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特開2022-74423時計の接点接続構造、時計用ムーブメントおよび時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074423
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】時計の接点接続構造、時計用ムーブメントおよび時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 17/06 20060101AFI20220511BHJP
   G04C 3/14 20060101ALI20220511BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220511BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20220511BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G04G17/06
G04C3/14 B
H01R12/71
H01R31/06 R
H05K1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184440
(22)【出願日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】502366745
【氏名又は名称】セイコーウオッチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢
(72)【発明者】
【氏名】河田 正幸
(72)【発明者】
【氏名】麦島 勝也
(72)【発明者】
【氏名】土屋 忠士
【テーマコード(参考)】
2F002
2F101
5E223
5E344
【Fターム(参考)】
2F002AA01
2F002AA12
2F002AB02
2F002AB04
2F002AC01
2F002AC02
2F101BA01
2F101BA03
2F101BB01
2F101BG01
5E223AA30
5E223AB01
5E223AB08
5E223AB51
5E223BA67
5E223BB14
5E223CA21
5E223CB07
5E223CD01
5E223CD05
5E223DA05
5E344AA02
5E344AA22
5E344BB03
5E344CC05
5E344CD11
5E344DD01
5E344EE17
(57)【要約】
【課題】占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、基板同士の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造を提供する。
【解決手段】時計の接点接続構造は、N個(Nは2以上の自然数)のモータ側接点を持つコイルリード基板と、モータ側接点に接触可能なn個(nはN以上の自然数)の裏側中継接点54を持つ中継基板50と、を備える。径方向において全ての裏側中継接点54、および全てのモータ側接点が位置する領域を第1接点領域と定義した場合、第1接点領域における径方向の全ての位置で、周方向における裏側中継接点54の最大幅をd1とし、隣り合うモータ側接点の周方向の最小間隔をaとすると、a>d1の関係を満たす。第1接点領域における径方向の少なくとも1箇所で、隣り合う裏側中継接点54の周方向の最大間隔をD1とし、周方向におけるモータ側接点の最小幅をAとすると、A>D1の関係を満たす。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸線回りに配置されたn個(nは2以上の自然数)の第1接点を有する第1基板と、
前記第1基板に対して前記所定の軸線回りの任意の角度で固定可能に形成され、前記所定の軸線回りに配置されて前記第1接点に接触可能なN個(Nはn以上の自然数)の第1中継接点を有する中継基板と、
を備え、
前記所定の軸線を中心とする径方向において全ての前記第1中継接点、および全ての前記第1接点が位置する領域を第1接点領域と定義した場合、
前記第1接点領域における前記径方向の全ての位置で、前記所定の軸線回りの周方向における前記第1中継接点の最大幅をd1とし、前記周方向で隣り合う前記第1接点の前記周方向の最小間隔をaとすると、a>d1の関係を満たし、
前記第1接点領域における前記径方向の少なくとも1箇所で、前記周方向で隣り合う前記第1中継接点の前記周方向の最大間隔をD1とし、前記周方向における前記第1接点の最小幅をAとすると、A>D1の関係を満たす、
時計の接点接続構造。
【請求項2】
前記第1基板との間に前記中継基板を挟み、前記所定の軸線回りに配置されたm個(mは2以上の自然数)の第2接点を有する第2基板をさらに備え、
前記中継基板は、前記所定の軸線回りに配置されて前記第2接点に接触可能なM個(Mはm以上の自然数)の第2中継接点を有し、
前記第2中継接点は、前記第1中継接点に導通し、
前記径方向において全ての前記第2中継接点、および全ての前記第2接点が位置する領域を第2接点領域と定義した場合、
前記第2接点領域における前記径方向の全ての位置で、前記周方向における前記第2中継接点の最大幅をd2とし、前記周方向で隣り合う前記第2接点の前記周方向の最小間隔をbとすると、b>d2の関係を満たし、
