(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022074916
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】発電素子、制御システム、発電装置、電子機器及び発電方法
(51)【国際特許分類】
H01L 37/00 20060101AFI20220511BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H01L37/00
H02N11/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185347
(22)【出願日】2020-11-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】516230102
【氏名又は名称】株式会社GCEインスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】後藤 博史
(57)【要約】
【課題】発電効率を向上させることができる発電素子、制御システム、発電装置、電子機器及び発電方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの素子10と、熱源60、及び前記素子10に接して設けられ、前記素子10と電気的に離間した熱伝導部20と、を備え、前記素子10は、それぞれ仕事関数の異なる一対の電極12a、12bと、前記一対の電極12a、12bの間に設けられ、前記熱伝導部20と離間する中間部14と、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、
少なくとも1つの素子と、
前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、
を備え、
前記素子は、
それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、
前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、
を含むこと
を特徴とする発電素子。
【請求項2】
複数の前記素子を積層した積層体を備え、
前記熱伝導部は、前記積層体の側面に接して設けられること
を特徴とする請求項1記載の発電素子。
【請求項3】
前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板を含み、
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の基板の熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項1又は2記載の発電素子。
【請求項4】
前記素子は、
前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、
前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、
を含み、
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項1記載の発電素子。
【請求項5】
前記熱伝導部は、前記支持部に接して設けられること
を特徴とする請求項4記載の発電素子。
【請求項6】
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項1~5のうち何れか1項記載の発電素子。
【請求項7】
前記熱伝導部は、積層された一対の前記素子の間に挟まれた熱伝導層を含むこと
を特徴とする請求項2記載の発電素子。
【請求項8】
前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部を備えること
を特徴とする請求項1~7のうち何れか1項記載の発電素子。
【請求項9】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記発電素子の発電量を計測する計測部と、
前記計測部の計測結果に基づき、前記熱源から放出される熱量を制御する制御部と、を備えること
を特徴とする制御システム。
【請求項10】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記一対の電極と電気的に接続された一対の配線と、
を備えることを特徴とする発電装置。
【請求項11】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記発電素子を電源に用いて駆動させることが可能な電子部品と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子が、前記熱源から発生した熱を利用して発電すること
を特徴とする発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子、制御システム、発電装置、電子機器及び発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、熱エネルギーを利用して電気エネルギーを生成する発電素子の開発が盛んに行われている。特に、電極の有する仕事関数の差分を利用した電気エネルギーの生成に関し、例えば特許文献1、2に開示された熱電素子等が提案されている。このような熱電素子は、電極に与える温度差を利用して電気エネルギーを生成する構成に比べて、様々な用途への利用が期待されている。
【0003】
特許文献1には、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子であって、第1主面を有する第1基板、及び第1主面上に設けられた第1電極部を有する第1筐体部と、第1主面と第1方向に対向する第2主面を有する第2基板、及び第2主面上に設けられ、第1電極部と離間し、第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部を有する第2筐体部と、第1電極部と、第2電極部との間に設けられ、第1電極部の仕事関数と、第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、を備え、第1主面は、第1電極部と接し、第2筐体部と離間する第1離間面と、第1離間面と連続して設けられ、第1電極部と離間し、第2筐体部と接する第1接合面と、を有し、第2主面は、第2電極部と接し、第1筐体部と離間する第2離間面と、第2離間面と連続して設けられ、第2電極部と離間し、第1筐体部と接する第2接合面と、を有し、第1方向から見て、中間部は、第1接合面及び第2接合面によって囲まれ、第1接合面は、第2接合面と接する第1基板接合面と、第2電極部と接する第1電極接合面と、を有し、第2接合面は、第1基板接合面と接する第2基板接合面と、第1電極部と接する第2電極接合面と、を有する発電素子が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ゼーベック発電素子の熱伝導を抑制するため、素子の電気及び熱の伝導路を線状にする、又は素子の電気及び熱の伝導路にくびれを設けることで、熱伝導路を狭くすること、及び素子の周りを断熱材で覆うことを第一の特徴とし、発電総量を増加するため、ゼーベック発電素子を複数積層し、多層化による直列配置したゼーベック発電素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6598339号公報
