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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074162
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】スライド面状体装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/82 20060101AFI20220510BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
E04B2/82 501E
E04B2/74 561J
E04B2/74 561A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038957
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2020181154の分割
【原出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ハーフォード アレキザンダー
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(57)【要約】
【課題】
一対のレール部材及びスライド面状体を幅方向に並べてビームに取付けることができるスライド面状体装置を提供する。
【解決手段】
下方に開口する断面C字状のC字下溝32が長手方向に沿って形成されたビーム3に取付けられるスライド面状体装置であって、C字下溝32に配置される基部材831と、基部材831からC字下溝32の開口部32cを通って下方に延びる垂下部材832と、を備え、ビーム3の長手方向に沿って移動可能なスライド面状体81をそれぞれ吊支する2つのレール部材82,82が垂下部材832を挟んだ幅方向両側で垂下部材832に支持されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開口する断面C字状のC字下溝が長手方向に沿って形成されたビームに取付けられるスライド面状体装置であって、
前記C字下溝に配置される基部材と、前記基部材から前記C字下溝の開口部を通って下方に延びる垂下部材と、を備え、
前記ビームの長手方向に沿って移動可能なスライド面状体をそれぞれ吊支する2つのレール部材が前記垂下部材を挟んだ幅方向両側で該垂下部材に支持されているスライド面状体装置。
【請求項2】
前記垂下部材には、前記ビームの幅方向両側に張り出す一対の支持部が設けられ、前記支持部は、前記基部材に対して上下方向に相対移動可能に設けられており、
前記2つのレール部材は、前記一対の支持部と前記ビームの下面との間で上下方向に狭持されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド面状体装置。
【請求項3】
前記ビームは、その両側面から下方に延びる一対の裾板部を有し、前記一対の裾板部の間に前記2つのレール部材が収容されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスライド面状体装置。
【請求項4】
前記2つのレール部材は、前記一対の裾板部にそれぞれ接触していることを特徴とする請求項3に記載のスライド面状体装置。
【請求項5】
前記一対の支持部は、前記垂下部材から幅方向外側に向かって下方に傾斜する支持面をそれぞれ有していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のスライド面状体装置。
【請求項6】
前記ビームの側面には、側方に開口する断面C字状のC字側溝が長手方向に沿って形成されており、前記C字側溝には、前記ビームの側面を被覆するカバー部材が係止されており、前記カバー部材は前記裾板部を覆うように下方まで延びることを特徴とする請求項3または4に記載のスライド面状体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド面状体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、展示場、病院、学校などの広い室内空間に、多目的空間を区画形成するために、複数のビームにより独立した空間を区画する空間構造体が用いられている。このような空間構造体は、躯体等から垂下させた吊具により水平に吊持された複数のビームにより独立した空間を区画する天吊りタイプの空間構造体や、複数の支柱を連結する複数のビームにより独立した空間を区画する立設タイプの空間構造体等が知られている。
【0003】
特許文献1に示される空間構造体は、床面から立設する複数の支柱の上端同士が水平方向に延びるビームにより連結されている。空間構造体における隣り合う支柱と、それらを繋ぐビームと、床面とで囲まれた部分には、間仕切りパネルが取付け可能となっており、室内空間を所定の大きさの空間に区画している。
【0004】
各ビームの側面には、側方に開口する凹溝が長手方向に沿って形成されており、凹溝は、ビーム同士を連結する際に使用する連結具や、例えば棚やパネル等の種々のオプション部材が着脱可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6712854号公報(第9頁、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の空間構造体にあっては、ビーム同士の連結やオプション部材の取付けを長手方向に延びる凹溝を利用して任意の位置で行うことができるため、拡張性に優れている。このような特許文献1の空間構造体にあっては、ビームがアルミ等の金属により構成されているが、空間構造体が設置される周辺環境の色と調和しない場合があったため、ビームの色を周辺環境の色に合わせたいという要望があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、一対のレール部材及びスライド面状体を幅方向に並べてビームに取付けることができるスライド面状体装置を提供することを目的とする。
[好適な実施態様]
【課題を解決するための手段】
【0008】
側方に開口する断面C字状のC字側溝が長手方向に沿って形成されたビームにより空間を区画する空間構造体であって、
前記ビームの長手方向に延び該ビームの側面を被覆する装飾部と、前記装飾部の裏面に設けられ前記C字側溝に着脱可能に係止される係止部と、により構成されるカバー部材を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、既存のC字側溝に係止部を係止させることでカバー部材がビームの側面に着脱可能に取付けられるので、カバー部材の装飾部の色を選択することによりビームの側面に周辺環境に調和する色を簡便に付与することができる。
【0009】
前記ビームには、前記C字側溝の開口部の上下端縁から互いに近づく方向に延びる一対の対向片が設けられており、前記係止部には、前記一対の対向片の裏面にそれぞれ係止される爪部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、C字側溝を構成する一対の対向片の裏面に係止部の各爪部がそれぞれ係止されるので、カバー部材がビームから離れる方向への移動を規制できる。
【0010】
前記装飾部の裏面には、長手方向に延び、かつ前記ビーム側に開口する嵌合溝が形成された取付部が設けられており、前記取付部の嵌合溝に前記係止部が嵌合配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、取付部の長手方向の任意の位置に係止部を嵌合配置できるので、長手方向の長さが異なる装飾部に対して係止部をバランスよく配置することができる。
【0011】
前記取付部は、1枚の板部材により構成されており、該取付部の上下端部は、それぞれ前記ビーム側に折り曲げられていることを特徴としている。
この特徴によれば、取付部を構成する板部材の強度が高くなっているため、取付部が配置される装飾部にビーム側への外力が加わっても装飾部の変形を防止できる。
【0012】
前記装飾部は、1枚の板部材により構成されており、該装飾部の上下端部は、それぞれ前記ビーム側に折り曲げられていることを特徴としている。
この特徴によれば、装飾部の上下端部の強度が高くなっているため、装飾部の上下端部に外力が加わっても装飾部の変形を防止できる。
【0013】