前記第2接点領域における前記径方向の少なくとも1箇所で、前記周方向で隣り合う前記第2中継接点の前記周方向の最大間隔をD2とし、前記周方向における前記第2接点の最小幅をBとすると、B>D2の関係を満たす、
請求項1に記載の時計の接点接続構造。
【請求項3】
前記中継基板には、前記所定の軸線を中心軸線とする貫通孔が形成され、
前記貫通孔には、前記第1基板および前記第2基板を締結する締結部材が挿通される、
請求項2に記載の時計の接点接続構造。
【請求項4】
前記中継基板は、前記第1中継接点と前記第2中継接点とを接続する接続配線を備え、
前記接続配線は、前記中継基板の側面上に設けられている、
請求項2または請求項3に記載の時計の接点接続構造。
【請求項5】
前記所定の軸線の軸方向から見て前記第1基板に対して移動不能に設けられ、前記所定の軸線に沿って延びる案内ピンをさらに備え、
前記中継基板には、前記案内ピンが挿入可能な貫通孔が形成されている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の時計の接点接続構造。
【請求項6】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の時計の接点接続構造を有する時計用ムーブメントであって、
複数の歯車を有する輪列と、
前記輪列を駆動するモータと、
前記第1接点が前記モータのコイルに導通した前記第1基板と、
を有する機構モジュールと、
プリント回路基板である前記第2基板と、
前記機構モジュールと前記第2基板との間に配置された前記中継基板と、
を備える時計用ムーブメント。
【請求項7】
請求項6に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計の接点接続構造、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子時計において基板同士を電気的に接続する構造として、下記特許文献に開示された構造がある。例えば、特許文献1には、第1コンタクト層と、筒状絶縁部と、筒状絶縁部内に配置され、一端が第1コンタクト層と電気的に接続されるコイルバネからなる第1導電性弾性体と、筒状絶縁部の外周に配置され、一端が第1コンタクト層と電気的に接続されるコイルバネからなる第2導電性弾性体と、第1導電性弾性体と第2導電性弾性体を介して、第1コンタクト層と電気的に接続される他のコンタクト層と、を備える電子機器が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ステップモータを備えるとともに電子回路基板に固定される時計用モジュールにおいて、表面に電子回路基板の電子回路と接する配線パターンが形成され、裏面にステップモータの配線パターンと接する配線パターンが形成された接続基板を備えた構成が開示されている。接続基板にはねじが挿通される複数の孔が形成され、複数の孔全てにねじを通すことで接続基板が固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-197759号公報
【特許文献2】特開2017-146147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年では、時計の多機能化に伴い、ムーブメントに多くの素子を搭載可能となるよう、時計の内部構造の小型化が要求されている。しかしながら、特許文献1に開示された接続構造では、接点の数が増えるに従って同軸に配置されたコイルバネが増えるので、接続構造が占有する平面スペースが2次関数的に増加し得る。また、特許文献2に開示された接続構造では、接続基板の固定および位置決めに複数の孔が必要となるので、孔を設けるために接続基板が平面的に大型化し得る。一方、位置決め構造を省略または簡素化すると、基板同士の位置ずれによる接点間の意図しないショートが発生する可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、基板同士の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造、並びにその時計の接点接続構造を備えた時計用ムーブメントおよび時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の時計の接点接続構造は、所定の軸線回りに配置されたn個(nは2以上の自然数)の第1接点を有する第1基板と、前記第1基板に対して前記所定の軸線回りの任意の角度で固定可能に形成され、前記所定の軸線回りに配置されて前記第1接点に接触可能なN個(Nはn以上の自然数)の第1中継接点を有する中継基板と、を備え、前記所定の軸線を中心とする径方向において全ての前記第1中継接点、および全ての前記第1接点が位置する領域を第1接点領域と定義した場合、前記第1接点領域における前記径方向の全ての位置で、前記所定の軸線回りの周方向における前記第1中継接点の最大幅をd1とし、前記周方向で隣り合う前記第1接点の前記周方向の最小間隔をaとすると、a>d1の関係を満たし、前記第1接点領域における前記径方向の少なくとも1箇所で、前記周方向で隣り合う前記第1中継接点の前記周方向の最大間隔をD1とし、前記周方向における前記第1接点の最小幅をAとすると、A>D1の関係を満たす、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1接点領域は、第1基板に対する中継基板の固定角度によって第1接点および第1中継接点が互いに接触し得る領域となる。