【特許文献2】特開2018-182272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、熱電子の放出量を決める因子として、電極の温度がある。この温度をより高く維持するには、電極が設けられる発電素子全体の温度を高くすることが求められる。しかしながら、発電素子は電極を含む複数の部材により構成されており、熱源からの熱が各部材に順次伝達される際、熱源に近い部材と遠い部材とでは、同じ温度になるまでに時間差が生じてしまう。即ち、発電素子全体が均一な温度になるまで長時間を要する。このため、発電素子全体の温度が均一になるまでの間、発電効率が低下する点が、懸念として挙げられる。この点、特許文献1、2の開示技術においても、上述した懸念点があげられる。このため、発電効率の向上が求められていた。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、発電効率を向上させることができる発電素子、制御システム、発電装置、電子機器及び発電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る発電素子は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、少なくとも1つの素子と、前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、を備え、前記素子は、それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る発電素子は、第1発明において、複数の前記素子を積層した積層体を備え、前記熱伝導部は、前記積層体の側面に接して設けられることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る発電素子は、第1発明又は第2発明において、前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板を含み、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の基板の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る発電素子は、第1発明において、前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、を含み、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る発電素子は、第4発明において、前記熱伝導部は、前記支持部に接して設けられることを特徴とする。
【0013】
第6発明に係る発電素子は、第1発明~第5発明の何れかにおいて、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【0014】
第7発明に係る発電素子は、第2発明において、前記熱伝導部は、積層された一対の前記素子の間に挟まれた熱伝導層を含むことを特徴とする。
【0015】
第8発明に係る発電素子は、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部を備えることを特徴とする。
【0016】
第9発明に係る制御システムは、第1発明~第8発明の何れかの発電素子と、前記発電素子の発電量を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づき、前記熱源から放出される熱量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
第10発明に係る発電装置は、第1発明~第8発明の何れかの発電素子と、前記一対の電極と電気的に接続された一対の配線と、を備えることを特徴とする。
【0018】
第11発明に係る電子機器は、第1発明~第8発明の何れかの発電素子と、前記発電素子を電源に用いて駆動させることが可能な電子部品と、を備えることを特徴とする。
【0019】
第12発明に係る発電方法は、第1発明~第8発明の何れかの発電素子が、前記熱源から発生した熱を利用して発電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明~第8発明によれば、熱伝導部は、熱源及び素子に接して設けられる。このため、熱源からの熱が、熱伝導部を介して発電素子の各部材に順次伝達され易くなり、熱源に近い部材と遠い部材とが同じ温度になるまでの時間を、短くすることができる。これにより、発電効率を向上させることができる。
【0021】
特に第2発明によれば、熱伝導部は、積層体の側面に接して設けられる。このため、熱源からの熱を、熱伝導部を介して積層体全体に伝達させ易くすることができる。これにより、熱源からの距離が異なる複数の素子を用いた場合であっても、各素子の温度差を抑制でき、発電効率の更なる向上を図ることが可能となる。
【0022】
特に第3発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、一対の基板の熱伝導率よりも高い。このため、一対の基板から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【0023】
特に第4発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、支持部の熱伝導率よりも高い。このため、支持部から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【0024】
特に第5発明によれば、熱伝導部は、支持部に接して設けられる。このため、熱源からの熱は、支持部を介して電極に伝達され易くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【0025】
特に第6発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高い。このため、電極から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【0026】
特に第7発明によれば、熱伝導部は、積層された一対の素子の間に挟まれた熱伝導層を含む。このため、熱源からの熱は、熱伝導部及び熱伝導層を介して、一対の素子の間に伝達され易くなる。これにより、発電素子の発電効率を更に向上させることができる。
【0027】
特に第8発明によれば、断熱部は、熱源に接し、熱伝導部及び素子を覆う。このため、熱源からの熱が、素子内に伝達されたあと、素子内から外部に放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【0028】
第9発明によれば、制御システムは、第1発明から第8発明の発電素子を備え、発電素子の発電量を計測する計測部と、計測部の計測結果に基づき、熱源から放出される熱量を制御する制御部とを備える。このため、発電素子の発電量に応じて熱源から放出される熱量を制御することができる。これにより、熱源の状態に適した制御を容易に実現することが可能となる。
【0029】
第10発明によれば、発電効率を改善した発電装置を実現することが可能となる。
【0030】
第11発明によれば、発電効率を改善した電子機器を実現することが可能となる。
【0031】
第12発明によれば、発電効率を改善した発電素子を用いた発電方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1(a)は、第1実施形態における発電素子及び発電装置の一例を示す模式断面図であり、
図1(b)は、発電素子及び発電装置の模式平面図である。
【
図2】
図2は、中間部の一例を示す模式断面図である。
【
図3】
図3(a)は、第1実施形態における発電素子の第1変形例を示す模式断面図であり、
図3(b)は、第1実施形態における発電素子の第2変形例を示す模式断面図である。
【
図4】
図4(a)は、第2実施形態における発電素子の一例を示す模式断面図であり、
図4(b)は、第2実施形態における発電素子の第1変形例を示す模式断面図である。
【
図5】
図5(a)は、第3実施形態における制御システムの一例を示すブロック図であり、
