(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074186
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】体幹装具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20220511BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20220511BHJP
A61F 13/14 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A61F5/02 K
A61F5/01 K
A61F13/14 C
A61F13/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184021
(22)【出願日】2020-11-03
(71)【出願人】
【識別番号】309011642
【氏名又は名称】株式会社 P.O.ラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優策
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB04
4C098BB05
4C098BC02
4C098BC13
4C098BC18
4C098BC20
4C098BC44
4C098BD01
4C098BD14
(57)【要約】
【課題】容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することを課題とする。
【解決手段】腰部を中心に装着する体幹装具であって、体幹の左側に装着する左装具と、体幹の右側に装着する右装具と、前記左装具と前記右装具とを腹側で締め付ける腹側連結具と、前記左装具と前記右装具とを背中側で締め付ける背中側連結具と、を備え、前記左装具は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部と、脇腹方向にループする左ループ部を有した硬質材料からなる左環状フレームを有し、前記右装具は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部と、脇腹方向にループする右ループ部を有した硬質材料からなる右環状フレームを有していることを特徴とする体幹装具とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰部を中心に装着する体幹装具であって、
体幹の左側に装着する左装具と、
体幹の右側に装着する右装具と、
前記左装具と前記右装具とを腹側で締め付ける腹側連結具と、
前記左装具と前記右装具とを背中側で締め付ける背中側連結具と、を備え、
前記左装具は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部と、脇腹方向にループする左ループ部を有した硬質材料からなる左環状フレームを有し、
前記右装具は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部と、脇腹方向にループする右ループ部を有した硬質材料からなる右環状フレームを有していることを特徴とする体幹装具。
【請求項2】
前記腹側連結部及び前記背中側連結部はともに、複数の面ファスナーで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の体幹装具。
【請求項3】
ウエスト部にあたる部分の前記左装具における左ウエスト部調整ベルト、又はウエスト部にあたる部分の前記右装具における右ウエスト部調整ベルトを有したことを特徴とする請求項1又は2に記載の体幹装具。
【請求項4】
前記左装具の腹側端部、前記右装具の腹側端部、前記左装具の背中側端部、又は前記右装具の背中側端部に、硬質材料からなる直線状フレームが装着可能であることを特徴とする請求項1-3のいずれかに記載の体幹装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧迫骨折や脊髄損傷などによって体幹を保持することが困難な場合に、腰部を中心に装着して前屈、後屈、側屈、回旋を制限する体幹装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の胸椎又は腰椎の圧迫骨折が増加している。この骨折の治療に際しては、骨癒合を促進させるために骨折部に負担が掛らないように体幹の前屈後屈側屈回旋を制限して骨折部を固定する必要がある。そのための体幹装具としてはフルオーダーメイドが一般的であるが、かなりの製作時間を要するため治療の初期段階から提供することができない。
【0003】
特許文献1には、左右の胸部装具と、左右の腰部装具は、それぞれの側方フレームを介して上下位置調節自在に連結されるともに、上方に位置する胸部装具と下方に位置する腰部装具との前屈角度は、それぞれの側方フレームにおいて調節自在とされたことにより、治療の初期段階から装着でき、しかも、オーダーメードの様に適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開2014-226523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、ウエストを締めたときにトップやボトムがいっしょに締まってしまい、ウエストが細い体形に合わせることが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決して、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、腰部を中心に装着する体幹装具であって、
