(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074132
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】一体の端部キャップを備える膜モジュール・マニホルド
(51)【国際特許分類】
B01D 63/08 20060101AFI20220510BHJP
C02F 1/44 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
B01D63/08
C02F1/44 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178461
(22)【出願日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】17/087,119
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520199819
【氏名又は名称】オビボ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トレバー ロバート オーマン
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006HA41
4D006JA16A
4D006JA16B
4D006JA22A
4D006JA27A
4D006JA27C
4D006JB06
4D006MA03
4D006MC03
(57)【要約】
【課題】膜ろ過システムを提供する。
【解決手段】炭化ケイ素のフラット・シートろ過膜が単一部片のマニホルド/端部キャップ構造上で支持される。多数の平行なフラット・プレート膜の端部が、単一成形物であるマニホルド/端部キャップ構造の一部である細長い端部キャップ・スロットの中に嵌め込まれ、この構造が一連の膜の各端部にある。加えて、マニホルド/端部キャップを取り付けられた状態のフラット・プレート膜の束を受けるための単一部片の外部フレーム・モジュールが提供され得る。プレートの破損時、プレートが、特別な端部キャップ修理セクションと共に、取り外されて交換され得る。これにより、各モジュールのために個別の端部キャップを有するような、又はフラット・プレートを箱又はチャンバの中に嵌め入れるような、従来技術の構成に優る利点が得られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を除去することを目的として及び膜の内部に透過液を加えることを目的として外側表面のところで液体を受け取る一連の精密ろ過膜を備える膜ろ過システムであって、前記透過液がパイプを通して外へ誘導され、前記システムが、
隣り合う平行な平面構成で配置されるセラミック・フラット・プレート膜である膜と、
一連のプレートの少なくとも一方の端部のところに成形プラスチック材料の端部キャップ/マニホルド構造を有するプレート組立体の中にある膜プレートであって、前記端部キャップ/マニホルド構造が上側にある概略水平方向のヘッダ及び一連の垂直の向きの端部キャップを有し、前記端部キャップの各々がプレートの端部の上に密接に嵌め込まれて前記プレートの前記端部に接着されるスロットを備え、前記端部キャップが前記ヘッダに流体連通され、その結果、前記端部キャップが前記膜から透過液を受け取り、それにより前記プレートからの前記透過液を前記ヘッダの中まで液体的に接続する、膜プレートと、
端部キャップのところにOリングを有さない前記プレート組立体と
を備え、
前記膜プレートが前記端部キャップ/マニホルド構造により前記組立体内で維持され、Oリングを用いずに前記端部キャップ/マニホルド構造に堅固に接続されて前記端部キャップ/マニホルド構造と液密関係となる、膜ろ過システム。
【請求項2】
前記端部キャップ/マニホルド構造が単一部片として一体に成形される、請求項1に記載の膜ろ過システム。
【請求項3】
