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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074873
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】寝具
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20220511BHJP
   A61F 5/56 20060101ALI20220511BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20220511BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20220511BHJP
   A61G 7/07 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A47G9/10 S
A61F5/56
A47C27/00 F
A47G9/02 Z
A61G7/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185281
(22)【出願日】2020-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】横田 慎太郎
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
4C040
4C098
【Fターム(参考)】
3B096AA02
3B096AC12
3B096AC14
3B096AD04
3B096AD07
3B102AA00
3B102AC00
4C040AA04
4C040AA29
4C098BB15
(57)【要約】
【課題】 就寝時の使用者の姿勢を支持することができ、快適性に優れ、使用者の体型や好みに応じて使用することができる寝具を提供する。
【解決手段】 寝具本体2と、寝具本体2に設けられた送風機3とを含む寝具1である。寝具本体2は、少なくとも1つの柱形状の寝具エレメント4を有している。送風機3は、寝具エレメント4の長手方向の一方の端部4aに設けられている。寝具エレメント4は、使用時に下側に位置する下側平面部5を含んでいる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具本体と、前記寝具本体に設けられた送風機とを含む寝具であって、
前記寝具本体は、少なくとも1つの柱形状の寝具エレメントを有し、
前記送風機は、前記寝具エレメントの長手方向の一方の端部に設けられ、
前記寝具エレメントは、使用時に下側に位置する下側平面部を含む、
寝具。
【請求項2】
前記寝具エレメントは、使用時に使用者に接する当接平面部を含む、請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記寝具エレメントは、前記使用者を暖めるためのヒーターを有し、
前記ヒーターは、少なくとも前記当接平面部の一部に設けられる、請求項2に記載の寝具。
【請求項4】
前記寝具エレメントは、前記下側平面部と前記当接平面部とを連結する連結平面部を含む三角柱形状である、請求項2又は3に記載の寝具。
【請求項5】
前記寝具エレメントは、クッション部材と、前記クッション部材を覆うメッシュ部材と、前記メッシュ部材を覆うカバー部材とを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の寝具。
【請求項6】
前記寝具エレメントは、前記クッション部材の内部に空気流通部材が設けられる、請求項5に記載の寝具。
【請求項7】
前記メッシュ部材は、繊維製立体構造物により形成される、請求項5又は6に記載の寝具。
【請求項8】
前記下側平面部には、滑り止め部材が設けられる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の寝具。
【請求項9】
前記寝具本体は、三角柱形状である2つの前記寝具エレメントと、円柱形状である1つの補助エレメントとを有する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の寝具。
【請求項10】
