IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ランフラットタイヤ 図1
  • 特開-ランフラットタイヤ 図2
  • 特開-ランフラットタイヤ 図3
  • 特開-ランフラットタイヤ 図4
  • 特開-ランフラットタイヤ 図5
  • 特開-ランフラットタイヤ 図6
  • 特開-ランフラットタイヤ 図7
  • 特開-ランフラットタイヤ 図8
  • 特開-ランフラットタイヤ 図9
  • 特開-ランフラットタイヤ 図10
  • 特開-ランフラットタイヤ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074546
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ランフラットタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 17/00 20060101AFI20220511BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20220511BHJP
   B60C 13/02 20060101ALI20220511BHJP
   B60C 15/00 20060101ALI20220511BHJP
   B60C 3/04 20060101ALI20220511BHJP
   B60C 15/06 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B60C17/00 B
B60C13/00 D
B60C13/02
B60C15/00 L
B60C15/00 K
B60C3/04 B
B60C15/06 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184662
(22)【出願日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】柴山 健輔
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA32
3D131AA39
3D131BA01
3D131BA02
3D131BB01
3D131BB03
3D131BB10
3D131BC25
3D131BC32
3D131DA09
3D131HA01
3D131HA03
3D131HA33
3D131HA43
3D131HA45
3D131JA02
3D131JA03
(57)【要約】
【課題】ランフラット走行時において、補強ゴムの撓みを効果的に抑制してリム外れを抑制することができるランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】リムフランジ64に嵌合される一対のビード11と、一対のビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール12と、一対のサイドウォール12の間に配置されたトレッド13と、一対のビード11の間に架け渡されたカーカスプライ23と、サイドウォール12において、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に配置された補強ゴム41と、を備え、ビード11のタイヤ幅方向外側にリムプロテクタ33を有し、リムプロテクタ33は、補強繊維層50を有し、補強繊維層50は、タイヤ軸方向と交差する方向に沿って延在し、かつ、その延在方向に沿った仮想延長線50aが補強ゴム41と交差している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムフランジに嵌合される一対のビードと、
前記一対のビードの各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
前記一対のサイドウォールの間に配置されたトレッドと、
前記一対のビードの間に架け渡されたカーカスプライと、
前記サイドウォールにおいて、前記カーカスプライのタイヤ内腔側に配置された補強ゴムと、を備えるランフラットタイヤであって、
前記ビードのタイヤ幅方向外側にリムプロテクタを有し、
前記リムプロテクタは、補強部を有し、
前記補強部は、タイヤ幅方向と交差する方向に沿って延在し、かつ、その延在方向に沿った仮想延長線が前記補強ゴムと交差している、ランフラットタイヤ。
【請求項2】
前記補強部は、前記リムフランジのタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向内側に配置されている、請求項1に記載のランフラットタイヤ。
【請求項3】
前記補強部は、タイヤ幅方向断面視において、タイヤ径方向外側から内側に向かうにしたがって、タイヤ幅方向外側に向かうように傾斜して延在している、請求項1または2に記載のランフラットタイヤ。
【請求項4】
前記補強部は、ランフラット走行時でのタイヤ幅方向断面視において、前記リムフランジと交差する方向に沿って延在し、その延在方向は、前記リムフランジとの交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±10°以内である、請求項2または3に記載のランフラットタイヤ。