体幹の左側に装着する左装具と、
体幹の右側に装着する右装具と、
前記左装具と前記右装具とを腹側で締め付ける腹側連結具と、
前記左装具と前記右装具とを背中側で締め付ける背中側連結具と、を備え、
前記左装具は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部と、脇腹方向にループする左ループ部を有した硬質材料からなる左環状フレームを有し、
前記右装具は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部と、脇腹方向にループする右ループ部を有した硬質材料からなる右環状フレームを有していることを特徴とする体幹装具を提供するものである。
【0008】
この構成により、硬質材料からなる左環状フレーム及び右環状フレームを備えたことで、例えば、ウエスト部分を締め付けた際にトップ部やボトム部が同時に締め付けられることを防止して、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0009】
体幹装具であって、前記左ループ部及び前記右ループ部は共に、腹側の下端から脇腹方向に向かうに従い上方に変位し、脇腹部にて上方に延び、腋の下部から腹側に向かって横方向に延びて、環状にループしている構成としてもよい。
【0010】
この構成により、左ループ部及び右ループ部が共に、腹側の下端から脇腹方向に向かうに従い上方に変位していることで、骨盤に左環状フレーム及び右環状フレームが干渉することを防ぐことができる。
【0011】
体幹装具であって、前記左ループ部及び前記右ループ部は共に、腋の下部から腹側に向かうに従い上方に変位している構成としてもよい。
【0012】
この構成により、左ループ部及び右ループ部は共に、腋の下部から腹側に向かうに従い上方に変位していることで、腋の下に左環状フレーム及び右環状フレームが干渉することを防ぐことができる。
【0013】
体幹装具であって、前記バックベルトは、面ファスナーからなる構成としてもよい。
【0014】
この構成により、任意の位置でバックベルトを固定でき、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0015】
体幹装具であって、ウエスト部にあたる部分の前記左装具における左ウエスト部調整ベルト、又はウエスト部にあたる部分の前記右装具における右ウエスト部調整ベルトを有した構成としてもよい。
【0016】
この構成により、左ウエスト部調整ベルト、又は右ウエスト部調整ベルトを有したことで、ウエスト部分を締め付けることができ、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0017】
体幹装具であって、前記左装具の腹側端部、前記右装具の腹側端部、前記左装具の背中側端部、又は前記右装具の背中側端部に、硬質材料からなる直線状フレームが装着可能である構成としてもよい。
【0018】
この構成により、前屈、後屈、側屈、又は回旋の制限を強化することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の体幹装具により、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1における体幹装具を説明する右斜め正面からみた図。
【
図2】本発明の実施例1における体幹装具を説明する右側面からみた図。
【
図3】本発明の実施例1における体幹装具を説明する背面からみた図。
【
図4】本発明の実施例1における体幹装具において、左装具のウエストを締める動作を説明する図。
【
図5】本発明の実施例1における体幹装具において、左装具のウエストを締めた状態を説明する図。
【
図6】本発明の実施例2における体幹装具の腹側に装着した直線状フレームを説明する図。
【
図7】本発明の実施例2における体幹装具の背中側に装着した直線状フレームを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【実施例0021】
本発明の実施例1について、
図1~
図5を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1における体幹装具を説明する右斜め正面からみた図。
図2は、本発明の実施例1における体幹装具を説明する右側面からみた図。
図3本発明の実施例1における体幹装具を説明する背面からみた図。
図4は、本発明の実施例1における体幹装具において、左装具のウエストを締める動作を説明する図。
図5は、本発明の実施例1における体幹装具において、左装具のウエストを締めた状態を説明する図である。
【0022】
実施例1における体幹装具100は、胸部から腰部にかけて装着して、圧迫骨折した骨折部に負担が掛らないように体幹の前屈後屈側屈回旋を制限するものである。そのため、胸部から腰部にわたる長さを有した体幹の左側に装着する左装具1と、胸部から腰部にわたる長さを有した体幹の右側に装着する右装具2とを備える。左装具1は、メッシュ状の布からなる左装具本体12を有している。この左装具本体12は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部14と、脇腹方向にループする(環状になる)左ループ部15を有した硬質材料(例えば、合成樹脂や金属)からなる左環状フレーム11を備えている。左環状フレーム11は面ファスナーが固定可能な布で覆われて左装具本体12に縫い込まれて保持されている。左ループ部15は、腹側の下端から脇腹方向に向かうに従い上方に変位し、脇腹部にて上方に延び、腋の下部から腹側に向かって横方向に延びて、環状にループしている。これにより、骨盤を避けるように迂回しているため、左環状フレームと骨盤とが干渉することを防止できる。
