(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074114
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】カテーテル導入器
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220510BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021177385
(22)【出願日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】17/086,156
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・シットニツキー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA31
4C267BB04
4C267BB07
4C267BB19
4C267CC08
4C267EE03
(57)【要約】
【課題】カテーテル導入器装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態では、シースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器は、切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、近位開口部は、遠位端アセンブリを受け入れるように構成されており、空洞は近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、カテーテルが遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリの連続する部分が圧縮される、圧縮導管と、遠位開口部に接続され、シースに可逆的に結合され、かつ遠位端アセンブリの圧縮された部分がシース内に入るための通路を提供するように構成された遠位コネクタと、近位開口部に隣接して配置され、遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するために対向する表面を含む近位保持具と、を含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の血管内に挿入されるように構成されたシースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器装置であって、
切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、前記近位開口部は、前記カテーテルの前記遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、前記空洞は、前記近位開口部から前記遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき、前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、
前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記シースに可逆的に結合され、かつ前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、
前記近位開口部に隣接して配設され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、前記対向する表面は、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備える、カテーテル導入器装置。
【請求項2】
前記カテーテルの前記遠位端アセンブリは、複数のスプラインを備えるグリッド形状の遠位端アセンブリを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を備え、前記管の前記近位開口部は、前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記管の前記遠位開口部は、前記シースが前記遠位コネクタに結合されているとき前記シースへの出口を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記圧縮導管の前記近位開口部に接続され、前記カテーテルが前記圧縮導管に挿入される際に前記カテーテルを載置する表面を含む、入口傾斜面を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記入口傾斜面の前記表面は、前記圧縮導管の前記近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、前記入口傾斜面の前記表面と前記圧縮導管の前記空洞との間に滑らかな移行部が存在する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、前記第1の湾曲した対向する表面は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分に含まれ、前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を備える湾曲した要素を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記近位保持具の前記湾曲した要素は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を備える湾曲した開放ループを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
医療システムであって、
生体の血管に挿入されるように構成されたシースと、
前記シース内に挿入されるように構成され、遠位端アセンブリを備えるカテーテルと、
前記シースに挿入するために前記カテーテルの前記遠位端アセンブリを圧縮するように構成されたカテーテル導入器装置であって、
切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、前記近位開口部は、前記カテーテルの前記遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、前記空洞は前記近位開口部から前記遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、