図5(b)は、第3実施形態における制御システムの第1変形例を示すブロック図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、発電素子を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図であり、
図6(e)~
図6(h)は、発電素子を含む発電装置を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態としての発電素子、制御システム、発電装置、電子機器及び発電方法それぞれの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、発電素子の高さ方向を第1方向Zとし、第1方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Xとし、第1方向Z及び第2方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Yとする。また、各図における構成は、説明のため模式的に記載されており、例えば各構成の大きさや、構成毎における大きさの対比等については、図とは異なってもよい。
【0034】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態における発電素子1、発電装置100の一例を示す模式図であり、
図1(b)は、
図1(a)の模式平面図である。
図1(a)に示すように、発電装置100は、発電素子1と、第1配線101と、第2配線102とを備える。発電素子1は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。このような発電素子1を備えた発電装置100は、例えば、熱源60に搭載又は設置され、熱源60の熱エネルギーを元として、発電素子1が発生させた電気エネルギーを、第1配線101及び第2配線102を介して負荷Rへ出力する。負荷Rは、例えば充電可能な電池を含む電気的な機器を示している。負荷Rの一端は第1配線101と電気的に接続され、他端は第2配線102と電気的に接続される。負荷Rは、発電装置100を主電源又は補助電源に用いて駆動される。
【0035】
熱源60としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子デバイス又は電子部品、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、自動車等のエンジン、工場の生産設備、人体、太陽光、及び環境温度等を利用することができる。例えば、電子デバイス、電子部品、発光素子、エンジン、及び生産設備等は人工熱源である。人体、太陽光、及び環境温度等は自然熱源である。発電素子1を備えた発電装置100は、例えばIoT(Internet of Things)デバイス及びウェアラブル機器等のモバイル機器や自立型センサ端末の内部に設けることができ、電池の代替又は補助として用いることができる。さらに、発電装置100は、太陽光発電等のような、より大型の発電装置への応用も可能である。
【0036】
<発電素子1>
発電素子1は、熱源60から発生する熱を利用して発電する。発電素子1は、発電装置100内に設けるだけでなく、発電素子1自体を、上記工場における排熱パイプの側面や、モバイル機器の内部等に設けることもできる。この場合、発電素子1自体が、上記モバイル機器又は上記自立型センサ端末等の、電池の代替部品又は補助部品となる。発電素子1は、電気自動車のバッテリや電装系装置に用いられてもよい。
【0037】
発電素子1は、少なくとも1つの素子10と、熱伝導部20とを備える。素子10は、一対の電極部12と、中間部14とを含む。なお、素子10は、一対の基板11及び支持部13を含んでもよい。
【0038】
<基板11>
基板11は、第1基板11aと、第2基板11bとを有する。一対の第1基板11aと、第2基板11bは、一対の電極部12を挟んで設けられる。第1基板11aは、第1方向Zと交わる第1主面11af及び第1積層面11asを有する。第1主面11afは、第1基板11aにおいて、第2基板11b側に位置する。第2基板11bは、第1方向Zと交わる第2主面11bf及び第2積層面11bsを有する。第2主面11bfは、第2基板11bにおいて、第1基板11a側に位置する。なお、以下の説明では、第1方向Zにおいて第2基板11bが第1基板11aよりも下方側にある、即ち、第1基板11aは第2基板11bよりも熱源60から離間して配置されていることとする。
【0039】
基板11の材料としては、絶縁性を有する板状の材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、パイレックス(登録商標)等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。なお、基板11には、ステンレス(SUS)、タングステン、アルミニウム等の導電性を有する金属材料、Si、GaN等の導電性を有する半導体の他、カーボン系材料や導電性高分子材料を用いてもよい。基板11の形状は、正方形、長方形、その他、円盤状であってもよい。また、基板11は、絶縁性の材料、半導体材料、金属材料が混合された構成であってもよい。なお、基板11が導電性を有する場合、基板11は、熱伝導部20と電気的に離間させることで、素子10から熱源60への導通を防ぐことができる。
【0040】
なお、基板11は半導体であり、第1主面11af及び第2主面11bfの少なくとも何れかに設けられた縮退部と、非縮退部とを有してもよい。このため、第1電極部12a等と配線等の他の構成との接触抵抗を低減させることができる。これにより、発電素子1全体の抵抗の増加を抑制することが可能となる。
【0041】
<第1電極部12a、第2電極部12b>
電極部12は、仕事関数の異なる一対の第1電極部12a、第2電極部12bを有する。第1電極部12aは、第1主面11af上に接して設けられる。第1電極部12aは、第2基板11bと離間する。第2電極部12bは、第2主面11bf上に接して設けられる。第2電極部12bは、第1基板11a及び第1電極部12aと離間して対向する。第2電極部12bは、第1電極部12aとは異なる仕事関数を有する。
【0042】
第1電極部12aは、例えば第1基板11aに挿通された図示しない配線を介して第2配線102と電気的に接続される。第2電極部12bは、例えば図示しない第2基板11bに挿通された配線を介して第1配線101と電気的に接続される。また、図示しない配線の配置箇所等は、任意である。
【0043】
発電素子1では、第1電極部12aと第2電極部12bから熱電子が放出される。発電素子1は、仕事関数差を有する第1電極部12aあるいは第2電極部12bからの熱電子放出を利用しており、絶対温度が高いほど電子の量が増加する。
【0044】
第1電極部12aの材料、及び第2電極部12bの材料は、例えば、以下に示す金属から選ぶことができる。
白金(Pt)
タングステン(W)
アルミニウム(Al)
チタン(Ti)
ニオブ(Nb)
モリブデン(Mo)
タンタル(Ta)
レニウム(Re)
発電素子1では、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に仕事関数差が生じればよい。したがって、第1電極部12a及び第2電極部12bの材料には、上記以外の金属を選ぶことが可能である。第1電極部12a及び第2電極部12bの材料として、金属のほか、合金、金属間化合物、及び金属化合物を選ぶことも可能である。金属化合物は、金属元素と非金属元素とが化合したものである。このような金属化合物の例としては、例えば六ホウ化ランタン(LaB6)を挙げることができる。
【0045】
<支持部13>