【0023】
同様に、右装具2は、メッシュ状の布からなる右装具本体22を有している。この右装具本体22は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部24と、脇腹方向にループする(環状になる)右ループ部25を有した硬質材料(例えば、合成樹脂や金属)からなる右環状フレーム21を備えている。右環状フレーム21は面ファスナーが固定可能な布で覆われて右装具本体22に縫い込まれて保持されている。右ループ部25は、腹側の下端から脇腹方向に向かうに従い上方に変位し、脇腹部にて上方に延び、腋の下部から腹側に向かって横方向に延びて、環状にループしている。これにより、骨盤を避けるように迂回しているため、左環状フレーム11及び右環状フレーム21が骨盤と干渉することを防止できる。
【0024】
また実施例1においては、左ループ部15及び右ループ部25は、腋の下部から腹側に向かうに従い上方に変位している。これにより、腋の下を避けるように迂回できるため、左環状フレーム11及び右環状フレーム21が腋の下と干渉することを防止できる。そして、左環状フレーム11及び右環状フレーム21は、全体として略台形の輪郭形状を有している。
【0025】
つまり、左装具1は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部14と、脇腹方向にループする左ループ部15を有した硬質材料からなる左環状フレーム11を有している。また、右装具2は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部24と、脇腹方向にループする右ループ部25を有した硬質材料からなる右環状フレーム21を有している。この左環状フレーム11及び右環状フレーム21を有することで、後述するように、胸部付近のトップ部、ウエスト部、及び腰部付近のボトム部のそれぞれを個別に締め付けることができ、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0026】
なお、実施例1においては、左ループ部15及び右ループ部25は、腋の下部から腹側に向かうに従い上方に変位している構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、後述するショートタイプの体幹装具では、肋骨の下端部から腰部にかけて装着するため腋の下の影響があまりなく、この場合は、左ループ部15及び右ループ部25は、腋の下部から腹側に向かって真っすぐに延びている構成としてもよい。
【0027】
腹側連結部である4本のフロントベルト3(3A、3B、3C、3D)がフロントベルト用金具7(7A、7B、7C、7D)によって折り返して左装具1の腹側端部から右装具2方向に延びている。この4本のフロントベルト3(3A、3B、3C、3D)は、それぞれ面ファスナーで構成され、個別に引っ張って右装具2に固定して左装具1と右装具2とを体形に合わせて締め付けることができる。このため、右装具2の腹側表面は、面ファスナーが固定可能な構造を有している。同様に、背中側連結部である4本のバックベルト4(4A、4B、4C、4D)がバックベルト用金具8(8A、8B、8C、8D)によって折り返して右装具2の背中側端部から左装具1方向に延びている。この4本のバックベルト4(4A、4B、4C、4D)は、それぞれ面ファスナーで構成され、個別に引っ張って左装具1に固定して背中側で左装具1と右装具2とを体形に合わせて締め付けることができる。このため、左装具1の背中側表面は、面ファスナーが固定可能な構造を有している。
【0028】
腹側連結部であるフロントベルト3(3A、3B、3C、3D)を面ファスナーで構成したことで、任意のフロントベルト3A、3B、3C、又は3Dのみを強く締め付けることができ体形に適合させて固定することができる。また、背中側連結部であるバックベルト4(4A、4B、4C、4D)を面ファスナーで構成したことで、任意のバックベルト4A、4B、4C、又は4Dのみを強く締め付けることができ体形に適合させて固定することができる。
【0029】
実施例1においては、腹側連結部及び背中側連結部を面ファスナーで構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、1本又は複数の紐で構成してもよい。1本の紐で構成する場合は、左装具1端部と右装具2端部とに上下方向に複数の穴を設け、靴ひもを通すように、左、右、左と交互に穴に紐を通していけばよい。これにより、全体を均等にしっかりと連結することができる。
【0030】
左装具1の腹側端部から右装具2方向に正面当て布5が設けられて装着者の腹部を隠すことができる。また、右装具2の背中側端部から左装具1方向に背中当て布6が設けられて装着者の背中部を隠すことができる。実施例1においては、布5及び布6は、メッシュ状であるが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、メッシュ状ではない構成としてもよい。
【0031】
左装具1のフロントベルト3(3A、3B、3C、3D)における背中方向端部には、フレーム挿入用ベルト9(9A、9B、9C、9D)が設けられており(
図4、
図6参照)、上から3番目のフレーム挿入用ベルト9Cの背中方向端部に面ファスナーからなる左ウエスト部調整ベルト13が設けられ、この左ウエスト部調整ベルト13を背中方向に引っ張って(
図4参照)、左装具本体12に固定する(
