(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075165
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】演出方法、制御システムおよび端末装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20220511BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220511BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/19
H05B45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185771
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴裕
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA01
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA54
3K273TA56
3K273TA68
3K273UA15
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】イベントの実施場所以外の場所に所在する多数の利用者が実施場所における演出効果に関与できるようにする。
【解決手段】演出システム100は、複数の端末装置10cの各々から視聴者Ucによる動作に応じて送信される動作通知を受信し、施設200内にある1以上の端末装置10bの各々における演出画像の表示態様を、動作通知の受信回数に応じて制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信し、
特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する
コンピュータシステムにより実現される演出方法。
【請求項2】
前記1以上の演出装置は、複数の演出装置であり、
前記表示態様の制御においては、前記複数の演出装置の各々の表示態様を共通の目標態様に変化させる
請求項1の演出方法。
【請求項3】
前記表示態様の制御においては、前記複数の演出装置のうち前記表示態様が前記目標態様に変化した演出装置の個数または割合である演出進行度が、前記受信回数に応じて経時的に増加するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する
請求項2の演出方法。
【請求項4】
前記表示態様の制御においては、前記演出進行度の増加速度が前記受信回数に応じて変化するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する
請求項3の演出方法。
【請求項5】
前記表示態様の制御においては、第1時間をかけて経時的に変化する最大値と、前記第1時間よりも長い第2時間をかけて経時的に変化する最小値との間の範囲内において、前記演出進行度が変化するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する
請求項3または請求項4の演出方法。
【請求項6】
前記複数の演出装置の各々は設定値を設定し、
前記表示態様の制御においては、
前記複数の端末装置の各々から前記動作通知を受信する制御システムが、前記受信回数に応じて制御値を経時的に増加させ、
前記複数の演出装置の各々が、前記制御システムから前記制御値を取得し、当該演出装置に設定された前記設定値に当該制御値が到達した場合に前記表示態様を変化させる
請求項2から請求項5の何れかの演出方法。
【請求項7】
運営装置に対する運営者からの指示を契機として、前記複数の端末装置の各々による動作通知の送信と、前記1以上の演出装置の表示態様の制御とが開始される
請求項1から請求項6の何れかの演出方法。
【請求項8】
複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信する受信部と、
特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する制御部と
を具備する制御システム。
【請求項9】
設定値を取得する取得部と、
複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知の受信回数に応じて経時的に増加する制御値を、制御システムから受信する受信部と、
前記制御値が前記設定値に到達した場合に表示装置の表示態様を変化させる制御部と
を具備する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、演出効果を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
競技イベントまたは音楽イベント等の各種のイベントが実施される場所(以下「実施場所」という)では、雰囲気を盛上げるために視覚的な演出効果が重要である。例えば特許文献1には、実施場所においてイベントを観覧する観覧者が所持するペンライトの発光を、制御装置から送信される制御データに応じて制御する技術が開示されている。また、特許文献2には、実施場所内の観覧者が所持する携帯端末の画面を、音声ビーコンにより送信される点滅パターンで発光させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-4323号公報