前記補助エレメントは、前記寝具エレメントに着脱自在に接続される、請求項9に記載の寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝時の使用者の姿勢を横向きに支持するための寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、就寝時無呼吸症候群やいびきを予防するために、就寝時の使用者の姿勢を支持する寝具が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、枕部と、枕部に連結部で繋がれた本体シート部と、本体シート部の左右両側部で棒状をなすウォール部とを備えた横臥寝姿勢サポート寝具を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-245287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の寝具は、就寝時の使用者と密着することから、熱や湿気が蓄積し、快適性に劣るという問題があった。また、特許文献1の寝具は、各構成要素が一体であることから、使用者の体型や好みに応じて使用することができなかった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、就寝時の使用者の姿勢を支持することができ、快適性に優れ、使用者の体型や好みに応じて使用することができる寝具を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、寝具本体と、前記寝具本体に設けられた送風機とを含む寝具であって、前記寝具本体は、少なくとも1つの柱形状の寝具エレメントを有し、前記送風機は、前記寝具エレメントの長手方向の一方の端部に設けられ、前記寝具エレメントは、使用時に下側に位置する下側平面部を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の寝具において、前記寝具エレメントは、使用時に使用者に接する当接平面部を含むのが望ましい。
【0008】
本発明の寝具において、前記寝具エレメントは、前記使用者を暖めるためのヒーターを有し、前記ヒーターは、少なくとも前記当接平面部の一部に設けられるのが望ましい。
【0009】
本発明の寝具において、前記寝具エレメントは、前記下側平面部と前記当接平面部とを連結する連結平面部を含む三角柱形状であるのが望ましい。
【0010】
本発明の寝具において、前記寝具エレメントは、クッション部材と、前記クッション部材を覆うメッシュ部材と、前記メッシュ部材を覆うカバー部材とを含むのが望ましい。
【0011】
本発明の寝具において、前記寝具エレメントは、前記クッション部材の内部に空気流通部材が設けられるのが望ましい。
【0012】
本発明の寝具において、前記メッシュ部材は、繊維製立体構造物により形成されるのが望ましい。
【0013】
本発明の寝具において、前記下側平面部には、滑り止め部材が設けられるのが望ましい。
【0014】
本発明の寝具において、前記寝具本体は、三角柱形状である2つの前記寝具エレメントと、円柱形状である1つの補助エレメントとを有するのが望ましい。
【0015】
本発明の寝具において、前記補助エレメントは、前記寝具エレメントに着脱自在に接続されるのが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の寝具において、寝具本体は、少なくとも1つの柱形状の寝具エレメントを有し、送風機は、前記寝具エレメントの長手方向の一方の端部に設けられ、前記寝具エレメントは、使用時に下側に位置する下側平面部を含んでいる。
【0017】
このような寝具エレメントは、下側平面部を含んでいるので、就寝時の使用者の姿勢、例えば横臥寝姿勢を支持することができ、その際、寝具エレメントの内部に空気を流通させることで熱や湿気が蓄積することを抑制し、優れた快適性を提供することができる。また、この寝具は、寝具エレメントの数や配置を調整することができ、使用者の体型や好みに応じて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の寝具の一実施形態を示す斜視図である。
図2】寝具の底面図である。
図3】寝具の平面図である。
図4図3のA-A線の断面図である。
図5図3のB-B線の断面図である。
図6】寝具エレメントの斜視図である。
図7】寝具エレメントの他方の端部の拡大正面図である。
図8図3のC-C線の断面図である。