支持部13は、一対の基板である第1基板11a及び第2基板11b、又は一対の電極である第1電極部12a、第2電極部12bの間に接して設けられる。支持部13は、例えば第1主面11af及び第2主面11bfと連接する。支持部13は、例えば第2方向Xにおいて第1電極部12a及び第2電極部12bと接しているが、第1電極部12a及び第2電極部12bと離間してもよい。
【0046】
なお、支持部13は、基板11の一部が酸化したものであってもよい。具体的には、シリコンより構成された基板11を酸化させて形成されたシリコン酸化膜の一部を支持部13としてもよい。この場合、新たに支持部13を形成する場合に比べて、支持部13の高さを高精度に制御することができ、電極間ギャップGの大きさを高精度に設定することができる。これにより、発電効率の安定化を図ることが可能となる。
【0047】
支持部13の材料としては、絶縁性を有する材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、シリコン酸化膜、石英等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。上記のほか、支持部13は、例えば、フレキシブルなフィルム状でもよく、PET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。
【0048】
<中間部14>
図2は、中間部14の一例を示す模式断面図である。
図1(a)に示すように、中間部14は、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に設けられ、熱伝導部20と離間する。中間部14は、第1電極部12aの仕事関数と第2電極部12bの仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子141を含む。
【0049】
第1電極部12aと第2電極部12bとの間には、第1方向Zに沿って電極間ギャップGが設定される。発電素子1では、電極間ギャップGは、支持部13の第1方向Zに沿った厚さによって設定される。電極間ギャップGの幅の一例は、例えば、10μm以下の有限値である。電極間ギャップGの幅は狭いほど、発電素子1の発電効率が向上する。また、電極間ギャップGの幅は狭いほど、発電素子1の第1方向Zに沿った厚さを薄くできる。このため、例えば、電極間ギャップGの幅は狭い方がよい。電極間ギャップGの幅は、例えば、10nm以上1μm以下であることがより好ましい。なお、電極間ギャップGの幅と、支持部13の、第1方向Zに沿った厚さとは、ほぼ等価である。
【0050】
中間部14は、例えば、複数のナノ粒子141と、溶媒142と、を含む。複数のナノ粒子141は、溶媒142内に分散されている。中間部14は、例えば、ナノ粒子141が分散された溶媒142を、ギャップ部140内に充填することで得られる。ナノ粒子141の粒子径は、電極間ギャップGよりも小さい。ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップGの1/5以下の有限値とされる。ナノ粒子141の粒子径を、電極間ギャップGの1/5以下とすると、ギャップ部140内に、ナノ粒子141を含む中間部14を形成しやすくなる。これにより、発電素子1の生産に際し、作業性が向上する。
【0051】
ナノ粒子141は、例えば導電物を含む。ナノ粒子141の仕事関数の値は、例えば、第1電極部12aの仕事関数の値と、第2電極部12bの仕事関数の値との間にあるが、第1電極部12aの仕事関数の値と第2電極部12bの仕事関数の値との間に無くてもよい。例えば、ナノ粒子141の仕事関数の値は、3.0eV以上5.5eV以下の範囲とされる。これにより、中間部14内にナノ粒子141がない場合に比較して、電気エネルギーの発生量を、さらに増加させることが可能となる。
【0052】
ナノ粒子141の材料の例としては、金あるいは金の合金の少なくとも1つを選ぶことができる。なお、ナノ粒子141の材料には、金及び銀以外の導電性材料を選ぶことも可能である。
【0053】
ナノ粒子141の粒子径は、例えば、2nm以上10nm以下である。また、ナノ粒子141は、例えば、平均粒径(例えばD50)3nm以上8nm以下の粒子径を有してもよい。平均粒径は、例えば粒度分布計測器を用いることで、測定することができる。粒度分布計測器としては、例えば、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)を用いればよい。
【0054】
ナノ粒子141は、その表面に、例えば絶縁膜141aを有する。絶縁膜141aの材料の例としては、絶縁性金属化合物及び絶縁性有機化合物の少なくとも1つを選ぶことができる。絶縁性金属化合物の例としては、例えば、シリコン酸化物及びアルミナ等を挙げることができる。絶縁性有機化合物の例としては、アルカンチオール(例えばドデカンチオール)等を挙げることができる。絶縁膜141aの厚さは、例えば20nm以下の有限値である。このような絶縁膜141aをナノ粒子141の表面に設けておくと、電子eは、例えば、第1電極部12aとナノ粒子141との間、並びにナノ粒子141と第2電極部12bとの間を、トンネル効果やホッピング伝導を利用して移動できる。このため、例えば、発電素子1の発電効率の向上が期待できる。
【0055】
溶媒142には、例えば、沸点が60℃以上の液体を用いることができる。このため、室温(例えば15℃~35℃)以上の環境下において、発電素子1を用いた場合であっても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う発電素子1の劣化を抑制することができる。液体の例としては、有機溶媒及び水の少なくとも1つを選ぶことができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、テトラデカン、及びアルカンチオール等を挙げることができる。なお、溶媒142は、電気的抵抗値が高く、絶縁性である液体がよい。
【0056】
なお、中間部14は、溶媒142を含まず、ナノ粒子141のみを含むようにしてもよい。中間部14が、ナノ粒子141のみを含むことで、例えば、発電素子1を、高温環境下で用いる場合であっても、溶媒142の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温環境下における発電素子1の劣化を抑制することが可能となる。また、中間部14は、例えば溶媒142の代わりに、ナノ粒子141を支持する絶縁体を含んでもよい。
【0057】
<熱伝導部20>
熱伝導部20は、
図1(a)に示すように、熱源60及び素子10に接して設けられ、素子10と電気的に離間する。熱伝導部20は、例えば熱源60上に配置され、第1方向Z及び第2方向Xに延在する板状の部材である。
【0058】
熱伝導部20の高さ(第1方向Zにおける高さ)は、例えば第2基板11bの高さ以下であってもよい。即ち、少なくとも第2基板11bの第1方向Zに延びる面の少なくとも一部が熱伝導部20に接していればよい。この場合、熱源60からの熱は熱伝導部20を介して第2基板11bに伝達される。即ち、第2基板11bには、熱源60と接する面に加え、熱伝導部20と接する面から熱が伝達される。このため、熱伝導部20を設けない場合に比べ、素子10に伝達される熱量を増加させることができる。これにより、発電素子1の発電効率を向上させることができる。
【0059】
熱伝導部20の高さは、例えば第2基板の高さよりも高く、第1基板11aの高さ以下であってもよい。即ち、少なくとも第1基板11aの第1方向Zに延びる面の少なくとも一部が熱伝導部20に接していればよい。この場合、熱伝導部20は、第1基板11a及び第2基板11bに接しており、熱源60からの熱は熱伝導部20を介して第1基板11a及び第2基板11bに伝達される。このため、熱伝導部20が第2基板11bのみに接している場合と比較して熱伝導部20と素子10の接触面積が大きくなる。また、熱源60と離間した部材に対し、熱源60から発生した熱を伝達し易くすることができる。これにより、発電素子1の発電効率をさらに向上させることができる。
