(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074282
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F5/04 601C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184196
(22)【出願日】2020-11-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】薮本 道人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】米積 孝之
(72)【発明者】
【氏名】森 穂積
(72)【発明者】
【氏名】羽川 信也
(72)【発明者】
【氏名】井上 勉
(72)【発明者】
【氏名】矢野 卓
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182DA25
2C182DA40
2C182DA42
2C182DA50
(57)【要約】
【課題】親基板に子基板を積層してなる基板装置に貼付された識別ラベルを、従来よりも容易に視認可能な遊技機を提供する。
【解決手段】親基板84aの一面側に子基板84bが積層され、親基板84aと子基板84bの一面側が視認可能となるよう配設するとともに、子基板84bの一面側に、識別情報を示す識別ラベル110bを貼付され、子基板84bの他面側と、子基板84bに配設されたROM90の他面側と、親基板84aの一面側で、子基板84bの積層によって視認困難となる領域となる領域には、識別情報を示す識別ラベルを貼付されないようにする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、
前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、
前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、
前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層状に基板対基板接続された基板装置を透明な基板ケースに収容してなる基板ユニットを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機用の基板装置を構成する基板は、透明な基板ケースに収容されて、基板ユニットとして遊技機に装着される。こうした基板装置には、部品共通化率を高めるために、親基板の上に子基板を積層した構成を採用したものが知られている(例えば、特許文献1)。また、通常、基板装置には、遊技機の機種名等を表示する識別ラベルが貼付されている。従来の遊技機では、かかる識別ラベルは、基板の外周部に設けられた部品の実装されていないデッドスペースに貼付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、親基板に子基板を積層してなる従来の基板装置の場合、上記識別ラベルは、親基板の外周部のデッドスペースに貼付されている。しかしながら、親基板と子基板からなる基板装置は、通常の基板に比べて厚みがあるため、通常の基板に貼付された識別ラベルに比べて、識別ラベルが、視認する係員の視点から比較的離れた位置に配置されることとなり、視認し辛いという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みて為されたものであり、親基板に子基板を積層してなる基板装置に貼付された識別ラベルを、従来よりも容易に視認することができる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、 前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれていることを特徴とする遊技機である。
【0007】
かかる構成にあっては、従来構成のように親基板の外周部に配設される場合に比べて、識別ラベルが、視認する係員の視点近くに配置されるため、従来構成に比べて識別ラベルの視認性を向上させることができる。
【0008】
さらに、識別ラベルに親基板と子基板の共通する情報を示すことで親基板ではこの共通する情報を表す識別ラベルは貼付不要となるため、親基板の識別ラベル貼り付けにかかるデッドスペースを削減して、基板装置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかるスロットマシン1の正面図である。
【
図2】
図1のスロットマシン1の前面扉が開いた状態での斜視図である。
【
図3】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】識別ラベルの一例を説明するための説明図である。
【
図10】前面扉5の閉止状態における、基板ユニット86とリールユニット13の位置関係を示す側面図である。
【
図11】演出基板84から各機器への電力供給回路を示す回路図である。
【
図12】電源装置18から主要な機器への電力供給回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、
図1~
図9を参照して説明する。
【0011】
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について
図1、
図2を参照して説明する。
【0012】
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば
図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0013】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、
図1、
