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特開2022-75018ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075018
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20220511BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185535
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】世古 将伸
(72)【発明者】
【氏名】松村 史生
(72)【発明者】
【氏名】小向 友成
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129DD24
2F129DD57
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE52
2F129HH12
2F129HH25
5H181AA01
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】新たなルートが表示された場合であっても、当初にルート案内の対象とされたルートを確認することを可能とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るナビゲーション装置は、第1経路を作成する第1経路作成部と、第1経路についてルート案内を実行するルート案内部と、第1経路のルート案内中に所定の条件が満たされた場合、第1経路とは異なる第2経路を作成する第2経路作成部と、所定の記憶部に記憶された第1経路及び第2経路を同時に出力する出力部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1経路を作成する第1経路作成部と、
前記第1経路についてルート案内を実行するルート案内部と、
前記第1経路のルート案内中に所定の条件が満たされた場合、前記第1経路とは異なる第2経路を作成する第2経路作成部と、
所定の記憶部に記憶された前記第1経路及び前記第2経路を同時に出力する出力部と、
を備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第1経路に通行が制限される地点が含まれること、及び車両の現在位置が前記第1経路から外れたことのいずれかを含む、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記第1経路に関連する情報である第1経路関連情報、及び/又は前記第2経路に関連する情報である第2経路関連情報を更に出力する、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第1経路関連情報及び/又は前記第2経路関連情報は、前記第1経路及び/又は前記第2経路に含まれる地点の情報、前記第1経路及び/又は前記第2経路の周辺の情報、及び前記第1経路及び/又は前記第2経路の移動に要する資源の情報の少なくともいずれかを含む、請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ルート案内部は、所定の第2条件が満たされた場合、ルート案内の対象を前記第1経路から前記第2経路に変更し、
前記出力部は、前記第2経路がルート案内の対象に設定された場合、前記第2経路を前記第1経路よりも強調的に出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記所定の第2条件は、
ルート案内の対象を前記第1経路から前記第2経路に変更することに対するユーザの許可を取得したこと、
前記第2経路が作成されてから所定時間が経過したこと、及び
前記第1経路の移動に要する資源から前記第2経路の移動に要する資源を差し引いた差分が所定閾値以上であること、の少なくともいずれかを含む、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置が実行するナビゲーション方法であって、
第1経路を作成するステップと、
前記第1経路についてルート案内を実行するステップと、
前記第1経路のルート案内中に所定の条件が満たされた場合、前記第1経路とは異なる第2経路を作成するステップと、
所定の記憶部に記憶された前記第1経路及び前記第2経路を同時に出力するステップと、
を含む、ナビゲーション方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1経路を作成するステップと、
前記第1経路についてルート案内を実行するステップと、
前記第1経路のルート案内中に所定の条件が満たされた場合、前記第1経路とは異なる第2経路を作成するステップと、
所定の記憶部に記憶された前記第1経路及び前記第2経路を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの設定した目的地までの誘導経路を地図データや交通情報等を基に作成して表示するナビゲーション装置が普及している。例えば、特許文献1には、設定した誘導経路から逸脱して走行すると、基の誘導経路に戻るように案内を行うナビゲーション装置が記載されている。当該ナビゲーション装置では、このように新たなルートで案内を行う場合、基の誘導経路は表示されなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-167498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、近年、タクシー等において、予め運転手と乗客との間で走行ルート及び運賃を取り決めておく事前確定運賃が導入されている。