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特開2022-74013経路又は組織を観察し経路又は組織を観察で操作する為の拡張器及び閉塞具無しの導入器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074013
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】経路又は組織を観察し経路又は組織を観察で操作する為の拡張器及び閉塞具無しの導入器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168383
(22)【出願日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】17/083,957
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521419813
【氏名又は名称】クリアーマインド バイオメディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リン シャン-チー
(72)【発明者】
【氏名】チャン フォン-チャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン イ-チェン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
4C160FF48
4C160FF56
4C160MM32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の拡張器及び閉塞具を用いずに導入器を経路又は組織に介入しつつ、導入器の遠位端の経路又は組織内での動きに対し視覚的制御を施し得る医療装置を提供する。
【解決手段】装置10は導入器12と、カニューレと、光学的キャップ18を拡張器及び閉塞具無しで経路又は組織に挿入し、経路又は組織を形成又は拡張する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の拡張器及び閉塞具無しの導入器を用いた内視鏡の挿入方法であって、
光学的キャップの近位端に位置する開口部を内視鏡カニューレの遠位端に固定し、前記内視鏡カニューレは遠位端で向き合うカメラ及び光源と、中間部分と、近位部分とを有するステップと、
前記光学的キャップが固定された前記内視鏡カニューレの前記遠位端を遠位方向に向けて開かれた近位端と遠位端を有する管状導入器に挿入するステップであって、
前記光学的キャップの遠位端は遠位方向に前記導入器の前記遠位端から突出していることと、
前記光学的キャップの前記近位端の外壁と前記導入器の前記遠位端の外壁は前記導入器から前記光学的キャップへの滑らかな移行ができるようなサイズとなっていることと、
前記内視鏡カニューレの前記近位端は前記導入器の前記近位端から近位方向に延伸しており、前記内視鏡カニューレの前記中間部分は前記導入器の前記近位端と前記遠位端の間に位置することを特徴とするステップと、
前記内視鏡カニューレの前記中間部分を内部に有し、前記カニューレの前記遠位端に前記光学的キャップが固定された前記導入器を前記遠位方向に向けて経路又は組織に挿入し、前記内視鏡の遠位端に位置する前記カメラが前記光学的キャップを通して捉えた映像を見ながら前記光学的キャップの丸形の前記遠位端を利用して前記経路を拡張又は組織内に経路を形成するステップと、
前記内視鏡カニューレを前記光学的キャップと共に前記導入器から前記近位方向に引き抜くことと、
一つ以上の手術器具または装置を遠位方向に向けて前記導入器に挿入し、前記導入器の前記遠位端に隣接する組織で操作を行うステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記導入器を挿入する前記ステップは金属コイルで補強された柔軟性のあるプラスチック素材で作られた導入器を挿入するステップを有す方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記導入器を挿入する前記ステップは前記導入器の遠位部分は前記金属コイルを有さず、前記導入器の他の部分に比べて剛性が低く柔軟性のある導入器を挿入するステップを有す方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記内視鏡カニューレを前記導入器に挿入する前記ステップ及び/又は前記導入器を前記経路又は前記患者の前記組織に挿入する前記ステップは直線の縦軸から離れるように前記導入器を選択的に折り曲げるステップを有す方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、少なくとも前記導入器の内選択された部分を柔軟にし、折れ曲がった内視鏡カニューレをそこに導入することで前記導入器を折り曲げるステップをさらに有す方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記導入器を挿入する前記ステップは外壁の直径が前記導入器の遠位端にかけて内壁の直径に近づくように傾いた遠位端を有す導入器を挿入するステップを有す方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、導入器を挿入するステップは前記導入器の外壁に1つ以上の折り畳まれた管腔を有す導入器を挿入するステップを有す方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、器具を前記1つ以上の管腔に挿入しつつ、前記1つ以上の管腔を拡張するステップをさらに有す方法。
