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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074629
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】薬液噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20220511BHJP
   B05B 15/62 20180101ALI20220511BHJP
   A61L 101/06 20060101ALN20220511BHJP
   A61L 101/22 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
A61L2/18
B05B15/62
A61L101:06
A61L101:22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184822
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】318016331
【氏名又は名称】仲谷 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 正樹
【テーマコード(参考)】
4C058
4D073
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058AA30
4C058BB07
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ24
4D073AA10
4D073BB01
4D073BB03
4D073CA01
4D073CA04
4D073CA07
4D073CB03
4D073CB08
4D073CB20
(57)【要約】
【課題】高さの種々異なる空間に対して確実且つ円滑に室内に薬液を噴霧することができる薬液噴霧装置を提供する。
【解決手段】殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段2と、噴霧手段2から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段3と、貯蔵手段3に収容された薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給して噴霧させ得る供給手段4と、貯蔵手段3及び供給手段4を保持しつつ移動可能とされた本体部5と、本体部5から延設されて噴霧手段2を支持する支持手段7とを具備した薬液噴霧装置1であって、支持手段7は、噴霧手段2を支持する高さが任意に調整可能とされたことを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段と、
前記噴霧手段から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段と、
前記貯蔵手段に収容された薬液及び圧縮空気を前記噴霧手段に供給して噴霧させ得る供給手段と、
前記貯蔵手段及び供給手段を保持しつつ移動可能とされた本体部と、
前記本体部から延設されて前記噴霧手段を支持する支持手段と、
を具備した薬液噴霧装置であって、
前記支持手段は、前記噴霧手段を支持する高さが任意に調整可能とされたことを特徴とする薬液噴霧装置。
【請求項2】
前記支持手段は、互いに径が異なる複数の円筒状部材を連結して構成され、長手方向に伸縮可能とされるとともに、当該伸縮によって先端部に取り付けられた前記噴霧手段の高さを任意に調整可能とされたことを特徴とする請求項1記載の薬液噴霧装置。
【請求項3】
前記本体部は、その外周面の所定位置において、衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材が取り付けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の薬液噴霧装置。
【請求項4】
前記貯蔵手段及び供給手段と前記噴霧手段との間には、前記薬液及び圧縮空気を前記噴霧手段に供給する薬液用供給流路及び圧縮空気用流路がそれぞれ形成されるとともに、これら薬液用供給流路及び圧縮空気用流路は、それぞれコイル状に延設されたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の薬液噴霧装置。
【請求項5】
前記噴霧手段は、車両の室内に前記薬液を噴霧可能とされたことを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の薬液噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な薬液噴霧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の室内を殺菌又は消毒するためには、作業員が室内に入り、殺菌又は消毒のための薬液をシートやダッシュボード等に塗布又は噴霧する作業が必要とされている。このような殺菌又は消毒のための薬液として、例えば次亜塩素酸水等の電解水やアルコール等を用いることができる。なお、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自動車等の室内を殺菌又は消毒する際、作業員が室内に入る必要があるため、室内にウィルス等が付着している場合、作業員が罹患してしまう虞があるという問題があった。そこで、本出願人は、車両の近傍に設置し、車両の室外から室内に向かって薬液を噴霧可能な薬液噴霧装置を検討するに至ったが、その場合、車両によって車高が種々異なるため、確実且つ円滑に薬液を室内に噴霧するのが難しいことが分かった。なお、このように、高さの種々異なる空間に対し、確実且つ円滑に薬液を噴霧する要求は他の分野でも十分に想定される。