ここで第1接点領域における径方向の全ての位置で上述したa>d1の関係を満たすことにより、第1基板に対する中継基板の固定角度によらず、第1中継接点が複数の第1接点に接触することを回避できる。また、第1接点領域における径方向の少なくとも1箇所で上述したA>D1の関係を満たすことにより、第1基板に対する中継基板の固定角度によらず、全ての第1接点が少なくとも1つの第1中継接点に接触する。これにより、第1基板に対する中継基板の固定角度によらず第1基板および中継基板を相互に接続できるので、第1基板に対して中継基板を決められた角度で固定する構造が不要となる。したがって、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、第1基板および中継基板の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造を提供できる。
【0009】
上記の時計の接点接続構造において、前記第1基板との間に前記中継基板を挟み、前記所定の軸線回りに配置されたm個(mは2以上の自然数)の第2接点を有する第2基板をさらに備え、前記中継基板は、前記所定の軸線回りに配置されて前記第2接点に接触可能なM個(Mはm以上の自然数)の第2中継接点を有し、前記第2中継接点は、前記第1中継接点に導通し、前記径方向において全ての前記第2中継接点、および全ての前記第2接点が位置する領域を第2接点領域と定義した場合、前記第2接点領域における前記径方向の全ての位置で、前記周方向における前記第2中継接点の最大幅をd2とし、前記周方向で隣り合う前記第2接点の前記周方向の最小間隔をbとすると、b>d2の関係を満たし、前記第2接点領域における前記径方向の少なくとも1箇所で、前記周方向で隣り合う前記第2中継接点の前記周方向の最大間隔をD2とし、前記周方向における前記第2接点の最小幅をBとすると、B>D2の関係を満たしていてもよい。
【0010】
本発明によれば、第2接点領域は、第2基板に対する中継基板の固定角度によって第2接点および第2中継接点が互いに接触し得る領域となる。ここで第2接点領域における径方向の全ての位置で上述したb>d2の関係を満たすことにより、第2基板に対する中継基板の固定角度によらず、第2中継接点が複数の第2接点に接触することを回避できる。また、第2接点領域における径方向の少なくとも1箇所で上述したB>D2の関係を満たすことにより、第2基板に対する中継基板の固定角度によらず、全ての第2接点が少なくとも1つの第2中継接点に接触する。これにより、第2基板に対する中継基板の固定角度によらず第2基板および中継基板を相互に接続できるので、第2基板に対して中継基板を決められた角度で固定する構造が不要となる。したがって、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、第2基板および中継基板の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造を提供できる。
さらに、第1基板と第2基板との間に中継基板を挟んだ状態で第1基板および第2基板を固定するだけで、第1中継接点および第2中継接点を介して第1基板の第1接点と第2基板の第2接点とが導通する。したがって、ムーブメントおよび時計の組み立て工程を簡略化できる。
【0011】
上記の時計の接点接続構造において、前記中継基板には、前記所定の軸線を中心軸線とする貫通孔が形成され、前記貫通孔には、前記第1基板および前記第2基板を締結する締結部材が挿通されていてもよい。
【0012】
本発明によれば、貫通孔の周囲に第1中継接点および第2中継接点が配置されるので、貫通孔に挿通された締結部材の締結力によって第1中継接点および第1接点を確実に接触させることができるとともに、第2中継接点および第2接点を確実に接触させることができる。したがって、接点接続構造の信頼性を向上させることができる。
【0013】
上記の時計の接点接続構造において、前記中継基板は、前記第1中継接点と前記第2中継接点とを接続する接続配線を備え、前記接続配線は、前記中継基板の側面上に設けられていてもよい。
【0014】
本発明によれば、中継基板の側面よりも内側に位置するスルーホールに接続配線を設ける構成と比較して、第1中継接点および第2中継接点の面積を大きく確保できる。このため、スルーホールに接続配線を設ける構成と比較して、中継基板の外形を小さくすることが可能となる。したがって、時計の接点接続構造が占有する平面スペースを削減することができる。
【0015】
上記の時計の接点接続構造において、前記所定の軸線の軸方向から見て前記第1基板に対して移動不能に設けられ、前記所定の軸線に沿って延びる案内ピンをさらに備え、前記中継基板には、前記案内ピンが挿入可能な貫通孔が形成されていてもよい。
【0016】
本発明によれば、中継基板を案内ピンに外挿することで、軸方向から見て第1基板に対する中継基板の移動を規制できるので、第1基板に対して所定の軸線回りの任意の角度で中継基板を固定可能な状態とすることができる。したがって、上述した作用効果を奏する時計の接点接続構造が得られる。
【0017】
