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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022073912
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】入力支援装置及び入力検出システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0362 20130101AFI20220510BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20220510BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220510BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G06F3/0362 461
G06F3/03 400D
G06F3/03 400F
G06F3/044 120
G06F3/046 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080370
(22)【出願日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2020183719
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 真人
(72)【発明者】
【氏名】柿木 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】河野 孝明
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087BC13
5B087BC26
5B087CC26
5B087DD10
(57)【要約】
【課題】回路特性を適切に調整することができる入力支援装置及び入力検出システムを提供する。
【解決手段】入力支援装置は、複数の電極を有する検出装置の上に配置される入力支援装置であって、LC回路と、LC回路の一端側に接続される第1電極と、LC回路の他端側に接続される第2電極と、LC回路に接続され、LC回路の回路特性を調整する調整回路と、を含む。調整回路は、LC回路に接続された抵抗素子と、抵抗素子と並列に接続されたスイッチ素子と、を含む。あるいは、LC回路は、第1LC回路と第2LC回路とを含み、記調整回路は、第1LC回路と第1電極との接続状態を切り換える第1スイッチ素子と、第2LC回路と第1電極との接続状態を切り換える第2スイッチ素子と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を有する検出装置の上に配置される入力支援装置であって、
LC回路と、
前記LC回路の一端側に接続される第1電極と、
前記LC回路の他端側に接続される第2電極と、
前記LC回路に接続され、前記LC回路の回路特性を調整する調整回路と、を含む
入力支援装置。
【請求項2】
前記調整回路は、前記LC回路に接続された抵抗素子と、
前記抵抗素子と並列に接続されたスイッチ素子と、を含む
請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項3】
前記スイッチ素子がオンの場合に、前記LC回路は、前記抵抗素子を介さず前記第1電極に接続され、
前記スイッチ素子がオフの場合に、前記LC回路は、前記抵抗素子を介して前記第1電極に接続される
請求項2に記載の入力支援装置。
【請求項4】
前記LC回路は、第1LC回路と第2LC回路とを含み、
前記調整回路は、
前記第1LC回路と前記第1電極との接続状態を切り換える第1スイッチ素子と、
前記第2LC回路と前記第1電極との接続状態を切り換える第2スイッチ素子と、を含む
請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項5】
前記第1スイッチ素子がオンの場合に、前記第1LC回路と前記第1電極とが接続され、
前記第2スイッチ素子がオンの場合に、前記第2LC回路と前記第1電極とが接続される
請求項4に記載の入力支援装置。
【請求項6】
複数の前記第1電極を有し、
前記調整回路は、複数の前記第1電極と前記LC回路との接続状態を切り換える、少なくとも1つ以上のスイッチ素子を含む
請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項7】
前記LC回路は、前記一端側と前記他端側との間に直列に接続された複数のインダクタを有し、
前記調整回路は、複数の前記インダクタのそれぞれに並列に接続された複数のスイッチ素子を有する
請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項8】
前記第1電極及び前記第2電極は、平面視で異なる形状を有する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の入力支援装置。
【請求項9】
前記第1電極は、円弧に沿って湾曲する湾曲形状であり、
前記第2電極は、円形状である
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の入力支援装置。
【請求項10】
前記第1電極の数は、前記第2電極の数と異なる
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の入力支援装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の入力支援装置と、
複数の電極を有する検出装置と、
前記検出装置の上に設けられたカバー部材と、
前記検出装置を挟んで前記カバー部材と対向する強磁性体と、を有し、
前記入力支援装置は、前記カバー部材の上に設けられた支持体と、前記支持体に回転可能に設けられた回転体と、を有し、
前記入力支援装置の前記支持体には磁石が設けられる
入力検出システム。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の入力支援装置と、
複数の電極を有する検出装置と、
前記検出装置の上に設けられたカバー部材と、
前記カバー部材の上に設けられた粘着シートと、を有し、
前記入力支援装置は、前記粘着シートの上に固定される支持体と、前記支持体に回転可能に設けられた回転体と、を有する
入力検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力支援装置及び入力検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、静電容量の変化又は接触領域の変化を検出するタッチパネル上に置かれ、タッチパネルからの入力操作を支援する入力支援装置(特許文献1、2では、操作ノブ又はノブと表記)が記載されている。入力支援装置の検出方式として、入力支援装置に設けられた共振回路の共振を利用して、入力支援装置を検出する方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6342105号公報
【特許文献2】特許第6532631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような入力支援装置では、共振回路の共振周波数や、入力支援装置から出力される信号強度(振幅)等の回路特性を適切に制御することが要求される。
【0005】
本発明は、回路特性を適切に調整することができる入力支援装置及び入力検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の入力支援装置は、複数の電極を有する検出装置の上に配置される入力支援装置であって、LC回路と、前記LC回路の一端側に接続される第1電極と、前記LC回路の他端側に接続される第2電極と、前記LC回路に接続され、前記LC回路の回路特性を調整する調整回路と、を含む。
【0007】
