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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074669
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】端子部品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184910
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000107240
【氏名又は名称】ジェーシーシーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】児玉 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 昭博
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA15
3F080BA01
3F080BC01
3F080CB03
3F080CF01
3F080CF03
3F080CF13
3F080CF22
3F080DA15
(57)【要約】
【課題】先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に搬送する際の端子部品の脱落を抑制することができる端子部品供給装置を提供すること。
【解決手段】端子部品搬送装置100は、端子部品1が収納された収納容器10から端子部品1を小分けして一時滞留部50に供給する小分け機構20と、小分け機構20によって一時滞留部50に供給された複数本の端子部品1を少数ずつ水平姿勢のまま下流側に送り出す分離機構60と、分離機構60から送り出された水平姿勢の端子部品1を垂直姿勢にして搬送するシュート75が延在するリニアフィーダ機構70とを有している。このため、先に投入した端子部品1を後に投入した端子部品1より先に搬送することができる。また、端子部品1は少数ずつ下流側に搬送されるため、端子部品1が搬送経路から脱落しにくい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品を搬送する端子部品搬送装置であって、
複数本の前記端子部品が収納された収納容器から前記端子部品を小分けして一時滞留部に供給する小分け機構と、
前記小分け機構によって前記一時滞留部に供給された複数本の前記端子部品を少数ずつ水平姿勢のまま下流側に送り出す分離機構と、
前記分離機構から送り出された前記端子部品の前記段部が引っ掛かって水平姿勢の前記端子部品を垂直姿勢で垂れ下がった状態とするシュートを備えたリニアフィーダ機構と、
を有することを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端子部品搬送装置において、
前記分離機構は、斜め上向きに傾いた傾斜壁と、前記傾斜壁との間に前記一時滞留部となる空間を構成する第1固定板と、前記第1固定板に対して前記一時滞留部とは反対側で対向する第2固定板と、前記第1固定板の前記一時滞留部側の面に沿って上下方向に移動する第1可動板と、前記第1固定板と前記第2固定板との間で上下方向に移動する第2可動板と、第1振動体と、を備え、
前記第1可動板は、上方に移動する際、前記一時滞留部に滞留する複数本の前記端子部品のうちの一部の前記端子部品を水平姿勢のまま掬い上げて前記第1固定板の上を通って前記第2可動板の上端部に移し、
前記第2可動板は、上方に移動する際、前記第1可動板から渡された前記端子部品を水平姿勢のまま前記第2固定板の上端部に移し、
前記第1振動体は、前記第2固定板の上端部に乗った前記端子部品を前記端子部品の軸線方向に向けて移動させる振動を発生させることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の端子部品搬送装置において、
前記シュートは、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第1軸部材と、前記一対の第1軸部材の下方位置から前記一対の第1軸部材より下流側まで延在し、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第2軸部材と、前記一対の第1軸部材の上流側の端部と前記一対の第1軸部材の延在方向の途中位置との間で前記一対の第1軸部材の両側で斜め上方に向く一対の第1傾斜板と、前記一対の第2軸部材の両側で斜め上方に向いて前記一対の第1軸部材の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第2傾斜板と、を備え、
前記リニアフィーダ機構は、前記一対の第1軸部材上および前記一対の第2軸部材上で前記端子部品を下流側に移動させる振動を発生させる第2振動体を有することを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の端子部品搬送装置において、
前記端子部品は、軸線方向が揃った状態で前記収納容器に収納されており、