本発明の時計用ムーブメントは、上記の時計の接点接続構造を有する時計用ムーブメントであって、複数の歯車を有する輪列と、前記輪列を駆動するモータと、前記第1接点が前記モータのコイルに導通した前記第1基板と、を有する機構モジュールと、プリント回路基板である前記第2基板と、前記機構モジュールと前記第2基板との間に配置された前記中継基板と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、接点接続構造が占有する平面スペースの増加を抑制されているので、より多くの素子を時計用ムーブメントに搭載可能となる。したがって、時計の多機能化が可能な時計用ムーブメントを提供できる。
【0019】
本発明の時計は、上記の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、従来よりも多くの素子を搭載できる時計用ムーブメントを備えるので、多機能化された時計を提供できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、基板同士の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造、並びにその時計の接点接続構造を備えた時計用ムーブメントおよび時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の時計の平面図である。
図2】実施形態の時計の断面図である。
図3】実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図4】実施形態の機構モジュールを回路ブロック側から見た平面図である。
図5】実施形態の回路ブロックを機構モジュール側から見た平面図である。
図6】実施形態の中継基板の斜視図である。
図7】実施形態の中継基板の裏面を示す平面図である。
図8】実施形態の機構モジュールの一部を示す平面図である。
図9図5のIX部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0024】
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。また、時計の基板を構成する地板に対する時計ケースのガラス側、すなわち、文字板側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板に対する時計ケースのケース裏蓋側、すなわち、文字板とは反対側をムーブメントの「表側」と称する。
【0025】
図1は、実施形態の時計の平面図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)およびガラス3を含む時計ケース4の内部に、ムーブメント10(時計用ムーブメント)、文字板11、時針12および分針13を備える。文字板11、時針12および分針13は、ガラス3を通じて視認可能に配置されている。
【0026】
図2は、実施形態の時計の断面図である。図3は、実施形態のムーブメントの一部を示す分解斜視図である。
図2に示すように、ムーブメント10は、文字板11とケース裏蓋(不図示)との間に配置されている。ムーブメント10は、時針12および分針13が取り付けられる機構モジュール20と、機構モジュール20の表側に配置され機構モジュール20を制御する回路ブロック40(第2基板)と、機構モジュール20と回路ブロック40との間に配置される中継基板50と、機構モジュール20および回路ブロック40を保持するモジュール枠60と、を備える。機構モジュール20は、時計本体に対して着脱可能の別体のユニットの形態として構成され、当該形態はいわゆるカセットタイプやカートリッジタイプと称することもできる。この場合、機構モジュール20は、時計本体を完成品とした場合の半製品、中間製品として取り扱われるものである。モジュール枠60には、機構モジュール20が配置されるモジュール配置孔61が形成されている。モジュール枠60には、機構モジュール20が固定された回路ブロック40が取り付けられる。モジュール枠60の表側には、文字板11が配置される。なお、以下の説明では、時針12および分針13の回転中心である回転軸線Oの延在方向を軸方向という。
【0027】
図4は、実施形態の機構モジュールを回路ブロック側から見た平面図である。
図3および図4に示すように、機構モジュール20は、機構モジュール20の基板を構成する地板21と、地板21の表側に配置されて機構モジュール20の可動部品を地板21との間に保持する受部材24と、を備える。地板21には、後述するコイルリード基板31よりも回路ブロック40側に突出した案内ピン22が設けられている。案内ピン22は、軸方向に延びる円筒状に形成されている。案内ピン22には、機構モジュール20と回路ブロック40とを締結するねじ16(締結部材)が螺入される(図2参照)。なお案内ピン22は、地板21と一体的に形成されていなくてもよく、軸方向から見て後述するコイルリード基板31(第1基板)に対して移動不能に設けられていればよい。例えば案内ピン22は、地板21に組み付けられたねじ用のスリーブであってもよい。本実施形態では、案内ピン22は2個設けられている。以下、一方の案内ピン22の中心軸線を第1軸線C1と称し、他方の案内ピン22の中心軸線を第2軸線C2と称する。
【0028】