図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、上段ライン、中段ライン、下段ライン、右上がりライン、右下がりラインの5ラインが入賞ラインとして設定されている。
【0014】
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される
図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0015】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0016】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、
図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0017】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0018】
また、
図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持するリールユニット13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内のリールユニット13の下方には、
図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、
図9に示すように、リールユニット13には、リールユニット13への信号線を中継するリール接続基板24と、リール接続基板24を覆う基板カバー38を上部に備えている。また、基板カバー38には、リールユニット13を把持する把手39が形成されている。
【0019】
また、メダル投入口25付近の裏面側には、
図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、
図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(
図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(
図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(
図3参照)が設けられている。この電源スイッチ50がオンのとき、操作ボックス49内の電源装置18(
図11参照)が外部電源から変換した電力をスロットマシン1の各機器に供給し、電源スイッチ50がオフになると、当該電力の供給を停止する。また、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。
【0020】
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について
図3を参照して説明する。
図3はスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0022】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのものであり、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0023】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
【0024】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。
【0025】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
【0026】
メイン制御基板63に実装されたメインCPU61は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0027】
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
【0028】
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更する。
【0029】
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
【0030】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いて当選役グループの当選かどうかの決定を行う。
【0031】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
【0032】
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加させる。
【0033】
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
【0034】
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
【0035】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73に実装されたサブCPU71は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0036】
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったりする。
【0037】
また、サブCPU71で決定された演出内容に応じて各演出装置に演出コマンドを送信し、演出コマンドを受信した別基板で演出を制御することもある。例えば、サブ制御基板73から画像制御部81へ演出コマンドが送信されると、画像制御部81で表示内容を決定し、液晶表示器27へ表示データを送信する。また、例えば、サブ制御基板73からオーディオ制御部82へ演出コマンドが送信されると、オーディオ制御部82で発報内容を決定し、スピーカ31L,31Rへ音声データを送信する。