破損したプレートを交換するための交換用端部キャップ・セクションをさらに有し、前記交換用端部キャップ・セクションの各々が、前記ヘッダ・パイプの上に密接に嵌め込まれるためのカップリング又はカラーを有し、さらに、前記カップリング又はカラーと一体であって前記カップリング又はカラーから下方に延在する交換用端部キャップを有し、前記交換用端部キャップが交換用膜プレートの端部の上に密接に嵌め込まれるためのスロットを有し、それにより、破損したプレートを有するプレート組立体内の前記ヘッダ・パイプが、前記破損したプレート及びヘッダの短いセクションを取り外すために前記組立体の一体の端部キャップの両側の2つの場所で研削又は切断され得、次いで、一方の端部又は両方の端部に交換用端部キャップ・セクションを有する交換用プレートが適切な場所に配置され得、ここでは、前記交換用端部キャップ・セクションの前記カップリング又はカラーが前記ヘッダ・パイプを通して滑動させられ、接着剤により前記ヘッダ・パイプに固定される、請求項1に記載の膜ろ過システム。
【請求項4】
前記ヘッダを通す形で密接に嵌め込まれるための、前記ヘッダのための修理用カップリングをさらに有し、破損したプレートを有するプレート組立体内の前記ヘッダ・パイプが、前記破損したプレート及びヘッダの短いセクションを取り外すために前記組立体の一体の端部キャップの両側の2つの場所で研削又は切断され得、次いで、修理用カップリングが定位置に配置され得、ここでは、前記修理用カップリングが前記ヘッダを通す形で滑動させられ、それにより前記ヘッダの分離したセクションを一体に接合し、接着剤によって固定する、請求項1に記載の膜ろ過システム。
【請求項5】
前記膜ろ過システムが廃水処理プラント内の処理済みの廃水を受け取る、請求項1に記載の膜ろ過システム。
【請求項6】
マニホルドに接続される多数のフラット・プレート膜を有する廃水処理システム内で、組立体内で残りの膜プレートを維持しながら個々の破損した膜プレートを交換するための方法であって、
ヘッダ・パイプを有する、単一部片として一体に成形される端部キャップ/マニホルド構造を提供するステップであって、一連の垂直方向の向きの端部キャップが前記ヘッダ・パイプに接続され、前記端部キャップの各々が膜プレートの端部の上に密接に嵌め込まれるように構成されるスロットを備え、前記端部キャップ及び前記ヘッダ・パイプが流体的に接続され、その結果、端部キャップが膜から透過液を受け取ることができ、それにより前記透過液を前記ヘッダの中へ導くことができる、ステップと、
離間された平行の関係で、少なくとも1つの端部キャップ/マニホルド構造に対して一連のフラット・プレート膜を組み付けるステップであって、前記膜プレートの一方の端部において膜プレートの端部が前記端部キャップ・スロットの中に挿入され、プレート組立体を形成することを目的として前記スロット中で前記膜プレート端部を固定するために密閉接着剤を塗布するステップを含む、ステップと、
ろ過すべき液体の液槽内で前記プレート組立体を動作させるステップであって、その結果、前記液体が前記膜プレートの微細孔の中に引き入れられ、前記膜プレートを通して前記端部キャップの中へさらには最終的に前記ヘッダ・パイプの中まで通され、前記ヘッダ・パイプに接続されるパイプを用いて前記液体の透過液を外へ運ぶ、ステップと、
前記膜プレートのうちの1つの膜プレートの破損時、損傷時、又は不具合時、前記ヘッダ・パイプの短いセクションを取り外すステップであって、それにより、前記破損したプレートに固定される前記端部キャップを有することができるようになり、前記破損したプレートと、2つの分離したセクションのヘッダ・パイプの間のヘッダ・パイプのセクションとを取り外し、それにより、前記破損したプレートが位置していたところの前記ヘッダ・パイプの中に隙間を残す、ステップと、
(a)前記破損したプレート及び前記取り外されたセクションのヘッダ・パイプに取って代わるための交換用端部キャップ・セクションを提供するステップであって、前記交換用端部キャップ・セクションの各々が前記ヘッダ・パイプの上に密接に嵌め込まれるためのカップリング又はカラーを有し、さらに、前記カップリング又はカラーと一体であって前記カップリング又はカラーから下方に延在する端部キャップを有し、前記端部キャップが、交換用膜プレートの端部の上に密接に嵌め込まれるためのスロットを備え、さらに、交換用膜プレートを前記交換用膜プレートの交換用端部キャップ・セクションに取り付けて付着し、さらに、前記端部キャップの交換セクションの前記カップリング又はカラーを前記ヘッダ・パイプの前記隙間の中に配置し、適用される接着剤を用いて、前記カップリング又は前記カラーの両側で前記ヘッダ・パイプを前記カップリング又は前記カラーの中へ摺動させ、それにより前記ヘッダ・パイプを継ぎ合わせて前記交換用膜プレートを装着する、ステップ、又は