また、機構モジュール20は、複数の歯車を有する輪列(不図示)と、輪列を駆動する複数のモータ26と、モータ26のコイル28が接続されたコイルリード基板31と、を備える。輪列は、地板21と受部材24との間に回転可能に配置されている。輪列は、モータ26の動力を時針12および分針13に伝達する。
【0029】
モータ26は、ステッピングモータである。モータ26は、地板21の回路ブロック40側に配置されている。本実施形態では、モータ26は、各案内ピン22の周囲に1個ずつ配置されている。モータ26は、2つのコイル28によって単一のロータを駆動する。モータ26は、磁心27と、磁心27に巻回されたコイル28と、を有する。磁心27は、コイル28毎に設けられている。コイル28は、回路ブロック40側から見て受部材24とは重ならないように配置されている。磁心27の第1端部は、地板21および受部材24に挟まれて、受部材24を地板21に締結するねじ35により共締めされている。
【0030】
コイルリード基板31は、プリント基板である。コイルリード基板31は、モータ26のコイル28毎に設けられている。つまり、コイルリード基板31は、各モータ26に対して2個ずつ設けられている。コイルリード基板31は、表裏面を軸方向に向けた状態で、磁心27の第2端部の回路ブロック40側に配置されている。コイルリード基板31は、回路ブロック40側から見て受部材24とは重ならないように配置されている。コイルリード基板31の表面は、受部材24の表面よりも地板21側に位置している。各モータ26に対応して設けられた2個のコイルリード基板31は、表側から見て案内ピン22を挟むように配置されている。コイルリード基板31は、コイル28に近接する位置から案内ピン22に近接する位置にわたって配置されている。コイルリード基板31は、磁心27の第2端部とともに地板21に固定されている。コイルリード基板31は、ねじ16によって回路ブロック40に締結されている。
【0031】
図4に示すように、コイルリード基板31の表面には、一対の配線32が形成されている。各配線32は、コイル28側の部分に、コイル28の巻線が接続される端子を有する。各配線32は、案内ピン22側の部分にモータ側接点33(第1接点)を有する。モータ側接点33は、コイル28に導通している。各案内ピン22の周囲において、2個のコイルリード基板31の全てのモータ側接点33は、案内ピン22の中心軸線(第1軸線C1または第2軸線C2)回りに配置されている。これにより、モータ側接点33は、第1軸線C1回りに4個配置され、第2軸線C2回りに4個配置されている。
【0032】
図5は、実施形態の回路ブロックを機構モジュール側から見た平面図である。
図3および図5に示すように、回路ブロック40は、プリント回路基板であって、図示しないICや水晶ユニット等が基板本体41に実装されたものである。基板本体41は、表裏面を軸方向に向けた状態で配置されている。基板本体41は、軸方向から見て機構モジュール20よりも大きい円形状に形成されている。基板本体41には、第1貫通孔42および第2貫通孔43が形成されている。第1貫通孔42は、第1軸線C1上に形成されている。第1貫通孔42は、第1軸線C1と同軸の円孔である。第2貫通孔43は、第2軸線C2上に形成されている。第2貫通孔43は、第2軸線C2と同軸の円孔である。各貫通孔42,43には、機構モジュール20の案内ピン22に螺入されるねじ16が表側から挿通される。回路ブロック40は、ねじ16によって機構モジュール20に締結される。回路ブロック40は、機構モジュール20のコイルリード基板31に対して軸方向に間隔をあけて配置される。
【0033】
図5に示すように、基板本体41には、プリント配線44が形成されている。プリント配線44は、基板本体41の裏面に複数の回路側接点45(第2接点)を有する。回路側接点45は、第1貫通孔42の周囲、および第2貫通孔43の周囲それぞれに2個以上配置されている。第1貫通孔42の周囲の回路側接点45は、第1軸線C1回りに配置されている。第2貫通孔43の周囲の回路側接点45は、第2軸線C2回りに配置されている。図示の例では、回路側接点45は、第1軸線C1回りに4個配置され、第2軸線C2回りに4個配置されている。回路側接点45は、中継基板50を介して機構モジュール20のモータ側接点33に接続される。モータ側接点33はモータ26のコイル28に導通しているので、回路ブロック40は、中継基板50を介して機構モジュール20のモータ26に電気的に接続される。
【0034】
図6は、実施形態の中継基板の斜視図である。
図3および図6に示すように、中継基板50は、コイルリード基板31の回路ブロック40側に配置されている。中継基板50は、コイルリード基板31のモータ側接点33、および回路ブロック40の回路側接点45(図5参照)の間に介在する。中継基板50は、第1軸線C1回りに配置されたモータ側接点33および回路側接点45の間に介在する第1中継基板50Aと、第2軸線C2回りに配置されたモータ側接点33および回路側接点45の間に介在する第2中継基板50Bと、を備える。第1中継基板50Aおよび第2中継基板50Bは、互いに同様に形成されている。以下の説明において、第1中継基板50Aおよび第2中継基板50Bを区別しない場合には単に中継基板50と表記する。
【0035】
