(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007392
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20220105BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
E04B9/00 Q
E04B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110328
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】村上 利造
(72)【発明者】
【氏名】日下 篤
(72)【発明者】
【氏名】松本 忍
(57)【要約】
【課題】種々の要望に応えることができるブース群を取り揃えておこうとすると開発や製造に要する工数等が多くなるという課題、及び、使用環境が変化した場合に使用者に大きな負担を与えることになるという課題を解消する。
【解決手段】内部空間ISの下面側を塞ぐ底盤1と、前記内部空間ISの周囲を囲む周壁2と、前記内部空間ISの上面側に配された天井5とを具備してなり、前記天井5は、相互に互換性のある、常時開いた開放タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井と、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井5の中から選択採用されたものである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間の下面側を塞ぐ底盤と、前記内部空間の周囲を囲む周壁と、前記内部空間の上面側に配された天井とを具備してなり、前記天井は、複数の機能が異なるタイプの天井の中から選択採用されたものであるブース。
【請求項2】
内部空間の下面側を塞ぐ底盤と、前記内部空間の周囲を囲む周壁と、前記内部空間の上面側に配された天井とを具備してなり、前記天井は、相互に互換性のある、常時開いた開放タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井と、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井の中から選択採用されたものであるブース。
【請求項3】
前記閉塞タイプの天井が、前記内部空間に散水するための専用のスプリンクラーを備えたものである請求項2記載のブース。
【請求項4】
前記開閉可能タイプの天井が、開口部を有する天井本体と、この開口部に開閉可能に設けられた開閉体とを備えたものである請求項2記載のブース。
【請求項5】
前記各タイプの天井が、それぞれ周壁の上端に帽着される天井本体と、この天井本体から下方に垂下させた取付脚とを備えたものであり、
全タイプの天井における取付脚の形態および相対位置が、実質的に同一に設定されている請求項1、2、3又は4記載のブース。
【請求項6】
周壁たる側壁が外側板を具備し、その外側板が補強材に剛結され補強されており、その補強材に取付脚を取り付けることにより天井が側壁に固定される請求項5記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋内に配置して使用されるブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや駅中空間、或いは展示会場等に設置され、内部で短時間の執務等を行うことができるブースが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかるブースは、既存の建築天井の下に配置され、前記建築天井に設置されているスプリンクラーや照明の機能を利用することができるように、天井が開放されている。そのため、音の侵入や漏洩を効果的に防止しつつブースを利用するのが難しい。
【0004】
かかる不具合は、天井を常時塞いだ構造を採用することによって解消することはできる。しかしながらかかる構造を採用すると、ブースの天井に専用のスプリンクラーを設けたり格別な照明器具を配置したりすること余儀なくされることがあり、また、内部空間における空気の循環や換気を行うために換気扇等を設けることが要求されることもある。
【0005】
このような課題を同時に解消する方策として、例えば、天井を開閉可能なものにすることが考えられる。しかるに天井を開閉可能なものにするには、他のタイプのものに比べて構造の複雑化を招くことが予想され、使い方によっては過剰品質との指摘を受けるおそれもある。
【0006】
