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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073910
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/403 20170101AFI20220510BHJP
【FI】
A47B88/403
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079470
(22)【出願日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】109138013
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】張 維成
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA11
3B160AA12
3B160AB32
3B160AB33
3B160EA13
3B160EA14
3B160EA32
3B160EA36
3B160EA44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体は、第1レール22、第2レール24、第1ブラケット28、第2ブラケット34及び支持特徴部30を含む。第1レールは、第1及び第2ブラケットを介して、ラックに取り付けられるように構成されている。第2レールは第1レールに対して可動であり、載せる物品66を載せるように構成されている。支持特徴部は、第1ブラケットに配置されている。第2レールが第1レールに対して所定位置Rにあるときに、第2レールの端部は支持特徴部を越えて延びはしない。支持特徴部は、載せる物品の所定部分を支持するように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部を有し、第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有する第1レールであり、第1壁と、第2壁と、第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを備え、第1レールの前記第1壁及び前記第2壁は、前記第1面に位置する第1レールと、
前記第1レールの前記第1面で、前記第1レールに対して長手方向に可動であり、第1端部を有する第2レールと、
前記第1レールの前記第2面に配置され、前記第1レールの前記第1端部を越えて延びる延長部材と、
前記延長部材に配置され、側壁と、前記側壁に隣接して位置する少なくとも1つの第1取り付け部材とを含む第1ブラケットと、
前記第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して後退位置に位置するときに、前記第2レールの前記第1端部は前記支持特徴部を越えて延びはしない、スライドレール組立体。
【請求項2】
さらに第3レールを備え、通路が前記第1レールの前記第1壁と、前記第2壁と、前記長手方向壁との間に画定され、前記通路は、前記第3レールを収容するように構成され、これにより前記第3レールは前記第1レールの前記第1面に位置し、
前記第3レールは、前記第1レールと前記第2レールとの間に可動に取り付けられ、前記第2レールは、前記第3レールを介して前記第1レールの前記第1面で、前記第1レールに対して長手方向に可動であり、
前記支持特徴部は、前記第1ブラケットの前記側壁に対して横断方向に延び、前記第1ブラケットは、枠部を介して前記延長部材の延長通路に取り付けられている、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
さらに第2ブラケットを備え、前記第1及び第2ブラケットのうち少なくとも1つが、前記第1レールに対して長手方向に可動であり、
前記第2ブラケットは、側部分と、前記側部分に隣接して位置する少なくとも1つの第2取り付け部材とを含み、前記側部分は支持部材に配置され、
前記支持部材は少なくとも1つの第1支持区間と、少なくとも1つの前記第1支持区間に接続された少なくとも1つの第2支持区間とを有し、
少なくとも1つの前記第1支持区間は、前記第1レールの前記第1壁と前記第2壁とのうち1つを支持するように構成され、少なくとも1つの前記第2支持区間は、前記延長部材の第1所定部分と第2所定部分とのうち1つを支持するように構成され、
前記支持部材の少なくとも1つの前記第1支持区間と少なくとも1つの前記第2支持区間とは、異なる長手方向平面に位置し、少なくとも1つの前記第2支持区間の長手方向の長さは、少なくとも1つの前記第1支持区間の長手方向の長さよりも大きい、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記支持部材は2つの第1支持区間と、2つの第2支持区間と、2つの前記第2支持区間の間に接続された中間区間とを有し、
前記支持部材は、2つの前記第1支持区間と前記中間区間とを介して前記第1レールを部分的に覆うように構成され、前記支持部材は、2つの前記第2支持区間と前記中間区間とを介して前記延長部材を部分的に覆うように構成されている、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有する第1レールと、