中継基板50は、軸方向に厚みを有する円盤状に形成されている。中継基板50の中心には、中継基板50の外形と同心の貫通孔51が形成されている。貫通孔51の内径は、案内ピン22の外径と同等である。第1中継基板50Aは、中心軸線が第1軸線C1と一致するように配置される。第2中継基板50Bは、中心軸線が第2軸線C2と一致するように配置される。中継基板50の貫通孔51には、案内ピン22が裏側から挿入されている。これにより、第1中継基板50Aは、コイルリード基板31に対して第1軸線C1回りの任意の角度で配置可能、かつ軸方向から見てコイルリード基板31に対して移動不能とされている。また、第2中継基板50Bは、コイルリード基板31に対して第2軸線C2回りの任意の角度で配置可能、かつ軸方向から見てコイルリード基板31に対して移動不能とされている。中継基板50は、機構モジュール20および回路ブロック40を締結するねじ16の締結力によって、コイルリード基板31および回路ブロック40に挟まれる。これにより、第1中継基板50Aは、コイルリード基板31および回路ブロック40に対して第1軸線C1回りの任意の角度で固定される。また、第2中継基板50Bは、コイルリード基板31および回路ブロック40に対して第2軸線C2回りの任意の角度で固定される。
【0036】
図6に示すように、中継基板50は、表面から裏面に跨って延びる複数の中継配線53を有する。各中継配線53は、中継基板50の裏面に設けられた裏側中継接点54(第1中継接点)と、中継基板50の表面に設けられた表側中継接点55(第2中継接点)と、裏側中継接点54および表側中継接点55を接続する接続部56(接続配線)と、を備える。複数の中継配線53は、中継基板50の中心軸線に対して回転対称に設けられている。裏側中継接点54は、モータ側接点33に接触可能となっている。表側中継接点55は、回路側接点45に接触可能となっている。本実施形態では、裏側中継接点54および表側中継接点55は、互いに同形同大に形成され、かつ軸方向から見て一致している。接続部56は、中継基板50の外周面に形成されたサイドスルーホール上に設けられている。少なくとも一部の中継配線53は、モータ側接点33と回路側接点45とを導通する。
【0037】
第1中継基板50Aの裏側中継接点54の数は、第1軸線C1回りに配置されたモータ側接点33の数以上である。第1中継基板50Aの表側中継接点55の数は、第1軸線C1回りに配置された回路側接点45の数以上である。第2中継基板50Bの裏側中継接点54の数は、第2軸線C2回りに配置されたモータ側接点33の数以上である。第2中継基板50Bの表側中継接点55の数は、第2軸線C2回りに配置された回路側接点45の数以上である。本実施形態では、裏側中継接点54および表側中継接点55は中継配線53として一体的に形成されているので、裏側中継接点54および表側中継接点55それぞれの数は一致しており、図示の例では7個である。
【0038】
ここで、上述した各接点の平面形状について説明する。なお第1軸線C1周りの各接点の形状、および第2軸線C2周りの各接点の形状は互いに同様なので、以下の説明では第1軸線C1周りの構造について説明する。また、第1軸線C1に直交して第1軸線C1から放射状に延びる方向を径方向といい、第1軸線回りに周回する方向を周方向という。
【0039】
図7は、実施形態の中継基板の裏面を示す平面図である。なお、中継基板50の表面形状は、以下に説明する裏面形状と同一である。
図7に示すように、裏側中継接点54は、第1軸線C1回りに等間隔に配置されている。裏側中継接点54は、等脚台形状に形成されている。裏側中継接点54は、等脚台形の1組の底辺のうち短い底辺が長い底辺よりも径方向内側に位置し、かつ各脚の延在方向が径方向に沿うように形成されている。複数の中継配線53は回転対称に設けられているので、裏側中継接点54の径方向外側の端部は、それぞれ軸方向から見て第1軸線C1を中心とする同一円周上に位置している。また、裏側中継接点54の径方向内側の端部は、それぞれ軸方向から見て第1軸線C1を中心とする同一円周上に位置している。
【0040】
図8は、実施形態の機構モジュールの一部を示す平面図である。
図8に示すように、モータ側接点33は、第1軸線C1回りに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、モータ側接点33は、第1軸線C1回りに不等間隔で配置されている。ただし、モータ側接点33は、第1軸線C1回りに等間隔で配置されていてもよい。モータ側接点33の径方向内側の端部は、それぞれ軸方向から見て第1軸線C1を中心とする同一円周上に位置している。
【0041】
図9は、図5のIX部を示す拡大図である。
図9に示すように、回路側接点45は、第1軸線C1回りに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、回路側接点45は、第1軸線C1回りに不等間隔で配置されている。ただし、回路側接点45は、第1軸線C1回りに等間隔で配置されていてもよい。回路側接点45の径方向内側の端部は、それぞれ軸方向から見て第1軸線C1を中心とする同一円周上に位置している。
【0042】
ここで、図7および図8に示すように、径方向において全ての裏側中継接点54、および全てのモータ側接点33が位置する領域を第1接点領域R1と定義する。すなわち、第1接点領域R1は、軸方向から見て第1軸線C1を中心として全ての裏側中継接点54および全てのモータ側接点33と交差する円周が集合した領域である。第1接点領域R1は、軸方向から見て第1軸線C1を中心に一定の幅で全周にわたって延びる円環状の領域である。本実施形態では、第1接点領域R1の内周縁は裏側中継接点54の径方向内側の端部に一致し、第1接点領域R1の外周縁は裏側中継接点54の径方向外側の端部に一致している。各モータ側接点33は、第1接点領域R1よりも径方向の内側から外側にわたって配置されている。
