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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074723
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ブロック設置方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/08 20060101AFI20220511BHJP
   E04C 1/39 20060101ALI20220511BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20220511BHJP
   E01F 15/02 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
E01F15/08
E04C1/39 105
E04G21/18 Z
E01F15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185028
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】瀧井 政嗣
(72)【発明者】
【氏名】三橋 友行
(72)【発明者】
【氏名】池部 哲則
(72)【発明者】
【氏名】境田 道隆
【テーマコード(参考)】
2D101
2E174
【Fターム(参考)】
2D101CA07
2D101DA02
2D101FA02
2D101FB21
2E174AA03
2E174BA02
2E174DA15
2E174DA33
2E174DA37
2E174DA57
(57)【要約】
【課題】隣接するブロックとの間に所定の隙間を設けて、ブロックを設置することができる、ブロック設置方法を提供する。
【解決手段】複数のブロックを設置するブロック設置方法であって、(A)壁から第1方向に沿って順に、2個以上のブロックと、一定の長さを維持できる2個以上の位置決め部とを交互に設置する工程を備える。(A)の工程は、(a)位置決め部の第1端を壁に押し当てて位置決め部を設置する工程と、(b)位置決め部の第2端にブロックを押し当てて設置する工程と、(c)(b)の工程の後に、位置決め部の第2端に押し当てたブロックに、位置決め部の第1端を押し当てて位置決め部を設置し、位置決め部の第2端にブロックを押し当てて設置する工程と、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロックを設置するブロック設置方法であって、
(A)固定体から第1方向に沿って順に、2個以上のブロックと、一定の長さを維持できる2個以上の位置決め部とを交互に設置する工程、
を備え、
前記(A)の工程は、
(a)第1位置決め部の第1端を前記固定体に押し当てて前記第1位置決め部を設置する工程と、
(b)前記第1位置決め部の第2端に第1ブロックを押し当てて設置する工程と、
(c)前記(b)の工程の後に、第1位置決め部の第2端に押し当てた第1ブロックに、第2位置決め部の第1端を押し当てて前記第2位置決め部を設置し、前記第2位置決め部の第2端に第2ブロックを押し当てて設置する工程と
を含む、ブロック設置方法。
【請求項2】
前記位置決め部は鋼製束である、
請求項1に記載のブロック設置方法。
【請求項3】
(B)前記第1方向に直交する第2方向に沿って、第3ブロックおよび第4ブロックを、隙間を設けて設置する工程と、
(C)前記隙間を調整する工程と
を含む、請求項1または請求項2に記載のブロック設置方法。
【請求項4】
前記(A)の工程では、
2個以上の前記第1ブロックを前記第2方向に沿って設置し、
2個以上の前記第2ブロックを前記第2方向に沿って設置する、
請求項3に記載のブロック設置方法。
【請求項5】
前記(B)の工程では、
前記第2方向に沿って設置された前記第1ブロックと前記第2ブロックとの上面に跨って、前記第3ブロック及び前記第4ブロックを設置する、
請求項4に記載のブロック設置方法。
【請求項6】
前記(C)の工程において、
前記隙間を広げる場合、流体圧により互いに離れる方向へ移動する板状の第1押圧部及び第2押圧部を前記隙間に挿入し、前記第1押圧部及び前記第2押圧部により、前記隙間を挟んで設置されるブロックを押圧して、前記隙間を広げる、
請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のブロック設置方法。
【請求項7】
前記(C)の工程において、
前記隙間を狭める場合、前記隙間を挟んで設置されるブロックのうち、一方のブロックを他方のブロック側に引っ張ることで、前記隙間を狭める、