前記ビームの側縁には、上方に立ち上がる立設片が設けられており、前記装飾部の上端部には、前記立設片の上端に上方から嵌合する嵌合部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、立設片の上端に嵌合部を嵌合させることでビームに対する装飾部の上下位置を位置決めすることができる。
[好適な実施態様]
【0014】
複数の支柱と、前記支柱間に連結されるビームと、により空間を区画する空間構造体の前記ビームにブラケットを介して天板が取付けられることで構成されるカウンターであって、
前記ブラケットは、前記ビームの上部に長手方向に沿って形成された上方に開口する凹溝の底部または該凹溝の側壁部に固定されるとともに上端が前記凹溝の開口よりも上方に配置される基部と、前記基部の上端から前記ビームの側方に略水平に張り出す天板支持部と、を備えている。
これによれば、ブラケットの基部を凹溝に収めることができるとともに、天板支持部は基部の上端から凹溝の側壁部の上端を越えてビームの側方に張り出して略水平に延びるので、天板の下方に配置される天板支持部の高さ方向の寸法を抑えることができ、天板の下の空間を広く使用できる。
【0015】
前記基部は、前記凹溝の底部に固定される底部と、前記底部の側縁から前記凹溝の側壁部に沿って上方に延びる側部と、を備える。
これによれば、ブラケットの側部が凹溝の側壁部に寄せて配置されているので、ブラケットの底部を凹溝の底部に上方から挿入して固定しやすく、かつブラケットは凹溝の底部、側壁部に沿って配置されているので凹溝の大部分を配線スペースとして利用できる。
【0016】
前記凹溝の底部には、上方に開口する断面C字状のC字上溝が長手方向に沿って形成されており、前記底板部は、前記C字上溝に配置される取付金具に固定されている。
これによれば、C字上溝の長手方向の任意の位置に取付金具を配置できるので、ビームに対するブラケットの位置を自由に変更できる。
【0017】
前記底部は、前記取付金具に対してボルトにより固定されている。
これによれば、ボルトによりブラケットを取付金具に対して簡便にかつ強固に固定できる。
【0018】
前記天板は前記ビームの幅方向に配置される一対のブラケットの各天板支持部に支持される。
これによれば、一対のブラケットによりビームに対して幅方向の2点で天板が支持されるため、一対のブラケットの基部から凹溝の底部に対して各天板からの反対方向のモーメントが作用してトータルのビームに作用するモーメントが小さく、天板を安定して支持することができる。また、一対のブラケットを別個に微調整してビームに固定できるので、組立精度が高い。
【0019】
前記一対のブラケットは、互いの水平方向の相対移動を規制する凹凸嵌合部を有している。
これによれば、凹凸嵌合部により一対のブラケットの水平方向の相対移動が規制されるので、一対のブラケットと天板とを正確に位置合わせできる。
【0020】
前記ビームの側面には、側方に開口する断面C字状のC字側溝が長手方向に沿って形成されており、
前記ビームの長手方向に延び該ビームの側面を被覆する装飾部と、前記装飾部の裏面に設けられ前記C字側溝に着脱可能に係止される係止部と、により構成されるカバー部材が前記ビームの側面に取付けられている。
これによれば、C字側溝に係止部を係止させることでカバー部材がビームの側面に取付けられるので、カバー部材の装飾部によりビームの側面に周辺環境に調和する色を簡便に付与することができる。
【0021】
前記天板には、上下方向に貫通し前記凹溝に連通する貫通溝が形成されている。
これによれば、凹溝から貫通孔を通じて天板上に配線を取り出すことができる。
【0022】
側方に開口する断面C字状のC字側溝が長手方向に沿って形成された複数のビームにより空間を区画する空間構造体の前記ビームに取付けられるスライド面状体装置であって、
前記ビームの側面には、該ビームの長手方向に延びるフレーム材が前記C字側溝に配置される取付金具を介して固定されており、
前記フレーム材は、下方に開口するレール溝が長手方向に沿って形成されており、前記レール溝には、長手方向に移動可能なスライド面状体が吊支されている。
これによれば、C字側溝に配置された取付金具を利用してビームの側面にフレーム材が固定され、そのフレーム材のレール溝の下方にスライド面状体が吊支される構成であるので、ビームに対するスライド面状体の揺動を抑制することができる。
【0023】
前記ビームには、前記C字側溝の開口部の上下端縁から互いに近づく方向に延びる一対の対向片が設けられており、
前記一対の対向片は、前記取付金具にボルトが螺合されることで、前記取付金具と前記フレーム材とにより狭持されている。
これによれば、取付金具とフレーム材とにより一対の対向片を幅方向に狭持するため、フレーム材をビームに対して強固に固定できる。
【0024】
前記C字側溝よりも下方に位置する前記ビームの側面と前記フレーム材の側面とが面当接している。
これによれば、C字側溝よりも下方に位置するビームの側面とフレーム材の側面とが面当接しているので、ビームに対するフレーム材の回動・捻れが規制されフレーム材をビームに安定的に固定できる。
【0025】
前記ビームの側面には、前記C字側溝が上下方向に2つ形成されており、
下方の前記C字側溝には前記取付金具を介して前記フレーム材が固定され、
上方の前記C字側溝には前記ビームの側面を被覆するカバー部材が係止されており、
前記カバー部材は前記フレーム材まで下方に延びている。
これによれば、カバー部材によりビームの側面に周辺環境に調和する色を簡便に付与することができるとともに、カバー部材はフレーム材まで延びているので、フレーム材とカバー部材の間からビームが露見することなく美観に優れる。
【0026】
前記課題を解決するために、本発明のスライド面状体装置は、
下方に開口する断面C字状のC字下溝が長手方向に沿って形成された複数のビームにより空間を区画する空間構造体の前記ビームに取付けられるスライド面状体装置であって、
前記C字下溝に配置される基部材と、前記基部材から前記C字下溝の開口部を通って下方に延びる垂下部材と、を備え、
前記ビームの長手方向に沿って移動可能なスライド面状体をそれぞれ吊支する2つのレール部材が前記垂下部材を挟んだ幅方向両側で該垂下部材に支持されている。
これによれば、C字下溝並びに基部材及び垂下部材を利用して、一対のレール部材及びスライド面状体を幅方向に並べてビームに取付けることができる。
【0027】
前記垂下部材には、前記ビームの幅方向両側に張り出す一対の支持部が設けられ、前記支持部は、前記基部材に対して上下方向に相対移動可能に設けられており、
前記2つのレール部材は、前記一対の支持部と前記ビームの下面との間で上下方向に狭持されている。
これによれば、2つのレール部材を一対の支持部とビームの下面との間で一緒に狭持できるので、2つのレール部材をビームの下方に強固かつ簡便に取付けることができる。
【0028】
前記ビームは、その両側面から下方に延びる一対の裾板部を有し、前記一対の裾板部の間に前記2つのレール部材が収容されている。
これによれば、一対の裾板部により2つのレール部材が側方から露見しないので美観に優れる。また、2つのレール部材を互いに近付けて引き違い構造とすることができ、かつビームよりも側方に張り出さないため、コンパクトに構成できる。
【0029】
前記2つのレール部材は、前記一対の裾板部にそれぞれ接触している。
これによれば、2つのレール部材が一対の裾板部にそれぞれ接触しているので、レール部材をビームに強固に固定できるとともに、レール部材が一対の支持部とビームの下面との間から落下することを防止できる。
【0030】
前記一対の支持部は、前記垂下部材から幅方向外側に向かって下方に傾斜する支持面をそれぞれ有している。
これによれば、一対の支持部とビームの下面との間で2つのレール部材が狭持された状態にあっては、各支持面により各レール部材が一対の裾板部に押し付けられるので、2つのレール部材をビームに対して強固に取付けることができる。
【0031】
前記ビームの側面には、側方に開口する断面C字状のC字側溝が長手方向に沿って形成されており、前記C字側溝には、前記ビームの側面を被覆するカバー部材が係止されており、前記カバー部材は前記裾板部を覆うように下方まで延びる。
これによれば、カバー部材によりビームの側面に周辺環境に調和する色を簡便に付与することができるとともに、カバー部材は裾板部まで延びているので、側方から裾板部が露見することなく美観に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例1における空間構造体を示す斜視図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3】本発明の実施例1におけるカバー部材を裏面側から見た斜視図である。