前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記シースに可逆的に結合され、かつ前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、
前記近位開口部に隣接して配置され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、前記対向する表面は、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備える、
カテーテル導入器装置と、を備える、医療システム。
【請求項11】
前記カテーテルの前記遠位端アセンブリは、複数のスプラインを備えるグリッド形状の遠位端アセンブリを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を備え、前記管の前記近位開口部は、前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記管の前記遠位開口部は、前記シースが前記遠位コネクタに結合されているとき前記シースへの出口を提供するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記圧縮導管の前記近位開口部に接続され、前記カテーテルが前記圧縮導管内に挿入される際に前記カテーテルを載置する表面を含む、入口傾斜面を更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記入口傾斜面の前記表面は、前記圧縮導管の前記近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、前記入口傾斜面の前記表面と前記圧縮導管の前記空洞との間に滑らかな移行部が存在する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、前記第1の湾曲した対向する表面は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分に含まれ、前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を備える湾曲した要素を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記近位保持具の前記湾曲した要素は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を備える湾曲した開放ループを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
生体の血管に挿入されるように構成されたシースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器方法であって、
前記遠位端アセンブリを、切頭円錐形空洞を有する圧縮導管の近位開口部内に挿入し、遠位方向に進めることであって、前記空洞は、前記近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、ことと、
前記シースを前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続された遠位コネクタに可逆的に結合することと、
前記遠位端アセンブリを前記遠位コネクタを介して前記シース内に進めることであって、前記遠位コネクタは、前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供する、ことと、を含む、方法。
【請求項20】
前記近位開口部に隣接して配設され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具を使用して、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療システムに関し、とりわけ、但し排他的ではなく、カテーテルをシースに取り込むことに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療処置は、カテーテルなどのプローブを患者の身体内に配置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、位置感知システムが開発されてきた。磁気的位置検知は、当該技術分野において既知の方法の1つである。磁気的位置検知においては、磁場発生器が、通常、患者の体外の既知の位置に配置される。プローブの遠位端内の磁界センサは、これらの磁界に応答して電気信号を生成し、これらの信号は、プローブの遠位端の座標位置を判定するために処理される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に説明されている。位置はまた、インピーダンス又は電流ベースのシステムを使用して追跡されてもよい。
【0003】
これらのタイプのプローブ又はカテーテルが極めて有用であると証明されている医療処置の1つは、心不整脈の治療におけるものである。心不整脈及び特に心房細動は、とりわけ老年人口では、一般的かつ危険な病状として存続する。
【0004】
心不整脈の診断及び治療には、心臓組織、とりわけ心内膜の電気的特性をマッピングすること、及びエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、不要な電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか又は修正することができる。アブレーションプロセスは、非導電性の損傷部を形成することによって不要な電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作るためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングの後にアブレーションを行う2工程の処置において、通常、1つ以上の電気センサを含むカテーテルを心臓の中へと前進させ、複数のポイントでデータを得ることによって、心臓内の各ポイントにおける電気活動を感知及び測定する。次いで、これらのデータを利用して、このアブレーションを行うべき心内膜の標的領域を選択する。
