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特開2022-74023積み重ね可能な低背型の電気接点ブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074023
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】積み重ね可能な低背型の電気接点ブロック
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/52 20060101AFI20220510BHJP
   H01H 1/20 20060101ALI20220510BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
H01H13/52 B
H01H1/20
H01H9/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021170306
(22)【出願日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】20306297.1
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】イザベル、タボルスキー
(72)【発明者】
【氏名】プラビーン、クマール、ディーバパッリ
【テーマコード(参考)】
5G051
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5G051EA19
5G052AA14
5G052BB01
5G206AS10K
5G206BS02N
5G206KS03
5G206KU05
5G206KU42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】積み重ね可能な低背型の電気接点ブロックを提供する。
【解決手段】積み重ね可能な電気接点ブロック100であって、上面および下面を有し、第1の電気端子108および第2の電気端子110を収容するハウジングと、休止位置Prから、第1の端子108と第2の端子110との間の電気的接触を遮断する作動位置に移動するように適合された作動プッシャー112であって、上面から突出するヘッド130を有する作動プッシャー112と、作動プッシャーの下方のクリアランスと、作動プッシャー112を休止位置に向けて付勢する戻しばね114であって、下端がクリアランス内に延びている戻しばね114と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ね可能な電気接点ブロック(100)であって、その容積を区画するハウジング(102)を備え、前記ハウジング(102)は、上面(104)および反対側の底面(106)を有し、前記ハウジング(102)内に、
- 第1の電気端子(108)および第2の電気端子(110)と、
- 前記第1の端子(108)と前記第2の端子(110)との間の電気的接触を確立または遮断するために、休止位置(Pr)と作動位置(Pa)との間を移動するように適合された作動プッシャー(112)であって、前記休止位置(Pr)において、前記ハウジングの上面(104)から突出する作動ヘッド(130)を有する作動プッシャー(112)と、
- 前記作動プッシャーが前記休止位置(Pr)にあるときに、前記作動プッシャーの下方に設けられたクリアランス(142)と、
- 前記作動プッシャー(112)をその休止位置に向けて付勢する戻しばね(114)であって、下端(114a)が前記クリアランス(142)内に延びている戻しばね(114)と、
が設けられ、
前記ハウジングの前記底面(106)は、前記接点ブロック(100)を他の構成要素に接続するための前記クリアランス(142)へのアクセスを提供する入口(128)を備えた接続インターフェースとして構成され、
前記クリアランスの中央部(142a)は、前記戻しばね(114)の前記下端(114a)によって占められており、前記クリアランスの周辺部(142b)は、前記中央部(142a)を囲み、前記接続インターフェースを介して前記接点ブロック(100)に接続された構成要素の前記作動ヘッド(130)を受容するように適合した作動ヘッド受容スペースであることを特徴とする、積み重ね可能な電気接点ブロック(100)。
【請求項2】
前記作動プッシャー(112)が、中央の長手方向プッシャー軸(X-X)を規定する細長い形状を有し、前記戻しばね(114)が、中央の長手方向ばね軸(Y-Y)を規定する円筒形状を有し、両軸が本質的に一致している、請求項1に記載の接点ブロック(100)。
【請求項3】
前記第1の端子(108)と前記第2の端子(110)との間の電気的接触を確立および遮断するための可動電気接点ブリッジ(116)をさらに備え、前記接点ブリッジ(116)は前記作動プッシャー(112)内に収容され、前記戻しばね(114)は前記接点ブリッジ(116)を貫通して延びている、請求項1または2に記載の接点ブロック(100)。
【請求項4】
前記接点ブリッジ(116)を前記第1の端子(108)および前記第2の端子(110)に向けて付勢する接点ばね(118)をさらに備え、前記戻しばね(114)は前記接点ばね(118)を貫通して延びている、請求項3に記載の接点ブロック(100)。
【請求項5】