請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のブロック設置方法。
【請求項8】
前記(C)の工程において、
前記第2方向に延びるワイヤの第1端を、前記一方のブロックにおける、前記隙間とは反対側に固定し、前記ワイヤの第2端を、前記他方のブロックにおける、前記隙間とは反対側に固定し、前記ワイヤの第2端を前記第1端側に引き寄せることで、前記一方のブロックを前記他方のブロック側に引っ張る、
請求項7に記載のブロック設置方法。
【請求項9】
前記(C)の工程において、
前記隙間にスペーサを介在させて、前記一方のブロックを前記他方のブロック側に引っ張る、
請求項8に記載のブロック設置方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物又は擁壁など、コンクリートブロックを連結固定させて構築されるものがある。特許文献1には、隣接設置するコンクリートブロックを相互に連結する連結部の構造及び連結方法に関する発明が開示されている。特許文献1に記載の連結構造及び連結方法は、連結部となる一方端部の凹部の縦寸法を長く形成しているので降下設置するコンクリートブロックの他方端部の凸部が嵌合しやすく、据え付けを迅速に行うことが可能となり、解体時にもコンクリートブロックの移動自由度が増加することにより本体を傷めることなく撤去作業を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-111916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1では、コンクリートブロックの連結の際、クレーンなどでコンクリートブロックを吊り上げ、吊り上げたコンクリートブロックを、先行して設置されたコンクリートブロックに対して位置調整を行っている。この方法では、吊り上げた状態のコンクリートブロックを、先行して設置されたコンクリートブロックに密着させて設置することは容易である一方で、隙間を設けて設置することは難しい。このため、設置した後に、所定の隙間が設けられるように、コンクリートブロックを移動させる作業を行う必要がある。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、目的の位置にブロックを設置することができる、ブロックを設置することができる、ブロック設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数のブロックを設置するブロック設置方法であって、
(A)固定体から第1方向に沿って順に、2個以上のブロックと、一定の長さを維持できる2個以上の位置決め部とを交互に設置する工程、
を備え、
前記(A)の工程は、
(a)第1位置決め部の第1端を前記固定体に押し当てて前記第1位置決め部を設置する工程と、
(b)前記第1位置決め部の第2端に第1ブロックを押し当てて設置する工程と、
(c)前記(b)の工程の後に、第1位置決め部の第2端に押し当てた第1ブロックに、第2位置決め部の第1端を押し当てて前記第2位置決め部を設置し、前記第2位置決め部の第2端に第2ブロックを押し当てて設置する工程と
を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的の位置にブロックを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1のブロック設置方法の工程を順に示す図である。
図2図2は、位置決め部の斜視図である。
図3図3は、ブロック設置方法の工程を順に示す図である。
図4図4は、流体圧式の隙間拡大装置により隙間を広げる工程を示す図である。
図5図5は、ブロック間の隙間を狭める方法を説明するための図である。
図6図6は、ブロック間の隙間を狭める方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
本発明の実施形態1のブロック設置方法について、図1図2を参照して説明する。
【0010】
図1は、ブロック設置方法の工程を順に示す図である。本実施形態のブロック設置方法は、固定体である壁100から第1方向に沿って所定間隔を設けて、複数のブロックを等間隔に設置する方法である。ブロックは、直方体形状であって、設置時にクレーンなどで吊り下げる必要がある重量のあるコンクリートブロックである。第1方向は、壁100の面に直交する方向である。
【0011】
