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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074181
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】マスク用サポート部材
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220428BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178406
(22)【出願日】2020-10-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年10月15日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.amazon.co.jp/3D%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%A3%BD-%E3%80%8E%E7%AB%8B%E4%BD%93%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0-%E6%A8%AA%E9%A1%94%E7%BE%8E%E4%BA%BA%E3%80%8F-%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%97-%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E5%B4%A9%E3%82%8C%E9%98%B2%E6%AD%A2/dp/B08L5VB6PP/ref=sr_1_4_sspa?_mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E7%AB%8B%E4%BD%93%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0+%E6%A8%AA%E9%A1%94%E7%BE%8E%E4%BA%BA&qid=1605495119&sr=8-4-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUE4UzI3UkJBUElOOFImZW5jcnlwdGVkSWQ9QTA5NzQ1NzZVNlBWS0JTREFNV1EmZW5jcnlwdGVkQWRJZD1BMkxHQktRTkZFOEZNNCZ3aWRnZXROYW1lPXNwX2F0ZiZhY3Rpb249Y2xpY2tSZWRpcmVjdCZkb05vdExvZ0NsaWNrPXRydWU=(ECサイト、アマゾン)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年10月16日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.fots.jp/index.php/products/detail/298(自社ECサイト、B’full オンラインショップ)〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年10月16日、公開したウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000276.000019615.html(プレスリリース・ニュースリリース配信サービス、PRtimes)〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年10月16日、公開したウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/pulcjp/status/1317027503588970497(情報交換サイト、ツイッター)
(71)【出願人】
【識別番号】513246861
【氏名又は名称】株式会社Bfull
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】前田 直人
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上するマスク用サポート部材を提供する。
【解決手段】マスク用サポート部材1は、マスク本体101の上縁部108に係脱可能に係合される連結部3と、前記連結部3が該マスク本体101の上縁部108に係合された取付状態で当該マスク本体101の内側に配される主杆部2と、使用者hの顎部cに当接される顎支持部4とを備え、前記取付状態にあるマスク100を使用者hが装着した状態で、該使用者hの口部mとの間に非接触空隙50が形成される。かかる構成によれば、使用者hの口部mとマスク本体101とが接触することを防止できるため、使用中の快適性や清潔性を向上できる。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体と該マスク本体を使用者に装着するためのマスク装着手段とを備えたマスクに取り付け可能なマスク用サポート部材であって、
前記マスク本体の上縁部に係脱可能に係合される連結部と、
