(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075010
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】健康状態管理システム及び健康状態管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220511BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220511BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220511BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20220511BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20220511BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20220511BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
G06Q50/22
G16H20/00
G06Q50/10
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185523
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】516082040
【氏名又は名称】株式会社ヴィセント
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】個々の管理対象者が自己の健康状態に留意するだけでなく、職場などの管理領域に感染症などが広がること合理的に抑えることが可能となる健康状態管理システムを提供する。
【解決手段】管理対象者Mの健康状態を監視して管理者の管理領域への入場制限を実行するための健康状態管理システム1である。
そして、管理対象者の健康状態の判定に使用される体調データの入力を行うためのスマホ2と、体調データに基づいて管理対象者の健康状態を判定する健康状態判定手段4と、判定された健康状態に基づいて管理領域への入場の可否を判定する入場判定手段5とを備えている。ここで、入場の可否を判定する判定基準は、健康状態判定手段又は入場判定手段によって調整することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象者の健康状態を監視して管理者の管理領域への入場制限を実行するための健康状態管理システムであって、
前記管理対象者の健康状態の判定に使用される体調データの入力を行うための健康データ入力手段と、
前記体調データに基づいて前記管理対象者の健康状態を判定する健康状態判定手段と、
判定された前記健康状態に基づいて前記管理領域への入場の可否を判定する入場判定手段とを備え、
入場の可否を判定する判定基準は、前記健康状態判定手段又は前記入場判定手段によって調整可能であることを特徴とする健康状態管理システム。
【請求項2】
前記健康データ入力手段に入力される前記体調データは複数の項目が設定されていて、前記健康状態判定手段では、複数の項目の前記体調データに基づいてスコアを算出することを特徴とする請求項1に記載の健康状態管理システム。
【請求項3】
前記スコアの算出に、前記管理者が設定した項目も使用されることを特徴とする請求項2に記載の健康状態管理システム。
【請求項4】
前記体調データには、体温並びに咳、息切れ、痰、味覚障害及び嗅覚障害の少なくとも1つの症状が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の健康状態管理システム。
【請求項5】
前記健康データ入力手段は、前記管理対象者が携行する携帯端末であって、
前記携帯端末による前記健康状態判定手段の判定結果に関する出力によって、前記管理領域への入場を制御するゲート装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の健康状態管理システム。
【請求項6】
管理対象者の健康状態を管理するための健康状態管理プログラムであって、
前記管理対象者が健康状態の判定に使用される複数の項目の体調データの入力を行う手順と、
複数の項目の前記体調データに基づいてスコアを算出する手順と、
前記スコアに基づいて前記管理対象者の健康状態を判定する手順と、
前記スコア及び前記管理対象者の健康状態の判定結果を出力する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする健康状態管理プログラム。
【請求項7】
前記スコアとともに、管理者の管理領域への入場が可能になる残日数を表示させる手順を備えたことを特徴とする請求項6に記載の健康状態管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象者の健康状態を監視して管理者の管理領域への入場制限を実行するための健康状態管理システム及び健康状態管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から人々の健康に対する関心は高く、特許文献1に開示されているように、医療分野において個別化医療が注目されるようになってきた。この特許文献1に記載された健康状態判定方法では、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映させて、対象者ごとに異なる個体内変動を高い精度で捉えるために、健康状態のスコアリングを行っている。