以上の通り、ブースには種々のタイプのものが考えられるが、各タイプのものはそれぞれ別々に設計され製造されるのが従来からの考え方である。そのため、各タイプに共通の部品が少なく設計や製造に要する工数が多くなりがちとなる。また、一旦購入したブースが使用環境の変化等により他のタイプのものに変更せざるを得ない状況が生じた場合には、新たな別タイプのブースとそっくり交換しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような課題に着目してなされたもので、種々の要望に応えることができるブース群を取り揃えておこうとすると開発や製造に要する工数等が多くなるという課題、及び、使用環境が変化した場合に使用者に大きな負担を与えることになるという課題を解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明に係るブースは、内部空間の下面側を塞ぐ底盤と、前記内部空間の周囲を囲む周壁と、前記内部空間の上面側に配された天井とを具備してなり、前記天井は、複数の機能が異なるタイプの天井の中から選択採用されたものである。
【0010】
請求項2記載の発明に係るブースは、内部空間の下面側を塞ぐ底盤と、前記内部空間の周囲を囲む周壁と、前記内部空間の上面側に配された天井とを具備してなり、前記天井は、相互に互換性のある、常時開いた開放タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井と、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井の中から選択採用されたものである。
【0011】
請求項3記載の発明に係るブースは、請求項2記載のものであって、前記閉塞タイプの天井が、前記内部空間に散水するための専用のスプリンクラーを備えたものである。
【0012】
請求項4記載の発明に係るブースは、請求項2記載のものであって、前記開閉可能タイプの天井が、開口部を有する天井本体と、この開口部に開閉可能に設けられた開閉体とを備えたものである。
【0013】
請求項5記載の発明に係るブースは、請求項1、2、3又は4記載のものであって、前記各タイプの天井が、それぞれ周壁の上端に帽着される天井本体と、この天井本体から下方に垂下させた取付脚とを備えたものであり、全タイプの天井における取付脚の形態および相対位置が、実質的に同一に設定されているものである。
【0014】
ここで、本発明において、「取付脚の形態および相対位置が実質的に同一」とは、周壁側に設けられた取付部に格別な付属品を追加することなく、各タイプの天井をそのまま装脱できる仕様を意味している。
【0015】
請求項6記載の発明に係るブースは、請求項5記載のものであって、周壁たる側壁が外側板を具備し、その外側板が補強材に剛結され補強されており、その補強材に取付脚を取り付けることにより天井が側壁に固定されるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、全てのタイプのブースにおいて、内部空間の下面側を塞ぐ底盤と、内部空間の周囲を囲む周壁とを共通化することが可能となるため、各別に開発された複数種類のブースを揃えておく場合に比べて開発や製造をより効率化することができ、また、使用環境が変化した場合でも天井のみを取替えることによってその変化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るブースを示す斜視図。
【
図5】同実施形態に係るブースの底盤を示す分解斜視図。
【
図7】同実施形態に係るブースの側壁を示す分解斜視図。
【
図8】同実施形態に係るブースの天井を示す平面図。
【
図9】同実施形態に係るブースの天井を示す全体斜視図。
【
図10】同実施形態に係るブースの天井を示す分解斜視図。
【
図11】同実施形態に係るロック機構部及びロック解除機構部を示す図。
【
図14】本発明の第二実施形態に係るブースを示す斜視図。
【
図16】同実施形態に係るブースの天井を示す分解斜視図。
【
図17】本発明の第三実施形態に係るブースを示す斜視図。
【
図18】同実施形態に係るブースの天井を示す斜視図。
【
図19】本発明の他の実施形態に係るブースを示す斜視図。
【
図20】本発明の他の実施形態に係るブースを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るブースB、B2、B3は、内部空間ISの下面側を塞ぐ底盤1と、内部空間ISの周囲を囲む周壁(前壁2、側壁3、背壁4)と、内部空間ISの上面側を開放可能に閉塞する天井とを備えたものであり、前記天井は、相互に互換性のある、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井5と、常時閉じた閉塞タイプの天井X5と、常時開いた開放タイプの天井Y5との中から選択採用されたものである。
【0019】
各タイプの天井5、X5、Y5は、それぞれ周壁(前壁2、側壁3、背壁4)の上端に帽着される天井本体51、X51、Y51と、この天井本体51、X51、Y51から下方に垂下させた取付脚50、X50、Y50とを備えたものであり、全タイプの天井5、X5、Y5における取付脚50、X50、Y50の形態および相対位置が、実質的に同一に設定されている。
【0020】
以下、詳述する。
【0021】
<第一実施形態:開閉タイプ5の天井を備えたブースB>(
図1~
図13)
この実施形態のブースBは、
図1に示すように内部空間ISが全方位囲まれた閉塞姿勢(C)と、
図2に示すように内部空間ISが少なくとも上方にむけて開放された開放姿勢(O)とを選択的に採り得る形態を備えており、