ブロック設置方法は、壁100から第1方向に沿って順に、ブロック10と、一定の長さを維持できる位置決め部1とを交互に設置する工程、からなる。この工程は、(a)第1位置決め部の第1端を壁100に押し当てて第1位置決め部を設置する工程と、(b)第1位置決め部の第2端に第1ブロックを押し当てて設置する工程と、(c)第1位置決め部の第2端に押し当てた第1ブロックに、第2位置決め部の第1端を押し当てて第2位置決め部を設置し、第2位置決め部の第2端に第2ブロックを押し当てて設置する工程と、を有している。
【0012】
まず、ブロック設置方法で用いる位置決め部1について説明する。図2は、位置決め部1の斜視図である。
【0013】
位置決め部1は、例えば鋼製束である。位置決め部1は、一方向に延びた軸材3と、その軸材3の一方端に設けられたベース2と、軸材3の他方端に設けられた支持プレート4とを有する。軸材3は、パイプ3Aと、螺子棒3Bとを有する。パイプ3Aは、中空状であり、内壁には、ネジ溝が設けられている。螺子棒3Bは、パイプ3Aに挿入され、パイプ3Aのネジ溝とネジ結合する。そして、パイプ3Aを螺子棒3Bに対して回転させることで、螺子棒3Bがパイプ3Aから張り出し、また、逆回転させることで、螺子棒3Bがパイプ3A内へ進入するように移動する。つまり、パイプ3Aを回転させることで、軸材3の長さを調整することができる。軸材3の長さを調整することで、ベース2と支持プレート4との距離が調整できる。
【0014】
次に、図1に戻り、ブロック設置方法の(a)~(c)の各工程について説明する。
【0015】
(a)の工程では、ブロック間に設ける所定間隔の長さに調整し位置決め部1のベース2又は支持プレート4を壁100に押し当てて、位置決め部1を設置する(図1(A))。ここでは、位置決め部1のベース2を壁100に押し当てるものとする。
【0016】
(b)の工程では、(a)の工程で設置した位置決め部1の支持プレート4に、クレーンで吊り上げたブロック10を押し当てて設置する(図1(B))。位置決め部1の長さは、予め所定間隔長に設定されているため、位置決め部1の支持プレート4を支点にブロック10を設置することで、壁100から所定間隔空いた状態でブロック10を設置できるため、設置時のブロック10の位置調整が容易となる。
【0017】
(c)の工程では、所定間隔の長さに調整した位置決め部1のベース2又は支持プレート4を、(b)の工程で設置したブロック10に押し当てて設置する(図1(C))。ここでは、ベース2をブロック10に押し当てるものとする。次に、(b)の工程と同様に、位置決め部1の支持プレート4にブロック10を押し当てて、ブロック10を設置する(図1(D))。このとき、先行して設置したブロック10を壁100側に押圧されても、そのブロック10は、壁100との間に設置された位置決め部1により、位置ずれしない。位置決め部1の長さは、予め所定間隔長に設定されているため、位置決め部1の支持プレート4を支点にブロック10を設置することで、ブロック10は、先行して設置したブロック10から所定間隔空いた状態で設置されるようになる。
【0018】
なお、位置決め部1は、長さが伸縮可能であるため、複数のブロック10を第1方向に沿って設置した後、収縮させることでブロック間から位置決め部1を取り外すことができる。位置決め部1は、例えばモルタルでブロック10を固定した後、取り外される。
【0019】
このように、ブロック間に設けたい間隔の長さに調整した位置決め部1を用いることで、重いブロック10を設置面に置くときに所定の間隔を空けて設置できる、と言った位置調整が可能となり、設置面に置いた後にブロック10の位置調整を行う作業が不要となる。さらに、例えば、図1(D)においてブロック10を設置する際、先行して設置した図1(B)のブロック10と、壁100との間に位置決め部1が設置されているため、先行して設置したブロック10の位置ずれを防止できるため、設置後のブロック10の位置調整を行う作業が不要となる。
【0020】
以上のように、本実施形態のブロック設置方法によれば、設置時のブロック10の位置調整を容易にでき、かつ、設置後のブロック10の位置ずれを防止することで、ブロック10を目的の位置に容易に設置することができる。
【0021】
なお、本実施形態では、壁100を固定体として、その壁100から第1方向に等間隔にブロックを設置しているが、これに限定されない。例えば、壁100に密着して設置したブロックを固定体とし、そのブロックから第1方向に沿って等間隔にブロックを設置するようにしてもよい。
【0022】
(実施形態2)
本発明の実施形態2のブロック設置方法について、図3図6を参照して説明する。実施形態2のブロック設置方法は、実施形態1で説明したブロック設置方法により第1方向に沿って複数のブロックを等間隔に設置した後、さらに、第1方向に直交する第2方向に沿って複数のブロックを設置する。以下、実施形態1と同様の方法については、その説明は省略する。