【0060】
熱伝導部20は、第1方向Zにおいて第1基板11aを超えて設けられてもよい。即ち、熱伝導部20は、第1方向Z全体に亘って接してもよい。このため、熱源60からの熱は、熱伝導部20を介して第2基板11b、第1基板11aへと順次伝達される。これにより、発電素子1の発電効率をさらに向上させることができる。
【0061】
なお、素子10の片側のみが熱伝導部20に接してもよく、
図1(a)に示すように、素子10の両側が熱伝導部20に接してもよい。熱伝導部20が複数設けられる場合には、各熱伝導部20の高さは異なっていてもよい。更に、熱伝導部20は、素子10の周囲全体に接してもよく、第1積層面11asを覆うように素子10上に接して配置されてもよい。素子10熱伝導部20との接触面積が増加すればするほど熱源60からの熱が素子10に伝わり易くなるため、発電素子1の発電効率をさらに向上させることができる。
【0062】
また、
図1(b)に示すように、素子10(基板11)の一部が第3方向Yに沿って熱伝導部20と接してもよく、素子10(基板11)の全体が第3方向Yに沿って熱伝導部20と接してもよい。発電素子1の発電効率を向上させるためには、熱伝導部20と素子10の接触面積が大きいことが望ましく、従って熱伝導部20の長さが素子10の幅以上であることが望ましい。
【0063】
熱伝導部20は、例えば支持部13に接して設けられてもよい。具体的には、
図1(a)に示すように、熱伝導部20は、支持部13の外側の面全体に接するように配置されている。熱伝導部20が支持部13に接することにより、熱源60からの熱が効率よく支持部13にも伝わるため、発電素子1の発電効率を向上させることができる。
【0064】
熱伝導部20の熱伝導率は、基板11の熱伝導率よりも高くてもよい。例えば、基板11の材料がステンレス(SUS)である場合には、熱伝導部20には基板11よりも熱伝導率の高い銅を使用する等、熱伝導部20には基板11よりも相対的にも熱伝導率の高い材料を用いればよい。これにより、このため、熱源60から発電素子1に伝わる熱が外部に放出し難くなり、発電素子1の発電効率の向上を図ることができる。
【0065】
なお、熱源60から発電素子1に伝わる熱が外部に放出し難くなるためには、熱伝導部20の熱伝導率は、支持部13の熱伝導率よりも高くてもよい。また、熱伝導部20の熱伝導率は、一対の第1電極部12a、第2電極部12bの少なくとも何れかの熱伝導率よりも高くてもよい。
【0066】
熱伝導部20は、導電性を有し、例えば金属材料により構成されている。なお、熱伝導部20は、金属材料に限定されることなく、導電率が高い材料であれば如何なる材料により構成されてもよい。導電率が高い材料とは、具体的にはASTM E1530に準拠して測定された熱伝導率が、10W/(m・k)以上の値であることが望ましい。導電率が高い材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミ等の金属材料であればよく、銅又はアルミより構成されていることが好ましい。
【0067】
図3(a)に、第1実施形態における発電素子1の第1変形例を示す。
図3(a)に示すように、基板11が第1方向Z延在するように素子10が熱源60に配置された場合、基板11は第2方向Xにおいて両側から一対の熱伝導部20に挟まれた状態で接してもよい。即ち、
図1(a)に示す状態から素子10を90度回転させて基板11が熱源60に対して立設した状態で、第1基板11a及び第2基板11bに熱伝導部20が接してもよい。この場合、熱伝導部20は、第1積層面11as及び第2積層面11bsの少なくとも一部に接するように配置される。なお、熱伝導部20は、第1積層面11as及び第2積層面11bsの全体に接するように設けられてもよく、更には素子10全体に接するように設けられてもよい。この場合、熱伝導部20が第1積層面11as及び第2積層面11bsの少なくとも一部に接している場合と比較して、より発電素子1の発電効率の向上を図ることができる。なお、基板11が立設した状態の素子10は、熱源60上に複数配置されてもよい。
【0068】
図3(b)に、第1実施形態における発電素子1の第2変形例を示す。
図3(b)に示すように、発電素子1は、複数の素子10を積層した積層体30を備え、熱伝導部20は積層体30の側面に接して設けられてもよい。熱源60には、積層体30と、その両側に熱伝導部20が設けられている。熱源60から発生した熱は、熱伝導部20を介して各素子10に順次伝達される。これにより、素子10が複数積層された場合、熱源60から離間して配置された素子10に対しても熱源60から発生する熱を効率良く伝えることができる。なお、熱伝導部20は積層体30全体に接して設けられてもよい。
【0069】
積層された10間には、熱伝導層21が設けられてもよい。
図3(b)には、積層体30のうち、最上部に位置する素子10とその下側に位置する素子10との間に熱伝導層21が設けられる例を示す。熱伝導層21は、第2方向Xにおいて熱伝導部20と接した状態で設けられている。これは、熱源60からの熱が熱伝導部20を介して確実に熱伝導層21に伝達されるようにするためである。なお、熱伝導層21は、各素子10間に設けられてもよい。
【0070】
<発電素子1の動作>
熱エネルギーが発電素子1に与えられると、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に電流が発生し、熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。第1電極部12aと第2電極部12bとの間に発生する電流量は、熱エネルギーに依存する他、第1電極部12aの仕事関数と、第2電極部12bの仕事関数との差、素子10の温度に依存する。
【0071】
発生する電流量は、例えば、第1電極部12aと第2電極部12bとの仕事関数差を大きくすること、電極間ギャップを小さくすること、素子10の絶対温度を上昇させること等により増加させることができる。
【0072】
本実施形態によれば、熱伝導部20は、熱源60及び素子10に接して設けられる。このため、熱源60からの熱が、熱伝導部20を介して発電素子1を構成する複数の部材に順次伝達され易くなり、熱源60に近い部材と遠い部材とが同じ温度になるまでの時間を短くすることができる。これにより、発電素子1の発電効率を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20は、積層体30の側面に接して設けられる。このため、熱源60からの熱を、熱伝導部20を介して積層体30全体に伝達させ易くすることができる。これにより、熱源60からの距離が異なる複数の素子10を用いた場合であっても、各素子10の温度差を抑制でき、発電効率の更なる向上を図ることが可能となる。