図5参照)ことで、ウエスト部のみを締めることができる。このとき、左装具1が硬質の左環状フレーム11を備えていることで、左ウエスト部調整ベルト13を背中方向に引っ張ってウエスト部を締めてもトップ部(ウエスト部よりも上側)及びボトム部(ウエスト部よりも下側)が締まることを防ぎ、体形に合わせて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0032】
また同様に、右装具2の上から3番目のフロントベルト3Cが固定された付近には、面ファスナーからなる右ウエスト部調整ベルト23が設けられ、この右ウエスト部調整ベルト23を背中方向に引っ張って、右装具本体22に固定する(
図2参照)ことで、ウエスト部のみを締めることができる。このとき、右装具2が硬質の右環状フレーム21を備えていることで、右ウエスト部調整ベルト23を背中方向に引っ張ってウエスト部を締めてもトップ部(ウエスト部よりも上側)及びボトム部(ウエスト部よりも下側)が締まることを防ぎ、体形に合わせて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0033】
ウエスト部をトップ部及びボトム部に対して、強く締め付けるには、フロントベルト3A、3B、3D及びバックベルト4A、4B、4Dに対して、フロントベルト3C及びバックベルト4Cを強く締めつければよいが、上述の左ウエスト部調整ベルト13及び右ウエスト部調整ベルト23を締め付けることでより一層ウエスト部をトップ部及びボトム部に対して締めることができる。これにより、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0034】
なお、実施例1における体幹装具100は、胸部から腰部にかけて装着して、圧迫骨折した骨折部に負担が掛らないように体幹の前屈後屈側屈回旋を制限する標準タイプとしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、前述のように、肋骨の下端部から腰部にかけて装着するショートタイプの体幹装具や腰部から胸全体を覆うようなロングタイプの体幹装具であってもよい。要するに症状によってロングタイプ、標準タイプ、又はショートタイプを使い分け、腰部を中心に装着する体幹装具であればよい。
【0035】
また、フロントベルト3を4本としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、ショートタイプの場合は上下が短いため、トップ部、ウエスト部、及びボトム部に各1本の合計3本としてもよい。また、ロングタイプの場合は上下が長いため5本以上としてもよい。
【0036】
また、実施例1においては、バックベルト3を4本としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、ショートタイプの場合は上下が短いため、トップ部、ウエスト部、及びボトム部に各1本の合計3本としてもよい。また、ロングタイプの場合は上下が長いため5本以上としてもよい。
【0037】
実施例1においては、腹側連結部であるフロントベルト3(3A、3B、3C、3D)を面ファスナーで構成したため、トップ部、ウエスト部、又はボトム部等任意の位置を強く締め付けることができ体形に沿って任意の位置で右装具2に固定することができる。また同様に、背中側連結部であるバックベルト4(4A、4B、4C、4D)を面ファスナーで構成したため、トップ部、ウエスト部、又はボトム部等任意の位置を強く締め付けることができ体形に沿って左装具1に固定することができる。これにより、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
【0038】
さらに、上述のように、実施例1においては、左環状フレーム11及び右環状フレーム21が骨盤及び腋の下を避ける形状としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、左環状フレーム11及び右環状フレーム21が骨盤のみを避ける形状としてもよい。
【0039】
また、実施例1においては、左ウエスト部調整ベルト13及び右ウエスト部調整ベルト23を設けるように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、左ウエスト部調整ベルト13及び右ウエスト部調整ベルト23のいずれかを設けるように構成してもよい。
【0040】
このように実施例1においては、腰部を中心に装着する体幹装具であって、
体幹の左側に装着する左装具と、
体幹の右側に装着する右装具と、
前記左装具と前記右装具とを腹側で締め付ける腹側連結具と、
前記左装具と前記右装具とを背中側で締め付ける背中側連結具と、を備え、
前記左装具は、腹側端部を上下方向に貫く左上下部と、脇腹方向にループする左ループ部を有した硬質材料からなる左環状フレームを有し、
前記右装具は、腹側端部を上下方向に貫く右上下部と、脇腹方向にループする右ループ部を有した硬質材料からなる右環状フレームを有していることを特徴とする体幹装具により、容易に各人の体形に合わせられて適合性に優れた胸腰椎用の体幹装具を実現することができる。
なお、実施例1においては、左装具1の腹側端部に直線状フレーム31を装着可能としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、右装具2の腹側端部に直線状フレーム31を装着可能としてもよいし、左装具1及び右装具2の腹側端部に直線状フレーム31を装着可能としてもよい。左装具1及び右装具2の腹側端部に直線状フレーム31を装着することにより、さらに、前屈、後屈、側屈、又は回旋の制限を強化することができる。
このように実施例2においては、前記左装具の腹側端部、前記右装具の腹側端部、前記左装具の背中側端部、又は前記右装具の背中側端部に、硬質材料からなる直線状フレームが装着可能であることで、前屈、後屈、側屈、又は回旋の制限を強化することができる。