図4図1のB-B断面図である。
図5】カウンターの構造を示す分解斜視図である。
図6】(a)は第1ブラケットの構造を示す斜視図、(b)第2ブラケットの構造を示す斜視図、(c)は第1ブラケットと第2ブラケットを組み合わせた状態を示す上面図である。
図7図1のC-C断面図である。
図8】本発明の実施例2における空間構造体を示す斜視図である。
図9】(a)はスライドパネル装置の閉状態を示す側面図、(b)はスライドパネル装置の開状態を示す側面図である。
図10図8のD-D断面図である。
図11】本発明の実施例3における空間構造体を示す斜視図である。
図12】(a)はカーテン装置の閉状態を示す側面図、(b)はカーテン装置の中央を開状態とした形態を示す側面図、(c)はカーテン装置の片側を開状態とした形態を示す側面図である。
図13図11のE-E断面図である。
図14】実施例3のカーテン装置の別形態を示す縦断面図である。
図15】本発明の変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係るスライド面状体装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0034】
実施例1に係る空間構造体につき、図1から図7を参照して説明する。以下、図2の紙面手前側を空間構造体の正面側(前方側)とし、正面側からみて左右を空間構造体の左右側として説明する。
【0035】
図1に示されるように、空間構造体1は、オフィス、展示場、病院、学校などの広い室内の空間に独立性の高い空間を区画するために設置されるものであり、例えば、ミーティングスペースとして活用される。
【0036】
本実施例の空間構造体1は、床面から立設する複数の支柱2と、水平方向に延び隣り合う支柱2同士の連結する複数のビーム3と、各ビーム3の側面3f(図2参照)を被覆するカバー部材4と、から主に構成されており、隣り合う支柱2同士を連結するビーム3を利用して取付けられる固定パネル5A,5Bと、隣り合う支柱2同士の所定の高さ位置を連結するビーム(図6参照)を利用して設けられるカウンター装置6と、が付加的に取付けられている。このように、ビーム3は、支柱2同士の上端を連結するものに限られず、支柱2の高さ方向の任意の位置に取付けることができるようになっている。
【0037】
先ず、空間構造体1に関する基本的な構造について説明する。
【0038】
図1に示されるように、支柱2は、アルミ材の押出加工により製作された上下方向に延びる長尺部材であり、床面から室内の天井面よりも低い位置まで延びている。すなわち、支柱2の上端と天井面とは上下方向に離間している。尚、支柱2の上端が天井面に当接するものであっても良いことは言うまでもない。
【0039】
ビーム3は、アルミ材の押出加工により製作された水平方向に延びる長尺部材であり、隣り合う支柱2同士の各対向面にビーム3の長手方向両端が接続されている。
【0040】
図2に示されるように、ビーム3には、その両側縁から上方に立ち上がる立設片としての立設片部3b,3bが設けられている。これにより、ビーム3の上部には、上方に開口する上向き凹溝3Aが長手方向に沿って形成されている。
【0041】
上向き凹溝3Aの底部3aには、上方に開口する断面C字状のC字上溝31がビーム3の長手方向に沿って形成されている。ビーム3は、C字上溝31を構成する両側面、すなわち左右の対向面31a,31aの上端縁から互いに近づく方向、すなわち幅方向に延びる一対の対向片31b,31bを有しており、対向片31b,31bの間にC字上溝31の開口部31cが形成されている。
【0042】
また、ビーム3には、その両側縁から下方に垂下する裾板部3d,3dが設けられている。これにより、ビーム3の下部には、下方に開口する下向き凹溝3Bが長手方向に沿って形成されている。また、各裾板部3dの下端部3eは、互いに近づく方向に延びるように設けられている。
【0043】
下向き凹溝3Bの底部3cには、下方に開口する断面C字状のC字下溝32が長手方向に沿って形成されている。ビーム3は、C字下溝32を構成する両側面、すなわち左右の対向面32a,32aの下端縁から互いに近づく方向、すなわち幅方向に延びる一対の対向片32b,32bを有しており、対向片32b,32bの間にC字下溝32の開口部32cが形成されている。
【0044】
ビーム3の両側面3f,3fには、側方に開口して長手方向に延びる断面C字状のC字側溝33,34が上下方向に離間して2条ずつ設けられている。尚、以下、上のC字側溝をC字側溝33と称し、下のC字側溝をC字側溝34と称する。
【0045】
ビーム3は、C字側溝33を構成する上面及び下面、すなわち、上下の対向面33a,33aの開口側端縁から互いに近づく方向、すなわち上下方向に延びる一対の対向片33b,33bを有しており、対向片33b,33bの間に開口部33cが形成されている。尚、C字側溝34はC字側溝33と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0046】
これらビーム3のC字上溝31、C字下溝32、C字側溝33,34は、後に詳述する固定パネル5A,5Bや、棚や照明などの機能性を有する各種オプション部材を取付ける取付溝として使用することができるようになっている。
【0047】
カバー部材4は、ビーム3の両側面3f,3fにそれぞれ取付けられている。尚、両方のカバー部材4は同一構成であるため、一方のカバー部材4のみ説明する。
【0048】
図2及び図3に示されるように、カバー部材4は、ビーム3の側面3fの全面を被覆する装飾部としての装飾部材41と、装飾部材41の裏面に設けられかつビーム3側に開口して長手方向に延びる嵌合溝42が形成された取付部としてのC字状部材421と、嵌合溝42に嵌合配置される係止部としての係止部材43と、装飾部材41の上端部41aに沿って設けられビーム3の立設片部3bの上端に上方から外嵌する嵌合部44と、から主に構成されている。C字状部材421と係止部材43は本発明の係止部である。
【0049】
装飾部材41は、1枚の金属製の薄板から構成されており、その表面には、空間構造体1の周辺環境に合わせた色や模様などがプリントされた図示しないシート(例えば種々の木目調のシート等)が貼付されている。この装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bは、略L字状をなしており、鉛直方向に延びる該装飾部材41の表面基部41cからビーム3側に折り曲げられて形成されている。すなわち、装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bは、表面基部41cからビーム3側に水平に延びる水平部位411a,411bと、ビーム3側の端部から直交して上下に延び表面基部41cに対向する鉛直部位412a,412bとを有している。
【0050】
嵌合溝42は、1枚の金属製の板部材を折り曲げることで形成されたC字状部材421により構成されている。C字状部材421は、装飾部材41の表面基部41cに沿って延びる鉛直部421aと、鉛直部421aの上下端部からビーム3側に平行に延びる水平部421b,421bと、水平部421b,421bの端部から互いに近づく方向に上下に延びる対向部421c,421cと、を備え、対向部421c,421cの間が嵌合溝42の開口部となっている。
【0051】
これら装飾部材41及びC字状部材421は、前後方向の端部、すなわち長手方向の端部が開口している。
【0052】
係止部材43は、合成樹脂成型品により構成されており、C字状部材421の長手方向に適宜離間して複数配置されるようになっている(図3においては係止部材43を1つのみ示している。)。係止部材43は、正面視コ字状のベース部431と、ベース部431の開口側両端部から近づく方向に延びた後ビーム3側に水平にそれぞれ延びる正面視略L字状の延設部432,432と、延設部432,432の自由端部から互いに離れる方向、すなわち上下方向にそれぞれ延びる爪部433,433と、から構成されている。
【0053】
各爪部433におけるビーム3側の表面433aは、爪部433における嵌合溝42側の裏面433bと略平行である。また、爪部433は、その裏面433bから表面433aに向けて先細りする傾斜面433cを有している。
【0054】