【0005】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは、心臓内の電気活動を刺激及びマッピングし、異常な電気活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈に挿入された後、関心の心臓の心腔内へとガイドされる。典型的なアブレーション処置は、その遠位端に1つ以上の電極を有するカテーテルを心腔に挿入することを伴う。参照電極は、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって提供され得る。RF(高周波)電流は、アブレーションカテーテルのカテーテル電極(単数又は複数)と、(カテーテル電極の1つであり得る)不関電極との間に印加され、電流は、電極の間、すなわち血液と組織との間の媒体を通って流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触している電極表面の量に依存し得る。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、非電導性である心臓組織内に損傷部が形成される。いくつかの用途では、不可逆的エレクトロポレーションを実行して組織をアブレーションすることができる。
【0006】
カテーテルは、遠位端アセンブリを含んでもよく、遠位端アセンブリは、患者の血管を通って予め挿入されたシースを通して折り畳まれた構成で挿入され、カテーテルがシースから出た後にのみ、遠位端アセンブリはその意図された機能的形状を回復する。遠位端アセンブリを折り畳まれた構成で収容することにより、シースはまた、標的位置へのその途中での血管の外傷を最小限に抑える働きをする。
【0007】
Toth等の米国特許公開第2018/0303414号は、組織の正確な治療、マッピング、及び/又は試験を行うためのシステム、デバイス、及び方法を記載している。
【0008】
Toth等の米国特許公開第2015/0289929号は、制御された交感神経切除術のためのシステム、制御されたマイクロアブレーション処置のためのシステム、制御された外科的処置を行うための方法、制御された外科的処置を低侵襲的方法で行うためのシステム及び内腔内から神経調節処置の一部として標的組織にアクセスするためのシステム及び方法を記載している。
【0009】
Chronos等の米国特許公開第2014/0296706号は、ガイドワイヤ及びカテーテルを使用して内腔の2次元又は3次元形状を評価するための感知及び伝達要素を有するバルーン又はバスケットを含む大動脈環などの管腔寸法を特徴付けるための装置を記載している。TAVIなどの様々な経皮的処置中に、生体人工弁の経皮送達のために、シース導入器装置が開発された。標的にすることが望ましいか、回避することが望ましいいずれかの解剖学的特徴を事前マーキングするためのマーカー針ディスペンサが開発されている。針は、マーカー及びスペーサ材料を装填するための中央通路又は管腔を含む。これらは、血管系を通過して血管系内に配置するのを容易にするために特定の間隔、色、形状又は画像診断基準によって特徴付けられる。止血ステント又はバルーンは、特に鎖骨下動脈を通るTAVIなどの処置のために、出血を防止し、カテーテル又は導入器シースを管腔構造に進入させる部位での閉鎖を容易にするために使用される。
【0010】
Lopes等の米国特許公開第2013/0172883号は、血管内若しくは経皮的マッピング、配向若しくはアブレーション、又はこれらの組合せを身体空洞又は管腔内で可能にするシステム、方法、及び装置を記載している。装置は、非拡張構成、すなわち屈曲又はコイル状の積層体構成と、拡張又は扇開構成との間で移動可能な複数の細長い部材を含む。細長い部材は、カテーテルシースを通って嵌合するように、非拡張構成で積層体構成を形成する。細長い部材は、シースから屈曲部又はコイル積層体構成へと前進するのにつれて、それぞれの弓状経路又は曲線状経路に追従し、渦巻き形状、渦形状又はギリシア文字のロー形状に適合する。またこの細長い部材は、はめ込まれていてもよい。細長い部材は、互いに対して、扇状に開かれ又は半径方向に離間して、円周上に配置されて、拡張構成又は扇状に開かれる構成にされる。細長い部材によって担持されたトランスデューサは、近接する組織の様々な生理学的特性、例えば温度を感知することができ、及び/又は、例えばアブレーションを行うために、近接する組織にエネルギーを印加してもよい。装置は後退可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施形態によって、生体の血管内に挿入されるように構成されたシースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器装置が提供されており、装置は、切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、近位開口部は、カテーテルの遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、空洞は近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、カテーテルが空洞内で遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、圧縮導管の遠位開口部に接続され、シースに可逆的に結合され、かつ遠位端アセンブリの圧縮された部分が圧縮導管からシース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、近位開口部に隣接して配設され、遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、対向する表面は、遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備える。
【0012】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルの遠位端アセンブリは、複数のスプラインを含むグリッド形状の遠位端アセンブリを含む。
【0013】
また更に、本開示の実施形態によれば、遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を含み、チューブの近位開口部は、圧縮導管の遠位開口部に接続され、管の遠位開口部は、シースが遠位コネクタに結合されているときシースへの出口を提供するように構成されている。
【0014】
加えて、本開示の実施形態によれば、装置は、圧縮導管の近位開口部に接続された入口傾斜面を含み、カテーテルが圧縮導管内に挿入される際にカテーテルを載置する表面を含む。
【0015】
更に、本開示の実施形態によれば、入口傾斜面の表面は、圧縮導管の近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、入口傾斜面の表面と圧縮導管の空洞との間に滑らかな移行部が存在する。