前記小分け機構は、前記収納容器の開口部を塞ぐシャッタ部材と、前記収納容器が開口部を下方に向けた下向き姿勢になったときに前記シャッタ部材を駆動して前記収納容器からの前記端子部品の落下量を制御するシャッタ部材駆動機構と、前記収納容器から落下してくる前記端子部品を受けて前記一時滞留部に向けてガイドするガイド板と、前記ガイド板上に滞留した前記端子部品を前記一時滞留部に向けて移動させる振動を発生させる第3振動体と、を備えることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項5】
長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品を搬送する端子部品搬送装置において、
一時滞留部に供給された複数本の前記端子部品を少数ずつ水平姿勢のまま下流側に送り
出す分離機構を有し、
前記分離機構は、斜め上向きに傾いた傾斜壁と、前記傾斜壁との間に前記一時滞留部となる空間を構成する第1固定板と、前記第1固定板に対して前記一時滞留部とは反対側で対向する第2固定板と、前記第1固定板の前記一時滞留部側の面に沿って上下方向に移動する第1可動板と、前記第1固定板と前記第2固定板との間で上下方向に移動する第2可動板と、第1振動体と、を備え、
前記第1可動板は、上方に移動する際、前記一時滞留部に滞留する複数本の前記端子部品のうちの一部の前記端子部品を水平姿勢のまま掬い上げて前記第1固定板の上を通って前記第2可動板の上端部に移し、
前記第2可動板は、上方に移動する際、前記第1可動板から渡された前記端子部品を水平姿勢のまま前記第2固定板の上端部に移し、
前記第1振動体は、前記第2固定板の上端部に乗った前記端子部品を前記端子部品の軸線方向に向けて移動させる振動を発生させることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項6】
長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品を搬送する端子部品搬送装置において、
前記端子部品の前記段部が引っ掛かって水平姿勢の前記端子部品を垂直姿勢で垂れ下がった状態とするシュートを備えたリニアフィーダ機構を有し、
前記シュートは、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第1軸部材と、前記一対の第1軸部材の下方位置から前記一対の第1軸部材より下流側まで延在し、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第2軸部材と、前記一対の第1軸部材の上流側の端部と前記一対の第1軸部材の延在方向の途中位置との間で前記一対の第1軸部材の両側で斜め上方に向く一対の第1傾斜板と、前記一対の第2軸部材の両側で斜め上方に向いて前記一対の第1軸部材の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第2傾斜板と、を備え、
前記リニアフィーダ機構は、前記一対の第1軸部材上および前記一対の第2軸部材上で前記端子部品を下流側に移動させる振動を発生させる第2振動体を有することを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項7】
長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品を搬送する端子部品搬送装置において、
複数本の前記端子部品が収納された収納容器から前記端子部品を小分けして一時滞留部に供給する小分け機構を有し、
前記端子部品は、軸線方向が揃った状態で前記収納容器に収納されており、
前記小分け機構は、前記収納容器の開口部を塞ぐシャッタ部材と、前記収納容器が開口部を下方に向けた下向き姿勢になったときに前記シャッタ部材を駆動して前記収納容器からの前記端子部品の落下量を制御するシャッタ部材駆動機構と、前記収納容器から落下してくる前記端子部品を受けて前記一時滞留部に向けてガイドするガイド板と、前記ガイド板上に滞留した前記端子部品を前記一時滞留部に向けて移動させる振動を発生させる第3振動体と、を備えることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項8】
請求項3または6に記載の端子部品搬送装置において、
前記一対の第2傾斜板は、前記一対の第1軸部材の下方位置と前記一対の第2軸部材の延在方向の途中位置との間に設けられ、
前記シュートには、さらに、前記一対の第2軸部材の下方位置から前記一対の第2軸部材より下流側まで延在し、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第3軸部材と、前記一対の第3軸部材の両側で斜め上方に向いて前記一対の第3軸部材の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第3傾斜板と、が設けられ、
前記第2振動体は、さらに、前記一対の第3軸部材上で前記端子部品を下流側に移動さ
せる振動を発生させることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項9】
請求項4または7に記載の端子部品搬送装置において、
前記ガイド板は、前記一時滞留部に向けて斜め下方に延在しており、
前記端子部品は、前記ガイド板の上面では前記端子部品の自重によっては前記ガイド板上で斜め下方に移動せず、前記第3振動体の振動によって前記ガイド板上で斜め下方に移動することを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項10】