【請求項5】
前記補強部は、複数の繊維を含み、タイヤ側面視において、前記繊維の延在方向と前記リムフランジとの交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±30°以内である、請求項2~4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
【請求項6】
前記リムプロテクタは、ランフラット走行時において、前記リムフランジに、タイヤ幅方向外側から係合可能な、タイヤ径方向内側に突出する突出部を有する、請求項2~5のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
【請求項7】
偏平率が、60%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドウォールに補強ゴムが配置されたサイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドウォールに補強ゴムを配置したサイド補強タイプのランフラットタイヤが知られている。この補強ゴムは、タイヤの内圧が低下した場合であっても、タイヤが完全に偏平化することを妨げる機能を有する。よって、ランフラットタイヤは、この補強ゴムを備えることにより、ある程度の距離のランフラット走行(タイヤの内圧が低下した状態での走行)を行うことが可能である。
例えば、特許文献1には、上記のような補強ゴムを備えたランフラットタイヤにおいて、外傷からリムを保護するリムプロテクタ(リムガード)の周面や内部に、補強素子とマトリクスゴムとからなる複合補強層を配置したランフラットタイヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-299670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される複合補強層は、ランフラット走行時に生じるリムプロテクタの膨出変形を抑え、これにより、サイドウォールの撓みが抑えられるとされている。しかし、このような補強層では、補強ゴムそのものの撓みを効果的に抑えて偏平化を抑制し、結果としてリム外れを抑制する点で不十分であることが懸念され、この点において改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランフラット走行時において、補強ゴムの撓みを効果的に抑制してリム外れを抑制することができるランフラットタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のランフラットタイヤは、リムフランジに嵌合される一対のビードと、前記一対のビードの各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、前記一対のサイドウォールの間に配置されたトレッドと、前記一対のビードの間に架け渡されたカーカスプライと、前記サイドウォールにおいて、前記カーカスプライのタイヤ内腔側に配置された補強ゴムと、を備えるランフラットタイヤであって、前記ビードのタイヤ幅方向外側にリムプロテクタを有し、前記リムプロテクタは、補強部を有し、前記補強部は、タイヤ幅方向と交差する方向に沿って延在し、かつ、その延在方向に沿った仮想延長線が前記補強ゴムと交差している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ランフラット走行時において、補強ゴムの撓み変形を効果的に抑制してリム外れを抑制することができるランフラットタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るランフラットタイヤの、通常走行時におけるタイヤ幅方向の半断面を示す図である。
図2】一実施形態に係るランフラットタイヤの、ランフラット走行時におけるタイヤ幅方向の半断面を示す図である。
図3】一実施形態に係る補強繊維層の、通常走行時での配置の状態を模式的に示す図である。
図4図2の部分拡大断面図である。
図5】一実施形態に係る補強繊維層の、ランフラット走行時での配置の状態の一例を模式的に示す図である。
図6】一実施形態に係る補強繊維層の、ランフラット走行時での配置の状態の他の例を模式的に示す図である。
図7】一実施形態に係るタイヤの一部側面図であって、補強繊維層の一例を示す図である。
図8】上記補強繊維層を構成する繊維の、リムに対する角度を説明する図である。
図9】一実施形態に係るタイヤの一部側面図であって、補強繊維層の他の例を示す図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る通常走行時のタイヤの、ビードおよびリムプロテクタの部分を示す断面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係るランフラット走行時のタイヤの、ビードおよびリムプロテクタの部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るランフラットタイヤであるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面を示す図である。タイヤ1の構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっているため、ここでは、右半分の断面を示す。図中、符号S1は、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつタイヤ幅方向中心に位置する面である。