前記連結部から下方へ延成され、該連結部が前記マスク本体の上縁部に係合された取付状態で当該マスク本体の内側に配される主杆部と、
前記主杆部の下端部に設けられ、前記使用者の顎部に当接される顎支持部と
を備え、
前記連結部をマスク本体に係合させた前記取付状態にある前記マスクが使用者に装着された状態で、前記主杆部が少なくとも使用者の口部と離間されて、前記マスク本体と該使用者の口部との間に非接触空隙が形成されてなるものであることを特徴とするマスク用サポート部材。
【請求項2】
連結部は、
主杆部の上端部から左右側方にそれぞれ延成された左右一対の支腕部と、
前記各支腕部の側端部にそれぞれ設けられ、マスク本体の上縁部に係脱可能に係合される係合側部と
を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載のマスク用サポート部材。
【請求項3】
連結部を構成する左右の係合側部は、
左右方向に、マスク本体の上縁部を嵌入可能な間隔をおいて並設され、嵌入された該マスク本体の上縁部を内外から挟持する一対の挟持片部を備え、
前記上縁部の外側面に当接される外側の前記挟持片部が、該上縁部の内側面に当接される内側の前記挟持片部よりも使用者寄りに配設されてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のマスク用サポート部材。
【請求項4】
連結部を構成する左右の係合側部は、
マスク本体の上縁部の外側面に当接される外側の挟持片部と、該上縁部の内側面に当接される内側の前記挟持片部との少なくとも一方に、該上縁部に圧接させる一又は複数の圧接凸部を備えたものであることを特徴とする請求項3に記載のマスク用サポート部材。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに取り付けられて使用されるマスク用サポート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスクとしては、空気を濾過するマスク本体の側部に使用者の耳に引っ掛ける紐状の耳掛け部を備えたものがよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-93318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来のマスクは、使用状態で使用者の口部が押さえられて圧迫感を感じたり、呼吸によって蒸れやすかったり、化粧が崩れたりするため、快適性に劣り、このように汚れたマスクを継続して使用することには非常に抵抗があることが多いという問題があった。
【0005】
本発明は、マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上するマスク用サポート部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体と該マスク本体を使用者に装着するためのマスク装着手段とを備えたマスクに取り付け可能なマスク用サポート部材であって、前記マスク本体の上縁部に係脱可能に係合される連結部と、前記連結部から下方へ延成され、該連結部が前記マスク本体の上縁部に係合された取付状態で当該マスク本体の内側に配される主杆部と、前記主杆部の下端部に設けられ、前記使用者の顎部に当接される顎支持部とを備え、前記連結部をマスク本体に係合させた前記取付状態にある前記マスクが使用者に装着された状態で、前記主杆部が少なくとも使用者の口部と離間されて、前記マスク本体と該使用者の口部との間に非接触空隙が形成されてなるものであることを特徴とするマスク用サポート部材である。
【0007】
ここで、本発明のマスク用サポート部材は、連結部がマスク本体の上縁部に係合されることによって、マスクに取り付けられるものであり、前記取付状態が、このマスクに取り付けられた状態を示している。
また、マスク本体の内側とは、マスクを使用者が装着した状態で、該使用者に対向する側を示し、使用者側と換言できる。そして、この装着した状態で、使用者と対向せずに外に露出する側を、マスク本体の外側と言う。このようにマスク本体の内外方向を規定している。
【0008】
かかる構成にあっては、マスクが使用者に装着された状態で、マスク本体の内側に配される主杆部によって、該マスク本体と使用者の口部との間に非接触空隙が形成されることから、使用者の口部とマスク本体とが接触することを防止でき、使用者がしゃべるときにマスクが唇に触れて不快に感じることを抑制したり、マスクに化粧等が付着することを抑制したり、マスク内に熱がこもることを抑制したりすることができる。また、連結部がマスク本体の上縁部に係合されることによってマスクに取り付けられることから、この取付状態で、マスク本体に安定して支持され得る。これにより、本発明のマスク用サポート部材は、前記取付状態で意図せずに位置ズレしてしまうことを抑制できる。さらに、本発明のマスク用サポート部材は、連結部のマスク本体と係合することによりマスクに取り付けることができると共に、該連結部とマスク本体との係合を解除することにより該マスクから取り外すことができる。これにより、マスク交換の際に、交換前のマスクから取り外して別のマスクに取り付けて使用することができる。
【0009】
