(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074555
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】資産管理システム、資産管理方法及び資産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220511BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184680
(22)【出願日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳田 直輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】ユーザの所有物の価値を評価することにより、的確な資産管理を行なうための資産管理システム、資産管理方法及び資産管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバ20は、各ユーザの所有物を資産として登録するユーザ情報記憶部23と、各ユーザのユーザ端末10に接続される制御部21とを備える。そして、制御部21が、ユーザ端末10から、ユーザが所有する物品に関する情報を取得し、物品の価値を、ユーザの資産としてユーザ情報記憶部23に登録する。更に、制御部21は、ユーザ情報記憶部23に登録された同じ物品のすべての資産に関する情報に基づいて、取引想定価格を予測し、予測した取引想定価格に基づいて、ユーザ端末10に対して取引提案を行なう。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの所有物を資産として登録するユーザ情報記憶部と、
各ユーザのユーザ端末に接続される制御部とを備え、ユーザの所有物を評価する資産管理システムであって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、ユーザが所有する物品に関する情報を取得し、
前記物品の価値を、前記ユーザの資産として前記ユーザ情報記憶部に登録し、
前記ユーザ情報記憶部に登録された同じ物品のすべての資産に関する情報に基づいて、取引想定価格を予測し、
前記予測した取引想定価格に基づいて、前記ユーザ端末に対して取引提案を行なうことを特徴とする資産管理システム。
【請求項2】
前記制御部が、
前記ユーザ端末から撮影画像を取得し、
前記撮影画像に含まれるすべての物品を認識し、
前記物品において、前記ユーザの所有物として特定された物品を前記ユーザ情報記憶部に登録することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項3】
前記制御部が、
前記ユーザの資産として特定された各物品の提供希望価格を取得し、
前記提供希望価格を用いて、前記取引想定価格を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記制御部が、
前記ユーザの所有物に基づいて、提案対象を予測し、
前記提案対象を前記ユーザ端末に出力することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の資産管理システム。
【請求項5】
前記制御部が、各ユーザの所有物の組み合わせを教師情報として用いて、所有物の組み合わせから、他の所有物を予測する予測モデルを生成する学習処理を実行することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の資産管理システム。
【請求項6】
前記制御部が、前記予測モデルを用いて予測した他の所有物を、前記ユーザの資産としての登録候補として予測することを特徴とする請求項5に記載の資産管理システム。
【請求項7】
各ユーザの所有物を資産として登録するユーザ情報記憶部と、
各ユーザのユーザ端末に接続される制御部とを備えた資産管理システムを用いて、ユーザの所有物を評価する方法であって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、ユーザが所有する物品に関する情報を取得し、
前記物品の価値を、前記ユーザの資産として前記ユーザ情報記憶部に登録し、
前記ユーザ情報記憶部に登録された同じ物品のすべての資産に関する情報に基づいて、取引想定価格を予測し、
前記予測した取引想定価格に基づいて、前記ユーザ端末に対して取引提案を行なうことを特徴とする資産管理方法。
【請求項8】
各ユーザの所有物を資産として登録するユーザ情報記憶部と、
各ユーザのユーザ端末に接続される制御部とを備えた資産管理システムを用いて、ユーザの所有物を評価するための資産管理プログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザ端末から、ユーザが所有する物品に関する情報を取得し、
前記物品の価値を、前記ユーザの資産として前記ユーザ情報記憶部に登録し、
前記ユーザ情報記憶部に登録された同じ物品のすべての資産に関する情報に基づいて、取引想定価格を予測し、
前記予測した取引想定価格に基づいて、前記ユーザ端末に対して取引提案を行なう手段として機能させるための資産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの資産を管理する資産管理システム、資産管理方法及び資産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上でユーザの資産を一元管理できる技術が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された資産管理サーバは、ユーザ利用端末を利用してオンラインショップサーバにおいて購入した商品を、資産データベースに資産として登録する。また、商品の購入日等から商品の売却推奨度を算出し、所定の値を超えたものに関しては売却を推奨する。