この係止部材43は、C字状部材421の嵌合溝42の長手方向端部のいずれかの開口から嵌合溝42内に遊挿されるようになっている。係止部材43が嵌合溝42に配置された状態にあっては、ベース部431はC字状部材421の開口部に設けられた上下に延びる対向部421cによりビーム3側への抜け出し防止されているとともに、各延設部432が嵌合溝42の開口部を通ってC字状部材421の外側に延びており、各爪部433,433はC字状部材421の対向部421cよりもビーム3側に配置される。尚、係止部材43がC字状部材421の長手方向に配置される数・位置は自由に変更できる。さらに尚、係止部材43はC字状部材421の長手方向に複数配置されるものに限られず、例えば、係止部材43の爪部433が長手方向に十分な長さを有していれば1つのC字状部材421に対して1つの係止部材43が配置されていてもよい。
【0055】
嵌合部44は、装飾部材41の上端部41aの鉛直部位412aと、装飾部材41の上端部41aに固定されるL字部材441と、により下方に開口して構成されている。L字部材441は、装飾部材41の上端部41aの水平部位411aの上面に沿って延びる水平部位441aと、水平部位441aの先端から下方側に延びる鉛直部位441bと、を有している。
【0056】
L字部材441の水平部位441aは、装飾部材41の水平部位411aの上面に溶接等により固定されており、L字部材441の鉛直部位441bは、装飾部材41の鉛直部位441bよりもビーム3側に離間して配置されている。
【0057】
カバー部材4を取り付けるには、図2の紙面右側に示されるように、カバー部材4は、嵌合部44を立設片部3bの上端に上方から嵌合し、嵌合部44を支点としてカバー部材4の下端部をビーム3に近付けるように揺動させることで、ビーム3のC字側溝33に係止部材43が係止されてビーム3に取付けられる。
【0058】
また、カバー部材4を取り外すには、図示しないが、カバー部材4がビーム3に取付けられた状態において、嵌合部44が立設片部3bの上端から外れるまでカバー部材4を上方に持ち上げると、係止部材43の上の延設部432が弾性変形されるとともに、下の爪部433とC字側溝33との係合が解除され、その状態でカバー部材4を傾けながら斜め下方に引き下ろすことでカバー部材4をビーム3から取外すことができるようになっている。
【0059】
このように、ビーム3に設けられた既存のC字側溝33に係止部材43を係止させることでカバー部材4がビーム3の側面3fに着脱可能に取付けられるので、カバー部材4の装飾部材41によりビーム3の側面3fを被覆して空間構造体1の周辺環境に調和する色を簡便に付与することができる。
【0060】
また、カバー部材4をビーム3に取付ける際には、係止部材43における各爪部433の傾斜面433cがC字側溝33の開口部33cを構成する一対の対向片33b,33bの縁部に接触することで、傾斜面433cがガイドとして機能するとともに、延設部432,432が互いに近付く方向に弾性変形するため、各爪部433をC字側溝33内に配置しやすい。
【0061】
また、各爪部433がC字側溝33内に配置された状態にあっては、各爪部433が弾性復帰し、各爪部433の裏面433bが各対向片33bの裏面に係止される。これにより、カバー部材4がビーム3から幅方向に離れる方向への移動を規制できる。
【0062】
また、C字状部材421は、装飾部材41の長手方向に沿って延びているため、C字状部材421の長手方向の任意の位置に係止部材43を配置できるようになっている。これによれば、長手方向の長さが異なる種々の装飾部材41に対してバランスよく係止部材43を配置することができる。言い換えれば、長手方向の長さが異なる種々のビーム3に長さを合わせて装飾部材41を切断することができるので、装飾部材41の製造が簡便である。
【0063】
また、係止部材43は、装飾部材41の裏面に固定されたC字状部材421に対して嵌合配置されるので、装飾部材41と係止部材43との上下方向の位置決めがされ、カバー部材4をビーム3に取付ける作業において、嵌合部44を支点としてカバー部材4を揺動させたときに、係止部材43がC字側溝33に確実に係合される。
【0064】
また、嵌合溝42は、1枚の金属製の板部材であるC字状部材421によって形成されており、C字状部材421の上下端部に位置する水平部421b,421bがビーム3側に折り曲げられている。これによれば、C字状部材421の強度が高くなっているため、装飾部材41におけるC字状部材421が取付けられる近傍部位にビーム3側への外力が加わっても装飾部材41の変形を防止できる。また、対向部421c,421cは水平部421b,421bから開口部を形成するように、上方または下方に折り曲げられているので、更にC字状部材421の強度が高くなっている。
【0065】
また、装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bは、それぞれビーム3側に折り曲げられているので、装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bの強度が高くなっており、装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bに外力が加わっても装飾部材41の変形を防止できる。
【0066】
また、装飾部材41の上端部41aおよび下端部41bにより、係止部材43が配置される装飾部材41とビーム3との間の空間が上下方向から露見しないので、美観を向上させることができる。
【0067】
また、カバー部材4がビーム3に取付けられた状態にあっては、装飾部材41の上下の鉛直部位412a,412bがビーム3の立設片部3bおよび裾板部3dに接触しているので、ビーム3に対するカバー部材4の揺動が防止され、カバー部材4の取付状態が安定する。尚、カバー部材4がビーム3に取付けられた状態にあっては、装飾部材41の上下の鉛直部位412a,412bがビーム3の立設片部3bおよび裾板部3dに僅かに離間する態様であってよい。
【0068】
また、カバー部材4の上端部41aに嵌合部44が設けられており、立設片部3bに嵌合部44を上方から嵌合させている。これにより、カバー部材4の上端面とビーム3の上端面との上下位置を合わせることができ、カバー部材4をビーム3に正確に取付けることができ、見栄えが向上する。また、立設片部3bに嵌合部44を上方から嵌合させているので、カバー部材4がビーム3から外れにくくなっている。立設片部3bに嵌合部44を上方から嵌合させているとともに、下端部41bがビーム3に当接しているので、カバー部材4がビーム3から一層外れしにくくなっている。
【0069】
尚、装飾部が金属板により構成される形態を例示したが、例えば、木材や合成樹脂等で構成してもよい。さらに尚、本実施例では、係止部が合成樹脂により構成されている形態を例示したが、金属等により構成されていてもよく、好ましくは、弾性変形可能に構成されていればよい。
【0070】
また、本実施例では、装飾部と係止部とが別部材で構成されている形態を例示したが、例えばC字状部材を設けることなく装飾部と係止部とが同じ部材で一体的に構成されていてもよい。また、装飾部に係止部が溶接等で固定されていてもよい。
【0071】
また、本実施例では、装飾部と、該装飾部と別部材のL字部材とにより嵌合部が構成される形態を例示したが、これらは装飾部と同じ部材で一体的に構成されていてもよい。
【0072】
また、本実施例では、ビームの側面に上下2条のC字側溝が形成されている形態を例示したが、これに限られず、ビームの側面に対し、C字側溝が1条または3条以上形成されていてもよい。
【0073】
また、本実施例では、上側のC字側溝を利用してカバー部材がビームの側面に取付けられる形態を例示したが、下側のC字側溝を利用してカバー部材がビームの側面に取付けられていてもよい。
【0074】
次に、固定パネル5A,5Bについて説明する。図1及び図4に示されるように、固定パネル5Aは、空間構造体1内の空間と空間構造体1外の空間を仕切る格子状の間仕切りパネルであり、本実施例では、空間構造体1の正面側のビーム3の左右両側に2枚、背面側のビーム3に4枚取付けられている。すなわち、空間構造体1の正面側中央部には、ビーム3、左右に離間して配置された固定パネル5A、および床面により囲まれた正面視矩形状の出入口1Aが形成されている。また、空間構造体1の背面側は、全面が固定パネル5Aにより仕切られている。
【0075】
固定パネル5Aは正面視矩形状をなし、その上端部には、上向きに突出する接続金具51が固定パネル5Aの上面に沿って複数設けられており、下端部には、下向きに突出する伸縮金具52が固定パネル5Aの下面に沿って複数設けられている。