前述したマスク用サポート部材にあって、連結部は、主杆部の上端部から左右側方にそれぞれ延成された左右一対の支腕部と、前記各支腕部の側端部にそれぞれ設けられ、マスク本体の上縁部に係脱可能に係合される係合側部とを備えたものである構成が提案される。
ここで、本構成は、連結部を構成する左右の係合側部が前記マスク本体の上縁部にそれぞれ係合されることにより、マスク本体に取り付けられた取付状態となる。
【0010】
かかる構成にあっては、左右の係合側部によって、主杆部の左右両側方でマスク本体の上縁部とそれぞれ係合されることから、該主杆部をマスク本体の左右方向中央領域に配置し易い。さらに、マスクを使用者が装着した状態で、本構成のマスク用サポート部材を、マスク本体に取り付けた位置(主杆部をマスク本体の左右方向中央領域に配した位置)で安定して保ち得る。
【0011】
前述したマスク用サポート部材にあって、連結部を構成する左右の係合側部は、左右方向に、マスク本体の上縁部を嵌入可能な間隔をおいて並設され、嵌入された該マスク本体の上縁部を内外から挟持する一対の挟持片部を備え、前記上縁部の外側面に当接される外側の前記挟持片部が、該上縁部の内側面に当接される内側の前記挟持片部よりも使用者寄りに配設されてなるものである構成が提案される。
【0012】
ここで、係合側部は、その一対の挟持片部によりマスク本体の上縁部を内外から挟持することによって、該上縁部に係合されるものである。また、マスク本体における内側面は、マスクを使用者が装着した状態で、該使用者の口部に対向する面を示し、外側面は、外方に露出する面を示す。
【0013】
かかる構成にあっては、マスク本体の上縁部に係合される係合側部が、該上縁部の外側面に当接される外側の挟持片部を、該上縁部の内側面に当接される内側の挟持片部よりも使用者寄りに設けたものであるから、マスクが使用者に装着された状態で、該外側の挟持片部がマスク本体の上縁部を介して該使用者の肌に接触し、該内側の挟持片部が該使用者に直接的に接触することを抑制できる。これにより、係合側部が使用者の肌に接触することで生ずる不快感を抑制できる。
【0014】
前述したマスク用サポート部材にあって、連結部を構成する左右の係合側部は、マスク本体の上縁部の外側面に当接される外側の挟持片部と、該上縁部の内側面に当接される内側の前記挟持片部との少なくとも一方に、該上縁部に圧接させる一又は複数の圧接凸部を備えたものである構成が提案される。
【0015】
かかる構成にあっては、係合側部がマスク本体の上縁部に係合された状態(一対の挟持片部がマスク本体の上縁部を挟持した状態)で、圧接凸部が該上縁部の内側面に圧接されて引っ掛かることから、位置ズレを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のマスク用サポート部材は、マスクに装着して使用することによって、使用者の口部とマスク本体とが接触することを防止できることから、使用中の快適性や清潔性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施例のマスク用サポート部材1を示す斜視図である。
図2】マスク用サポート部材1の、(A)平面図と、(B)正面図とである。
図3】マスク用サポート部材1の、(A)右側面図と、(B)縦断面図とである。
図4】マスク用サポート部材1の連結部3を構成する係合側部22を拡大して示す、(A)正面図と、(B)内側から見た斜視図である。
図5】マスク用サポート部材1がマスク100に取り付けられた取付状態を示す側面図である。
図6】マスク用サポート部材1を取り付けたマスク100を、使用者が装着した状態を示す斜視図である。
図7】マスク用サポート部材1を取り付けたマスク100を、使用者が装着した状態を示す右側面図である。
図8】マスク用サポート部材1を取り付けたマスク100を、使用者が装着した状態を示す平面図である。
図9】マスク100と使用者hの肌との位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明にかかるマスク用サポート部材1を具体化した実施例を詳細に説明する。尚、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0019】
まず、一般的なマスク100について説明する。図5~8に示すように、マスク100は、空気を濾過する機能を有するシート状のマスク本体101と、マスク本体101の左右両側部にそれぞれ設けられた耳掛け部102,102とを備えている。こうしたマスク100は、従来から知られている通り、マスク本体101で使用者hの口部mを覆うようにして、左右の耳掛け部102を使用者hの耳eに引っ掛けることによって、使用者hに装着されて使用される。
【0020】
次に、本発明にかかるマスク用サポート部材1について説明する。
ここで、本実施例にあっては、マスク100を使用者hが装着した状態で、使用者hの口部mと対向する側(すなわち、使用者側)を、マスク100の内側とし、該使用者と対向せずに露出する側を、マスク100の外側とする。このように本実施例では、内外方向を規定している。これに従って、マスク本体101では、使用者hの口部mを対向する面が内側面(図示せず)となり、外側に露出する面が外側面107となる。さらに、使用者hに対して上下方向と左右方向とが規定されていると共に、該使用者hの正面方向を前方とし且つ背面方向を後方として、前後方向を規定している。