【0003】
また、特許文献2には、老人福祉施設などの利用者に対して、日々の健康状態に適した訓練内容や介護内容を提供することができる健康状態管理装置が開示されている。この健康状態管理装置では、利用者ごとにリストバンド型デバイスを装着させ、そこから送信される心身機能状態情報に基づいて、利用者ごとに運動メニューを含む訓練介護の内容を決定する。
【0004】
一方において、2020年初めから世界に広がり始めた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、猛烈な勢いで世界中に拡散し、人々の生命や生活を脅かす存在になった。このような事態に至って、改めて感染症に対する恐怖が人々の間で広まっている。
【0005】
感染症は、感染した患者だけが治療や療養に努めればよいものではなく、感染していない人々も、感染を広げないための努力が、日常生活において求められる。そして、職場や公共の施設などで感染が広がってクラスターが発生すれば、たちまち企業活動等が制限されることになり、活動の中止や存続の危機にも及ぶおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6719799号公報
【特許文献2】特開2017-168056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、職場などの管理領域への入場の可否は、一律に決められるものではない。入場制限を厳しくすれば感染の広がりを抑えることはできるが、その時点で企業活動等が制限されることになる。例えば、屋外作業を少ない人数で分散して行うような職場では、感染症は広がりにくい。一方において、感染した場合に生命の危機に直結する可能性が高い者が多く滞在する管理領域への入場は、厳しく制限する必要がある。
【0008】
そこで本発明は、個々の管理対象者が自己の健康状態に留意するだけでなく、職場などの管理領域に感染症などが広がること合理的に抑えることが可能となる健康状態管理システム及び健康状態管理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の健康状態管理システムは、管理対象者の健康状態を監視して管理者の管理領域への入場制限を実行するための健康状態管理システムであって、前記管理対象者の健康状態の判定に使用される体調データの入力を行うための健康データ入力手段と、前記体調データに基づいて前記管理対象者の健康状態を判定する健康状態判定手段と、判定された前記健康状態に基づいて前記管理領域への入場の可否を判定する入場判定手段とを備え、入場の可否を判定する判定基準は、前記健康状態判定手段又は前記入場判定手段によって調整可能であることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記健康データ入力手段に入力される前記体調データは複数の項目が設定されていて、前記健康状態判定手段では、複数の項目の前記体調データに基づいてスコアを算出する構成とすることができる。さらに、前記スコアの算出に、前記管理者が設定した項目も使用することができる。
【0011】
また、前記体調データには、体温並びに咳、息切れ、痰、味覚障害及び嗅覚障害の少なくとも1つの症状が含まれる構成とすることができる。さらに、前記健康データ入力手段は、前記管理対象者が携行する携帯端末であって、前記携帯端末による前記健康状態判定手段の判定結果に関する出力によって、前記管理領域への入場を制御するゲート装置を備えた構成とすることもできる。
【0012】
また、健康状態管理プログラムの発明は、管理対象者の健康状態を管理するための健康状態管理プログラムであって、前記管理対象者が健康状態の判定に使用される複数の項目の体調データの入力を行う手順と、複数の項目の前記体調データに基づいてスコアを算出する手順と、前記スコアに基づいて前記管理対象者の健康状態を判定する手順と、前記スコア及び前記管理対象者の健康状態の判定結果を出力する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
ここで、前記スコアとともに、管理者の管理領域への入場が可能になる残日数を表示させる手順を備えた構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された本発明の健康状態管理システムは、管理者の管理領域への入場を希望する管理対象者の健康状態が、健康データ入力手段に入力された体調データに基づいて、健康状態判定手段により判定される。一方、管理対象者の健康状態に応じて、管理領域に入場させるか否かの判定基準を、健康状態判定手段又は入場判定手段によって調整することができる。
【0014】
このため、個々の管理対象者は自己の健康状態に関心が高まり、常に留意することができるようになる。また、職場などの管理領域では、職種や規模や職場環境などに応じて、感染症などが広がることを合理的に抑えることができる。
【0015】