【0016】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具の対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、第1の湾曲した対向する表面は、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分に含まれ、近位保持具は、第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を含む。
【0017】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具の湾曲した要素は、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる。
【0018】
加えて、本開示の実施形態によれば、近位保持具の対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面と、第2の湾曲した対向する表面とを含む。
【0019】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具は、第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を含む湾曲した開放ループを含む。
【0020】
本開示の別の実施形態によって医療システムも提供されており、これは、生体の血管内に挿入されるように構成されたシースと、シース内に挿入されるように構成され、遠位端アセンブリを含むカテーテルと、シースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するように構成されたカテーテル導入器装置であって、切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、近位開口部は、カテーテルの遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、空洞は、近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、カテーテルが空洞内で遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、圧縮導管の遠位開口部に接続され、シースに可逆的に結合され、かつ遠位端アセンブリの圧縮された部分が圧縮導管からシース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、近位開口部に隣接して配置され、遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、対向する表面は、遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備えるカテーテル導入器装置と、を含む。
【0021】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルの遠位端アセンブリは、複数のスプラインを含むグリッド形状の遠位端アセンブリを含む。
【0022】
また更に、本開示の実施形態によれば、遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を含み、チューブの近位開口部は、圧縮導管の遠位開口部に接続され、管の遠位開口部は、シースが遠位コネクタに結合されているときシースへの出口を提供するように構成されている。
【0023】
加えて、本開示の実施形態によれば、システムは、圧縮導管の近位開口部に接続された入口傾斜面を含み、カテーテルが圧縮導管内に挿入される際にカテーテルを載置する表面を含む。
【0024】
更に、本開示の実施形態によれば、入口傾斜面の表面は、圧縮導管の近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、入口傾斜面の表面と圧縮導管の空洞との間に滑らかな移行部が存在する。
【0025】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具の対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、第1の湾曲した対向する表面は、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分に含まれ、近位保持具は、第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を含む。
【0026】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具の湾曲した要素は、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる。
【0027】
加えて、本開示の実施形態によれば、近位保持具の対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面と、第2の湾曲した対向する表面とを含む。
【0028】
更に、本開示の実施形態によれば、近位保持具は、第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を含む湾曲した開放ループを含む。
【0029】
また、本開示の更に別の実施形態によれば、生体の血管内に挿入されるように構成されたシース内に挿入するためのカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器方法も提供されており、方法は、遠位端アセンブリを、切頭円錐形空洞を有する圧縮導管の近位開口部内に挿入し、遠位方向に進めることであって、空洞は、近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、カテーテルが空洞内で遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、ことと、シースを圧縮導管の遠位開口部に接続された遠位コネクタに可逆的に結合することと、遠位端アセンブリを遠位コネクタを介してシース内に進めることであって、遠位コネクタは、遠位端アセンブリの圧縮された部分が圧縮導管からシース内に入るための通路を提供する、ことと、を含む。
【0030】
更に、本開示の実施形態によれば、方法は、近位開口部に隣接して配設され、遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具を使用して、遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
【
図1】本発明の一実施形態により構築され動作可能な生体の血管内でシースに挿入されたカテーテルの概略図である。
【
図2A】
図1のシースに挿入するために手を使って圧縮されている、