(b)前記ヘッダ・パイプの上に密接に嵌め込まれる修理用カップリングを提供するステップであって、さらに、前記カップリングを前記ヘッダ・パイプに対して密閉するために接着剤を用いて前記ヘッダの分離したセクションの両方の上に前記カップリングを滑動させることにより前記ヘッダの分離したセクションを再接合し、ここでは、前記破損したプレートの適切な位置に新しい膜を配置しない、ステップ
のいずれかにより、前記破損したプレートを交換するステップと
を含む方法。
【請求項7】
ヘッダ・パイプの1セクションを取り外すステップが、ジグを使用するステップ、及び一体の端部キャップにより前記破損したプレートを担持する形でヘッダ・パイプの1セクションを切り取るステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ヘッダ・パイプの1セクションを取り外すステップが、前記セクションを前記ヘッダ・パイプの残りの部分から研削又は切断するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
汚染物質を除去することを目的として及び膜の内部に透過液を加えることを目的として外側表面で液体を受け取る一連の精密ろ過膜を備える膜ろ過システムのための部品のセットであって、前記透過液がパイプを通して外へ誘導され、前記部品のセットが、
隣り合う平行な平面構成で配置されるセラミック・フラット・プレート膜である膜と、
一連のプレートの少なくとも一方の端部のところに成形プラスチック材料の一体の端部キャップ/マニホルド構造を有するプレート組立体の中にある膜プレートであって、前記端部キャップ/マニホルド構造が上側にある概略水平方向のヘッダ及び一連の垂直の向きの端部キャップを有し、前記端部キャップの各々がプレートの端部の上に密接に嵌め込まれて前記プレートの前記端部に接着されるスロットを備え、前記端部キャップが前記ヘッダに流体連通され、その結果、前記端部キャップが前記膜から透過液を受け取り、前記透過液を前記ヘッダの中に供給する、膜プレートと、
破損したプレートに取って代わるための複数の端部キャップ交換セクションであって、前記端部キャップ交換セクションの各々が前記ヘッダ・パイプの上に密接に嵌め込まれるためのカラーを有し、さらに、前記カラーと一体であって前記カラーから下方に延在する交換用端部キャップを有し、前記交換用端部キャップが交換用膜プレートの端部の上に密接に嵌め込まれるためのスロットを有する、複数の端部キャップ交換セクションと
を備え、
破損したプレートを有するプレート組立体内の前記ヘッダ・パイプが、前記破損したプレート及び前記破損したプレートの端部のところのヘッダ・パイプの短いセクションを取り外すために前記端部キャップ/マニホルド構造の一体の端部キャップの両側の2つの場所で研削又は切断され得、次いで、交換用端部キャップ・セクションを有する交換用プレートが適切な場所に配置され得、ここでは、前記交換用端部キャップ・セクションの前記カラーが前記ヘッダ・パイプを通して滑動させられ、接着剤により前記ヘッダ・パイプに固定される、
部品のセット。
【請求項10】
前記端部キャップ/マニホルド構造が単一部片としての一体の一体成形物である、請求項9に記載の部品のセット。
【請求項11】
前記プレート組立体が2つの前記端部キャップ/マニホルド構造を有し、前記端部キャップ/マニホルド構造の各々の1つが前記一連のプレートの各々の端部のところにある、請求項9に記載の部品のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜ろ過に関し、詳細には、フラット・プレート・セラミック膜からろ過後の透過水を誘導する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)のフラット・シートの供給業者の大多数は端部キャップを備えるフラット・シート・フィルタを使用する。これらの端部キャップ(本明細書では端部キャップ・タイプと称される)はOリングを有し、単一の透過液ヘッダ(permeate header)の中に挿入される。ろ水は、SiCフィルタ・プレートの外部から、プレート内部のチャンネルを通って、端部キャップの中まで移動し、さらにそこから透過液ヘッダの中まで移動する。1つ又は2つの供給業者では、端部上でフラット・プレートが箱又はチャンバの中に「嵌め入れられ(pot)」(本明細書では、嵌め入れタイプ(potted type)と称される)、その結果、水がその端部のところの空隙の中まで直接に移動する。
