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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074824
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】給電支援装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220511BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185203
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨安 正史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】店舗に来訪したユーザを、車両から店舗へ給電する行動をとるように誘導することを可能とする。
【解決手段】サーバ36は、取得部、特定部および操作部として機能する。取得部は、停電中の店舗12に来訪した車両30から店舗12への給電量を計測する給電量計測部26より前記給電量を取得する。また、特定部は車両30のユーザを特定する。そして操作部は、特定部によって特定されたユーザに対応するポイント口座情報に含まれる金額情報が表す金額を、取得部によって取得された給電量に基づいて増加させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
停電中の店舗に来訪した車両から前記店舗への給電量を計測する計測部より、前記給電量を取得する取得部と、
前記車両のユーザを特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたユーザに対応する金額情報が表す金額を、前記取得部によって取得された前記給電量に基づいて増加させる操作部と、
を含む給電支援装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記車両から前記店舗への給電時間に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる請求項1記載の給電支援装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記車両から前記店舗への給電における時間当たりの電力を計測すると共に、計測した前記時間当たりの電力を積算することで前記給電量を計測し、
前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記時間当たりの電力に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる請求項1記載の給電支援装置。
【請求項4】
前記店舗には、前記車両から前記店舗へ供給された電力を、前記店舗内に存在する複数の電力負荷へ選択的に供給する選択部が設けられており、
前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記選択部によって選択された電力負荷に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる請求項1記載の給電支援装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項記載の給電支援装置と、
前記店舗に設けられ、充電された電力を前記店舗内に存在する電力負荷へ供給可能な蓄電部と、
を含む給電支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は給電支援装置および給電支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
系統電源からの電力供給が途絶える停電が発生した場合に、HV(hybrid vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)などの車両から、住宅や店舗などの建物へ電力を供給することが知られている。例えば特許文献1には、地域内に設けられ冷蔵庫を有する各建物で停電が発生した場合に、各建物における冷蔵庫の庫内温度に基づき各建物の冷蔵庫へ車両より給電を行う際の優先順位を設定し、車両のユーザが所持する携帯端末に給電指示を出すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-078689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停電時に、コンビニエンスストアなどの店舗に来訪したユーザに対して車両から店舗への給電を依頼する場合、従来はユーザに対して対価を与える仕組みがないため、ユーザに対し、車両から店舗へ給電する行動をとる動機付けを与えることができなかった。
【0005】
本開示は上記事実を考慮して成されたもので、店舗に来訪したユーザを、車両から店舗へ給電する行動をとるように誘導することが可能な給電支援装置および給電支援システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る給電支援装置は、停電中の店舗に来訪した車両から前記店舗への給電量を計測する計測部より、前記給電量を取得する取得部と、前記車両のユーザを特定する特定部と、前記特定部によって特定されたユーザに対応する金額情報が表す金額を、前記取得部によって取得された前記給電量に基づいて増加させる操作部と、を含んでいる。
【0007】
第1の態様では、車両から店舗への給電が行われた場合に、車両のユーザに対応する金額情報が表す金額を、車両から店舗への給電量に基づいて増加させることで、車両から店舗へ給電する行動に対価を与える。これにより、店舗に来訪したユーザを、車両から店舗へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記車両から前記店舗への給電時間に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0009】