本発明の一態様の入力検出システムは、入力支援装置と、複数の電極を有する検出装置と、前記検出装置の上に設けられたカバー部材と、前記検出装置を挟んで前記カバー部材と対向する強磁性体と、を有し、前記入力支援装置は、前記カバー部材の上に設けられた支持体と、前記支持体に回転可能に設けられた回転体と、を有し、前記入力支援装置の前記支持体には磁石が設けられる。
【0008】
本発明の一態様の入力検出システムは、入力支援装置と、複数の電極を有する検出装置と、前記検出装置の上に設けられたカバー部材と、前記カバー部材の上に設けられた粘着シートと、を有し、前記入力支援装置は、前記粘着シートの上に固定される支持体と、前記支持体に回転可能に設けられた回転体と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II’断面図である。
図3図3は、検出装置を模式的に示す平面図である。
図4図4は、入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図5図5は、入力支援装置の検出方法を説明するための説明図である。
図6図6は、入力支援装置の検出方法を説明するためのタイミング波形図である。
図7図7は、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。
図8図8は、スイッチ素子がオンの場合の、検出駆動信号と検出信号との関係を模式的に示すグラフである。
図9図9は、スイッチ素子がオフの場合の、検出駆動信号と検出信号との関係を模式的に示すグラフである。
図10図10は、第2実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。
図11図11は、第2実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。
図12図12は、第1変形例に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。
図13図13は、第3実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。
図14図14は、第3実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。
図15図15は、第4実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。
図16図16は、第4実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。
図17図17は、第5実施形態に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図18図18は、第2変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図19図19は、第3変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図20図20は、第4変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図21図21は、第5変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。
図22図22は、第6実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。
図23図23は、第7実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。
図24図24は、第7実施形態の第6変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。
図25図25は、第7実施形態の第7変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。
図26図26は、第7実施形態の第8変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す斜視図である。図1に示すように、入力検出システム1は、表示装置2と、検出装置4と、カバー部材111と、入力支援装置3と、を有する。第3方向Dzで、表示装置2、検出装置4、カバー部材111の順に積層される。
【0013】
ここで、カバー部材111の平面(上面111a)の一方向を第1方向Dxとし、第1方向Dxと直交する方向を第2方向Dyとする。これに限定されず、第2方向Dyは第1方向Dxに対して90°以外の角度で交差していてもよい。また、第1方向Dx及び第2方向Dyに直交する第3方向Dzは、カバー部材111の厚み方向である。
【0014】
表示装置2は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)である。ただし、これに限定されず、表示装置2は、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機ELディスプレイ(マイクロLED、ミニLED)であってもよい。或いは、表示装置2は、表示素子として電気泳動素子を用いた電気泳動型表示パネル(EPD:Electrophoretic Display)であってもよい。
【0015】
検出装置4は、表示装置2の上に装着された、いわゆるタッチパネルである。検出装置4は、駆動電極Txと検出電極Rxと(図3参照)を有する相互静電容量方式のタッチパネルである。ただし、これに限定されず、検出装置4は、複数の検出電極がマトリクス状に配列された自己静電容量方式のタッチパネルであってもよい。
【0016】
図1に示すように、検出装置4において、検出領域DAの外側に周辺領域BEが設けられている。検出領域DAは、四角形状に形成されているが、検出領域DAの外形の形状は限定されない。例えば、検出領域DAには、角部が曲線状に設けられた略四角形状であってもよく、切り欠きがあってもよく、あるいは検出領域DAが他の多角形状に形成されてもよいし、検出領域DAが円形状あるいは楕円形状などの他の形状に形成されてもよい。
【0017】
検出領域DAは、複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rx(図3参照)が設けられる領域である。周辺領域BEは、検出装置4の外周よりも内側で、かつ、検出領域DAよりも外側の領域を示す。なお、周辺領域BEは検出領域DAを囲う枠状であってもよく、その場合、周辺領域BEは額縁領域ともいえる。また、検出領域DAは、表示装置2の表示領域と重なって配置される。
【0018】
図1に示すように、入力支援装置3は、カバー部材111の上面111aに配置(装着)して使用される。ユーザは、検出装置4上に配置された入力支援装置3を操作することで、検出装置4への入力操作を行うことができる。入力支援装置3は、例えばロータリーノブであり、カバー部材111の上面111aから見たときの平面視で円環状を有する。検出装置4は、入力支援装置3の平面内での位置や、回転軸AXを中心とした回転操作RTを検出することができる。
【0019】
なお、図1では、入力支援装置3の他の例として、複数の入力支援装置3A、3B、3Cを示している。入力支援装置3Aは、ロータリーノブであり、入力支援装置3とは異なり、貫通孔を有さないつまみ状に形成される。入力支援装置3Bは、スライダであり、つまみを平面内で変位させることで入力操作を行うことができる。入力支援装置3Bは、平面視で、棒状である。入力支援装置3Cは、ボタン又は入力キーであり、入力支援装置3Cをタッチ、又は押し込み操作を行うことで入力操作を行うことができる。入力検出システム1は、複数の入力支援装置3、3A、3B、3Cの全てが装着されている場合に限定されず、複数の入力支援装置3、3A、3B、3Cの少なくとも1つ以上が設けられていればよい。以下の説明では、入力支援装置3について説明する。ただし、入力支援装置3についての説明は、他の入力支援装置3A、3B、3Cにも適用できる。
【0020】