図9】他の使用形態の寝具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の寝具1を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施形態の寝具1は、寝具本体2と、寝具本体2に設けられた送風機3とを含んでいる。寝具本体2は、少なくとも1つの、本実施形態では2つの柱形状の寝具エレメント4を有している。本実施形態の送風機3は、寝具エレメント4の長手方向の一方の端部4aに設けられている。
【0020】
図2は、本実施形態の寝具1の底面図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の寝具エレメント4は、使用時に下側に位置する平面状の下側平面部5を含んでいる。下側平面部5は、例えば、使用時に使用者が就寝する寝床面と平行になるように形成された平面である。
【0021】
このような寝具エレメント4は、下側平面部5を含んでいるので、使用者が背中、胸等の身体の一部を寝具エレメント4に預けるように横向き姿勢で就寝したときに、使用者の姿勢を支持することができる。その際、寝具エレメント4は、その内部に空気を流通させることで熱や湿気が蓄積することを抑制し、優れた快適性を提供することができる。また、この寝具1は、寝具エレメント4の数や配置を調整することができ、使用者の体型や好みに応じて使用することができる。
【0022】
図3は、本実施形態の寝具1の平面図であり、図4は、図3のA-A線の断面図である。図1図3及び図4に示されるように、より好ましい態様として、寝具エレメント4は、使用時に使用者に接する平面状の当接平面部6を含んでいる。このような当接平面部6は、就寝時の使用者が寝具エレメント4に接する背中、胸等を過度に圧迫することなく支持することができる。
【0023】
図1及び図4に示されるように、寝具エレメント4は、下側平面部5と当接平面部6とを連結する平面状の連結平面部7を含む三角柱形状であるのが望ましい。このような寝具エレメント4は、バランスが良好であり、視覚的にも良好な印象を与えることができる。なお、寝具エレメント4は、このような態様に限定されるものではなく、下側平面部5を含むものであれば、例えば、断面形状が台形状である四角柱形状のような4つ以上の平面部を含む多角柱形状であってもよく、曲面部を含む柱形状であってもよい。
【0024】
図4に示されるように、下側平面部5と当接平面部6とがなす角度θは、好ましくは、45°以上80°以下である。ここで、角度θは、使用時の当接平面部6の傾斜角度である。当接平面部6の角度θが45°以上であることで、横向き姿勢で就寝したときに、当接平面部6で使用者を確実に支持することができる。このような観点から、当接平面部6の角度θは、より好ましくは、50°以上であり、さらに好ましくは、55°以上である。当接平面部6の角度θが80°以下であることで、横向き姿勢で就寝する使用者の肩や腕に過度な負担がかかるおそれがない。このような観点から、当接平面部6の角度θは、より好ましくは、75°以下であり、さらに好ましくは、70°以下である。
【0025】
下側平面部5と当接平面部6との角部C1及び下側平面部5と連結平面部7との角部C2は、それぞれ、小さい円弧状に形成されている。当接平面部6と連結平面部7との角部C3は、角部C1及び角部C2よりも大きい円弧状に形成されている。このような寝具エレメント4は、角部が欠けるおそれがなく、また、使用者が角部に接触したときの触感を良好にすることができる。
【0026】
図1ないし図3に示されるように、本実施形態の寝具エレメント4は、全体として長手方向に直線状に延びている。寝具エレメント4は、外力が加えられることでその全体形状が湾曲するものが望ましい。寝具エレメント4は、例えば、外力が加えられた場合の全体形状を、外力が解除されたときにも維持するように構成されていてもよく、外力が解除されたときに外力が加えられる前の全体形状に復元するように構成されてもよい。このような寝具エレメント4は、全体形状の多様性を高めることができる。
【0027】
本実施形態の下側平面部5には、滑り止め部材9が設けられる。滑り止め部材9は、下側平面部5の連結平面部7側に設けられるのが望ましい。滑り止め部材9は、例えば、寝具エレメント4の長手方向に複数に分割されて設けられてもよく、長手方向に延びる一体物であってもよい。このような滑り止め部材9は、寝具エレメント4が移動することを防止することができ、使用者を確実に支持することができる。
【0028】
寝具エレメント4は、使用者を暖めるためのヒーター8を有するのが望ましい。本実施形態のヒーター8は、少なくとも当接平面部6の一部に設けられている。ヒーター8は、図示省略の電線コード、コントローラ等を介して外部電源に接続されるのが望ましい。このような寝具エレメント4は、使用時に暖めることもできるので、季節によらず、快適性を向上することができる。