【0074】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20の熱伝導率は、一対の基板の熱伝導率よりも高い。このため、一対の基板から熱伝導部20側に熱が放出され難くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20の熱伝導率は、支持部の熱伝導率よりも高い。このため、支持部から熱伝導部20側に熱が放出され難くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20は、支持部に接して設けられる。このため、熱源60からの熱は、支持部を介して電極部12に伝達され易くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20の熱伝導率は、一対の電極部12(第1電極部12a及び第2電極部12b)の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高い。このため、一対の電極から熱伝導部20側に熱が放出され難くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、熱伝導部20は、積層された一対の素子10の間に挟まれた熱伝導層を含む。このため、熱源60からの熱は、熱伝導部20及び熱伝導層を介して、一対の素子10の間に伝達され易くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0079】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における発電素子1について説明する。上述した第1実施形態との違いは、素子10に断熱部40が設けられる点であり、その他の点は共通している。従って、以下の説明では、第1実施形態と異なっている点を主に説明し、共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図4は、第2実施形態における発電素子1の一例を示す模式図である。
図4(a)に示すように、素子10の全体は、断熱部40に覆われている。即ち、断熱部40は、熱源60に接し、熱伝導部20及び素子10を覆う。断熱部40の形状は、素子10を覆うことができるのであれば、如何なる形状であってもよい。なお、素子10は、一部が断熱部40に覆われていない範囲があってもよい。素子10を覆う断熱部40の面積が大きければ大きいほど、熱源60から素子10に伝達された熱が外部に放出され難いため、断熱効果が向上し、発電素子の発電効率が向上する。
【0081】
また、
図4(b)に示すように、断熱部40は、積層体30及びその側面に接して設けられる熱伝導部20を覆ってもよい。即ち、断熱部40は、熱源60に接し、熱伝導部20及び複数の素子10を積層した積層体30を覆ってもよい。なお、素子10間には熱伝導層21が配置されていてもよい。
【0082】
断熱部40は、断熱性(絶縁性)を有し、例えば樹脂により構成されている。なお、断熱部40は、これらに限定されることなく、熱伝導率が低い材料であれば如何なる材料により構成されてもよい。熱伝導率が低い材料とは、具体的にはASTM E1530に準拠して測定された熱伝導率が、10W/(m・k)以下の値であることが望ましい。熱伝導率が低い材料としては、例えば、セラミック、タイル、陶器等であればよく、ポリウレタン、ポリイミド、スチレン、塩化ビニル等の樹脂材料、ガラス、空気により構成されていることが好ましい。更に、断熱部40は、異なる素材により構成された複数層の部材により構成されてもよい。
【0083】
本実施形態によれば、断熱部40は、熱源60に接し、熱伝導部20及び素子10を覆う。このため、熱源60からの熱は、熱伝導部20及び熱伝導層21を介して、一対の素子10の間に伝達され易くなる。これにより、発電素子1の発電効率を更に向上させることができる。
【0084】
(第3実施形態)
図5は、
図5(a)は、第3実施形態における制御システムの一例を示すブロック図である。第3実施形態における制御システム70の一例を示すブロック図である。
図5(a)に示すように、制御システム70は、発電素子1と、計測部71と、制御部72とを備え、制御システム70は熱源60に接続されている。
【0085】
計測部71は、発電素子1の発電量を計測し、制御部72に計測結果である発電量の情報を出力する。計測部71は、例えば発電素子1の発電量が一定となるように、定期的に発電素子1の発電量を計測し、制御部72に発電量の情報を出力する。
【0086】
制御部72は、計測部71から受けた計測結果に基づいて、電力量制御を行う。発電素子1で発電される電力量は、熱源60からの熱量に応じて増減するため、例えば、発電素子1による発電量が不足する場合には、発電量が増加するように熱源60の熱量を増加させ、発電素子1による発電量が過剰な場合には、発電量が減少するように熱源60の熱量を減少させるように制御する。
【0087】
図5(b)は、第3実施形態における制御システムの第1変形例を示すブロック図である。
図5(b)に示すように、機器61は熱源60を有する。制御部72は、機器61を制御することにより、熱源60の熱量を減少させるように制御してもよい。この場合の機器61は、例えばパソコン等のデバイスであり、熱源60は、例えば機器61が有するCPUである。
【0088】
本実施形態によれば、制御システム70は、発電素子1を備え、発電素子1の発電量を計測する計測部71と、計測部71の計測結果に基づき、熱源60から放出される熱量を制御する制御部72とを備える。このため、発電素子1の発電量に応じて熱源60から放出される熱量を制御することができる。これにより、熱源60及び熱源60を含む機器等を適切に保護することができるとともに、熱源60から放出される熱量の制御を容易に実現することができる。
【0089】
(第4実施形態:電子機器500)
<電子機器500>
上述した発電素子1及び発電装置100は、例えば電子機器に搭載することが可能である。以下、電子機器の実施形態のいくつかを説明する。
【0090】
図6(a)~
図6(d)は、発電素子1を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。
図6(e)~
図6(h)は、発電素子1を含む発電装置100を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。
【0091】
図6(a)に示すように、電子機器500(エレクトリックプロダクト)は、電子部品501(エレクトロニックコンポーネント)と、主電源502と、補助電源503と、を備えている。電子機器500及び電子部品501のそれぞれは、電気的な機器(エレクトリカルデバイス)である。
【0092】
電子部品501は、主電源502を電源に用いて駆動される。電子部品501の例としては、例えば、CPU、モーター、センサ端末、及び照明等を挙げることができる。電子部品501が、例えばCPUである場合、電子機器500には、内蔵されたマスター(CPU)によって制御可能な電子機器が含まれる。電子部品501が、例えば、モーター、センサ端末、及び照明等の少なくとも1つを含む場合、電子機器500には、外部にあるマスター、あるいは人によって制御可能な電子機器が含まれる。なお、電子部品501の一部が熱源60として機能してもよい。
【0093】
主電源502は、例えば電池である。電池には、充電可能な電池も含まれる。主電源502のプラス端子(+)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。主電源502のマイナス端子(-)は、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。なお、電子部品501には、発電素子1が発電する電力により充電される二次電池が含まれていてもよい。
【0094】
補助電源503は、発電素子1である。発電素子1は、上述した発電素子1の少なくとも1つを含む。発電素子1のアノード(例えば第1電極部12a)は、電子部品501のGND端子(GND)、又は主電源502のマイナス端子(-)、又はGND端子(GND)とマイナス端子(-)とを接続する配線と、電気的に接続される。発電素子1のカソード(例えば第2電極部12b)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)、又は主電源502のプラス端子(+)、又はVcc端子(Vcc)とプラス端子(+)とを接続する配線と、電気的に接続される。電子機器500において、補助電源503は、例えば主電源502と併用され、主電源502をアシストするための電源や、主電源502の容量が切れた場合、主電源502をバックアップするための電源として使うことができる。主電源502が充電可能な電池である場合には、補助電源503は、さらに、電池を充電するための電源としても使うことができる。