前記接点ばね(118)と前記戻しばね(114)が同軸上に配置されている、請求項4に記載の接点ブロック(100)。
【請求項6】
前記接点ブリッジ(116)は、前記戻しばね(114)によって横断される中央貫通孔(116c)を有している、請求項3~5のいずれか一項に記載の接点ブロック(100)。
【請求項7】
前記入口(128)は、フォーク形状の作動ヘッド(130)の突起(130a、130b)を受容するように適合された2つの平行なスリット(128a、128b)で構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の接点ブロック(100)。
【請求項8】
前記戻しばねの前記下端(114a)を支持するために、前記ハウジングの前記底面(106)に形成されたばね支持部(140)をさらに備え、前記ばね支持部(140)は、2つの平行な前記スリット(128a、128b)の間に位置している、請求項7に記載の接点ブロック(100)。
【請求項9】
前記作動プッシャー(112)は、側方から見たときに、本質的にH字状の形状を有している、請求項1~8のいずれか一項に記載の接点ブロック(100)。
【請求項10】
前記作動プッシャーの前記作動ヘッド(130)がフォーク状に形成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の接点ブロック(100)。
【請求項11】
前記ハウジングの高さ(h)と長さ(l)との比が0.4未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載の接点ブロック(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積み重ね可能な電気接点ブロックに関し、容積を区画するハウジングを備え、ハウジングは上面および反対側の底面を有し、ハウジング内に、
- 第1の電気端子および第2の電気端子と、
- 第1の電気端子と第2の電気端子との間の電気的接触を確立または遮断するために、休止位置と作動位置との間を移動するように適合された作動プッシャーであって、休止位置においてハウジングの上面から突出する作動ヘッドを有する作動プッシャーと、
- 作動プッシャーが休止位置にあるときに、作動プッシャーの下方に設けられたクリアランスと、
- 作動プッシャーを休止位置に向けて付勢する戻しばねであって、下端がクリアランス内に延びている、戻しばねと、
が設けられている。
【背景技術】
【0002】
この種の電気接点ブロックは知られている。一例は、国際公開第2015/091497号公報の図1および図8~10に開示されている。
【0003】
このような接点ブロックは、低背という利点を有している。しかしながら、完全に積み重ねることができないため、モジュールとしての、例えば押しボタンアセンブリの一部としての使用は制限されている。特に、この先行技術の接点ブロックは、接点ブロックの積み重ね体の上部のメンバーまたは中間のメンバーとして使用することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから、本開示の目的は、完全に積み重ね可能な低背型の電気接点ブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、この目的は、上述の段落[0001]に定義された電気接点ブロックで達成され、この電気接点ブロックは、ハウジングの底面が、接点ブロックを他の構成要素に接続するためのクリアランスへのアクセスを提供する入口を備えた接続インターフェースとして構成され、クリアランスの中央部が戻しばねの下端によって占められており、クリアランスの周辺部が、中央部を囲み、接続インターフェースを介して接点ブロックに接続された構成要素の作動ヘッドを受容するように適合された作動ヘッド受容スペースであることを特徴とする。
【0006】
ハウジングの底面を接続インターフェースにすることで、本開示の接点ブロックは、他の構成要素、特に他の接点ブロック上に容易に積み重ねることができる。積み重ねる際には、底面の入口によって、下側の接点ブロックの作動ヘッドを上側の接点ブロックのクリアランスに挿入することができる。その結果、下側の接点ブロックの作動ヘッドは、上側の接点ブロックのプッシャーの下方に配置され、協働することができる。戻しばねの下端をクリアランスの中央に配置することによって、クリアランスの周辺部が干渉されず、下側の接点ブロックの作動ヘッドを上側の接点ブロックに挿入することができる。
【0007】
以下の特徴は、別々に、または他のものと組み合わせて、任意に実施することができる。
- 作動プッシャーが、中央の長手方向プッシャー軸を規定する細長い形状を有し、戻しばねが、中央の長手方向ばね軸を規定する円筒形状を有し、両軸が本質的に一致している。
- 可動電気接点ブリッジが、第1の端子と第2の端子との間の電気的接触を確立および遮断し、接点ブリッジが作動プッシャー内に収容され、戻しばねが接点ブリッジを貫通して延びている。
- 接点ばねが、接点ブリッジを第1の端子および第2の端子に向けて付勢し、戻しばねが接点ばねを貫通して延びている。
- 接点ばねと戻しばねが同軸上に配置されている。
- 接点ブリッジが、戻しばねによって横断される中央貫通孔を有している。
- 入口が、フォーク形状の作動ヘッドの突起を受容するように適合された2つの平行なスリットで構成されている。