店舗の停電時には、より長時間に亘って給電してもらうことが貴重になることがある。これに対して第2の態様では、車両から店舗への給電時間に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させるので、店舗に来訪したユーザを、車両からより長時間に亘って店舗へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様において、前記計測部は、前記車両から前記店舗への給電における時間当たりの電力を計測すると共に、計測した前記時間当たりの電力を積算することで前記給電量を計測し、前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記時間当たりの電力に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0011】
店舗の停電時には、より大きな電力で給電してもらうことが貴重になることがある。これに対して第3の態様では、車両から店舗への給電における時間当たりの電力に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させるので、店舗に来訪したユーザを、車両からより大きな電力で店舗へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。
【0012】
第4の態様は、第1の態様において、前記店舗には、前記車両から前記店舗へ供給された電力を、前記店舗内に存在する複数の電力負荷へ選択的に供給する選択部が設けられており、前記操作部は、前記金額情報が表す金額を前記給電量に基づいて増加させる際に、前記選択部によって選択された電力負荷に応じて、前記金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0013】
一般に、店舗には複数の電力負荷が存在しており、店舗の停電時には、より多くの電力負荷、或いは消費電力がより大きい電力負荷に給電してもらうことが貴重になることがある。これに対して第4の態様では、店舗内に存在する複数の電力負荷へ選択的に電力を供給する選択部によって選択された電力負荷に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させるので、店舗に来訪したユーザを、店舗内のより多くの電力負荷、或いは消費電力がより大きい電力負荷へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。
【0014】
第5の態様に係る給電支援システムは、第1の態様~第4の態様の何れかの給電支援装置と、前記店舗に設けられ、充電された電力を前記店舗内に存在する電力負荷へ供給可能な蓄電部と、を含んでいる。
【0015】
店舗の停電時に、車両から店舗への給電が行われていない期間には、店舗は機能を停止することになる。これに対して第5の態様では、充電された電力を店舗内に存在する電力負荷へ供給可能な蓄電部が店舗に設けられているので、車両から店舗への給電が行われていない期間にも、店舗が機能を停止することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示は、店舗に来訪したユーザを、車両から店舗へ給電する行動をとるように誘導することが可能になる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る給電支援システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】サーバの機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る給電支援処理を示すフローチャートである。
図4】給電量とポイントとの関係を示す線図である。
図5】第2実施形態に係る給電支援処理を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態における給電時間とポイント還元率との関係を示す線図である。
図7】第3実施形態に係る給電支援処理を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態における時間当たり電力とポイント還元率との関係を示す線図である。
図9】第4実施形態に係る給電支援処理を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態における給電対象の電力負荷の数とポイント還元率との関係を示す線図である。
図11】第5実施形態に係る給電支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1に示す給電支援システム10は、コンビニエンスストアなどの店舗12に設けられた複数の電力負荷として、POS(Point Of Sale)レジ14、ATM(Automatic Teller Machine)16、照明機器18およびその他の電力負荷20を含んでいる。なお、その他の電力負荷20の一例は冷蔵庫、冷凍庫、コピー機などである。POSレジ14、ATM16、照明機器18およびその他の電力負荷20は、分電盤22を経由して系統電源24に接続されており、通常時は系統電源24から供給された電力により作動する。なお、POSレジ14はバーコードリーダを含んでいる。
【0020】
また、本実施形態に係る店舗12は、系統電源24からの電力の供給が途絶えた停電時に、HVやPHEVなどのようにAC100Vコンセント32を備えた車両30から電力の供給を受けるために、給電量計測部26および給電対象選択部28が設けられている。給電量計測部26は給電対象選択部28に接続されており、給電対象選択部28は、POSレジ14、ATM16、照明機器18およびその他の電力負荷20に各々接続されている。
【0021】
給電量計測部26は、店舗12に来訪した車両30のAC100Vコンセント32と電源ケーブルを介して接続された状態で、車両30から店舗12への給電における時間当たりの電力を計測すると共に、計測した時間当たりの電力を給電時間に亘って積算することで給電量(給電電力量)を計測する。なお、給電量計測部26は計測部の一例である。
【0022】
