キャパシタの外部電極と、上記第2積層型キャパシタの外部電極との間に配置される導電性接着層をさらに含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、上記第1積層型キャパシタは、第1本体と、第2方向と垂直な第3方向に上記第1本体の両端にそれぞれ形成される第1及び第2外部電極と、を含むことができ、上記第1本体は、複数の第1誘電体層と上記第1誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含むことができ、上記第2積層型キャパシタは、第2本体と、上記第3方向に上記第2本体の両端にそれぞれ形成される第3及び第4外部電極と、を含むことができ、上記第2本体は、複数の第2誘電体層と上記第2誘電体層を間に挟んで第2方向に交互に配置される第3及び第4内部電極を含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、上記第3方向に上記第1本体の両端面にそれぞれ形成される第1及び第2頭部と、上記第1及び第2頭部から上記第1本体の上下面の一部と両側面の一部までそれぞれ延長される第1及び第2バンド部と、をそれぞれ含むことができ、上記第3及び第4外部電極は、上記第3方向に上記第2本体の両端面にそれぞれ形成される第3及び第4頭部と、上記第3及び第4頭部から上記第2本体の上下面の一部と両側面の一部までそれぞれ延長される第3及び第4バンド部と、をそれぞれ含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態において、上記外部電極と接続され、上記第1または第2積層型キャパシタを実装面から離隔させるメタルフレームをさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態において、上記電子部品は、上記第1及び第3頭部と接合される第1垂直部と、上記第1垂直部の下端から第3方向に延長される第1実装部を含む第1メタルフレームと、上記第2及び第4頭部と接合される第2垂直部と、上記第2垂直部の下端から第3方向に延長される第2実装部を含む第2メタルフレームを含むことができる。
【0019】
本発明の他の側面は、第1及び第2積層型キャパシタが、上記第1積層型キャパシタの一面に対して垂直な第1方向に並んで積層され、上記第1積層型キャパシタは、複数の第1及び第2内部電極が第1方向に交互に積層され、両端部に上記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続されるように、第1及び第2外部電極がそれぞれ配置され、上記第2積層型キャパシタは、複数の第3及び第4内部電極が上記第1方向と垂直な第2方向に交互に積層され、両端部に上記第3及び第4内部電極とそれぞれ接続されるように、第3及び第4外部電極がそれぞれ配置され、上記第1外部電極と上記第3外部電極が互いに接続され、上記第2外部電極と上記第4外部電極が互いに接続される電子部品を提供する。
【0020】
本発明の一実施形態において、上記電子部品は、実装面に隣接するように第1積層型キャパシタが位置することができる。
【0021】
本発明の一実施形態において、上記電子部品は、実装面に隣接するように第2積層型キャパシタが位置することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態によると、互いに隣接するように配置された複数の積層型キャパシタを含む電子部品において、水平積層型の積層型キャパシタと垂直積層型の積層型キャパシタが交互に積層されるように構成され、電子部品の20kHz未満の可聴周波数領域のアコースティックノイズ及び20kHz以上の高周波振動を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に適用される水平積層構造の第1積層型キャパシタを概略的に示す斜視図である。
【
図2】(a)及び(b)は、
図1の第1積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示す平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に適用される垂直積層構造の第2積層型キャパシタを概略的に示す斜視図である。
【
図5】(a)及び(b)は、
図4の第2積層型キャパシタに適用される第3及び第4内部電極をそれぞれ示す平面図である。
【
図6】
図4のII-II'線に沿った断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による電子部品の概略的な構造を示す斜視図である。
【
図8】
図7のIII-III'線に沿った断面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による電子部品の概略的な構造を示す断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態による電子部品の概略的な構造を示す斜視図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態による電子部品の概略的な構造を示す断面図である。
【