請求項4、7または9に記載の端子部品搬送装置において、
前記端子部品は、前記ガイド板の幅方向に軸線方向を向けて前記ガイド板上に落下し、
前記第3振動体は、前記幅方向の中央から一方に偏った位置で前記ガイド板に接続されていることを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項11】
請求項4、7、9または10に記載の端子部品搬送装置において、
前記小分け機構は、前記ガイド板と前記一時滞留部との間に幅方向および搬送方向が前記ガイド板と同一のベルトコンベアを備え、
前記ベルトコンベアは、前記ガイド板から落下してくる前記端子部品を受けて前記一時滞留部に流すことを特徴とする端子部品搬送装置。
【請求項12】
請求項4、7、9、10または11に記載の端子部品搬送装置において、
前記収納容器は、前記端子部品を収納する空間が複数に区画されていることを特徴とする端子部品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子部品を供給する端子部品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品の搬送には振動ボウルフィーダ機構が多用されているが、振動ボウルフィーダ機構では、ランダムに投入された端子部品がシュート上で所定の姿勢になるまでボウル内で循環する。従って、先に投入した端子部品であっても、シュートから落下した端子部品は、後に投入した端子部品より後に排出されることになる。それ故、シュートでの落下を繰り返した端子部品は、ボウル内に長時間、滞留するため、異物の付着や傷等が発生しやすい。従って、端子部品での異物の付着や傷等を防止するには、先に投入した端子部品が、後に投入した端子部品より先に排出されることが好ましい。
【0003】
一方、断面V字形状の底部を備えた収納容器に端子部品を収納しておき、断面V字形状の底部に位置する端子部品を順次、リニアフィーダ機構の2本の軸部材からなるシュートによって掬い上げた後、シュート上で、端子部品の姿勢を垂直姿勢に揃えながら整列搬送する端子部品供給装置が提案されている(特許文献1参照)。かかる端子部品供給装置によれば、先にセットされた収納容器の端子部品は、後のセットされた収納容器の端子部品より先に搬送されることになる。また、シュートによって収納容器から先に掬い上げられた端子部品は、後に掬い上げられた端子部品より先に搬送されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-269935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の端子部品供給装置では、収納容器内で端子部品が纏めて収納されているため、シュートによって収納容器から端子部品を掬い上げる際、他の端子部品も引っ掛かって収納容器から引き出される結果、シュートから落下するという事態や、シュートに掬い上げられた端子部品が傾いてシュートから落下するという事態が発生しやすい。従って、特許文献1に記載の端子部品供給装置では、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に効率よく下流側に搬送することできないという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に搬送する際の端子部品の脱落を抑制することができる端子部品供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、長さ方向の途中位置に段部を備えた軸状の端子部品を搬送する端子部品搬送装置であって、複数本の前記端子部品が収納された収納容器から前記端子部品を小分けして一時滞留部に供給する小分け機構と、前記小分け機構によって前記一時滞留部に供給された複数本の前記端子部品を少数ずつ水平姿勢のまま下流側に送り出す分離機構と、前記分離機構から送り出された前記端子部品の前記段部が引っ掛かって水平姿勢の前記端子部品を垂直姿勢で垂れ下がった状態とするシュートを備えたリニアフィーダ機構と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る端子部品搬送装置において、小分け機構は、収納容器から端子部品を小分けして一時滞留部に少数ずつ供給される。また、分離機構は、一時滞留部に少数ずつ供給された複数本の端子部品をさらに少数ずつリニアフィーダ機構に供給する。さらに、リニアフィーダ機構では、シュートによって端子部品を整列して搬送する。このため、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に搬送することができる。また、端子部品は少数ずつ下流側に搬送されるため、端子部品が搬送経路から脱落しにくい。
【0009】
本発明において、前記分離機構は、斜め上向きに傾いた傾斜壁と、前記傾斜壁との間に前記一時滞留部となる空間を構成する第1固定板と、前記第1固定板に対して前記一時滞留部とは反対側で対向する第2固定板と、前記第1固定板の前記一時滞留部側の面に沿って上下方向に移動する第1可動板と、前記第1固定板と前記第2固定板との間で上下方向に移動する第2可動板と、第1振動体と、を備え、前記第1可動板は、上方に移動する際、前記一時滞留部に滞留する複数本の前記端子部品のうちの一部の前記端子部品を水平姿勢のまま掬い上げて前記第1固定板の上を通って前記第2可動板の上端部に移し、前記第2可動板は、上方に移動する際、前記第1可動板から渡された前記端子部品を水平姿勢のまま前記第2固定板の上端部に移し、前記第1振動体は、前記第2固定板の上端部に乗った前記端子部品を前記端子部品の軸線方向に向けて移動させる振動を発生させる態様を採用することができる。