【0076】
接続金具51は、固定パネル5Aの上方に配置されビーム3の長手方向に沿って両側に延びる角板状の板部511aを有する第1部材511と、ビーム3の長手方向に延び、該ビーム3のC字下溝32に挿入される平板状の第2部材512と、第1部材511の板部511aと第2部材512とを接続するボルト513と、から構成されている。第1部材511の板部511aと第2部材512とがボルト513により締結されることで、第1部材511の板部511aと第2部材512とで対向片32b,32bが上下方向に狭持される。
【0077】
伸縮金具52は、固定パネル5Aに対して上下方向に相対移動可能となっており、伸縮金具52を下方に相対移動させることにより、床面から反力を受けて第1部材511の板部511aをビーム3の下向き凹溝3Bの底部3cに押し付けることができるようになっている。
【0078】
図1に戻って、固定パネル5Bは、支柱2よりも上下寸法の短い矩形板状のパネルであって、支柱2の上端同士を連結するビーム3よりも低い位置で平行に延びる上下複数のビーム(図示略)のC字側溝を利用して表面および裏面に渡って取付けられている。
【0079】
次に、カウンター装置6について図5図7を用いて説明する。
【0080】
図5に示されるように、カウンター装置6は、空間構造体1における隣り合う支柱2同士の間の所定の高さ位置に架設されるビーム3と、ビーム3の両側の側面3fを被覆するカバー部材4と、ビーム3の上部に複数組固定される幅方向一対のブラケットとしての第1ブラケット61及び第2ブラケット62と、第1ブラケット61及び第2ブラケット62に支持される天板63と、を備えている。尚、カウンター装置6に用いられるビーム3およびカバー部材4は、上述した空間構造体1に用いられるビーム3およびカバー部材4と同一構成であるため、その説明を省略する。
【0081】
図6(a)及び図7に示されるように、第1ブラケット61は、1枚の金属板を折り曲げることにより構成されており、上向き凹溝3Aの底部3aと平行に延びるブラケットの底部としての底板部611と、底板部611の右側縁から上方に延びるブラケットの側部としての側板部612と、側板部612の上端縁から底板部611と反対方向に水平板状に張り出す天板支持部613と、を備えている。これら底板部611および側板部612は第1ブラケット61の基部を構成している。
【0082】
底板部611の前後幅は、側板部612の前後幅よりも短くなっており、側板部612の下端縁の前後方向中央部に設けられている。また、底板部611には前後方向に並んで貫通孔611aが2つ形成されている。
【0083】
また、天板支持部613には、前後方向に延びる長孔613aが本実施例では4つ形成されている。具体的には、左右方向に2つ並んだ一対の長孔613aが前後に2組形成されている。
【0084】
図6(b)及び図7に示されるように、第2ブラケット62は、1枚の金属板を折り曲げることにより構成されており、上向き凹溝3Aの底部3aと平行に延びるブラケットの底部としての底板部621,621と、底板部621,621の左側縁から上方に延びるブラケットの側部として側板部622と、側板部622の上端縁から底板部621と反対方向に水平板状に張り出す天板支持部623と、を備えている。これら底板部621,621および側板部622は第2ブラケット62の基部を構成している。
【0085】
底板部621,621は、一枚の板状の側板部622の下端縁の前後に配置されており、底板部621,621の間には上面視凹形状を成す凹部624が形成されている。また、底板部621,621は、貫通孔621aが1つずつ形成されている。
【0086】
また、天板支持部623には、前後方向に延びる長孔623aが本実施例では4つ形成されている。具体的には、左右方向に2つ並んだ一対の長孔623aが前後に2組形成されている。
【0087】
図6(c)に示されるように、第1ブラケット61および第2ブラケット62は、第2ブラケット62の凹部624に第1ブラケット61の底板部611を側方から嵌合させることで、互いの水平方向への相対移動が規制されるようになっている。すなわち、第1ブラケット61の底板部611と第2ブラケット62の凹部624とは、互いの水平方向への相対移動を規制する凹凸嵌合部として機能している。
【0088】
図5に戻って、天板63は、前後方向に延びる木製の板材であり、ビーム3と略同一の前後長さに形成されている。この天板63の左右方向中央部には、上下に貫通する貫通孔63aが前後方向に複数形成されている。
【0089】
図7に示されるように、第1ブラケット61および第2ブラケット62は、カバー部材4が取付けられたビーム3に対して、第1ブラケット61および第2ブラケット62を互いに嵌合させた状態(図6(c)も参照。)で固定されている。詳しくは、第1ブラケット61および第2ブラケット62は、各底板部611,621の各貫通孔611a,621aに対してボルト64を挿通し、ビーム3のC字上溝31に配置される板状の取付金具65に締結することでビーム3の上部に固定される。
【0090】
第1ブラケット61および第2ブラケット62がビーム3に固定された状態にあっては、第1ブラケット61の基部を構成する底板部611および側板部612の大部分、第2ブラケット62の基部を構成する底板部621,621および側板部622の大部分が、ビーム3の上向き凹溝3A内に収容されている。尚、側板部612,622の上端部は、上向き凹溝3Aの開口部よりも上方に配置されている。
【0091】
また、側板部612,622は、立設片部3b,3bに寄せて配置され、立設片部3b,3bに沿って上方に延びている。この底板部611,621および側板部612,612で囲まれた上方に開口する溝状空間Sには、電気を供給する電力線や通信用の信号線等の配線を通すことができるようになっている。
【0092】
また、天板支持部613,623は、立設片部3b,3bの上面に沿って水平に延びている。具体的には、天板支持部613,623と立設片部3b,3bとの間には、カバー部材4の嵌合部44を構成する水平部位441aが上下に狭持されて配置されている。
【0093】
また、天板63は、第1ブラケット61および第2ブラケット62の各天板支持部613,623に渡って配置されており、長孔613a,623aおよびボルト66を利用して、各天板支持部613,623に対して天板63が固定されている。このとき、天板63の各貫通孔63aは溝状空間Sに連通するようになっている。
【0094】
上述のように、カウンター装置6は、複数の支柱2とそれらを連結する複数のビーム3とにより所定の空間を区画する空間構造体1に取付けられるものである。本実施例のカウンター装置6は、第1ブラケット61および第2ブラケット62の基部を上向き凹溝3A内に収めることができるとともに、各天板支持部613,623は、側板部612,622の上端から立設片部3b,3bの上端を越えてビーム3の側方に水平板状に延びる構成となっている。これにより、天板63の下方に配置される天板支持部613,623の高さ寸法を抑えることができ、天板63の下の空間、特に天板63とビーム3との角部の空間を広く使用できる。したがって、例えば、カウンター装置6の使用時に着座者の足に第1ブラケット61および第2ブラケット62が接触することが防止されるとともに、第1ブラケット61および第2ブラケット62がカウンター装置6の側方から視認し難いので美観が向上する。
【0095】
また、天板支持部613,623は、ビーム3の側面3fの側方に配置されないので、ビーム3のC字側溝33,34を利用してカバー部材4を取付けることができ、これによりビーム3の側面3fに周辺環境に調和する色を簡便に付与することができる。
【0096】
また、カバー部材4の嵌合部44を構成する水平部位441aは、天板支持部613,623と立設片部3b,3bとの間で上下に狭持されるので、カバー部材4をビーム3に強固に取付けることができる。
【0097】
また、第1ブラケット61および第2ブラケット62の基部は、ビーム3の上面に固定される底板部611,621と、底板部611,621の側縁から立設片部3b,3bに沿って上方に延びる側板部612,622と、をそれぞれ備えており、側板部612,622とは幅方向に離間されて配置され、上向き凹溝3A内には、底板部611,621および側板部612,612で囲まれた溝状空間Sが形成される。これによれば、溝状空間Sを利用して底板部611,621をビーム3の上方から簡便に固定することができ、かつ溝状空間Sを配線スペースとして利用することができる。