また、体調データに関する複数の項目を使って健康状態を判定するのであれば、判定精度を向上させることができるうえに、スコアを算出することで、健康状態を容易に理解することができるようになる。スコアの算出に利用される項目に、職場環境など管理者が設定する項目も含めることで、より合理的なスコアを算出することができるようになる。
【0016】
さらに、管理領域への入場口にゲート装置を設け、管理対象者が携行する携帯端末の出力によって入場を禁止できるようにすれば、健康状態が芳しくない管理対象者の入場を物理的に防ぐことができる。
【0017】
また、管理対象者の携帯端末などに健康状態を管理するための健康状態管理プログラムがインストールされていれば、管理対象者は、任意のタイミングで自分の健康状態を簡単に確認することができるようになる。
【0018】
さらに、管理者の管理領域への入場が可能になる残日数が表示されるようになっていれば、管理対象者は先の見通しが立てやすくなるうえに、治療や療養に安心して専念することもできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態の健康状態管理システムの構成を説明するブロック図である。
【
図2】管理対象者が携行するスマホの平常時の表示画面の一例である。
【
図3】管理対象者が携行するスマホの感染時の表示画面の一例である。
【
図4】管理対象者が携行するスマホの感染後の表示画面の一例である。
【
図5】管理対象者が携行するスマホの証明コードの表示画面の一例である。
【
図6】スマホを利用した入場ゲートの動作を説明する図であって、(a)は入場が許可される場合の概念図、(b)は入場が禁止される場合の概念図である。
【
図7】体調データを入力する際のスマホの表示画面を説明する図であって、(a)は初期画面、(b)は詳細項目の入力画面である。
【
図9】健康状態が軽微な不良時の表示画面の一例である。
【
図10】健康状態が不良時の表示画面の一例である。
【
図11】感染の可能性が高いときの表示画面の一例である。
【
図12】健康状態の登録が完了したときの表示画面の一例である。
【
図13】登録したデータと健康状態を確認する際の説明図であって、(a)は良好時の表示画面の一例、(b)は不良時の表示画面の一例である。
【
図14】管理対象者が携行するスマホに通知される通知一覧を例示した説明図である。
【
図16】管理者端末の表示機能を説明するために一部を拡大して示した説明図である。
【
図17】管理者端末に表示されるスコアを説明するために一部を拡大して示した説明図である。
【
図18】管理者端末の社員一覧の表示画面の一例である。
【
図19】管理者端末の社員に関する表示機能を説明するために一部を拡大して示した説明図である。
【
図20】管理者端末の社員に関する表示機能を説明するために一部を拡大して示した説明図である。
【
図21】管理者端末におけるスコアの設定に関する表示画面の一例である。
【
図22】スコアの設定に関する詳細を説明するために一部を拡大して示した説明図である。
【
図23】会社の設定に関する説明をするための表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の健康状態管理システム1の構成を説明するためのブロック図である。
【0021】
本実施の形態の健康状態管理システム1は、管理対象者Mの健康状態を監視して管理者の管理領域への入場制限を実行するためのシステムである。ここで、管理者の管理領域には、職場、学校、公共の施設、店舗、ショッピングモール、商店街など、人が出入りする空間で、管理者による管理が可能な領域のすべてが該当する。
【0022】
一方、管理対象者Mは、管理領域に出入りする者であれば該当者にすることができる。例えば職場が管理領域となる場合は、社員だけでなく、非正規労働者、パートやアルバイト、出入りする業者なども管理対象者Mにすることができる。どこまでを管理対象者Mにするかは、管理者が任意に設定することができる。
【0023】
本実施の形態の健康状態管理システム1は、
図1に示すように、管理対象者Mが体調データの入力を行うための健康データ入力手段(2)と、入力された体調データに基づいて管理対象者Mの健康状態を判定する健康状態判定手段4と、判定された健康状態に基づいて管理領域への入場の可否を判定する入場判定手段5と、管理対象者Mの管理領域への入場を制御するゲート装置(6)とによって、主に構成される。
【0024】
管理対象者Mが体調データの入力を行うための健康データ入力手段としては、例えば管理対象者Mが携行する通信端末(携帯端末)となるスマートフォン(スマホ2)が該当する。管理対象者Mが体調データの入力を行うための健康データ入力手段は、スマホ2に限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートパソコン、タブレット端末、ウェアラブル端末などであってもよい。
【0025】
一方、管理対象者Mが入力する体調データの項目としては、体温、咳、息切れ、痰、味覚障害、嗅覚障害などが挙げられる。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を想定した体調データの項目であるが、想定対象とする感染症の種類によって、任意に項目を設定することができる。
【0026】