給電対象選択部28は、車両30から給電量計測部26を経由して店舗12へ供給された電力を、POSレジ14、ATM16、照明機器18およびその他の電力負荷20へ選択的に供給する。なお、給電対象選択部28は選択部の一例である。また、POSレジ14および給電量計測部26は通信機能を備えており、ネットワーク34を介してサーバ36と通信可能とされている。
【0023】
サーバ36は、CPU(Central Processing Unit)38と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ40と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部42と、通信部44と、を含んでいる。CPU38、メモリ40、記憶部42および通信部44は内部バス46を介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
記憶部42は、ポイント口座DB(DataBase)48および給電支援プログラム50が記憶されている。ポイント口座DB48は、店舗12(または店舗12と同系列の店舗)の利用登録を行った個々のユーザについてポイント口座情報を各々記憶している。それぞれのユーザのポイント口座情報は、ユーザのIDとポイント口座の残高を表す金額情報とを含んでいる。
【0025】
本実施形態において、サーバ36は、ユーザによって店舗12(または店舗12と同系列の店舗)が利用される度に、利用金額に応じたポイント(利用金額に所定のポイント還元率を乗ずることで算出されるポイント)をポイント口座の残高に加算する処理を行う。なお、この際のユーザの特定は、例えば、ユーザが所持するポイントカードに印刷されたバーコード、或いはユーザが所持するスマートフォンの表示部に表示されたバーコードを、POSレジ14のバーコードリーダによって読み取ることでなされる。ここで読み取られるバーコードの情報には、ユーザのIDが含まれている。また、上記のポイントは、ユーザが、例えば店舗12で販売している商品を購入するなどの場合に使用することができる。
【0026】
またサーバ36は、給電支援プログラム50が記憶部42から読み出されてメモリ40に展開され、メモリ40に展開された給電支援プログラム50がCPU38によって実行されることで、図2に示す取得部60、特定部62、操作部64として機能し、後述する給電支援処理を行う。これにより、サーバ36は本開示に係る給電支援装置の一例として機能する。
【0027】
取得部60は、停電中の店舗12に来訪した車両30から店舗12への給電量を計測する給電量計測部26より、前記給電量を取得する。特定部62は、車両30のユーザを特定する。操作部64は、特定部62によって特定されたユーザに対応する金額情報が表す金額を、取得部60によって取得された前記給電量に基づいて増加させる
【0028】
次に、第1実施形態の作用を説明する。系統電源24から店舗12の電力の供給が途絶える停電時には、店舗12内のPOSレジ14、ATM16、照明機器18およびその他の電力負荷20が作動を停止するので、店舗12は機能停止に陥る。しかし、近年はAC100Vコンセント32を備えた車両30が増加してきており、店舗12に来訪した車両がこのような車両30であれば、店舗12側に大掛かりな設備を設けておくことなく、車両30から店舗12への給電を実現可能である。
【0029】
但し、停電時に、店舗12に来訪したユーザに対して車両30から店舗12への給電を依頼する場合、従来はユーザに対して対価を与える仕組みがないため、ユーザに対し、車両30から店舗12へ給電する行動をとる動機付けを与えることができない。そこで第1実施形態では、車両30から店舗12への給電が行われた場合に、車両30のユーザに対応するポイント口座の金額情報が表す金額を、車両30から店舗12への給電量に基づいて増加させることで、車両30から店舗12へ給電する行動に対価を与える。
【0030】
すなわち、店舗12の店員は、停電時に、店舗12に来訪したユーザに対し、車両30から店舗12への給電を行った場合には、給電量に応じたポイントを付与することを伝えて、車両30から店舗12への給電を依頼する。これにより、車両30から店舗12へ給電する行動をとる動機付けをユーザに与えることが可能となる。ユーザが依頼を承諾した場合、車両30のAC100Vコンセント32と給電量計測部26とを電源ケーブルを介して接続すると共に、給電対象選択部28によって給電対象の電力負荷を選択する作業が行われ、車両30から店舗12への給電が開始される。
【0031】
なお、給電対象の電力負荷は、例えば、車両30に搭載されたバッテリの残容量や、ユーザが店舗12に来店した目的などに応じて選択することができる。一例として、車両30に搭載されたバッテリの残容量が少なく、かつユーザが店舗12に来店した目的が店舗12で販売している商品の購入である場合には、少なくともPOSレジ14を給電対象として選択することができる。
【0032】
第1実施形態において、サーバ36は、車両30から店舗12への給電が開始されると、図3に示す給電支援処理を行う。給電支援処理のステップ100において、操作部64は、車両30から店舗12への給電が終了したか否か判定する。ステップ100の判定が否定された場合は、判定が肯定される迄、ステップ100を繰り返す。
【0033】
車両30から店舗12への給電が終了すると、ステップ100の判定が肯定されてステップ102へ移行する。車両30から店舗12への給電が行われる場合、店舗12の店員は、例えば、ユーザが所持するポイントカードに印刷されたバーコード、或いはユーザが所持するスマートフォンの表示部に表示されたバーコードを、POSレジ14のバーコードリーダによって読み取る操作を行う。ステップ102において、特定部62は、POSレジ14のバーコードリーダで読み取られた情報に含まれるユーザのIDをPOSレジ14から取得する。
【0034】
ステップ104において、特定部62は、ポイント口座DB48に記憶されている複数のユーザのポイント口座情報のうち、ステップ102で取得したユーザのIDと対応付けられたポイント口座情報を特定する。ステップ106において、取得部60は、給電量計測部26から、車両30から店舗12への給電における給電量(給電の開始から終了に亘って積算した給電電力量)を取得する。