【0010】
なお、図1の断面図は、タイヤ1をリム60に装着して、規定内圧を充填した無負荷状態である通常走行時のタイヤ幅方向断面図(タイヤ子午線断面図)である。規定内圧とは、例えばタイヤが乗用車用である場合には180kPaである。リム60は、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準リムである。
【0011】
図2は、タイヤ1の内圧が大気圧程度に低下したランフラット走行時において、路面R上を走行する際のタイヤ1の幅方向断面を示している。ランフラット走行時においては、タイヤ1は図2のように路面Rに接地して変形する。
【0012】
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1図2の断面図における紙面左右方向である。図1図2においては、タイヤ幅方向Xとして図示されている。
そして、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図1図2においては、紙面左側である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図1図2においては、紙面右側である。
また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1図2における紙面上下方向である。図1図2においては、タイヤ径方向Yとして図示されている。
そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1図2においては、紙面下側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1図2においては、紙面上側である。
なお、後述する図3図6図10図11についても同様である。
【0013】
タイヤ1は、例えば乗用車用のランフラットタイヤである。また、タイヤ1は、偏平率(断面幅に対する高さの比率)が、例えば60%、65%、70%といった、60%以上の高偏平率タイヤである。
図1に示されるように、タイヤ1は、タイヤ幅方向両側に設けられ、リム60に嵌合される一対のビード11と、一対のビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール12と、一対のサイドウォール12間に配置されたトレッド13と、を備える。
【0014】
ビード11は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22と、を備える。
ビードコア21は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤを複数回巻いて形成した環状の部材である。ビードコア21は、空気が充填されたタイヤ1を、リム60に固定する役目を果たす部材である。
ビードフィラー22は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出する、先端先細り形状のゴム部材である。ビードフィラー22は、ビード周辺部の剛性を高め、高い操縦性および安定性を確保するために設けられている部材である。ビードフィラー22は、例えば周囲のゴム部材よりも硬度の高いゴムにより構成される。
【0015】
ビード11は、そのタイヤ径方向内側の端部を構成するビードベース部11Aが、リム60のシート部62に配置されて、リム60に装着される。リム60については、後述する。
【0016】
ビードベース部11Aは、タイヤ幅方向内側の端部に形成されたトウ部11bと、タイヤ幅方向外側の端部に形成されたヒール部11cと、トウ部11bとヒール部11cとの間のシート面11dと、を有する。トウ部11bは、断面形状が直角に近い鋭角形状の頂部に形成されている。ヒール部11cは、断面凸R形状に湾曲形成されており、リム60の移行部62aに密着している。シート面11dは、リム60のシート部62の一部に密着している。
【0017】
タイヤ1の内部には、一対のビード11間を架け渡されたカーカスプライ23が埋設されている。カーカスプライ23は、タイヤ1の骨格となるプライを構成しており、一対のビード11間を、一対のサイドウォール12およびトレッド13を通過する態様で、タイヤ1内に埋設されている。
【0018】
カーカスプライ23は、一方のビードコア21から他方のビードコア21に延び、トレッド13とビード11との間を延在するプライ本体24と、ビードコア21の周りで屈曲部25Aを経て折り返されているプライ折り返し部25と、を備える。本実施形態においては、プライ折り返し部25は、プライ本体24に重ね合わされている。屈曲部25Aは、カーカスプライ23においてタイヤ径方向の最も内側の部分を構成している。
【0019】
カーカスプライ23は、タイヤ幅方向に延びる複数のプライコードにより構成されている。複数のプライコードは、タイヤ周方向に並んで配列されている。このプライコードは、金属製のスチールコード、あるいはポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。