図1のカテーテルの概略図である。
【
図2B】
図1のシースに挿入するために手を使って圧縮されている、
図1のカテーテルの概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態により構築され動作可能なカテーテル導入器装置の概略図である。
【
図3B】本発明の一実施形態により構築され動作可能なカテーテル導入器装置の概略図である。
【
図3C】本発明の一実施形態により構築され動作可能なカテーテル導入器装置の概略図である。
【
図4】線A:Aに沿った
図3Cのカテーテル導入器装置の断面図であり、
図1のシースへのカテーテルの導入を示す図である。
【
図5】
図1のシースにカテーテルを導入する方法における工程を含むフローチャートである。
【
図6A】
図1のカテーテルの遠位端アセンブリの圧縮を示す概略図である。
【
図6B】
図1のカテーテルの遠位端アセンブリの圧縮を示す概略図である。
【
図6C】
図1のカテーテルの遠位端アセンブリの圧縮を示す概略図である。
【
図6D】
図1のカテーテルの遠位端アセンブリの圧縮を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
概要
グリッド形状の遠位端アセンブリを有するカテーテルは、複数の電極を含み、診断及びマッピング機能を実行するのに非常に有用である。グリッドは、それらの遠位端及び近位端で一緒に接合される複数のスプライン上に配置された電極の配置(例えば、平面配置)を含んでよい。
【0033】
使用時には、カテーテルのグリッド形状の遠位端アセンブリは、患者の血管を通って予め挿入された(又は挿入されるべき)シースを通して折り畳まれた構成で挿入され、カテーテルがシースから出た後にのみ、遠位端アセンブリは、その意図された機能的形状、例えばグリッド形状を回復する。遠位端アセンブリを折り畳まれた構成で収容することにより、シースはまた、標的位置へのその途中での血管の外傷を最小限に抑える働きをする。
【0034】
シース内に挿入されるために、グリッドは、3~10mmの内径を有するシースに嵌合するように圧縮される必要がある。グリッドが手を使って(例えば指で)押しつぶされるとき、グリッドの遠位端が広がりやすくなり、シースに挿入するのに十分にグリッドをつぶすことが非常に困難になる。
【0035】
本発明の実施形態は、カテーテルを圧縮し、シースへのカテーテルの挿入を容易にするためのカテーテル導入器装置を提供することによって、上記の問題を解決する。導入器は、カテーテルのグリッド形状の遠位端アセンブリが配置される入口傾斜面を含む。傾斜面は、傾斜面の近位端から傾斜面の遠位端に移動するにつれて内側に湾曲してよい。
【0036】
傾斜面は、切頭円錐形空洞を含む圧縮導管で終端する。空洞は、遠位開口部及び近位開口部を有する。近位開口部は、カテーテルの遠位端アセンブリをその中に受け入れる。空洞は、近位開口部から遠位端開口部まで先細にされることで、カテーテルが空洞内で遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される。
【0037】
いくつかの実施形態では、入口傾斜面の表面は、圧縮導管の近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、入口傾斜面の表面と圧縮導管の空洞との間に滑らかな移行部が存在する。
【0038】
遠位コネクタ(例えば、チューブ)が、圧縮導管の遠位開口部に接続され、シースは、遠位コネクタ、例えば遠位コネクタの外側に可逆的に結合される。遠位コネクタの内部は、圧縮導管からシース内への遠位端アセンブリの圧縮された部分のための通路を提供する。
【0039】
場合によっては、遠位端アセンブリが圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリのより近位の部分も同様に圧縮されて、遠位端アセンブリのスプラインの近位端が衝突するようになり、遠位端アセンブリが正しくつぶれなくなる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、導入器は、近位開口部に隣接する近位保持具を含み、遠位端アセンブリのより遠位の部分が圧縮されている間、遠位端アセンブリのより近位の部分が圧縮されるのを少なくとも部分的に阻止する。
【0040】
いくつかの実施形態では、近位保持具は、遠位端アセンブリの幅の少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面(例えば、上面に対向する下面)を有する。対向する表面は、遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が圧縮導管内で圧縮されている間、遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止する。いくつかの実施形態では、近位保持具は、遠位端アセンブリの一方の側のスプラインが遠位端アセンブリの他方の側のスプライン上に折り畳まれることを可能にし、その結果、遠位端アセンブリが正しく圧縮され得る。例えば、遠位端アセンブリの右側のスプラインは、左側が近位保持具の間隙内に支持される際に、遠位端アセンブリの左側のスプライン上に折り重なってよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、近位保持具の対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面(例えば、下方湾曲面)及び第2の湾曲した対向する表面(例えば、上方湾曲面)を含む。いくつかの実施形態では、第1の湾曲した対向する表面は、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分に含まれ、近位保持具は、第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、近位保持具の湾曲した要素は、湾曲した開放ループ内に含まれ、このループは、入口傾斜面の遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在することで、湾曲開放ループの第2の湾曲面は、第1の湾曲面より上に配設され、これは入口傾斜面に含まれる。
【0043】
システムの説明
次に