【特許文献2】特開2016-134162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、イベントの実施場所に実際に来場した観覧者が当該イベントを観覧するだけでなく、イベントを収録した動画コンテンツの配信により、実施場所以外の場所にいる視聴者が当該イベントをリアルタイムに視聴できる場合がある。しかし、実施場所以外の場所の視聴者は動画コンテンツを視聴できるだけであり、実施場所内の演出効果に関与することはできない。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、イベントの実施場所以外の場所に所在する多数の利用者が実施場所における演出効果に関与できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る演出方法は、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信し、特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る制御システムは、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信する受信部と、特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する制御部とを具備する。
【0007】
本開示のひとつの態様に係る端末装置は、設定値を取得する取得部と、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知の受信回数に応じて経時的に増加する制御値を、制御システムから受信する受信部と、前記制御値が前記設定値に到達した場合に表示装置の表示態様を変化させる制御部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における演出システムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】端末装置の構成を例示するブロック図である。
【
図3】制御システムの構成を例示するブロック図である。
【
図5】管理処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図7】制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図8】制御値の時間的な変化に関する説明図である。
【
図9】参加処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図10】視聴者の端末装置が表示する画面の遷移を例示する模式図である。
【
図11】演出処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図12】来場者の端末装置が表示する画面の遷移を例示する模式図である。
【
図13】第2実施形態における演出システムの構成を例示するブロック図である。
【
図14】第2実施形態において視聴者の端末装置が表示する画面の遷移を例示する模式図である。
【
図15】放音処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図17】変形例における制御処理の一部を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A:第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る演出システム100の構成を例示するブロック図である。演出システム100は、施設200内で実施されるイベントを演出するためのコンピュータシステムである。例えば、1以上の競技者が出場する競技イベント、または1以上の出演者が音楽を演奏または歌唱する音楽イベント等の各種のイベントが施設200内で実施される。競技イベントが実施される施設200は、例えば競技場または体育館である。音楽イベントが実施される施設200は、例えば音響ホール、ライブハウスまたは野外ステージである。
【0010】
施設200内には運営者Uaと複数の来場者Ubとが所在する。運営者Uaは、演出システム100を利用したサービスを運営する。運営者Uaは、端末装置10aを使用する。複数の来場者Ubの各々は、施設200内で実施されるイベントを観覧する。各来場者Ubは、端末装置10bを使用する。端末装置10bは、施設200内におけるイベントの演出に利用される。端末装置10aおよび端末装置10bは、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報機器である。
【0011】
施設200外には複数の視聴者Ucが所在する。各視聴者Ucは、例えば施設200から遠隔の地点(例えば自宅)に位置する。各視聴者Ucは、再生装置400および端末装置10cを使用する。端末装置10cは、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報機器である。なお、各視聴者Ucは施設200内に所在してもよい。
【0012】
再生装置400は、施設200内で実施されるイベントの状況を表す動画コンテンツVを再生する。動画コンテンツVは、映像を表す映像データと音響を表す音響データとで構成される。再生装置400は、映像データが表す映像を表示する表示装置と、音響データが表す音を再生する放音装置とを具備する(図示略)。例えば、放送電波により伝送されるテレビ番組を動画コンテンツVとして再生するテレビジョン受像機が、再生装置400として利用される。また、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の情報端末も再生装置400として利用される。多数の視聴者Ucが視聴可能な大型の映像機器(パブリックビューイング)を再生装置400として利用してもよい。なお、動画コンテンツVは、音響データのみで構成される音声コンテンツ(例えばラジオ番組)でもよい。また、動画コンテンツVを端末装置10cが再生する状況も想定される。すなわち、動画コンテンツVの視聴に再生装置400は必須ではない。