なお、本実施形態のカーカスプライ23は、第1カーカスプライ231および第2カーカスプライ232が重ねられた2層のカーカスプライによって構成されているが、カーカスプライ23は1層であってもよいし、3層以上であってもよい。
【0020】
本実施形態のように、ビードフィラー22と後述する補強ゴム41との間には、少なくとも2層以上のプライにより構成されるカーカスプライ23が挟まれていることが好ましい。これにより、リム装着部付近で局所的な変形が生じることをより効果的に抑制し、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
【0021】
ビード11は、チェーハー31と、チェーハー31のタイヤ幅方向外側に配置されたリムストリップゴム32と、をさらに備える。
【0022】
チェーハー31は、屈曲部25Aを含むカーカスプライ23のタイヤ径方向内側の端部を取り囲むように設けられている。すなわち、チェーハー31は、タイヤ1のタイヤ径方向内側の端部において、カーカスプライ23のタイヤ幅方向内側の外面から、屈曲部25Aのタイヤ径方向内側の外面を覆い、さらにカーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側の外面を覆っている。
【0023】
リムストリップゴム32は、チェーハー31およびカーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置されている。リムストリップゴム32は、リム60と接触する部材であり、かつ、後述するリムプロテクタ33を構成する部材である。リムストリップゴム32のプライ折り返し部25の一部を覆う部分は、タイヤ径方向外側に向かうにしたがって先細り形状となっており、その先端部分は、後述するサイドウォールゴム40で覆われている。
【0024】
サイドウォール12は、カーカスプライ23のタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム40と、カーカスプライ23のタイヤ幅方向内側に配置された補強ゴム41と、を備える。
【0025】
サイドウォールゴム40は、タイヤ1の外壁面を構成するゴム部材である。このサイドウォールゴム40は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。
【0026】
補強ゴム41は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、略三日月形状のサイド補強ゴムである。この補強ゴム41は、タイヤ1の内圧が低下した場合であっても、タイヤ1が完全に偏平化することを妨げる機能を有する。補強ゴム41は、そのタイヤ径方向外側の端部および内側の端部のいずれもが、先端に向かうにしたがい先細るような形状となっている。補強ゴム41の、タイヤ径方向外側の端部は、トレッド13の領域まで延出している。一方、補強ゴム41におけるタイヤ径方向内側の端部は、ビード11の領域まで延出している。
【0027】
トレッド13は、カーカスプライ23のタイヤ径方向外側に配置されたスチールベルト26と、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置されたキャッププライ27と、キャッププライ27のタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム43と、を備える。
【0028】
スチールベルト26は、ゴムで被覆された複数のスチールコードにより構成されている。スチールベルト26を設けることにより、タイヤ1の剛性が確保され、トレッド13と路面Rの接地状態が良くなる。本実施形態においては、2層構造のスチールベルト(内側のスチールベルト261と外側のスチールベルト262)が設けられているが、積層されるスチールベルト26の枚数はこれに限らない。
【0029】
キャッププライ27は、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置された部材であり、ベルト補強層としての機能を有する。キャッププライ27は、ポリアミド繊維等の絶縁性の有機繊維層により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。キャッププライ27を設けることにより、耐久性の向上、走行時のロードノイズの低減を図ることができる。
【0030】
トレッドゴム43は、トレッド13の主体を構成するゴム部材であって、通常走行時の踏面(図2に示される路面Rとの接地面)13Cを有する。トレッドゴム43の踏面13Cには、複数の溝で構成されるトレッドパターン13Dが設けられている。
【0031】
図1に示されるように、ビード11、サイドウォール12、トレッド13において、カーカスプライ23および補強ゴム41のタイヤ内腔側には、タイヤ1の内壁面を構成するゴム層としてのインナーライナー29が設けられている。インナーライナー29は、トレッド13においては、主にカーカスプライ23の内面を覆い、サイドウォール12およびビード11においては、主に補強ゴム41およびチェーハー31の内面を覆っている。インナーライナー29は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