図1を参照されたく、これは、本発明の一実施形態により構築され動作可能な、生体16の血管14内でシース12に挿入されたカテーテル10の概略図である。シース12は、生体16の血管14内に挿入されるように構成されている。カテーテル10は、シース12に挿入されるように構成されている。カテーテル10は遠位端アセンブリ18を備える。いくつかの実施形態では、カテーテル10の遠位端アセンブリ18は、グリッド形状の遠位端アセンブリ18(例えば、平面を実質的に画定する複数のスプライン20を備える平面の遠位端アセンブリ18)を含む。各スプラインは、1つ以上の電極22(簡略化のために一部しかラベル付けされていない)を含んでよい。スプライン20は、スプライン20のいずれかが最大2mmまで並進された場合、同じ平面がスプライン20のそれぞれの長さの少なくとも70%と交差するという点において、「実質的に平面を画定する」と記載される。いくつかの実施形態では、スプライン20の長さの少なくとも50%は、プラスマイナス30度の誤差内で平行であってもよい。
【0044】
ここで
図2A~
図2Bを参照すると、これらは
図1のシース12への挿入のために手を使って圧縮されている、
図1のカテーテル10の概略図である。シース12に挿入されるために、遠位端アセンブリ18は、シース12に嵌合するように圧縮される必要があり、シースは、一例として、3~10mmの内径を有する場合がある。遠位端アセンブリ18が手を使って(例えば、指24で)押しつぶされると、グリッド形状の遠位端アセンブリ18の遠位端が広がりやすくなり、
図2A及び
図2Bに示すように、シース12に挿入するのに十分にグリッド形状の遠位端アセンブリ18をつぶすことが非常に困難になる。
【0045】
ここで、
図3A~
図3Cを参照されたく、これらは、本発明の一実施形態に従って構築され動作可能なカテーテル導入器装置26の概略図である。次に、
図4も参照されたく、これは、
図3Cの線A:Aを通るカテーテル導入器装置26の断面図であり、
図1のシース12へのカテーテル10の導入を示している。
図3A~
図3C、
図4に示される様々な図により、参照番号のうちのいくつかは、参照図面の1つ以上にのみ現れる可能性があるが、全てに現れる訳ではない。
【0046】
カテーテル導入器装置26は、シース12に挿入するためにカテーテル10の遠位端アセンブリ18を圧縮するように構成されている。
【0047】
カテーテル導入器装置26は、切頭円錐形空洞30を有し、遠位開口部32及び近位開口部34を含む圧縮導管28を備える。近位開口部34は、カテーテル10の遠位端アセンブリ18をその中に受け入れるように構成される。空洞30は、近位開口部34から遠位開口部32まで先細にされることで、カテーテル10が空洞30内で遠位方向に進められるとき遠位端アセンブリ18の連続するそれぞれの部分が圧縮される。近位開口部34の内径又は幅は、任意の好適なサイズ、例えば10~40mmの範囲であってよく、近位開口部34の外周(例えば、円周)の半分が遠位端アセンブリ18の幅にほぼ等しくなるような大きさであってもよい。遠位端アセンブリ18の幅及び厚さは、カテーテル10の伸長の方向に対して垂直に測定される寸法として定義され、幅は、厚さよりも大きい寸法である。遠位開口部32の内径又は幅は、任意の好適なサイズ、例えば3~10mmの範囲であってよい。切頭円錐形空洞30は、任意の好適な長さ(遠位開口部32から近位開口部34まで最も速い経路を取る)、例えば1~5cmの任意の好適な長さを有してもよい。
【0048】
カテーテル導入器装置26は、圧縮導管28の遠位開口部32に接続され、シース12(
図4)に可逆的に結合され、かつ遠位端アセンブリ18の圧縮された部分を圧縮導管28からシース12内へと通過させるように構成された遠位コネクタ36を備える。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、圧縮導管28の外側表面がシース12と接続し、導管28の遠位開口部32がシース12内に直接出るように、圧縮導管28と組み合わされてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、遠位コネクタ36は、遠位開口部40及び近位開口部42を有する管38を備える。管38の近位開口部42は、圧縮導管28の遠位開口部32に接続され、管38の遠位開口部40は、シース12が遠位コネクタ36に結合されたときに、圧縮されたカテーテル10のための出口をシース12に提供するように構成されている。管38は、任意の好適な内径を有してよく、例えば、圧縮導管28の遠位開口部32の内径にほぼ等しい内径を有してよい。管38は、任意の好適な外径を有してよく、例えば、シース12の内径にほぼ等しい外径を有してよい。管38は、任意の好適な長さを有してよく、例えば、2~30mmの範囲の長さを有してよい。
【0050】
カテーテル導入器装置26は、圧縮導管28の近位開口部34に接続された入口傾斜面44を備えてよい。入口傾斜面44は、カテーテル10が圧縮導管28に挿入される際にカテーテル10を載置する表面46を含む。入口傾斜面44は、平坦及び/又は湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、入口傾斜面44は、
図3A~
図3Cに示されるように、その近位端において平坦に始まり、その遠位端に向かって湾曲する。いくつかの実施形態では、入口傾斜面44の表面46は、圧縮導管28の近位開口部34に接続された遠位の湾曲した部分48を含むことで、入口傾斜面44の表面46と圧縮導管28の切頭円錐形空洞30との間に滑らかな移行部が存在する。入口傾斜面44の近位端は、任意の好適な幅、例えば、遠位端アセンブリ18の幅とほぼ同じ幅を有してよい。入口傾斜面44の遠位端は、遠位端アセンブリ18の幅にほぼ等しい湾曲した幅(遠位の湾曲した部分48の曲線に沿って測定された)を有する。入口傾斜面44は、例えば2~40mmの範囲の任意の好適な長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、入口傾斜面44は含まれない、又は圧縮導管28の切頭円錐形空洞30の一部であってもよい。
【0051】
カテーテル導入器装置26は、近位開口部34に隣接して配置された近位保持具50を備え、遠位端アセンブリ18の少なくとも一部が挿入される間隙54を画定する2つの対向する表面52(下面52-1及び上面52-1を含む)を含む。対向する表面52は、遠位端アセンブリ18のより遠位に配設された部分が圧縮導管28内で圧縮されている間、遠位端アセンブリ18の一部の圧縮(及び/又は衝突)を少なくとも部分的に阻止するように構成される。「下方」及び「上方」という用語は、カテーテル導入器装置26の操作者によるカテーテル導入器装置26の通常の使用に関して定義される。しかしながら、カテーテル導入器装置26は、任意の好適な配向で使用されてもよい。間隙54は、遠位端アセンブリ18の厚さ及び構造に応じて、対向する表面52の間で測定される任意の好適な測定値を有してよい。いくつかの実施形態では、間隙54は、1~5mmの範囲であってよい。対向する表面52の幅は、任意の好適な値を有してよい。いくつかの実施形態では、対向する表面52の幅は、遠位端アセンブリ18の幅の1/4~1/2、例えば、1/3である。概して、対向する表面52は、遠位端アセンブリ18のより遠位に配設された部分が圧縮導管28内で圧縮されている間、遠位端アセンブリ18の一部の圧縮(及び/又は衝突)を十分に阻止するために、遠位端アセンブリ18の幅にわたって十分な広さである。遠位端アセンブリ18の厚さ及び設計並びに対向する表面52間の距離に応じて、より大きい又はより小さい幅の対向する表面52が必要とされる場合がある。