ユーザが売却を希望した際には、オークション等のサービスを提供する商品売却サーバに商品を出品し、売却完了時に資産データベースから商品を削除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザの資産は多様であり、オンラインショップで購入した商品だけを資産として管理する場合には、ユーザの所有物を的確に管理することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する資産管理システムは、各ユーザの所有物を資産として登録するユーザ情報記憶部と、各ユーザのユーザ端末に接続される制御部とを備える。そして、前記制御部が、前記ユーザ端末から、ユーザが所有する物品に関する情報を取得し、前記物品の価値を、前記ユーザの資産として前記ユーザ情報記憶部に登録し、前記ユーザ情報記憶部に登録された同じ物品のすべての資産に関する情報に基づいて、取引想定価格を予測し、前記予測した取引想定価格に基づいて、前記ユーザ端末に対して取引提案を行なう。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの所有物の価値を評価することにより、的確な資産管理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施形態の記憶部の説明図であって、(a)は商品情報記憶部、(b)はユーザ情報記憶部の説明図。
【
図5】実施形態の処理手順の説明図であって、(a)はユーザ入力時、(b)は取引時、(c)は画像取得時の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~
図9に従って、資産管理システム、資産管理方法及び資産管理プログラムの一実施形態を説明する。本実施形態では、ユーザの所有物を資産として登録し、価値評価を行ない、資産についてのレコメンドや取引仲介を行なうサービスを提供する場合を想定する。
【0009】
図1に示すように、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、管理サーバ20、マーケットサイト30を用いる。
【0010】
(ハードウェア構成例)
図2は、ユーザ端末10、管理サーバ20、マーケットサイト30等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0011】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースカードや無線インタフェース等である。
【0012】
入力装置H12は、ユーザ等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。
【0013】
記憶装置H14は、ユーザ端末10、管理サーバ20、マーケットサイト30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置(例えば、後述する商品情報記憶部22、ユーザ情報記憶部23、学習結果記憶部24)である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0014】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、管理サーバ20、マーケットサイト30における各処理(例えば、後述する制御部21における処理)を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、ユーザ端末10、管理サーバ20、マーケットサイト30のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
【0015】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0016】
(各情報処理装置の機能)
図1のユーザ端末10は、本サービスを利用するユーザが用いるコンピュータ端末である。このユーザ端末10には、資産管理アプリケーションがインストールされる。この資産管理アプリケーションを用いて、管理サーバ20にアクセスする。
【0017】
管理サーバ20は、ユーザの資産を管理するためのコンピュータシステムである。この管理サーバ20は、制御部21、商品情報記憶部22、ユーザ情報記憶部23、学習結果記憶部24を備えている。
【0018】
この制御部21は、後述する処理(登録段階、評価段階、レコメンド段階、仲介段階等を含む処理)を行なう。このための資産管理プログラムを実行することにより、制御部21は、登録部211、評価部212、提案部213、仲介部214等として機能する。
【0019】
登録部211は、ユーザの資産を登録する処理を実行する。この登録部211は、取引時に資産対象として登録する商品種別を特定するための資産対象テーブルを保持している。この資産対象テーブルを用いて、例えば、短期に消費する消耗品(例えば、食品)を資産対象から除外する。
【0020】
評価部212は、ユーザの資産を評価する処理を実行する。この評価部212は、商品状態に関連付けて、取引想定額を調整するための調整割合を記録した状態調整テーブルを保持する。更に、評価部212は、同じ商品が記録された希望物管理レコード233の希望物価格から取引想定価格を算出するための価値算出関数を保持する。この価値算出関数は、希望物価格の統計値(例えば、平均値)や、保有状況(希望物管理レコード233のレコード数)等を変数とする。
【0021】
提案部213は、ユーザの資産に関する提案を行なう処理を実行する。
仲介部214は、ユーザの資産の取引を仲介する処理を実行する。
【0022】
図3(a)に示すように、商品情報記憶部22には、商品管理レコード220が記録される。この商品管理レコード220は、商品登録が行なわれた場合に記録される。商品管理レコード220には、商品ID、マスタユーザID、商品種別、名称、商品説明、初期価格、共有可否、取引想定価格に関するデータが記録される。
商品IDデータ領域には、各商品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
マスタユーザIDデータ領域には、この商品を登録したユーザ(マスタユーザ)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0023】
商品種別データ領域には、この商品が属する分野を特定するための識別子に関するデータが記録される。
名称データ領域には、この商品の名称に関するデータが記録される。
【0024】