【0038】
また、サブ制御基板73から上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行うデータはランプ接続部83を介して上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rへ送信される。
【0039】
本実施例では、
図2,3,5に示すように、画像制御部81とオーディオ制御部82とランプ接続部83は共通の演出基板84にその機能を搭載されており、基板ケース85に収納されて前面扉5の背面上部に設置されることで基板ユニット86を形成している。
【0040】
以下に、基板ユニット86について詳述する。
【0041】
図4,5に示すように基板ユニット86は、演出基板84を基板ケース85に収容してなるものである。以下の説明では、前面扉5の正面側を演出基板84,基板ケース85を構成する各部品と各基板の他面側とし、前面扉5の背面側を演出基板84,基板ケース85を構成する各部品と各基板の一面側として説明する。なお、図面では、便宜上、基板ケース85を不透明にしているが、基板ケース85は少なくとも一面側が透明であり、前面扉5を開放した状態(
図2参照)で、前面扉5の背面側から基板ケース85を透して演出基板84の一面側を視認可能となっている。
【0042】
図6,7に示すように、演出基板84は、親基板84aの一面側中央部に、親基板84aよりも小さい子基板84bを積層状に配設してなるものである。
【0043】
子基板84bは、略矩形状であり、その一面側に演出用画像データを記憶するROM90を配設してなるROM基板である。また、子基板84bは、子基板84bの他面側に配設されたスタッキング接続用コネクタ87dを介して親基板84aと基板対基板接続されている。
【0044】
親基板84aは、略矩形状であり、その一面側にコネクタ87a~87c、モニタランプ88a~88dなどの電子部品を配設してなるものである。親基板84aの一面側下部に配設される2つのコネクタ87a,87bは、ワイヤハーネス接続用コネクタであり、一面側中央部に配設されるコネクタ87cは、子基板84bと接続するためのスタッキング接続用コネクタである。また、親基板84aと子基板84bとはコネクタ87c,87dで接続されるとともに、螺子89bで締結される。
【0045】
親基板84aの一面側上部には、LEDからなる4つのモニタランプ88a~88dが配設される。モニタランプ88a~88dは、電源装置18を供給元とする4種類の電源ラインの通電状態を示すものであり、
図7に示すように親基板84aの表面には、各モニタランプ88a~88dの脇に、対応する電源ラインの電圧値(「5V」、「12V」、「20V」、「30V」)が夫々表示されている。
【0046】
図5に示すように、演出基板84を収容する基板ケース85は、略矩形板状をなしており、演出基板84の一面側を覆うカバー部材85aと、演出基板84の他面側を覆うベース部材85bとで構成される。
図5,7に示すように、カバー部材85aは、演出基板84を収容可能な浅箱形状の透明樹脂部材である。ベース部材85bは、演出基板84よりも少し大きい透明樹脂板であり、演出基板84と螺子89aで締結され、カバー部材85aとは図示しない封印部材で封止されている。なお、本実施例ではベース部材85bを透明樹脂部材としているが、前面扉5の背面側から基板ケース85を透して演出基板84の一面側を確認できれば良いため、ベース部材85bについては不透明であっても差し支えないし、ベース部材85bが無く、カバー部材85aが筐体3や前面扉5などに直接螺子などで締結される形態であっても差し支えない。
【0047】
図5に示すように、カバー部材85aの一面側には、ワイヤハーネス接続用のコネクタ87a,87bを外部に露出させるコネクタ開口部97a,97bが形成される。また、カバー部材85aの一面中央部には、一面側に膨出する膨隆部100が形成される。かかる膨隆部100は、基板ケース85の封止状態において、演出基板84の一面側に積層状に配設される子基板84bとカバー部材85aとの干渉を防止するためのものであり、子基板84bと前後に対向する部分が、最も背面側に膨出する頂部101となっている。膨隆部100の頂部101は平坦となっており、膨隆部100には、その側壁にスリット状の放熱用貫通孔102が形成される。
【0048】
また、
図7,8に示すように、演出基板84には、識別情報を示す識別ラベル110a,110bが貼付される。識別ラベル110a,110bは、前面扉5の開放状態で、前面扉5の背面側から基板ケース85を透して視認できるように演出基板84の一面側に貼付される。すなわち、前面扉5の背面側から視認困難となる領域(演出基板84の他面側、演出基板84に搭載されている部品の他面側、演出基板84に搭載される部品の演出基板84と対向する面側、子基板84bの他面側の表面、子基板84bの一面側の表面であって部品が配設される領域、親基板84aの一面側であって子基板84bが積層される領域)には、識別ラベル110a,110bは貼付されない。親基板84aの識別ラベル110aは、親基板84aの一面側に貼付されるが、子基板84bの識別ラベル110bは、子基板84bに搭載されたROM90の一面側に貼付される。
図8(a)、
図8(b)に示すように、2枚の識別ラベル110a,110bを比べると、110bの方が大きい矩形状をなしており、夫々の表面には、識別情報を示す文字列111a,111bとQRコード(登録商標)112a,112bが印字されている。
【0049】
識別ラベル110bの各文字列111bが示す識別情報は、スロットマシン1の機種名と、貼付される子基板84bの名称と、子基板84bの基板型番である。すなわち、