例えば、体温であれば、管理対象者Mが体温計21で測定して、その測定結果をスマホ2に入力することができる。また、ウェアラブル端末で体温を常時、測定している場合は、定期的にスマホ2に送信させることで入力を行うことができる。
【0027】
管理対象者Mのスマホ2は、インターネットなどのネットワークNを介して健康状態判定手段4を備えたサーバなどに接続される。ネットワークNは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wi-Fi)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などの一部又は全部によって構成される。
【0028】
健康状態判定手段4は、上述した体調データの項目などを設定する項目設定部41と、管理対象者Mの健康状態の判定に使用されるスコアを算出するスコア算出部42と、管理対象者Mの健康状態を判定する健康状態判定部43とによって主に構成される。
【0029】
項目設定部41では、管理対象者Mの体調データに関する項目の他に、管理領域の特性に合った項目も設定することができる。例えば職場が管理領域であれば、業種、職種、就業環境(屋内、屋外)、延べ面積などを項目として設定することができる。詳細については、具体例を示しながら後述する。
【0030】
スコア算出部42では、管理対象者Mの体調データや管理者により設定された項目の入力データに基づいて、管理対象者Mの現在の健康状態を表す基準となるスコアを算出する。例えば、体温であれば37.5℃以上で1点、37.4℃から37.0℃で0.5点の点数を付ける。また、咳の症状がある場合は0.5点、息切れがある場合は1点、痰が出る場合は0.5点、味覚障害がある場合は5点、嗅覚障害がある場合は5点などの点数を付ける。そして、これらの体調データに基づく点数を積算してスコアを算出する。
【0031】
さらに、スコアには、管理者により設定された項目も考慮することができる。例えば、業種、職種、就業環境、延べ面積などから導き出された環境係数を、体調データに基づく点数に掛け合わせることでスコアを算出することができる。例えば、屋内勤務の小児科の管理対象者Mは感染リスクに気を付けなければいけないため環境係数を1.25とし、屋外勤務の大工の管理対象者Mは感染リスクが低いため環境係数を0.75とする。
【0032】
一方、健康状態判定部43では、スコア算出部42で算出された管理対象者Mの現時点のスコアや、その他の判定に必要な情報に基づいて、管理対象者Mの健康状態を判定する。この詳細については、具体例を示しながら後述する。
【0033】
入場判定手段5は、健康状態判定部43の判定結果に基づいて管理領域への入場の可否を判定する手段であって、判定基準設定部51と、残日数設定部52と、入場可否判定部53とを備えている。
【0034】
判定基準設定部51は、管理対象者Mの入場の可否を判定する判定基準の設定部である。要するに、管理領域には、屋外、屋内、滞在人数、換気設備など様々な条件の組み合わせがあり、感染症が広がるリスクは管理領域ごとに異なる。また、管理対象者Mの職種によっても、感染に非常に気を付けなければならない人と、一般的な注意義務しか求められない人など様々である。このため、一律の判定基準を設けることは合理的ではなく、判定基準設定部51によって管理者が任意に設定できるようにする。詳細については後述する。
【0035】
また、残日数設定部52では、入場が禁止された管理対象者Mが、再び管理領域へ入場できるまでの日数を目安として設定することができる。この残日数についても、管理領域の特性や職種などによって合理的な日数が異なってくるので、任意に設定できるようにする。
【0036】
そして、入場可否判定部53では、健康状態に応じて管理領域への入場を許可したり禁止したりという制御をするための判定を行う。入場可否判定部53によって、例えばゲート装置となる入場ゲート6の制御が行われる。
【0037】
上述した健康状態判定手段4と入場判定手段5は、管理者端末3によって管理者が操作することができる。そして、入場の可否を判定する判定基準の設定は、健康状態判定手段4と入場判定手段5の各種設定結果を連動させるなどして調整することができる。また、管理者端末3には、管理対象者Mの健康状態などをモニタに表示させることができる。
【0038】
ここで、健康状態判定手段4及び入場判定手段5は、単一のコンピュータに組み込むこともできるが、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散した複数のコンピュータに組み込まれていてもよい。また、管理者端末3についても、
図1では直接、健康状態判定手段4及び入場判定手段5に接続されているように図示したが、これに限定されるものではなく、例えばネットワークNを介して接続される構成であってもよい。
【0039】
以下、本実施の形態の健康状態管理システム1の各構成の詳細について、図面を参照しながら、順次、説明する。まず、
図2-
図14を参照しながら、管理対象者Mが携行するスマホ2の表示について説明する。
【0040】
このスマホ2には、管理対象者Mの健康状態を管理するための健康状態管理プログラムがインストールされている。このスマホ2にインストールされたプログラム(アプリケーション)によって、管理対象者Mの健康状態の判定に使用される複数の項目の体調データの入力を行う手順と、複数の体調データに基づいてスコアを算出する手順と、スコアに基づいて管理対象者Mの健康状態を判定する手順と、スコア及び管理対象者Mの健康状態の判定結果を出力する手順とを実行させることができる。