第2レールと、
前記第1レールの前記第1面で、前記第2レールが第3レールを介して、前記第1レールに対して長手方向に可動である、第3レールと、
前記第1レールの前記第2面に位置する第1及び第2ブラケットであり、第1及び第2ブラケットのうち少なくとも1つが前記第1レールに対して長手方向に可動である第1及び第2ブラケットと、
前記第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して所定位置に位置するときに、前記第2レールの端部は前記支持特徴部を越えて延びはしない、スライドレール組立体。
【請求項6】
さらに、前記第1レールの前記第2面に配置され、前記第1レールの第1端部を越えて延びる延長部材を備え、
前記第1レールは、第1壁と、第2壁と、前記第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを備え、前記第1ブラケットは前記延長部材に配置され、前記第1ブラケットは、側壁と、前記側壁に隣接して位置する少なくとも1つの第1取り付け部材とを有し、前記支持特徴部は、前記第1ブラケットの前記側壁に対して横断方向に延びている、請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
通路が前記第1レールの前記第1壁と、前記第2壁と、前記長手方向壁との間に画定され、
前記通路は、前記第3レールを収容するように構成され、これにより前記第3レールは前記第1レールの前記第1面に位置し、前記第3レールは、前記第1レールと前記第2レールとの間に可動に取り付けられている、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第1ブラケットは、枠部を介して前記延長部材の延長通路に取り付けられ、
前記第2ブラケットは、側部分と、前記側部分に隣接して位置する少なくとも1つの第2取り付け部材とを含み、前記側部分は支持部材に配置され、
前記支持部材は2つの第1支持区間と、2つの第2支持区間と、中間区間とを有し、
前記支持部材は、2つの前記第1支持区間と前記中間区間とを介して前記第1レールを部分的に覆うように構成され、前記支持部材は、2つの前記第2支持区間と前記中間区間とを介して前記延長部材を部分的に覆うように構成されている、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
載せる物品をラックに取り付けるように構成されているスライドレール組立体であり、前記載せる物品は、前部分と後部分とを含み、前記前部分は第1幅を有し、前記後部分は前記第1幅よりも小さい第2幅を有するスライドレール組立体であって、
第1レールと、
前記ラックの第1柱と第2柱とに前記第1レールを取り付けるように構成されている第1及び第2ブラケットと、
前記第1レールに対して長手方向に可動であり、前記載せる物品の前記後部分に取り付けられている第2レールと、
前記第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して後退位置に位置するときに、前記支持特徴部は、前記載せる物品の前記前部分を支持するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項10】
前記第2レールが前記第1レールに対して、前記後退位置から一方向に伸長位置へ移動されたときに、前記支持特徴部は、前記載せる物品の前記前部分と前記後部分とのうち1つを支持するように構成され、
スライドレール組立体はさらに、前記第1レールに配置されている延長部材を備え、前記延長部材は、前記第1レールの第1端部を越えて延び、前記第1ブラケットは前記延長部材に配置され、前記第1ブラケットは、前記第1柱の少なくとも1つの第1孔に取り付けられるように構成された少なくとも1つの第1取り付け部材を含み、前記第2ブラケットは、側部分と、前記側部分に隣接して位置する少なくとも1つの第2取り付け部材とを含み、前記側部分は支持部材に配置され、
前記支持部材は少なくとも1つの第1支持区間と、少なくとも1つの第2支持区間とを有し、少なくとも1つの前記第1支持区間は、前記第1レールを支持するように構成され、少なくとも1つの前記第2支持区間は、前記延長部材を支持するように構成され、少なくとも1つの前記第2支持区間は、前記第2柱の少なくとも1つの第2孔に取り付けられるように構成されている、請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに適用可能なスライドレール組立体に関し、より詳しくは、支持機構を有するスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にラックシステムでは、載せる物品(例えば電子機器)は、通常、1対のスライドレール組立体を介してラックに取り付けられる。各スライドレール組立体は、通常、ラックに固定された固定レールと、固定レールに対して可動な可動レールとを備え、載せる物品をラックから移動させ、又はラックに押し込むことができるようになっている。
【0003】