【0098】
また、底板部611,621は、ビーム3の上面に設けられたC字上溝31に配置される取付金具65に固定されているため、C字上溝31の長手方向の任意の位置に取付金具65を配置できるので、ビームに3対する第1ブラケット61および第2ブラケット62の位置を自由に変更できる。例えば、天板63をバランスよく支持できる位置や、配線の邪魔にならない位置に第1ブラケット61および第2ブラケット62を適宜配置することができる。
【0099】
また、底板部611,621は、取付金具65に対してボルト64により固定されている。これにより、C字上溝31を構成する対向片31b,31bが各底板部611,621と取付金具65とにより上下に狭持されるので、第1ブラケット61および第2ブラケット62をビーム3に強固かつ簡便に固定することができる。
【0100】
また、天板63は、ビーム3の幅方向に配置される一対の第1ブラケット61および第2ブラケット62の天板支持部613,623に支持されている。これによれば、第1ブラケット61および第2ブラケット62によりビーム3に対して幅方向の2点で天板63が支持されるため、第1ブラケット61および第2ブラケット62の基部から上向き凹溝3Aの底部3aに対して天板63からの反対方向のモーメントが作用してトータルのビーム3に作用するモーメントが小さく、天板63を安定して支持することができる。
また、第1ブラケット61および第2ブラケット62を別個に微調整してビーム3に固定できるので、各天板支持部613,623を水平に合わせやすく組立精度が高い。
【0101】
また、第1ブラケット61および第2ブラケット62は、第2ブラケット62の凹部624に第1ブラケット61の底板部611を側方から嵌合させることで、互いの水平方向への相対移動が規制されるようになっているので、第1ブラケット61および第2ブラケット62と天板63とを正確に位置合わせできる。
【0102】
また、天板63の各貫通孔63aは溝状空間Sに連通するようになっているので、貫通孔63aを通じて溝状空間S内の配線を天板63上に取り出すことができ、カウンター装置6の機能性が向上する。
【0103】
また、天板63は、ビーム3と略同一の前後長さに形成されているので、天板63によりビーム3の上向き凹溝3Aを長手方向に亘ってカバーすることができ、上向き凹溝3A内にゴミが溜まることを防止できるとともに、美観に優れる。
【0104】
尚、本実施例では、ブラケットの基部が凹溝の底部に固定される形態を例示したが、凹溝の側壁部に固定されていてもよい。
【0105】
また、本実施例では、ブラケットの基部は、底板部と側板部とにより略L字状をなす形態を例示したが、凹溝の底部または側壁部に固定され、かつその上端が凹溝の開口よりも上方に配置されるものであれば形状は自由に変更することができる。
【0106】
また、本実施例では、ブラケットは、1枚の金属板を折り曲げて構成されていたが、これに限られず、各部位が別部材で構成されていてもよい。また、ブラケットは、合成樹脂等の金属以外の材料により構成されていてもよい。
【0107】
また、ブラケットはボルトおよび取付金具を用いてビームに取付けられることに限られず、例えば溶接などでビームに取付けられていてもよい。
【0108】
また、本実施例では、幅方向に配置される一対のブラケットの各天板支持部に天板が両持ち支持されている形態を例示したが、ビームから右または左のみに張り出す天板を設ける場合には1つのブラケットに対して片持ち支持されるようになっていてもよい。
また、本実施例では、一対のブラケットにより天板支持部が左右に張り出すハット型のブラケットを構成する形態を例示したが、1つの部材によりハット型のブラケットを構成してもよい。
【0109】
また、一対のブラケットの凹凸嵌合部の構成は自由に変更してもよい。さらに、凹凸嵌合部の構成を省略してもよい。また、一対のブラケットを幅方向に組み付けることなく、ビームの長手方向に異なる位置で取付けてもよい。
【0110】
また、天板を構成する材料は木材に限らず、金属や合成樹脂等で構成されていてもよい。種々の天板を用意し、周辺環境の変化に合わせて天板を適宜交換することで周辺環境に調和するカウンター装置を構成することができる。
【実施例0111】
次に、実施例2に係る空間構造体につき、図8から図10を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成と重複する構成の説明を省略する。
【0112】
図8に示されるように、本実施例2の空間構造体200は、カウンター装置6に代えてスライド面状体装置としてのスライドパネル装置7が取付けられている。
【0113】
スライドパネル装置7は、ビーム3と、ビーム3に取付けられるカバー部材4,4’と、固定パネル5Aと、ビーム3の長手方向に沿って延び該ビーム3の一方の側面に取付けられるフレーム材71と、フレーム材71に設けられるレール部材713に沿って移動可能に吊支されるスライド面状体としてのスライドパネル73と、から主に構成されている。尚、スライドパネル装置7に用いられるビーム3、カバー部材4、固定パネル5Aは、上述した実施例1の空間構造体1のものと同一構成であるため、その説明を省略する。さらに尚、後に詳述するが、カバー部材4’は上下寸法以外、カバー部材4と同一構成となっている。また、ビーム3のC字下溝32(図2参照。)に取り付けられるパネルは、固定パネル5Aに代えて、スライドパネルであってもよい。
【0114】
スライドパネル装置7を構成するビーム3の前後下方には、固定パネル5Aがそれぞれ配置されている。また、フレーム材71には、格子状の2つのスライドパネル73が吊支されており、スライドパネル73を互いに近付けて前後の固定パネル5Aの間の出入口200Aを閉塞した閉塞状態(図9(a)参照)と、スライドパネル73を互いに離して出入口200Aを開放した開放状態(図9(b)参照)と、を適宜変更できるようになっている。尚、説明の便宜上、図9では固定パネル5Aの図示を省略している。
【0115】
図10に示されるように、ビーム3の右の側面3fには、フレーム材71が取付けられている。具体的には、フレーム材71は、ビーム3の右の側面3fに設けられたC字側溝33,34のうち下方のC字側溝34に挿通される板状の取付金具74およびボルト75を介して取付けられている。
【0116】
フレーム材71は、前後方向に延びるベース体711と、ベース体711の下方に取付けられるカバー体712と、カバー体712に固定されるレール部材713と、から構成されている。
【0117】
ベース体711は、1枚の金属製の板材を折り曲げて形成された略下向きコ字状の第1部材714及び略下向きコ字状の第2部材715を溶接等の所定の固定手段で固定することにより構成されている。
【0118】
第1部材714は、ビーム3の右の側面3fに面当接する左側板部714aと、左側板部714aの上端から右方に水平に延びる上板部714bと、上板部714bの右端から下方に垂直に延びる右側板部714cと、右側板部714cの下端から左方に水平に延びる下板部714dと、を備えている。左側板部714aの下部と下板部714dの左部との間は下方に開口しており、左側板部714aにはボルト75を挿通可能な挿通孔714eが形成されている。
【0119】
第2部材715は、左側板部714aの右面に沿って上下に延びる左側板部715aと、左側板部715aの上端から右方に水平に延びる上板部715bと、上板部715bの右端から下方に垂直に延びる右側板部715cと、を備えている。第2部材715の左側板部715aは、第1部材714の左側板部714aにおける挿通孔714eよりも下方位置に固定されている。また、第2部材715の右側板部715cは、その下端が第1部材714の下板部714dの上面に載置された状態で右側板部714cに固定されている。
【0120】
また、第2部材715の上板部715bは、第1部材714の挿通孔714eの近傍に貫通孔715dが形成されている。この貫通孔715dを利用してボルト75を挿通孔714eに挿通し、取付金具74に対してボルト75を締結する作業を行うことができるようになっている。
【0121】
カバー体712は、1枚の金属製の板材を折り曲げて形成されており、ビーム3の右側の裾板部3dの側面から右方に水平に延びる水平板部712aと、水平板部712aの右端側において下方に開口する下向きコ字状の凹溝が形成されたコ字状の覆い部712bと、を有している。覆い部712bの右側面は第1部材714の下板部714dに接触している。