【0041】
ここで、スコアの算出や健康状態の判定については、スマホ2のアプリケーション自体に行わせることもできるが、上述したように、健康状態判定手段4のスコア算出部42や健康状態判定部43の演算結果を受け取る構成であってもよい。また、管理領域への入場が可能になる残日数を表示させる手順についても、スマホ2のアプリケーション自体に行わせることもできるし、上述した残日数設定部52で設定された結果を受け取る構成であってもよい。
【0042】
図2は、管理対象者Mが携行するスマホ2の平常時の表示画面を、一例として示した図である。この画面は、管理対象者Mごとに割り振られたログインID(Identifier)とパスワードをスマホ2に入力して、ログインボタンを押した後のトップ画面となる。
【0043】
ログイン後のトップ画面には、「本日のスコア」と本日の体調を表す登録された健康状態が表示される。「本日のスコア」は、画面下部の左端の「スコア」ボタンを押すことでも表示させることができる。
【0044】
ここで表示される「本日のスコア」は、今回のログインをする前にしたログイン時に登録された体調データから算出されたスコアである。スコアは、数値の他に円環グラフでも表示させることができる。画面下半の「本日の体調」欄には、当日に登録メニューにより登録された体温と、各症状の有無が表示される。登録メニューの具体例については、後述する。
【0045】
一方、
図3は、感染時のスマホ2の表示画面の一例である。管理対象者Mであるスマホ2のユーザーの登録した体調データから、例えばコロナウイルス(新型コロナウイルス感染症(COVID-19))の感染の疑いがあると判断された場合に表示されるトップ画面を示している。
【0046】
画面中央には「入力する」というボタンが表示され、それを押下すると、実際にコロナウイルスについて、陽性か、陰性か、対応検討中かを、管理対象者Mが登録することができる。こちらで登録した内容は、管理者端末3の画面にも表示され、管理対象者Mがコロナウイルスに感染しているかどうかを、管理者は一目で把握することができる。
【0047】
そして
図4が、感染後のスマホ2の表示画面の一例となる。コロナウイルス感染の疑いがある管理対象者Mが検査を行い、「陽性」という検査結果になってスマホ2に登録した際に表示されるトップ画面である。
【0048】
画面上部には、職場に復帰できるまでの目安となる「職場復帰目安」の残日数が表示される。「職場復帰目安」は、一般社団法人日本渡航医学会と公益社団法人日本産業衛生学会によって発行されている『職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド』において推奨されている、新型コロナウイルス感染後の職場復帰までの残り期間の目安などを参考にして設定することができる。感染後は、スコアの数値の色も赤字などの目立つ色になり、「本日の体調」も高い体温や症状がある項目については、赤字や「×」といった目立つ表示に切り替わる。
【0049】
上述したような管理対象者Mの健康状態に関する情報は、QRコード(登録商標)やバーコードなどの視覚では個人情報が認識できない証明コードの形式で表示させることもできる。
図5は、管理対象者Mが携行するスマホ2に証明コードを表示させた画面の一例である。
【0050】
証明コードは、管理対象者Mごとに異なるQRコード等で表示させる。スマホ2の画面下部の「QRコード」ボタンを押下することで、任意のタイミングで表示させることができる。
【0051】
このような証明コードを用いることで、様々な機器と簡単に繋がることができるようになり、管理対象者Mが登録している体調データやスコアなどを、健康状態管理システム1やそれに接続される設備などとの間で共有できるようになる。
【0052】
例えば、スマホ2に表示させた証明コードを利用して、
図6に示すように入場ゲート6の制御を行うことができる。ここで、
図6(a)は、職場などの管理領域への入場が許可される場合の概念図を示し、
図6(b)は入場が禁止される場合の概念図を示している。
【0053】
例えば、職場のある建物の入り口に、QRコードの読み取りが可能な入場ゲート6を設置しておく。管理対象者Mとして健康状態管理システム1に登録された入場者は、自身が携行するスマホ2の画面に証明コードを表示させ、その出力されたQRコードを入場ゲート6の読取り部にかざす。その結果、QRコードから入場者の本日のスコアや健康状態が取得され、判定基準設定部51で設定された条件に応じて、入場可否判定部53の判定によって入場制限を行うことができる。
【0054】
例えば入場者が、
図6(a)の左側のスマホ2の表示例に示されているように健康状態が良好の者であれば、入場ゲート6は開き、通行が許可される。これに対して、
図6(b)の左側のスマホ2の表示例に示されているように健康状態が不良又は感染者の入場者であれば、入場ゲート6は閉じ、通行は禁止される。
【0055】
続いて
図7を参照しながら、体調データを入力する際のスマホ2の表示画面について説明する。まず
図7(a)は、登録メニューとなる体調登録画面の初期画面を示している。この体調登録画面は、画面下部の「登録」ボタンを押下すると表示され、管理対象者Mの当日の体調データを入力することができるようになる。