商品説明データ領域には、この商品の説明に関するデータが記録される。市場に流通している商品については、型番等、市場で特定できる識別情報を記録する。市場に流通していない商品については、商品の内容を記録する。更に、このデータ領域には、この商品を撮影した画像の特徴量(商品特徴量)を記録する。この商品特徴量は、各商品を画像において識別する場合に用いられる。
【0025】
初期価格データ領域には、マスタユーザが、この商品を登録した時の価格に関するデータが記録される。
共有可否データ領域には、この商品について他のユーザとの情報共有の可否を判定するためのフラグに関するデータが記録される。市場に流通している一般的な商品は共有可能に設定される。一方、市場に流通しておらず、守秘性を有する商品については共有不可とする。
【0026】
取引想定価格データ領域には、この商品の取引を行なった場合を想定した価格に関するデータが記録される。取引想定価格は、マスタユーザとは異なる第三者が想定した価格である。
【0027】
図3(b)に示すように、ユーザ情報記憶部23には、本サービスのユーザに関するユーザ管理レコード230が記録される。このユーザ管理レコード230は、ユーザ登録が行なわれた場合に記録される。ユーザ管理レコード230には、金融資産管理レコード231、所有物管理レコード232、希望物管理レコード233、不要物管理レコード234が関連付けられている。
【0028】
ユーザ管理レコード230には、ユーザID、連絡先、住所、総価値に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0029】
連絡先データ領域には、このユーザの連絡先に関するデータが記録される。連絡先としては、例えば、メールアドレスや、ユーザ端末10にインストールされた資産管理アプリケーションのアプリID等を用いることができる。
【0030】
住所データ領域には、このユーザの住所に関するデータが記録される。
総価値データ領域には、このユーザの所有物の総価値に関するデータが記録される。
【0031】
金融資産管理レコード231には、このユーザが保有する金融資産について、金融資産種別及び評価額に関する情報が記録される。
金融資産種別データ領域には、このユーザが保有する金融資産を特定するための識別子に関するデータが記録される。
評価額データ領域には、この金融資産を評価した金額に関するデータが記録される。
【0032】
所有物管理レコード232には、このユーザの所有物について、商品ID、提供希望価格、商品価値、商品状態、商品メモ、価格更新可否に関するデータが記録される。
商品IDデータ領域には、所有物である商品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0033】
提供希望価格データ領域には、この所有物を提供する場合の希望価格に関するデータが記録される。この価格には、販売する場合の希望価格と、レンタルする場合の希望価格等が含まれる。
【0034】
商品価値データ領域には、この所有物を流通させた場合の価格に関するデータが記録される。
商品状態データ領域には、商品の状態を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0035】
商品メモデータ領域には、この所有物について、ユーザの忘備録に関するデータが記録される。
価格更新可否データ領域には、この商品についての評価額の更新可否を示すフラグが記録される。
【0036】
希望物管理レコード233には、このユーザが所有を希望する物について、商品ID、入手希望価格に関するデータが記録される。
商品IDデータ領域には、希望物である商品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
入手希望価格データ領域には、この希望物を入手する場合の価格に関するデータが記録される。この価格には、購入する場合の価格と、レンタルする場合の価格等が含まれる。
【0037】
不要物管理レコード234には、このユーザが所有を希望しない物について、商品種別に関するデータが記録される。
商品種別データ領域には、ユーザが所有を希望しない物の商品種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0038】
学習結果記憶部24には、教師データを用いた機械学習により生成した予測モデルが記録される。本実施形態では、ユーザの所有物に基づいて、ユーザに提案する提案対象を予測する所有予測モデルが記録される。
【0039】
マーケットサイト30は、ユーザの取引を管理するコンピュータシステムである。マーケットサイト30としては、オークションサイト、ECポータルサイト等を想定する。マーケットサイト30は、各商品の取引情報として、取引が成立した約定情報(約定日、約定金額)や、販売希望価格や購入希望価格(最終公開日、金額)を表示した板情報を公開する。
【0040】
(概要)
図4を用いて、本サービスの概要を説明する。
まず、管理サーバ20の制御部21は、所有物、希望物の登録処理を実行する(ステップS1)。ここでは、制御部21は、ユーザ端末10から、ユーザの所有物、希望物に関する情報を取得し、ユーザ情報記憶部23に登録する。
【0041】
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物の評価処理を実行する(ステップS2)。具体的には、制御部21は、ユーザの所有物の価格を特定する。なお、価格には、販売する場合と、レンタルする場合とがあるが、取引形態の違いであり、以下では、販売する場合を用いて説明する。
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物に基づくレコメンド予測処理を実行する(ステップS3)。具体的には、制御部21は、ユーザの所有物について、ユーザに対するレコメンドを生成する。
【0042】
次に、管理サーバ20の制御部21は、レコメンド処理を実行する(ステップS4)。具体的には、制御部21は、生成したレコメンドをユーザ端末10に提示する。
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物の取引仲介処理を実行する(ステップS5)。具体的には、制御部21は、レコメンドに応じた取引を仲介する。