【0032】
図1に示されるように、ビード11からサイドウォール12への移行領域付近においては、カーカスプライ23のタイヤ外表面側に、リムストリップゴム32とサイドウォールゴム40とが、順に積層された状態となっている。また、この移行領域付近には、タイヤ幅方向外側に突出する頂部33Aを有してタイヤ周方向に環状に連続して延びるリムプロテクタ33が設けられている。本実施形態においては、リムストリップゴム32にリムプロテクタ33の頂部33Aが設けられている。すなわち、本実施形態のリムプロテクタ33は、リムストリップゴム32における頂部33Aよりもタイヤ径方向外側の部分と、その部分を覆って積層され、リムプロテクタ33の外表面を形成するサイドウォールゴム40におけるタイヤ径方向内側の端部と、により構成されている。リムプロテクタ33は、外傷からリム60を保護する機能を有する。リムプロテクタ33は、後述する補強繊維層50を有している。
【0033】
また、ビード11においては、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に、補強ゴム41およびチェーハー31が積層され、さらに、補強ゴム41およびチェーハー31の内面に、インナーライナー29が積層されている。
【0034】
本実施形態のタイヤ1において、サイドウォール12のサイドウォールゴム40は、トレッド13のタイヤ幅方向外側の領域、およびタイヤ径方向外側の領域まで延出している。本実施形態では、サイドウォール12からトレッド13への移行領域であるショルダー部45におけるカーカスプライ23のタイヤ外表面側に、トレッドゴム43のタイヤ幅方向端部が積層している。トレッドゴム43のタイヤ幅方向端部は、先細り形状となっている。そして、トレッドゴム43のタイヤ幅方向端部の外表面に、サイドウォールゴム40が積層している。サイドウォールゴム40のタイヤ径方向外側の端部は、先細り形状となっている。
【0035】
上述したビードフィラー22、リムストリップゴム32、サイドウォールゴム40、補強ゴム41、トレッドゴム43は、次のようなモジュラスを有するゴムを用いることが好ましい。なお、本実施形態におけるモジュラスは、JIS K6251に準拠し、ダンベル状3号形の試験片を用いて引張試験を実施した時の300%伸張時のモジュラス(M300(MPa)の測定値をいう。
【0036】
すなわち、ビードフィラー22のモジュラスは、6.0以上15.0以下の範囲が好ましく、リムストリップゴム32のモジュラスは、2.5以上4.5以下の範囲が好ましい。また、サイドウォールゴム40のモジュラスは、5.0以上6.5以下の範囲が好ましく、補強ゴム41のモジュラスは、8.0以上9.5以下の範囲が好ましい。また、トレッドゴム43のモジュラスは、7.5以上14.0以下の範囲が好ましい。
【0037】
また、各ゴムの硬度に関して述べると、ビードフィラー22および補強ゴム41に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム40およびインナーライナー29よりも硬度が高いゴムを用いる。また、リムストリップゴム32に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム40およびインナーライナー29よりも硬度が高いゴムを用いる。なお、サイドウォールゴム40とインナーライナー29は、ほぼ同じ硬度のゴムが用いられる。
【0038】
このようなモジュラスおよび硬度を有する各ゴム部材を用いることで、タイヤとしての柔軟性とビード11付近の剛性のバランスを保ち、かつランフラット耐久性を確保することができる。
【0039】
ここで、説明の便宜上、本実施形態に係るタイヤ1が装着されるリム60について説明しておく。
図1には、リム60における、タイヤ1のビード11が装着される部分が示されている。図3に示されるように、リム60は、ビード11のビードベース部11Aが配置されるシート部62と、シート部62よりも軸方向(タイヤ幅方向に相当)外側のリムフランジ64と、を備えている。シート部62の軸方向内側(図3で左側)は、リム60の主体をなす円筒状のウェル部66が連続して形成されている。
【0040】
シート部62は、リムフランジ64に移行する部分である断面R形状の移行部62aを有する。移行部62aの内面に、ビードベース部11Aのヒール部11cが密着している。
リムフランジ64は、移行部62aから、リム60の略径方向(タイヤ径方向に相当:図3で上下方向)の内側(図3で下側)に延びる側壁部64aと、軸方向外側端部のエッジ部64bと、側壁部64aからエッジ部64bに移行する断面R形状に屈曲するガイド部64cと、を有する。ガイド部64cは、リム60へのタイヤ装着時において、ビード11をリム60の軸方向内側に導いてタイヤ1の円滑な装着を可能とするように機能する部分である。エッジ部64bは、リムフランジ64の、ガイド部64cからタイヤ幅方向外側に短く延在している。このエッジ部64bの外周面64dは、リム60の軸方向(タイヤ幅方向に相当:図3で左右方向)と略平行に延びている。
【0041】