【0021】
マスク用サポート部材1は、図1~3に示すように、上下方向に延成された主杆部2と、該主杆部2の上端部に連成された連結部3と、該主杆部2の下端部に連成された顎支持部4とを備える。本実施例のマスク用サポート部材1は、プラスチック製であり、例えば3Dプリンタにより簡易に製造することができる。
【0022】
マスク用サポート部材1の主杆部2は、上下方向に沿って形成された一の主軸フレーム部11と、該主軸フレーム部11の上端から上方へ三叉状に分岐された三本の分岐フレーム部12とが連成されてなる。
【0023】
そして、主杆部2は、前方に向かって凸となるように湾曲形成されており、特に、主軸フレーム部11の上部から中央の分岐フレーム部12の下部にかけて、最も前方に突出する形態となっている。また、主軸フレーム部11と各分岐フレーム部12とは、横断面が左右方向に湾曲する薄厚板状に形成されている。
【0024】
前記顎支持部4は、前記主杆部2の主軸フレーム部11の下端から後方へ延成された延成部18と、該延成部18の後端に設けられた顎当接部19とを備える。顎当接部19は、使用者hの顎部cに当接されるものであり、該顎部cの前面部に比較的安定して当接し得るように左右方向に湾曲する形状を成す。ここで、顎支持部4は、上下方向に薄厚状に形成されたものである。
【0025】
前記連結部3は、前記主杆部2を構成する中央の分岐フレーム部12の上端部から左右方向に湾曲状に延成されて、左右の分岐フレーム部12,12にそれぞれ差し渡され、さらに左右の後方へそれぞれ延成された左右一対の支腕部21,21を備えると共に、各支腕部21,21の後側端部にそれぞれ設けられた係合側部22,22を備える。
【0026】
係合側部22は、図4に示すように、マスク本体101の上縁部108を嵌入可能な間隔tをおいて左右方向に並設された内側挟持片部26と外側挟持片部27とを備え、さらに、該内側挟持片部26の上端部と外側挟持片部27の上端部とを連成する連成部28とを備える。
【0027】
ここで、内側挟持片部26は、支腕部21の後端から上方へ延成されてなり、外側挟持片部27は、前記連成部28から下方へ延成されてなる。そして、外側挟持片部27は、内側挟持片部26よりも後寄り(すなわち、使用者寄り)に設けられている。
【0028】
こうした係合側部22は、内側挟持片部26と外側挟持片部27との間にマスク本体101の上縁部108が嵌入されることにより、該内側挟持片部26がマスク本体101の内側面に当接され且つ外側挟持片部27が該マスク本体101の外側面107に当接される。これにより、係合側部22がマスク本体101の上縁部108に係合される。
【0029】
そして、マスク本体101の上縁部108を前記連成部28に当接する深さまで、該上縁部108が内側挟持片部26と外側挟持片部27との間に嵌入できる。すなわち、係合側部22をマスク本体101の上縁部108に係合させて該マスク本体101に取り付けられるマスク用サポート部材1の上下方向位置が、該係合側部22の連成部28によって規定される。
【0030】
尚、本実施例にあっては、内側挟持片部26と外側挟持片部27との前記間隔tが、マスク本体101の上縁部108の内外方向厚よりも僅かに狭く形成されている。そのため、内側挟持片部26と外側挟持片部27との間にマスク本体101の上縁部108を嵌入させることにより、該上縁部108が該内側挟持片部26と外側挟持片部27とより挟持されて、マスク本体101の上縁部108に係合側部22が係合される。
【0031】
また、外側挟持片部27は、内側挟持片部26側に向いた側面に、断面略鋸刃状の圧接凸部29が上下方向に複数(例えば三個)列設されている。圧接凸部29は、外側挟持片部27と内側挟持片部26との間にマスク本体101の上縁部108が嵌入された状態で、該上縁部108の外側面107に圧接されて引っ掛かる。
【0032】
これにより、係合側部22がマスク本体101の上縁部108に係合された取付状態で、位置ずれを抑制する作用効果が著しく向上する。さらに、本実施例の圧接凸部29は、上向きの略鋸刃状を成す形態としていることから、マスク本体101の上縁部108に係合し易く且つ該上縁部108から外れ難くなっている。
【0033】
尚、こうした係合側部22は、内側挟持片部26と外側挟持片部27とが薄厚板状に形成されたものである。
【0034】
次に、マスク用サポート部材1の使用態様と作用効果について説明する。
マスク用サポート部材1は、図5に示すように、主杆部2、顎支持部4、および連結部3の支腕部21,21がマスク本体101の内側に配され且つ該主杆部2が左右方向の略中央部に位置されるように、該連結部3を構成する左右の係合側部22,22を、該マスク本体101の上縁部108に連結させることにより、マスク100に取り付けられる(図6~8参照)。
【0035】
ここで、各係合側部22は、前述したように、内側挟持片部26がマスク本体101の内側面に当接し且つ外側挟持片部27が該マスク本体101の外側面107に当接するように、該マスク本体101の上縁部108を、該内側挟持片部26と外側挟持片部27との間に嵌入させる。
【0036】
これにより、マスク本体101の上縁部108に、左右の係合側部22,22が係合される。
【0037】