【0023】
図3は、ブロック設置方法の工程を順に示す図である。
【0024】
ブロック設置方法は、ブロックを二段に積層する方法であって、一段目のブロック10を設置する工程(図3(A))と、一段目のブロック10上に、二段目のブロック20を設置する工程(図3(B))と、からなる。
【0025】
一段目のブロック10を設置する工程では、第2方向に沿って設置された複数のブロック10(図3では二つ)からなるブロック列10Aを、壁100から第1方向に沿って等間隔に複数列(図3では二列)設置する。第1方向に沿って等間隔にブロック10を設置する方法は、実施形態1で説明したブロック設置方法と同じである。また、この工程では、ブロック10の設置順序は特に限定されない。第1方向に沿って複数のブロック10を設置した後、その複数のブロック10からなるブロック列を、第2方向に沿って順に設置してもよいし、第2方向に沿って複数のブロック10を設置した後、その複数のブロック10からなるブロック列10Aを、第1方向に沿って順に設置してもよい。
【0026】
二段目のブロック20を設置する工程では、所定間隔を空けて第1方向に隣接するブロック列10Aに跨るブロック20を、第2方向に沿って隙間を設けて設置し、設置したブロック20間の隙間を調整する。
【0027】
ブロック20を設置する場合、先行して設置したブロック20の上角部に、周知のアングル金物(不図示)を設置し、クレーンなどで吊り上げたブロック20を、アングル金物に当てつつ設置する。これにより、先行して設置したブロック20との間に、少なくともアングル金物の厚み分の隙間を設けてブロック20を設置することができるため、設置時におけるブロック20の位置調整が容易となる。このように、ブロック間に設ける隙間を調整すると、モルタル等の充填材を隙間に充填したときの目地厚を自由に設定可能となる。また、後工程で別部品を挿入するために別部品の大きさに合わせた隙間を確保することができる。
【0028】
隣接して設置したブロック20間の隙間を調整する場合、隙間を広げるときには、例えば、流体圧式の隙間拡大装置を用いて、隙間を広げる。
【0029】
図4は、流体圧式の隙間拡大装置30により隙間を広げる工程を示す図である。
【0030】
隙間拡大装置30は、流体圧により互いに離れる方向へ移動する板状の第1押圧部31及び第2押圧部32を備えている。第1押圧部31及び第2押圧部32は、金属製の板刃である。第1押圧部31は、流体圧(例えば油圧)により、ロッドがシリンダに対して伸縮する、油圧式ピストンツールのシリンダの一端に固定されている。第2押圧部32は、ロッドの一端に固定されている。油圧によりロッドがシリンダに対して伸縮することで、第1押圧部31と第2押圧部32とは、互いに近づいたり、離れたりする。
【0031】
隙間拡大装置30を用いて隣接するブロック20間の隙間35を拡大する場合、図4(A)に示すように、重ね合わせた第1押圧部31及び第2押圧部32を、隙間35に挿入する。その状態で、ピストンツールを駆動して、ロッドをシリンダから伸長させることで、図4(B)に示す矢印の方向へ、第2押圧部32を移動させる。これにより、第1押圧部31と第2押圧部32とが離れる。そして、隙間35を挟んで設置されるブロック20は、第1押圧部31及び第2押圧部32により互いの逆方向に押圧されて、隙間35が広がる。
【0032】
隣接して設置したブロック20間の隙間を調整する場合、隙間を狭めるときには、隙間を挟んで設置されるブロック20のうち、一方のブロックを他方のブロック側に引っ張ることで、隙間を狭める。
【0033】
図5及び図6は、ブロック20間の隙間を狭める方法を説明するための図である。図5は、設置したブロック10、20を鉛直方向から視た図である。図6は、設置したブロック10、20を側方から視た図である。
【0034】
まず、第2方向に沿って並ぶブロック10を、一対のブロック固定部41、42により、第2方向の両サイドから固定する。ブロック固定部41は、例えば鋼材であり、一方向に長い棒状の部材である。ブロック固定部41は、第1方向に沿った姿勢で、ブロック10との間に設置される鉄柱50に固定される。鉄柱50は、第2方向においてブロック10、20と並んで設置される。鉄柱50とブロック10とは密着している。鉄柱50とブロック20との間には不図示の木製の楔が介在し、隙間が設けられている。ブロック固定部41は、この鉄柱50に、例えば万力などにより固定されている。なお、楔は、ブロック10、20をモルタルで固定する際に取り除かれる。
【0035】