【0029】
図5は、図3のB-B線の断面図である。図4及び図5に示されるように、本実施形態の寝具エレメント4は、クッション部材10と、クッション部材10を覆うメッシュ部材11と、メッシュ部材11を覆うカバー部材12とを含んでいる。このような寝具エレメント4は、クッション部材10を有するため、柔軟性を向上させることができる。ここで、柔軟性とは、柔らかさを意味し、表面を押したときの硬度で評価される指標である。なお、図5において、後述する連結部材18は、図示が省略されている。
【0030】
また、この寝具エレメント4は、クッション部材10とカバー部材12との間のメッシュ部材11に空気を流通させることができるので、空気の流通抵抗を低減させることができる。なお、ヒーター8は、例えば、クッション部材10とメッシュ部材11との間に設けられていてもよく、メッシュ部材11とカバー部材12との間に設けられていてもよい。
【0031】
クッション部材10は、例えば、発泡樹脂で形成されている。発泡樹脂としては、例えば、発泡ウレタン等が挙げられる。このようなクッション部材10は、形状を維持しつつ柔軟性及び通気性を有するので、使用者の快適性を向上させることができる。なお、クッション部材10は、このような態様に限定されるものではなく、メッシュ部材11と協働して形状を維持できるものであれば、例えば、ポリエステル製樹脂わた等の合成わたや木綿等の天然わた、ビーズ等で形成されていてもよい。
【0032】
クッション部材10の外形は、例えば、寝具エレメント4の外形に対して、相似形状である。本実施形態のクッション部材10は、長手方向に延びる三角柱形状である。クッション部材10は、このような態様に限定されるものではなく、使用者を支持可能な形状であれば、例えば、断面形状が台形状である四角柱形状のような4つ以上の平面部を含む多角柱形状であってもよく、曲面部を含む柱形状であってもよい。
【0033】
寝具エレメント4は、クッション部材10の内部に、その長手方向に沿って空気を流すための流路が形成された空気流通部材13が設けられるのが望ましい。クッション部材10には、例えば、空気流通部材13を挿入するためのスリット10aが設けられている。このような寝具エレメント4は、その内部を流通する空気の抵抗を低減することができ、空気をスムーズに流すことができる。
【0034】
空気流通部材13は、繊維製立体構造物又は三次元網状構造物により形成されるのが望ましい。繊維製立体構造物としては、例えば、立体構造編物、立体構造織物等が挙げられる。立体構造編物としては、例えば、三次元メッシュ構造、ダブルラッセル構造等が挙げられる。立体構造織物としては、例えば、三次元多層構造織物等が挙げられる。三次元網状構造物は、例えば、三次元状に不規則に絡み合った樹脂線材により形成された構造物である。このような空気流通部材13は、空気の流路を確保しつつ、適度な剛性を維持することができる。
【0035】
本実施形態の空気流通部材13は、中実の円柱状に形成されている。空気流通部材13は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、中空の円筒状であってもよく、また、多角柱状や多角筒状等であってもよい。空気流通部材13が中空の場合は、通気抵抗をより小さくすることができる。なお、空気流通部材13は、例えば、省略されてもよい。
【0036】
空気流通部材13は、例えば、三次元網状構造物を構成する樹脂線材を押出成形することで形成される。空気流通部材13は、押し出された熱可塑性樹脂製の樹脂線材が三次元状に不規則に絡み合った状態で冷却される際に、全体として柱形状に成形されるのが望ましい。空気流通部材13は、例えば、円柱状であれば、押し出された樹脂線材が円柱状に冷却固化される。このような空気流通部材13は、追加工の必要がなく、生産性を向上させることができる。
【0037】
メッシュ部材11は、繊維製立体構造物により形成されるのが望ましい。繊維製立体構造物としては、例えば、立体構造編物、立体構造織物等が挙げられる。立体構造編物としては、例えば、三次元メッシュ構造、ダブルラッセル構造等が挙げられる。立体構造織物としては、例えば、三次元多層構造織物等が挙げられる。メッシュ部材11は、例えば、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂より形成されている。このようなメッシュ部材11は、柔軟性に優れたクッション部材10を保護して耐久性を向上させるとともに、クッション部材10の通気性に影響を及ぼすおそれがない。