図2は、図1のII-II’断面図である。図2に示すように、表示装置2は、アレイ基板SUB1と、対向基板SUB2と、第1偏光板PL1と、第2偏光板PL2と、を備えている。第3方向Dzにおいて、第1偏光板PL1、アレイ基板SUB1、対向基板SUB2、第2偏光板PL2の順に積層される。
【0021】
なお、本明細書において、カバー部材111の上面111aに垂直な方向において、表示装置2からカバー部材111に向かう方向を「上側」又は単に「上」とする。また、カバー部材111から表示装置2に向かう方向を「下側」又は単に「下」とする。また、「平面視」とは、カバー部材111の上面111aに垂直な方向から見た場合の位置関係をいう。
【0022】
アレイ基板SUB1は、複数の画素を駆動するための駆動回路基板である。対向基板SUB2は、アレイ基板SUB1と対向して設けられる。表示機能層である液晶層は、アレイ基板SUB1と対向基板SUB2との間に設けられる。
【0023】
アレイ基板SUB1の張出部には、表示IC(Integrated Circuit)50及び配線基板114が接続されている。表示IC50は、表示装置2の表示を制御する制御回路等を含む。また、この例に限らず、表示IC50は、配線基板114に実装されていてもよい。表示IC50の配置は、これに限定されず、例えばモジュール外部の制御基板やフレキシブル基板上に備えられていてもよい。配線基板114は、例えばフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)によって構成される。配線基板114は、アレイ基板SUB1の複数の端子と接続される。
【0024】
検出装置4は、接着層113を介して表示装置2の上に貼り合わされる。検出装置4は、基板41と、複数の駆動電極Txと、複数の検出電極Rxと、絶縁膜48とを有する。なお、図2では、検出電極Rxの一部(接続部43S)を図示している。複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rxは、基板41の上に設けられる。複数の駆動電極Txのブリッジ部42Bと複数の検出電極Rxの接続部43Sとは、絶縁膜48によって絶縁される。複数の駆動電極Txと複数の検出電極Rxとの間に相互静電容量Cm(図5参照)が形成される。
【0025】
基板41には、配線基板115が接続される。配線基板115は、例えばフレキシブル配線基板によって構成される。検出IC51は配線基板115に実装される。検出IC51は、検出回路55(図3参照)を含み、検出電極Rxから検出信号Vdetが供給される。検出IC51は、検出信号Vdetに基づいて、指Fgや入力支援装置3等の被検出体を検出することができる。検出IC51の配置は、これに限定されず、例えばモジュール外部の制御基板やフレキシブル基板上に備えられていてもよい。
【0026】
カバー部材111は、接着層112を介して検出装置4の上に貼り合わされる。カバー部材111は、例えば、ガラス基板、或いは樹脂基板が用いられる。
【0027】
図2に示すように、入力支援装置3は、ハウジング30と、第1電極31と、第2電極32と、LC回路35と、を含む。ハウジング30は、例えば、絶縁性の樹脂材料で形成され、内部に空間が設けられた中空の部材である。第1電極31、第2電極32及びLC回路35は、ハウジング30の内部に設けられる。LC回路35は、コンデンサ33とインダクタ34とが並列に接続されたLC共振回路を構成する。第1電極31は、LC回路35の一端側(コンデンサ33とインダクタ34の一端側の接続部)に接続される。第2電極32は、LC回路35の他端側(コンデンサ33とインダクタ34の他端側の接続部)に接続される。表示装置2は、LC回路35のLC共振を利用して、第1電極31及び第2電極32の位置を検出することができる。
【0028】
なお、図2では、図面を見やすくするために、入力支援装置3の調整回路38(図5参照)を省略して示している。入力支援装置3の詳細な接続構成については、後述する。また、以下の説明では、模式的にLC回路35を表すために、ハウジング30は貫通孔を有さない平面視で円形状として説明する。ただし、ハウジング30の形状は適宜変更することができ、図1に示すような回転軸AXと重なる領域に貫通孔が形成された円環状であってもよい。
【0029】
図3は、検出装置を模式的に示す平面図である。なお、図3では、図面を見やすくするために、複数の検出電極Rxの電極部43にハッチングを付けて示している。図3に示すように、複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rxは、基板41の検出領域DAに設けられる。複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rxは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。
【0030】
複数の駆動電極Txは、複数の電極部42と複数のブリッジ部42Bとを有する。1つの駆動電極Txにおいて、複数の電極部42は第2方向Dyに配列される。ブリッジ部42Bは、第2方向Dyに隣り合う複数の電極部42を接続する。これにより、1つの駆動電極Txは、第2方向Dyに延在する。また、複数の駆動電極Txは、第1方向Dxに配列される。複数の駆動電極Txは、それぞれ接続配線44を介して検出IC51に接続される。
【0031】
複数の検出電極Rxは、複数の電極部43と複数の接続部43Sとを有する。1つの検出電極Rxにおいて、複数の電極部43は第1方向Dxに配列される。接続部43Sは、第1方向Dxに隣り合う複数の電極部43を接続する。これにより、1つの検出電極Rxは、第1方向Dxに延在する。また、複数の検出電極Rxは、第2方向Dyに配列される。複数の検出電極Rxは、それぞれ接続配線45を介して検出IC51に接続される。本実施形態では、検出電極Rxの複数の電極部43は、駆動電極Txの複数の電極部42と同層に設けられる。また、ブリッジ部42Bは、絶縁膜48を介して接続部43Sと異なる層に設けられ、平面視で、接続部43Sと交差して設けられる。
【0032】
検出IC51は、検出回路55及び駆動信号供給回路56を含む。駆動信号供給回路56は、複数の駆動電極Txのそれぞれに検出駆動信号VDを供給する。複数の検出電極Rxは、検出駆動信号VDが供給された場合の、相互静電容量Cmの変化に基づいて検出信号Vdetを出力する。検出回路55は、複数の駆動電極Txと複数の検出電極Rxとの間の相互静電容量Cmの変化に応じて出力される検出信号Vdetに基づいて、被検出体を検出することができる。
【0033】
具体的には、指Fgの位置を検出するタッチ検出では、検出IC51(駆動信号供給回路56)は、駆動電極Txに検出駆動信号VDを供給し、相互静電容量の変化に基づいた検出信号Vdetが検出IC51に出力される。これにより、検出IC51は、指Fgの接触又は近接を検出する。
【0034】
また、入力支援装置3を検出する入力支援装置検出では、検出IC51(駆動信号供給回路56)は、駆動電極Txに検出駆動信号VDを供給し、検出IC51は、相互静電容量の変化と、入力支援装置3が有するLC回路35の共振を利用して、入力支援装置3の位置等を検出する。
【0035】
なお、図3では、図面を見やすくするために、一部の駆動電極Tx及び検出電極Rxを示しているが、駆動電極Tx及び検出電極Rxは、検出領域DAの全体に配置される。また、複数の駆動電極Txの電極部42及び複数の検出電極Rxの電極部43は、それぞれ、四角形状(ひし形)である。ただし、これに限定されず、電極部42、43は、多角形状、円形状等、他の形状であってもよい。また、複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rxは、複数の電極部42、43を有する構成に限定されず、例えば矩形状等、所定の方向に延在する電極パターンで形成されていてもよい。
【0036】
次に、図4から図9を参照して、入力支援装置3の検出方法について説明する。図4は、入力支援装置を模式的に示す平面図である。図4は、入力支援装置3を上面111a(図1参照)と平行な平面で切断した断面図を模式的に示す。図4に示すように、入力支援装置3(ハウジング30)は、平面視で円形状である。また、平面視で、第1電極31と第2電極32とは、回転軸AXを挟んで反対側に配置される。