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高さの種々異なる空間に対して確実且つ円滑に室内に薬液を噴霧することができる薬液噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段と、前記噴霧手段から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段と、前記貯蔵手段に収容された薬液及び圧縮空気を前記噴霧手段に供給して噴霧させ得る供給手段と、前記貯蔵手段及び供給手段を保持しつつ移動可能とされた本体部と、前記本体部から延設されて前記噴霧手段を支持する支持手段とを具備した薬液噴霧装置であって、前記支持手段は、前記噴霧手段を支持する高さが任意に調整可能とされたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の薬液噴霧装置において、前記支持手段は、互いに径が異なる複数の円筒状部材を連結して構成され、長手方向に伸縮可能とされるとともに、当該伸縮によって先端部に取り付けられた前記噴霧手段の高さを任意に調整可能とされたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の薬液噴霧装置において、前記本体部は、その外周面の所定位置において、衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材が取り付けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載の薬液噴霧装置において、前記貯蔵手段及び供給手段と前記噴霧手段との間には、前記薬液及び圧縮空気を前記噴霧手段に供給する薬液用供給流路及び圧縮空気用流路がそれぞれ形成されるとともに、これら薬液用供給流路及び圧縮空気用流路は、それぞれコイル状に延設されたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の薬液噴霧装置において、前記噴霧手段は、車両の室内に前記薬液を噴霧可能とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段と、噴霧手段から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段と、貯蔵手段に収容された薬液及び圧縮空気を噴霧手段に供給して噴霧させ得る供給手段と、貯蔵手段及び供給手段を保持しつつ移動可能とされた本体部と、本体部から延設されて前記噴霧手段を支持する支持手段とを具備するとともに、支持手段は、噴霧手段を支持する高さが任意に調整可能とされたので、高さの種々異なる空間に対して確実且つ円滑に薬液を噴霧することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、支持手段は、互いに径が異なる複数の円筒状部材を連結して構成され、長手方向に伸縮可能とされるとともに、当該伸縮によって先端部に取り付けられた噴霧手段の高さを任意に調整可能とされたので、噴霧手段を所望高さで安定して支持させることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、本体部は、その外周面の所定位置において、衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材が取り付けられたので、例えば車両の室内に薬液を噴霧して殺菌又は消毒する際、本体部が車体に干渉して損傷させてしまうのを抑制することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、貯蔵手段及び供給手段と噴霧手段との間には、薬液及び圧縮空気を噴霧手段に供給する薬液用供給流路及び圧縮空気用流路がそれぞれ形成されるとともに、これら薬液用供給流路及び圧縮空気用流路は、それぞれコイル状に延設されたので、噴霧手段が任意の高さに調整される際、薬液用供給流路及び圧縮空気用流路を追従して伸縮させることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、噴霧手段は、車両の室内に薬液を噴霧可能とされたので、種々車高の車両に対して車内の殺菌又は消毒を円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る薬液噴霧装置の正面側を示す全体斜視図
図2】同薬液噴霧装置の背面側を示す全体斜視図
図3】同薬液噴霧装置を示す正面図及び側面図
図4】同薬液噴霧装置における本体部の内部構成を示す平面図
図5】同薬液噴霧装置における噴霧手段を示す正面図及び側面図
図6】同薬液噴霧装置における噴霧手段を示す斜視図
図7】同薬液噴霧装置における支持手段を示す拡大模式図
図8】同薬液噴霧装置における支持手段を寸法H1の高さに伸縮させた状態を示す側面図
図9】同薬液噴霧装置における支持手段を寸法H2の高さに伸縮させた状態を示す側面図
図10】同薬液噴霧装置における支持手段を寸法H3の高さに伸縮させた状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る薬液噴霧装置1は、自動車等の車内の室内に対して殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能なもので、図1~4に示すように、殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段2と、噴霧手段2から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段3と、貯蔵手段3に収容された薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給して噴霧させ得る供給手段4と、貯蔵手段3及び供給手段4を保持しつつ移動可能とされた本体部5と、噴霧手段2を支持する支持手段7と、衝撃吸収部材8とを具備して構成されている。