【0038】
メッシュ部材11は、例えば、クッション部材10及び空気流通部材13の一方の端部4a側を覆う一方のメッシュ端11aを有している。また、図示は省略されるが、メッシュ部材11は、例えば、クッション部材10及び空気流通部材13の他方の端部4b側を覆う他方のメッシュ端を有している。
【0039】
両方のメッシュ端11aのメッシュ粗さは、それぞれ、メッシュ部材11のその他のメッシュ粗さよりも粗いのが望ましい。このようなメッシュ部材11は、各メッシュ端11aでの空気の流通抵抗が低減され、メッシュ部材11の内部に空気をスムーズに流通させることができる。
【0040】
図6は、寝具エレメント4の斜視図である。図1及び図6に示されるように、本実施形態のカバー部材12は、メッシュ部材11を長手方向に沿って覆うカバー本体12aと、寝具エレメント4の一方の端部4a側の一方のカバー端12bと、寝具エレメント4の他方の端部4b側の他方のカバー端12cとを含んでいる。
【0041】
カバー本体12aは、例えば、セルロース、レーヨン等の再生繊維から形成されている。カバー本体12aは、適度な通気性と良好な肌触りとを有するものであれば、再生繊維に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂繊維、天然繊維、複数の繊維を混ぜ合わせた混紡等により形成されていてもよい。このようなカバー本体12aは、通気性と肌触りとに優れており、快適性を向上させることができる。カバー本体12aは、後述するように送風機3が寝具エレメント4の内部に空気を送り込むように使用された場合、内部を流通する空気により膨らむのが望ましい。このようなカバー本体12aは、カバー本体12aとメッシュ部材11との間に空間を形成し、空気の流通抵抗をより低減することができる。
【0042】
カバー部材12は、例えば、両方のカバー端12b、12cがメッシュ材で形成されている。各カバー端12b、12cは、メッシュ部材11と同じ生地で形成されるのが望ましい。このようなカバー部材12は、カバー端12b、12cの空気の流通抵抗が低減され、カバー部材12の内部に空気をスムーズに流通させることができる。なお、カバー部材12は、例えば、一方のカバー端12bが再生繊維から形成され、送風機3のみで空気を流通させてもよい。また、カバー部材12は、例えば、他方のカバー端12cが再生繊維から形成され、他方のカバー端12c側の連結平面部7の一部がメッシュ材で形成されていてもよい。
【0043】
図2に示されるように、カバー部材12は、下側平面部5に長手方向に延びる開口部形成手段12dを有するのが望ましい。開口部形成手段12dとしては、例えば、線ファスナ、面ファスナ等が挙げられる。このようなカバー部材12は、開口部形成手段12dからクッション部材10、メッシュ部材11等を出し入れ自在であり、カバー部材12を洗濯するときに容易に着脱することができる。
【0044】
なお、図示は省略されるが、メッシュ部材11は、カバー部材12と同様、例えば、開口部形成手段を有していてもよい。このようなメッシュ部材11は、クッション部材10との組付けが容易であり、製造コストを低減することができる。
【0045】
図5に示されるように、カバー部材12は、例えば、一方のカバー端12bに設けられた取付ワッシャー14が、送風機3の鍔状部3aと固定リング3bとにより挟持されることで、送風機3を固定している。取付ワッシャー14は、洗濯可能な素材で形成されるのが望ましく、例えば、樹脂により形成されている。
【0046】
取付ワッシャー14とメッシュ部材11の一方のメッシュ端11aとの距離Lは、送風機3の鍔状部3aからカバー部材12内に配置される部分の最大長さL2よりも大きいのが望ましい。このような寝具エレメント4は、取付ワッシャー14とメッシュ部材11との間にチャンバー15を設けることができ、空気の流通を円滑に行うことができる。
【0047】
送風機3は、例えば、電動モーターにより回転する送風羽根(図示省略)と、これらを収容しかつ鍔状部3aを形成するケース3cと、固定リング3bと有するものであれば、周知の種々の送風機3が適宜採用され得る。このような送風機3は、取り付け、取り外しが容易であり、カバー部材12を洗濯するときに簡単に取り外すことができ、メンテナンスが容易である。
【0048】