【0037】
第1電極31及び第2電極32は、平面視で異なる形状、面積を有する。第1電極31は、ハウジング30の内周に沿って円弧状に湾曲する湾曲形状を有する。第2電極32は、平面視で円形状である。第2電極32は、第1電極31の円弧状に沿った一端側と他端側との間に配置される。また、第1電極31は、第2電極32よりも大きい面積を有する。また、第1電極31及び第2電極32は、重なって配置される駆動電極Txの数が異なる。図4に示す例では、第1電極31は4個の駆動電極Txと重なって配置され、第2電極32は2個の駆動電極Txと重なって配置される。
【0038】
ただし、これに限定されず、第1電極31及び第2電極32は、四角形状、多角形状等、他の形状でもよい。また、第1電極31と第2電極32とは、同じ形状、面積であってもよい。
【0039】
図5は、入力支援装置の検出方法を説明するための説明図である。図6は、入力支援装置の検出方法を説明するためのタイミング波形図である。図5に示すように、入力支援装置3は、上述した、ハウジング30、第1電極31、第2電極32、LC回路35に加え、調整回路38を有する。調整回路38は、LC回路35に接続され、LC回路35の回路特性(例えば、共振周波数frや出力信号Voの振幅)を調整する回路である。
【0040】
調整回路38は、LC回路35の一端側の接続部N1と、第1電極31との間に設けられる。言い換えると、調整回路38の一端側の接続部N3は、第1電極31に接続される。調整回路38の他端側は、LC回路35の一端側の接続部N1に接続される。また、LC回路35の他端側の接続部N2は、第2電極32に接続される。なお、これに限定されず、調整回路38は、LC回路35の他端側の接続部N2と、第2電極32との間に設けられていてもよい。
【0041】
調整回路38は、LC回路35に接続された抵抗素子37と、抵抗素子37と並列に接続されたスイッチ素子36と、を含む。具体的には、抵抗素子37の一端側と、スイッチ素子36の一端側とが、接続部N3に接続される。また、抵抗素子37の他端側と、スイッチ素子36の他端側とが、接続部N1に接続される。
【0042】
調整回路38は、スイッチ素子36のオン、オフの切り換えにより、LC回路35と抵抗素子37との接続状態を切り換えることができる。例えば、スイッチ素子36がオンの場合には、抵抗素子37の一端側と他端側とがショートされ、LC回路35の一端側の接続部N1は、抵抗素子37を介さずに第1電極31に接続される。スイッチ素子36がオフの場合には、LC回路35の一端側の接続部N1は、抵抗素子37を介して第1電極31に接続される。
【0043】
スイッチ素子36は、どのような構成であってもよいが、例えば、押し込みスイッチやスライドスイッチを採用することができる。押し込みスイッチは、ハウジング30の表面に設けられた押し込みスイッチ(ボタン)を押し込むことで、抵抗素子37の接続状態を切り換えられる。スライドスイッチは、ハウジング30の表面に設けられたつまみ(スライダ)を移動させることで、抵抗素子37の接続状態を切り換えられる。
【0044】
図5では、LC回路35を構成するコンデンサ33及びインダクタ34、及び、調整回路38を構成する抵抗素子37及びスイッチ素子36は等価的に示しているが、例えば、LC回路35及び調整回路38は、基板上に実装されたチップ部品で形成されてもよい。また、LC回路35及び調整回路38は、第1電極31と第2電極32との間で、電気的に直列に接続されていればよく、ハウジング30内でどのような配置であってもよい。LC回路35及び調整回路38は、1つの回路(チップ部品)として形成されていてもよいし、複数の回路(チップ部品)として個別に形成されていてもよい。
【0045】
図5に示すように、入力支援装置3の第1電極31及び第2電極32は、それぞれ、検出装置4の駆動電極Tx及び検出電極Rxと対向して配置される。
【0046】
第1電極31と、一方の駆動電極Txとの間に容量C1が形成される。一方の駆動電極Txは、基準電位(例えば、基準電位Vdc)に接続される。第2電極32と、他方の駆動電極Txとの間に容量C2が形成される。他方の駆動電極Txは、スイッチ素子54Bを介して電源電位Vdd又は基準電位(例えば、基準電位Vdc)に接続される。
【0047】
また、第2電極32と、検出電極Rxとの間に容量C3が形成される。検出電極Rxは、スイッチ素子54Aを介して検出回路55又は基準電位(例えば、グランド電位GND)に接続される。さらに、駆動電極Txと検出電極Rxとの間に相互静電容量Cmが形成される。また、第1電極31と、検出電極Rxとの間に容量C4が形成される。
【0048】
検出回路55は、検出IC51内に設けられた信号処理回路であり、検出電極Rxから出力された検出信号Vdet(図6参照)を受け取って、所定の信号処理を行って出力信号Voを出力する回路である。検出回路55は、検出信号増幅部61、容量素子62及びリセットスイッチ63を有する。これに限定されず、検出回路55は、さらに、検出信号増幅部61から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路(図示しない)等を有していてもよい。
【0049】
図5及び図6に示すように、スイッチ素子54Bの動作により、他方の駆動電極Txには、交流矩形波である検出駆動信号VDが供給される。検出駆動信号VDは高レベル電位の電源電位Vddと、低レベル電位の基準電位Vdcとが、所定の周波数で交互に繰り返し印加される。他方の駆動電極Txの電位V3は、検出駆動信号VDに応じて変化する。ここで、検出駆動信号VDに同期して繰り返される期間を、第1期間P1及び第2期間P2とする。第1期間P1は、他方の駆動電極Txが電源電位Vddに接続される期間である。第2期間P2は、他方の駆動電極Txが基準電位Vdcに接続される期間である。電源電位Vddは例えば基準電位Vdcよりも高い電位とされる。
【0050】
検出電極Rxは、相互静電容量Cmに基づいて検出信号Vdetを出力する。具体的には、上述したように、一方の駆動電極Txは、基準電位(例えば、基準電位Vdc)に接続される。これにより、第1期間P1では、第1電極31及び第2電極32に、異なる電位の信号が供給される。また、第1期間P1では、スイッチ素子54Aの切り替え動作により検出電極Rxは検出回路55と接続される。これにより、相互静電容量Cmに基づいた電位V2の変化が検出信号Vdetとして、検出電極Rxから検出回路55に出力される。
【0051】
検出回路55の検出信号増幅部61は、検出電極Rxから供給された検出信号Vdetを増幅する。検出信号増幅部61の非反転入力部には、固定された電位を有する基準電圧が入力され、反転入力端子には、検出電極Rxが接続される。本実施形態では、基準電圧として一方の駆動電極Txと同じ信号が入力される。また、検出回路55は、リセットスイッチ63をオンにすることで、容量素子62の電荷をリセットすることができる。
【0052】
さらに、検出駆動信号VDはLC回路35の共振周波数frと同じ周波数を有する。このため、他方の駆動電極Txと重なる第2電極32も共振周波数frで駆動され、LC回路35の共振が発生する。これにより、第1期間P1及び第2期間P2が繰り返されるにしたがって、検出信号Vdetの振幅が大きくなる。図6に示すように、第1期間P1が複数回、繰り返されるにしたがって、検出信号Vdetの振幅が大きくなり、検出回路55からの出力信号Voの電位は、大きくなるように変化する。
【0053】
一方、入力支援装置3とは異なる指Fg等の被検出体が、上面111a(図1参照)に接触又は近接した場合には、相互静電容量Cmの変化に応じて、検出信号Vdetが変化する。つまり、指Fg等の場合には、共振が生じないため、図6に示すような検出信号Vdetの振幅の経時的な変化が生じない。このように、入力検出システム1は、LC回路35のLC共振を利用して、被検出体が、指Fgであるか、入力支援装置3であるかを判定することができる。
【0054】