図3、
図4に示すようにスプリンクラーE1を備えた建築天井Eの下に設置される。そして、常時は閉塞姿勢(C)に維持されスプリンクラーE1が作動する条件が整った場合に開放姿勢(O)に自動的に切替わるように構成されている。すなわち、このブースBは、スプリンクラーE1の作動条件が満たされた際にその形態を閉止姿勢(C)から開放姿勢(O)に切り替える形態切替手段9を備えている。形態切替手段9は、後述するように、天井5に設けられている。この実施形態では、天井5が、開口部51aを有する天井本体51と、この開口部51aに開閉可能に設けられた開閉体52とを備えたものであり、形態切替手段9は、スプリンクラーE1の作動条件が満たされた際に開閉体52を少なくとも自動的に開成動作させる開閉機構91を備えている。以下、各部の構造を具体的に説明する。なお、建築天井Eは、建築躯体を構成するスラブ等の構造物に限られるものではなく、外部空間OSの天井部分を形成する物体であればどのようなものであってもよい。例えば、建築躯体から懸吊された吊り天井等も含まれる。
【0022】
底盤1は、
図5に示すように、外郭を構成する例えば板金製のベース本体11と、このベース本体11の内面に剛結された補強材(左右に延びる横補強材12、前後に延びる横補強材13、及び縦補強材14)と、補強材12~14により補強されたベース本体11上に載設された床板15と、床板15上に敷設された敷物16とを具備してなる。なお、この実施形態の底盤1は、左底ユニットLと、中間底ユニットMと、右底ユニットNとに分断して運搬が可能であり、設置時に各底ユニットL、M、Nのベース本体11同士及び左右に延びる横補強材12同士をブラケット10等を介して接続することにより一体化される。すなわち、ベース本体11は、左底ユニットLに属するベース本体11(L)と、中間底ユニットMに属するベース本体11(M)と、右底ユニットNに属するベース本体11(N)とに分断されている。また、床板15は、左底ユニットL上に載置される1枚の床板15(L)と、概ね中間底ユニットM上に載置される2枚の床板15(M)と、右底ユニットN上に載置される1枚の床板15(N)とに分断されている。図中17は、底盤1を建築床Fに沿って移動させるためのキャスタ、18は移動後に底盤1の四隅の高さ位置を調整するためのアジャスタ、19は、高さ調整を終えた後に当該底盤1を建築床F上に固定するための固定具である。この固定具19は、この底盤1を図示しないアンカーボルトを介して建築床Fに固定するためのものである。
【0023】
周壁たる前壁2は、内部空間ISの前面を塞ぐもので、
図1~
図3に示すように、前述した左床ユニットLに対応する幅寸法を有した左固定パネル21と、中間床ユニットMに対応する幅寸法を有したドアパネル22と、右床ユニットNに対応する幅寸法を有した右固定パネル23とを備えている。左右の固定パネル21、23は、枠体21a、23aにガラス等の透明板21b、23bをはめ込んだものである。ドアパネル22は、固定枠22aに蝶着されたドア縁枠22bと、このドア縁枠22bに嵌め込まれた透明板22cとを備えている。図中22dは蝶番、22eは取手である。
【0024】
周壁たる側壁3は、
図6及び
図7に示すように、外側板31と、この外側板31の内面に添設された吸音材34と、この吸音材34の内面側に配設された内装用の吸音パネル35とを具備してなる。外側板31は、内部空間ISの側面全域を閉塞可能な面積を有するものである。外側板31は、例えば、板金製のもので、その内面には、前後方向に延びる複数本の補強材32と、上下方向に延びる例えば2本の補強材33とが、井桁状に交差させた状態で溶接等により剛結され補強されている。そして、これら補強材32、33により形成される格子状の空間に前述した吸音材34が配設されている。吸音材34は、吸音パネル35側の面に凹凸を有したもので、スラブウレタン等のクッション材により作られている。内装用の吸音パネル35は、例えば、木製の板状部材36と、この板状部材36の一面に添設したウレタン37と、このウレタン37を包持する非燃性の張地38とを備えてなるもので、吸音性が高く不燃性でありながら、外観も良い。非燃性の張地38とウレタン材37とは、ホットメルトにより接着されている。吸音パネル35は、上の吸音パネル35(U)と下の吸音パネル35(D)とに分割されている。下の吸音パネル35(D)は上の吸音パネル35(U)と比較して上下寸法が小さく設定されているが、構造は上の吸音パネル35(U)と同一である。
【0025】
周壁たる背壁4は、
図1、
図2及び
図4に示すように、左の側壁3の後縁を支持する支柱44と中間支柱42との間に配設された左固定パネル41と、中間支柱42と右の側壁3の後縁を支持する支柱45との間に配設された右固定パネル43とを備えてなる。
【0026】
天井5は、
図1、
図2及び
図8~
図10に示すように、開口部51aを有する天井本体51と、この開口部51aに開閉可能に設けられた開閉体52(外カーテン53と内カーテン54)とを備えた開閉タイプのものであり、この開閉体52を閉じるとブースBが閉塞姿勢(C)となり、開閉体52(外カーテン53と内カーテン54)を開くとブースBが開放姿勢(O)となる。形態切替手段9は、開閉体52をスプリンクラーE1の作動条件が満たされた際に少なくとも自動的に開成動作させる開閉機構91を備えたものである。