【請求項9】
一種の医療装置であって、
開放された近位端と、遠位端とを有す管状導入器と、
前記導入器から近位方向に延伸する近位端と、前記導入器内部に位置する中間部分と、前記導入器の前記遠位端に位置する又は前記導入器の前記遠位端から遠位方法に突出する遠位端とを有す内視鏡カニューレであって、遠位端にカメラと光源を有する前記内視鏡カニューレと、
取り外し可能となるように前記内視鏡カニューレの前記遠位端に固定され、丸形の遠位部分と、前記内視鏡カニューレの前記遠位端が挿入された中空の近位部分とを有す光学的キャップとを有し、
前記光学的キャップの前記丸形の遠位部分は遠位方向に前記導入器の前記遠位端から突出することと、
前記導入器の遠位部分は前記導入器の前記遠位端にかけて小さくなるような外形寸法を有し、前記光学的キャップの前記近位部分は前記導入器の前記遠位端の内径に合致する外形寸法を有し、前記光学的キャップの外部と前記導入器の前記遠位端の外部との間で滑らかな移行を可能とすることと、
前記カメラと結合し、前記カメラが前記光学的キャップを通して捉えた映像を接受して表示する画像ディスプレイを有し、
前記導入器とその内部の前記カニューレは拡張器及び閉塞具無しで患者の腔又は組織に導入される単元として配置されることを特徴とする医療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の医療装置であって、前記導入器は柔軟性のある管状プラスチック素材と、異なる素材で前記管状プラスチック素材を補強する前記内部コイルから構成されており、前置経路又は組織への導入時又は導入後に前記導入器の遠位部分の少なくとも一部分の折り曲げが尚可能であることを特徴とする医療装置。
【請求項11】
請求項9に記載の医療装置であって、前記内視鏡カニューレは中間部分に折れ目を有し、前記導入器は前記内視鏡カニューレの前記折れ目に合致するように折り曲げられることを特徴とする医療装置。
【請求項12】
請求項9に記載の医療装置であって、前記内視鏡カニューレがそこから遠位方向に延伸する内視鏡ハンドルをさらに有し、前記内視鏡カニューレが前記導入器内にある際に、前記カニューレは前記内視鏡ハンドルに加えられるオペレータ制御の下で中間部分が折れ曲がることを特徴とする医療装置。
【請求項13】
請求項9に記載の医療装置であって、光学的キャップと、導入器は前記内視鏡を前記光学的キャップと共に前記導入器から前記近位方向に向けて取り外すように構成されることを特徴とする医療装置。
【請求項14】
請求項9に記載の医療装置であって、前記光学的キャップは光学的に透明な素材で構成されることを特徴とする医療装置。
【請求項15】
一種の装置であって、
近位端と遠位端が開放された管状導入器と、
遠位端にカメラと光源を有し、前記導入器内部に位置する中間部分と、前記導入器から近位方向に延伸する近位部分と、遠位部分とをさらに有す細長いカニューレと、
前記カニューレの前記遠位端で前記カメラと前記光源上に固定され、前記導入器の前記遠位端から遠位方向に延伸する丸形の端部を有す光学的キャップと、
前記キャップと前記導入器は前記導入器の前記遠位端から前記導入器から遠位方向に延伸する前記キャップの近位部分へ滑らかに移行させるような寸法となっており、
前記カニューレの前記遠位端に位置する前記カメラと動作可能に結合され、前記カメラが捉えた映像を接受して前記映像を表示するディスプレイと、を有し
前記装置は前記導入器と、前記カニューレと、前記光学キャップとを拡張器及び閉塞具無しで経路又は組織に挿入し、前記経路又は組織を形成又は拡張することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記導入器の遠位部分は前記導入器の他の部分よりも柔軟性を有すことにより、前記導入器が経路又は組織に介入される際に前記遠位部分の折り曲げを容易にすることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、前記導入器の少なくとも一部分は金属コイルで補強されたプラスチック素材で構成されることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、前記導入器の少なくとも一部分は前記導入器の遠位部分を前記導入器の他の部分よりも剛性が低く柔軟性のあるようにする複数層のプラスチック素材から構成されることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置であって、前記導入器の外部に固定された少なくとも1つの折り畳まれた管腔を有すことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置であって前記光学的キャップと前記カニューレの前記遠位端のうち一方はクリップを有し、もう一方は留め金を有し、前記クリップが前記留め金に噛み合うことで、前記キャップを前記カニューレに固定するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置であって、前記少なくとも1つの管腔は前記カニューレの中心に向かう出口を有する側管腔を含むことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、前記側管腔の前記出口は前記カニューレの内面に形成されることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21に記載の装置であって、前記側管腔の前記出口は前記カニューレの前記遠位端に跨ることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記光学的キャップは前記側管腔の前記出口を覆いかぶさることを特徴とする装置。
【請求項25】
一種の医療装置であって、
遠位端と、近位端とを有する導入器であって、前記導入器は電気遠位端と前記近位端で開放されていることを特徴とする導入器と、
前記導入器の外部に固定された少なくとも1つの管腔と、
遠位端を有し、少なくとも部分的に前記導入器内部に位置するカニューレと、を有し、
前記少なくとも1つの管腔は前記カニューレの中心に向かう出口を有する側管腔を含むことを特徴とする医療装置。
【請求項26】
請求項25に記載の医療装置であって、前記側管腔の前記出口は前記カニューレの前記遠位端に跨ることを特徴とする医療装置。
【請求項27】
請求項26に記載の医療装置であって、前記側管腔の前記出口を覆いかぶさる光学的キャップをさらに有すことを特徴とする医療装置。
【請求項28】
請求項25に記載の装置であって、前記側管腔の前記出口は前記カニューレの内面に形成されることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は内部経路や組織を観察し内部経路や組織で操作する方法や装置に関する分野に属する。
[背景技術]
現代の医療の手順では、管状導入器を患者の組織又は患者の空洞または内腔に挿入することで手術器具及び/又は内視鏡に用いる経路を形成する。導入器を患者に挿入する前に、棒状の閉塞具は、閉塞具の端部が導入器から遠位方向に突き出るまでそっと導入器に入れられる。このように組み立てられた導入器/閉塞具の単元は患者の組織又は患者の空洞または内腔に押し込まれる。介入するのに切開が必要な組織の場合、鋭利又は刃の付いた先端を有す閉塞具を用いることで導入器の経路の形成に役立つ。切開の必要のない又は切開するべきではない空洞、内腔又は組織の場合、閉塞具の先端は鈍らであるか、鈍らな拡張器を空洞又は内腔の切り開きや拡張もしくは軟部組織への介入に用いることができる。この場合、導入器が患者における望まれた深さまで挿入された後で、閉塞具又は拡張器は注射針、研磨機、外科用メス、ピンセット、凝固剤又はその他装置をといった手術器具及び/又は内部組織を観察するための内視鏡の導入器の内部を空けるために取り除かれる。閉塞具又は拡張器を有する導入器はここでは、超音波ガイダンス又はその他映像システムの下で、導入することができる。套管針はカニューレと閉塞具を有し、代替器具である。套管針の範例はここでの参考文献として組み込まれる米国特許6,960,164にも見られる。
【0002】
套管針のカニューレはしばしば曲げられないほど硬くなっており、拡張器及び閉塞具はそこを滑らせるようにしている。典型的な套管針のカニューレの外径は数mm、例えば5乃至12mmとなっており、の内径は1mm又は手術器具を通す又は装置を目視できる程度のゆとりが必要である。カールストルツ、ウルフ及びエースクラップといった企業は套管針の供給社として知られている。導入器又は導入器の鞘はより薄く柔軟性を有し得る。メドトロニックといった企業はカテーテルを挿し込めるような導入器の鞘を提案している。
【0003】
頭蓋内の医療の手順において、正確かつ安全に導入器を頭部に置いた上で手術器具や内視鏡を通す為に経路を確保しなければならないという独特な問題に直面している。本発明の明細書では頭蓋内での手術に対し特に有効な新たな方法について記載する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
[問題を解決するための手段]