【0056】
そして、当日の日付や、体温計21で測定して入力した当日の体温の表示の下となる画面中央の「登録」ボタンを押下すると、
図7(b)に示すような、体調の詳細な項目を登録する画面が表示される。
【0057】
この画面中央の「登録」ボタンは、登録された体温が「37.5℃以上」であった場合にのみ押すことが可能となる構成にすることもできる。体調データの詳細な項目としては、「咳の有無」、「味覚障害」、「臭覚障害」、「息切れ」、「痰」、「下痢」などが挙げられる。各症状の入力は、毎日を行うことを考慮すると、プルダウンやチェックボタンなどによって簡易的に登録が行えることが好ましい。
【0058】
こうして登録された体調データに基づいて、管理対象者Mの当日のスコアが算出され、体調の管理に利用することができるようになる。
図8は、健康状態が良好時の登録完了を示す表示画面の一例である。健康状態が良好な場合とは、例えば体温が37.0℃以下で、他の症状が一つも見られない場合が該当する。
【0059】
一方、
図9は、健康状態が軽微な不良時の表示画面の一例である。この画面は、登録された体調データに軽微な不良がある場合に表示される。例えば、体温が37.0℃以下で、味覚障害又は嗅覚障害以外の症状が1項目から2項目ある場合に表示される。
【0060】
これらに対して、
図10は、健康状態が不良時の表示画面を例示している。例えば登録された体調データが、体温が37.0℃以上で、味覚障害又は嗅覚障害以外の症状が複数ある場合に表示される。健康状態が不良時の表示画面には、「上長に相談を行った上で、出社判断をしてください。」などの表示がされる。
【0061】
さらに、
図11は、感染の可能性が高いときの表示画面の例示である。この画面は、登録された体調データからコロナウイルスに感染している可能性があると判定された場合に表示される。例えば、体温に関係なく、味覚障害又は嗅覚障害を含む複数の症状がある場合に表示される。感染の可能性が高いときの表示画面には、「上長に報告を行った上で、保健所に相談して下さい。」、「実際に取る対応をトップページより登録して下さい。」などの表示がされる。「実際に取る対応」には、例えば在宅勤務、出勤停止、PCR検査の受診などがある。
【0062】
図12は、上述したように体調データの登録が完了したときに表示される画面の一例である。コロナウイルスが陽性であると発覚し、登録を行った後は、
図4に示した画面が、職場復帰目安の残り日数が0日になるまで初期画面として表示される。
【0063】
こうして登録された体調データは、スマホ2でいつでも確認することができる。
図13は、登録した体調データと健康状態を確認する際に表示される画面の例示で、
図13(a)は良好時の表示画面の一例、
図13(b)は不良時の表示画面の一例である。
【0064】
こうしたデータ確認画面では、管理対象者Mが登録した体調データの推移を確認することができる。このデータ確認画面は、画面下部の「データ」ボタンを押下することで、任意のタイミングで表示させることができる。
【0065】
データ確認画面の画面上部には、グラフが表示されており、棒グラフが当日の体温を表し、折れ線グラフがスコアの推移を表す。また、画面下部には、当日のスコアが表示されており、現在の体調についてのアドバイスを確認することができる。
【0066】
図14は、管理対象者Mが携行するスマホ2に通知される表示画面の一例である。体調データの登録は、通常は毎日行うことが管理対象者Mには求められる。そこで、「体調未登録通知」や「管理者側から送信されたメッセージ」などのお知らせを一覧で表示させる。この通知の表示は、全ての画面表示において共通でおこなうことができ、例えば画面右上のお知らせ(ベルアイコン)ボタンから表示させることができる。一覧で表示された任意の項目は、押下することでメッセージなどの詳細を確認することができる。
【0067】
続いて、
図15-
図23を参照しながら、管理者が操作する管理者端末3の表示について説明する。
図15は、管理者端末3のダッシュボード画面の表示例である。ダッシュボード画面では、社員など管理対象者Mの個々の健康状態や、部署などのグループ毎又は会社全体の状況などを、多角的な観点から確認することができる。
【0068】
ダッシュボード画面の中央上部には、会社の部署などの選択されたグループに所属する管理対象者Mの一覧を、スコアや健康状態とともに表示させることができる。この一覧表示は、「アラート一覧」や「未報告一覧」などを切り替えて表示させることができる。
【0069】
「アラート一覧」は、ステータスが「健康」以外の管理対象者Mを一覧で表示させる表示機能である。コロナウイルスが陽性か陰性かや職場復帰目安などを、管理者は一目で確認することができる。
【0070】
一方、
図16は、「未報告一覧」にタブを切り替えたときの表示画面の一例である。この画面には、体調データの登録を行っていない管理対象者Mが一覧で表示される。管理対象者Mの健康管理のためにも、毎日の体調データの登録は欠かすことができない。体調データの登録を行っていない管理対象者Mがいた場合には、こちらの一覧で確認してから該当する管理対象者Mに体調データの登録を促すことができる。
【0071】
また、