【0043】
また、図7および図9に示すように、径方向において全ての表側中継接点55、および全ての回路側接点45が位置する領域を第2接点領域R2と定義する。すなわち、第2接点領域R2は、軸方向から見て第1軸線C1を中心として全ての表側中継接点55および全ての回路側接点45と交差する円周が集合した領域である。第2接点領域R2は、軸方向から第1軸線C1を中心として一定の幅で全周にわたって延びる円環状の領域である。本実施形態では、第2接点領域R2の内周縁は表側中継接点55の径方向内側の端部に一致し、第2接点領域R2の外周縁は表側中継接点55の径方向外側の端部に一致している。各回路側接点45は、第2接点領域R2の内周縁に一致する位置から第2接点領域R2よりも径方向の外側にわたって配置されている。
【0044】
裏側中継接点54およびモータ側接点33の関係について図7および図8を参照して説明する。
第1接点領域R1における径方向の全ての位置で、周方向における裏側中継接点54の最大幅をd1とし、周方向で隣り合うモータ側接点33の周方向の最小間隔をaとすると、a>d1の関係を満たす。また、第1接点領域R1における径方向の少なくとも1箇所で、周方向で隣り合う裏側中継接点54の周方向の最大間隔をD1とし、周方向におけるモータ側接点33の最小幅をAとすると、A>D1の関係を満たす。
【0045】
表側中継接点55および回路側接点45の関係について図7および図9を参照して説明する。
第2接点領域R2における径方向の全ての位置で、周方向における表側中継接点55の最大幅をd2とし、周方向で隣り合う回路側接点45の周方向の最小間隔をbとすると、b>d2の関係を満たす。第2接点領域R2における径方向の少なくとも1箇所で、周方向で隣り合う表側中継接点55の周方向の最大間隔をD2とし、周方向における回路側接点45の最小幅をBとすると、B>D2の関係を満たす。
【0046】
本実施形態によれば、第1接点領域R1は、コイルリード基板31に対する中継基板50の固定角度によってモータ側接点33および裏側中継接点54が互いに接触し得る領域となる。ここで第1接点領域R1における径方向の全ての位置で上述したa>d1の関係を満たすことにより、コイルリード基板31に対する中継基板50の固定角度によらず、裏側中継接点54が複数のモータ側接点33に接触することを回避できる。また、第1接点領域における径方向の少なくとも1箇所で上述したA>D1の関係を満たすことにより、コイルリード基板31に対する中継基板50の固定角度によらず、全てのモータ側接点33が少なくとも1つの裏側中継接点54に接触する。これにより、コイルリード基板31に対する中継基板50の固定角度によらずコイルリード基板31および中継基板50を相互に接続できるので、コイルリード基板31に対して中継基板50を決められた角度で固定する構造が不要となる。したがって、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、コイルリード基板31および中継基板50の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造を提供できる。
【0047】
また、第2接点領域R2は、回路ブロック40に対する中継基板50の固定角度によって回路側接点45および表側中継接点55が互いに接触し得る領域となる。ここで第2接点領域R2における径方向の全ての位置で上述したb>d2の関係を満たすことにより、回路ブロック40に対する中継基板50の固定角度によらず、表側中継接点55が複数の回路側接点45に接触することを回避できる。また、第2接点領域R2における径方向の少なくとも1箇所で上述したB>D2の関係を満たすことにより、回路ブロック40に対する中継基板50の固定角度によらず、全ての回路側接点45が少なくとも1つの表側中継接点55に接触する。これにより、回路ブロック40に対する中継基板50の固定角度によらず回路ブロック40および中継基板50を相互に接続できるので、回路ブロック40に対して中継基板50を決められた角度で固定する構造が不要となる。したがって、占有する平面スペースの増加を抑制しつつ、回路ブロック40および中継基板50の位置ずれによる接点間の意図しないショートを抑制できる時計の接点接続構造を提供できる。
【0048】
さらに、コイルリード基板31と回路ブロック40との間に中継基板50を挟んだ状態でコイルリード基板31および回路ブロック40を固定するだけで、裏側中継接点54および表側中継接点55を介してコイルリード基板31のモータ側接点33と回路ブロック40の回路側接点45とが導通する。したがって、ムーブメント10および時計1の組み立て工程を簡略化できる。
【0049】
また、本実施形態の時計の接点接続構造は、軸方向から見てコイルリード基板31に対して移動不能に設けられ、第1軸線C1(第2軸線C2)に沿って延びる案内ピン22を備える。中継基板50には、案内ピン22が挿入される貫通孔51が形成されている。この構成によれば、中継基板50を案内ピン22に外挿することで、軸方向から見てコイルリード基板31に対する中継基板50の移動を規制できるので、コイルリード基板31に対して第1軸線C1(第2軸線C2)回りの任意の角度で中継基板50を固定可能な状態とすることができる。したがって、上述した作用効果を奏する時計の接点接続構造が得られる。