【0052】
いくつかの実施形態では、近位保持具50の対向する表面52は、第1の湾曲した対向する表面52-1(例えば、下方湾曲面)及び第2の湾曲した対向する表面52-2(例えば、上方湾曲面)を含む。いくつかの実施形態では、第1の湾曲した対向する表面52-1は、入口傾斜面44の遠位の湾曲した部分48内に含まれ、近位保持具50は、第2の湾曲した対向する表面52-2を含む湾曲した要素56を備える。
【0053】
いくつかの実施形態では、近位保持具50の湾曲した要素56は、(
図3A~
図3Cに示されるように)湾曲した開放ループ内に含まれ、これは、入口傾斜面44の遠位の湾曲した部分48の一部にわたって延在することで、湾曲した開放ループの第2の湾曲面52-2は、第1の湾曲面52-1の上方に配設され、これは、入口傾斜面44に含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態では、近位保持具50は、圧縮導管28の内部に少なくとも部分的に配設されてもよい。
【0055】
次に、
図5を参照されたく、これは、
図1のシース12にカテーテル10を導入する方法における工程を含むフローチャート100である。
図4もまた参照されたい。
【0056】
方法は、遠位端アセンブリ18を圧縮導管28の近位開口部34内に挿入し遠位方向に進める(ブロック102)ことで、カテーテル10が切頭円錐形空洞30内で遠位方向に進められるとき、遠位端アセンブリ18の連続するそれぞれの部分が圧縮され、その一方で、遠位端アセンブリ18のより遠位に配設された部分が近位保持具50を使用して圧縮導管28内で圧縮されている間、遠位端アセンブリ18の一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止することを含む。
【0057】
次に、
図6A~
図6Dを参照されたく、これらの図は
図1のカテーテル10の遠位端アセンブリ18の圧縮を例示する概略図である。
図6Aは、圧縮導管28への挿入前に入口傾斜面44上に載置された遠位端アセンブリ18を示す。
図6Bは、遠位端アセンブリ18の遠位端が圧縮導管28に進入し、圧縮されているのに対して、遠位端アセンブリ18の近位端が近位保持具50を使用して圧縮するのを部分的に阻止されているのを示す。
図6Cは、大部分が圧縮導管28内にあり、圧縮されている遠位端アセンブリ18を示す。
図6Dは、圧縮状態にあるカテーテル導入器装置26の遠位コネクタ36から出ている遠位端アセンブリ18の遠位部分を示す。
【0058】
再び
図5を参照されたい。
図4もまた参照されたい。この方法はまた、シース12を遠位コネクタ36に可逆的に結合すること(ブロック104)と、遠位コネクタ36を介して遠位端アセンブリ18をシース12内に進める(ブロック106)こととを含む。この方法はまた、シース12を遠位コネクタ36から取り外すこと(ブロック108)と、生体16(
図1)の血管14(
図1)内にシース12を挿入すること(ブロック110)とを含む。工程は、任意の好適な順序で実行され得る。
【0059】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、適当の好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0060】
本発明の様々な特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されており、これらが単一の実施形態に組み合わされて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分組合せで提供されてもよい。
【0061】
上に記載される実施形態は、例として引用されており、本発明は、上記の明細書に具体的に図示及び記載されたものによって限定されない。むしろ本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組合せ及び部分的組合せの両方、並びに前述の記載を一読すると当業者が着想すると思われるそれらの変形及び修正であって、先行技術に開示されていない変形及び修正を含む。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 生体の血管内に挿入されるように構成されたシースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器装置であって、
切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、前記近位開口部は、前記カテーテルの前記遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、前記空洞は、前記近位開口部から前記遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき、前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、
前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記シースに可逆的に結合され、かつ前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、
前記近位開口部に隣接して配設され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、前記対向する表面は、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備える、カテーテル導入器装置。