【0043】
(ユーザ情報の登録処理)
次に、
図5を用いて、ユーザ情報の登録処理を説明する。この処理は、ユーザによる入力時、ユーザの取引時、画像取得時に行なわれる。
【0044】
(ユーザ入力時処理)
まず、
図5(a)を用いて、ユーザ入力時処理を説明する。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、情報登録画面の表示処理を実行する(ステップS101)。具体的には、情報の登録を希望するユーザは、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションを起動し、管理サーバ20にアクセスする。この場合、制御部21の登録部211は、メニュー画面をユーザ端末10に出力する。このメニュー画面において、情報入力ボタンが選択された場合、登録部211は、情報登録画面をユーザ端末10に出力する。この情報登録画面には、ユーザのユーザ情報(金融資産、所有物、希望物を含む)に関する情報の入力欄が設けられている。金融資産については、金融資産種別及び評価額を入力する。所有物に関しては、所有物の商品ID、提供希望価格、商品状態、商品メモ、価格更新可否を入力する。希望物については、商品ID、入手希望価格を入力する。
【0045】
管理サーバ20の制御部21は、ユーザ情報の取得処理を実行する(ステップS102)。具体的には、メニュー画面に含まれる登録ボタンが選択されることにより、ユーザ端末10は、情報登録画面に入力されたユーザ情報を、管理サーバ20に送信する。そして、制御部21の登録部211は、ユーザ端末10から、情報登録画面に入力されたユーザ情報を取得する。
【0046】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ情報の更新処理を実行する(ステップS103)。具体的には、制御部21の登録部211は、ユーザ端末10から取得したユーザ情報を用いて、金融資産管理レコード231~希望物管理レコード233を生成し、ユーザ情報記憶部23に記録する。
【0047】
(画像取得時処理)
次に、
図5(b)を用いて、画像取得時処理を説明する。
まず、管理サーバ20の制御部21は、画像取得処理を実行する(ステップS201)。具体的には、メニュー画面において、画像取込ボタンが選択された場合、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションを起動し、制御部21の登録部211は、ユーザ端末10のカメラを起動する。次に、ユーザは、このカメラを所有物が配置されている場所(例えば、室内)を撮影する。そして、登録部211は、ユーザ端末10から撮影画像を取得する。
【0048】
次に、管理サーバ20の制御部21は、画像認識処理を実行する(ステップS202)。具体的には、制御部21の登録部211は、取得した撮影画像に含まれる被写体の特徴量を画像認識により算出する。撮影画像の中に、複数の物品が含まれる場合には、各物品についての特徴量を算出する。
【0049】
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物候補の出力処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部21の登録部211は、算出した物品の特徴量と、商品情報記憶部22に記録された商品特徴量とを比較する。そして、登録部211は、物品の特徴量が商品特徴量の所定範囲に含まれる物品を所有物候補として特定する。複数の物品を特定した場合には、すべての物品を所有物候補とする。この場合、登録部211は、購入された商品の商品種別を特定し、資産対象テーブルを用いて資産対象かどうかを判定する。そして、資産対象テーブルに含まれない物品を所有物候補から除外する。更に、登録部211は、特定した所有物候補において、このユーザの所有物管理レコード232に既に登録されている所有物候補を除く。
【0050】
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物候補の選択処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部21の登録部211は、特定した所有物候補をユーザ端末10に出力する。この場合、ユーザは、所有物候補の中で、資産登録を希望する所有物を選択する。そして、登録部211は、選択された所有物に関する情報をユーザ端末10から取得する。
【0051】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ情報の更新処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部21の登録部211は、ユーザ端末10から取得した所有物候補について、所有物管理レコード232を生成し、ユーザ情報記憶部23に記録する。
【0052】
(取引時処理)
次に、
図5(c)を用いて、取引時処理を説明する。
まず、管理サーバ20の制御部21は、取引監視処理を実行する(ステップS301)。具体的には、制御部21の登録部211は、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションを用いて、取引に用いる取引アプリケーションの実行状態を監視する。
【0053】
次に、管理サーバ20の制御部21は、売買情報の取得処理を実行する(ステップS302)。具体的には、制御部21の登録部211は、取引アプリケーションにおいて、売買を検知した場合、取引における売買情報を取得する。この売買情報には、ユーザが購入した商品や、ユーザが提供した商品に関する情報が含まれる。
【0054】
次に、管理サーバ20の制御部21は、売買結果に応じてユーザ情報の更新処理を実行する(ステップS303)。具体的には、制御部21の登録部211は、商品購入を検知した場合には、購入された商品の商品種別を特定し、資産対象テーブルを用いて資産対象かどうかを判定する。そして、登録部211は、資産対象と判定した場合、所有物管理レコード232を生成し、ユーザ情報記憶部23に記録する。また、商品提供を検知した場合には、登録部211は、提供された商品に基づいて、所有物管理レコード232を特定し、ユーザ情報記憶部23から削除する。