【0122】
レール部材713は、1枚の金属製の板材を折り曲げて下向きコ字状に形成されており、レール部材713の左右の側板部713aの下端から互いに近づく方向に延びる水平片713bが設けられており、各水平片713bの上面をスライドパネル73の上部に設けられたローラ73aが走行可能となっている。すなわち、レール部材713は、その内側に下方に開口するレール溝が形成されている。
【0123】
カバー体712の覆い部712bには、レール部材713を下方から嵌合可能となっており、覆い部712bの底部とレール部材713の底部とはボルト76により、第2部材715の上板部715bに固定されている。カバー体712によりボルト75が下方から露見しないので美観に優れる。
【0124】
以上説明したように、スライドパネル装置7は、ビーム3の側面3fの下部にフレーム材71が取付金具74およびボルト75を介して取付けられており、フレーム材71には下方に開口するレール溝を構成するレール部材713を備え、このレール部材713に対してスライドパネル73が移動可能に吊支されている。このように、ビーム3のC字側溝34を利用してビーム3に固定されたフレーム材71のレール部材713にスライドパネル73が移動可能に吊支されているので、ビーム3に対するスライドパネル73の揺動を抑制することができる。
【0125】
また、スライドパネル73の下面には前後方向に延びる下向き凹溝73bが形成されており、この下向き凹溝73bは床面に敷設されたレール77に対し摺動可能に嵌合されているので、レール77と下向き凹溝73bとの嵌合によりスライドパネル73の揺動を抑制することができる。
【0126】
また、ボルト75が取付金具74に締結されることで、C字側溝34の開口部を構成する上下一対の対向片34bが取付金具74とフレーム材71とにより幅方向に狭持されるので、フレーム材71をビーム3に対して強固に固定できる。
【0127】
また、フレーム材71における左側板部715aおよび水平板部712aの左端部がビーム3の側面3f及び右側の裾板部3dに面当接しているので、ビーム3に対するフレーム材71の回動・捻れが規制されフレーム材71をビーム3に安定的に固定できる。また、カバー体712は、水平板部712aの左端部がビーム3の側面3fに接触し、覆い部712bの右側面が第1部材714の下板部714dに接触しているので、フレーム材71の構造強度材として機能している。
【0128】
また、一方のC字側溝としての下方のC字側溝34にフレーム材71が固定され、他方のC字側溝としての上方のC字側溝33にカバー部材4’が係止されており、カバー部材4’の下端部はフレーム材71の上部近傍まで延びている。これによれば、カバー部材4’によりビーム3の側面3fに周辺環境に調和する色を簡便に付与することができるとともに、カバー部材4’の下端部はフレーム材71まで延びているので、フレーム材71とカバー部材4’の間からビーム3の側面3fが露見することなく美観に優れる。
【0129】
また、フレーム材71が取付けられていないビーム3の左の側面3fには、上述したカバー部材4が取付けられ、ビーム3の左の側面3fの略全面を装飾することができる。このように、上下寸法の異なるカバー部材4,4’を予め用意しておくことにより、フレーム材71の有無に合わせてビーム3の装飾を行うことができる。
【0130】
尚、本実施例2では、フレーム材が複数の部材により構成されていたが、1つの部材により構成されていてもよい。また、フレーム材を構成する材料は自由に変更できる。
【0131】
また、本実施例2では上下2つのC字側溝のうち下方のC字側溝にフレーム材が取付けられる形態を例示したが、上方のC字側溝にフレーム材が取付けられていてもよい。この場合、下方のC字側溝を利用してフレーム材の下方にカバー部材を取付ければよい。
【実施例0132】
次に、実施例3に係る空間構造体につき、図11から図14を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成と重複する構成の説明を省略する。
【0133】
図11に示されるように、本実施例3の空間構造体300は、前面に左右に離間してカーテン81が取付けられている。また、空間構造体300の背面及び右側面には、スライド面状体装置としてのカーテン装置8がそれぞれ取付けられている。尚、以下、空間構造体300の右側面のカーテン装置8のみ説明する。
【0134】
カーテン装置8は、ビーム3と、ビーム3に取付けられるカバー部材4と、ビーム3の下方に吊下される4枚のカーテン81と、から主に構成されている。本実施例のスライド面状体としてのカーテン81は、防音性に優れるフェルトカーテンであり、前後方向に伸縮しない板状を成している。尚、カーテンは、前後方向に伸縮可能な蛇腹状のカーテンなどであってもよい。さらに尚、カーテン装置8に用いられるビーム3およびカバー部材4は、上述した実施例1の空間構造体1のものと同一構成であるため、その説明を省略する。
【0135】
カーテン装置8を構成するビーム3の下方には、2枚のカーテン81を移動可能に吊支するレール部材82が左右方向に並んで配置されており(図13参照)、空間構造体300の右側面の全面を閉塞した閉塞状態(図12(a)参照)、空間構造体300の右側面の中央部に出入口300Aを形成した第1の開放状態(図12(b)参照)、空間構造体300の右側面の前後一方にカーテン81を寄せ、前後他方に出入口300Aを形成した第2の開放状態(図12(c)参照)等に適宜変更できるようになっている。
【0136】
図13に示されるように、レール部材82は、断面下向きC字状をなし、カーテン81の上端に設けられたローラ81aによりカーテン81が移動可能に吊支されている。このレール部材82は、ビーム3のC字下溝32および取付金具83を利用してビーム3の下方に左右方向に並んで取付けられている。取付金具83は、C字下溝32に遊挿される板状の基部材831と、基部材831からC字下溝32の開口部32cを通って下方に延びる垂下部材としてのボルト832と、ボルト832に挿通され該ボルト832から左右両側に延びる一対の支持部833aを有する板状の支持部材833と、から構成されている。支持部材833は、ボルト832の頭部に下方から係止されている。
【0137】
左右のレール部材82は、ボルト832を挟んだ左右両側で一対の支持部833aにより支持されている。このように、ビーム3の下向き凹溝3Bの底部3cに予め設けられたC字下溝32と、取付金具83を利用して、左右一対のレール部材82を左右方向に並べてビーム3に簡便に取付けることができる。
【0138】
詳しくは、ボルト832を基部材831に締結することにより、支持部材833が上方に移動し、一対の支持部833aと下向き凹溝3Bの底部3cとの間で左右のレール部材82が上下方向に狭持されている。ボルト832を基部材831に締結する作業によって、左右のレール部材82を一対の支持部833aと下向き凹溝3Bの底部3cとの間で一緒に狭持できるので、左右のレール部材82をビーム3の下方に強固かつ簡便に取付けることができる。
【0139】
また、左右のレール部材82は、ビーム3に取付けられた状態において下向き凹溝3B内に配置されている。これによれば、一対の裾板部3dにより左右のレール部材82が側方から露見しないので美観に優れる。また、左右のレール部材82を左右方向に互いに近付けて引き違い構造とすることができ、かつビームよりも側方に張り出さないため、コンパクトに構成できる。
【0140】
また、左右のレール部材82は、一対の裾板部3dにそれぞれ接触している。詳しくは、右側のレール部材82は、左側の端部下方が支持部833aに支持されており、右側の端部側面が右側の裾板部3dに接触している。また、左側のレール部材82は、右側の端部下方が支持部833aに支持されており、左側の端部側面が左側の裾板部3dに接触している。これによれば、レール部材82をビーム3に強固に固定できるとともに、レール部材82が裾板部3dと支持部833aとの間から落下することが防止される。
【0141】
また、一対の支持部833aは、ボルト832から幅方向外側に向かって下方に傾斜する支持面833bをそれぞれ有している。これによれば、ボルト832を基部材831に締結したときに、左右のレール部材82が各支持面833bにより一対の裾板部3dに押し付けられるので、レール部材82をビーム3に対して強固に取付けることができる。
【0142】