図13】2つの積層型キャパシタをZ方向に積層した場合、積層方向に沿って振動騒音がどのように変化するかを測定して示したものである。
【
図14】2つの積層型キャパシタをZ方向に積層してメタルフレームを取り付けた場合、積層方向に沿って振動騒音がどのように変化するかを測定して示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。また、類似した機能及び作用をする部分に対しては、図面全体にわたって同一の符号を用いる。
【0025】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
本発明の実施形態を明確に説明するために、方向を定義すると、図面に示されるX、Y、及びZはそれぞれ、第1または第2積層型キャパシタの長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。
【0027】
ここで、Z方向は第1方向、Y方向は第2方向、X方向は第3方向に並行して説明することができる。
【0028】
図1は本発明の実施形態に適用される水平積層構造の第1積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、
図2(a)及び
図2(b)は、
図1の第1積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示す平面図であり、
図3は
図1のI-I'線に沿った断面図である。
【0029】
まず、
図1~
図3を参照して、本実施形態の電子部品に適用される第1積層型キャパシタの構造について説明する。
【0030】
図1~
図3を参照すると、本実施形態の第1積層型キャパシタ100は、第1本体110と、第1本体110のX方向の両端部にそれぞれ形成される第1及び第2外部電極131、132と、を含む。
【0031】
第1本体110は、複数の第1誘電体層111をZ方向に積層して焼成したものであり、第1本体110の互いに隣接する第1誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0032】
また、第1本体110は、複数の第1誘電体層111と第1誘電体層111を間に挟んでZ方向に交互に配置される互いに異なる極性を有する第1及び第2内部電極121、122を含む。
【0033】
また、第1本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性領域と、マージン部としてZ方向に上記活性領域の上下部にそれぞれ設けられるカバー領域112、113を含むことができる。
【0034】
このような第1本体110は、その形状に特に制限はないが、六面体形状であることができ、Z方向に互いに対向する第1及び第2面1、2と、第1及び第2面1、2と互いに連結され、X方向に互いに対向する第3及び第4面3、4と、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、且つ互いに対向する第5及び第6面5、6を含むことができる。
【0035】
第1誘電体層111は、セラミック粉末、例えば、BaTiO3系セラミック粉末などを含むことができる。
【0036】
上記BaTiO3系セラミック粉末としては、BaTiO3にCaまたはZrなどが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3、またはBa(Ti1-yZry)O3などがあるが、これに限定されるものではない。
【0037】
また、第1誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などがさらに添加されることができる。
【0038】
上記セラミック添加剤には、例えば、遷移金属酸化物又は遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)などが含まれることができる。
【0039】
本実施形態の第1積層型キャパシタ100は、水平積層構造を有し、第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性を印加される電極として、第1誘電体層111上に形成されてZ方向に積層されることができ、一つの第1誘電体層111を間に挟んで第1本体110の内部にZ方向に沿って互いに対向するように交互に配置することができる。
【0040】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された第1誘電体層111により互いに電気的に絶縁されることができる。
【0041】
このような第1及び第2内部電極121、122は、一端が第1本体110の第3及び第4面3、4を介してそれぞれ露出することができる。
【0042】
このように、第1本体110の第3及び第4面3、4を介して交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述する第1本体110のX方向の両端部に配置される第1及び第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0043】
上記のような構成により、第1及び第2外部電極131、132に所定の電圧を印加すると、第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0044】