図7は、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。図8は、スイッチ素子がオンの場合の、検出駆動信号と検出信号との関係を模式的に示すグラフである。図9は、スイッチ素子がオフの場合の、検出駆動信号と検出信号との関係を模式的に示すグラフである。
【0055】
図7では、横軸が検出駆動信号VDの周波数であり、縦軸が出力信号Voの信号強度である。図8及び図9は、横軸が時間であり、縦軸が電圧である。
【0056】
図7に示すように、調整回路38のスイッチ素子36がオンの場合(すなわち、LC回路35の一端側の接続部N1が抵抗素子37を介さずに第1電極31に接続された場合)と、スイッチ素子36がオフの場合(すなわち、LC回路35の一端側の接続部N1が抵抗素子37を介して第1電極31に接続された場合)とで、出力信号Voの信号強度(振幅)の大きさが異なる。スイッチ素子36がオンの場合の、出力信号Voの信号強度(振幅)は、スイッチ素子36がオフの場合の、出力信号Voの信号強度(振幅)よりも大きい。また、スイッチ素子36がオンの場合と、オフの場合とで、共振周波数frは変化しない。
【0057】
図8及び図9に示すように、時刻t1で検出駆動信号VDの供給が開始され、時刻t2で検出駆動信号VDの供給が終了する。スイッチ素子36がオンの場合(図8参照)及びスイッチ素子36がオフの場合(図9参照)のいずれにおいても、第2電極32から出力される検出信号Vdetは、検出駆動信号VDに同期した周波数を有する。スイッチ素子36がオンの場合(図8参照)の、検出信号Vdetの振幅の変化は、スイッチ素子36がオフの場合(図9参照)の、検出信号Vdetの振幅の変化よりも大きい。
【0058】
また、図8及び図9に示すように、時刻t2以降、検出駆動信号VDが供給されない期間においても、LC回路35の共振により、第2電極32から検出信号Vdetが出力され、検出信号Vdetの振幅は、時間の経過にしたがって徐々に小さくなる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の入力支援装置3は、複数の電極(複数の駆動電極Tx及び複数の検出電極Rx)を有する検出装置4の上に配置される入力支援装置3であって、LC回路35と、LC回路35の一端側に接続される第1電極31と、LC回路35の他端側に接続される第2電極32と、LC回路35と第1電極31との間及びLC回路35と第2電極32との間の少なくとも一方に設けられ、LC回路35の回路特性を調整する調整回路38と、を含む。
【0060】
これによれば、入力支援装置3は、調整回路38により、LC回路35の回路特性(共振周波数frや出力信号Voの信号強度)を調整することができる。本実施形態では、調整回路38は、スイッチ素子36のオンオフを切り換えることにより、LC回路35と抵抗素子37との接続状態を異ならせることができる。これにより、図7から図9に示すように、入力支援装置3は、調整回路38の動作により、LC回路35の共振周波数frを一定として、出力信号Voの信号強度(振幅)を変えることができる。
【0061】
入力支援装置3は、例えば、異なる種類の検出装置4に装着された場合に、検出装置4の検出感度に応じて、出力信号Voの信号強度(振幅)を調整することができる。あるいは、検出装置4の検出感度が経時的に変化した場合であっても、入力支援装置3は、検出装置4の検出感度の変化を補完するように出力信号Voの信号強度(振幅)を調整することができる。
【0062】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0063】
図10に示すように、第2実施形態に係る入力支援装置3aは、第1LC回路35aと、第2LC回路35bと、第1調整回路38aと、第2調整回路38bと、を含む。第1LC回路35aは、並列に接続されたコンデンサ33aとインダクタ34aとを有する。第2LC回路35bは、並列に接続されたコンデンサ33bとインダクタ34bとを有する。
【0064】
第1LC回路35aと第2LC回路35bは、第1電極31と、第2電極32との間で、並列に配置される。すなわち、第1LC回路35aの一端側の接続部N1a及び第2LC回路35bの一端側の接続部N1bは、第1調整回路38aを介して第1電極31と接続可能に設けられる。また、第1LC回路35aの他端側の接続部N2a及び第2LC回路35bの他端側の接続部N2bは、第2調整回路38bを介して第2電極32と接続可能に設けられる。
【0065】
第1調整回路38aは、第1スイッチ素子36aと第2スイッチ素子36bとを含むスイッチ回路である。第1スイッチ素子36aの一端側は、第1電極31側の接続部N3に接続され、第1スイッチ素子36aの他端側は、第1LC回路35aの一端側の接続部N1aに接続される。これにより、第1スイッチ素子36aは、第1LC回路35aの一端側の接続部N1aと第1電極31との接続状態を切り換える。
【0066】
同様に、第2スイッチ素子36bの一端側は、第1電極31側の接続部N3に接続され、第2スイッチ素子36bの他端側は、第2LC回路35bの一端側の接続部N1bに接続される。第2スイッチ素子36bは、第2LC回路35bの一端側の接続部N1bと第1電極31との接続状態を切り換える。
【0067】
第2調整回路38bは、第3スイッチ素子36cと第4スイッチ素子36dとを含むスイッチ回路である。第3スイッチ素子36cの一端側は、第1LC回路35aの他端側の接続部N2aに接続され、第3スイッチ素子36cの他端側は、第2電極32側の接続部N4に接続される。これにより、第3スイッチ素子36cは、第1LC回路35aの他端側の接続部N2aと第2電極32との接続状態を切り換える。
【0068】
同様に、第4スイッチ素子36dの一端側は、第2LC回路35bの他端側の接続部N2bに接続され、第4スイッチ素子36dの他端側は、第2電極32側の接続部N4に接続される。第4スイッチ素子36dは、第2LC回路35bの他端側の接続部N2bと第2電極32との接続状態を切り換える。
【0069】
第1調整回路38a及び第2調整回路38bは、第1電極31と第2電極32との間の、第1LC回路35a及び第2LC回路35bの接続状態を切り換えることができる。具体的には、第1スイッチ素子36aがオン、かつ、第3スイッチ素子36cがオンの場合に、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続される。第1スイッチ素子36aがオフ、かつ、第3スイッチ素子36cがオフの場合に、第1LC回路35aは非接続とされる。
【0070】
同様に、第2スイッチ素子36bがオン、かつ、第4スイッチ素子36dがオンの場合に、第1電極31と第2電極32との間に第2LC回路35bが接続される。第2スイッチ素子36bがオフ、かつ、第4スイッチ素子36dがオフの場合に、第2LC回路35bは非接続とされる。
【0071】
第1調整回路38a及び第2調整回路38bは、同期して動作する。例えば、第1スイッチ素子36aがオンの場合に、第3スイッチ素子36cがオンとなり、第1スイッチ素子36aがオフの場合に、第3スイッチ素子36cがオフとなる。また、第2スイッチ素子36bがオンの場合に、第4スイッチ素子36dがオンとなり、第2スイッチ素子36bがオフの場合に、第4スイッチ素子36dがオフとなる。
【0072】
このように、入力支援装置3aは、第1調整回路38a及び第2調整回路38bの動作により、第1電極31と第2電極32との間に接続される、第1LC回路35aと第2LC回路35bとを切り換えることができる。
【0073】
図11は、第2実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。図11では、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続され、第2LC回路35bが非接続とされた場合と、第1電極31と第2電極32との間に第2LC回路35bが接続され、第1LC回路35aが非接続とされた場合と、をそれぞれ示している。図11では、第1LC回路35aのコンデンサ33aの容量値を10pFとし、インダクタ34aのインダクタンス値(以下L値と表す)を60mHとする。また、第2LC回路35bのコンデンサ33bの容量値を22pFとし、インダクタ34bのL値を30mHとする。