【0003】
端部キャップ・タイプの主要な問題は、製造及び装着するのに高いコストのかかる、不具合を生じる可能性のある多数のOリングが必要となることである。主要な利点は、個々のフラット・シート膜が破損時に個別に交換され得ることである。嵌め入れタイプの主要な問題は、フラット・シート膜を「嵌め入れる」のに使用されるポリウレタンが、水中での用途(submerged application)において、温度変化時に著しく膨張及び収縮する可能性があることである。このように拡大及び縮小することにより、脆い膜フラット・シートが割れる可能性がある。加えて、プレートを嵌め入れることにより、個々のシートが交換され得なくなる。
【0004】
いずれの用途でも同じ種類のシーラント(ポリウレタン)が通常使用され、これは端部キャップ・タイプの問題を発生させない。その理由は、シーラントの量が非常に小さく、影響が非常に小さいことである。加えて、プレートの間には小さい空間しか存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、単一部片の、また好適には一体成形の、マニホルド・端部キャップのセットを用いて上記の問題を解決する。本発明のマニホルド/端部キャップ構造を用いることにより、必要となるシーラントの量が大幅に低減され、また重要なこととして、Oリングが排除される。本発明の主要な実施例では、破損した膜プレートが交換され得、この交換では、ある種のパッチがマニホルドに係合されることになる。単一部片の一体のデザインが好ましいが、マニホルド/端部キャップ構造は、密閉関係で一体に組み立てられる複数の部片で形成されてもよい。
【0006】
加えて、本発明は、一実施例では、各端部のところでマニホルド/端部キャップ構造ユニットによって保持される組立体内ですべての膜を受ける単一部片の外部フレーム・モジュールを有することができる。20個若しくは25個の膜を例えば有することができる組立体が、モジュール式のフレームを端部キャップ/マニホルド・ユニットに係合させてそれにより使用時に膜プレートのための高剛性の構造支持を実現するのを補助することになるような位置まで降下させられる。
【0007】
本発明の重要な目的は、一連の膜プレートに効率的に取り付けられ、個々の膜の交換を可能にし、構造の信頼性及び堅牢性の高い、一体の端部キャップ/マニホルド構造を提供しながら、フラット・プレート・セラミック膜組立体においてOリングを排除することである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のマニホルド/端部キャップ・ユニットにより両端部で保持される、一連のセラミック・フラット・プレート膜の組立体又はカセットを示す斜視図である。
【
図2】本発明のマニホルド/端部キャップ・ユニットを示す上面図である。
【
図4】セラミック膜プレート中の損傷したプレートを示している、
図1の組立体を示す平面図である。
【
図5】取り外されている損傷したプレートを示している、
図4の同様の図である。
【
図6】本発明による、カッティング・ジグの補助を受ける、破損した膜プレートの取り外しを示す立面断面図である。
【
図7】端部キャップ/マニホルドの上に係合されたカッティング・ジグを示す詳細な拡大上面図である。
【
図9】本発明の交換用プレート端部キャップを示す斜視図である。
【
図9A】
図9に示されるデバイスの代替形態としての修理用カップリングを示す斜視図である。
【
図10】損傷したプレートの取り外し及び交換を3段階で示している、端部キャップ/マニホルドによって保持されるプレートの組立体又はカセットを示す斜視図である。
【
図11】
図1の組立体プレートを受けるための、外部フレーム・モジュールを示す斜視図である。
【
図12】外部フレーム・モジュール内で保持されるプレート組立体の積み重ね及び編成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面中で、
