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  • 特開-農業用栽培ベッド 図1
  • 特開-農業用栽培ベッド 図2
  • 特開-農業用栽培ベッド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074484
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】農業用栽培ベッド
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20220511BHJP
【FI】
A01G9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184565
(22)【出願日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】520431812
【氏名又は名称】株式会社SID
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】松尾 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡本 治
(72)【発明者】
【氏名】西橋 亜子
(72)【発明者】
【氏名】小川 力也
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NE01
2B327TA02
2B327TA09
2B327TA10
(57)【要約】
【課題】ネット部材の底部を支持する底面部材をなくすことによって、農業用栽培ベッドの通気性、保水・保肥力を自由に設定することができるようにした農業用栽培ベッドを提供すること。
【解決手段】支柱2と、支柱2に支持された平面形状が矩形の枠部材3と、枠部材3に四方の縁部を支持されたネット部材4とからなり、枠部材3が、上部枠部材31及び下部枠部材32からなり、ネット部材4の四方の縁部41を折り返してループ状に形成し、ループ状に形成した縁部41に上部枠部材31及び下部枠部材32を挿通することで、ネット部材4を下部枠部材32間で張設されてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、該支柱に支持された平面形状が矩形の枠部材と、該枠部材に四方の縁部を支持されたネット部材とからなる農業用栽培ベッドにおいて、前記枠部材が、上部枠部材及び下部枠部材からなり、前記ネット部材の四方の縁部を折り返してループ状に形成し、該ループ状に形成した縁部に上部枠部材及び下部枠部材を挿通することで、ネット部材を下部枠部材間で張設されてなることを特徴とする農業用栽培ベッド。
【請求項2】
前記下部枠部材の平面形状を、上部枠部材の平面形状より小さく形成してなることを特徴とする請求項1に記載の農業用栽培ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用栽培ベッドに関し、特に、砂等の土砂を収容して使用する農業用栽培ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、砂等の土砂を収容して使用する農業用栽培ベッドが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【0003】
この農業用栽培ベッドは、支柱と、該支柱に支持された平面形状が矩形の枠部材と、底面部材と、枠部材に四方の縁部を、底面部材に底部を、それぞれ支持されたネット部材とからなり、ネット部材によって囲われた空間内に、砂等の土砂を収容して使用するようにされている。
【0004】
そして、この農業用栽培ベッドは、通気性、保水・保肥力に優れ、連作障害が起こりにくく、農作業を体に負担が少ない軽作業となるという利点を有するものである。
すなわち、ネット部材によって囲われた空間内に、砂等の土砂を収容して使用するものであるため、植物栽培に最適な通気性、保水・保肥力を有し、根圏環境に優れている。
特に、砂は、栽培時に必要最低限の肥料養分しか与えないようにすることによって、残留養分が土に比べ極めて少なく、連作障害を起こりにくくすることができる。また、必要に応じて、水で洗浄する(培地に上から水シャワーで洗う)ことで残留養分等がリセットされ、連作障害の発生を防止できる。
また、培地を、例えば、腰高に設定することができ、農作業を行うときに、屈んだり腰を曲げたりする必要がなく、土作りのような作業も必要がないため、農作業を体に負担が少ない軽作業とすることができる。これにより、高齢者や障がい者でも作業が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3158257号公報
【特許文献2】特開2017-99345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、この農業用栽培ベッドは、多くの利点を有するものであるが、砂等の土砂を収容するネット部材の底部を、底面部材によって支持する必要があり、底面部材に用いられる金網やエキスパンドメタル等の開口率によって、農業用栽培ベッドの通気性、保水・保肥力が左右されたり、制約されるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の農業用栽培ベッドの有する問題点に鑑み、ネット部材の底部を支持する底面部材をなくすことによって、農業用栽培ベッドの通気性、保水・保肥力を自由に設定することができるようにした農業用栽培ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の農業用栽培ベッドは、支柱と、該支柱に支持された平面形状が矩形の枠部材と、該枠部材に四方の縁部を支持されたネット部材とからなる農業用栽培ベッドにおいて、前記枠部材が、上部枠部材及び下部枠部材からなり、前記ネット部材の四方の縁部を折り返してループ状に形成し、該ループ状に形成した縁部に上部枠部材及び下部枠部材を挿通することで、ネット部材を下部枠部材間で張設されてなることを特徴とする。