【0035】
ステップ118において、操作部64は、ステップ106で取得部60が取得した給電量から対応する加算ポイントを演算する。本実施形態では、図4に示すように、給電量と加算ポイントとが正比例の関係にあり(ポイント還元率は傾きに相当する)、操作部64は、給電量に所定のポイント還元率を乗ずることで加算ポイントを演算する。
【0036】
ステップ122において、操作部64は、ステップ104で特定部62が特定したポイント口座情報に含まれる金額情報が表すポイント口座の残高を、ステップ118で演算した加算ポイントだけ加算し、給電支援処理を終了する。
【0037】
このように、第1実施形態では、取得部60が、停電中の店舗12に来訪した車両30から店舗12への給電量を計測する給電量計測部26より前記給電量を取得する。また、特定部62が車両30のユーザを特定する。そして操作部64が、特定部62によって特定されたユーザに対応する金額情報が表す金額を、取得部60によって取得された給電量に基づいて増加させる。これにより、店舗12に来訪したユーザを、車両30から店舗12へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。
【0038】
〔第2実施形態〕
次に本開示の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0039】
店舗12の停電時には、車両30から店舗12へより長時間に亘って給電してもらうことが貴重になることがある。一例としては、AC100Vコンセント32を備えた車両30が店舗12へ来訪する頻度が低いために、店舗12が機能を停止している期間が長い場合などが該当する。そこで第2実施形態では、車両30から店舗12への給電時間に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0040】
すなわち、第2実施形態では、例として図6に示すように、給電時間が長くなるに従ってポイント還元率が増加するように、給電時間とポイント還元率との関係が定められている。店舗12の店員は、停電時に、店舗12に来訪したユーザに対し、車両30から店舗12への給電を行った場合には、給電量に応じたポイントを付与することと、給電時間が長くなるに従ってポイント還元率が増加することを呈示して、車両30から店舗12への給電を依頼する。これにより、車両30から店舗12へより長い時間に亘って給電する行動をとる動機付けをユーザに与えることが可能となる。
【0041】
図5に示すように、第2実施形態に係る給電支援処理では、ステップ108において、取得部60は、給電量計測部26から、車両30から店舗12への給電における給電量および給電時間を取得する。次のステップ112において、操作部64は、給電時間とポイント還元率との関係(図6)に基づき、ステップ108で取得部60が取得した給電時間に対応するポイント還元率を読み出す。ステップ120において、操作部64は、ステップ108で取得部60が取得した給電量に、ステップ112で読み出したポイント還元率を乗ずることで加算ポイントを演算する。
【0042】
このように、第2実施形態において、操作部64は、ポイント口座情報に含まれる金額情報が表す金額を給電量に基づいて増加させる際に、車両30から店舗12への給電時間に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。これにより、店舗12に来訪したユーザを、車両30からより長時間に亘って店舗12へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。そして、車両30の1台当たりの給電時間が長くなることで、店舗12が機能を停止している期間を短くすることができ、車両30のユーザ以外の来店者にもサービスを提供することが可能になる。
【0043】
〔第3実施形態〕
次に本開示の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0044】
店舗12の停電時には、車両30から店舗12へより大きな電力(時間当たりの電力)で給電してもらうことが貴重になることがある。一例としては、店舗12内のより多数の電力負荷を作動させることで、店舗12の来店者により多様なサービスを提供したい場合などが該当する。そこで第3実施形態では、車両30から店舗12への給電における時間当たりの電力に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0045】
すなわち、第3実施形態では、例として図8に示すように、給電における時間当たりの電力が大きくなるに従ってポイント還元率が増加するように、時間当たりの電力とポイント還元率との関係が定められている。店舗12の店員は、停電時に、店舗12に来訪したユーザに対し、車両30から店舗12への給電を行った場合には、給電量に応じたポイントを付与することと、時間当たりの電力が大きくなるに従ってポイント還元率が増加することを呈示して、車両30から店舗12への給電を依頼する。これにより、車両30から店舗12へより大きな電力で給電する行動をとる動機付けをユーザに与えることが可能となる。
【0046】
また、第3実施形態では、店舗12の店員から依頼に応じてユーザが許可した時間当たり電力に応じて、給電対象選択部28によって給電対象の電力負荷を選択する作業が行われる。
【0047】
図7に示すように、第3実施形態に係る給電支援処理では、ステップ110において、取得部60は、給電量計測部26から、車両30から店舗12への給電における給電量および時間当たり電力(の例えば平均値)を取得する。次のステップ114において、操作部64は、時間当たり電力とポイント還元率との関係(図8)に基づき、ステップ110で取得部60が取得した時間当たり電力に対応するポイント還元率を読み出す。ステップ120において、操作部64は、ステップ110で取得部60が取得した給電量に、ステップ114で読み出したポイント還元率を乗ずることで加算ポイントを演算する。
【0048】