【0055】
(市場価格の算出処理)
次に、
図6を用いて、市場価格の算出処理を説明する。この処理は、定期的に実行される。
【0056】
まず、管理サーバ20の制御部21は、商品情報記憶部22に記録された商品毎に、以下の処理を繰り返す。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、取引成立情報の検索処理を実行する(ステップS401)。具体的には、制御部21の評価部212は、マーケットサイト30にアクセスし、処理対象と同じ商品について、直近の所定期間内に取引が成立した約定情報の有無を確認する。
【0057】
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引成立があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS402)。具体的には、制御部21の評価部212は、約定情報を特定できた場合には、取引成立があると判定する。
【0058】
取引成立があると判定した場合(ステップS402において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、約定情報に基づいて更新処理を実行する(ステップS403)。具体的には、制御部21の評価部212は、約定日が直近の所定期間内の約定情報の取引金額の統計値(例えば、平均値)を算出する。そして、評価部212は、商品情報記憶部22の商品管理レコード220の取引想定価格を、算出した統計値により更新する。
【0059】
取引成立がないと判定した場合(ステップS402において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、板情報の検索処理を実行する(ステップS404)。具体的には、制御部21の評価部212は、マーケットサイト30にアクセスし、ユーザの所有物と同じ商品の取引情報を検索する。そして、評価部212は、同じ商品の取引情報について、出品中で取引が成立していない板情報の有無を確認する。
【0060】
次に、管理サーバ20の制御部21は、板情報があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS405)。具体的には、制御部21の評価部212は、板情報を特定できた場合には、板情報があると判定する。
【0061】
板情報があると判定した場合(ステップS405において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、板情報に基づいて更新処理を実行する(ステップS406)。具体的には、制御部21の評価部212は、最終公開日が直近の所定期間内の板情報の販売希望価格及び購入希望価格の統計値(例えば、平均値)を算出する。そして、評価部212は、商品情報記憶部22の商品管理レコード220の取引想定価格を、算出した統計値により更新する。
【0062】
板情報がないと判定した場合(ステップS405において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、希望物価格の検索処理を実行する(ステップS407)。具体的には、制御部21の評価部212は、ユーザ情報記憶部23において、ユーザの所有物と同じ商品の希望物管理レコード233を検索する。そして、評価部212は、同じ商品の希望物管理レコード233の有無を確認する。
【0063】
次に、管理サーバ20の制御部21は、希望物価格があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS408)。具体的には、制御部21の評価部212は、希望物管理レコード233を特定できた場合には、希望物価格があると判定する。
【0064】
希望物価格があると判定した場合(ステップS408において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、希望物価格に基づいて更新処理を実行する(ステップS409)。具体的には、制御部21の評価部212は、特定したすべての希望物管理レコード233の希望物価格を、価値算出関数に導入して取引想定価格を算出する。そして、評価部212は、算出した取引想定価格により、商品情報記憶部22の商品管理レコード220を更新する。
【0065】
希望物価格がないと判定した場合(ステップS408において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、初期値の設定処理を実行する(ステップS410)。具体的には、制御部21の評価部212は、商品情報記憶部22の商品管理レコード220の取引想定価格を初期価格で更新する。
以上の処理を、すべての商品について終了するまで繰り返す。
【0066】
(所有物の評価処理)
次に、
図7を用いて、所有物の評価処理を説明する。この処理も、定期的に実行される。
【0067】
ここで、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ毎であって、ユーザ情報記憶部23に記録された所有物毎に、以下の処理を繰り返す。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、価格更新可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS501)。具体的には、制御部21の評価部212は、所有物管理レコード232の価格更新可否データ領域を確認する。価格更新可否データ領域に更新可能フラグが記録されている場合には、評価部212は、価格更新可能と判定する。一方、更新不可フラグが記録されている場合には、評価部212は、価格更新不可と判定する。
【0068】
価格更新可能と判定した場合(ステップS501において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、取引想定価格の取得処理を実行する(ステップS502)。具体的には、制御部21の評価部212は、商品情報記憶部22の商品管理レコード220から、所有物(商品)の取引想定価格を取得する。
【0069】