【0095】
図6(b)に示すように、主電源502は、発電素子1とされてもよい。発電素子1のアノードは、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。発電素子1のカソードは、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。
図6(b)に示す電子機器500は、主電源502として使用される発電素子1と、発電素子1を用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を備えている。発電素子1は、独立した電源(例えばオフグリッド電源)である。このため、電子機器500は、例えば自立型(スタンドアローン型)にできる。しかも、発電素子1は、環境発電型(エナジーハーベスト型)である。
図6(b)に示す電子機器500は、電池の交換が不要である。
【0096】
図6(c)に示すように、電子部品501が発電素子1を備えていてもよい。発電素子1のアノードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のGND配線と電気的に接続される。発電素子1のカソードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のVcc配線と電気的に接続される。この場合、発電素子1は、電子部品501の、例えば補助電源503として使うことができる。
【0097】
図6(d)に示すように、電子部品501が発電素子1を備えている場合、発電素子1は、電子部品501の、例えば主電源502として使うことができる。
【0098】
図6(e)~
図6(h)のそれぞれに示すように、電子機器500は、発電装置100を備えていてもよい。発電装置100は、電気エネルギーの源として発電素子1を含む。
【0099】
図6(d)に示した実施形態は、電子部品501が主電源502として使用される発電素子1を備えている。同様に、
図6(h)に示した実施形態は、電子部品501が主電源として使用される発電装置100を備えている。これらの実施形態では、電子部品501が、独立した電源を持つ。このため、電子部品501を、例えば自立型とすることができる。自立型の電子部品501は、例えば、複数の電子部品を含み、かつ、少なくとも1つの電子部品が別の電子部品と離れているような電子機器に有効に用いることができる。そのような電子機器500の例は、センサである。センサは、センサ端末(スレーブ)と、センサ端末から離れたコントローラ(マスター)と、を備えている。センサ端末及びコントローラのそれぞれは、電子部品501である。センサ端末が、発電素子1又は発電装置100を備えていれば、自立型のセンサ端末となり、有線での電力供給の必要がない。発電素子1又は発電装置100は環境発電型であるので、電池の交換も不要である。センサ端末は、電子機器500の1つと見なすこともできる。電子機器500と見なされるセンサ端末には、センサのセンサ端末に加えて、例えば、IoTワイヤレスタグ等が、さらに含まれる。
【0100】
図6(a)~
図6(h)のそれぞれに示した実施形態において共通することは、電子機器500は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子1と、発電素子1を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を含むことである。
【0101】
電子機器500は、独立した電源を備えた自律型(オートノマス型)であってもよい。自律型の電子機器の例は、例えばロボット等を挙げることができる。さらに、発電素子1又は発電装置100を備えた電子部品501は、独立した電源を備えた自律型であってもよい。自律型の電子部品の例は、例えば可動センサ端末等を挙げることができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 :発電素子
10 :素子
11 :基板
11a :第1基板
11af :第1主面
11as :第1積層面
11b :第2基板
11bf :第2主面
11bs :第2積層面
12 :電極部
12a :第1電極部
12b :第2電極部
13 :支持部
14 :中間部
20 :熱伝導部
30 :積層体
40 :断熱部
60 :熱源
140 :ギャップ部
141 :ナノ粒子
142 :溶媒
100 :発電装置
101 :第1配線
102 :第2配線
500 :電子機器
G :ギャップ
R :負荷
Z :第1方向
X :第2方向
Y :第3方向
【手続補正書】
【提出日】2021-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、
少なくとも1つの素子と、
前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、
を備え、
前記素子は、
それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、
前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、
前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、
前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、
を含み、
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高く、
前記熱伝導部は、前記支持部に接して設けられること
を特徴とする発電素子。
【請求項2】
熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、
複数の素子を積層した積層体と、
前記熱源、及び前記積層体の側面に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、
を備え、
前記素子は、
それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、
前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、
を含み、
前記熱伝導部は、積層された一対の前記素子の間に挟まれた熱伝導層を含むこと
を特徴とする発電素子。
【請求項3】
熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、
少なくとも1つの素子と、
前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、
前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部と、
を備え、
前記素子は、
それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、
前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、
を含むこと
を特徴とする発電素子。
【請求項4】
複数の前記素子を積層した積層体を備え、
前記熱伝導部は、前記積層体の側面に接して設けられること
を特徴とする請求項1又は3記載の発電素子。
【請求項5】
前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板を含み、
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の基板の熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の発電素子。
【請求項6】
前記素子は、