図1は、プレート集合体の各端部のところに1つずつある端部キャップ/マニホルド14によりユニットとして一体に保持される多数のフラット・プレート・セラミックろ過膜12(例えば、約20個若しくは25個のプレート)の組立体又はカセット10を示す。いくつかの事例では、プレートの一方の端部のキャップが外されていてよく、その結果、プレートの一方の端部でのみプレートから透過液を受け取るために端部キャップ/マニホルド構造が接続されており、もう一方の端部が適切な手法で支持又は保持される。各プレートは、各端部のところでマニホルド/端部キャップ構造のスロット内で受けられる端部を有する。
【0010】
図2は端部キャップ/マニホルド14を示す上面図であり、
図3はやはり、膜に係合された状態のこれらの端部キャップ/マニホルド14をより詳細に示す。各マニホルド/端部キャップ構造14は、透過液収集パイプであるヘッダ16(ヘッダ・パイプと呼ばれる場合もある)と、ヘッダ16の内部に接続されて連通される一連の端部キャップ18とを有する。各端部キャップは細長く、膜の全高であり、膜プレートの端部の上に密接に嵌め込まれて膜プレートの端部を受けるようにサイズ決定されるスロット20を画定する。膜プレート12の端部は開いており、透過液を端部キャップの中に供給し、ここでは、従来技術の端部キャップをダクト又はパイプに接続するのに通常適用されるセメントを使用して、端部キャップが膜プレートに堅固に接着されている。図面で見てとれるように、端部キャップ18の下流の構造がネック22の方に向かって狭くなっており、ネック22は膜プレート及び端部キャップの全高さを延長しており、ネック22は頂部のところでヘッダ・パイプ16に接続されており、それにより液体をこのヘッダの中に供給する。好適には、端部キャップ/マニホルド・ユニット14の構造全体は、Noryl、又はNylon-ABSの混合物などの適切なプラスチック材料の、或は下水処理の可能性のある適用環境の場合に安全である他の丈夫なプラスチックの、単一部片として一体成形される。
【0011】
端部キャップ上の狭いネック22は可撓性を提供する。ネック22によりヘッダ・パイプ16から離れた状態で膜プレートが端部キャップ18に固定されることにより、ある程度制限される形でプレートが屈曲する又は撓むことが可能となり、端部キャップがそれらの頂部のところでヘッダ・パイプ16に液体連通されるように接続されていることにより、プレートが堅固に保持されるが、ある程度撓むことが可能であり、それにより破損することが回避される。さらに、端部キャップ18は底部において又は他の場所において一体に接続され得、それにより剛性を向上させる。実例として、マニホルド/端部キャップ構造が
図7のように寸法決定される場合、ネックは約7mmの幅を有し、ヘッダ・パイプの垂直接線から約4~5mm突出してよい。
【0012】
図1、2、及び3を含めた図面は、各端部キャップ/マニホルド14の上にある出口ダクト24を示す。これらの出口ダクト24は、通常は一連の組立体からの、透過液を除去するための導管又はパイプに接続されるためのものである。示されるように、これらの出口ダクトは、液密接続のための数個の大きいOリング(図示せず)を装備する。しかし、端部キャップ18はOリングを必要としない。従来技術では、端部キャップは、端部キャップをパイプ又は透過液ヘッダに固定する多数の小さいOリングを備え、したがってOリングの一部がしばしば不具合を生じる。
【0013】
図4は組立体10を平面図で示しており、対して、
図5は同じ組立体を示しているが、ここでは損傷した膜プレート26が取り外されている。
図5から10は、損傷したセラミック・プレートの取り外し及び交換の手順を示す。フラット・プレート膜12のうちの1つの立面断面図である
図6では、ジグ28がマニホルド/端部キャップ・ヘッダ16の上に係合された状態で示される。ジグ28は、
図7、8、及び10にも示される。
図6のジグ28の図も断面であることに留意されたい。
図7はジグの使用をさらに示しており、
図8はジグ自体を示している。
図6では弓のこ刃の切断線30も示されており、ここでは、ジグが、ヘッダの1セクションを受けるためのヘッダ16を通る切断のための誘導を提供する。