【0010】
かかる態様によれば、分離機構では、第1可動板によって掬い上げた端子部品をさらに第2可動板によって持ち上げて第2固定板の上端部に移す。このため、分離機構は、少ない端子部品を確実に水平姿勢にしてリニアフィーダ機構に供給するため、分離機構とリニアフィーダ機構との間等において端子部品が搬送経路の外に脱落するという事態が発生しにくい。また、第1可動板によって掬い上げられた端子部品、および第2可動板によって持ち上げられた端子部品が脱落しても一時滞留部に落下するだけであるため、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に下流側に搬送することができる。
【0011】
本発明において、前記シュートは、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第1軸部材と、前記一対の第1軸部材の下方位置から前記一対の第1軸部材より下流側まで延在し、前記端子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第2軸部材と、前記一対の第1軸部材の上流側の端部と前記一対の第1軸部材の延在方向の途中位置との間で前記一対の第1軸部材の両側で斜め上方に向く一対の第1傾斜板と、前記一対の第2軸部材の両側で斜め上方に向いて前記一対の第1軸部材の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第2傾斜板と、を備え、前記リニアフィーダ機構は、前記一対の第1軸部材上および前記一対の第2軸部材上で前記端子部品を下流側に移動させる振動を発生させる第2振動体を有する態様を採用することができる。
【0012】
かかる態様によれば、端子部品は、段部が一対の第1軸部材に引っ掛かって垂直姿勢となった後、段部が一対の第2軸部材に引っ掛かって垂直姿勢となる。従って、端子部品を確実に垂直姿勢とすることができる。また、端子部品が垂直姿勢になろうとした際に傾いても、第1軸部材の両側には第1傾斜板が配置され、第1軸部材の両側には第2傾斜板が配置されているため、シュートによって、先に到達した端子部品を後に到達した端子部品より先に下流側に搬送する際、端子部品が搬送経路から脱落することを抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記一対の第2傾斜板は、前記一対の第1軸部材の下方位置と前記一対の第2軸部材の延在方向の途中位置との間に設けられ、前記シュートには、さらに、前記一対の第2軸部材の下方位置から前記一対の第2軸部材より下流側まで延在し、前記端
子部品が垂直姿勢で垂れ下がるスリットを介して互いに平行に延在する一対の第3軸部材と、前記一対の第3軸部材の両側で斜め上方に向いて前記一対の第3軸部材の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第3傾斜板と、が設けられ、前記第2振動体は、さらに、前記一対の第3軸部材上で前記端子部品を下流側に移動させる振動を発生させることが好ましい。かかる態様によれば、端子部品の姿勢をより確実に垂直姿勢に揃えることができる。端子部品が第3軸部材上で垂直姿勢になろうとした際に傾いても、第3軸部材の両側には第3傾斜板が配置されている。このため、シュートによって、先に到達した端子部品を後に到達した端子部品より先に下流側に搬送する際、端子部品が搬送経路から脱落することを抑制することができる。
【0014】
本発明において、前記端子部品は、軸線方向が揃った状態で前記収納容器に収納されており、前記小分け機構は、前記収納容器の開口部を塞ぐシャッタ部材と、前記収納容器が開口部を下方に向けた下向き姿勢になったときに前記シャッタ部材を駆動して前記収納容器からの前記端子部品の落下量を制御するシャッタ部材駆動機構と、前記収納容器から落下してくる前記端子部品を受けて前記一時滞留部に向けてガイドするガイド板と、前記ガイド板上に滞留した前記端子部品を前記一時滞留部に向けて移動させる振動を発生させる第3振動体と、を備える態様を採用することができる。
【0015】
かかる態様によれば、収納容器から端子部品を供給するため、先にセットされた収納容器の端子部品は、後のセットされた収納容器の端子部品より先に搬送されることになる。また、収納容器から先に落下した端子部品は、後に落下した端子部品より先に搬送されることになる。また、シャッタ部材によって端子部品を少数ずつ、収納容器から落下させることができるため、端子部品が搬送経路の外に脱落するという事態が発生しにくい。
【0016】
本発明において、前記ガイド板は、前記一時滞留部に向けて斜め下方に延在しており、前記端子部品は、前記ガイド板の上面では前記端子部品の自重によっては前記ガイド板上で斜め下方に移動せず、前記第3振動体の振動によって前記ガイド板上で斜め下方に移動することが好ましい。かかる態様によれば、第3振動体の振動によって端子部品を少数ずつガイド板の上で斜め下方に移動させることができる。
【0017】