前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、
前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、
を含み、
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項3記載の発電素子。
【請求項7】
前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高いこと
を特徴とする請求項1~6のうち何れか1項記載の発電素子。
【請求項8】
前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部を備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の発電素子。
【請求項9】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記発電素子の発電量を計測する計測部と、
前記計測部の計測結果に基づき、前記熱源から放出される熱量を制御する制御部と、を備えること
を特徴とする制御システム。
【請求項10】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記一対の電極と電気的に接続された一対の配線と、
を備えることを特徴とする発電装置。
【請求項11】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子と、
前記発電素子を電源に用いて駆動させることが可能な電子部品と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1~8のうち何れか1項記載の発電素子が、前記熱源から発生した熱を利用して発電すること
を特徴とする発電方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第1発明に係る発電素子は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、少なくとも1つの素子と、前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、を備え、前記素子は、それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、を含み、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高く、前記熱伝導部は、前記支持部に接して設けられることを特徴とする。
第2発明に係る発電素子は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、複数の素子を積層した積層体と、前記熱源、及び前記積層体の側面に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、を備え、前記素子は、それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、を含み、前記熱伝導部は、積層された一対の前記素子の間に挟まれた熱伝導層を含むことを特徴とする。
第3発明に係る発電素子は、熱源から発生する熱を利用して発電する発電素子であって、少なくとも1つの素子と、前記熱源、及び前記素子に接して設けられ、前記素子と電気的に離間した熱伝導部と、前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部と、を備え、前記素子は、それぞれ仕事関数の異なる一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、前記熱伝導部と離間する中間部と、を含むことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第4発明に係る発電素子は、第1発明又は第3発明において、複数の前記素子を積層した積層体を備え、前記熱伝導部は、前記積層体の側面に接して設けられることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第5発明に係る発電素子は、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板を含み、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の基板の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第6発明に係る発電素子は、第3発明において、前記素子は、前記一対の電極を挟んで設けられた一対の基板と、前記一対の基板又は前記一対の電極の間に接して設けられた支持部と、を含み、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記支持部の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第7発明に係る発電素子は、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記熱伝導部の熱伝導率は、前記一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第8発明に係る発電素子は、第1発明又は第2発明において、前記熱源に接し、前記熱伝導部及び前記素子を覆う断熱部を備えることを特徴とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
特に第2発明及び第4発明によれば、熱伝導部は、積層体の側面に接して設けられる。このため、熱源からの熱を、熱伝導部を介して積層体全体に伝達させ易くすることができる。これにより、熱源からの距離が異なる複数の素子を用いた場合であっても、各素子の温度差を抑制でき、発電効率の更なる向上を図ることが可能となる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
特に第5発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、一対の基板の熱伝導率よりも高い。このため、一対の基板から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
特に第1発明及び第6発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、支持部の熱伝導率よりも高い。このため、支持部から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
特に第1発明によれば、熱伝導部は、支持部に接して設けられる。このため、熱源からの熱は、支持部を介して電極に伝達され易くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
特に第7発明によれば、熱伝導部の熱伝導率は、一対の電極の少なくとも何れかの熱伝導率よりも高い。このため、電極から熱伝導部側に熱が放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
特に第2発明によれば、熱伝導部は、積層された一対の素子の間に挟まれた熱伝導層を含む。このため、熱源からの熱は、熱伝導部及び熱伝導層を介して、一対の素子の間に伝達され易くなる。これにより、発電素子の発電効率を更に向上させることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
特に第3発明及び第8発明によれば、断熱部は、熱源に接し、熱伝導部及び素子を覆う。このため、熱源からの熱が、素子内に伝達されたあと、素子内から外部に放出され難くなる。これにより、発電効率を更に向上させることができる。