このような事前確定運賃の方式を初めとした、事前に特定の経路についてルートに関する合意がなされる場合において、新たなルートが表示されたことを契機に、ナビゲーション装置に表示されていた当初のルートが表示されなくなると、当初合意されていたルートやこれに関連する情報が不明となってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、新たなルートが表示された場合であっても、当初にルート案内の対象とされたルートを確認することが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るナビゲーション装置は、ルート案内の対象に設定された経路についてルート案内を実行するルート案内部と、目的地までの第1経路を作成する第1経路作成部と、第1経路のルート案内中に所定の条件が満たされた場合、第1経路とは異なる第2経路を作成する第2経路作成部と、所定の記憶部に記憶された第1経路及び第2経路を同時に出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たなルートが表示された場合であっても、当初にルート案内の対象とされたルートを確認することが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るナビゲーション装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】ナビゲーション装置が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】ナビゲーション装置の出力画面の一例を示す図である。
図5】ナビゲーション装置の出力画面の一例を示す図である。
図6】ナビゲーション装置の出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。ナビゲーション装置10は、出発地から目的地までのルート(経路)を地図画面に重ねて表示する装置であり、ユーザが車両で移動する際に、出発地から目的地までの経路に従って移動するように案内を行う。本実施形態では、ナビゲーション装置10として、例えば、車載装置、携帯電話機(スマートフォンを含む)、タブレット端末、眼鏡型ウェアラブルデバイスなどを用いることができる。
【0011】
ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、所定の通信ネットワークと有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、情報の出力を行う出力デバイス15、及びセンサ16を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。センサ16は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器、車速センサ及び/又はジャイロセンサ等である。
【0012】
<機能構成>
図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置10の機能構成の一例を示す図である。ナビゲーション装置10は、記憶部101と、位置取得部102と、操作受付部103と、交通情報取得部104と、ルート作成部105と、出力部106と、設定部107と、判定部108とを含む。記憶部101は、ナビゲーション装置10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、位置取得部102と、操作受付部103と、交通情報取得部104と、ルート作成部105と、出力部106と、設定部107と、判定部108とは、ナビゲーション装置10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0013】
記憶部101は、地図データ101aを記憶する。地図データ101aには、ナビゲーション機能を実行するために必要な、道路リンク、道路種別及び交差点情報等の道路データ、並びに建物の位置、建物の形状等の建物データ等が含まれる。
【0014】
位置取得部102は、センサ16を利用して、ナビゲーション装置10の現在位置(ナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置に相当する)を取得する機能を有する。例えば、位置取得部102は、GPS受信器が受信したGPS電波を用いて現在位置を算出する機能や、車速センサ及びジャイロセンサ等を用いて移動速度及び移動方向を算出する機能等を有する。
【0015】
操作受付部103は、入力デバイス14を介してユーザから各種の操作を受け付ける機能を有する。例えば、操作受付部103が受け付ける操作は、出発地、経由地、及び目的地等の入力や、ルート案内の対象となるルートの選択等を含む。
【0016】
交通情報取得部104は、通信IF13を介して所定の通信ネットワークから交通情報を取得する。交通情報は、例えば、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication)センタから配信される道路交通情報等の任意の交通情報であってよい。特に、交通情報は、事故や工事等の任意の原因によって通行が制限される地点である「通行制限地点」を含んでよい。ここで、「通行制限地点」は、通行が不可能な地点だけでなく、通行は可能であるが通行方法について速度制限等の何らかの制限を受ける地点を含んでよい。
【0017】