通常走行時でのタイヤ1は、ビード11のビードベース部11Aがシート部62に配置されて密着し、ビード11のタイヤ幅方向外側の外表面の一部を構成するリムストリップゴム32が、側壁部64aからガイド部64cにわたる部分に配置されて密着する。シート部62には、チェーハー31の一部とリムストリップゴム32のタイヤ径方向内側の端部が密着する。そして、ガイド部64cの途中からエッジ部64bにわたる端縁部分と、リムストリップゴム32との間には、隙間が形成される。
【0042】
一方、ランフラット走行時には、サイドウォール12とともにビード11が撓むことにより、図4に示されるように、リムフランジ64のガイド部64cからエッジ部64bにわたり、リムストリップゴム32の、頂部33Aよりもタイヤ径方向内側の外表面が密着する。また、リムプロテクタ33の頂部33Aは、そのタイヤ幅方向位置が、エッジ部64bの外端64b1と概ね一致する。したがって、通常走行時に存在したリムフランジ64とリムストリップゴム32との間の隙間は、リムストリップゴム32によって塞がれる。
【0043】
タイヤ1に戻ると、図1に示されるように、上述したリムプロテクタ33は、補強部としての補強繊維層50を有する。本実施形態の補強繊維層50は、リムストリップゴム32の内部において、タイヤ1の全周にわたって環状に配置されている。補強繊維層50は、リムストリップゴム32の内部に、タイヤ1と同心状に埋設されている。補強繊維層50は、通常走行時でのタイヤ幅方向断面視において、タイヤ幅方向と交差する方向に沿って略直線状に延在し、かつ、その延在方向に沿った仮想延長線50aが、補強ゴム41と交差するように配置されている。
【0044】
図3に示されるように、補強繊維層50は、リム60のタイヤ幅方向外側の端部を構成するリムフランジ64の、タイヤ幅方向外端、すなわちエッジ部64bの外端64b1よりも、タイヤ幅方向内側に配置されている。
【0045】
図3に示されるように、補強繊維層50は、通常走行時でのタイヤ幅方向断面視において、タイヤ径方向外側から内側に向かうにしたがって、タイヤ幅方向外側に向かうように傾斜して延在している。その傾斜角度としては、タイヤ径方向と平行でリム60の外周面64dを通る線E(線Eは、外周面64dと略直交する)に対する角度θ1は、例えば、0°以上25°以下が好適とされる。
【0046】
図4は、ランフラット走行時のタイヤ1のビード11の部分を示している。図4に示されるように、ランフラット走行時の補強繊維層50は、タイヤ幅方向断面視において、リムフランジ64の外周面64dと交差する方向に沿って延在する。図5に示されるように、その延在方向(線Fで示す)とリムフランジ64の外周面64dとの交差角度θ2は、垂直であることが好ましい。あるいは、図6に示されるように、補強繊維層50の延在方向Fと、外周面64dと垂直に交差する線Gとの交差角度θ3が、±10°以内であってもよい。
【0047】
図7に示すように、補強繊維層50は、複数の繊維51と、これら繊維51を被覆して一体化するゴム52と、を含んで構成される。
繊維51は、例えば、タイヤ補強材として一般的な繊維材料であって、高強度でありながら柔軟性を有し、かつ、耐疲労性の高い繊維材料から構成されている。具体的には、スチール繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミド等の有機繊維等が挙げられる。例えば、スチール繊維の場合には、φ0.1~φ0.5mm程度の高炭素鋼からなる素線を数本から数十本撚り合わせ、必要に応じてゴムとの接着性を高めるメッキが施されたものなどが用いられる。
【0048】
例えば、リムストリップゴム32の製造工程の途中において、生ゴム状態のリムストリップゴム32に形成したスリットに補強繊維層50を挟んだ後、加硫処理を行うなどしてリムストリップゴム32の加工を行うことにより、内部に補強繊維層50が埋設されたリムストリップゴム32を得ることができる。
【0049】
図8に示すように、本実施形態に係る補強繊維層50は、タイヤ1を軸方向から見た場合のタイヤ側面視において、リムフランジ64の外周面64dに対する繊維51の延在方向は、外周面64dに対して略垂直、または、外周面64dに対して垂直に交差する線Hに対する角度θ4が±30°以内であることが好ましい。すなわち、角度θ4は、線Hに対して、0°、または±30°以内であることが好ましく、この範囲では、角度θ4は±20°程度がより好ましい。図7に示される繊維51は、上記角度θ4が20°程度となっている。
【0050】
リムフランジ64の外周面64dに対する繊維51の延在方向が、タイヤ側面視において、垂直以外、すなわち、上記角度θ4が0°以外の場合、図9に示されるように、リムフランジ64の外周面64dに対して同じ角度で交差する互いに逆向きの繊維51を、メッシュ状に組み込む形態が好ましい。図9の場合、繊維51は、上記角度θ4が±20°程度でリムフランジ64の外周面64dに交差している。
【0051】
図9に示されるように、繊維51の延在方向を、タイヤ側面視において、リムフランジ64の外周面64dに対して同じ角度で交差する互いに逆向きとしてメッシュ状に組み込むことにより、ランフラット走行時においてタイヤ1の撓みに対する抵抗力(剛性)が、どちらか一方の周方向に偏ることなく周方向の両方にバランスよく働くため、好ましい。
【0052】