送風機3は、図示省略の電線コード、コントローラ等を介して外部電源に接続されるのが望ましい。本実施形態の送風機3は、外部の空気を寝具エレメント4の内部に送り込む吸込ファンとして構成されている。このときのカバー部材12は、内部を流通する空気により膨らみ、全体として寝具エレメント4が下側平面部5を含む円柱形状となることを許容する。なお、送風機3は、例えば、寝具エレメント4の内部の空気を外部へ吸い出す吐出ファンとして構成されていてもよい。このような送風機3は、寝具エレメント4の使用形態に応じて、適宜調整することができる。
【0049】
図7は、寝具エレメント4の他方の端部4bの拡大正面図である。図1ないし図3図6及び図7に示されるように、本実施形態の寝具エレメント4は、他方の端部4bに他のエレメント、例えば後述する補助エレメント20と接続可能な接続部材16が設けられている。接続部材16は、例えば、帯状に形成されている。このような寝具エレメント4は、他のエレメントに容易に接続することができる。
【0050】
接続部材16は、例えば、寝具エレメント4に結合される第1部分16aと、第1部分16aから延びかつ先端が固定部17を介して寝具エレメント4に固定可能な第2部分16bとを含んでいる。本実施形態の第1部分16aは、接続部材16により寝具エレメント4と他のエレメントとが接続されたときに、寝具エレメント4の他方の端部4bに対向する位置に配される部分である。第1部分16aは、各カバー端12b、12cと同じメッシュ材で形成されるのが望ましい。このような接続部材16は、他方のカバー端12cを介して流通する空気の流れを阻害することなく、後述する補助エレメント20のような他のエレメントにも空気を流通させることができる。
【0051】
第2部分16bは、例えば、カバー本体12aと同じ再生繊維で形成されている。このような第2部分16bは、使用時に使用者に接触したとしても、通気性と肌触りとが良好であり、優れた快適性を維持することができる。
【0052】
固定部17としては、例えば、ボタン、フック、面ファスナ等が挙げられる。本実施形態の固定部17は、接続部材16の長手方向の異なる位置に配された第1固定部17Aと第2固定部17Bとを含んでいる。このような固定部17は、固定したときの接続部材16の長さを簡単に調整することができ、寝具エレメント4と後述する補助エレメント20のような他のエレメントとの距離を変更することができる。
【0053】
図1ないし図3に示されるように、本実施形態の寝具本体2は、三角柱形状である2つの寝具エレメント4と、一端20aから他端20bに延びる円柱形状である1つの補助エレメント20とを有している。寝具本体2は、全体としてΠ字状に形成されるのが望ましい。このような寝具本体2は、補助エレメント20で就寝時の使用者の頭部を支持することができ、寝具エレメント4で使用者を横向きに支持することができる。
【0054】
2つの寝具エレメント4は、例えば、当接平面部6が互いに対向するように配されている。2つの寝具エレメント4は、それぞれの送風機3及びヒーター8が独立して作動可能であるのが望ましい。このような寝具本体2は、就寝時の使用者を2つの寝具エレメント4で挟むことができる。このため、使用者は、一方の寝具エレメント4で背中が支持されたときに、他方の寝具エレメント4に手や足をかけて就寝することができる。
【0055】
寝具本体2は、2つの寝具エレメント4を連結するための連結部材18を含むのが望ましい。本実施形態の連結部材18は、2つの寝具エレメント4の一方の端部4a側を連結している。連結部材18は、例えば、帯状に形成された帯状部18aと、帯状部18aの長手方向の両側に形成されたリング状部18bとを含んでいる。
【0056】
連結部材18は、このリング状部18bに寝具エレメント4を挿入することで、2つの寝具エレメント4を接続している。連結部材18は、例えば、ボタン、フック、面ファスナ等の第3固定部(図示省略)により寝具エレメント4に固定されていてもよい。このような連結部材18は、寝具エレメント4の一方の端部4aが予め定められた距離以上に離れることを抑制することができる。
【0057】
図8は、図3のC-C線の断面図である。図8に示されるように、本実施形態の補助エレメント20は、補助クッション部材21と、補助クッション部材21を覆う補助メッシュ部材22と、補助メッシュ部材22を覆う補助カバー部材23とを含んでいる。このような補助エレメント20は、補助クッション部材21を有するため、柔軟性を向上させることができる。
【0058】
補助エレメント20は、補助クッション部材21の内部に、その長手方向に沿って空気を流すための流路が形成された補助空気流通部材24が設けられるのが望ましい。補助クッション部材21には、例えば、補助空気流通部材24を挿入するための補助スリット21aが設けられている。このような補助エレメント20は、その内部を流通する空気の抵抗を低減することができ、空気をスムーズに流すことができる。