ルート作成部105は、第1経路作成部及び第2経路作成部としての機能を有する。すなわち、ルート作成部105は、地図データ101a等に基づいて、出発地から目的地までの少なくとも1つのルートを作成する機能を有する。ルートの作成方法は特に限定されないが、例えば、周知のダイクストラ法等によるコスト計算、すなわちリンク長、道路種別、道路幅員等を考慮してリンク毎に付されるコスト値を用いて、最小のコストで目的地に到達する経路を計算する方法を採用してもよい。また、ルート作成部105は、各ルートに関連する情報であるルート関連情報(経路関連情報)を作成してもよい。ルート関連情報は、例えば、ルートに含まれる地点の情報、ルートの周辺の情報、及びルートの移動に要する資源の情報等を含んでよい。ルートに含まれる地点の情報は、例えば、出発地、経由地、及び/又は目的地の情報を含んでよい。ルートの周辺の情報は、例えば、ルートの周辺の地点の住所、施設名、店舗名等を含んでよい。ルートの移動に要する資源の情報は、当該移動に要する時間、運賃、燃料費等を含んでよい。ルート作成部105は、第2経路(例えば後述する新ルート)を作成する際に、第2経路の移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)が第1経路(例えば後述する固定ルート)の移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)に等しくなるように、第2経路を作成してもよい。或いは、ルート作成部105は、第2経路(例えば後述する新ルート)を作成する際に、第2経路の移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)が第1経路(例えば後述する固定ルート)の移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)と異なるように、第2経路を作成してもよい。
【0018】
出力部106は、各種の情報を出力デバイス15に出力する。具体的には、出力部106は、地図、ルート、及びルート関連情報等を含む各種の画面を出力デバイス15のディスプレイに表示してもよいし、各種の音声を出力デバイス15のスピーカから出力してもよい。特に、出力部106は、ルート案内の対象として設定されたルートについてのルート案内を出力する「ルート案内部」としての機能を有する。
【0019】
設定部107は、操作受付部103により受け付けられた操作等に応じて、所定のルートをルート案内の対象として設定する。
【0020】
判定部108は、各種の判定を実行する。例えば、交通情報取得部104が取得する交通情報に基づいて、ルート案内の対象に設定されているルートに、通行制限地点が含まれるか否かを判定する。また、判定部108は、位置取得部102が取得する位置情報(ナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置)がルート案内の対象に設定されているルートから外れたか否かを判定する。
【0021】
<処理手順>
図3は、ナビゲーション装置10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0022】
(S101)まず、所定の出発地から目的地までの少なくとも1つのルートが作成される。例えば、ユーザが入力デバイス14を介して出発地及び目的地を指定する操作を行うと、操作受付部103は、当該出発地及び目的地の指定を受け付ける。そして、ルート作成部105は、指定された出発地及び目的地に基づいて、少なくとも1つのルートを作成する。このとき、ルート作成部105は、各ルートに関連するルート関連情報を作成してもよい。作成された各ルートは、記憶部101に記憶されてもよい。
【0023】
(S102)次に、ユーザが、入力デバイス14を介してルート作成部105が作成した少なくとも1つのルートからルート案内の対象として1つのルートを選択する操作を行うと、操作受付部103は、当該選択を受け付ける。そして、設定部107は、選択されたルートを、ルート案内の対象に設定する。ここで、選択されたルートは、後述するように、新たに他のルート(第2経路の一例)がルート案内の対象となった場合においても出力される「固定ルート」(第1経路の一例)となる。選択されたルートは、固定ルートとして記憶部101に記憶されてもよい。
【0024】
(S103)次に、出力部106は、ステップS102でルート案内の対象に設定された固定ルートのルート案内を開始する。この際、出力部106は、例えば図4に示す画面200Aを出力デバイス15に表示する。
【0025】
図4に示すとおり、画面200Aは、出発地201から目的地202までの固定ルート203と、固定ルート203に関連する情報である固定ルート関連情報204とを含む。固定ルート関連情報204は、固定ルートに含まれる任意の地点の情報を含んでよい。図4に示す例では、固定ルート関連情報204は、固定ルートの出発地(A地点)、固定ルートの目的地(B地点)、及び固定ルートの経由地(C地点)を含む。また、固定ルート関連情報204は、固定ルートの周辺の情報(住所、施設名、店舗名等の任意の情報)を含んでよい。これら情報は、画面200Aに表示された地図上において対応する箇所に示されてもよい。また、固定ルート関連情報204は、固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)を示す情報を含んでよい。図4に示す例では、固定ルート関連情報204は、所要時間(約25分)、運賃(4,300円)を含む。
【0026】
(S104)次に、判定部108は、交通情報取得部104が取得する交通情報に基づいて、ルート案内の対象に設定されているルートに、通行制限地点が含まれるか否かを判定する。ルート案内の対象に設定されているルートに通行制限地点が含まれないと判定された場合(S104;No)、処理はステップS105に進む。ルート案内の対象に設定されているルートに通行制限地点が含まれると判定された場合(S104;Yes)、処理はステップS106に進む。
【0027】
(S105)また、判定部108は、位置取得部102が取得する位置情報(ナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置)がルート案内の対象に設定されているルートから外れたか否かを判定する。車両の現在位置がルート案内の対象に設定されているルートから外れていないと判定された場合(S105;No)、処理はステップS104に戻る。車両の現在位置がルート案内の対象に設定されているルートから外れたと判定された場合(S105;Yes)、処理はステップS106に進む。
【0028】