本発明において、前記端子部品は、前記ガイド板の幅方向に軸線方向を向けて前記ガイド板上に落下し、前記第3振動体は、前記幅方向の中央から一方に偏った位置で前記ガイド板に接続されていることが好ましい。かかる態様によれば、ガイド板上に落下した端子部品を長さ方向がガイド板の幅方向に向いた状態のまま移動させやすい。
【0018】
本発明において、前記小分け機構は、前記ガイド板と前記一時滞留部との間に幅方向および搬送方向が前記ガイド板と同一のベルトコンベアを備え、前記ベルトコンベアは、前記ガイド板から落下してくる前記端子部品を受けて前記一時滞留部に流すことが好ましい。かかる態様によれば、ガイド板から一時滞留部への端子部品の移動スムーズに行うことができる。
【0019】
本発明において、前記収納容器は、前記端子部品を収納する空間が複数に区画されていることが好ましい。かかる態様によれば、収納容器に収納されていた端子部品を小分けして収納容器から落下させるのが容易である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る端子部品搬送装置においては、端子部品が少数ずつ搬送されるため、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に搬送する場合でも、端子部品が搬送経路から脱落しにくい。また、搬送経路から脱落した端子部品を搬送経路に戻すという事態が発生しにくいので、先に投入した端子部品を後に投入した端子部品より先に搬送するの
に適している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る端子部品搬送装置の斜視図。
図2図1に端子部品搬送装置で端子部品を搬送する様子を示す斜視図。
図3図1に示す一時滞留部および分離機構を示す斜視図。
図4図1に示す小分け機構において収納容器をセットする動作を示す説明図。
図5図1に示す小分け機構におけるシャッタ部材の動作を示す説明図。
図6図3に示す分離機構の動作を示す説明図。
図7図1に示すリニアフィーダ機構の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本発明を適用した端子部品搬送装置100を説明する。以下に参照する図面では、上下方向にZを付し、下側にZ1を付し、上側にZ2を付してある。また、前後方向にXを付し、分離機構60およびリニアフィーダ機構70を手前側としたときの前側にX1を付し、後側にX2を付し、左右方向にYを付し、左側にY1を付し、右側にY2を付してある。
【0023】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る端子部品搬送装置100の斜視図である。図2は、図1に端子部品搬送装置100で端子部品1を搬送する様子を示す斜視図である。図3は、図1に示す一時滞留部50および分離機構60を示す斜視図である。
【0024】
図1に示す端子部品搬送装置100は、端子部品1を上流側から下流側に搬送する装置である。より具体的には、端子部品搬送装置100において、端子部品1は、平面的には、後側X2で右側Y2から左側Y1に搬送された後、後側X2から前側X1に搬送され、しかる後に、左側Y1から右側Y2に搬送される。端子部品1では、金属製の丸棒部材1aにCP線等からなるリード線1bが接続されており、丸棒部材1aのリード線1bとは反対側は、丸棒部材1aに対するプレスによって形成された平板部1cになっている。丸棒部材1aは、リード線1bより大径であるため、長さ方向の途中位置には、リード線1bと丸棒部材1aとの境界に段部1dが形成されている。
【0025】
図1図2、および図3において、本形態の端子部品搬送装置100は、端子部品1が収納された収納容器10から端子部品1を小分けして一時滞留部50に供給する小分け機構20と、小分け機構20によって一時滞留部50に供給された複数本の端子部品1を少数ずつ水平姿勢のまま下流側に送り出す分離機構60と、分離機構60から送り出された水平姿勢の端子部品1を垂直姿勢に揃えて搬送するシュート75が延在するリニアフィーダ機構70とを有している。
【0026】
かかる端子部品搬送装置100においては、詳しくは後述するように、小分け機構20が収納容器10から端子部品1を小分けして一時滞留部50に少数ずつ供給する。また、分離機構60は、一時滞留部50に少数ずつ供給された複数本の端子部品1をさらに少数ずつリニアフィーダ機構70に供給する。さらに、リニアフィーダ機構70では、シュート75によって端子部品1を整列して搬送する。このため、先に投入した端子部品1を後に投入した端子部品1より先に搬送することができる。また、端子部品1は少数ずつ下流側に搬送されるため、端子部品1が搬送経路から脱落しにくい。
【0027】
(収納容器10の構成)
図1に示すように、収納容器10は箱型のプラスチック容器であり、長方形の底板部15と、底板15の4つの縁から上方に折れ曲がった4つの側板部11、12、13、14
とを有している。収納容器10は、上面全体が開口部16になっている。底板部15の短辺が延在する方向で対向する側板部11、12では、側板部11の高さが側板部12より高いため、収納容器10の深さは、側板部11の側が深く、側板部12の側が浅い。また、収納容器10の内部には、収納容器10の長辺が延在する方向に沿って複数の仕切り17が設けられており、収納容器10は、端子部品1を収納する空間18が複数に区画されている。