ときには、スライドレール組立体は、載せる物品の特別な構造的構成のために、載せる物品の特定の部分に、単に部分的に取り付けることが可能である。例えば、米国特許9131624B1号は、前部分及び後部分を有する載せる物品(シャーシ)を開示している。後部分の幅は、前部分の幅より狭い。このような載せる物品の構造的構成により、載せる物品の後部分の2つの面に1対のスライドレール組立体(又は1対のスライドレール組立体の可動レール)を単純に取り付けることができる。載せる物品の後部分と1対のスライドレール組立体との合計幅は、載せる物品の前部分の幅と実質的に等しい。
【発明の概要】
【0004】
ただし、載せる物品の後部分に取り付けられただけのスライドレール組立体の状態では、載せる物品の他の部分(前部分など)に対するスライドレール組立体の支持強度は十分ではないことがある。従って、異なったスライドレール組立体を開発することが重要である。
【0005】
本発明は、支持機構を有するスライドレール組立体を提供する。
【0006】
本発明の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと、第2レールと、延長部材と、第1ブラケットと、支持特徴部とを備えている。スライドレール組立体は、第1端部を有し、第1面と、第1面の反対側の第2面とを有する第1レールであり、第1壁と、第2壁と、第1レールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを備え、第1レールの第1壁及び第2壁は、第1面に位置する第1レールと、第1レールの第1面で、第1レールに対して長手方向に可動であり、第1端部を有する第2レールと、第1レールの第2面に配置され、第1レールの第1端部を越えて延びる延長部材と、延長部材に配置され、側壁と、側壁に隣接して位置する少なくとも1つの第1取り付け部材とを含む第1ブラケットと、第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、第2レールが第1レールに対して後退位置に位置するときに、第2レールの第1端部は支持特徴部を越えて延びはしない。
【0007】
本発明の他の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと、第2レールと、第3レールと、第1ブラケットと、第2ブラケットと、支持特徴部とを備えている。スライドレール組立体は、第1面と、第1面の反対側の第2面とを有する第1レールと、第2レールと、第1レールの第1面で、第2レールが第3レールを介して、第1レールに対して長手方向に可動である、第3レールと、第1レールの第2面に位置する第1及び第2ブラケットであり、第1及び第2ブラケットのうち少なくとも1つが第1レールに対して長手方向に可動である第1及び第2ブラケットと、第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、第2レールが第1レールに対して所定位置に位置するときに、第2レールの端部は支持特徴部を越えて延びはしない。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、スライドレール組立体は、載せる物品をラックに取り付けるように構成されている。載せる物品は、前部分と後部分とを含み、前部分は第1幅を有し、後部分は第1幅よりも小さい第2幅を有する。スライドレール組立体は、第1レールと、第1ブラケットと、第2ブラケットと、第2レールと、支持特徴部とを備えている。スライドレール組立体は、第1レールと、ラックの第1柱と第2柱とに第1レールを取り付けるように構成されている第1及び第2ブラケットと、第1レールに対して長手方向に可動であり、載せる物品の後部分に取り付けられている第2レールと、第1ブラケットに配置されている支持特徴部とを備え、第2レールが第1レールに対して後退位置に位置するときに、支持特徴部は、載せる物品の前部分を支持するように構成されている。
【0009】
好ましくは、第2レールが第1レールに対して、後退位置から一方向に伸長位置へ移動されたときに、支持特徴部は、載せる物品の前部分と後部分とのうち1つを支持するように構成されている。
【0010】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第1レールに配置されている延長部材を備え、延長部材は、第1レールの第1端部を越えて延び、第1ブラケットは延長部材に配置され、第1ブラケットは、第1柱の少なくとも1つの第1孔に取り付けられるように構成された少なくとも1つの第1取り付け部材を含み、第2ブラケットは、側部分と、側部分に隣接して位置する少なくとも1つの第2取り付け部材とを含み、側部分は支持部材に配置されている。支持部材は少なくとも1つの第1支持区間と、少なくとも1つの第2支持区間とを有し、少なくとも1つの第1支持区間は、第1レールを支持するように構成され、少なくとも1つの第2支持区間は、延長部材を支持するように構成され、少なくとも1つの第2支持区間は、第2柱の少なくとも1つの第2孔に取り付けられるように構成されている。
【0011】
本発明のこれら及び他の目的は、さまざまな図及び図面に示された好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には、疑いなく明らかなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体を示す図である