ブロック固定部42は、ブロック固定部41と同様の構成であり、第2方向における、ブロック固定部41が設置される側と反対側のブロック10の側面に設置される。ブロック固定部42は、ワイヤ43により、ブロック固定部41と接続されていて、ワイヤ43を後述のワイヤ調整部44で引っ張り、ワイヤ43を張った状態とすることで、ブロック10の側面に密着した状態となる。
【0036】
ワイヤ調整部44は、ブロック固定部41側のワイヤ43の端部近傍に設けられた、例えば、チルホール(登録商標)又はターンバックルである。ワイヤ調整部44により、ブロック固定部42側のワイヤ43の端部を、ブロック固定部41側に引き寄せるように、ワイヤ43を巻き取る。ブロック固定部42がブロック固定部41側に引き寄せられ、ブロック10は、ブロック固定部41、42で挟まれて固定される。これにより、ブロック10上に設置されたブロック20間の隙間を調整する際のブロック10の位置ずれを防止できる。
【0037】
なお、ワイヤ調整部44は、チルホール(登録商標)又はターンバックルの一方のみ有していてもよいし、両方有していてもよい。ワイヤ調整部44がチルホール(登録商標)及びターンバックルの両方有している場合、ワイヤ43の巻き取り量、つまり、ブロック固定部42の引き寄せ量の微調整が可能となる。
【0038】
次に、第2方向に沿って並ぶブロック20を、一対のブロック固定部45、46により、第2方向の両サイドから固定する。ブロック固定部45、46は、ブロック固定部41、42と同様の構成である。ブロック固定部45は、鉄柱50に、例えば万力などにより固定されている。ブロック固定部46は、第2方向における、ブロック固定部45が設置される側と反対側のブロック20の側面に設置される。ブロック固定部46は、ワイヤ47により、ブロック固定部45と接続されていて、ワイヤ47を後述のワイヤ調整部48で引っ張り、ワイヤ43を張った状態とすることで、ブロック20の側面に密着した状態となる。
【0039】
ワイヤ調整部48は、ワイヤ調整部44と同じであるため、その説明は省略する。ワイヤ調整部48により、ワイヤ47を巻き取ることにより、ブロック固定部46がブロック固定部45側に引き寄せられる。これに伴い、ブロック20もブロック固定部45側に引き寄せられる。ブロック20間の隙間が狭まるようになる。このとき、鉄柱50と、ブロック20との間に楔が設けられているため、ブロック固定部41側のブロック20が移動することを防止できる。なお、ブロック固定部41側のブロック10、20の端部を揃える場合には、楔を設けなくてもよい。
【0040】
ブロック20間の隙間を狭める場合、隙間にはスペーサ51(図6参照)を挿入することが好ましい。スペーサ51は、例えば丸鋼である。スペーサ51を隙間に挿入して、隙間を狭めることで、ブロック固定部46を引っ張りすぎて隙間が狭くなることを防止できる。
【0041】
このように、クレーンなどの大型装置では難しい、隙間を狭めたり、広げたりする作業を、安全かつ容易に行うことができる。
【0042】
以上のように、本実施形態のブロック設置方法では、一段目のブロック10の設置時におけるブロック10の位置調整を容易にでき、かつ、設置後のブロック10の位置ずれを防止することで、ブロック10を目的の位置に容易に設置することができる。また、二段目のブロック20の設置後に、ブロック20間の隙間の微調整を容易に行うことができるため、ブロック20を目的の位置に設置することができる。さらに、二段目のブロック20の設置時にアングル金物を用いることで、設置時におけるブロック20の位置調整を容易にできる。
【0043】
なお、本実施形態では、アングル金物を用いているが、アングル金物を用いず、ある程度広い隙間を設けてブロック20を設置した後、図5及び図6で説明した方法で、その隙間を狭めるように調整してもよい。
【0044】
また、本実施形態では、ブロックを二段に積層する方法として説明したが、ブロックを積層しなくてもよい。例えば、実施形態1で説明したブロック設置方法で、第1方向に沿って等間隔に設置したブロック10それぞれから、第2方向に沿って、所定の隙間を空けてブロック20を設置する方法としてもよい。
【0045】
上記の実施形態1、2ではブロック10と、位置決め部1とを2個並べる方法について記載したが、本発明は3個以上のブロック10と位置決め部1とを並べる場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 位置決め部
2 ベース
3 軸材
3A パイプ
3B 螺子棒
4 支持プレート
10 ブロック
10A ブロック列
20 ブロック
30 隙間拡大装置
31 第1押圧部
32 第2押圧部
35 隙間
41、42、45、46 ブロック固定部
43、47 ワイヤ
44、48 ワイヤ調整部
50 鉄柱
51 スペーサ
100 壁

図1
図2
図3
図4
図5
図6