【0027】
詳述すれば、天井本体51は、
図1、
図2及び
図8~
図10に示すように、前壁2の上に配される前枠材511と、背壁4の上に配される後枠材512と、これら前枠材511及び後枠材512の端部同士を接続した状態で左右の側壁3上に配され天井本体51の両側縁部を構成する側枠材513と、前枠材511及び後枠材512の左右方向中央同士を接続する中央枠材514とを備えたもので、左右の側枠材513と中央枠材514との間にそれぞれ内部空間ISを外部空間OSに開放する開口部51aが形成されている。
【0028】
また、側枠材513の前後両端近傍部には、この天井5を周壁(側壁3)に固定するための取付脚50を下方に垂下させて設けている。この取付脚50は、側枠材513の内面に添設した縦補強材502と、この縦補強材502の側面に設けられたブラケット501とを利用して形成している。そして、取付脚50のブラケット501を側壁3の上下方向に延びる補強材33の上端部に設けられた取付部33aに図示しないねじなどを用いて固定することにより、天井5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。具体的には、天井5の縦補強材502の下端を側壁3の補強材33の上端部に衝き合わせるとともに、縦補強材502の側面に溶接等により固定されたブラケット501を側壁3の補強材33の側面に図示しないねじを用いて固着することによって天井5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。
【0029】
開閉体52は、
図8~
図10に示すように、これら各開口部51aにそれぞれ配された外カーテン53と内カーテン54とからなるロール巻取式カーテンであり、開閉機構91は、そのカーテン53、54を開成方向に巻き取る巻取芯92と、この巻取芯92から引出したカーテン53、54を閉成位置(h)でロックするロック機構部93と、このロック機構部93によるロック状態を解除してカーテン53、54を巻取芯92に巻き取らせて開口部51aを開放するロック解除機構部94とを備えたものである。
【0030】
具体的には、巻取芯92は、
図10及び
図13に示すように、固定軸921と、この固定軸921周りに回転可能な巻取ロール922とを備えたもので、この巻取ロール922は、その内部に仕込まれた図示しないスプリングの力でカーテン53、54を常時巻き取る方向に回転付勢されている。外カーテン53と内カーテン54とは重ね合わせた状態で巻取ロール922に巻装されており、外カーテン53はそのまま天井本体51の左右方向中央に配された中央枠材514に向かって繰出され、内カーテン54は案内ロッド95により方向を180°変換された状態で中央枠材514に向かって繰出されるようになっている。外カーテン53の繰出端と内カーテン54の繰出端とは、例えば梯子状をなす可動枠材55により接続されており、カーテン53、54の繰出状態の変化に応じて可動枠材55が中央枠材514に対して平行姿勢を保ったまま進退動作し得るように構成されている。すなわち、可動枠材55は、中央枠材514に対向する面板551と、面板551の上端から外側方に延設され外カーテン53の繰出端が固定される上板552と、面板551の下端から外側方に延設され内カーテン54の繰出端が固定される下板553と、面板551の前後両端から外側方に延設された端板554とを備えたものであり、端板554に突設された突部555を天板本体51の前枠材511及び後枠材512の内側にそれぞれ設けられた案内レール56にスライド可能に支持させて進退動作を行うようになっている。
【0031】
ロック機構部93は、可動枠材55を例えば手で操作して外カーテン52及び内カーテン53を繰り出しつつ中央枠材514にまで到達させた段階で、この可動枠材55を中央枠材514に掛止させる機能を備えたものであり、この実施形態では
図11に示すように中央枠体514の前端近傍部及び後端近傍部にそれぞれ設けられている。各ロック機構部93は、可動枠材55の面板551に設けた係合部931と、中央枠材514に設けられ係合部931に係合して可動枠材55を中央枠材514に当接又は近接した位置で掛止させる掛止爪932とを備えている。面板551は複数の窓556を備えており、掛止爪932に対応する窓556の開口縁に係合部931を有する折曲片557を有している。係合部931は、例えば、折曲片557に形成した角孔状のものである。掛止爪932は、先端部分に案内傾斜面932aを有するもので、掛止位置(p)と掛止解除位置(q)との間で回動し得るようにして中央枠材514に軸933を介して支持されており、常時は図示しないスプリングの力により掛止位置(p)に保持されている。なお、この実施形態では、各ロック機構部93は、ブースBの左半部を覆うカーテン53、54を掛止する掛止爪932と、右半部を覆うカーテン53、54を掛止する掛止爪932とが上下に重ね合わせた状態で近接配置されている。これらの掛止爪932は、相互に独立しており、それぞれ個別に非掛止位置(q)まで回動し得るようになっている。