図8(b)に示すように、子基板84bに貼付される識別ラベル110bには、「ニューパルサーS23」というスロットマシン1の機種名と、「映像ROM」という基板名称と、「DEF456789」という基板型番を示す文字列111bが印字される。
【0050】
識別ラベル110aの文字列111aが示す識別情報は、貼付される親基板84aの名称と、親基板84aの基板型番である。すなわち、
図8(a)に示すように、親基板84aに貼付される識別ラベル110aには、子基板84bに貼付される識別ラベル110bに印字されていた「ニューパルサーS23」というスロットマシン1の機種名は重複する情報であるため印字されず、「画像制御基板」という基板名称と、「ABC123456」という基板型番を示す文字列111aが印字される。これにより、識別ラベル110aは識別ラベル110bよりもサイズを小さくすることができる。
【0051】
一方、識別ラベル110a,110bの各QRコード(登録商標)112a,112bには、比較的多くの情報を記録可能であるため、スロットマシン1の機種名や貼付される演出基板84の基板名称、基板型番に加えて、演出基板84の製造番号や、製造工場、出荷先などの製造工程に関連する情報も識別情報として記録される。なお、本実施例では、識別ラベル110a,110bの各QRコード(登録商標)112a,112bは子基板84bと親基板84aで共通としているが、親基板84aのQRコード(登録商標)112aには親基板84aの固有情報のみとし、子基板84bと親基板84aで重複する情報は子基板84bのQRコード(登録商標)112bへ集約してもよい。これにより、親基板84aのQRコード(登録商標)112aのサイズを小さくすることもできる。また、識別情報を子基板84bの識別ラベル110bに集約し、親基板84aには識別ラベルを貼付しないようにしてもよい。
【0052】
次に、本件第1の発明の要部に係る構成について説明する。
【0053】
上述のように、本実施例では、演出基板84の子基板84bの一面側に識別ラベル110bが貼付される。かかる構成のように、子基板84bに識別ラベル110bを貼付した場合には、親基板84aの外周部に貼付される識別ラベル110aよりも、視認する係員の視点近くに配置されるため、識別ラベル110bの視認性を向上させることができる。特に、本実施例では、子基板84bに搭載されたROM90に識別ラベル110bが貼付されるため、子基板84b自体に貼付される場合よりも、識別ラベル110bを視認する係員の視点に近づけることができる。また、本実施例では、子基板84bに貼付される識別ラベル110bは、スロットマシン1の機種名という共通する情報を含んでいるため、親基板84aへの識別ラベル110aの貼付を省略し、識別ラベル110aのサイズを小さくして、親基板84aのデッドスペースを削減すれば、演出基板84を小型化できる。
【0054】
また、本実施例では、子基板84bに貼付される識別ラベル110bには、識別情報が記録されたQRコード(登録商標)112bが印字される。かかる構成にあっては、識別情報が記録されたQRコード(登録商標)112bを、親基板84aの識別ラベル110aよりも手前側(背面側)に配置できるため、読取装置をQRコード(登録商標)110bのより近くで使用できる。また、親基板84aの識別ラベル110aのQRコード(登録商標)112aは、周囲に配設された子基板84bや配設されている電子部品に邪魔されて、読取装置のピント合わせに時間がかかることがあるが、子基板84bに貼付された識別ラベル110bのQRコード(登録商標)112bでは、かかる不具合は生じない。特に、子基板84b内で最も背の高い部品であるROM90に貼付された本実施例では、その効果がより顕著になる。したがって、本実施例では、従来構成に比べて、識別情報を記録するQRコード(登録商標)112bの読取容易性を向上できる。
【0055】
また、本実施例では、膨隆部100の側壁にスリット状の放熱用貫通孔102が形成される。かかる放熱用貫通孔102は、子基板84bの識別ラベル110bを正面(子基板84bの一面側)から視認した時に、識別ラベル110bと重ならない位置であって、かつ、識別ラベル110bの近傍に形成される。かかる構成にあっては、識別ラベル110bの視認性を阻害することなく、識別ラベル110bの周辺の空気を、放熱用貫通孔102を介して入れ替え可能となるため、周囲の電子機器(ROM90など)が生じる熱によって、識別ラベルが剥離したり、変色したりするのを抑制できる。
【0056】
また、上述のように、本実施例では、演出基板84を収容する基板ユニット86は、子基板84bが配置された側が一面側を向くようにして前面扉5の背面側に配置される。そのため、基板ケース85の一面側には、子基板84bの配設部位で前面扉5の背面側に最も大きく膨出する膨隆部100が形成されている。本実施例では、かかる基板ユニット86がリールユニット13に対して適切に近接配置される。具体的には、
図10に示すように、本実施例では、前面扉5の閉止状態で、平面視及び正面視において、基板ユニット86がリールユニット13と重なるように配置される。ただし、正面視においては、基板ユニット86の下部と、リールユニット13の上部だけが重なり、膨隆部100については、平面視でリールユニット13と重なるものの、正面視ではリールユニット13と重ならないように配置される。このように配置すれば、リール13a~13cを前方に膨出させるリールユニット13に対して、膨隆部100を背面側に膨出させる基板ユニット86を、相互に干渉させることなく近接配置して、筐体3の内部スペースを有効活用することができる。
【0057】
以上に本件第1の発明に係る構成を説明したが、本件第1の発明は、本実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例は、本発明をスロットマシンに適用したものであるが、本発明はパチンコ機等の遊技機にも適用可能である。また、本実施例では、演出基板84が、本件第1の発明に係る基板装置に対応しているが、本件第1の発明に係る基板装置は、その他の制御基板や中継基板であってもよいし、複数基板の組合せであってもよい。