このとき、第1積層型キャパシタ100の静電容量は、上記活性領域においてZ方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重なり面積と比例するようになる。
【0045】
また、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム-銀(Pd-Ag)合金などの貴金属材料、及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成することができる。
【0046】
このとき、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
第1及び第2外部電極131、132は、互いに異なる極性の電圧が供給され、第1本体110のX方向の両端部に配置され、第1及び第2内部電極121、122の露出する端部とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0048】
第1外部電極131は、第1頭部131a及び第1バンド部131bを含むことができる。
【0049】
第1頭部131aは、第1本体110の第3面3に配置され、第1内部電極121から第1本体110の第3面3を介して外部に露出する端部と接触して、第1内部電極121と第1外部電極131を互いに電気的に連結する役割を果たす。
【0050】
第1バンド部131bは、固着強度の向上などのために、第1頭部131aから第1本体110の第1、第2、第5、及び第6面1、2、5、6の一部まで延長される部分である。
【0051】
第2外部電極132は、第2頭部132a及び第2バンド部132bを含むことができる。
【0052】
第2頭部132aは、第1本体110の第4面4に配置され、第2内部電極122から第1本体110の第4面4を介して外部に露出する端部と接触して、第2内部電極122と第2外部電極132を互いに電気的に連結する役割を果たす。
【0053】
第2バンド部132bは、固着強度の向上などのために第2頭部132aから第1本体110の第1、第2、第5、及び第6面1、2、5、6の一部まで延長される部分である。
【0054】
一方、第1及び第2外部電極131、132は、めっき層をさらに含むことができる。
【0055】
上記めっき層は、第1及び第2外部電極131、132の表面をそれぞれカバーする第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層と、上記第1及び第2ニッケルめっき層をそれぞれカバーする第1及び第2スズ(Sn)めっき層を含むことができる。
【0056】
図4は本発明の実施形態に適用される垂直積層構造の第2積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、
図5(a)及び
図5(b)は
図4の第2積層型キャパシタに適用される第3及び第4内部電極をそれぞれ示す平面図であり、
図6は
図4のII-II'線に沿った断面図である。
【0057】
ここで、第3及び第4外部電極231、232が形成された構造など、上述した第1積層型キャパシタの構造と類似した部分は、重複を避けるために、これに対する具体的な説明を省略し、上述した実施形態と異なる構造を有する第3及び第4内部電極221、222を図示して、これに基づいて具体的に説明する。
【0058】
図4~
図6を参照すると、本実施形態の垂直積層構造の第2積層型キャパシタ200は、第2本体210が、複数の第2誘電体層211と第2誘電体層211を間に挟んでY方向に交互に配置される互いに異なる極性を有する第3及び第4内部電極221、222を含む。
【0059】
第2本体210は、その形状に特に制限はないが、六面体形状であることができ、Z方向に互いに対向する第1-1及び第2-1面11、12と、第1-1及び第2-1面11、12と互いに連結され、X方向に互いに対向する第3-1及び第4-1面13、14と、第1-1及び第2-1面11、12と連結され、第3-1及び第4-1面13、14と連結され、且つ互いに対向する第5-1及び第6-1面15、16を含むことができる。ここで、第1-1面11は、実装面となることができる。
【0060】
第3及び第4内部電極221、222は、互いに異なる極性を印加される電極として、第2誘電体層211上に形成されてY方向に積層されることができ、一つの第2誘電体層211を間に挟んで第2本体210の内部にY方向に沿って互いに対向されるように交互に配置されることができる。
【0061】
そして、第3外部電極231は、第3内部電極221と接続される第3頭部231aと第3頭部231aから第2本体210の第2-1、第5-1、及び第6-1面12、15、16の一部まで延長される第3バンド部231bを含むことができる。
【0062】
第4外部電極232は、第4内部電極222と接続される第4頭部232aと第4頭部232aから第2本体210の第2-1、第5-1、及び第6-1面12、15、16の一部まで延長される第4バンド部232bを含むことができる。
【0063】