【0032】
ロック解除機構部94は、
図11に示すように、ソレノイド944への通電制御により作動杆943を進退させることができる電磁アクチュエータ941と、この電磁アクチュエータ941の作動杆943の動きを前述した掛止爪932に伝達する駆動ピン942とを備えたものである。この電磁アクチュエータ941は、ソレノイド944に対する非通電時には図示しないスプリングの力により
図12の(a)に示す突出位置(t)に保持されており、通電時にその作動杆943が同図の(b)に示す没入位置(s)に引き込まれるようになっている。作動杆943に固設された駆動ピン942は、掛止爪932に設けられた貫通孔932xに遊嵌させてあり、駆動ピン942の動きにより掛止爪932を作動させるように構成されている。貫通孔932xの形状は、駆動ピン942を支持する作動杆943が突出位置(t)にある場合には両掛止爪932が掛止位置(p)にあり(
図12の(a)参照)、作動杆932が没入位置(s)に引き込まれた場合に両掛止爪932が非掛止位置(q)に付勢される(
図12の(b)参照)形状をなしている。なお、両貫通孔932xは、両掛止爪932が掛止位置(p)に停止している状態からいずれか一方の掛止爪932にのみ非掛止位置(q)方向へ回動させようとする外力が作用した場合に、他方の掛止爪932は掛止位置(p)に停止させたままで一方の掛止爪932のみの非掛止位置(q)への回動を許容し得る形状、具体的には幅広形状に設定されている(
図12の(c)参照)。
【0033】
以上説明したロック解除機構94は、既存の防災設備からの信号を利用して制御されるようにしてある。すなわち、建築天井Eには、
図3、
図4及び
図11に示すように、既存の防災設備の一部としてスプリンクラーE1と、スプリンクラーE1の作動条件が満たされたか否かを検知する検知手段8たる火災検知用センサーE2と、このセンサーE2からの信号を受けてスプリンクラーE1を作動させるべき異常発生信号を出力する防災用コントローラE3とが設置されている。そして、このセンサーE2が煙や温度等の存在を認識して火災が発生した旨の信号を防災用コントローラE3に送ることによって、この防災用コントローラE3からスプリンクラーE1の電動バルブE11に向けて水を散布すべき旨の信号を出力するようになっている。このブースBにおいては、防災用コントローラE3から水を散布すべき旨の信号xが出された際に、その信号xに基いて開閉機構91が作動するように、より具体的にはロック解除機構部94の電源スイッチ940をも切り換え、電磁アクチュエータ941のソレノイド944への通電を行うように構成してある。図中、E4は建築天井Eに設けられた既存の照明器具である。
【0034】
内部空間ISに配されたテーブル6は、
図1、
図2及び
図4に示すように、基端を背壁4の中間支柱42に支持させた天板61と、この天板61の先端近傍部を支持する脚支柱62とを備えたものである。
【0035】
テーブル6の両側に配された椅子7は、
図1、
図2及び
図4に示すように、それぞれ、底盤1の敷物16上に載置された椅子ベース71と、この椅子ベース71上に配され下面が開放された箱状をなす椅子本体72と、この椅子本体72の奥部に立設された背凭れ79とを備えたものである。
【0036】
次いで、この実施形態の作動を説明する。
【0037】
このブースBは、原則として
図1に示すような閉塞姿勢(C)で使用される。閉塞姿勢(C)のブースBでは、閉止体52である内外のカーテン53、54が巻取ロール922から繰り出され、天井5の開口部51aを閉塞した状態となる。この場合、カーテン53、54の繰出端に設けられた可動枠材55がロック機構部93の働きにより中央枠材514に掛止され、内外のカーテン53、54は巻取芯92に巻き取られることなく張力を有した状態で閉成位置(c)に保持される。この状態では、
図12(a)に示すように中央枠材514に軸支された掛止爪932が可動枠材55の係合部931に係合し可動枠材55が中央枠材514から離れるのを阻止している。
【0038】
一方、火災等が発生してその旨をセンサーE2が検知した場合には、センサーE2からの信号xを受けたコントローラE3がスプリンクラーE1の電動バルブE11に対して散水を開始すべき旨の信号yを出し、電動バルブE11が開いて散水が始まる。それと同時にコントローラE3からの信号yがロック解除機構部94の電源スイッチ940にも伝達されることになり、この電源スイッチ940が切替わって電磁アクチュエータ941のソレノイド944に通電が開始される。その結果、