【0074】
図11に示すように、第1調整回路38a及び第2調整回路38bの動作により、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続された場合に、第2LC回路35bが接続された場合よりも、出力信号Voの信号強度(振幅)が大きくなる。また、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続された場合と、第2LC回路35bが接続された場合とで、共振周波数frの変化は小さい。
【0075】
このように、入力支援装置3aは、共振周波数frを一定として、出力信号Voの信号強度(振幅)を変えることができる。なお、図11では、第1電極31と第2電極32との間に、第1LC回路35a及び第2LC回路35bの一方が接続される例を示したが、第1調整回路38a及び第2調整回路38bの動作により、第1LC回路35a及び第2LC回路35bの両方を接続してもよい。また、入力支援装置3aは、第1LC回路35a及び第2LC回路35bに限定されず、3つ以上のLC回路35を有していてもよい。
【0076】
(第1変形例)
図12は、第1変形例に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。第1変形例では、入力支援装置3aの構成は、図10に示す等価回路図と同様である。図11に示した、第1LC回路35a及び第2LC回路35bの容量値及びL値は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。
【0077】
例えば、図12では、第1LC回路35aのコンデンサ33aの容量値を10pFとし、インダクタ34aのインダクタンス値(以下L値と表す)を60mHとする。また、第2LC回路35bのコンデンサ33bの容量値を8pFとし、インダクタ34bのL値を50mHとする。
【0078】
図12に示すように、第1調整回路38a及び第2調整回路38bの動作により、第1LC回路35a及び第2LC回路35bの接続状態ごとに、共振周波数fr1と共振周波数fr2とを、異ならせることができる。共振周波数fr1は、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続され、第2LC回路35bが非接続とされた場合の共振周波数である。共振周波数fr2は、第1電極31と第2電極32との間に第2LC回路35bが接続され、第1LC回路35aが非接続とされた場合の共振周波数である。共振周波数fr2は共振周波数fr1よりも高い周波数である。
【0079】
また、第1電極31と第2電極32との間に第1LC回路35aが接続された場合と、第2LC回路35bが接続された場合とで、出力信号Voの信号強度(振幅)の変化は小さい。このように、第1変形例の入力支援装置3aは、第2実施形態に比べて第1LC回路35a及び第2LC回路35bの容量値及びL値を変えることで、出力信号Voの信号強度(振幅)を一定として、共振周波数frを変えることができる。
【0080】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。図13に示すように、第3実施形態に係る入力支援装置3bは、複数の第1電極31(第1電極31a、31b、31c)を有する。調整回路38cは、複数の第1電極31と、LC回路35の一端側の接続部N1との接続状態を切り換える。
【0081】
具体的には、調整回路38cは、複数のスイッチ素子36e、36fを含む。スイッチ素子36eは、第1電極31bとLC回路35の一端側の接続部N1との接続状態を切り換える。スイッチ素子36fは、第1電極31cとLC回路35の一端側の接続部N1との接続状態を切り換える。なお、第1電極31aは、スイッチ素子36e、36fを介さずにLC回路35の一端側の接続部N1に接続される。
【0082】
例えば、調整回路38cは、スイッチ素子36eをオン、スイッチ素子36fをオフとすることで、第1電極31a、31bをLC回路35の一端側の接続部N1に接続させ、第1電極31cを非接続とすることができる。また、調整回路38cは、スイッチ素子36e及びスイッチ素子36fをオンとした場合、第1電極31a、31b、31cをLC回路35の一端側の接続部N1に接続させることができる。
【0083】
このように、入力支援装置3bは、調整回路38cの動作により、LC回路35の一端側の接続部N1に接続される第1電極31の数を変えることができる。すなわち、第1電極31の数(面積)を変えることで、第1電極31と、第1電極31と対向する駆動電極Tx及び検出電極Rxとの間に形成される容量C1、C4(図5参照)を調整することができる。
【0084】
図14は、第3実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。図14では、調整回路38cのスイッチ素子36e、36fの接続状態ごとに、出力信号Voの信号強度と、検出駆動信号VDの周波数との関係を示している。
【0085】
図14に示すように、スイッチ素子36e、36fがいずれもオフの場合、すなわち、LC回路35の一端側の接続部N1に第1電極31aが接続され、第1電極31b、31cが非接続とされた場合に、出力信号Voの信号強度が小さくなる。スイッチ素子36e、36fがいずれもオンの場合、すなわち、LC回路35の一端側の接続部N1に第1電極31a、31b、31cが接続された場合に、出力信号Voの信号強度が最も大きくなる。スイッチ素子36eがオン、スイッチ素子36fがオフの場合、すなわち、LC回路35の一端側の接続部N1に第1電極31a、31bが接続され、第1電極31cが非接続とされた場合に、出力信号Voの信号強度は中間の値をとる。
【0086】
また、共振周波数frは、第1電極31a、31b、31cの接続状態によらず、一定の周波数となる。このように、第3実施形態に係る入力支援装置3bは、調整回路38cの動作により、共振周波数frを一定として、出力信号Voの信号強度(振幅)を変えることができる。なお、調整回路38cは、LC回路35の一端側の接続部N1に設けられる構成に限定されない。調整回路38cは、例えば、複数の第2電極32が設けられた場合(図18参照)に、LC回路35の他端側の接続部N2にも設けられてもよい。また、調整回路38cが有するスイッチ素子36は2個に限定されず、少なくとも1つ以上のスイッチ素子36が設けられていればよい。すなわち、調整回路38cが有するスイッチ素子36は、第1電極31の数に応じて1個又は3個以上であってもよい。
【0087】
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態に係る入力支援装置を示す等価回路図である。図15に示すように、第4実施形態に係る入力支援装置3cにおいて、LC回路35cは、一端側の接続部N1と他端側の接続部N2との間に直列に接続された複数のインダクタ34A、34B、34C、34D、34Eを有する。
【0088】
調整回路38dは、複数のインダクタ34B、34C、34D、34Eのそれぞれに並列に接続された複数のスイッチ素子36g、36h、36i、36jを有する。複数のスイッチ素子36g、36h、36i、36jのいずれかがオンになると、対応するインダクタ34B、34C、34D、34Eがショートされる。例えば、スイッチ素子36gがオンになり、他のスイッチ素子36h、36i、36jがオフの場合、インダクタ34Bの一端側と他端側がショートされ、インダクタ34Aとインダクタ34Cとがインダクタ34Bを介さずに直列に接続される。このように、調整回路38dは、複数のスイッチ素子36g、36h、36i、36jの動作により、第1電極31と第2電極32との間のインダクタンス値を可変とすることができる。なお、インダクタ34Aには、スイッチ素子が設けられていない。
【0089】