本発明の電子部品は、少なくとも一つの第1積層型キャパシタ100と少なくとも一つの第2積層型キャパシタ200が、第1積層型キャパシタ100の一面に垂直な方向に交互に積層される。
【0064】
ここで、第1積層型キャパシタ100、200の一面は、本実施形態の電子部品が基板に実装されるとき、基板と向き合う面として、例えば、第1積層型キャパシタ100の第1面1であることができる。
【0065】
このとき、第1積層型キャパシタ100は、第1及び第2内部電極121、122が一面に対して垂直な第1方向としてZ方向に積層され、第2積層型キャパシタ200は、第3及び第4内部電極221、222が上記第1方向と垂直な第2方向としてY方向に積層されることができる。
【0066】
図7は本発明の一実施形態による電子部品の概略的な構造を示す斜視図であり、
図8は
図7のIII-III'線に沿った断面図である。
【0067】
図7及び
図8を参照すると、本実施形態の電子部品は、第1積層型キャパシタ100と第2積層型キャパシタ200を一つずつ含むことができる。
【0068】
このとき、第1積層型キャパシタ100及び第2積層型キャパシタ200は、Z方向に沿って一列に配置されることができる。
【0069】
本実施形態では、図面上において、Z方向の下方に第2積層型キャパシタ200が配置され、第2積層型キャパシタ200の上に、第1積層型キャパシタ100がZ方向に並んで配置されることができる。
【0070】
このとき、第1積層型キャパシタ100の第1外部電極131の下側の第1バンド部131bと、第2積層型キャパシタ200の第3外部電極231の上側の第3バンド部231bとの間に、第1導電性接着層161が配置されることができる。
【0071】
また、第1積層型キャパシタ100の第2外部電極132の下側の第2バンド部132bと、第2積層型キャパシタ200の第4外部電極232の上側の第4バンド部232bとの間に、第2導電性接着層162が配置されることができる。
【0072】
第1及び第2導電性接着層161、162は、第1積層型キャパシタ100と第2積層型キャパシタ200を電気的に連結し、互いに分離されないように結合させる役割を果たす。
【0073】
一般的に、積層型キャパシタに電界が加わると、誘電体は、電界が加わる方向に膨張し、同時にポアソン効果によって電界に垂直な方向には収縮する。
【0074】
このとき、積層型キャパシタと接触している基板の実装部は、積層型キャパシタの中心部側に引っ張られ、基板面と垂直な方向に捻じられる。そして、電界が除去されると、基板は元の状態に戻る。
【0075】
このように交流電圧の振幅によって上記過程が繰り返されると、基板が振動するようになり、その振幅及び振動数が人間の可聴領域に入ってくると、振動騒音として認識される。
【0076】
従来のスタック構造の電子部品の場合、上下に位置した積層型キャパシタの内部電極の積層方向が全て同一であり、下側の積層型キャパシタ及び上側の積層型キャパシタの変更方向も全て同一である。
【0077】
したがって、Z方向では、ともに上下に膨張しながら下側の積層型キャパシタの振動と上側の積層型キャパシタの振動が互いに衝突するようになり、X-Y方向では、ともに内側に収縮して基板を2倍の力で引っ張るようになり、結果的に、積層型キャパシタの変形による基板の振動が倍になる。
【0078】
一方、本実施形態の電子部品は、複数個の第1及び第2積層型キャパシタをZ方向のスタック構造で接合して構成されるが、このとき、第1積層型キャパシタの内部電極の積層方向と第2積層型キャパシタの内部電極の積層方向が互いに垂直になるようにすることを特徴とする。
【0079】
これにより、下側に位置した第2積層型キャパシタでは、Z方向に内側に収縮する振動が発生するようになり、上側に位置した第1積層型キャパシタでは、Z方向に外側に膨張しようとする振動が発生するようになる。
【0080】
したがって、第1積層型キャパシタと第2積層型キャパシタでZ方向に発生する振動が互いに衝突しないようになり、片方の積層型キャパシタがX-Y方向に収縮すると、反対側の積層型キャパシタは、反対方向に膨張して基板に加わる力が低減されることができる。
【0081】
このような本実施形態の電子部品は、様々な配置構造に変更されることができる。
【0082】
例えば、
図9のように、Z方向の下側に第1積層型キャパシタ100が配置され、第1積層型キャパシタ100の上に第2積層型キャパシタ200が並んで配置される構造で構成することができる。
【0083】
この場合にも、先の実施形態のように、2つの積層型キャパシタでZ方向に発生する振動の衝突がなく、一つの積層型キャパシタはX-Y方向に収縮し、もう一つの積層型キャパシタは、膨張して基板に加わる力が低減されることができる。
【0084】
図13は、2つの積層型キャパシタをZ方向に積層した後、基板に実装し、積層方向に沿って振動騒音がどのように変化するかを測定して示したものである。このとき、それぞれ5つのサンプルを測定した後、平均値を求める。
【0085】
ここで、第1積層型キャパシタ及び第2積層型キャパシタは、それぞれの長さと幅が3.2mmと2.5mmであり、内部電極の総積層数は、それぞれ266個である。
【0086】
#1及び#2は比較例であり、#1は上下ともに第1積層型キャパシタの場合であり、#2は上下ともに第2積層型キャパシタの場合であり、#3は
図9の構造を有する電子部品の場合であり、#4は