図12(b)に示すように、電磁アクチュエータ941の作動杆943が没入方向に作動し、当該作動杆943に支持された駆動ピン942に付勢されて掛止爪932が掛止位置(p)から非掛止位置(q)に回動して可動枠材55のロック状態が解除される。そのため、内外のカーテン53、54は、巻取芯92の回動付勢力により一気に巻き取られて天井5の開口部51aが開放される。そのため、ブースBは開放姿勢(O)となり、建築天井Eに設けられた既存のスプリンクラーE1からの散水がブースB内にも及ぶことになる。なお、かかる非常事態が収まってブースBを閉塞姿勢(C)に戻す場合には、各閉止体52である内外のカーテン53、54の繰出端に設けられた可動枠材55を例えば手等を用いて中央枠材514方向に移動させることにより、天井5の開口部51aを再び内外のカーテン53、54により塞ぐことができる。この際、各ロック機構部93における上下対をなす係止爪932は、それぞれ独自に非掛止位置まで回動し得るようになっているため、左半部を覆うカーテン53、54と右半部を覆うカーテン53、54とは個別に中央枠材514にロックすることができる。
図12の(c)は、左半部を覆うカーテン53、54を中央枠材514にロックする際の動きを示したものであり、係止爪932は傾斜案内部932aの案内作用により一時的に非掛止位置(q)に退避して可動枠材55の係合部931に係合するようになっている。
【0039】
ここで、
図1は、閉塞姿勢(C)にあるブースBを示す全体斜視図である。
図2は、開放姿勢(O)にあるブースBを示す全体斜視図である。
図3は、閉塞姿勢(C)にあるブースBを示す正面図であり、
図4は、開放姿勢(O)にあるブースBを示す正断面図である。
図5は、底盤1及び椅子ベース71を示す分解斜視図である。
図6は、外側板31、上の吸音パネル35(U)および天井5を取り外した状態の分解斜視図であり、天井5は省略して示している。
図7は、側壁3を示す分解斜視図である。
図8は、閉塞姿勢(C)にある天井5を示す平面図である。
図9は、開放姿勢(O)にある天井5を示す底面側からの斜視図である。
図10は、閉塞姿勢(C)にある天井5を示す分解斜視図である。
図11は、ロック機構部93及びロック解除機構部94を拡大して示す説明図であり、中央枠体514の上面板を省略して示している。
図12は、ロック機構部93及びロック解除機構部94の作動説明図である。
図13は、天井5の外カーテン53及び内カーテン54の作動説明図である。
<第二実施形態:閉塞タイプの天井X5を備えたブースB2>(
図14~
図16)
この第二実施形態は、閉塞タイプの天井X5を備えたブースB2であり、以下のような構成をなしている。なお、このブースB2における天井X5以外の部分は第一実施形態のものと同じであるため、同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
このブースB2の天井X5は、外郭を構成する例えば板金製の天板本体X51と、この天板本体X51の内面に剛結された補強材(左右に延びる横補強材X52、前後に延びる横補強材X53、及び縦補強材X54)と、補強材X52、X53、X54により補強された天板本体X51の下に配設された内装用の天井パネルX56とを具備してなる。なお、この実施形態の天井X5は、左天井ユニットPと、中間天井ユニットQと、右天井ユニットRとに分断して運搬が可能であり、組立時に各天井ユニットP、Q、Rの天井本体X51同士及び左右に延びる横補強材X52同士をブラケットX55等を介して接続することにより一体化される。すなわち、天板本体X51は、左天井ユニットPに属する天板本体X51(P)と、中間天井ユニットQに属する天板本体X51(Q)と、右天井ユニットRに属する天板本体X51(R)とに分割されている。また、天井パネルX56は、左天井ユニットPの下に配される天井パネルX56(P)と、中間天井ユニットQの下に配される天井パネルX56(Q)と、右天井ユニットRの下に配される天井パネルX56(R)とに分割されている。そして、左右の天井ユニットP、Rの天板本体X51(P)、X51(R)には、例えば3台の換気扇X57がそれぞれ設けられているとともに、中間天井ユニットQの天板本体X51(Q)には、スプリンクラーX58が装着されている。スプリンクラーX58は、火災発生が検知された場合に消火用水を内部空間ISに噴射するためのもので、その噴射ノズルX58aが中間の天井パネルX56(Q)に設けられた開口X56aを通して内部空間ISに臨ませてある。中間の天井パネルX56(Q)には、内部空間IS内を照明するためのダウンライトX59等も装備されている。
【0041】
そして、この天井X5における前後両端近傍部には、天井本体X51から垂下して設けられ、当該天井X5を周壁(側壁3)に固定するための取付脚X50を備えている。この取付脚X50は、天井本体X51の両側縁部の内面に添設された縦補強材X54と、この縦補強材X54の側面に設けられたブラケットX501とを利用して形成している。そして、取付脚X50のブラケットX501を側壁3の上下方向に延びる補強材33の上端部に設けられた取付部33aに図示しないねじなどを用いて固定することにより、天井X5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。具体的には、天井X5の縦補強材X54の下端を側壁3の上下方向に延びる補強材33の上端部に衝き合わせるとともに、縦補強材X54の側面に溶接等により固定されたブラケットX501を側壁3の上下方向に延びる補強材33の側面に図示しないねじを用いて固着することによって天井X5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。ここで、ブラケットX501の補強材33の側面に添接する部位の形状は、第一実施形態におけるブラケット501の対応部位の形状と同一である。また、この取付脚X50と天井X5の前後方向中心からの距離は、第一実施形態における取付脚50と天井5の前後方向中心からの距離と同一に設定している。