本発明におけるとある形態では、一種の拡張器及び閉塞具無しの導入器を用いた内視鏡の介入方法であって、光学的キャップの近位端に位置する開口部を内視鏡カニューレの遠位端、内視鏡カニューレは遠位端で向き合うカメラ及び光源と、中間部分と、近位部分とを有するステップと、前記光学的キャップが固定された内視鏡カニューレの遠位端を遠位方向に向けて開放された近位端と遠位端を有する管状導入器に挿入するステップであって、光学的キャップの遠位端は遠位方向に向かって導入器の遠位端から突出していることと、光学的キャップの近位端の外壁と導入器カニューレの遠位端の外壁導入器から光学的キャップへの滑らかな移行ができるようなサイズとなっており、内視鏡カニューレの近位端は近位方向に向かって導入器の近位端から延伸しており、内視鏡カニューレの中間部分は導入器の近位端と遠位端の間に位置することと、内視鏡カニューレの中間部分を内部に有し、カニューレの遠位端に光学的キャップが固定された導入器を遠位方向に向けて、経路又は組織に挿入し、内視鏡の遠位端に位置するカメラが光学的キャップを通して捉えた映像を見ながら光学的キャップの丸形の遠位端を利用して経路を拡張又は組織内に経路を形成するステップと、内視鏡カニューレを光学的キャップと共に近位方向に導入器から引き抜くステップと、1つ以上の手術器具または装置を遠位方向に向けて導入器に挿入し導入器の遠位端に隣接する組織上で操作を行う方法である。
【0004】
本発明におけるとある形態では、前記の方法は金属コイルで補強された柔軟性のあるプラスチック素材で構成された導入器を挿入するステップと、前記導入器の遠位部分に前記金属コイルを有さず、導入器の他の部分に比べて剛性が低く柔軟性のある導入器を挿入するステップと、導入器が直線の軸線から離れるように選択的に折り曲げるステップと、導入器の内選択された部分を柔軟にし、折れ曲がった内視鏡カニューレをそこに導入することで導入器を折り曲げるステップと、遠位端が外壁の直径が前記導入器の遠位端にかけて内壁の直径に近づくように傾いた導入器を挿入するステップと、1つ以上の折り畳まれた管腔を外壁に有す導入器を挿入するステップと、1つ以上の折り畳まれた管腔に器具を挿入することで、1つ以上の折り畳まれた管腔を拡張するステップとのうち1つ以上をさらに有す。
【0005】
本発明におけるとある形態では、一種の医療装置であって、開放された近位端と遠位端とを有す管状導入器と、導入器から近位方向に延伸する近位端と、導入器内部に位置する中間部分と、導入器の遠位端に位置する又はそこから遠位方向に突出する遠位端を有す内視鏡カニューレであって、遠位端にカメラと、光源とを有す内視鏡カニューレと、取り外し可能となるように内視鏡の遠位端に固定され、丸形の遠位端と、内視鏡の遠位端が挿入された中空の近位端とを有す光学的キャップと、を有し、光学的キャップの丸形の遠位端は導入器の前記遠位端から遠位方向に向かって突出していることと、導入器の遠位部分は導入器の遠位端にかけて小さくなる外径寸法を有し、光学的キャップの近位部分は導入器の遠位端の内径と合致する外形寸法を有し光学的キャップの外部と導入器の遠位端の外部の間の滑らかな移行を可能にすることと、カメラと結合し、カメラが光学的キャップを通して捉えた映像を接受して表示する画像ディスプレイを有し、導入器とその内部のカニューレは拡張器及び閉塞具無しで患者の腔又は組織に導入される単元として配置されることを特徴とする医療機器である。
【0006】
本発明におけるとある形態では、前記医療装置は、導入器が柔軟性のある管状プラスチック素材と、異なる素材で管状プラスチック素材を補強する内部コイルから構成されており、経路又は組織への導入時又は導入後に遠位部分の少なくとも一部分を尚折り曲げ可能であることと、内視鏡カニューレは中間部分に折れ目を有し、導入器は内視鏡カニューレの折れ目に合致するように折り曲げられることと、内視鏡カニューレがそこから遠位方向に延伸する内視鏡ハンドルをさらに有し、内視鏡カニューレが導入器内にある際に前記カニューレは内視鏡ハンドルに加えられるオペレータ制御の下で、中間部分で折れ曲がることと、内視鏡カニューレと、光学的キャップと、導入器は内視鏡を光学的キャップと共に導入器から近位方向に向けて取り外すように構成することと、光学的キャップは光学的に透明な素材で構成されることのうち1つ以上を特徴とする医療装置である。
【0007】
本発明におけるとある形態では、一種の装置であって、近位端と遠位端で開放されている管状導入器と、遠位端にカメラと光源とを有し、導入器内部に位置する中間部分と、導入器から近位方向に延伸する近位部分とを有する細長いカニューレと、カニューレの遠位端でカメラと光源上に固定され導入器の遠位端から遠位方向に延伸する丸形の端部を有す光学的キャップであって、キャップと導入器は導入器の遠位端と導入器から遠位方向に延伸しているキャップの近位部分への滑らか移行を可能とするような寸法となっており、カニューレの遠位端に位置するカメラと動作可能に結合し、カメラが捉えた映像を接受して表示するディスプレイと、を有し、前記装置は導入器と、カニューレと、光学的キャップを拡張器及び閉塞具無しで経路又は組織に挿入し、経路又は組織を形成又は拡張することを特徴とする装置である。
【0008】