図2】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の分解図である
図3】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して、第1前方調節位置及び第1後方調節位置にそれぞれ位置するスライドレール組立体の2つのブラケットを示す図である
図4】本発明の実施形態に係り、第1方向に第2前方調節位置まで、第1レールに対して移動されるスライドレール組立体の2つのブラケットの1つを示す図である。
図5】本発明の実施形態に係り、第2方向に第2後方調節位置まで、第1レールに対して移動されるスライドレール組立体の2つのブラケットの他の1つを示す図である
図6】本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体を介してラックに取り付けられるように構成された載せる物品を示す図であり、載せる物品は、第2レールを介して後退位置に位置する。
図7】本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体を介してラックに取り付けられるように構成された載せる物品を示す分解図である
図8】本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体を介してラックの2つの柱に取り付けられるように構成された載せる物品を示す分解図である
図9】本発明の実施形態に係り、第2レールを介して第1レールに対して伸長位置にある載せる物品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び2に示すように、本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体20は第1レール22、第2レール24、延長部材26、第1ブラケット28及び支持特徴部30を備えている。好ましくは、さらにスライドレール組立体20は第3レール32と第2ブラケット34とを含む。第3レール32は第1レール22と第2レール24との間に可動に取り付けられ、いわゆる三部構成のスライドレール組立体20を形成する。第1レール22(例えば外レール)、第2レール24(例えば内レール)及び第3レール32(例えば中間レール)は、それぞれに対して相互に長手方向に可動である。さらに本実施形態では、X軸は長手方向(又は長さ方向又はスライドレールの移動方向)であり、Y軸は横断方向(又はスライドレールの横方向)であり、Z軸は縦方向(又はスライドレールの高さ方向)である。
【0014】
第1レール22は第1端部22a(前端部)と、第1端部22aから離れた第2端部22b(例えば後端部)とを有する。しかし本発明はこれに限定されない。第1レール22は第1面S1と、第1面S1の反対側の第2面S2とを有する。第1レール22は、第1壁36aと、第2壁36bと、第1レール22の第1壁36a及び第2壁36bの間に接続された長手方向壁38とを備えている。第1レール22の第1壁36a及び第2壁36bは、第1面S1に位置する。好ましくは、通路が第1レール22の第1壁36a,第2壁36b及び長手方向壁38の間に画定される。通路は、第3レール32を収容するように構成され、これにより第3レール32は第1レール22の第1面S1に位置する。
【0015】
第2レール24は、第3レール32を介して、第1レール22の第1面S1で第1レール22に対して長手方向に可動である。第2レール24は、第1端部24a(例えば前端部)と、第1端部24aから離れている第2端部24b(例えば後端部)とを有するが、本発明はこれに限定されない。さらに第2レール24は、第3レール32の通路に可動に取り付けられ、第2レール24は第3レール32に対して長手方向に可動である。
【0016】
延長部材26は第1レール22の第2面S2に配置され、延長部材26の少なくとも一部は第1レール22の第1端部22aを越えて延びている。延長部材26は第1レール22に接続されている(例えば、限定されないが、固着して接続されている)。従って、延長部材26と第1レール22とは1つのピースとみなされてよい。延長部材26は第1レール22の長さを延ばし、又は第1レール22の部分的厚みを増加させるように構成され、第1レール22の構造的強度を高める。好ましくは延長部材26は、第1所定部分40aと、第2所定部分40bと、第1所定部分40a及び第2所定部分40bの間に接続された中間部分42とを備えている。延長通路44は、第1所定部分40a、第2所定部分40b及び中間部分42の間に画定されている。
【0017】
第1ブラケット28は、第1ブラケット28が第1レール22の第2面S2に位置するように、延長部材26に配置されている。第1ブラケット28は、側壁46と、側壁46に隣接して位置する第1取り付け部材48とを備えている。好ましくは、さらに第1ブラケット28は、側壁46に実質的に垂直に接続された端壁50を備えている。端壁50は側壁46の前方に位置し、少なくとも1つの第1取り付け部材48が端壁50に配置されている。好ましくは、第1ブラケット28は、枠部49を介して、延長部材26の延長通路44に可動に取り付けられている。好ましくは、枠部49と延長部材26の延長通路44とは、互いに相互作用するように構成された第1制約構造52及び第2制約構造54をそれぞれ備え、これにより、第1ブラケット28が延長部材26に対して一つの位置(例えば最大開放位置)へ移動されたときに、第1制約構造52と第2制約構造54とは、ブロック効果を発揮するように互いに接触するように構成されている。