【0059】
補助クッション部材21、補助メッシュ部材22及び補助空気流通部材24は、寝具エレメント4のクッション部材10、メッシュ部材11及び空気流通部材13と同じ材質であるのが望ましい。このような補助エレメント20は、内部に空気を流通させることができ、また、優れた柔軟性を提供することができるので、快適性を向上させることができる。
【0060】
図1ないし図3に示されるように、本実施形態の補助カバー部材23は、補助メッシュ部材22を長手方向に沿って覆う第1カバー本体23a及び第2カバー本体23bを含んでいる。第1カバー本体23aは、例えば、寝具エレメント4のカバー本体12aと同じ再生繊維で形成されている。第2カバー本体23bは、例えば、寝具エレメント4のカバー端12b、12cと同じメッシュ材で形成されている。
【0061】
第2カバー本体23bは、寝具エレメント4が接続される部分に設けられるのが望ましい。本実施形態の第2カバー本体23bは、寝具エレメント4の他方の端部4bに対向して配されている。補助カバー部材23は、例えば、2つの第2カバー本体23bと、第2カバー本体23bにより分割された3つの第1カバー本体23aとを含んでいる。このような補助カバー部材23は、寝具エレメント4の他方のカバー端12cを介して流通する空気の流れを阻害することなく、補助エレメント20の内部に空気を流通させることができる。
【0062】
補助カバー部材23は、補助エレメント20の一端20a側のカバー端23cと、補助エレメント20の他端20b側のカバー端23dとを含んでいる。補助カバー部材23の両方のカバー端23c、23dは、例えば、メッシュ材で形成されている。補助カバー部材23のカバー端23c、23dは、カバー部材12のカバー端12b、12cと同じ生地で形成されるのが望ましい。このような補助カバー部材23は、カバー端23c、23dの空気の流通抵抗が低減され、補助カバー部材23の内部に空気をスムーズに流通させることができる。
【0063】
補助カバー部材23は、補助エレメント20の一端20a側の第1カバー本体23aから他端20b側の第1カバー本体23aまで延びる補助開口部形成手段23eを有するのが望ましい。補助開口部形成手段23eとしては、開口部形成手段12dと同様、例えば、線ファスナ、面ファスナ等が挙げられる。このような補助カバー部材23は、補助開口部形成手段23eから補助クッション部材21、補助メッシュ部材22等を出し入れ自在であり、補助カバー部材23を洗濯するときに容易に着脱することができる。
【0064】
なお、図示は省略されるが、補助メッシュ部材22が、補助カバー部材23と同様、例えば、開口部形成手段を有していてもよい。このような補助メッシュ部材22は、補助クッション部材21との組付けが容易であり、製造コストを低減することができる。
【0065】
本実施形態の補助エレメント20は、寝具エレメント4に着脱自在に接続されている。補助エレメント20は、寝具エレメント4の接続部材16が巻き付けられることで、寝具エレメント4に接続されるのが望ましい。このような補助エレメント20は、寝具エレメント4の接続位置を容易に変更することができ、使用者の体型や好みに応じて調整することができる。
【0066】
補助エレメント20には、寝具エレメント4の接続部材16が挿通される接続部材押え25が設けられている。このような接続部材押え25は、寝具エレメント4の位置が過度に移動することを抑制することができる。また、この接続部材押え25は、その範囲内で寝具エレメント4の位置を移動させることができ、使用者の体型や好みに応じて調整することができる。
【0067】
図9は、他の使用形態の寝具1の斜視図である。図9に示されるように、本実施形態の寝具1は、1つの寝具エレメント4と、1つの補助エレメント20とを有する寝具本体2として使用することができる。このような寝具1は、使用者の体型や好みに応じて調整することができる。なお、寝具1は、例えば、図6に示されるように、1つの寝具エレメント4のみで使用されてもよい。
【0068】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【符号の説明】
【0069】
1 寝具
2 寝具本体
3 送風機
4 寝具エレメント
4a 一方の端部
5 下側平面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9