本発明におけるとある形態では、前段落で記載された装置は、導入器の遠位部分が導入器の他の部分よりも柔軟性があり、導入器が経路又は組織に介入される際に前記遠位部分の折り曲げを容易にすることと、導入器の少なくとも一部分が金属コイルで強化されたプラスチック素材で構成されていることと、導入器の少なくとも一部分は導入器の遠位部分が導入器の他の部分よりも剛性が低く柔軟性のあるようにするような複数層のプラスチック素材から構成されることと、前記装置は導入器の外部に固定され、手術機器が導入されて導入器の長方向に沿って動かされることによって拡張される1つ以上の折り畳まれた管腔をさらに有すことと、光学キャップとカニューレの遠位端のうち一方はクリップを有し、もう一方は留め金を有し、クリップが留め金に噛み合うことでキャップをカニューレに固定するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1A乃至1Dは本発明における医療装置を示す概略図である。図1Aは導入器、導入器に挿入されたカニューレを有す検査用内視鏡及びカニューレの遠位端に位置するカメラの上の光学的キャップを示す透視図である。
図1B図1Bは装置の遠位端を示す部分的な縦断面図である。
図1C図1Cは装置の中間部分を示す縦断面図である。
図1D図1Dは装置の中間部分の断面を示す透視図である。
図2A図2A図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図2B図2B図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図2C図2C図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図2D図2D図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図2E図2E図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図2F図2F図1A~1Dにおける医療装置の使用手順を装置の付加機能と共に示す概略図である。
図3A図3Aは導入器の外壁に位置する拡張可能な管腔を有する装置を示し概略図であり、患者の体内に押し込んだ際に導入器の外径を顕著には増大させず、更なる手術器具の導入を可能とする。
図3B図3Bは導入器の外壁に位置する拡張可能な管腔を有する装置を示し概略図であり、患者の体内に押し込んだ際に導入器の外径を顕著には増大させず、更なる手術器具の導入を可能とする。
図4A図4Aは側管腔を有す医療装置の一形態を示す概略図である。
図4B図4Bは側管腔を有す医療装置の一形態を示す概略図である。
図4C図4Cは側管腔を有す医療装置の別の形態を示す概略図である。
図4D図4Dは側管腔を有す医療装置の別の形態を示す概略図である。
図4E図4Eは側管腔を有す医療装置の別の形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A乃至1Dを参照せよ、とある形態における医療装置10はハンドル又はヘッド14から遠位方向に延伸する導入器12を有す。検査用内視鏡はハンドル16a(図2A)と、導入器12内部で延伸し得るカニューレ16とを有し、ビデオカメラと光源を収容する遠位端と、カニューレ16が導入器内にある際に近位方向に導入器12から延線する近位部分とを有す。カニューレ16が導入器内にある際に、カニューレ16の遠位端は導入器12の遠位端に位置するか、そこから突出している。導入器12は開放された近位端と遠位端を有するが、遠位端は導入器12の遠位端から遠位方向に突出する光学的キャップ18に覆われている。導入器12の遠位方向上の終着点である導入器12の遠位端は導入器12の遠位端にかけて外径が小さくなって内径に近づくように傾いている。光学的キャップ18は導入器12の内径に合致するような外径を有す中空の近位部分を有し、そのため、図1Bに示すように光学的キャップ18の外部と導入器12の外部の間で滑らかな移行が可能であり、導入器12の遠位端の内部と光学的キャップ18の近位部分の外部の間に隙間はほとんどもしくは全く存在しない。光学的キャップ18は内視鏡カニューレ16の遠位端に取り外せるように固定されている。例として、光学的キャップ18は内視鏡カニューレ16の遠位端にすり合わせによって固定されている。もう一つの例では、光学的キャップ18はクリップのような内側への突出物をその内壁に有し、内視鏡カニューレ16の遠位端に位置する適合した窪み又は留め金に適合することで、カニューレ16が遠位方向に推しこまれている間やもしくは導入器又は鞘12から近位方向に引き抜かれている間にキャップを所定の位置に維持するのに役立つ。カニューレが導入器又は鞘12から引き抜かれた後で、光学的キャップ18はカニューレ16から引き離してもよい。
【0011】
光学的キャップ18は十分に透明な素材で構成されており、故に内視鏡カニューレ16の遠位端に位置するカメラは臨床的な品質の映像を捉えることができ、画像の歪みを生じさせないような構成となっている。光学的キャップ18に適した素材の1つはポリカーボネートであるが、その他の適切な光学的な性質を備えた素材であってもよい。光学的キャップ18の近位部分の壁の厚さの一例は0.3mmであるが、壁の厚さは内視鏡カニューレ16の遠位端の寸法や導入器管12aの内径に応じて、0.2~1.0mmの範囲であってもよい(図1B)。光学的キャップ18の遠位端は内視鏡カニューレ16の遠位端から8mm以内に位置することが好ましいが、3mm~25mmの距離にあってもよい。光学的キャップ18の遠位部分は丸形であることが好ましく、その曲率半径は一例では、2.5~5mmである。