(S106)ルート案内の対象に設定されているルートに通行制限地点が含まれると判定された場合(S104;Yes)、又は車両の現在位置がルート案内の対象に設定されているルートから外れたと判定された場合(S105;No)、ルート作成部105は、車両の現在位置を経由する、ステップS101でユーザにより指定された出発地から目的地までの少なくとも1つの新ルート(第2経路の一例)を作成する。なお、新ルートの目的地は、例えばユーザの許可を得た場合等には、ステップS101でユーザにより指定された目的地と異なっていてもよい。また、ルート作成部105は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)が固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)に等しくなるように、新ルートを作成してもよい。特に、ルート案内の対象に設定されているルートに通行制限地点が含まれると判定された場合(S104;Yes)における新ルートは、ルート作成部105は、新ルートの運賃が固定ルートの運賃と等しくなるように、新ルートを作成してもよい。なお、ルート作成部105は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)が固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料費等)とは異なるように、新ルートを作成してもよい。作成された各新ルートは、記憶部101に記憶されてもよい。
【0029】
(S107)次に、出力部106は、出力デバイス15に、ステップS106において作成された少なくとも1つの新ルートを、ステップS102においてルート案内の対象に設定された固定ルートと同時に出力する。これにより、新たなルートが作成された場合であっても、当初にルート案内の対象とされたルート(固定ルート)を確認することが可能となる。
【0030】
図5は、ステップS107において出力部106が出力デバイス15に出力する画面の一例を示す図である。図5に示す画面200Bは、例えば、ルート案内の対象に設定されているルートに通行制限地点が含まれると判定された場合(S104;Yes)に出力される画面の一例である。同図には、一例として、運賃が固定ルートのものと等しい新ルートが作成される場合の画面が示されている。
【0031】
画面200Bは、出発地201から目的地202までの固定ルート203と、固定ルート203に関する固定ルート関連情報204とを含む。
【0032】
画面200Bは、更に、現在地205を経由する出発地201から目的地202までの新ルート206と、新ルート206に関する新ルート関連情報207とを含む。新ルート関連情報207は、新ルートに含まれる任意の地点の情報を含んでよい。図5に示す例では、新ルート関連情報207は当該情報として、新ルートの出発地(A地点)、新ルートの目的地(B地点)、及び新ルートの経由地(D地点)を含む。
【0033】
このように、画面200Bは固定ルート203や固定ルート関連情報204を含むため、新ルート206が表示された場合であっても、当初にルート案内の対象とされた固定ルート203を容易に確認することが可能となる。また、画面200Bは、出発地201から目的地202までの新ルート206や、新ルート関連情報207を含むため、固定ルート203と新ルート206とを比較することが容易になる。
【0034】
新ルート関連情報207は、新ルートの周辺の情報(住所、施設名、店舗名等の任意の情報)を含んでよい。これら情報は、画面200Bに表示された地図上において対応する箇所に示されてもよい。このような新ルートの周辺の情報を出力することにより、固定ルートと新ルートとの比較が容易になり、例えば、ルート案内の対象を固定ルートのままとするか或いは新ルートに変更するか等についての判断を行いやすくすることが可能となる。
【0035】
新ルート関連情報207は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)を示す情報を含んでよい。図5に示す例では、新ルート関連情報207は当該情報として、所要時間(約35分)、運賃(4,300円)を含む。特に、図5に示す例では、新ルート206の運賃(4,300円)は固定ルート203の運賃(4,300円)と等しくなっている。これにより、後述する新ルートの選択操作において(S108)、事前確定運賃のままルート案内の対象を固定ルートから新ルートに切り替えることが可能となる。また、新ルート関連情報207は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)と、固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)との差分を示す情報を含んでよい。図5に示す例では、新ルート関連情報207は当該情報として、固定ルート203の所要時間と新ルート206の所要時間との差分(+10分)を含む。このような差分を示す情報を出力することにより、固定ルートと新ルートとの比較が容易になり、例えば、ルート案内の対象を固定ルートのままとするか或いは新ルートに変更するか等についての判断を行いやすくすることが可能となる。
【0036】
図6は、ステップS107において出力部106が出力デバイス15に出力する画面の他の一例を示す図である。図6に示す画面200Cは、例えば、車両の現在位置がルート案内の対象に設定されているルートから外れたと判定された場合(S105;Yes)に出力される画面の一例である。
【0037】
図6に示すとおり、画面200Cは、出発地201から目的地202までの固定ルート203と、固定ルート203に関する固定ルート関連情報204とを含む。
【0038】
画面200Cは、更に、現在地208を経由する出発地201から目的地202までの新ルート209と、新ルート209に関する新ルート関連情報210とを含む。新ルート関連情報210は、新ルートに含まれる任意の地点の情報を含んでよい。図6に示す例では、新ルート関連情報210は当該情報として、新ルートの出発地(A地点)、新ルートの目的地(B地点)、及び新ルートの経由地(E地点)を含む。