【0017】
貯蔵手段3は、所定量の薬液を貯蔵し得る貯蔵タンクから成り、薬液を補充する開口を覆うキャップ3aと、薬液の残量を目視するための液位表示部3bとを有して構成されている。かかる貯蔵手段3で貯蔵された薬液は、殺菌又は消毒効果のある液体から成り、例えば特定のウィルス(新型コロナウィルスやインフルエンザウィルス等)を殺菌消毒し得る液体(次亜塩素酸水等)、特定の雑菌を殺菌消毒し得る液体、複数のウィルスや雑菌を殺菌消毒し得る混合液等であってもよく、或いは、エタノール等のアルコール類から成る液体であってもよい。
【0018】
供給手段4は、例えばエアコンプレッサから成り、貯蔵手段2に収容された薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給して噴霧させ得るよう構成されている。かかる供給手段4は、圧縮空気を貯蔵手段2及び噴霧手段2のそれぞれに供給可能とされており、貯蔵手段2に供給された圧縮空気により貯蔵手段2内の薬液を噴霧手段2に圧送させるとともに、貯蔵手段2に供給された圧縮空気により、ノズルnから薬液を噴霧状に噴出可能とされている。
【0019】
具体的には、貯蔵手段3及び供給手段4と噴霧手段2との間には、薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給する可撓性チューブから成る薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2がそれぞれ形成されており、薬液用供給流路R1を介して貯蔵手段3内の薬液を噴霧手段2に供給(圧送)するとともに、圧縮空気用流路R2を介して噴霧手段2に圧縮空気を供給することができるのである。
【0020】
本体部4は、図4に示すように、貯蔵手段3及び供給手段4を保持する収容部材から成るとともに、その下面には、複数(本実施形態においては4つ)の車輪rが取り付けられており、貯蔵手段3及び供給手段4を保持しつつ移動自在とされている。かかる本体部4は、上方が開口した状態とされるとともに、当該開口を蓋部6にて塞ぐことにより、内部の収容空間が閉塞状態とされている。
【0021】
また、本体部4には、図3に示すように、所定位置に切欠き5aが形成されており、貯蔵手段3の液位表示部3bが切欠き5aを介して外部に臨んで配設されるとともに、蓋部6には、図1、2に示すように、所定位置に開口6aが形成されており、貯蔵手段3のキャップ3aが開口6aを介して外部に臨んで配設されている。これにより、貯蔵手段3の液位を目視し得るとともに、蓋部6を取り外すことなく、キャップ3aを取り外すことができ、薬液を補充することができる。
【0022】
さらに、本体部5には、所定位置に開閉可能な扉部5bが形成されており、当該扉部5bを開状態とすることにより、本体部5内に設置されたコントロール部材(不図示)を操作することができるようになっている。かかるコントロール部として、噴霧手段2又は供給手段4を作動させるスイッチ、噴霧時間を調整可能なタイマースイッチ等が挙げられ、扉部5bを開状態とすることにより操作者が任意に操作可能とされている。なお、本体部5からは、供給手段4等に電力供給する配線h(図4参照)が延設されており、当該配線hの先端に形成されたプラグP(図2、4参照)をコンセントに差し込むことにより電力供給可能とされている。
【0023】
噴霧手段2は、図5、6に示すように、所定容量の薬液を収容可能なケース部2aと、ケース部2aに収容された薬液を圧縮空気にて外部に噴霧(霧状に噴射)可能な複数のノズルnとを具備している。すなわち、噴霧手段2は、貯蔵手段3で貯蔵された薬液及び供給手段4で供給された圧縮空気が供給されるとともに、その薬液及び圧縮空気をノズルnから噴出させることにより、霧状の薬液を車両の室内に対して噴霧可能とされているのである。なお、本実施形態においては、ケース部2aに形成された接続部t(図6参照)に薬液用流路R1の端部が接続されるとともに、ケース部2aの上部に接続された接続部Mに圧縮空気用流路R2の端部が接続されている。
【0024】
支持手段7は、本体部5の上部から上方に向かって延設されて噴霧手段2を支持するもので、その上端部には、噴霧手段2を支持するためのステーLが取り付けられている。かかるステーLは、噴霧手段2におけるケース部2aの上部に接続された接続部Mの上端を固定することにより、噴霧手段2を所定高さで支持可能とされている。ここで、本実施形態に係る支持手段7は、図8~10に示すように、噴霧手段2を支持する高さが任意に調整可能(例えば、同図において、設置高さがH1、H2、H3に変更可能)とされている。
【0025】
具体的には、本実施形態に係る支持手段7は、図7に示すように、互いに径が異なる複数(本実施形態においては3本)の円筒状部材(7a~7c)を軸方向に連結して構成され、長手方向(図7における上下方向)に伸縮可能とされるとともに、当該伸縮によって先端部に取り付けられた噴霧手段2の高さを任意に調整可能とされている。すなわち、図7において、円筒状部材7aと円筒状部材7b及び円筒状部材7bと円筒状部材7cとの連結部には、継ぎ手Sがそれぞれ接続されており、当該継ぎ手Sを所定方向に回転させて接続を緩めることにより、一方の円筒状部材に対する他方の円筒状部材の相対的な移動が許容されて伸長又は収縮可能とされるとともに、その継ぎ手Sを逆方向に回転させることにより、一方の円筒状部材に対する他方の円筒状部材の相対的な移動を規制してロックするようになっている。
【0026】
したがって、継ぎ手Sの接続を緩め、円筒状部材7aに対する円筒状部材7bの接続位置、及び円筒状部材7bに対する円筒状部材7cの接続位置を調整した後、その接続位置で継ぎ手Sによるロックを行うことにより、支持手段7の長さ寸法を任意に調整することができるとともに、支持手段7の上部に支持された噴霧手段2の支持高さを任意に調整することができるのである。なお、支持手段7を構成する円筒状部材(7a~7c)及び継ぎ手Sは、図7以外の図面において省略してある。