【0012】
導入器又は鞘12は中空管12aを有す。以下に示す別の実施例では、管12aの壁は(a)単層又は複数層の柔軟性のある管状のプラスチック素材及び異なる素材の内コイル12bで構成されており、そのような金属線又はストリップのコイルはプラスチック素材を補強すると同時に、管12aを経路に導入している際、または導入が完了した後で少なくともその一部分は尚折り曲げ可能であり、内コイル12bは管12aの長方向全体に及んでいるか、もしくは管12aの長方向の一部のみに及んでいることが望ましい、もしくは(b)コイルによる補強無しの複数層の素材のみで構成される。いずれの場合でも、管12aの剛性及び柔軟度管12aの長方向全体を通じて均一であってもよいし、長方向に沿って変化しても良い。
【0013】
図1Dに示すような、管12aがワイヤーで強化された実施例では、コイル12bは管12aのプラスチック素材の壁に埋め込まれていてもよいし、プラスチック素材の層の間に位置していてもよい。線コイル12bは管12aの長方向全体に及んでも良いが、線コイル12bは管12aの長方向の一部のみに及ぶことが望ましい、例えば、管12aの近位端から管12aの遠位端から数cmの距離の間に及んでいてもよい。この場合、管12aの遠位部分は管12aの他の部分よりも剛性が低く柔軟性を有し得る。これは頭部の治療手順において、特に望ましく、より柔軟性のある遠位部分を有す管12aは、管12aが患者の頭蓋骨における所定の位置に推し込まれた際に生じる組織の外傷を減らすのに役立つ。他の実施例では、線コイル12bは管12aの中間部分に及んでおり、管12aの近位端と遠位端のそれぞれから数cmずつ離れていてもよい。さらに別のもう1つの実施例では、線コイル12bは管12aの長方向に沿って、2つ以上の区域に分かれていてもよく、こうして、管12aの中で管12aの長方向に沿って分離した指定した部分を低剛性且より柔軟にすることができる。
【0014】
導入器管12aの壁に適したプラスチック素材の一例はポリウレタンである。他にはポリ塩化ビニルやペバックス弾性体なども挙げられる。管12aの遠位部分における壁の厚さやその他指定した部分壁の厚さを薄くすることで、管12aの一部もしくは複数部分の剛性を下げることや柔軟性の向上を促進することができる。管12aの遠位部分内部へ延伸するコイル12bの有無に関わらず、このような壁の薄肉化を行うことが可能である。
【0015】
線コイルによる補強を行わない実施例においては、管12aは単層であってもよいが、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、もしくはポリウレタン及びペバックス弾性体といった素材からなる2つ以上の層を有する複数層で構成されることが好ましい。図2Fは層13a、13b及び13cから構成される3層の管12aの壁の一例を示す。線コイル12bを省くことでより柔軟性を持たせること、もしくは外径を増加させずに管12aの内径を増加させることで、コイル12bを有する導入器に比べて、手術装置や検査装置に用いる為の経路をより広く確保することができる。複数層である場合、異なる層の素材は壁の厚さ及び/又は層の素材の性質に応じて、全て同じであっても良いし、それぞれ異なっていてもよく、こうして管12a又管12aの指定した縦軸部分の剛性及び柔軟性に影響を及ぼし得る。例えば、管12aの遠位部分、例えば管12aの遠位端から若干cmにわたる部分、をより低剛性且柔軟にしたい場合は、管12aの遠位部分は素材の層数を少なめにするか、1層以上の厚さを減らすことで達成することできる。管12aは単層のプラスチック素材である場合、遠位部分における壁の厚さを減らすことで、剛性や柔軟性に影響を及ぼし得る。
【0016】
管12aの外径は8mmであってもよいが、必要や運用に応じて、4乃至12mmであってもよい。管12aの壁の厚さの一例は0.5mmであつが運用に応じて0.4mm乃至0.8mmであってもよい。線コイルの素材はステンレス鋼が使用可能であり、線の厚さは一例では0.15であるが、他の実施例では、0.1乃至0.5mmであってもよい。
【0017】
管12a(線コイルを使用する場合はさらにコイル12b)を有す導入器12は所望の医療処置に適した剛性と柔軟性を組み合わせた構成であることが望ましい。例えば、導入器12を直線の経路に沿うように患者へ挿入する場合には、管12aの素材や壁の厚みは剛性が強く柔軟性の低くなるように選ばれ、線コイル12bが使用される場合には、コイル12bの素材やワイヤーゲージも剛性が強く柔軟性の低くなるように選ばれる。導入器12は折れ曲がった経路に沿って、患者に挿入される場合や、挿入後に折り曲げる必要がある場合には、管12aの長度方向に沿った少なくとも一部分は剛性が低く、より柔軟となるように管12aの素材や壁の厚さが選択され、コイルが使用される場合には、コイル12bのワイヤーゲージも同様に選択される。導入器12は、内視鏡ハンドルにおける操作で折り曲げ可能である事前に形成されたカニューレ又は内視鏡カニューレを有す検視用内視鏡におけるカニューレ16を挿入することで、直線の縦軸から離れることが可能である。ある実施例においては、曲線は導入器管12aに事前に形成されていてもよく、内視鏡カニューレ16はそのような曲線に順応するように充分な柔軟性を有す。