図15に示すように、ダッシュボード画面の例えば右側には、各ステータスの人数を見やすく表示させることができる。表示させるステータス名は、例えば「健康」、「要注意」、「警告」、「危険」などで、これらの文言は、管理者端末3から任意の文言に変更することができる。そして、判定基準設定部51による設定画面では、各ステータスのスコアの幅を設定することができる。
【0072】
図17は、ダッシュボード画面に表示されるスコアを詳細に説明するための拡大図である。ダッシュボード画面の下部では、2種類のグラフで所属する管理対象者Mの健康状態を確認することができる。
【0073】
画面左側の「スコア分布」の表示では、選択した日付のグループに所属するすべての管理対象者Mの健康状態を、円グラフで確認することができる。右上のプルダウンにより日付を選択することで、任意の日付のデータを確認することができる。
【0074】
画面右側の「スコア推移」の表示では、選択した期間のグループに所属するすべての管理対象者Mの健康状態を、積み上げ面グラフで確認することができる。右上のプルダウンにより期間を選択することで、任意の期間のデータを確認することができる。
【0075】
一方、
図18は、管理者端末3に表示させることができる管理対象者Mの一覧の表示画面の一例である。一覧画面では、各管理対象者Mの詳細な健康状態や情報を、確認したり編集したりすることができる。
【0076】
画面左側の「社員一覧」ボタンを押すと全社員が一覧で表示され、「グループ一覧」ボタンを押してグループを選択すると、そのグループに所属する社員を一覧で表示させることができる。
【0077】
一覧画面には、そこに所属するすべての管理対象者MのIDと名前とスコアが一覧で表示される。そして、任意の管理対象者Mの行をクリックすることで、画面右側に選択された管理対象者Mの詳細な情報を表示させることができる。
【0078】
図19は、一覧画面で選択された管理対象者Mの情報の詳細を説明するための表示画面の一例である。画面の上部には選択された管理対象者Mの名前が表示される。また、切り替えタブによって、管理対象者Mの健康状態を確認できる画面と、管理対象者Mの社員情報を確認及び編集できる画面とを切り替えることができる。
【0079】
「スコア」欄には、選択された管理対象者Mの当日のスコアが表示される。また、「体温の推移」欄には、管理対象者Mの当日体温を棒グラフで示し、平均体温の推移を折れ線グラフで表示する。一方
図20は、選択された管理対象者Mの情報を示す表示画面の下部を拡大した説明図である。
【0080】
選択された管理対象者Mの健康状態を示す画面の下部では、「症状の有無」を表形式で確認することができる。「咳」、「痰」、「息切れ」、「味覚障害」、「臭覚障害」、「下痢」などの症状があった日付や回数などの細かい症状の履歴を簡単に確認することができ、管理対象者Mの状況を詳細に把握することができる。
【0081】
また図示していないが、一覧画面の管理対象者Mの情報を確認及び編集できる画面では、次のような確認や編集を行うことができる。例えば利用者削除ボタンでは、利用者を削除することができ、社員IDボタンでは、IDを確認したり編集したりすることができる。また、社員名、所属などを確認又は編集することもできる。
【0082】
さらに、管理対象者Mを部署などのグループに所属させることで、正確なスコア計算やグループごとの体調管理を行うことができるようになる。グループの管理は、階層状で行うようにすることで、より多くの使用用途に対応することができるようになる。
【0083】
また、データの集計は、親グループ又は子グループのどちらでも集計することができる。さらに、グループ名を編集したり、グループを削除したり、グループIDを確認及び編集したりすることもできる。そして、グループに所属している所属社員を一覧として表示させることもできる。
【0084】
図21は、管理者端末3におけるスコアの設定に関する表示画面の一例である。スコア設定画面では、項目設定部41によってスコア算出に関わる項目を設定することができる。スコア設定画面で設定される項目には、大きく分けて2つある。
【0085】
まず1つ目として、スコアの算出時に使用するための項目として、職種、就業環境、延べ面積などを設定する。そして、2つ目として、グループごとの環境に合わせたステータス基準値を設定できるようにする。
【0086】
図22は、1つ目の設定項目の詳細を説明するために、スコア設定画面の上部を拡大して示した表示例である。管理領域となる職場の職種を、プルダウンから選択する。この職種項目は、スコア算出時に利用される。また、就業環境は、「屋内」、「屋外」から押下して選択することができる。この就業環境項目も、スコア算出時に利用される。延べ面積は、就業している環境の延べ面積を入力する。延べ面積項目も、スコア算出時に利用される。
【0087】
2つ目の設定項目となるステータス基準値は、各ステータスのスコア範囲を判定基準設定部51によって設定する。ここでは、「健康」、「要注意」、「警告」、「危険」の各ステータスのスコア範囲を設定する。すなわち各管理対象者Mのスコアを、設定されたステータス基準値に当てはめ、ステータスの決定を行う。このスコア範囲は、職種項目を入力したときに、推奨されるステータス基準値が自動で入力される構成とすることができる。また、手動で任意の数値に変更することもできる。
【0088】
また、図示していないが、管理者端末3で操作するメッセージ送信画面を設けることができる。例えば管理者からグループ単位で管理対象者Mへメッセージを送信することができる。送信されたメッセージは、管理対象者Mのスマホ2にお知らせ一覧として表示される(