図10に示されるように2回の平行な切断が行われ、その結果、ヘッダから隙間が切り出される。この隙間は端部キャップの狭いネック22の両側でヘッダを包囲するのに十分な幅を有する。このネックは一実例では約7mmの幅を有する。両方のヘッダ16が
図10に示されるように切断され、それにより各ヘッダが分離されて2つの部片となり、各部片が残りの膜プレート12を保持する。損傷したプレート26は、
図10では、単純に、取り付けられたその端部キャップと共に、及び各端部に1つずつあるヘッダの短いセクションと共に、このプレートを持ち上げることにより、取り外されている。
【0014】
必要に応じて、ヘッダ・パイプを通る切断がジグを用いずに行われてもよく、したがって、ブレードではなくグラインダが使用されてもよい。
【0015】
図7は、カッティング・ジグ28が係合された状態の、端部キャップ/マニホルド14をより詳細に示す。この図では、切断が行われており、ヘッダ/端部キャップのセクションが取り外されている。この図面は、端部キャップ/マニホルド構造14の一体の端部キャップが成形により可能となる範囲で可能な限りに一体に非常に接近しており、約1mm未満の空間によって分離されることを示す。これらは成形時に接合されていてもよいが、プレートの取り外し及び交換をより良好に促進するためには、好適には分離されているか又は上で言及したように最小限度でのみ接続されている。
【0016】
図10は、各端部のところにある特別な端部キャップ交換セクション32を備える交換用プレート31を示す。端部キャップ又は端部キャップ交換セクション32は
図9にも示されており、これはセラミック・プレートに取り付けられる前の状態である。
【0017】
図10は、損傷した又は欠陥のあるプレート26がプレートの組立体から取り外されて隙間を残した状態で、特別な端部キャップ32を備える交換用プレート31が定位置まで移動させられた状態を示す。端部キャップ32の環状カラー34を受け入れるためにマニホルド16が離間され得る。端部キャップ32の環状カラー34は、隙間より大きい幅を有し、つまり取り外されたマニホルドの部分より大きい幅を有する。次いで、このマニホルドのセクションがカラーを通す形で定位置に戻され、カラーをマニホルドに永久的に取り付けるために接着シーラントが塗布される。上記のような、約7mmの幅を有するネックを備える端部キャップ/マニホルド構造の場合、カラー34は約19mmの幅を有することができる。
【0018】
さらに、膜プレートを取り外した後、欠陥のある膜プレートを交換することなくヘッダ16内の損傷部を単純に修理することも可能である。
図9Aに示されるようなカップリング・スリーブがヘッダの分離したセクションを再接合する。
【0019】
図7は、好適には射出成形により構造を成形するために可能な限り接近する形でわずかにのみ離間される端部キャップ18を示す。上述したように、端部キャップ18はそれらの間に隙間を有さないように実際に接続されていてもよく、ヘッダ・パイプ14のこのセクションを抜き取るために端部キャップの間を切断するためにのこ刃が使用され得る。
【0020】
図11及び12は、
図1に示されるような端部キャップ/ヘッダ14を備えるプレート12の組立体又はカセットを受けるように構成される、好適にはプラスチックの一体成形物である単一部片の外部フレーム・モジュール38を示す。図面により明らかにされるように、モジュール38の内部端壁40は、好適には、一連の垂直方向に延在する平行な溝42を有し、端部キャップ14の外側端部44がこれらの溝42の中へ摺動することができ、それにより、この目的のために追加の構造が必要である場合にモジュールに堅固に且つ補助的に嵌め込まれる。
図12は、隣り合う形で積み重ねられる構成で配置される4つのプレート収容モジュール38を備える、モジュール内に収容されるプレートの組立体を示す。これらのプレートのセットのすべてからの透過液は、出口ダクト24に接続されるパイプ内で外へ運ばれ得る。流出ダクト24を介して膜に吸引力が適用される。
【0021】
上述の好適な実施例は本発明の原理を説明することを意図され、本発明の範囲を限定することを意図されない。これらの好適な実施例に対しての他の実施例及び変形形態は当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われ得る。
【外国語明細書】