【0058】
また、本実施例では、本件第1の発明に係る識別ラベル110bが、子基板84bに配設されたROM90に貼付されているが、本件第1の発明に係る識別ラベルは、子基板84bのその他の電子部品や子基板84b自体に貼付されたものであってもよいし、子基板84bと子基板84bに配設された電子部品の両方に貼付されたものであってもよい。また、本実施例では、本件第1の発明に係る識別ラベル110bに、識別情報を記録したQRコード(登録商標)が印字されているが、本件第1の発明にあって、識別ラベルに印字されるコードは、QRコード(登録商標)に限られず、一次元バーコードなど読取装置によって光学的に読取可能なコードであればよい。
【0059】
次に、本件第2の発明の要部に係る構成について説明する。
【0060】
上述のように、演出基板84には、電源装置18から供給される電源ラインの通電状態を示す4つのモニタランプ88a~88dが配設される。各モニタランプ88a~88dは砲弾型のLEDからなるものであり、
図17に示すように、親基板84aの一面側上部に上下に並設されている。電源装置18から各機器へは、5V/12V/20V/30Vの4種類の電圧の電源ラインを介して電力が供給されるよう構成されており、4つのモニタランプ88a~88dは、夫々の点灯状態によって4本の電源ラインの通電状態を個別に示すよう構成されている。具体的には、上部の第1モニタランプ88aは、5Vの電源ラインの通電中に点灯し、その下の第2モニタランプ88bは、12Vの電源ラインの通電中に点灯し、さらにその下の第3モニタランプ88cは、20Vの電源ラインの通電中に点灯し、下部の第4モニタランプ88dは、30Vの電源ラインの通電中に点灯するよう構成されている。
【0061】
各モニタランプ88a~88dの点灯状態は、前面扉5の開放状態で、前面扉5の背面側から、基板ケース85を透して確認可能である。
【0062】
図11は、電源装置18から主要な機器への電力供給回路を示したものである。
上述のように、電源装置18は外部電源を交流から直流に変換して、5V/12V/20V/30Vの電源電圧の電源ラインを介して各機器に電力を供給する。なお、図示は一部省略しているが、各電源ラインの電力は、電源装置18以外の基板に設置されたレギュレータ等により所要の電圧に変換された電力が各機器に供給されることもある。また、4本の電源ラインは、メイン制御基板63、サブ制御基板73、演出基板84などの中継基板を経由して各機器に接続される。例えば、リールモータ14L,14M,14Rには、メイン制御基板63を経由して、30Vの電源ラインが接続される。メイン制御基板63には5Vと30Vの電源ラインが接続され、5Vの電源ラインから供給される電力は、メイン制御基板63のロジック回路の電源に使用され、30Vの電源ラインは、メイン制御基板63を経由してリールモータ14L,14M,14Rなどの駆動電力として使用される。
【0063】
また、
図11に示すように、4本の電源ラインは、電源装置18からサブ制御基板73に接続される。そして、5Vの電源ラインは、サブ制御基板73を経由して、演出基板84の画像制御部81,オーディオ制御部82に接続されて、それらのロジック回路等へ電力を供給する。一方、12Vと20Vと30Vの2本の電源ラインは、演出基板84の画像制御部81、オーディオ制御部82、ランプ接続部83をそれぞれ経由して、液晶表示器27、スピーカ31L,31R、上部ランプ33、下部ランプ37L,37Rの駆動装置と接続されて、各駆動装置へ駆動電力を供給する。
【0064】
図12に示すように、演出基板84に配設された4つのモニタランプ88a~88dは、演出基板84に接続される4本の電源ラインに夫々接続される。そして、5Vの電源ラインの通電状態では、当該電源ラインから第1モニタランプ88aに電力が供給されることにより第1モニタランプ88aが点灯し、5Vの電源ラインの非通電状態では、当該電源ラインから第1モニタランプ88aへの電力供給が停止することにより第1モニタランプ88aが消灯する。同様に、12Vの電源ラインの通電状態では、当該電源ラインから第2モニタランプ88bに電力が供給されることにより第2モニタランプ88bが点灯し、12Vの電源ラインの非通電状態では、当該電源ラインから第2モニタランプ88bへの電力供給が停止することにより第2モニタランプ88bが消灯する。また、20Vの電源ラインの通電状態では、当該電源ラインから第3モニタランプ88cに電力が供給されることにより第3モニタランプ88cが点灯し、20Vの電源ラインの非通電状態では、当該電源ラインから第3モニタランプ88cへの電力供給が停止することにより第3モニタランプ88cが消灯する。また、30Vの電源ラインの通電状態では、当該電源ラインから第4モニタランプ88dに電力が供給されることにより第4モニタランプ88dが点灯し、30Vの電源ラインの非通電状態では、当該電源ラインから第4モニタランプ88dへの電力供給が停止することにより第4モニタランプ88dが消灯する。
【0065】
このように、本実施例では、演出基板84の各モニタランプ88a~88dが、各電源ラインの通電状態に応じて点灯/消灯するため、遊技場のスタッフは、かかるモニタランプ88a~88dを確認することによって、各機器への電力供給が正常に行われているかを確認できる。ここで、本実施例では、電源スイッチ50をONからOFFに切り替えて電源装置18の電源を切断した時に、モニタランプ88a~88dの消灯タイミングが電源装置18の電源切断時点から適切な時間遅延するよう構成されている。具体的には、
