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特開2022-74792透光性を有する球状物品の画像取得装置
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  • 特開-透光性を有する球状物品の画像取得装置 図1
  • 特開-透光性を有する球状物品の画像取得装置 図2
  • 特開-透光性を有する球状物品の画像取得装置 図3
  • 特開-透光性を有する球状物品の画像取得装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074792
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】透光性を有する球状物品の画像取得装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20220511BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G01N21/85 A
G01N21/84 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185148
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000137904
【氏名又は名称】株式会社ミューチュアル
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】吉嶋 真仁
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA02
2G051AA03
2G051AB02
2G051AC02
2G051BA20
2G051BB01
2G051CA04
2G051CA07
2G051CB02
2G051DA01
(57)【要約】
【課題】光照射機構を1方向の光源とすることで装置構成を簡易にするとともに、透光性を有する球状物品の正確で良好な画像を取得できる透光性を有する球状物品の画像取得装置を提供すること。
【解決手段】吸着孔2に物品Wを吸着保持しつつ、物品Wを搬送する搬送機構3と、吸着孔2の内側から物品Wに向けて光を照射する光照射機構4と、物品Wを撮影する撮像機構5とを備え、吸着孔2が、物品Wが入り込む窪み形状をしてなり、光照射機構4が、吸着孔2の内側から窪み形状をした吸着孔2に入り込んだ物品Wに向けて拡散光を照射する光源41を備えてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する球状物品の画像を取得する画像取得装置であって、
吸着孔に物品を吸着保持しつつ、物品を搬送する搬送機構と、
物品に向けて光を照射する光照射機構と、
物品を撮影する撮像機構と
を備え、
吸着孔が、物品が入り込む窪み形状をしてなり、
光照射機構が、吸着孔の内側から窪み形状をした吸着孔に入り込んだ物品に向けて拡散光を照射する光源を備えてなる
ことを特徴とする透光性を有する球状物品の画像取得装置。
【請求項2】
前記吸着孔の内周面が、吸着孔に入り込んだ物品の表面が線接触する形状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の透光性を有する球状物品の画像取得装置。
【請求項3】
前記吸着孔の内周面が、吸着孔に入り込んだ物品の表面が面接触する形状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の透光性を有する球状物品の画像取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性を有する球状物品の画像取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、透光性を有する球状物品の画像取得装置として、搬送ベルトに設けられた吸着孔に錠剤を吸着保持しつつ、前記搬送ベルトを移動させることによって、錠剤を搬送する搬送機構と、前記搬送ベルトの錠剤が保持される表面側から錠剤に向けて光を照射する落射照明部と、前記搬送ベルトの裏面側から錠剤に向けて光を照射する透過照明部と、前記搬送ベルトの前記表面側から錠剤を撮影する撮像部と、を備え、前記落射照明部と前記透過照明部との双方から光を照射しつつ、前記撮像部による撮影を行うことにより、錠剤の画像を取得する装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-186962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この透光性を有する球状物品の画像取得装置は、光照射機構として、搬送ベルトの錠剤が保持される表面側から錠剤に向けて光を照射する落射照明部と、前記搬送ベルトの裏面側から錠剤に向けて光を照射する透過照明部との2種類の光源を用いることが必要なため、装置構成が複雑になるとともに、錠剤の形状や材料によっては、2種類の光源の3方向からの光同士がハレーションを起こして、錠剤の正確な画像を取得できない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の透光性を有する球状物品の画像取得装置の有する問題点に鑑み、光照射機構を1方向の光源とすることで装置構成を簡易にするとともに、透光性を有する球状物品の正確で良好な画像を取得できる透光性を有する球状物品の画像取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置は、透光性を有する球状物品の画像を取得する画像取得装置であって、吸着孔に物品を吸着保持しつつ、物品を搬送する搬送機構と、物品に向けて光を照射する光照射機構と、物品を撮影する撮像機構とを備え、吸着孔が、物品が入り込む窪み形状をしてなり、光照射機構が、吸着孔の内側から窪み形状をした吸着孔に入り込んだ物品に向けて拡散光を照射する光源を備えてなることを特徴とする透光性を有する球状物品の画像取得装置。