(2) 前記カテーテルの前記遠位端アセンブリは、複数のスプラインを備えるグリッド形状の遠位端アセンブリを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を備え、前記管の前記近位開口部は、前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記管の前記遠位開口部は、前記シースが前記遠位コネクタに結合されているとき前記シースへの出口を提供するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記圧縮導管の前記近位開口部に接続され、前記カテーテルが前記圧縮導管に挿入される際に前記カテーテルを載置する表面を含む、入口傾斜面を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記入口傾斜面の前記表面は、前記圧縮導管の前記近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、前記入口傾斜面の前記表面と前記圧縮導管の前記空洞との間に滑らかな移行部が存在する、実施態様4に記載の装置。
【0063】
(6) 前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、前記第1の湾曲した対向する表面は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分に含まれ、前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を備える湾曲した要素を備える、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記近位保持具の前記湾曲した要素は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を備える湾曲した開放ループを含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 医療システムであって、
生体の血管に挿入されるように構成されたシースと、
前記シース内に挿入されるように構成され、遠位端アセンブリを備えるカテーテルと、
前記シースに挿入するために前記カテーテルの前記遠位端アセンブリを圧縮するように構成されたカテーテル導入器装置であって、
切頭円錐形空洞を有し、遠位開口部及び近位開口部を含む圧縮導管であって、前記近位開口部は、前記カテーテルの前記遠位端アセンブリをその中に受け入れるように構成されており、前記空洞は前記近位開口部から前記遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、圧縮導管と、
前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記シースに可逆的に結合され、かつ前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供するように構成された、遠位コネクタと、
前記近位開口部に隣接して配置され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具であって、前記対向する表面は、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止するように構成されている、近位保持具と、を備える、
カテーテル導入器装置と、を備える、医療システム。
【0064】
(11) 前記カテーテルの前記遠位端アセンブリは、複数のスプラインを備えるグリッド形状の遠位端アセンブリを含む、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記遠位コネクタは、遠位開口部及び近位開口部を有する管を備え、前記管の前記近位開口部は、前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続され、前記管の前記遠位開口部は、前記シースが前記遠位コネクタに結合されているとき前記シースへの出口を提供するように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記圧縮導管の前記近位開口部に接続され、前記カテーテルが前記圧縮導管内に挿入される際に前記カテーテルを載置する表面を含む、入口傾斜面を更に備える、実施態様10に記載のシステム。
(14) 前記入口傾斜面の前記表面は、前記圧縮導管の前記近位開口部に接続された遠位の湾曲した部分を含むことで、前記入口傾斜面の前記表面と前記圧縮導管の前記空洞との間に滑らかな移行部が存在する、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含み、前記第1の湾曲した対向する表面は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分に含まれ、前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を備える湾曲した要素を備える、実施態様14に記載のシステム。
【0065】
(16) 前記近位保持具の前記湾曲した要素は、前記入口傾斜面の前記遠位の湾曲した部分の一部にわたって延在する湾曲した開放ループに含まれる、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記近位保持具の前記対向する表面は、第1の湾曲した対向する表面及び第2の湾曲した対向する表面を含む、実施態様10に記載のシステム。
(18) 前記近位保持具は、前記第2の湾曲した対向する表面を含む湾曲した要素を備える湾曲した開放ループを含む、実施態様17に記載のシステム。
(19) 生体の血管に挿入されるように構成されたシースに挿入するためにカテーテルの遠位端アセンブリを圧縮するためのカテーテル導入器方法であって、
前記遠位端アセンブリを、切頭円錐形空洞を有する圧縮導管の近位開口部内に挿入し、遠位方向に進めることであって、前記空洞は、前記近位開口部から遠位開口部まで先細にされることで、前記カテーテルが前記空洞内で遠位方向に進められるとき前記遠位端アセンブリの連続するそれぞれの部分が圧縮される、ことと、
前記シースを前記圧縮導管の前記遠位開口部に接続された遠位コネクタに可逆的に結合することと、
前記遠位端アセンブリを前記遠位コネクタを介して前記シース内に進めることであって、前記遠位コネクタは、前記遠位端アセンブリの圧縮された前記部分が前記圧縮導管から前記シース内に入るための通路を提供する、ことと、を含む、方法。
(20) 前記近位開口部に隣接して配設され、前記遠位端アセンブリの少なくとも一部が挿入される間隙を画定する2つの対向する表面を含む近位保持具を使用して、前記遠位端アセンブリのより遠位に配設された部分が前記圧縮導管内で圧縮されている間、前記遠位端アセンブリの一部の圧縮を少なくとも部分的に阻止することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【外国語明細書】