【0018】
図1Dはとある実施例における、内視鏡カニューレ16を有す導入器管12aの中間部分に沿った断面図である。導入器管12aは複数の層又は単層で構成されてもよく、運用上は省略可能な硬化線コイル12bを有す。内視鏡カニューレ16は中心部に描かれており、その外径は管12aの内径よりも小さいために、挿し込みや引く抜きが容易である。
【0019】
外傷無し又は最小限にするように、管12aを組織に挿入することは、外科医にとって、困難な点である。管12aの適切な部分に剛性や柔軟性を選択することや、管12aを患者に押しこむ際に、できれば処置中に変形や折り曲げを行う際にディスプレイ20におけるリアルタイムでの映像を検視することは特に効果的である。適切な厚みを備えたより適切な素材の選択、ある程度の圧力を加えることで変形が容易である管12aの遠位部分、並びに管12aを折り曲げる過程や変化を検視することにより医療処置の結果をより良いものとすることができる。
【0020】
図2A乃至2Fは図1A乃至1Dにおける装置のある実施例を示したものであり、更に装置の付加的な特徴が装置の使用手順の説明の為に描かれている。図2Aはカニューレ16と、カニューレ16の遠位端に位置する吸引及び液体ポートのそれぞれに接続する16bに示すような液体と吸引用のポートを有すハンドル16aとを有す検視用内視鏡を示す。検視用内視鏡はここで引用として組み込まれる同一出願者による米国特許9,968,249及び10,441,153に記載されるようなものでよい。その他の検視用内視鏡はビデオカメラ22aと、光源22bとを遠位端に備えたカニューレを有すものを代わりに用いてもよい。ビデオカメラと、光源は図2dにおける22aと、22bにそれぞれ示されている。初めに、光学的キャップ18を図2dに示すように内視鏡カニューレ16の遠位端に固定する。図2cは光学的キャップ18が図2eに示すように遠位方向に向かって導入器12の遠位端から突出するようにカニューレ16が挿入された導入器12を示す。図2cに示された構成では、外科医又はその他医療従事者が内視鏡カニューレ16の遠位端に位置するカメラ22aによる映像とのようなリアルタイムでの映像を接収するディスプレイ20(図2A)に映し出された進行状況を見ながら、医療装置10(導入器/内視鏡/キャップユニット)を患者に挿入する。カメラ22aと光源22bは引用された特許により詳細に記載されている。導入器/カニューレ/キャップユニット10が患者内部の所望の深さに到達した後に、内視鏡カニューレ16は光学的キャップ18と共に取り除かれる一方、導入器管12aは患者の体内における所定の位置に保留される。ここで、外科医は導入器管12aを通して、手術機器やその他の装置を挿入することが可能である。光学的キャップ18を除いた検視用内視鏡カニューレ16を導入器管12a内部に戻すことで、カニューレ16の遠位端におけるポートを使用可能である、例えばポートは引用特許に記載されるように患者からの吸引又は感慨に用いられる。カニューレ16の代わりにピンセット、研磨機、焼灼器等のその他の手術器具も挿入可能である。手術器具は拡張器及び閉塞具無しで、患者の空洞又は組織に挿入することができる。言い換えれば、導入器12と、カニューレ16は患者の空洞又は組織に導入されるように構成されたユニットである。このように、手術器具を挿入する際に患者の組織に望ましく無い傷を付けるのを防ぐことができる。
【0021】
とある実施例では、上記の方法は患者の頭部にある病変にアクセスし手術を行う為に用いることができる。導入器12を遠位端が病変部に対し所望の相対位置となるように配置することで、同一の出願者による引用特許に記載された内視鏡を病変部の検視又は病変部での操作に用いる、又は他の手術器具を使用することができる。
【0022】
図3A乃至3Bは管12aの外壁に位置する更なる管腔30及び32を示す。図3Aにおいて、管腔30及び32は折り畳まれており、管12aの外径を大幅に増やすことはない。管腔30及び32を使用する必要が無い場合には、図3Aに示すように管12aを使用した手術の間、折り畳まれた形状を維持することができる。しかしながら、例えば管12aを患者に導入した後に、管腔30及び32の一方又は両者を用いてもよい。図3Bに示すように、手術器具34は管腔32の近位端から管腔32(及び/又は管腔30)へ挿し込まれ、管腔32の遠位端から突出する。この方法では、より複雑な手術をも行うことができる。例えば、検視用内視鏡カニューレ16は管12aから突き出る所定の位置にカメラ22a及び光源22bを有しており、カメラ22aによって視覚化された組織に手術器具34を投入することが可能であり、さらなる器具をも管腔30を通して所望の組織に投入することができる。他の一例では、内視鏡カニューレ16は手術の前後又は進行中に管12から取り除かれた上で、他の手術器具に置き換えられ、検視用内視鏡カニューレ16を管腔30及び32のうち一方を通して導入することで、管12a内の器具により処置される組織を視覚化することができる。そのような場合、更なる器具を内視鏡カニューレ16が占めていない管腔を通して導入することが可能である。