【0007】
この場合において、前記吸着孔の内周面が、吸着孔に入り込んだ物品の表面が線接触又は面接触する形状に形成されてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置によれば、光照射機構を1方向の光源とすることで装置構成を簡易にするとともに、透光性を有する球状物品の正確で良好な画像を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置の一実施例を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)の要部の拡大図である。
図2】吸着孔及び光照射機構の説明図で、(a)は原理説明図、(b)は物品の撮影画像の一例を示す写真である。
図3】吸着孔及び光照射機構の位置関係を示す説明図である。
図4】欠陥のある物品の撮影画像の例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図2に、本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置の一実施例を示す。
この透光性を有する球状物品Wの画像取得装置1は、透光性を有する球状物品Wの画像を取得するためのもので、吸着孔2に物品Wを吸着保持しつつ、物品Wを搬送する搬送機構3と、物品Wに向けて光を照射する光照射機構4と、物品Wを撮影する撮像機構5とを備え、吸着孔2が、物品Wが入り込む窪み形状をしてなり、光照射機構4が、吸着孔2の内側から窪み形状をした吸着孔2に入り込んだ物品Wに向けて拡散光を照射する光源41を備えてなるようにしている。
【0012】
本発明が対象とする透光性を有する球状物品Wは、透明又は半透明の球体又は楕円体若しくは長円体のものを含み、より具体的には、シームレスカプセル等を対象とする。
【0013】
物品Wを搬送する搬送機構3は、本実施例においては、回転体31の周面に物品Wを吸着保持する吸着孔2を多数形成したもので、本実施例においては、2つの回転体31を組み合わせて配置することにより、貯留ホッパ6から供給された物品Wを、第1の回転体31の吸着孔2に吸着保持して搬送した後、第2の回転体31の吸着孔2に移し替えて搬送しながら、撮像機構5のカメラ51によって、物品Wの180°異なる2方向の画像を取得することができるようにしている。
【0014】
さらに、本実施例においては、撮像機構5のカメラ52、53によって、物品Wの両側面の画像を取得することができるようにしている。
【0015】
なお、物品Wを搬送する搬送機構3には、本実施例のような回転体31のほか、物品Wを水平方向に搬送する搬送機構等、任意の搬送機構を用いることができる。
【0016】
吸着孔2は、物品Wが入り込む窪み形状をし、好ましくは、吸着孔2の内周面が、吸着孔2に入り込んだ物品Wの表面が線接触又は面接触する形状、すなわち、本実施例に示すように、円錐台(漏斗)形状(線接触)に形成したり、物品Wの外形と同じ内面形状(面接触)に形成したりすることができる。
そして、吸着孔2は、物品Wが、当該物品Wの直径Dに対して、0.25D~0.5D、好ましくは、0.3D~0.4D(本実施例においては、0.35D)の部分が入り込む窪み形状を有するようにする。
この場合、吸着孔2を形成する搬送機構3の母材には、非透光の材料を使用し、かつ、吸着孔2の内周面は、低光反射性の色、好ましくは、黒色に塗装等することが好ましい。
これにより、ハレーション等のない物品Wの正確で良好な画像を取得することができるとともに、物品Wを吸着孔2に安定して吸着保持することができる。
【0017】
光照射機構4の光源41は、吸着孔2の内側から窪み形状をした吸着孔2に入り込んだ物品Wに向けて拡散光を照射するもので、具体的には、拡散型高輝度LEDフラット光源を使用することができる。
これにより、図2(a)に示すように、光照射機構4の光源41から、吸着孔2の内側から窪み形状をした吸着孔2に入り込んだ物品Wに向けて拡散光を照射することにより、照射された拡散光が物品Wの内面で多重均等拡散反射し合うことによって、図2(b)に示すように、物品W全体を均一に照射することができ、ハレーション等のない物品Wの正確で良好な画像を取得することができる。
ここで、図3に示すように、光照射機構4の光源41の配置位置は、窪み形状をした吸着孔2に入り込んだ物品Wに近いほど好ましく(図3(a))、図3(b)及び図3(c)に示すように、距離があるほど照度不足となったり、物品W全体を均一に照射することができなくなったりする。
【0018】
この透光性を有する球状物品Wの画像取得装置1によれば、光照射機構4を1方向の光源とすることで装置構成を簡易にするとともに、透光性を有する球状物品Wの正確で良好な画像を取得でき、図2(b)に示す正常な物品と、図4に示す欠陥のある物品とを容易に峻別することができる。
【0019】
以上、本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の透光性を有する球状物品の画像取得装置は、光照射機構を1方向の光源とすることで装置構成を簡易にするとともに、透光性を有する球状物品の正確で良好な画像を取得できることから、透明又は半透明の球体又は楕円体若しくは長円体の物品、より具体的には、シームレスカプセル等の画像を取得する用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0021】
W 球状物品
1 画像取得装置
2 吸着孔
3 搬送機構
4 光照射機構
41 光源
5 撮像機構
51 カメラ
52 カメラ
53 カメラ
6 貯留ホッパ
図1
図2
図3
図4