【0042】
ここで、
図14はこの実施形態のブースB2を示す全体斜視図である。
図15は同平面図である。
図16はこの実施形態における天井X5の下方側からの分解斜視図である。
<第三実施形態:開放タイプの天井Y5を備えたブースB3>(
図17~
図18)
この第三実施形態は、開放タイプの天井Y5を備えたブースB3であり、以下のような構成をなしている。なお、このブースB3における天井Y5以外の部分は第一実施形態のものと同じであるため、同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
このブースの天井Y5は、
図17及び
図18に示すように、天井本体Y51と、この天井本体Y51から垂下して設けられる取付脚Y50とを備えている。
【0044】
天井本体Y51は、前壁2の上に配される前枠材Y511と、背壁4の上に配される後枠材Y512と、これら前枠材Y511及び後枠材Y512の端部同士を接続した状態で左右の側壁3上に配される側枠材Y513と、前枠材Y511及び後枠材Y512の中央部同士を接続する第1の中間枠材Y514と、側枠材Y513と第1の中間枠材Y514との間に配され前枠材Y511及び後枠材Y512を接続する第2の中間枠材Y515とを備えている。なお、この実施形態の天井Y5も、左天井ユニットPと、中間天井ユニットQと、右天井ユニットRとに分断して運搬が可能であり、組立時に各天井ユニットP、Q、Rの天井本体Y51同士を図示しないブラケット等を介して接続することにより一体化される。すなわち、天板本体Y51は、左天井ユニットPに属する天板本体Y51(P)と、中間天井ユニットQに属する天板本体Y51(Q)と、右天井ユニットRに属する天板本体Y51(R)とに分割されている。そして、左右の側枠材Y513と第2の中間枠材Y515との間、及び第1の中間枠材Y514と第2の中間枠材Y515との間に、それぞれ内部空間ISを外部空間OSに常時開放する開口部Y51aが形成されている。
【0045】
取付脚Y50は、側枠材Y513の内面に添設した縦補強材Y54と、この縦補強材Y54の側面に設けられたブラケットY501とを利用して形成している。この取付脚Y50のブラケットY501を側壁3の上下方向に延びる補強材33の上端部に設けられた取付部33aに図示しないねじなどを用いて固定することにより、天井Y5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。具体的には、天井Y5の縦補強材Y54の下端を側壁3の上下方向に延びる補強材33の上端部に衝き合わせるとともに、縦補強材Y54の側面に溶接等により固定されたブラケットY501を側壁3の上下方向に延びる補強材33の側面に図示しないねじを用いて固着することによって天井Y5が周壁(側壁3)に固定されるようになっている。ここで、ブラケットY501の補強材33の側面に添接する部位の形状は、第一実施形態におけるブラケット501の対応部位の形状と同一である。また、この取付脚Y50と天井Y5の前後方向中心からの距離は、第一実施形態における取付脚50と天井5の前後方向中心からの距離と同一に設定している。
【0046】
そして、この天井Y5を側壁3に取り付けた状態では、内部空間ISの上方は常時外部空間OSに連通している。
【0047】
ここで、
図17はこの実施形態のブースB2を示す全体斜視図である。
図18はこの実施形態における天井Y5の下方側からの分解斜視図である。
【0048】
以上に述べたように、第一ないし第三実施形態の天井5、X5、Y5における取付脚50、X50、Y50の形態および相対位置が、実質的に同一に設定されている。より具体的には、これら取付脚50、X50、Y50はいずれもブラケット501、X501、Y501の上端部を除いて同一の形状を有し、天井5、X5、Y5の前後方向中心からの距離も同一に設定されている。従って、これら取付脚50、X50、Y50はいずれも側壁3の取付部33aに同一の態様で取り付けることができ、天井5、X5、Y5のみを交換することにより第一ないし第三実施形態のブースB、B2、B3を実現できるようになっている。
【0049】
このような構成のブースB、B2、B3であれば、オフィスや駅ナカなどのスペースに適宜設置して使用することができ、その内部空間IS内でテーブル6や椅子7を用いて執務や打ち合わせを行うことができる。その際、内部空間ISは底盤1、周壁および天井5に囲まれた空間であるため、建築床Fと建築天井Eとの間に形成されている外部空間OSと隔離された状態となり、執務や打ち合わせに集中することが可能となる。
【0050】