次に、管理サーバ20の制御部21は、価格情報の更新処理を実行する(ステップS503)。具体的には、制御部21の評価部212は、状態調整テーブルを用いて、商品状態に応じた調整割合を特定し、取引想定価格に対して、調整割合を用いて商品価値を算出する。そして、評価部212は、所有物管理レコード232の商品価値を更新する。
【0070】
一方、価格更新不可と判定した場合(ステップS501において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、取引想定価格の取得処理(ステップS502)、価格情報の更新処理(ステップS503)をスキップする。
そして、管理サーバ20の制御部21は、このユーザのすべての所有物について、上記の処理を繰り返す。
【0071】
すべての所有物についての処理を終了した場合、管理サーバ20の制御部21は、総価値の算出処理を実行する(ステップS504)。具体的には、制御部21の評価部212は、このユーザについて、ユーザ情報記憶部23に記録されたすべての所有物管理レコード232の商品価値を合計し、総価値を算出する。そして、評価部212は、算出した総価値を、このユーザのユーザ管理レコード230に記録する。以上の処理を、ユーザ毎に繰り返す。
【0072】
次に、管理サーバ20の制御部21は、価値情報の出力処理を実行する(ステップS505)。具体的には、制御部21の評価部212は、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションからのアクセスを受け付けた場合、ユーザ端末10に、金融資産、各所有物の価格、総価値に関する情報を含めた資産情報画面を出力する。
【0073】
(所有物に基づくレコメンド処理)
次に、
図8を用いて、所有物に基づくレコメンド処理を説明する。この処理も、定期的に実行される。
【0074】
まず、管理サーバ20の制御部21は、所有予測モデルの生成処理を実行する(ステップS601)。具体的には、制御部21の提案部213は、ユーザ情報記憶部23から、各ユーザの所有物管理レコード232を取得する。そして、提案部213は、ユーザ毎に、所有物の商品種別の組み合わせを生成する。そして、提案部213は、ユーザ毎に、所有物の商品種別の組み合わせを教師情報として用いた多次元空間において、クラスタ分析を行なう。これにより、各組み合わせの距離が近いクラスタが生成される。そして、提案部213は、所定の商品種別の組み合わせについて、この組み合わせが属するクラスタを予測するモデルを、所有予測モデルとして生成し、学習結果記憶部24に記録する。更に、提案部213は、各クラスタを構成する組み合わせにおいて、統計的評価により代表組み合わせを算出する。
【0075】
次に、管理サーバ20の制御部21は、処理対象のユーザを特定し、ユーザ毎に以下の処理を実行する。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、所有物に基づいて提案対象の予測処理を実行する(ステップS602)。具体的には、制御部21の提案部213は、処理対象のユーザの所有物管理レコード232を、ユーザ情報記憶部23から取得する。次に、提案部213は、取得した各所有物管理レコード232の所有物の商品種別を特定し、所有物の商品種別の組み合わせを生成する。次に、提案部213は、生成した組み合わせを、学習結果記憶部24に記録された所有予測モデルに入力し、組み合わせが属するクラスタを特定する。そして、提案部213は、特定したクラスタの代表組み合わせを取得する。次に、提案部213は、代表組み合わせに含まれる商品種別であって、ユーザの所有物の商品種別の組み合わせに含まれない商品種別を提案対象として特定する。なお、提案対象が、ユーザの不要物管理レコード234に記録されている場合には、提案部213は、提案対象から除外する。
【0076】
次に、管理サーバ20の制御部21は、提案対象のレコメンド処理を実行する(ステップS603)。具体的には、制御部21の提案部213は、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションからのアクセスを受け付けた場合、ユーザ端末10に、提案対象の商品種別に関する情報を含めたレコメンド画面を出力する。更に、レコメンド画面には、所有物、希望物、不要物の選択ボタンが含まれる。
【0077】
以上の処理を、すべてのユーザに対して実行する。
この場合、各ユーザは、ユーザ端末10を用いて、レコメンド画面を確認する。そして、レコメンドに対する対応を行なう。
【0078】
提案対象を既に所有している場合には、レコメンド画面において、所有物の選択ボタンを押下する。この場合には、制御部21の提案部213は、情報登録画面の表示処理(ステップS101)、画像取得処理(ステップS201)により、所有物として登録する。
【0079】
また、提案対象の入手を希望する場合には、レコメンド画面において、希望物の選択ボタンを押下する。この場合には、制御部21の提案部213は、情報登録画面の表示処理(ステップS101)により、希望物として登録する。
【0080】
また、提案対象を不要と判断した場合には、レコメンド画面において、不要物の選択ボタンを押下する。この場合には、制御部21の提案部213は、この提案対象の商品種別を記録した不要物管理レコード234を生成し、ユーザ情報記憶部23に不要物として登録する。
【0081】
(取引提案処理)
次に、
図9を用いて、取引提案処理を説明する。この処理も、定期的に実行される。
まず、管理サーバ20の制御部21は、希望物情報の取得処理を実行する(ステップS701)。具体的には、制御部21の仲介部214は、ユーザ情報記憶部23から、任意の希望物管理レコード233を取得する。
次に、管理サーバ20の制御部21は、所有物情報とのマッチング処理を実行する(ステップS702)。具体的には、制御部21の仲介部214は、特定した希望物が記録された所有物管理レコード232を、ユーザ情報記憶部23から抽出する。次に、仲介部214は、希望物管理レコード233に記録された入手希望価格が、所有物管理レコード232に記録された提供希望価格よりも高いレコードを特定する。
【0082】