- ばね支持部が、戻しばねの下端を支持するためにハウジングの底面に形成され、ばね支持部が、2つの平行なスリットの間に位置している。
- 作動プッシャーが、側方から見たときに、本質的にH字状に形成されている。
- 作動プッシャーの作動ヘッドが、フォーク状に形成されている。
- ハウジングの高さと長さとの比率が、0.4未満である。
【0008】
これらのおよびその他の特徴と利点は、好ましい実施形態の以下の説明および添付の図面に詳述されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示によるノーマルクローズタイプの電気接点ブロックの側面図である。
図2図2は、ハウジングカバーが取り外された図1と同様の側面図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿った電気接点ブロックの断面図である。
図4図4は、図1の矢印IVによる底面図である。
図5図5は、本開示による作動プッシャーの斜視図である。
図6図6は、本開示による電気接点ブリッジの斜視図である。
図7図7は、1つはノーマルクローズタイプ、1つはノーマルオープンタイプである本開示の2つの電気接点ブロックの積み重ね体である。
図8図8は、図7の積み重ね体のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図9は、図7の積み重ね体の詳細を示す斜視図である。
図10図10は、両方ともノーマルクローズタイプであり、両方ともその作動位置にある本開示の2つの電気接点ブロックの積み重ね体の側面図である。
図11図11は、4つの電気接点ブロックを含む、本開示による押しボタンアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、図1図4を参照すると、これらの図は、本開示による積み重ね可能な電気接点ブロックの実施形態100を示している。
【0011】
電気接点ブロック100は、産業用押しボタンアセンブリ(図11参照)などの制御ユニットに統合されるように設計されている。電気接点ブロック100を作動させることにより、接点ブロック内に配置された2つの電気端子間の電気的接触を遮断することができる。産業用途では、電気駆動される設備への電流の供給を停止することができる。例えば、電気接点ブロック100は、障害発生時に生産ラインを停止させるための非常停止用押しボタンの一部として使用することができる。
【0012】
一般的に電気接点ブロックには、ノーマルオープンの電気接点ブロックと、ノーマルクローズの電気接点ブロックの2種類がある(それぞれの略語は、「ノーマルオープン」がNO、「ノーマルクローズ」がNCである)。
【0013】
図1図4に示す電気接点ブロック100は、NCタイプのものである。本開示では、NCタイプの接点ブロックだけでなく、NOタイプの接点ブロックも対象としていることを理解されたい。
【0014】
図1図4を参照すると、電気接点ブロック100は、その全体の容積を区画するハウジング102を備えている。ハウジング102は、ハウジングカバー102aと、ハウジング本体102bとで構成されている。カバー102aは、本体102bの側面に嵌め込まれている。図2では、電気接点ブロック100の内部構造を示すために、カバー102aが取り外されている。ハウジング102は、上面104と、反対側の底面106とを有している。
【0015】
電気接点ブロック100は、
- 第1の電気端子108および第2の電気端子110と、
- 作動プッシャー112と、
- 戻しばね114と、
- 可動電気接点ブリッジ116と、
- 接点ばね118と、
- 2つのワイヤインレット対120および122と、
を含む。これらはすべてハウジング102内に存在する。
【0016】
2つのワイヤインレット対120、122は、ハウジング102の両側に位置している。言い換えれば、ハウジング102の第1の側面は2つのワイヤインレットを有し、ハウジング102の反対側の第2の側面も同様に2つのワイヤインレットを有している。図では、各対120、122の1つのワイヤインレットのみが、ハウジング102の各側面に見えている。図7および図10は、電線Wが挿入された状態の電気接点ブロック100を示しており、挿入されると、電線Wは2つの端子108、110の一方と電気的接触する。
【0017】
ハウジング102の底面106および上面104は、それぞれ、接点ブロック100を他の構成要素に接続するための接続インターフェースとして構成されている。このようにして、接点ブロック100は、例えば、他の接点ブロックに積み重ねることができる。同様に、図示された接点ブロック100の上に、他の接点ブロックを積み重ねることができる。これは、図7図10に示されている。したがって、電気接点ブロック100は、非常停止押しボタンアセンブリなどの制御装置を構築するために、他の構成要素と組み立てることができる。
【0018】
他の接点ブロックが接点ブロック100の上面104に取り付けられると、ダブルフック124と反対側の固定シュー126を利用して固定される。
【0019】
底面の接続インターフェース、すなわちハウジング底面106は、図4に示すように入口128を有している。好ましくは、入口は、2つの平行なスリット128a、128bで構成されている。
【0020】