【0039】
このように、画面200Cは固定ルート203や固定ルート関連情報204を含むため、新ルート209が表示された場合であっても、当初にルート案内の対象とされた固定ルート203を容易に確認することが可能となる。また、画面200Cは、出発地201から目的地202までの新ルート209や、新ルート関連情報210を含むため、固定ルート203と新ルート209とを比較することが容易になる。
【0040】
新ルート関連情報210は、新ルートの周辺の情報(住所、施設名、店舗名等の任意の情報)を含んでよい。これら情報は、画面200Cに表示された地図上において対応する箇所に示されてもよい。このような新ルートの周辺の情報を出力することにより、固定ルートと新ルートとの比較が容易になり、例えば、ルート案内の対象を固定ルートのままとするか或いは新ルートに変更するか等についての判断を行いやすくすることが可能となる。
【0041】
新ルート関連情報210は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)を示す情報を含んでよい。図6に示す例では、新ルート関連情報210は当該情報として、所要時間(約40)、運賃(5,400円)を含む。また、新ルート関連情報210は、新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)と、固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)との差分を示す情報を含んでよい。図6に示す例では、新ルート関連情報210は当該情報として、固定ルート203の所要時間と新ルート209の所要時間との差分(+10分)、及び固定ルート203の運賃と新ルート209の運賃との差分(+800円)を含む。このような差分を示す情報を出力することにより、固定ルートと新ルートとの比較が容易になり、例えば、ルート案内の対象を固定ルートのままとするか或いは新ルートに変更するか等についての判断を行いやすくすることが可能となる。
【0042】
画面200Cは、更に、図6に示すとおり、新ルート209から固定ルート203に戻る復帰ルート211を含んでもよい。例えば、復帰ルート211は、復帰ルート211を介して固定ルート203に戻った後に当初の目的地202まで到達した場合の運賃の実費が事前確定運賃のままとなるようなルートであってよい。しかしながらこれに限らず、新ルート209から固定ルート203に戻るルートであれば、実費の運賃を問わずどのようなルートを復帰ルート211としてもよい。復帰ルート211は、例えば上述したステップS106の新ルートの作成時において、ルート作成部105が新ルートと併せて作成してもよい。画面200Cは、更に、復帰ルート211を介して固定ルート203に戻った後に当初の目的地202まで到達した場合の運賃が事前確定運賃のままとなる旨の表示212を含んでもよい。当該表示212の内容は特に限定されないが、図6には一例として、「運賃は事前確定運賃のまま」というテキストが示されている。なお、実費であれば事前確定運賃を超えるような復帰ルート211の場合であっても、固定ルート203に復帰する場合には事前確定運賃のみが最終的な運賃となるような方式を採用してもよい。
【0043】
(S108)次に、操作受付部103は、ルート作成部105が作成した少なくとも1つの新ルートからルート案内の対象として1つのルートを選択する操作を、ユーザが入力デバイス14を介して行うまで待機する。当該操作は、ルート案内の対象を固定ルート(第1経路)から当該1つの新ルート(第2経路)に変更することに対するユーザの許可の一例である。例えば、事前確定運賃でルート案内している場合には、乗客の合意のもと、ドライバや乗客等が当該選択の操作を行ってもよい。新ルートが作成されてから一定時間経過しても当該操作がなされない場合は、設定部107は、ルート作成部105が作成した少なくとも1つの新ルートからルート案内の対象として1つのルートを任意に選択し、選択した新ルートをルート案内の対象に設定してもよい。或いは、固定ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)から新ルートの移動に要する資源(時間、運賃、燃料等)を差し引いた差分が所定閾値以上である場合は、設定部107は、当該条件を満たす1つの新ルートをルート案内の対象に設定してもよい。
【0044】
(S109)新ルートがルート案内の対象に設定されると、出力部106は、新ルートのルート案内を開始し、処理はステップS104に戻る。当該新ルートは、ルート案内の対象として記憶部101に記憶されてもよい。なお、新ルートのルート案内の実行中においても、出力部106は、新ルートと同時に上述した固定ルートも出力する。この際、出力部106は、固定ルートと比較して新ルートを強調的に出力してもよい。具体的には、新ルートを示す線図の太さや色等のパラメータを、固定ルートのそれよりも大きくしてもよい。或いは、新ルートを示す線図等を点滅させてもよい。或いは、新ルートを示す線図等に関連付けて(例えば、近傍に)所定のオブジェクト等を表示させてもよい。これにより、固定ルートを確認することを可能としたままで、同時に、ルート案内中の新ルートを容易に確認することが可能となる。
【0045】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…ナビゲーション装置、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、16…センサ、101…記憶部、101a…地図データ、102…位置取得部、103…操作受付部、104…交通情報取得部、105…ルート作成部、106…出力部、107…設定部、108…判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6