図2に示されるように、本実施形態に係るタイヤ1は、ランフラット走行時においても、補強繊維層50の延在方向が補強ゴム41と交差する状態となり得る。これにより、補強ゴム41を撓ませる負荷が補強繊維層50によって受けられる。このため、補強ゴム41の撓みが補強繊維層50により効果的に抑制される。すなわち、補強繊維層50は、補強ゴム41の補強機能を補助する。その結果、補強ゴム41によるタイヤ偏平化の抑制効果が十分に発揮され、その結果、ビード11がリム60から外れるリム外れが抑制される。
【0053】
また、補強繊維層50は、リム60のタイヤ幅方向外側の端部を構成するリムフランジ64の、エッジ部64bの外端64b1よりもタイヤ幅方向内側に配置されている。これにより、補強繊維層50に掛かる負荷がリム60によって十分に受けることができる構造となっている。その結果、補強ゴム41を含むサイドウォール12の撓みが効果的に抑制される。
【0054】
また、図3に示されるように、補強繊維層50は、通常走行時でのタイヤ幅方向断面視において、タイヤ径方向外側から内側に向かうにしたがって、タイヤ幅方向外側に向かうように傾斜して延在している。これにより、ランフラット走行する場合、リムプロテクタ33の撓みに伴って、タイヤ幅方向断面視における補強繊維層50の延在方向が、タイヤ径方向に沿う状態になりやすい。補強繊維層50の延在方向がタイヤ径方向に沿う状態になると、それ以外の延在方向(例えば、タイヤ径方向に対して傾斜する方向や直交する方向)と比べ、撓みに対する抵抗力が高い。このため、ランフラット走行時のタイヤ偏平化が抑制されるとともに、リム外れも抑制される。
【0055】
また、図5および図6に示されるように、補強繊維層50は、ランフラット走行時でのタイヤ幅方向断面視において、リムフランジ64と交差する方向に沿って延在し、その延在方向は、リムフランジ64との交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±10°以内である。これにより、ランフラット走行時における補強繊維層50の、タイヤ1の撓みに対する抵抗力が高くなる。その結果、ランフラット走行時のタイヤ偏平化によるリム外れが抑制される。
【0056】
また、図7図9に示されるように、補強繊維層50は、複数の繊維51を含み、タイヤ側面視において、繊維51の延在方向とリムフランジ64におけるエッジ部64bの外周面64dとの交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±30°以内である。これにより、ランフラット走行時において、タイヤ1の撓みに対する補強繊維層50の抵抗力が高くなる。その結果、ランフラット走行時のタイヤ偏平化によるリム外れが抑制される。
【0057】
本実施形態に係るタイヤ1は、偏平率が、60%以上のタイヤである。これにより、補強ゴム41が設けられた、偏平率が60%以上の高偏平率のランフラットタイヤに、補強繊維層50を設けて、ランフラット走行時においてもリム外れの発生が抑制されるランフラットタイヤが提供される。
【0058】
上述した実施形態に係るタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
【0059】
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、リムフランジ64に嵌合される一対のビードと、一対のビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール12と、一対のサイドウォール12の間に配置されたトレッド13と、一対のビード11の間に架け渡されたカーカスプライ23と、サイドウォール12において、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に配置された補強ゴム41と、を備えるランフラットタイヤであって、ビード11のタイヤ幅方向外側にリムプロテクタ33を有し、リムプロテクタ33は、補強繊維層50を有し、補強繊維層50は、タイヤ幅方向と交差する方向に沿って延在し、かつ、その延在方向に沿った仮想延長線50aが補強ゴム41と交差している。
【0060】
これにより、ランフラット走行時においては、補強ゴム41を撓ませる負荷を補強繊維層50が受けることが可能となり、このため、補強ゴム41の撓みを補強繊維層50により効果的に抑制することができる。すなわち、補強繊維層50は、補強ゴム41の補強機能を補助する。その結果、補強ゴム41によるタイヤ偏平化の抑制効果が十分に発揮され、その結果、リム外れを抑制することができる。
【0061】
(2)本実施形態に係るタイヤ1において、補強繊維層50は、リム60のタイヤ幅方向外側の端部を構成するリムフランジ64のタイヤ幅方向の外端64b1よりもタイヤ幅方向内側に配置されている。
【0062】
これにより、補強繊維層50に掛かる負荷がリム60によって十分に受けることができる構造となり、その結果、補強ゴム41を含むサイドウォール12の撓みを効果的に抑制することができる。
【0063】
(3)本実施形態に係るタイヤ1において、補強繊維層50は、タイヤ幅方向断面視において、タイヤ径方向外側から内側に向かうにしたがって、タイヤ幅方向外側に向かうように傾斜して延在している。