その上で上述した各実施形態の構成によれば、全てのタイプのブースB、B2、B3において、内部空間ISの下面側を塞ぐ底盤1と、内部空間ISの周囲を囲む周壁(前壁2、側壁3、背壁4)とを共通化することが可能となるため、各別に開発された複数種類のブースを揃えておく場合に比べて開発や製造をより効率化することができ、また、使用環境が変化した場合でも天井5、X5、Y5のみを取替えることによってその変化に対応することができる。
【0051】
また、各ブースB、B2、B3の天井5、X5、Y5が、それぞれ周壁(前壁2、側壁3、背壁4)の上端に帽着される天井本体51、X51、Y51と、この天井本体51、X51、Y51から下方に垂下させた取付脚50、X50、Y50とを備え、これら天井5、X5、Y5における取付脚50、X50、Y50の形態および相対位置が実質的に同一に設定されているので、これら取付脚50、X50、Y50を同様の態様で側壁3の取付部33aに取り付けることができ、天井5、X5、Y5の交換を容易に行うことができる。
【0052】
さらに、閉塞タイプの天井X5が、内部空間ISに散水するための専用のスプリンクラーX58を備えたものであるので、建築天井Eに設けられた既存のスプリンクラーE1から遠い箇所においてはこのスプリンクラーX58を有する閉塞タイプの天井X5を採用することにより、火災の発生を効果的に抑制できる。
【0053】
そして、開閉可能タイプの天井5が、開口部51aを有する天井本体51と、この開口部X51aに開閉可能に設けられた開閉体52とを備え、常時は閉塞姿勢(C)に維持されスプリンクラーE1が作動する条件が整った場合に開放姿勢(O)に自動的に切替わるように構成されているので、常時はこの天井5を閉塞することにより音の侵入や漏洩を抑制しつつこのようなブースBを利用することができるようにしつつ、スプリンクラーE1の作動条件が満たされた際には天井5に専用スプリンクラーを設けることなく天井5を開放して建築天井Eに設置されているスプリンクラーE1を利用することができる。
【0054】
加えて、周壁たる側壁3が外側板31を具備し、その外側板31が補強材32、33に剛結され補強されており、その補強材33(の上端部に設けられた取付部33a)に取付脚50、X50、Y50を取り付けることにより天井5、X5、Y5が側壁3に固定されるようになっているので、天井5、X5、Y5を周壁(側壁3)に強固に固定することができる。
【0055】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、閉塞タイプの天井が、内部空間に散水するための専用のスプリンクラーを備えているが、スプリンクラーを必要としない場合は省略してもかまわない。
【0057】
また、開閉可能タイプの天井は、開口部を有する天井本体と、この開口部に開閉可能に設けられた開閉体とを備えたものに限らず、例えば天井全体が周壁に対して相対移動することにより内部空間を外部空間に開放する態様等を採用してもよい。また、開閉体を備える場合の開閉体は、上述した実施形態のようなロールカーテンを利用したものに限らず、可動ルーバーを利用したものや蛇腹状の可動体を利用したもの等であってもよい。さらに、建築天井に設けたスプリンクラーが作動する条件が整ったときに限らず、内部空間の照度が低い(内部空間が暗い)ときや内部空間の換気が必要なときに自動又は手動で内部空間を外部空間に開放できるようにしてもよい。
【0058】
さらに、上述した第一ないし第三実施形態のブースの天井は、相互に互換性のある、常時開いた開放タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井と、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井の中から選択採用されたものであり、天井のみを交換することにより各実施形態のブースを実現できるようになっているが、例えば、常時開いた開放タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井との中からのみ天井を選択採用する態様や、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井と、常時閉じた閉塞タイプの天井との中からのみ天井を選択採用する態様を採用してもよく、逆に、開閉機構を有する開閉可能タイプの天井を複数種類用意して4タイプ以上の天井から天井を選択採用する態様を採用してもよい。
【0059】
そして、以上の説明では第一実施形態に係る2人用のブースBの天井5を交換することにより、同じく2人用の第二実施形態に係るブースB2や第三実施形態に係るブースB3を実現するようにしているが、
図19に示す4人用のブースB4の天井5や
図20に示す1人用のブースY5の天井5を同様に交換可能なものとしてもよい。
図19及び
図20において、第一実施形態に対応する部位には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0061】
B、B2、B3…ブース
1…底盤
2…周壁(前壁)
3…周壁(側壁)
4…周壁(背壁)
5…(開閉可能タイプの)天井
X5…(閉塞タイプの)天井
Y5…(開放タイプの)天井
51、X51、Y51…天井本体
50、X50、Y50…取付脚
51a…開口部
52…開閉体
X58…スプリンクラー
IS…内部空間