【0009】
この場合において、前記下部枠部材の平面形状を、上部枠部材の平面形状より小さく形成してなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の農業用栽培ベッドによれば、支柱と、該支柱に支持された平面形状が矩形の枠部材と、該枠部材に四方の縁部を支持されたネット部材とからなる農業用栽培ベッドにおいて、前記枠部材が、上部枠部材及び下部枠部材からなり、前記ネット部材の四方の縁部を折り返してループ状に形成し、該ループ状に形成した縁部に上部枠部材及び下部枠部材を挿通することで、ネット部材を下部枠部材間で張設されるようにしてなるにようにすることで、ネット部材の底部を支持する底面部材をなくすことができ、これによって、農業用栽培ベッドの通気性、保水・保肥力を自由に設定することができる。
【0011】
また、前記下部枠部材の平面形状を、ネット部材を下部枠部材間で張設されるように上部枠部材の平面形状より小さく形成してなるようにすることにより、ネット部材を介してかかる張力を上部枠部材によって直線に近い状態で支持することで、ネット部材の撓み量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の農業用栽培ベッドの一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図2】同農業用栽培ベッドを示し、(a)は側面図、(b)は要部の説明図である。
図3】同農業用栽培ベッドの要部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の農業用栽培ベッドの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1図3に、本発明の農業用栽培ベッドの一実施例を示す。
この農業用栽培ベッド1は、支柱2と、支柱2に支持された平面形状が矩形の枠部材3と、枠部材3に四方の縁部を支持されたネット部材4とからなり、枠部材3が、上部枠部材31及び下部枠部材32からなり、ネット部材4の四方の縁部41を折り返してループ状に形成し、ループ状に形成した縁部41に上部枠部材31及び下部枠部材32を挿通することで、ネット部材4を下部枠部材32間で張設されてなるようにしている。
【0015】
ところで、本実施例においては、ネット部材4によって囲われた空間内に収容する培地となる砂等の土砂の重量を支持できるように、支柱2間に1本の補助支柱20を設けるようにしているが、補助支柱20の本数は、2本以上としたり、省略することもできる。
【0016】
支柱2及び補助支柱20には、例えば、φ31.8の鉄製のパイプを、枠部材3には、例えば、φ25.4の鉄製のパイプを、それぞれ使用するようにしている。
【0017】
そして、農業用栽培ベッド1は、上面が700~1000mm程度の高さになるようにすることによって、培地が腰高に設定することができ、農作業を行うときに、屈んだり腰を曲げたりする必要がなく、土作りのような作業も必要がないため、農作業を体に負担が少ない軽作業とすることができる。これにより、高齢者や障がい者でも作業が可能となる。
【0018】
ネット部材4は、ネット部材4によって囲われた空間内に、培地となる砂等の土砂を収容して使用することができるように、すなわち、強度及び耐久性と、農業用栽培ベッドとして好適な通気性、保水・保肥力とを発揮する、合成樹脂製のメッシュシート、具体的には、ポリエステル樹脂製のメッシュシート(平岡織染社製「ターポスクリーン(登録商標)#2054」)を使用するようにしている。
【0019】
ネット部材4の四方の縁部41を折り返してループ状に形成するに当たって、本実施例においては、図3に示すように、折り返したネット部材4の端縁42と、ネット部材4の底面43とを縫製するようにしているが、縫製に代えて、ファスナーや融着等の固着手段を適用することもできる。
【0020】
ところで、本実施例において、下部枠部材32の平面形状を、上部枠部材31の平面形状より小さく形成してなるようにしている。
これにより、ネット部材4を介してかかる張力を上部枠部材31によって直線に近い状態で支持することで、ネット部材4の撓み量を小さくすることができる。
【0021】
この農業用栽培ベッド1は、従来の農業用栽培ベッドにおいて必ず必要であったネット部材4の底部を支持する底面部材をなくすことができ、これによって、農業用栽培ベッド1の通気性、保水・保肥力を自由に設定することができる。
【0022】
以上、本発明の農業用栽培ベッドについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の農業用栽培ベッドは、ネット部材の底部を支持する底面部材をなくすことによって、農業用栽培ベッドの通気性、保水・保肥力を自由に設定することができるという特性を有していることから、ネット部材によって囲われた空間内に、砂等の土砂を収容して使用する農業用栽培ベッドの用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 農業用栽培ベッド
2 支柱
20 補助支柱
3 枠部材
31 上部枠部材
32 下部枠部材
4 ネット部材
41 縁部(ループ状縁部)
42 端縁
43 底面
図1
図2
図3