【0028】
ここで、底板部15の短辺が延在する方向の寸法は、端子部品1の長さよりわずかに長い。従って、端子部品1は、軸線方向が底板部15の短辺に沿う方向に揃った状態で収納容器10に収納されている。また、端子部品1は、側板部12の側にリード線1bが位置するように収納される。但し、一部の端子部品1は、側板部11のリード線1bが位置するように収納されることがある。また、端子部品1は、一部が側板部12の側にリード線1bが位置するように収納され、他の一部が側板部11の側にリード線1bが位置するように収納されることもある。
【0029】
(小分け機構20の構成)
図4は、図1に示す小分け機構20において収納容器10をセットする動作を示す説明図である。図5は、図1に示す小分け機構20におけるシャッタ部材21の動作を示す説明図である。図1図2および図4において、小分け機構20は、収納容器10の開口部16を塞ぐ板状のシャッタ部材21と、収納容器10が開口部16を下方に向けた下向き姿勢になったときにシャッタ部材21を駆動して収納容器10からの端子部品1の落下量を制御するシャッタ部材駆動機構22とを有している。シャッタ部材駆動機構22はリニアアクチュエータ等によって構成されているが、図1には、シャッタ部材駆動機構22を点線で略してある。
【0030】
また、小分け機構20は、収納容器10から落下してくる端子部品1を受けて一時滞留部に向けてガイドするガイド板26と、ガイド板26上に滞留した端子部品1を一時滞留部50に向けて移動させる振動を発生させる振動体27とを備えており、振動体27は、本発明における「第3振動体」に相当する。ガイド板26および振動体27は、シャッタ部材21に連結されている。例えば、振動体27は、連結板28を介してガイド板26およびシャッタ部材21に連結されており、ガイド板26および振動体27は、シャッタ部材21と一体に移動する。
【0031】
シャッタ部材21は、ブロック24を介してベース板23に斜め姿勢で支持されており、シャッタ部材21とベース板23との間には、収納容器10を装着可能なスペースが開口している。ブロック24には、シャッタ部材21をガイドするガイド溝241が形成されている。ベース板23は、アーム部231を介して機台の支柱91に水平軸線周りに回転可能に支持されている。
【0032】
従って、図4に実線で示すように、収納容器10をセットする際には、シャッタ部材21がベース板23の上方に位置する状態にあり、シャッタ部材21とベース板23との間には、開口部16を上方に向けた上向き姿勢の収納容器10を側板部12の側から差し込むスペースが形成されている。従って、シャッタ部材21とベース板23との間に上向き姿勢の収納容器10を差し込むと、開口部16はシャッタ部材21によって塞がれる。また、シャッタ部材21には、収納容器10の側板部12側の上端部が当接するストッパ用の凸部211が形成されており、収納容器10は、シャッタ部材21とベース板23との間の所定位置に配置される。
【0033】
また、収納容器10をシャッタ部材21とベース板23との間に差し込んだ後、ベース板23を矢印A1の方向に回転させると、収納容器10は、開口部16を下方に向けた下
向き姿勢となる。この状態では、図5(a)に示すように、開口部16は、シャッタ部材21によって塞がれているため、収納容器10から端子部品1は落下しない。また、図5(b)に示すように、シャッタ部材駆動機構22によってシャッタ部材21を矢印Fで示す方向に駆動し、収納容器10の開口部16の一部を開状態とすると、収納容器10に収納されていた端子部品1の一部が収納容器10からガイド板26の上に落下する。また、シャッタ部材駆動機構22によってシャッタ部材21をさらに矢印Fで示す方向に駆動し、収納容器10の開口部16の一部をさらに開状態とすると、収納容器10に収納されていた端子部品1の一部が収納容器10からガイド板26の上に落下する。ここで、収納容器10は、端子部品1を収納する空間18が複数に区画されているため、シャッタ部材駆動機構22は、端子部品1を収納する空間18を順次、開放状態とする。このため、収納容器10に収納されていた複数の端子部品1は、シャッタ部材21に小分けされた状態でベース板23上に落下していく。なお、収納容器10から全ての端子部品1を落下させた後、ベース板23を矢印A2の方向に回転させれば、空になった収納容器10を端子部品1が収納された収納容器10に交換可能な状態となる。
【0034】
本形態において、ガイド板26は、一時滞留部50に向けて斜め下方に延在しており、端子部品1は、ガイド板26の上面では端子部品1の自重によってはガイド板26の上面で移動せず、振動体27の振動によってガイド板26の上面に沿って下方に移動する。従って、振動体27の振動によって端子部品1を少数ずつガイド板26の上で斜め下方に移動させることができる。
【0035】
ここで、端子部品1は、ガイド板26の幅方向Sに軸線方向を向けてガイド板26上に落下し、振動体27は、幅方向Sの中央から一方に偏った位置でガイド板26に接続されている。本形態において、振動体27は、幅方向Sの中央から、収納容器10の側板部12が位置する側に偏った位置でガイド板26に接続されている。また、ガイド板26は幅方向Sで2分割されている。
【0036】