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引候補があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS703)。具体的には、制御部21の仲介部214は、入手希望価格が、提供希望価格よりも高いレコードを特定できた場合には取引候補があると判定する。
【0083】
入手希望価格が提供希望価格よりも高いレコードを特定できず、取引候補がないと判定した場合(ステップS703において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、価格提案処理を実行する(ステップS704)。具体的には、制御部21の仲介部214は、所有物管理レコード232に記録された提供希望価格の統計値を算出する。そして、仲介部214は、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションからのアクセスを受け付けた場合、ユーザ端末10に、希望物の統計値に関する情報を含めた資産情報画面を出力する。
【0084】
一方、取引候補があると判定した場合(ステップS703において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、所有物管理レコード232を順次処理対象と特定して、取引候補毎に、以下の処理を実行する。
【0085】
ここでは、まず、管理サーバ20の制御部21は、取引照会処理を実行する(ステップS705)。具体的には、制御部21の仲介部214は、所有物管理レコード232に関連付けられたユーザ管理レコード230のユーザID、及び希望物管理レコード233に関連付けられたユーザ管理レコード230のユーザの連絡先を特定する。そして、仲介部214は、両ユーザの連絡先に、取引提案を行なう。この取引提案には、商品に関する情報及び価格の情報を含める。
【0086】
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引成立かどうかについての判定処理を実行する(ステップS706)。具体的には、制御部21の仲介部214は、所定期間内に、両ユーザから取引提案の応諾の連絡を受けた場合には、取引成立と判定する。一方、いずれかのユーザから取引提案の拒否の連絡を受けた場合や、所定期間内に返答がない場合には、仲介部214は、取引不成立と判定する。
【0087】
取引不成立と判定した場合(ステップS706において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、この取引候補についての処理を終了する。
一方、取引成立と判定した場合(ステップS706において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、送金指示処理を実行する(ステップS707)。具体的には、制御部21の仲介部214は、希望物のユーザの連絡先に対して、サービス提供者への送金指示を行なう。送金には、口座振込、クレジット払い、電子マネーの送金等を用いることができる。
【0088】
そして、送金を受け取った管理サーバ20の制御部21は、配送指示処理を実行する(ステップS708)。具体的には、制御部21の仲介部214は、所有物の提供者の連絡先に対して、サービス提供者の住所に発送する指示を行なう。この場合、宛先ラベルには、サービス事業者の住所及び取引IDのみを設定しておく。所有物を買い取ったサービス事業者は、取引IDに基づいて、希望物のユーザの住所を、ユーザ情報記憶部23から取得し、この住所を印字した宛先ラベルを出力する。そして、配送物を転送する。仲介部214は、配送物の追跡情報において、配達完了情報を取得した場合、取引金額を提供者に送金する。
【0089】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ入力時処理を実行する。これにより、ユーザは、所有物や希望物を登録することができる。この場合、ユーザが想定する価格を登録することができる。
【0090】
(2)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、画像取得時処理を実行する。これにより、所有物の保管場所を撮影することにより、一括して、所有物を登録することができる。
【0091】
(3)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、取引時処理を実行する。これにより、購入した商品を所有物として登録することができる。また、販売した商品を所有物から除くことができる。
【0092】
(4)本実施形態においては、取引成立があると判定した場合(ステップS402において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、約定情報に基づいて更新処理を実行する(ステップS403)。これにより、約定情報を用いて、取引想定価格(市場価値)を算出することができる。
【0093】
(5)本実施形態においては、板情報があると判定した場合(ステップS405において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、板情報に基づいて更新処理を実行する(ステップS406)。これにより、取引が成立していない場合にも、取引想定価格(市場価値)を予測することができる。
【0094】
(6)本実施形態においては、希望物価格があると判定した場合(ステップS408において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、希望物価格に基づいて更新処理を実行する(ステップS409)。これにより、市場に物品がない場合にも、潜在的な価格に基づいて、取引想定価格(市場価値)を予測することができる。
【0095】
(7)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、所有物の評価処理を実行する。これにより、ユーザが所持する所有物の価値を、客観的に評価することができる。その結果、ユーザの所有物について、潜在的な総資産の見える化を行ない、取引促進を図ることができる。
【0096】