【0018】
支持特徴部30は第1ブラケット28に配置されている。好ましくは、支持特徴部30は第1ブラケット28の側壁46に対して横断方向に延びている板本体を有し、支持特徴部30は側壁46の側面に位置する。好ましくは、支持特徴部30は第1ブラケット28の側壁46に一体に設けられている。又は、他の代替の実施形態では、支持特徴部30は第1ブラケット28の側壁46に接続された追加の構成要素である。しかし本発明はこれに限定されない。
【0019】
第2ブラケット34は、第1レール22の第2面S2に位置する。第2ブラケット34は、側部分56と、側部分56に隣接して位置する第2取り付け部材58とを含む。側部分56は支持部材60とともに配置され、支持部材60は、少なくとも1つの第1支持区間62aと、少なくとも1つの第1支持区間62aに接続された少なくとも1つの第2支持区間62bとを有する。少なくとも1つの第1支持区間62a及び少なくとも1つの第2支持区間62bは、異なる長手方向平面に位置し、少なくとも1つの第2支持区間62bの長手方向の長さは、少なくとも1つの第1支持区間62aの長手方向の長さよりも大きい。この構成により、支持部材60の輪郭は第1レール22及び延長部材26と揃う。さらに少なくとも1つの第1支持区間62aは、第1レール22の第1壁36a及び第2壁36bのうち1つを支持するように構成されている。本実施形態では、支持部材60は、第1レール22の第1壁36a及び第2壁36bのうち1つを支持するように構成された2つの第1支持区間62aを有する。他方、少なくとも1つの第2支持区間62bは、延長部材26の第1所定部分40a及び第2所定部分40bのうち1つを支持するように構成されている。本実施形態では、支持部材60は、延長部材26の第1所定部分40a及び第2所定部分40bのうち1つを支持するように構成された2つの第2支持区間62bを有する。
【0020】
好ましくは、さらに支持部材60は、2つの第2支持区間62bの間に接続された中間区間64を有する。支持部材60は、2つの第1支持区間62aと中間区間64を介して第1レール22を部分的に覆い、第1レール22の構造的強度を高める。支持部材60は、2つの第1支持区間62aと中間区間64を介して延長部材26を部分的に覆い、延長部材26の構造的強度を高める。
【0021】
第2レール24が第1レール22に対して所定位置、例えば後退位置Rにあるときに、第2レール24の第1端部24aは支持特徴部30を越えて延びはしない(図1に示す)。さらに、第2レール24が所定位置にあるときに、第2レール24の第1端部24aは、支持特徴部30から所定距離Kだけ離れている。
【0022】
図3ないし5に示すように、第1ブラケット28及び第2ブラケット34のうち少なくとも1つが、第1レール22に対して長手方向(レール長手方向)に可動である。本実施形態では、第2ブラケット34と第1ブラケット28との両方が、第1レール22に対して長手方向に可動である。
【0023】
さらに第1ブラケット28は、第1レール22に対して第1前方調節位置X1にあるように構成され、第2ブラケット34は、第1レール22に対して第1後方調節位置X1’にあるように構成されている。第1ブラケット28は枠部49を介して第1方向D1に延長部材26に対して移動でき、これにより、第1ブラケット28は第1前方調節位置X1(図3に示す)から第1方向D1に第2前方調節位置X2(図4に示す)へ第1レール22に対して可動である。一方、第2ブラケット34は支持部材60を介して第2方向D2に第1レール22に対して移動でき、これにより、第2ブラケット34は第1後方調節位置X1’(図4に示す)から第2方向D2に第2後方調節位置X2’(図5に示す)へ第1レール22に対して可動である。第2方向D2は第1方向D1と逆である。
【0024】
従って、第1ブラケット28と第2ブラケット34とが第1レール22に対して、それぞれ第1前方調節位置X1と第1後方調節位置X1’(図3に示す)とに位置するときに、第1調節距離が、第1ブラケット28の少なくとも1つの第1取り付け部材48と第2ブラケット34の少なくとも1つの第2取り付け部材58との間に規定される。第1ブラケット28と第2ブラケット34とが第1レール22に対して、それぞれ第2前方調節位置X2と第2後方調節位置X2’(図5に示す)とに位置するときに、第2調節距離が、第1ブラケット28の少なくとも1つの第1取り付け部材48と第2ブラケット34の少なくとも1つの第2取り付け部材58との間に規定される。第2調節距離は、第1調節距離よりも大きい。
【0025】
図6,7及び8に示すように、載せる物品66の2つの面が、1対のスライドレール組立体20を介してラックに取り付けられるように構成されている。スライドレール組立体20のそれぞれが、実質的に同一の構造的な構成を有する。ラックは、1対の第1柱68aと、1対の第2柱68bとを含む。本実施形態では、1対の第1柱68aと、1対の第2柱68bとは、互いに対応した位置であって、互いに間隔をおいた位置にある。
【0026】