図16は、第4実施形態に係る入力支援装置の、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を模式的に示すグラフである。図16では、オンになるスイッチ素子36g、36h、36i、36jごとに、出力信号の信号強度と、検出駆動信号の周波数との関係を示している。また、図16では、インダクタ34A、34B、34C、34D、34Eのインダクタンス値が異なる場合について示している。
【0090】
例えば、インダクタ34Aのインダクタンス値をx(H)とし、インダクタ34Bのインダクタンス値をy(H)とし、インダクタ34Cのインダクタンス値を2×y(H)とし、インダクタ34Dのインダクタンス値を4×y(H)とし、インダクタ34Eのインダクタンス値を8×y(H)とする。つまり、インダクタ34B、34C、34D、34Eの順にインダクタンス値が大きくなる。
【0091】
図16に示すように、調整回路38dは、オンになるスイッチ素子36g、36h、36i、36jを変えることで、LC回路35cの共振周波数frを変えることができる。上述したインダクタンス値の関係では、スイッチ素子36gをオン、スイッチ素子36hをオン、スイッチ素子36iをオン、スイッチ素子36jをオンにするにしたがって、共振周波数frが大きくなる。言い換えると、スイッチ素子36g、36h、36i、36jの順にオンとするスイッチ素子36を切り換えることで、第1電極31と第2電極32との間の合計のインダクタンス値が小さくなる。
【0092】
このように、第4実施形態に係る入力支援装置3cは、調整回路38dの動作により、出力信号Voの信号強度(振幅)を一定として、LC回路35cの共振周波数frを変えることができる。また、入力支援装置3cは、インダクタ34A、34B、34C、34D、34Eのインダクタンス値や、複数のスイッチ素子36g、36h、36i、36jのオンオフの組み合わせの数に応じて、共振周波数frを適切に調整することができる。
【0093】
インダクタ34A、34B、34C、34D、34Eのインダクタンス値は、異なっていてもよい。あるいは、インダクタ34A、34B、34C、34D、34Eのインダクタンス値は同じであってもよい。また、スイッチ素子36g、36h、36i、36jのうち、オンとするスイッチ素子36の数も0個から4個まで任意に変更することができる。なお、直列に接続されたインダクタ34A、34B、34C、34D、34Eの数は、5個に限定されず、4個以下でもよく、6個以上でもよい。また、スイッチ素子36g、36h、36i、36jの数も4個に限定されず、3個以下でもよく、5個以上でもよい。
【0094】
なお、上述した第1実施形態から第4実施形態及び第1変形例では、説明を容易にするために、共振周波数fr及び出力信号Voの信号強度(振幅)の一方を一定として、共振周波数fr及び出力信号Voの信号強度(振幅)の他方を可変とする場合を示した。ただし、これに限定されず、共振周波数fr及び出力信号Voの信号強度(振幅)の両方を可変としてもよい。すなわち、第1実施形態から第4実施形態及び第1変形例の構成は、適宜組み合わせることができる。例えば、第1実施形態から第3実施形態及び第1変形例の構成において、第4実施形態に示すように、複数のインダクタ34及び複数のスイッチ素子36が設けられていてもよい。
【0095】
(第5実施形態)
図17は、第5実施形態に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。第5実施形態では、入力支援装置3dの第1電極31及び第2電極32の構成例について説明する。図17に示すように、第5実施形態の入力支援装置3dは、第1実施形態(図4参照)に示した入力支援装置3に比べて、第1電極31の円弧に沿った長さが短い。第1電極31は、半円の円弧に沿って湾曲する湾曲形状を有する。また、第2電極32は、第1電極31の円弧に沿った一端と他端とを結ぶ仮想線よりも外側に位置する。
【0096】
本実施形態においても、第1電極31が重なる駆動電極Txの数は、第2電極32が重なる駆動電極Txの数よりも大きい。したがって、第1電極31と第2電極32とが、共通の駆動電極Txに重なって配置された場合でも、第1電極31のすくなくとも一部は、第2電極32と異なる駆動電極Txに重なって配置される。したがって、第1電極31及び第2電極32に異なる電位の信号が供給され、LC回路35の共振を発生させることができる。
【0097】
(第2変形例)
図18は、第2変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。図18に示すように、第2変形例の入力支援装置3eは、複数の第2電極32a、32bを有する。すなわち、第1電極31の数は、第2電極32の数と異なる。第2電極32aは、回転軸AXと重ならない位置に設けられ、第2電極32bは、回転軸AXと重なる位置に設けられる。言い換えると、第2電極32bは、第2電極32aと第1電極31との間に配置される。入力支援装置3eは、2の第2電極32a、32bのそれぞれの位置を検出することで、入力支援装置3eの位置の検出に加え、回転操作RTを検出することができる。
【0098】
(第3変形例)
図19は、第3変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。図19に示すように、第3変形例の入力支援装置3fでは、第1電極31が半円形状に形成されている。第3変形例の入力支援装置3fでは、上述した各実施形態及び各変形例に比べて、第1電極31の面積が大きい。したがって、第1電極31の少なくとも一部は、第2電極32と異なる駆動電極Txに重なって配置され、LC回路35の共振を発生させることができる。
【0099】
(第4変形例)
図20は、第4変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。図20に示すように、第4変形例の入力支援装置3gは、複数の第1電極31a、31b、31cを有する。複数の第1電極31a、31b、31c及び第2電極32は、いずれも円形状であり、同じ形状、面積を有する。ただし、これに限定されず、複数の第1電極31a、31b、31c及び第2電極32は、異なる形状、面積を有していてもよい。第4変形例の入力支援装置3gの構成は、上述した第3実施形態(図13)に適用することができる。
【0100】
(第5変形例)
図21は、第5変形例に係る入力支援装置を模式的に示す平面図である。図21に示すように、第5変形例の入力支援装置3hでは、第1電極31は、円形状であり、かつ、第2電極32の直径よりも大きい直径で形成される。このような構成であっても、上述した例と同様に、第1電極31の少なくとも一部は、第2電極32と異なる駆動電極Txに重なって配置され、LC回路35の共振を発生させることができる。
【0101】
(第6実施形態)
図22は、第6実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。図22に示すように、第6実施形態に係る入力検出システム1Aでは、表示装置2Aは、表示装置2と検出装置4とが一体化されたものである。すなわち、駆動電極Txは、アレイ基板SUB1上に設けられ、表示IC50に電気的に接続される。また、検出電極Rxは、対向基板SUB2上に設けられ、検出IC51に電気的に接続される。
【0102】
表示装置2Aは、駆動電極Txと検出電極Rxとの間の相互静電容量Cmの変化に基づいて指Fg等の被検出体を検出することができる。また、表示装置2Aは、相互静電容量Cmの変化と、入力支援装置3が有するLC回路35の共振を利用して、入力支援装置3の位置等を検出する。
【0103】
図22では、入力支援装置3の構成を省略して示しているが、上述した各実施形態及び各変形例に示した入力支援装置3、3aから3hを適用することができる。
【0104】
(第7実施形態)
図23は、第7実施形態に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。第7実施形態に係る入力検出システム1Bでは、入力支援装置3iの取り付け構造について説明する。
【0105】