図7の構造を有する電子部品の場合である。
【0087】
図13を参照すると、#1の場合、アコースティックノイズが36.7dBと最も高く示され、#2の場合にも#1よりは低いが35.8dBと高かった。
【0088】
一方、本発明による#3及び#4の場合、それぞれアコースティックノイズが32.4dBと30.2dBで、#1及び#2に比べてアコースティックノイズが低減されることが確認できる。
【0089】
特に、メタルフレームのない当該構造では、積層型キャパシタの振動がより直接的に基板に伝わるため、実装面側に垂直積層構造の第2積層型キャパシタが位置する#4において最も小さいアコースティックノイズが測定された。
【0090】
図10は本発明の他の実施形態による電子部品の概略的な構造を示す斜視図であり、
図11は
図10のIV-IV'線に沿った断面図である。
【0091】
図10及び
図11を参照すると、本実施形態の電子部品は、外部電極と接続されるメタルフレームを含むことができる。メタルフレームは、第1及び第2メタルフレーム140、150を含むことができる。
【0092】
第1メタルフレーム140は、第1及び第3頭部131a、231aと接合される第1垂直部141と、第1垂直部141の下段でX方向に延長される第1実装部142を含むことができる。
【0093】
第2メタルフレーム150は、第2及び第4頭部132a、232aと接合される第2垂直部151と、第2垂直部151の下段でX方向に延長される第2実装部152を含むことができる。
【0094】
このとき、第1導電性接着層161'は、第1頭部131aと第1垂直部141との間、そして第3頭部231aと第1垂直部141との間にもさらに配置されることができる。
【0095】
また、第2導電性接着層162'は、第2頭部132aと第2垂直部151との間、そして第4頭部232aと第2垂直部151との間にもさらに配置されることができる。
【0096】
本実施形態では、図面上において、Z方向の下方に第2積層型キャパシタ200が配置され、第2積層型キャパシタ200の上に、第1積層型キャパシタ100が並んで配置されることができる。
【0097】
このような本実施形態の電子部品は、様々な配置構造に変更されることができる。
【0098】
例えば、
図12のように、Z方向の下方に第1積層型キャパシタ100が配置され、第1積層型キャパシタ100の上に第2積層型キャパシタ200が並んで配置されることができる。
【0099】
本実施形態では、第1及び第2積層型キャパシタの両端面にメタルフレームを接合して基板に実装する際、下段に位置する積層型キャパシタと基板の間に間隙を確保することにより、基板からのストレスが積層型キャパシタに直接伝わらないようにし、逆に積層型キャパシタの振動が基板に伝わらないようにして、アコースティックノイズをさらに低減させることができる。
【0100】
図14は、2つの積層型キャパシタをZ方向に積層してメタルフレームを取り付けて、基板に実装し、積層方向に沿って振動騒音がどのように変化するかを測定して示したものである。このとき、それぞれ5つのサンプルを測定した後、平均値を求める。
【0101】
ここで、第1積層型キャパシタ及び第2積層型キャパシタは、それぞれの長さと幅が3.2mmと2.5mmであり、内部電極の総積層数は、それぞれ266個である。そして、メタルフレームの実装部と下側に位置した積層型キャパシタの間の距離は800μmである。
【0102】
#5及び#6は比較例であり、#5は上下ともに第1積層型キャパシタの場合であり、#6は上下ともに第2積層型キャパシタの場合であり、#7は
図12の電子部品の場合であり、#8は
図10の電子部品の場合である。
【0103】
図14を参照すると、メタルフレームの効果として、先の#1-4に比べてアコースティックノイズがさらに低減されることが確認できる。
【0104】
そのうち#5の場合、アコースティックノイズが30.1dBと最も高く示され、#6の場合にも#5よりは低いが29.8dBと高かった。
【0105】
一方、本発明による#7及び#8の場合、それぞれ28.1dB及び28.2dBで、#5及び#6に比べてアコースティックノイズが低減されることが確認できる。
【0106】
特に、このようにメタルフレームを有する構造では、実装面側に水平積層構造の第1積層型キャパシタが位置する#3において最も小さいアコースティックノイズが測定された。
【0107】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定する。
【0108】
したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0109】
100 第1積層型キャパシタ
110 第1本体
111 第1誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
131、132 第1及び第2外部電極
131a、132a 第1及び第2頭部
131b、132b 第1及び第2バンド部
200 第2積層型キャパシタ
210 第2本体
211 第2誘電体層
221、222 第3及び第4内部電極
231、232 第3及び第4外部電極
231a、232a 第3及び第4頭部
231b、232b 第3及び第4バンド部