作動プッシャー112は、第1の端子108と第2の端子110との間の電気的接触および遮断を確立するために、休止位置Prと作動位置Paとの間を移動することができる。図1図4に示されている接点ブロックはNCタイプであるため、休止位置Prは、接点ブリッジ116が2つの電気端子108、110の間のギャップを橋渡しする閉位置である。この閉位置では、一方の端子から他方の端子に電流を流すことができる。図10を除く全ての図では、作動プッシャー112が閉位置または休止位置Prにある状態を示している。図10では、作動プッシャー112は、押し下げられて、その作動位置Paに位置している。
【0021】
作動プッシャー112は、図5にそれ自体で表されている。それは、作動ヘッド130と、クロスリンク136と、クロスリンク136上に位置するばね端部受容ゾーン132と、2つの突起(左側および右側)状のブリッジ案内ベース134とを有する。作動ヘッド130とベース134は、クロスリンク136を介して接続されている。作動プッシャー112は、細長い形状を有しており、この細長い形状は、中央の長手方向プッシャー軸X-Xを規定している。例えば図3に示されているように、作動プッシャー112は、側方から見た場合、本質的にH字状の形状を有している。また、作動プッシャー112の作動ヘッド130がフォーク状に形成されていることにも留意されたい。フォーク130は、2つの突起130aおよび130bを有している。
【0022】
また、ブリッジ案内ベース134は、第1の突起134aおよび第2の突起134bを有するフォーク形状を有している。図2および図3から明らかなように、可動接点ブリッジ116は、2つのベース突起134a、134bの間に収容される。各突起134a、134bは、可動ブリッジ116が作動プッシャー112内で上下に摺動できるように、可動ブリッジ116の一方の外側案内壁として機能する。
【0023】
第1の突起134aの外側の側壁は、可動ブリッジ116の摺動運動を案内するための案内面として機能する。第2の突起134bには、案内スロット138が配置されている。案内スロット138の内壁も、可動ブリッジ116の摺動運動を案内するための案内面として機能する。
【0024】
ここで図6に目を向けると、可動電気接点ブリッジ116は、2つの横方向の電気接点116a、116bと、中央貫通孔116cと、案内ノッチ116dと、案内突出部116eとを有する金属要素である。案内ノッチ116dは、スロットのない案内突起134aの外側の側壁と協働する。したがって、案内ノッチ116dおよび外側の側壁は、一緒に外側案内アセンブリを形成する。案内突出部116eは、第2の案内突起134bの案内スロット138に嵌め込まれる。したがって、案内突出部116eと案内スロット138は一緒になって内側案内アセンブリを形成する。全体として、可動ブリッジ116の摺動運動は、2つの横方向の案内アセンブリ、すなわち、外側案内アセンブリおよび反対側の内側案内アセンブリによって案内される。
【0025】
あるいは、可動ブリッジ116は、2つの外側案内アセンブリまたは2つの内側案内アセンブリによって案内されてもよい。第1のケースでは、両方の案内突起134a、134bはスロットが無く、可動ブリッジ116は2つの対向する案内ノッチ116dを有することになる。第2のケースでは、両方の案内突起134a、134bは、案内スロット138を有し、可動ブリッジ116は、2つの対向する案内突出部116eを有することになる。
【0026】
各接点116a、116bは、電気端子108および110のうちの一方と協働する。
【0027】
図示された実施形態では、戻しばね114は、つるまき型の圧縮ばねである。図3から明らかなように、それは、ハウジングの底面106に近い下端114aと、ハウジングの上面104に近い上端114bとを有する。戻しばね114は、中央の長手方向ばね軸Y-Yを規定する円筒形状を有している。長手方向ばね軸Y-Yは、長手方向プッシャー軸X-Xと一致する。戻しばね114は、接点ブリッジ116を貫通して延びる。より具体的には、戻しばね114は、中央貫通孔116cを横断する。戻しばね114の機能は、作動プッシャー112をその休止位置Prに付勢することである。そうするために、その上端114bは、プッシャー112を押し、その下端114aは、ハウジング102を押している。
【0028】
戻しばね114の上端114bは、作動プッシャー112のばね端部受容ゾーン132に受容される。また、ハウジングの底面106には、ばね支持部140が形成されている。ばね支持部140は、戻しばね114の下端114aを支持する。図4に示すように、ばね支持部140は、2つの平行なスリット128a、128bの間に位置している。
【0029】
図9に最もよく見られるように、作動プッシャー112が休止位置Prにあるとき、クリアランス142が作動プッシャー112の下方に位置する。戻しばね114の下端114aは、クリアランス142内に延びている。入口128、すなわち、2つのスリット128a、128bは、クリアランス142へのアクセスを提供する。クリアランス142の中央部142aは、戻しばね114の下端114aによって占められる。中央部142aを囲むクリアランス142の周辺部142bは、作動ヘッド受容スペースである。図7図9に見られるように、作動ヘッド受容スペース142bは、その底面106を介して接点ブロックに接続された構成要素の作動ヘッド130を受容するために適合されている。作動ヘッド受容スペース142bは、2つの別々の受容ゾーンに細分化されている。各ゾーンは、フォーク形状の作動ヘッド130の2つの突起130a、130bのうちの1つを受容することができる。