(8)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、所有予測モデルの生成処理(ステップS601)、所有物に基づいて提案対象の予測処理(ステップS602)を実行する。これにより、所有される商品種別の組み合わせから、所有される可能性がある商品を予測することができる。
【0097】
(9)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、提案対象のレコメンド処理を実行する(ステップS603)。これにより、所有される可能性がある商品についての提案を行なうことができる。提案対象を、既に所有している場合には、所有物としての登録を促すことができる。また、提案対象をまだ所有していない場合には、希望物としての登録を促すことができる。
【0098】
(10)本実施形態においては、管理サーバ20の制御部21は、取引提案処理を実行する。これにより、潜在的に取引対象となる所有物と希望物とのマッチングにより、取引提案を行なうことができる。
【0099】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、約定情報、板情報、希望物価格を、順次、用いて、所有物の価値を算出する。所有物の価値の算出方法は.これに限定されるものではない。例えば、所定商品について、約定情報、板情報、希望物価格のすべてを用いて、所有物の価値を算出してもよい。この場合には、所定商品についての約定情報、板情報、希望物価格に対して、その順番で重み付けを行なって、所有物の価値を算出する。
【0100】
また、機械学習により、価値を算出するようにしてもよい。
この場合には、
図10に示すように、取引約定が行なわれた時の約定価格、所有物の提供希望価格、希望物の入所希望価格、保有状況を教師情報として用いる。所定商品についての保有状況は、ユーザ情報記憶部23に記録された所有物管理レコード232により、全ユーザにおける、この所定商品の保有数を用いることができる。
【0101】
そして、管理サーバ20の制御部21は、価値予測モデルの生成処理を実行する(ステップS801)。具体的には、制御部21の評価部212は、機械学習により、所有物の提供希望価格、希望物の入所希望価格、保有状況(保有数)から約定価格を予測する価値予測モデルを生成し、学習結果記憶部24に記録する。
【0102】
次に、管理サーバ20の制御部21は、市場価格の予測処理を実行する(ステップS802)。具体的には、制御部21の評価部212は、所有物について、ユーザ情報記憶部23から、所有物の提供希望価格、希望物の入所希望価格、保有状況を算出する。そして、制御部21は、これらの情報を、学習結果記憶部24に記録された価値予測モデルに入力し、約定予測価格を算出する。
【0103】
次に、管理サーバ20の制御部21は、商品情報の更新処理を実行する(ステップS803)。具体的には、制御部21の評価部212は、算出した約定予測価格を用いて、商品情報記憶部22の商品価格情報を更新する。
これにより、成立した取引情報だけではなく、取引成立前の潜在的情報(板情報や希望価格)、商品の所有状況に応じて、取引価格を予測することができる。
【0104】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、取引照会処理を実行する(ステップS705)。これに加えて、提供希望価格や入手希望価格を匿名で公開して、板情報として用いてもよい。
【0105】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21が、ユーザ情報の登録処理を実行する。この場合、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションと、管理サーバ20の制御部21とが連係して処理を実行する。各処理を実行するハードウェアは、上記に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末10の資産管理アプリケーションが、情報登録画面の出力やカメラの起動等を行なうようにしてもよい。
【0106】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、画像取得処理を実行する(ステップS201)。ここでは、ユーザ端末10のカメラを用いる。画像を取得する方法は、ユーザ端末10のカメラに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末10が外付けの全天球カメラから、全天球画像を取得するようにしてもよい。
【0107】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、約定情報、板情報、希望物価格により、所有物の価値を算出する。ここで、他の要素を考慮して、価値を算出するようにしてもよい。
【0108】
例えば、類似商品の取引履歴を取得できる場合には、類似商品の価格を用いて、取引想定価格を算出するようにしてもよい。
また、所有物の取得年月日を、所有物管理レコード232に記録し、取得年月日からの経過日数に応じて、経年による価値の変動を評価するようにしてもよい。この場合、商品情報記憶部22に、各商品のライフ(寿命)を記録しておく。そして、経過日数とライフとの比率に応じて、取引想定価格を調整する。
【0109】
また、所有物管理レコード232を用いて、ユーザのスコアリングを行なうようにしてもよい。例えば、ユーザの所有物の商品種別の組み合わせが属するクラスタに対して、このクラスタに属するユーザの金融資産をラベルとする教師データを用いる。次に、所有物の商品種別の組み合わせから金融資産を予測する予測モデルを生成する。そして、予測した金融資産を用いて、ユーザのスコアリングを行なう。
【0110】
・上記実施形態では、所有物の商品種別の組み合わせを用いて、ユーザが属するクラスタを特定するクラスタリングを行なう。クラスタリングの対象は、商品種別の組み合わせに限定されるものではない。例えば、ユーザが保有する金融資産を含めてクラスタリングを行なうようにしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10…ユーザ端末、20…管理サーバ、21…制御部、211…登録部、212…評価部、213…提案部、214…仲介部、22…商品情報記憶部、23…ユーザ情報記憶部、24…学習結果記憶部、30…マーケットサイト。