このようにマスク用サポート部材1が取り付けられたマスク100では、マスク本体101の内側面が該マスク用サポート部材1の主杆部2に当接されることから、該マスク本体101の左右方向中央部分が該主杆部2に倣って前方へ突出した形態で維持される(図8参照)。
【0038】
マスク用サポート部材1を取り付けたマスク100は、図6,7に示すように、該マスク用サポート部材1の顎支持部4を使用者hの顎部cに当接させて、左右の耳掛け部102,102を使用者hの耳eに引っ掛けることによって、該使用者hに装着される。こうしてマスク100が装着された状態では、マスク本体101により使用者hの口部mが被覆されると共に、該マスク本体101によって使用者hの鼻頭nも被覆される。
【0039】
そして、マスク100の装着状態では、図7に示すように、マスク用サポート部材1の主杆部2が使用者hの口部mの前方に位置することから、該主杆部2に内側面が当接されたマスク本体101と、該使用者hの口部mとの間に、非接触空隙50が形成される。
【0040】
この非接触空隙50により、マスク100を装着した状態で、使用者hの口紅等の化粧等がマスク本体101に付着することを抑制できるため、快適性と清潔性とを維持することができる。
【0041】
さらに、マスク用サポート部材1の主杆部2は、前述したように、主軸フレーム部11の上部から中央の分岐フレーム部12の下部にかけて最も前方に突出する形態となっていることから、この部分を使用者hの鼻頭nの前方位置に配することで、該鼻頭nとマスク本体101との接触も抑制することができる。これによっても、使用者hの化粧がマスク本体101に付着することを抑制できるため、前記した快適性と清潔性とを維持する作用効果に寄与する。
【0042】
また、係合側部22は、前述したように外側挟持片部27が内側挟持片部26よりも後寄りに設けられていることから、前記したマスク100の装着状態では、図8,9に示すように、マスク本体101の外側面107に当接された外側挟持片部27の後側部がマスク本体101の上縁部108を介して使用者hの肌に当接する。そして、内側挟持片部26が使用者hの肌に直接的に接触することを抑制できる。
【0043】
これにより、係合側部22が使用者hの肌に直接接触した部位で、痛みやかゆみ等が生ずることを抑制でき、比較的長時間の使用であっても、快適な装着状態を保ち得る。
【0044】
また、係合側部22は、外側挟持片部27がマスク本体101の外側面107に当接する側面に圧接凸部29を備えた構成であることから、該マスク本体101の上縁部108に係合された状態で、該圧接凸部29が該マスク本体101の外側面107に圧接されて引っ掛かる。
【0045】
これにより、係合側部22は、マスク本体101の上縁部108に係合されると、該マスク本体101から取り外す方向へ変位することが抑制されて離脱し難くなる。したがって、マスク用サポート部材1をマスク本体101に取り付けた取付状態で、当該マスク用サポート部材1が位置ずれすることを抑制でき、所望の取付位置で安定して保持され得る。
【0046】
また、本実施例のマスク用サポート部材1は、前述したように、プラスチック製であり、さらに、各部位が薄厚状に形成されていることから、極めて軽量である。そのため、マスク100に取り付けた取付状態で、使用者hがマスク用サポート部材1の重量を感じ難く、該重量に基づく違和感を生じ難い。さらに、取付状態にあるマスク用サポート部材1の重量によりマスク100が下方へ落ちてしまうことを抑制することができる。したがって、比較的長期間の使用でも疲れ難く、マスク100の装着時における快適性を保つという作用効果に寄与できる。
【0047】
本実施例にあって、係合側部22を構成する内側挟持片部26と外側挟持片部27とが、本発明にかかる挟持片部に相当する。そして、内側挟持片部26が、本発明にかかる内側の挟持片部に相当し、外側挟持片部27が、本発明にかかる外側の挟持片部に相当する。また、マスク100の耳掛け部102が、本発明にかかるマスク装着手段に相当する。
【0048】
前述した実施例にあって、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0049】
また、前述の実施例では、連結部3が支腕部21,21と係合側部22,22とから構成されるものとしたが、これに限らず、例えば、主杆部2の上端部の左右部位に、マスク本体101の上縁部108に係合される係合部がそれぞれ設けた構成であっても良い。
【0050】
また、前述の実施例では、軽量化のため、主杆部2が三叉状に分岐された三個の分岐フレーム部12を上部に備えた構成であるが、これに限らず、例えば、該実施例の主軸フレーム部のみで構成されるものであっても良い。
【0051】
また、前述の実施例では、顎支持部4が、使用者hの顎部cの前面部に当接するものとした構成であるが、これに限らず、例えば、顎部cの下面部に引っ掛かる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 マスク用サポート部材
2 主杆部
3 連結部
4 顎支持部
21 支腕部
22 係合側部
26 内側挟持片部
27 外側挟持片部
29 厚接凸部
50 非接触空隙
100 マスク
101 マスク本体
102 耳掛け部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9