【0013】
演出システム100は、収録システム21と配信システム22と制御システム30とを具備する。制御システム30は、施設200内の演出を制御するためのコンピュータシステムである。
【0014】
収録システム21は、施設200内で実施されるイベントの動画を収録する。具体的には、収録システム21は、イベントの映像を撮像する撮像装置と、当該イベントの音響を収音する収音装置とを具備する(図示略)。撮像装置が撮像する映像と収音装置が収音する音響とで構成される動画が収録システム21により生成される。
【0015】
配信システム22は、収録システム21が収録した動画を含む動画コンテンツVを複数の再生装置400の各々に配信する。配信システム22は、施設200内のイベントの進行に並行して実時間的に動画コンテンツVを配信(すなわちライブ配信)する。各再生装置400は、配信システム22が配信する動画コンテンツVを受信し、当該動画コンテンツVをイベントの進行に並行して再生する。視聴者Ucは、再生装置400が再生する動画コンテンツVを視聴することで、イベントの状況を実時間的に把握できる。
【0016】
図2は、端末装置10(10a,10b,10c)の構成を例示するブロック図である。端末装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と操作装置14と表示装置15とを具備する。端末装置10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0017】
なお、以下の説明においては、端末装置10aと端末装置10bと端末装置10cとを区別する場合に、端末装置10aの要素に添字aを付加し、端末装置10bの要素に添字bを付加し、端末装置10cの要素に添字cを付加する。例えば、運営者Uaが使用する端末装置10aは、制御装置11aと記憶装置12aと通信装置13aと操作装置14aと表示装置15aとを具備する。来場者Ubが使用する端末装置10bは、制御装置11bと記憶装置12bと通信装置13bと操作装置14bと表示装置15bとを具備する。視聴者Ucが使用する端末装置10cは、制御装置11cと記憶装置12cと通信装置13cと操作装置14cと表示装置15cとを具備する。
【0018】
制御装置11(11a,11b,11c)は、端末装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
【0019】
記憶装置12(12a,12b,12c)は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置12を構成してもよい。通信装置13(13a,13b,13c)は、例えばインターネット等の通信網300を介して制御システム30と通信する。
【0020】
操作装置14(14a,14b,14c)は、利用者U(運営者Ua,来場者Ub,視聴者Uc)からの指示を受付ける入力機器である。操作装置14は、例えば、利用者Uが操作する複数の操作子、または、利用者Uによる接触を検知するタッチパネルである。表示装置15(15a,15b,15c)は、制御装置11から指示された画像を表示する。表示装置15は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネルである。
【0021】
図3は、制御システム30の構成を例示するブロック図である。制御システム30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33とを具備する。なお、制御システム30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
【0022】
制御装置31は、制御システム30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置31は、CPU、SPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより構成される。記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。通信装置33は、通信網300を介して複数の端末装置10(10a,10b,10c)の各々と通信する。
【0023】
図4は、演出システム100の概略的な動作の説明図である。複数の視聴者Ucの各々は、再生装置400が再生する動画コンテンツVを視聴しながら、端末装置10cの操作装置14cに対して所定の操作(以下「指示操作」という)を付与する。指示操作は、例えば、表示装置15cの表示面に接触するタップ操作である。端末装置10cの通信装置13cは、指示操作に関する通知(以下「動作通知」という)Aを制御システム30に送信する。指示動作毎に動作通知Aが送信される。すなわち、施設200内のイベントの進行に並行して、複数の端末装置10cの各々から制御システム30に対して動作通知Aが並列または順次に送信される。制御システム30は、複数の端末装置10から送信された動作通知Aを受信する。
【0024】
他方、複数の来場者Ubの各々は、施設200内においてイベントが展開される場所に端末装置10bの表示装置15bを向けた状態で当該イベントを観覧する。例えば、各来場者Ubは、競技イベントが展開される競技フィールド、または、音楽イベントが展開されるステージに対して、表示装置15bの表示面を向けた状態を維持する。各端末装置10bの表示装置15bは、所定の画像(以下「演出画像」という)62を表示する。第1実施形態の演出画像62は、表示装置15bの表示面の大部分を占める画像であり、画像全体にわたり表示色は一様である。各表示装置15bが演出画像62を表示する(すなわち発光する)ことで、例えば施設200内の多数の観客がペンライトを発光させる演出と同様の視覚的な演出が実現される。端末装置10aは、以上に説明した演出の開始を運営者Uaが指示するための装置である。