【0064】
これにより、ランフラット走行時では、リムプロテクタ33の変形に伴って、タイヤ幅方向断面視における補強繊維層50の延在方向が、タイヤ径方向に沿う状態になりやすい。このため、ランフラット走行時のタイヤ偏平化を抑制することができ、その結果、リム外れを抑制することができる。
【0065】
(4)本実施形態に係るタイヤ1において、補強繊維層50は、ランフラット走行時でのタイヤ幅方向断面視において、リムフランジ64と交差する方向に沿って延在し、その延在方向は、リムフランジ64との交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±10°以内である。
【0066】
これにより、ランフラット走行時における補強繊維層50の、タイヤ1の撓みに対する抵抗力を高くすることができ、その結果、ランフラット走行時のタイヤ偏平化によるリム外れを抑制することができる。
【0067】
(5)本実施形態に係るタイヤ1において、補強繊維層50は、複数の繊維51を含み、タイヤ側面視において、繊維51の延在方向とリムフランジ64との交差角度が、垂直、または垂直に交差する線に対して±30°以内である。
【0068】
これにより、ランフラット走行時において、タイヤ1の撓みに対する補強繊維層50の抵抗力を高くすることができ、その結果、ランフラット走行時のタイヤ偏平化によるリム外れを抑制することができる。
【0069】
(7)本実施形態に係るタイヤ1は、偏平率が、60%以上のタイヤである。
これにより、補強ゴム41が設けられた、偏平率が60%以上の高偏平率のランフラットタイヤに、補強繊維層50を設けて、ランフラット走行時においてもリム外れの発生が抑制されるランフラットタイヤを提供することができる。
【0070】
次に、図10および図11を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。この他の実施形態は、本発明に係るリムプロテクタ33の形態が、上述した実施形態と相違しており、他の構成は同一または近似している。したがって、以下の説明においては、上述した実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0071】
図10および図11は、他の実施形態に係るタイヤ1の、ビード11およびリムプロテクタ33の部分を示す図であって、図10は通常走行時を示し、図11はランフラット走行時を示している。
【0072】
図10に示されるように、この実施形態でのリムプロテクタ33は、タイヤ径方向内側に突出して頂部33Aを覆う突出部35を有する。この突出部35は、頂部33Aからタイヤ径方向内側に突出しており、その先端の頂部33Bは、タイヤ幅方向断面視において半円弧状に丸く形成されている。本実施形態の突出部35は、サイドウォールゴム40のタイヤ径方向内側の端部に一体に形成されている。すなわち、突出部35は、サイドウォールゴム40のタイヤ径方向内側の端部において、タイヤ幅方向内側の方向に膨出する状態に形成されている。この突出部35は、通常走行時において、リムフランジ64から離間し、接触しない位置に設けられている。
【0073】
図11に示されるように、ランフラット走行時においては、突出部35はリムフランジ64のエッジ部64bに当接して、タイヤ幅方向外側(図11において右側)から係合可能である。詳しくは、突出部35は、そのタイヤ幅方向内側の面が、エッジ部64bの外端64b1に当接する。突出部35は、ランフラット走行時においてエッジ部64bに係合した状態で、その先端部がエッジ部64bからタイヤ径方向内側に突出することが可能な長さを有する。
【0074】
上述した他の実施形態に係るタイヤ1によれば、先の実施形態で述べた(1)~(5)および(7)と同様の効果が奏される。
【0075】
また、上述した他の実施形態に係るタイヤ1によれば、さらに以下の効果が奏される。
(6)上述した他の実施形態に係るタイヤ1において、リムプロテクタ33は、ランフラット走行時において、リムフランジ64に、タイヤ幅方向外側から係合可能な、タイヤ径方向内側に突出する突出部35を有する。
【0076】
これにより、ランフラット走行時にタイヤ1に横力が発生した場合、リムプロテクタ33の突出部35がリムフランジ64にタイヤ幅方向外側から係合するため、リム外れを抑制することができる。
【0077】
以上の実施形態で説明した本発明に係るランフラットタイヤは、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等のタイヤとして採用することができるが、特に乗用車用のタイヤとして好適である。その中でも、タイヤ断面高さが大きいSUV(Sport Utility Vehicle)用のランフラットタイヤにおいて最も高い効果が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 タイヤ(ランフラットタイヤ)
11 ビード
12 サイドウォール
13 トレッド
23 カーカスプライ
33 リムプロテクタ
35 突出部
41 補強ゴム
50 補強繊維層(補強部)
50a 仮想延長線
51 繊維
60 リム
64 リムフランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11