このように、第3実施形態において、給電量計測部26は、車両30から店舗12への給電における時間当たりの電力を計測すると共に、計測した時間当たりの電力を積算することで給電量を計測する。そして操作部64は、ポイント口座情報に含まれる金額情報が表す金額を給電量に基づいて増加させる際に、時間当たりの電力に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。これにより、店舗12に来訪したユーザを、車両30からより大きな電力で店舗12へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。そして、車両30から店舗12への給電における時間当たりの電力が大きくなることで、店舗12内のより多数の電力負荷を作動させることができ、店舗12の来店者により多様なサービスを提供することができる。
【0049】
〔第4実施形態〕
次に本開示の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0050】
店舗12の停電時には、車両30から店舗12内のより多くの電力負荷、或いは消費電力がより大きい電力負荷に給電してもらうことが貴重になることがある。一例としては、店舗12内のより多数の電力負荷を作動させることで、店舗12の来店者により多様なサービスを提供したい場合などが該当する。そこで第4実施形態では、車両30から店舗12への給電における給電対象の電力負荷の数に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。
【0051】
すなわち、第4実施形態では、例として図10に示すように、給電対象の電力負荷の数が多くなるに従ってポイント還元率が増加するように、給電対象の電力負荷の数とポイント還元率との関係が定められている。店舗12の店員は、停電時に、店舗12に来訪したユーザに対し、車両30から店舗12への給電を行った場合には、給電量に応じたポイントを付与することと、給電対象の電力負荷の数が多くなるに従ってポイント還元率が増加することを呈示して、車両30から店舗12への給電を依頼する。これにより、車両30から店舗12内のより多数の電力負荷へ給電する行動をとる動機付けをユーザに与えることが可能となる。
【0052】
また、第4実施形態では、店舗12の店員から依頼に応じてユーザが許可した給電対象の電力負荷の数に応じて、給電対象選択部28によって給電対象の電力負荷を選択する作業が行われる。
【0053】
図9に示すように、第4実施形態に係る給電支援処理では、ステップ116において、操作部64は、給電対象の電力負荷の数とポイント還元率との関係(図10)に基づき、給電対象の電力負荷の数に対応するポイント還元率を読み出す。ステップ120において、操作部64は、ステップ106で取得部60が取得した給電量に、ステップ116で読み出したポイント還元率を乗ずることで加算ポイントを演算する。
【0054】
このように、第4実施形態において、給電対象選択部28は、車両30から店舗12へ供給された電力を、店舗12内に存在する複数の電力負荷へ選択的に供給する。そして、操作部64は、ポイント口座情報に含まれる金額情報が表す金額を給電量に基づいて増加させる際に、給電対象選択部28によって選択された電力負荷に応じて、金額情報が表す金額の増加率を変化させる。これにより、店舗12に来訪したユーザを、店舗12内のより多くの電力負荷、或いは消費電力がより大きい電力負荷へ給電する行動をとるように誘導することが可能となる。そして、車両30から店舗12への給電における給電対象の電力負荷の数が多くなることで、店舗12内のより多数の電力負荷を作動させることができ、店舗12の来店者により多様なサービスを提供することができる。
【0055】
〔第5実施形態〕
次に本開示の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図11に示すように、第5実施形態に係る給電支援システム70は、店舗12にバッテリ72が設けられている。バッテリ72は、分電盤22に接続されていると共に、給電対象選択部28に接続されており、通常時には、分電盤22を介して系統電源24から供給される電力により充電される。またバッテリ72は、停電時で、かつ車両30から店舗12への給電が行われている場合には、車両30から供給される電力により充電可能とされている。そしてバッテリ72は、停電時で、かつ車両30から店舗12への給電が行われていない期間には、充電された電力を店舗12内に存在する電力負荷へ供給可能とされている。バッテリ72は蓄電部の一例である。
【0057】
このように、第5実施形態に係る給電支援システム70は、店舗12に設けられ、充電された電力を店舗12内に存在する電力負荷へ供給可能なバッテリ72を含んでいる。これにより、停電時で、かつ車両30から店舗12への給電が行われていない期間にも、バッテリ72に充電された電力を店舗12内に存在する電力負荷へ供給することができるので、店舗12が機能を停止することを抑制することができる。
【0058】
なお、上記では、車両30から店舗12への給電に対する対価を、店舗12で使用可能なポイントでユーザに与える態様を説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、金融機関に開設されている口座への振り込みによって対価を与えるようにしてもよい。
【0059】
また、上記では本開示に係る給電支援プログラム50が記憶部42に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、給電支援プログラム50は、HDD、SSD、DVD等の非一時的記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0060】
10、70 給電支援システム
12 店舗
14 POSレジ(電力負荷)
16 ATM(電力負荷)
18 照明機器(電力負荷)
20 その他の電力負荷
26 給電量計測部(計測部)
28 給電対象選択部(選択部)
30 車両
32 AC100Vコンセント
36 サーバ(給電支援装置)
48 ポイント口座DB
60 取得部
62 特定部
64 操作部
72 バッテリ(蓄電部)
図1
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