【0023】
上記においてより明確にする目的の為に詳細な実施例を記載したが、特許請求の範囲に含まれる精神及び本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更と修正は何れも本発明の範囲内に含まれる。ここに記載されたプロセス及び機器の代替的な実施方法は数多く存在する。よって、本実施例は説明の為に用いられるものであり、本発明を限定するものではない。ここで記載された一連の実施例はここに提供される詳細を制限するのではなく、特許請求の範囲及び均等な範囲内で修飾され得る。
【0024】
他の一例では、異なる類型の側管腔を使用することができる。前記側管腔の前記出口は(カニューレ16に用いる)主管腔の中心線に向かうことで、柔軟性のある手術装置や電動手術ユニットのような手術器具34は内視鏡の中心線に向けることができる。これは凝血や生体検査に特に役立つ。小さな空間で作業且片手で複数の手術装置を取り扱う際には、外科医にとって容易に目標の部位にアクセスできることが重要となる。
【0025】
図4A乃至4Bを参照せよ、図4A及び4Bは手術器具34を挿し込む前後の側管腔30aを有す医療装置10の一実施例を示す。特に、医療装置10は導入器12と、少なくとも一つの管腔(30a及び32)と、カニューレ16と有す。上記4つ目の実施例のように、導入器12はコイル12aを有すことができる。導入器12は遠位端と、近位端(図示なし)と、を有し、導入器12は遠位端と、近位端で開放されている。カニューレ16は少なくとも一部分は導入器12内部に位置し、且出口16cを有す。当実施例では、少なくとも一つの管腔には、それぞれ導入器12の外部に固定された側管腔30aと管腔32が含まれる。当実施例では、側管腔30aはカニューレ16の中心(図4A及び4Bに示された点線)を向かう出口30bを有す。言い換えれば、出口30bは導入器12の内表面に形成されている。非限定的な一例として、側管腔30aの出口30bは適切な液体を用いてカニューレ16の出口16cを清浄するのに用いることができる。
【0026】
更には、カニューレ16の中心(図4A及び4Bに示された点線)に向かって延伸した出口30bを有す側管腔30aの設計により、柔軟性のある手術装置や電動手術ユニットのような手術器具34は、出口30bを通して、内視鏡のカニューレ16の中心(図4A及び4Bに示された点線)に向かうことが可能である。例えば、手術器具34は凝血や生体検査に用いる装置を含むことができる。上述の通り、小さな空間で作業且片手で複数の手術装置を取り扱う際には、外科医にとって容易に目標の部位にアクセスできることが重要となる。
【0027】
当実施例では、側管腔30a及び管腔32は導入器12における対抗する側に位置する、しかしながら、他の実施例では、側管腔30a及び管腔32の位置は真逆であるか、もしくは側管腔30aは特殊な手術処置の必要性や所望に応じて、管腔32無しで両側面に位置してもよい。更に、管腔32は特定な手術処置において必要無い場合や所望に応じて省略可能である。
【0028】
図4C乃至4Eは異なる設計の側管腔30aを有す医療装置10の別の実施例を示す。図4Cは側管腔30aの出口30bを覆うように構成された光学的キャップ18を有す医療装置10を示す。光学的キャップ18は側管腔30aの出口30bを覆うように構成され得る。側管腔30aは光学的キャップ18に近い端部に傾斜面30cを有す。傾斜面30cの設置により、導入器12が経路を移動する間に側管腔30aに働き得る抗力を減らすことができる。
【0029】
図4D及び4Eは手術器具34を挿し込む前後の医療装置10を示す。当実施例と上記実施例(図4A乃至4B)の違いは、側管腔30a及び側管腔30aの出口30bがカニューレ16の遠位端(又は出口16c)を超えるように延伸している点である。側管腔30aの出口30bの設計により、手術器具34は図4Bに示された上述の実施例よりもさらに遠くへ延伸させ、フットプリントの比率を減らすことでさらに良好な視覚化が可能である。更に、挿し込み過程においておこり得る組織の損傷を予防するか少なくとも減らすことが可能である。
【0030】
本実施の形態中の1つにおける特徴は、本明細書で示す他の実施の形態に適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0031】

10 医療装置(導入器/内視鏡/キャップユニット)
12 導入器 (鞘)
12a 中空管 /管
12b 線コイル(内コイル)
13a、13b、13c 層
14 ヘッド
16 カニューレ(内視鏡カニューレ)
16a ハンドル
16b 液体/吸引用ポート
16c 出口
18 光学的キャップ
20 ディスプレイ
22a カメラ
22b 光源
30 管腔
30a 側管腔
30b 出口
30c 傾斜面
32 管腔
34 手術器具
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E