図23に示すように、入力支援装置3iのハウジング30は、回転体30Aと、支持体30Bと、を有する。支持体30Bは、第1電極31及び第2電極32を囲む環状の部材であり、カバー部材111の上に設けられる。具体的には、カバー部材111の上に保護フィルム23が設けられ、支持体30Bは、接着層22を介して保護フィルム23に固定される。支持体30Bには、磁石21が設けられている。表示装置2Aの下側に強磁性体68が配置されており、磁石21と、強磁性体68との間に引力が発生する。これにより、支持体30Bのカバー部材111上での位置が固定される。
【0106】
回転体30Aは、支持体30Bに回転可能に支持される。第1電極31及び第2電極32は、回転体30Aの下面に取り付けられ、回転体30Aとともに回転する。保護フィルム23は、回転体30A及び支持体30Bと、カバー部材111との間に設けられる。保護フィルム23により、第1電極31及び第2電極32が回転した際に、カバー部材111への接触を抑制することができる。以上のような構成により、入力支援装置3iは、磁石21に発生する引力を利用して表示装置2A上に取り付けられる。
【0107】
表示装置2Aは、第6実施形態と同様に、表示装置2と検出装置4とが一体化されたものである。強磁性体68は、表示装置2Aの下側、すなわち表示を妨げない位置に設けられる。言い換えると、表示装置2A、バックライト70及びカバー部材111は、強磁性体68と、入力支援装置3iの支持体30Bに設けられた磁石21との間に配置される。
【0108】
より詳細には、表示装置2Aの下側には、バックライト70が設けられる。バックライト70は、フレーム71と、導光板72と、光源73と、拡散シート74と、レンズシート75と、遮光層76と、を有する。
【0109】
フレーム71は、導光板72、光源73、拡散シート74及びレンズシート75を内部に収納する部材である。フレーム71の上に、導光板72、拡散シート74及びレンズシート75の順に積層される。光源73は、例えばLED等の発光素子を含み、導光板72の側方に配置される。また、遮光層76は、光源73及びレンズシート75の一部を覆って設けられる。
【0110】
光源73から照射された光は、導光板72の内部で複数回反射を繰り返して進行し、導光板72の上面から表示装置2Aに向けて出射される。拡散シート74は、導光板72から出射された光を拡散させる。レンズシート75は、拡散シート74からの光の指向性を高める。拡散シート74及びレンズシート75等の光学機能層は、必要に応じて設けられるものであり、3層以上設けられていてもよく、省略してもよい。
【0111】
強磁性体68は、フレーム71の下面61aに設けられる。すなわち、強磁性体68は、表示装置2A及びバックライト70を挟んでカバー部材111と対向する。強磁性体68は、例えば鉄系の金属材料で形成された板状の部材である。図23に示す例では、強磁性体68は、表示装置2A全体と重畳して設けられる。これにより、入力支援装置3iを表示装置2A上の任意に位置に固定することができる。ただし、これに限定されず、強磁性体68の大きさや位置は適宜変更することができる。例えば、強磁性体68は、表示装置2Aの一部の領域と重畳して設けられていてもよい。
【0112】
また、強磁性体68は、フレーム71の下面71aに接着剤で固定されていてもよいし、ねじ等の締結部材により固定されていてもよい。強磁性体68は、フレーム71と別体に形成される構成に限定されず、フレーム71の材料を強磁性体で形成してもよい。この場合、フレーム71の少なくとも一部(入力支援装置3iと重畳する領域)を強磁性体で形成することができる。
【0113】
なお、図23に示すバックライト70の構成は、あくまで一例であり、他の構成であってもよい。また、表示装置2Aとして自発光素子を有する有機ELディスプレイパネルあるいは無機ELディスプレイが用いられた場合には、バックライト70は省略できる。
【0114】
(第7実施形態の第6変形例)
図24は、第7実施形態の第6変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。図24に示すように、第7実施形態の第6変形例に係る入力検出システム1Cでは、上述した第7実施形態に比べて、表示装置2の上に検出装置4が設けられた構成が異なる。なお、表示装置2及び検出装置4の構成は、上述した第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本変形例でも第7実施形態と同様に、入力支援装置3iは、磁石21を有しており、強磁性体68は、バックライト70のフレーム71の下面71aに設けられる。
【0115】
(第7実施形態の第7変形例)
図25は、第7実施形態の第7変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。上述した第7実施形態及び第6変形例では、磁石21と強磁性体68との間に発生する引力を利用して入力支援装置3iを取り付ける構造について説明したが、これに限定されない。
【0116】
図25に示すように、第7実施形態の第7変形例に係る入力検出システム1Dでは、カバー部材111の上に粘着シート24が設けられる。入力支援装置3iは、粘着シート24の上に接着される。より詳細には、粘着シート24は、例えば粘着性を有するシリコンシートである。粘着シート24の粘着性は、例えば両面テープ等の接着層22に比べて弱く、カバー部材111の上に取り外し可能に設けられる。入力支援装置3iの支持体30Bは、接着層22により粘着シート24の上に固定される。このように、粘着シート24により入力支援装置3iのカバー部材111上での位置が固定される。
【0117】
保護フィルム23は、支持体30Bに囲まれた領域で、第1電極31及び第2電極32と、粘着シート24との間に設けられる。保護フィルム23により、第1電極31及び第2電極32が粘着シート24に接触することを抑制できる。また、本変形例では、支持体30Bに磁石21が設けられず、フレーム71の下面71aに強磁性体68が設けられない。また、表示装置2Aは、第7実施形態と同様に、表示装置2と検出装置4とが一体化されたものである。
【0118】
(第7実施形態の第8変形例)
図26は、第7実施形態の第8変形例に係る入力検出システムを模式的に示す断面図である。図26に示すように、第7実施形態の第8変形例に係る入力検出システム1Eでは、上述した第7実施形態の第7変形例に比べて、表示装置2の上に検出装置4が設けられた構成が異なる。また、本変形例でも第7実施形態の第7変形例と同様に、入力支援装置3iは、粘着シート24によりカバー部材111の上に固定される。
【0119】
なお、第7実施形態及び第6変形例から第8変形例に示した構成は、上述した第1実施形態から第6実施形態及び各変形例と適宜組み合わせることができる。
【0120】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0121】
1、1A、1B、1C、1D、1E 入力検出システム
2、2A 表示装置
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3A、3B、3C 入力支援装置
4 検出装置
21 磁石
22 接着層
24 粘着シート
30 ハウジング
30A 回転体
30B 支持体
31、31a、31b、31c 第1電極
32、32a、32b 第2電極
33、33a、33b コンデンサ
34、34a、34b、34A、34B、34C、34D、34E インダクタ
35、35c LC回路
35a 第1LC回路
35b 第2LC回路
36、36e、36f、36g、36h、36i、36j スイッチ素子
36a 第1スイッチ素子
36b 第2スイッチ素子
36c 第3スイッチ素子
36d 第4スイッチ素子
37 抵抗素子
38、38c、38d 調整回路
38a 第1調整回路
38b 第2調整回路
50 表示IC
51 検出IC
55 検出回路
56 駆動信号供給回路
68 強磁性体
70 バックライト
111 カバー部材
fr、fr1、fr2 共振周波数
Rx 検出電極
Tx 駆動電極
Vo 出力信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26