従って、端子部品1がガイド板26の上に落下した際、端子部品1のリード線1bは、例えば、幅方向Sのうち、振動体27が配置されている側に位置する。このため、振動体27の振動によって、端子部品1が斜め下方に移動する際、端子部品1は、振動体27の振動を受けても図2に矢印Mで示すような回転を起こしにくい。それ故、端子部品1は、ガイド板26の幅方向Sに軸線方向を向けた状態のままガイド板26上に斜め下方に移動していく。
【0037】
本形態において、小分け機構20は、ガイド板26と一時滞留部50との間にベルトコンベア30を備えており、ベルトコンベア30は、ガイド板26から落下してくる端子部品1を受けて一時滞留部50に流す。ここで、ベルトコンベア30の幅方向Sとガイド板26の幅方向Sは同一であり、ベルトコンベア30による端子部品1の搬送方向とガイド板26上での端子部品1の搬送方向が一致している。従って、端子部品1は、ガイド板26およびベルトコンベア30の幅方向Sに軸線方向を向けた状態で一時滞留部50に供給される。
【0038】
このように本形態では、収納容器10から端子部品1を供給するため、先にセットされた収納容器10の端子部品1は、後のセットされた収納容器10の端子部品1より先に搬送されることになる。また、収納容器10からガイド板26に先に落下した端子部品1は、後に落下した端子部品1より先に搬送されることになる。また、シャッタ部材21によって端子部品1を少数ずつ、収納容器10から落下させることができるため、端子部品1が搬送経路の外に脱落するという事態が発生しにくい。また、収納容器10は、端子部品1を収納する空間が複数に区画されているため、端子部品1を小分けして収納容器10から落下させるのが容易である。
【0039】
(分離機構60の構成)
図6は、図3に示す分離機構60の動作を示す説明図である。図3において、分離機構60は、斜め上向きに傾いた傾斜壁69と、傾斜壁69との間に一時滞留部50となる空間を構成する第1固定板61と、第1固定板61に対して一時滞留部50とは反対側で対向する第2固定板62とを有している。本形態において、傾斜壁69は、ベルトコンベア30から端子部品1が落下してくる第1傾斜部691と、第1傾斜部691の下端部から斜め下方に延在すれる第2傾斜部692と、第2傾斜部692の下端部に繋がる第3傾斜部693とを含む。第1傾斜部691および第2傾斜部692は斜めに配置された板材の上面によって構成され、第3傾斜部693は垂直に配置された板材の上端部からなる。また、傾斜壁69と第1固定板61は端部同士が側板681、682によって繋がっており、一時滞留部50は、側板681、682、傾斜壁69、および第1固定板61によって囲まれている。なお、図3には、一時滞留部50の内部が分かりやすいように、側板682の一部の図示を省略してある。
【0040】
分離機構60は、第1固定板61の一時滞留部50側の面に沿って上下方向H1に移動する第1可動板66と、第1固定板61と第2固定板62との間で上下方向H2に移動する第2可動板67とを備えている。第1可動板66の上端部661、第1固定板61の上端部611、および第2可動板67の上端部671は各々、斜め前方に向いた斜面になっている。第2固定板62の上端部621は、断面V字形状の溝になっている。また、分離機構60は、振動体65を有しており、振動体65は本発明における「第1振動体」に相当する。図6に示すように、第1可動板66は、ブロック665を介してリニアアクチュエータ(図示せず)およびリニアガイド68に接続され、第2可動板67は、ブロック675を介してリニアアクチュエータ(図示せず)およびリニアガイド68に接続されている。
【0041】
このように構成した分離機構60では、図6(a)に示す状態から図6(b)に示すように、第1可動板66は、上方に移動する際、一時滞留部50に滞留する複数本の端子部品1のうちの一部の端子部品1を上端部661によって水平姿勢のまま掬い上げて第1固定板61の上端部611を通って第2可動板67の上端部671に移す。次に、第2可動板67は、上方に移動する際、第1可動板66から渡された端子部品1を水平姿勢のまま第2固定板62の上端部621に移す。その間、振動体65は、傾斜壁69に振動を伝達するとともに、第1固定板61、第2固定板62、第1可動板66、および第2可動板67に振動を伝達する。従って、振動体65は、第1可動板66の掬い上げられた端子部品1のうち、斜め姿勢の端子部品1を振るい落とすとともに、第2可動板67の上端部671に乗った端子部品1を端子部品1の軸線方向のうち、リニアフィーダ機構70が配置されている右側Y2に向けて移動させる。
【0042】
このように分離機構60は、少ない端子部品1を確実に水平姿勢にしてリニアフィーダ機構70に供給するため、分離機構60とリニアフィーダ機構70との間等において端子部品1が搬送経路の外に脱落するという事態が発生しにくい。また、第1可動板66によって掬い上げられた端子部品1、および第2可動板67によって持ち上げられた端子部品1が脱落しても一時滞留部50に落下するだけであるため、先に投入した端子部品1を後に投入した端子部品1より先に下流側に搬送することができる。
【0043】
(リニアフィーダ機構70の構成)
図7は、図1に示すリニアフィーダ機構70の説明図である。図2および図7に示すように、リニアフィーダ機構70において、シュート75は、端子部品1の段部1dが引っ掛かって水平姿勢の端子部品1を垂直姿勢で垂れ下がった状態とする。より具体的には、シュート75は、端子部品1が垂直姿勢で垂れ下がるスリット710を介して互いに平行