【0030】
図2を参照すると、接点ばね118は、接点ブリッジ116を第1の端子108および第2の端子110に向かって付勢する。図3に見られるように、接点ばね118は、作動プッシャー112のベース部134に嵌め込まれている。接点ばね118の上側部分は、接点ブリッジ116の底面を押している。接点ばね118の下側部分は、ベース部134の棚部144に載置されている。図示された実施形態では、接点ばね118は、つるまき型の圧縮ばねである。したがって、円筒形状を有している。図3に示すように、戻しばね114は、接点ばね118を貫通して延びている。好ましくは、接点ばねと戻しばねは同軸上に配置されている。この場合、それらは共通の長手方向軸Y-Yを共有する。好ましくは、戻しばね114の直径は、接点ばね118の直径よりも小さい。
【0031】
次に、電気接点ブロック100の動作について説明する。休止位置Prでは、作動ヘッド130は、ハウジングの上面104から突出している(図1および図2参照)。そして、電気接点ブロック100は、作動プッシャー112をハウジング102内に押し込むことによって作動される。これは、作動ヘッド130を押し下げることによって行われる。作動ヘッド130に作用する圧力は、戻しばね114によって作用される反対側の力に打ち勝つのに十分でなければならない。そして、作動プッシャー112は、図10に示す作動位置Paに到達するまで、ハウジングの底面106に向かって移動する。この位置では、作動ヘッド130はハウジング102内に完全に引き込まれている。作動プッシャー112と一体的に移動する可動接点ブリッジ116は、電気端子108および110から離れる。したがって、第1の端子108と第2の端子110との間の電気的接触が遮断される。
【0032】
接点ブロックを接点ブロック100の底面106に取り付けるためには、接点ブロックの作動ヘッド130の突起130a、130bを接点ブロック100の平行なスリット128a、128bに挿入しなければならない。このようにして、突起130a、130bは、接点ブロック100の作動ヘッド受容スペース142に入り込む。図7図9に見られるように、2つの接点ブロックが組み立てられて積み重ね体を形成する場合、下側の接点ブロックの作動ヘッド130の2つの突起130a、130bは、上側の接点ブロックの作動プッシャーの真下に配置される。したがって、上側の作動プッシャーが押し下げられると、下向きの力が下側の作動プッシャーに直接伝わり、両方の接点ブロックが同時に作動する。
【0033】
図7図9は、上側の接点ブロックがノーマルオープンブロック200であり、下側の接点ブロックがノーマルクローズブロックである積み重ね体を示している。本開示の範囲は、これらのNOタイプの接点ブロックにも及び、これらの接点ブロックは、底面入口、作動プッシャーの下方のクリアランス、および戻しばね、接点ばね、および接点ブリッジの配置に関して同様の独創的構成を有している。
【0034】
図11は、本開示による2つの接点ブロックの2つの積み重ね体302および304を含む、押しボタンアセンブリ300の斜視図である。左側の積み重ね体302は、NC-タイプの上側の接点ブロック100と、NO-タイプの下側の接点ブロック200とで作製されている。右側の積み重ね体304は、NO-タイプの上側の接点ブロック200とNC-タイプの下側の接点ブロック100とで作られている。したがって、アセンブリ300は、合計4つの接点ブロックを有している。カラー306を利用して、4つの接点ブロックは、押しボタン308に取り付けられている。
【0035】
本開示の接点ブロック100、200の特徴は、その低背性である。実際、典型的には、接点ブロックのハウジング102の高さhと長さlとの比は、0.4未満である(図1参照)。小さな高さhにより、より多くの接点ブロック100、200をカラー306の背後に組み立てることができ、なおかつスリムなコントロールパネルに嵌め込むことができる。
【0036】
本開示に記載されている新しい接点ブロック構造は、現在のすべての顧客のニーズを満たすのに特に適している。
- 新しい接点ブロック100、200は、最先端の接点ブロックと互換性がある。これは特に、新しい接点ブロック100、200は、既存の接点ブロックの下に積み重ねることができることを意味する。
- 新しい接点ブロック100、200は、積み重ねる順番に関係なく、互いに完全に積み重ね可能である。
- 高さが高い従来の接点ブロックと比較して、同じ利用可能なヘッドスペースに、本開示の新しい接点ブロック100、200をより多く、取り付けることができる。
【0037】
また、本開示の接点ブロック100、200は、クリアランスと沿面距離に関する業界の安全規格に完全に準拠する。
【0038】
本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、これらは例示に過ぎない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって依然としてカバーされているあらゆる代替案を包含する。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】