【0027】
これにより、例えば車高が低い小型車の場合は図8、車高が高い大型車の場合は図10、及び車高が小型車より高く大型車より低い場合は図9に示すように、車両の窓と噴霧手段2との高さが略等しくなるように支持手段7を伸長させることができ、車両の窓から車室内に薬液を確実に噴霧させることができる。そして、薬液の噴霧作業において、本体部5が車両に接近して例えばドア等に干渉したとしても、衝撃吸収部材8により車両のドア等が損傷してしまうのを防止することができる。
【0028】
さらに、既述のように、貯蔵手段3及び供給手段4と噴霧手段2との間には、薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給する薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2がそれぞれ形成されるとともに、これら薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2は、それぞれコイル状に延設されている。すなわち、支持部材7が伸縮した際、コイル状に延設された薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2が追従し得るよう構成されている。
【0029】
またさらに、本実施形態に係る薬液噴霧装置1は、本体部5の外周面の所定位置において、衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材8が取り付けられている。かかる衝撃吸収部材8は、例えば発泡樹脂やゴム材等の弾性収材から成り、本体部5の外周面の周方向に亘って複数取り付けられるとともに、例えば車両の車室内に薬液を噴霧する際、本体部5が車体やドア等に干渉して損傷させてしまうのを抑制することができる。
【0030】
しかるに、車両の室内を殺菌又は消毒するには、対象の車両の近傍に本薬液噴霧装置1を移動させた後、その車両の車高に応じて支持手段7を伸縮させることにより、例えば開放した窓に噴霧手段2を臨ませる。そして、供給手段4及び噴霧手段2を作動させることにより、噴霧手段2から薬液を噴霧させ、車両の室内空間に放散させることができる。なお、車輪rには、ロックが形成されており、殺菌又は消毒時、本体部5の移動が規制されるようになっている。
【0031】
本実施形態によれば、殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段2と、噴霧手段2から噴霧するための薬液を貯蔵可能な貯蔵手段3と、貯蔵手段3に収容された薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給して噴霧させ得る供給手段4と、貯蔵手段3及び供給手段4を保持しつつ移動可能とされた本体部5と、本体部5から延設されて噴霧手段2を支持する支持手段7とを具備するとともに、支持手段7は、噴霧手段2を支持する高さが任意に調整可能とされたので、高さの種々異なる空間に対して確実且つ円滑に薬液を噴霧することができる。特に、本実施形態に係る噴霧手段2は、車両の室内に薬液を噴霧可能とされたので、種々車高の車両に対して車内の殺菌又は消毒を円滑に行わせることができる。
【0032】
また、本実施形態に係る支持手段7は、互いに径が異なる複数の円筒状部材(7a~7c)を連結して構成され、長手方向に伸縮可能とされるとともに、当該伸縮によって先端部に取り付けられた噴霧手段2の高さを任意に調整可能とされたので、噴霧手段2を所望高さで安定して支持させることができる。さらに、本実施形態に係る本体部5は、その外周面の所定位置において、衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材8が取り付けられたので、例えば車両の室内に薬液を噴霧して殺菌又は消毒する際、本体部5が車体に干渉して損傷させてしまうのを抑制することができる。
【0033】
またさらに、貯蔵手段3及び供給手段4と噴霧手段2との間には、薬液及び圧縮空気を噴霧手段2に供給する薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2がそれぞれ形成されるとともに、これら薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2は、それぞれコイル状に延設されたので、噴霧手段2が任意の高さに調整される際、薬液用供給流路R1及び圧縮空気用流路R2を追従して伸縮させることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば支持手段7が伸縮可能なものに代え、噴霧手段2の取付け部位が支持手段7の高さ方向に亘って複数形成され、任意の位置に噴霧手段2を取り付けることにより、噴霧手段2を支持する高さが任意に調整可能とされたものであってもよい。また、本実施形態においては、車両の室内を殺菌又は消毒するものとされているが、高さの種々異なる他の空間に対して薬液を噴霧するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
噴霧手段を支持する高さが任意に調整可能とされた支持手段を具備した薬液噴霧装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 薬液噴霧装置
2 噴霧手段
2a ケース部
3 貯蔵手段
3a キャップ
3b 液位表示部
4 供給手段
5 本体部
5a 切欠き
5b 扉部
6 蓋部
6a 開口
7 支持手段
7a~7c 円筒状部材
8 衝撃吸収部材
r 車輪
R1 薬液用供給流路
R2 圧縮空気用流路
S 継ぎ手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10