に延在する一対の第1軸部材71と、一対の第1軸部材71の下方位置から一対の第1軸部材71より下流側まで延在した一対の第2軸部材72とを有しており、第2軸部材72は、第1軸部材71と同様、端子部品1が垂直姿勢で垂れ下がるスリット720を介して互いに平行に延在している。従って、シュート75では、端子部品1の段部1dが一対の第1軸部材71、および一対の第2軸部材72に引っ掛かる一方、リード線1bは、一対の第1軸部材71の間のスリット710、および一対の第2軸部材72の間のスリット710で垂れ下がった状態となる。
【0044】
また、シュート75は、一対の第1軸部材71の上流側の端部と一対の第1軸部材71の延在方向の途中位置との間で一対の第1軸部材71の両側で斜め上方に向く一対の第1傾斜板76と、一対の第2軸部材72の両側で斜め上方に向いて一対の第1軸部材71の下方位置から下流側に向けて延在する一対の第2傾斜板77とを備えている。
【0045】
本形態において、一対の第2傾斜板77は、一対の第1軸部材71の下方位置と一対の第2軸部材72の延在方向の途中位置との間に設けられている。シュート75は、さらに、一対の第2軸部材72の下方位置から一対の第2軸部材72より下流側まで延在する第3軸部材73と、一対の第3軸部材73の両側で斜め上方に向いた一対の第3傾斜板78とを備えている。第3軸部材73は、第1軸部材71および第2軸部材72と同様、端子部品1が垂直姿勢で垂れ下がるスリット730を介して互いに平行に延在している。また、第3傾斜板78は、第2軸部材72の下方位置から第3軸部材73の下流側の端部まで延在しており、第3軸部材73および第3傾斜板78の下流側の端部には、第3軸部材73および第3傾斜板78との間に端子部品1が垂直姿勢のまま落下する隙間790を介して壁面79が対向している。
【0046】
ここで、第2軸部材72の上流側の端部、および第3軸部材73の上流側の端部は、上流側に向けて互いに離間する方向に斜めに折れ曲がっている。このため、第1軸部材71から第2軸部材72への端子部品1の受け渡し、および第2軸部材72から第3軸部材73への端子部品1の受け渡しがスムーズである。
【0047】
さらに、リニアフィーダ機構70は、振動体74を有しており、振動体74は、一対の第1軸部材71上、一対の第2軸部材72上、および一対の第3軸部材73上で端子部品1を下流側に移動させる振動を発生させる。従って、振動体74は、本発明に係る「第2振動体」に相当する。
【0048】
一対の第1軸部材71と一対の第1傾斜板76とは第1ユニット751を構成し、一対の第2軸部材72と一対の第2傾斜板77とは第2ユニット752を構成ユニットし、一対の第3軸部材73と一対の第3傾斜板78とは第3ユニット753を構成しており、振動体74は、第1ユニット751、第2ユニット752、および第3ユニット753の各々に設けられている。より具体的には、第1ユニット751では、振動体741が第1傾斜板76に接続され、第2ユニット752では、振動体742が第2傾斜板77に接続され、第3ユニット753では、振動体743第3傾斜板78に接続されている。
【0049】
このように構成したリニアフィーダ機構70において、端子部品1は、段部1dが一対の第1軸部材71に引っ掛かって垂直姿勢となった後、段部1dが一対の第2軸部材72に引っ掛かって垂直姿勢となる。さらに、端子部品1は、段部1dが一対の第3軸部材73に引っ掛かって垂直姿勢となる。従って、端子部品1を確実に垂直姿勢にして整列させることができる。また、端子部品1が垂直姿勢になろうとした際に傾いても、第1軸部材71の両側には第1傾斜板76が配置され、第2軸部材72の両側には第2傾斜板77が配置され、第3軸部材73の両側には第3傾斜板78が配置されているため、シュート75によって、先に到達した端子部品1後に到達した端子部品1より先に下流側に搬送する
際、端子部品1が搬送経路から脱落することを抑制することができる。
【0050】
[他の実施形態]
上記実施形態では、1つの端子部品搬送装置100に小分け機構20、分離機構60、およびリニアフィーダ機構70の全てを設けたが、小分け機構20、分離機構60、およびリニアフィーダ機構70のうちの1つの機構あるいは2つの機構を設けた端子部品搬送装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…端子部品、1a…丸棒部材、1b…リード線、1c…平板部、1d…段部、10…収納容器、16…開口部、17…仕切り、18…空間、20…小分け機構、21…シャッタ部材、22…シャッタ部材駆動機構、27…振動体(第3振動体)、65…振動体(第1振動体)、74…振動体(第2振動体)、30…ベルトコンベア、50…一時滞留部、60…分離機構、61…第1固定板、62…第2固定板、66…第1可動板、67…第2可動板、68…リニアガイド、69…傾斜壁、70…リニアフィーダ機構、71…第1軸部材、72…第2軸部材、73…第3軸部材、75…シュート、76…第1傾斜板、77…第2傾斜板、78…第3傾斜板、79…壁面、100…端子部品搬送装置、710、720、730…スリット、751…第1ユニット、752…第2ユニット、753…第3ユニット、790…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7