また、ビーム3の側面3fには、C字側溝33を利用してカバー部材4がビーム3に取付けられており、このカバー部材4は、裾板部3dの下端まで延びている。これにより、カバー部材4によりビーム3の側面3fに周辺環境に調和する色を簡便に付与することができるとともに、カバー部材4は裾板部3dまで延びているので、側方から裾板部3dが露見することなく美観に優れる。
【0143】
次に、カーテン装置の別形態を図14を用いて説明する。
【0144】
図14に示されるように、カーテン装置800は、ビーム3の下方にレール部材82が左右方向に並んで6つ配置されている。詳しくは、ビーム3の下方には、左右2つのレール部材82がビーム3のC字下溝32および取付金具83を利用して取付けられている。また、ビーム3の左右両側には、左右のC字側溝34に配置される取付金具801及びボルト802を介してフレーム材803がそれぞれ取付けられており、フレーム材803の下方に左右2つのレール部材82が取付金具804を利用してそれぞれ取付けられている。
【0145】
フレーム材803は、断面下向きコ字状をなし、ビーム3の長手方向に沿って延びている。このフレーム材803は、ボルト802が取付金具801に締結されることで、該フレーム材803のビーム3側の側板部803aと、C字側溝34の開口部を構成する上下一対の対向片34bとが、ボルト802の頭部と取付金具801とにより左右方向に狭持され強固に取付けられる。
【0146】
また、フレーム材803の側板部803aは、C字側溝34よりも下方の裾板部3dに面当接しているので、ビーム3に対するフレーム材803の捻れが規制され、フレーム材803を安定的に固定できる。
【0147】
取付金具804は、フレーム材803の水平板部803cに固定された基部材805と、基部材805に下方から締結されるボルト806と、ボルト806の左右両側に延びる一対の支持部807aを有する支持部材807と、から構成されており、レール部材82はボルト806を挟んだ左右両側で一対の支持部807aにより支持されている。
【0148】
レール部材82は、フレーム材803の左右両側の側板部803a,803bの間に収容されているので、フレーム材803の側方から露見せず美観に優れる。
【0149】
また、レール部材82は、フレーム材803の側板部803aまたは側板部803bに接触しているので、レール部材82が側板部803a,803bと一対の支持部807aとの間から落下することが防止される。
【0150】
また、ビーム3の側面3fには、C字側溝33を利用してカバー部材40が取付けられており、カバー部材40はフレーム材803まで延びている。これにより、フレーム材803とカバー部材40の間からビーム3の側面3fが露見することなく美観に優れる。
【0151】
このように、ビーム3に対して必要に応じてフレーム材803を取付けることで、最大6つのレール部材82を左右方向に配置することができる。例えば、レール部材82が左右方向に4つ必要な場合には、図14の状態から一方のレール部材82を取外せばよい。
【0152】
尚、本実施例3では、垂下部材が基部材に締結されることで支持部が垂下部材と一体的に上下方向に移動する形態を例示したが、これに限られず、基部材に対して固定的に取付けられた垂下部材のねじ部にナットを螺合させることで垂下部材に対して支持部が上下方向に相対移動するようになっていてもよい。
【0153】
また、レール部材はビームの下面と支持部との間で狭持されることに限られず、たとえば、レール部材は支持部に載置されて支持されていてもよい。
【0154】
また、本実施例3では、2つのレール部材が一対の裾板部の間に収容されている形態を例示したが、一対の裾板部の構成を省略してもよい。
【0155】
また、本実施例3では上下2つのC字側溝のうち下方のC字側溝にフレーム材が取付けられる形態を例示したが、上方のC字側溝にフレーム材が取付けられていてもよい。この場合、下方のC字側溝を利用してフレーム材の下方にカバー部材を取付ければよい。
【0156】
[変形例]
次に、ビームを用いて取付けられる固定パネルの変形例について図15を用いて説明する。
【0157】
図15に示されるように、本変形例の空間構造体の一部を構成する固定パネル500は、支柱2の上端同士を連結するビーム3よりも低い位置で平行に延びる上下複数のビーム3と、上下複数のビーム3の左面に渡って取付けられる第1ボード501と、上下複数のビーム3の右面に渡って取付けられる第2ボード502と、下のビーム3の下部に取付けられる棚装置503と、から構成されている。
【0158】
第1ボード501は、ホワイトボードであり、文字や図形などを表記可能な表面部材501aと、表面部材501aの裏面に取付けられる裏面部材501bと、を備え、裏面部材501bには上下のビーム3の各C字側溝34に係止可能な係止部501cが設けられている。裏面部材501bがビーム3に取付けられた状態において、裏面部材501bは、各ビーム3の側面3fに面当接している。
【0159】
第2ボード502は、フェルト等で装飾された表面部材502aと、表面部材502aの裏面に取付けられる裏面部材502bと、を備え、裏面部材502bには上下のビーム3の各C字側溝34に係止可能な係止部502cが設けられている。裏面部材502bがビーム3に取付けられた状態において、裏面部材502bは、各ビーム3の側面3fに面当接している。また、表面部材502aには、ピン等で書類などを貼り付けることができるようになっている。
【0160】
棚装置503は、ビーム3のC字下溝32に配置される板状の取付金具503aと、取付金具503aからC字下溝32の開口部32cを通って下方に延びるボルト503bと、ボルト503bの下端から左右両側に延びる板状体503cと、ボルト503bの外周面を囲う筒状のスペーサ503dと、を備えている。板状体503cには、ペンなどの備品を載置して収容できるようになっている。
【0161】
取付金具503aにボルト503bを締結することにより、下向き凹溝3Bの底部3cと板状体503cとの間でスペーサ503dが上下方向に狭持され、取付金具503aとスペーサ503dとによりC字下溝32の開口部32cを構成する一対の対向片32bが上下方向に狭持されるため、棚装置503をビーム3に対して強固に取付けることができる。
【0162】
また、棚装置503には、左右両側、すなわち第1ボード501および第2ボード502側からアクセスできるので、第1ボード501および第2ボード502側から棚装置503に対して備品を出し入れすることができる。
【0163】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0164】
例えば、前記実施例では、支柱を有する立設タイプの空間構造体を例示したが、支柱を有さず、水平方向に連結された複数のビームが天井や躯体等から吊支される天吊りタイプの空間構造体であってもよい。
【符号の説明】
【0165】
1 空間構造体
2 支柱
3 ビーム
3A 上向き凹溝
3B 下向き凹溝
3b 立設片部(立設片)
3d 裾板部
4,4’ カバー部材
5A,5B 固定パネル
6 カウンター装置
7 スライドパネル装置(スライド面状体装置)
8 カーテン装置(スライド面状体装置)
31 C字上溝
31b 対向片
31c 開口部
32 C字下溝
32b 対向片
32c 開口部
33 C字側溝
33b 対向片
33c 開口部
34 C字側溝
34b 対向片
40 カバー部材
41 装飾部材(装飾部)
42 嵌合溝
43 係止部材(係止部)
44 嵌合部
61 第1ブラケット
62 第2ブラケット
63 天板
63a 貫通孔
64 ボルト
65 取付金具
71 フレーム材
73 スライドパネル(スライド面状体)
74 取付金具
75 ボルト
81 カーテン(スライド面状体)
82 レール部材
83 取付金具
200,300 空間構造体
433 爪部
433b 裏面
421 C字状部材(係止部)
611 底板部(基部、底部、凹凸嵌合部)
612 側板部(基部、側部)
613 天板支持部
621 底板部(基部、底部)
622 側板部(基部、側部)
623 天板支持部
624 凹部(凹凸嵌合部)
711 ベース体
712 カバー体
712a 水平板部
712b 覆い部
713 レール部材
800 カーテン装置(スライド面状体装置)
801 取付金具
802 ボルト
803 フレーム材
804 取付金具
805 基部材
806 ボルト
807 支持部材
807a 支持部
831 基部材
832 ボルト
833 支持部材
833a 支持部
833b 支持面
S 溝状空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15