【0050】
さらに、貫通孔51には、コイルリード基板31および回路ブロック40を締結するねじ16が挿通される。この構成によれば、貫通孔51の周囲に裏側中継接点54および表側中継接点55が配置されるので、貫通孔51に挿通されたねじ16の締結力によって裏側中継接点54およびモータ側接点33を確実に接触させることができるとともに、表側中継接点55および回路側接点45を確実に接触させることができる。したがって、接点接続構造の信頼性を向上させることができる。
【0051】
また、中継配線53の接続部56は、中継基板50の外周面上に設けられている。この構成によれば、中継基板の外周面よりも内側に位置するスルーホールに接続部を設ける構成と比較して、裏側中継接点54および表側中継接点55の面積を大きく確保できる。このため、スルーホールに接続部を設ける構成において本実施形態と同じ面積の中継接点を設けた場合と比較して、中継基板50の外形を小さくすることが可能となる。したがって、時計の接点接続構造が占有する平面スペースを削減することができる。
【0052】
本実施形態のムーブメント10は、上述した時計の接点接続構造を有するので、接点接続構造が占有する平面スペースの増加を抑制されている。このため、より多くの素子をムーブメント10に搭載可能となる。したがって、時計1の多機能化が可能なムーブメント10を提供できる。
【0053】
そして、本実施形態の時計は、ムーブメント10を備えることにより、従来よりも多くの素子を搭載できる。よって、多機能化された時計1を提供できる。
【0054】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、本発明の時計の接点接続構造を時計1内で2箇所に適用しているが、接点接続構造の適用箇所の数は特に限定されない。また、実施形態のモータ26は2つのコイルを有しているが、モータは単一のコイルを有するものであってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、機構モジュール20は時針12および分針13の2針が取り付けられるものであるが、機構モジュールは時針、分針および秒針の3針が取り付けられるものであっても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、中継基板50が機構モジュール20に設けられた案内ピン22に外挿されることでコイルリード基板31に対して任意の角度で配置可能とされているが、中継基板50を任意の角度で配置可能とする構造はこれに限定されない。例えば、中継基板50を径方向の外側から保持する壁を機構モジュールに設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、4個のモータ側接点33に対して7個の裏側中継接点54が設けられているが、これら接点の数は上記実施形態に限定されない。裏側中継接点は、モータ側接点の数以上であればよい。回路側接点および表側中継接点の数についても同様である。
【0058】
また、上記実施形態では、中継基板50が円盤状に形成されているが、中継基板の形状は特に限定されない。また、中継基板の複数の中継配線は回転対称に設けられていなくてもよい。そして、裏側中継接点および表側中継接点は、それぞれ周方向に不等間隔に配置されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、請求項における第1基板が2個のコイルリード基板31によって構成されているが、各モータ26の2個のコイルリード基板31は一体化していてもよい。すなわち、請求項におけるn個の第1接点が単一の第1基板に具備されていてもよい。また、請求項におけるn個の第1接点が3個以上に分割された第1基板に具備されていてもよい。第2基板についても同様である。
【0060】
また、上記実施形態では、コイルリード基板31が請求項における第1基板に相当しているが、コイルリード回路ブロック40が請求項における第1基板に相当していてもよい。さらに、上記実施形態では、コイルリード基板31および回路ブロック40それぞれと中継基板50との接続部に本発明の接点接続構造が適用されている。しかし、コイルリード基板および回路ブロックの一方と中継基板との接続部のみに本発明を適用してもよい。この場合、コイルリード基板および回路ブロックの他方と中継基板との接続部に既知の接点接続構造を適用してもよい。
【0061】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…時計 10…ムーブメント(時計用ムーブメント) 16…ねじ(締結部材) 20…機構モジュール 22…案内ピン 26…モータ 28…コイル 31…コイルリード基板(第1基板) 33…モータ側接点(第1接点) 40…回路ブロック(第2基板) 45…回路側接点(第2接点) 50…中継基板 51…貫通孔 54…裏側中継接点(第1中継接点) 55…表側中継接点(第2中継接点) 56…接続部(接続配線) C1…第1軸線(所定の軸線) C2…第2軸線(所定の軸線) R1…第1接点領域 R2…第2接点領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9