図14参照)。また、所属ごとの健康状態の週間レポートや、未報告者への報告願いなどを送信することもできる。
【0089】
また、図示していないが、通知設定画面で管理対象者Mに送信する通知についての設定を行うことができる。通知設定画面で登録した「通知曜日」と「通知時間」に、管理対象者Mへ通知を送るように設定できる。このような通知機能を使用することで、管理対象者Mが毎日忘れずに体調を報告する手助けをすることができる。なお、管理対象者Mのスマホ2への通知は、毎日のメールやプッシュ通知などであってもよい。
【0090】
図23は、会社の設定に関する会社設定画面とその詳細を説明するための表示画面の一例である。会社設定画面では、健康状態管理システム1を利用する会社の業種や延べ面積などの情報を登録する。業種や延べ面積の情報は、スコアを算出する際に利用することができる。また、「体調未報告の場合にスコアへ与える影響」として、体調を報告していない管理対象者Mがいた場合に、スコアが加算されるような設定をすることもできる。
【0091】
管理者端末3では、管理者設定画面で管理者画面にログインすることができる管理者の設定を行うことができる。管理者は複数人を設定することができ、すべての機能を使用できる権限を持つ管理者、閲覧及び編集などの機能が使用できる管理者、管理対象者Mの健康状態の閲覧のみができる管理者など、権限を分けて設定することができる。
【0092】
次に、本実施の形態の健康状態管理システム1及び健康状態管理プログラムの作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の健康状態管理システム1は、管理者の管理領域への入場を希望する管理対象者Mの健康状態が、スマホ2に入力された体調データに基づいて、健康状態判定手段4により判定される。一方、管理対象者Mの健康状態に応じて、管理領域に入場させるか否かの判定基準を、健康状態判定手段4や入場判定手段5において調整することができる。
【0093】
このため、個々の管理対象者Mは自己の健康状態に関心が高まり、常に留意することができるようになる。また、職場などの管理領域では、業種、職種、規模及び職場環境などに応じて、感染症などが広がることを合理的に抑える対策を取ることができる。すなわち、感染が広がるリスクが低い職場では入場制限を緩め、感染が広がるリスクが高い職場や感染の広がりが起きてはいけない職場では入場制限を強めるなど、管理者によって任意に調整することができる。この結果、過度に企業活動などが制限されることを避けることができるようになり、合理的である。
【0094】
また、体調データに関する複数の項目を使って健康状態を判定するのであれば、判定精度を向上させることができる。さらに、スコアを算出することで、健康状態を容易に理解することができるようになる。すなわち、スコアによって一つの数値で可視化されると、健康状態が把握しやすくなり、日々の管理もしやすくなる。
【0095】
また、スコアの算出に利用される項目に、職場環境など管理者が設定する項目も含めることで、より合理的なスコアを算出することができるようになる。すなわち、職種や屋内か屋外かなどによって感染のリスクは異なってくるため、それらの条件を考慮できるようにすることで、より実情に即した対応を取ることができるようになる。
【0096】
さらに、管理領域への入場口に入場ゲート6を設け、管理対象者Mが携行するスマホ2に出力させた証明コードによって入場を禁止できるようにすれば、健康状態が芳しくないなど入場を規制したい管理対象者Mの入場を物理的に防ぐことができるようになる。
【0097】
また、管理対象者Mのスマホ2などに健康状態を管理するための健康状態管理プログラムがインストールされていれば、管理対象者Mは、任意のタイミングで自分の健康状態を簡単に確認することができるようになり、健康への関心を高めることができる。
【0098】
さらに、管理者の管理領域への入場が可能になる残日数がスマホ2の画面に表示されるようになっていれば、たとえ感染してしまったとしても、管理対象者Mは先の見通しが立てやすくなるうえに、治療や療養に安心して専念することもできるようになる。
【0099】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0100】
例えば、前記実施の形態では、感染症として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が職場内で拡散するのを防ぐ場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、様々な感染症に対しても体調データの入力項目を変えるなどすることで、本発明を適用することができる。また、管理領域は、上述したように職場に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0101】
1 :健康状態管理システム
2 :スマホ(健康データ入力手段)
3 :管理者端末
4 :健康状態判定手段
41 :項目設定部
42 :スコア算出部
43 :健康状態判定部
5 :入場判定手段
51 :判定基準設定部
52 :残日数設定部
53 :入場可否判定部
6 :入場ゲート(ゲート装置)
M :管理対象者