図12に示すように、各電源ラインにはコンデンサを具備する蓄電装置C1~C5が接続される。かかる蓄電装置C1~C5は、電源装置18が各電源ラインに電力を供給している時は、電源ラインからの電力供給によって充電状態となり、電源装置18の電源切断直後は、放電状態となり蓄えられた電荷が無くなるまで電荷を放出する。その際、電源切断直後に蓄電装置C1~C5が放出した電荷の一部が、モニタランプ88a~88dが接続されているラインに流入して、モニタランプ88a~88dの発光に供されることにより、モニタランプ88a~88dの消灯タイミングが、電源スイッチ50をOFFに切り替えたタイミングよりも遅延することとなる。
【0066】
ところで、スロットマシン1の電源切断時において、スピーカ31L,31Rや上部ランプ33などの駆動装置を制御するサブ制御基板73のロジック回路への電力供給が停止する前に、当該駆動装置への電力供給が停止すると、サブ制御基板73の制御処理が停止する前に駆動装置が停止して、駆動装置への制御コマンドが脱落してしまうため、好ましくない。これに対して電源装置18は、サブ制御基板73のロジック回路の電源に使用される5Vの電源ラインへの電力供給を、サブ制御基板73が制御する駆動装置に用いられる12Vや20Vや30Vの電源ラインよりも先に停止するよう構成される。しかしながら、電源装置18による、各電源ラインの停止タイミングの時間差は、モニタランプ88a~88dの消灯タイミングで判別できないほど短くなっている。このため、本実施例では、各電源ラインに接続される蓄電装置C1~C5の放電時間(放電終止までの時間)を適宜設定することにより、各モニタランプ88a~88dの消灯タイミングの時間差を大きくして、モニタランプ88a~88d消灯順序を容易に確認可能としている。ここで、モニタランプ88a~88dの消灯タイミングは電気的には各モニタランプ88a~88dに電流が流れなくなるタイミングのことであるが、より視覚的に各モニタランプ88a~88dの発光が確認できなくなるタイミングであってもよい。
【0067】
具体的には、本実施例では、5Vの電源ラインに接続された蓄電装置C1に比べて、12V、20V、30Vの各電源ラインに、極めて大きな容量の蓄電装置C2~C5を接続することで、電源切断時に、12V、20V、30Vの各電力ラインに接続された蓄電装置C2~C5が放電する時間が、5Vの電源ラインに接続された蓄電装置C1の放電時間よりも長くなるよう構成されている。これにより、電源切断時に、第2モニタランプ88bと第3モニタランプ88cと第4モニタランプ88dの消灯タイミングは、第1モニタランプ88aの消灯よりも大きく遅延する。具体的には、第1モニタランプ88aの消灯タイミングは、電源スイッチ50がOFFに切り替わってから0.5秒程度しか遅延しないのに対して、第2モニタランプ88bの消灯タイミングは2~3秒遅延し、第3モニタランプ88cの消灯タイミングは10~15秒遅延し、第4モニタランプ88cの消灯タイミングは5~7秒遅延することとなる。モニタランプ88a~88dの消灯順序は、消灯時の残像効果による攪乱要因を考慮しても、消灯タイミングに1秒以上の差があれば、十分に判別可能であるため、本実施例のように、第1モニタランプ88aが消灯して1秒以上経過してから、他のモニタランプ88b,88c,88dが消灯するよう構成されていれば、第1モニタランプ88aが最初に消灯することを、確実に目視確認できる。
【0068】
このように、本実施例では、各電源ラインに接続された蓄電装置C1~C5の放電時間に差を設けて、電源切断直後の各モニタランプ88a~88dの消灯タイミングに明確な差を設けることにより、各モニタランプ88a~88dの消灯順序を容易に確認できるという利点がある。
【0069】
特に、本実施例では、5Vの電源ラインに接続された蓄電装置C1は、当該電源ラインの、サブ制御基板73よりも負荷側(制御装置寄り)に接続され、また、12Vと20Vと30Vの電源ラインに接続された蓄電装置C2~C5は、当該電源ラインの、サブ制御基板73よりも負荷側(駆動装置寄り)に接続されている。かかる構成であれば、スロットマシン1に配設される駆動装置の数や消費電力に合わせて、蓄電装置C1~C5の数や容量を容易に設定できるため、電源切断時の各モニタランプ88a~88dの消灯遅延時間を容易に設定できるという利点がある。
【0070】
以上に本件第2の発明に係る構成を説明したが、本件第2の発明は、本実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例は、本発明をスロットマシンに適用したものであるが、本発明はパチンコ機等の遊技機にも適用可能である。また、本実施例では、演出基板84にモニタランプ88a~88dが配設されているが、本件第2の発明に係るモニタランプは、メイン制御基板63やサブ制御基板73、電源装置18など、モニタするべき電源ラインが接続されており、前面扉5が開放状態で視認可能な基板であれば、どの基板に配設されていてもよい。また、本実施例では、電源装置18の電源切断後のモニタランプ88a~88dの消灯の遅延が、第1モニタランプ88aでは0.5秒程度、第2モニタランプ88bでは2~3秒、第3モニタランプ88cでは10~15秒、第4モニタランプ88cでは5~7秒となるよう構成されているが、本件第2の発明は、かかる遅延時間に限られず、電源切断後に、第1のモニタランプ(第1モニタランプ88a)よりも、第2のモニタランプ(第2モニタランプ88b又は第3モニタランプ88c又は第4モニタランプ88c)が遅れて消灯することが容易に確認できる程度であればよい。なお、蓄電装置C1~C5の放電時間は、本実施例のように、電源切断後のモニタランプ88a~88dの消灯遅延時間が15秒以内となるように設定することが望ましい。蓄電装置C1~C5の放電時間を長くしすぎると、駆動装置が無制御状態で駆動可能な状態が継続され、何らかの原因で故障するおそれが大きくなるためである。
【0071】