特に、載せる物品66は電子機器のシャーシであってよい。しかし本発明はこれに限定されない。載せる物品66は前部分70と後部分72とを含む。前部分70は第1幅W1を有し、後部分72は、第1幅W1よりも小さい(これよりも狭い)第2幅W2を有する(図7に示す)。さらに、各スライドレール組立体20の第1レール22は、第1ブラケット28と第2ブラケット34とを介して、ラックの第1柱68aと第2柱68bとに取り付けられてよい。例えば、第1ブラケット28の少なくとも1つの第1取り付け部材48は、第1柱68aの少なくとも1つの第1孔H1に取り付けられるように構成され、第2ブラケット34の少なくとも1つの第2取り付け部材58は、第2柱68bの少なくとも1つの第2孔H2に取り付けられるように構成されている。
【0027】
第2レール24は、載せる物品66の後部分72に取り付けられるように構成されている。例えば、第2レール24は複数の取り付け特徴部74を有し、これらは、載せる物品66の後部分72の左面Lにある複数の接続特徴部76に対応して取り付けられるように構成されている。
【0028】
さらに、第2レール24が第1レール22に対して後退位置Rにあって(図6に示す)、載せる物品66がこれに伴って後退位置Rになることを可能にする場合に、第2レール24の第1端部24aは、支持特徴部30を越えて延びはしない。第2レール24は載せる物品66の後部分72を支持するように構成されている。一方、支持特徴部30は、載せる物品66の前部分70の底部を直接に支持するように構成されている。
【0029】
図6及び9に示すように、第2レール24が、第1レール22に対して後退位置R(図6に示す)から第1方向D1に伸長位置E(図9に示す)へ移動され、呼応して載せる物品66が伸長位置Eに位置することを可能にするときに、第2レール24の第1端部24aは支持特徴部30を越えて延び、支持特徴部30は、載せる物品66の前部分70と後部分72とのうち1つの底部を支持するように構成されている。本実施形態で、支持特徴部30は、載せる物品66の後部分72の底部を支持するように構成されている。言い換えれば、支持特徴部30は、載せる物品66の一層狭い後部分72の側面Lを越えて、横断方向に延びる。本発明の一つの実施形態で、個別の構造上の要請を満たすために、載せる物品66の後部分72とスライドレール組立体20の対との合計幅は、載せる物品66の前部分70の幅と実質的に等しい。しかし本発明はこれに限定されない。
【0030】
従って、第2レール24が第1レール22に対して後退位置R又は伸長位置Eにあるときに、支持特徴部30は載せる物品66の底部(前部分70の又は後部分72の)を支持するように構成されている。さらに、他の実施形態では、第2レール24は、図9に示す伸長位置Eよりも遠い、他の1つの伸長位置へ、第1レール22に対して第1方向D1に移動されてよい。これにより載せる物品66(載せる物品66の前部分70又は後部分72)が第1方向D1に支持特徴部30を越えて移動することを可能にする。このような状態で、支持特徴部30は載せる物品66の底部を支持しない。
【0031】
従って、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体20は、下記のことを特徴とする。
【0032】
1:第2レール24が第1レール22に対して所定位置(例えば後退位置R)にあるときに、第2レール24の第1端部24aは支持特徴部30を越えて延びはしない。支持特徴部30は載せる物品66の前部分70の底部を支持するように構成されている。
【0033】
2:第2レール24が第1レール22に対して後退位置R又は伸長位置Eにあるときに、支持特徴部30は載せる物品66の(前部分70又は後部分72の)底部を支持するように構成される。これにより載せる物品66は、第2レール24を介してラックの内側、外側のいずれにあるかに関わらず、一層よい保護と安全性を有することができる。
【0034】
3:第2ブラケット34及び/又は第1ブラケット28は、第1レール22に対して長手方向(レール長手方向)に可動である。
【0035】
4:延長部材26は第1レール22の長さを延ばし、第1レール22の部分的厚みを増加させるように構成され、第1レール22の構造的強度を高める。
【0036】
5:支持部材60の少なくとも1つの第1支持区間62aと少なくとも1つの第2支持区間62bとは、異なる長手方向平面に位置し、少なくとも1つの第2支持区間62bの長手方向の長さは、少なくとも1つの第1支持区間62aの長手方向の長さよりも大きい。この構成により、支持部材60の輪郭は第1レール22と延長部材26とに揃う。
【0037】
6:支持部材60は、2つの第1支持区間62aと中間区間64とを介して第1レール22を部分的に覆うことができ、これにより第1レール22の構造的強度を高める。支持部材60は、2つの第2支持区間62bと中間区間64とを介して延長部材26を部分的に覆うことができ、これにより延長部材26の構造的強度を高める。
【0038】
本技術の当業者であれば、発明の教示するところに沿ってこの装置及び方法の種々の変形や改変について構成できることは、すぐに分かることである。従って、添付する請求項の範囲のみに限定されるものとして上記の開示は解釈されるものである。
図1
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図7
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図9