また、上記実施例では、画像制御部81,オーディオ制御部82が本件第2の発明に係る制御装置に相当し、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37R、スピーカ31L,31R、液晶表示器27が本件第2の発明に係る駆動装置に相当するが、本件第2の発明は、これらの制御装置と駆動装置の組み合わせ以外にも適用可能である。駆動回路の一例として、各種駆動モータやリールバックライトなどがある。また、上記実施例では、5Vの電源ラインは専らロジック回路に電力を供給し、12V、20V、30Vの各電源ラインは専ら駆動装置に駆動電力として供給しているが、本件第2の発明に係る第1の電源ラインは、一部の電力をロジック回路以外に供給するものであってもよいし、本件第2の発明に係る第2の電源ラインは、一部の電力を駆動装置以外に供給するものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…スロットマシン
63…メイン制御基板
73…サブ制御基板
84…演出基板
85…基板ケース
86…基板ユニット
88a~88d…モニタランプ
110a,110b…識別ラベル
【手続補正書】
【提出日】2021-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、
前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、
前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、
前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記親基板には、前記一面側に識別ラベルが貼付されておらず、
前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、
前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、
前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、
前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれており、
前記基板ケースには、複数の放熱用貫通孔が形成されており、
前記放熱用貫通孔は、前記識別ラベルの正面側から視認した時に、前記識別ラベルと重ならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記親基板には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、 前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれていることを特徴とする遊技機である。
また、本発明は、一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれており、前記基板ケースには、複数の貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記識別ラベルの正面側から視認した時に、前記識別ラベルと重ならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機であってもよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、
前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、
前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、
前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、
前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれており、
前記基板ケースには、前記子基板の少なくとも前記識別ラベルが貼付される領域の温度上昇を抑制可能となるよう、前記子基板の近傍に複数の放熱用貫通孔が形成されており、
前記放熱用貫通孔は、前記識別ラベルの正面側から視認した時に、前記識別ラベルと重ならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記親基板には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれていることを特徴とする遊技機である。
また、本発明は、一面側にコネクタを備える親基板と、親基板と対向する他面側にコネクタを備える子基板とが、積層状に基板対基板接続をされた状態で基板ケースに収容される基板ユニットを備える遊技機であって、前記基板ケースは少なくとも前記一面側が透明であり、前記基板ユニットは、前記親基板と前記子基板の前記一面側が視認可能となるよう配設されており、前記子基板の表面および/または前記子基板の前記一面側に実装されている部品には、前記一面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付され、前記他面側に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記親基板には、子基板の積層によって前記一面側からの正面視において視認困難となる領域に識別情報を示す識別ラベルが貼付されておらず、前記識別ラベルが示す前記識別情報には、前記親基板と前記子基板とで共通する情報が含まれており、前記基板ケースには、前記子基板の少なくとも前記識別ラベルが貼付される領域の温度上昇を抑制可能となるよう、前記子基板の近傍に複数の貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記識別ラベルの正面側から視認した時に、前記識別ラベルと重ならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機であってもよい。