【0025】
制御システム30は、複数の端末装置10bにおける演出画像62の表示色を制御する。第1実施形態の制御システム30は、複数の端末装置10bの各々における演出画像62を、初期的な表示色(以下「初期色」という)C0から特定の表示色(以下「目標色」という)Ctに変化させる。演出画像62の初期色C0は、端末装置10b毎に個別に設定される。したがって、施設200内の2以上の端末装置10bの間において演出画像62の初期色C0は相違する。他方、目標色Ctは、複数の端末装置10bの間で共通する。
【0026】
第1実施形態の制御システム30は、複数の端末装置10bのうち演出画像62が初期色C0から目標色Ctに変化する端末装置10bの個数または割合(以下「演出進行度」という)を、施設200内のイベントの進行に並行して経時的に増加させる。すなわち、各端末装置10bにおける演出画像62の表示色が、端末装置10b毎に個別に設定された初期色C0から共通の目標色Ctに順次に変化する。すなわち、複数の演出画像62の表示色が、相異なる複数の初期色C0から共通の目標色Ctに経時的に統一される。以上の例示のように各端末装置10bにおける表示色を初期色C0から目標色Ctに変化させる演出を以下では「光演出動作」と表記する。端末装置10bは、施設200内の視覚的な演出のための演出装置として機能する。
【0027】
第1実施形態の制御システム30は、複数の端末装置10cから動作通知Aを受信した回数(以下「受信回数」という)Nに応じて各端末装置10bにおける演出画像62の表示色を制御する。具体的には、動作通知Aの受信回数Nに応じて演出進行度が経時的に増加する。すなわち、制御システム30は、演出進行度の増加速度(例えば単位時間毎の増加量)を受信回数Nに応じて制御する。例えば、動作通知Aの受信回数Nが多いほど演出進行度の増加速度が上昇するように、制御システム30は端末装置10bにおける演出画像62の表示色を制御する。したがって、光演出動作の所要時間は、受信回数Nに応じて変化する。例えば、受信回数Nが多い場合には、全部の演出画像62の表示色が短時間で目標色Ctに変化し、受信回数Nが少ない場合には、全部の演出画像62の表示色が長時間をかけて目標色Ctに変化する。以上の説明から理解される通り、各端末装置10cは、視聴者Ucが光演出動作に関与するために利用される。光演出動作を実現するための具体的な動作を以下に説明する。以下に例示する各動作(Sa-Sd)は、施設200内におけるイベントの進行に並行して実行される。
【0028】
[端末装置10aの動作]
図5は、運営者Uaが使用する端末装置10aの制御装置11aが実行する処理(以下「管理処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。操作装置14aに対する運営者Uaからの指示を契機として管理処理Saが開始される。
【0029】
管理処理Saが開始されると、端末装置10aの制御装置11aは、
図6の操作画面40を表示装置15aに表示させる(Sa1)。操作画面40は、光演出動作の条件を運営者Uaが指定するための画像である。具体的には、操作画面40は、操作画像41(開始)と操作画像42(終了)と操作画像43(色選択)と操作画像44とを含む。操作画像41は、光演出動作の開始を運営者Uaが指示するための画像である。操作画像42は、光演出動作の終了を運営者Uaが指示するための画像である。
【0030】
操作画像43は、運営者Uaが目標色Ctを指定するための画像である。すなわち、運営者Uaは、操作装置14aを利用して操作画像43を操作することで所望の目標色Ctを選択する。例えば、競技イベントに出場する競技者または音楽イベントの出演者を象徴する色が、目標色Ctとして指定される。
図6においては、事前に用意された複数色のうちの何れかを運営者Uaが選択する場合が想定されている。ただし、運営者Uaが目標色Ctを指定する方法は以上の例示に限定されない。例えば、赤色(R),緑色(G)および青色(B)の各々の成分値の入力により運営者Uaが目標色Ctを指定してもよい。
【0031】
操作画像44は、運営者Uaが最短時間T1と最長時間T2とを指示するための画像である。前述の通り、光演出動作の所要時間は受信回数Nに応じて変化する。最短時間T1は、光演出動作の所要時間の最小値に相当し、「第1時間」の一例である。最長時間T2は、光演出動作の所要時間の最大値に相当し、「第2時間」の一例である。なお、光演出動作の所要時間は、各端末装置10bに初期色C0の演出画像62が表示されてから、全部の端末装置10bの演出画像62が目標色Ctに変化するまでの時間長である。
【0032】
制御装置11aは、目標色Ctの選択と最短時間T1および最長時間T2の指示とを運営者Uaから受付ける(Sa2)。また、制御装置11aは、運営者Uaによる操作画像41の操作を受付けたか否かを判定する(Sa3)。すなわち、光演出動作の開始を運営者Uaが指示したか否かが判定される。操作画像41が操作されない場合(Sa3:NO)、制御装置11aは、運営者Uaからの指示の受付(Sa2)を継続する。
【0033】
他方、操作画像41が操作された場合(Sa3:YES)、制御装置11aは、開始指示Q1aを通信装置13aから制御システム30に送信する(Sa4)。開始指示Q1aは、光演出動作の開始を指示するメッセージであり、運営者Uaが指定した目標色Ctと、運営者Uaが指示した最短時間T1および最長時間T2とを含む。
【0034】
開始指示Q1aを送信すると、制御装置11aは、運営者Uaが操作画像42を操作するまで待機する(Sa5:NO)。すなわち、光演出動作の終了を運営者Uaが指示したか否かが判定される。操作画像42が操作された場合(Sa5:YES)、制御装置11aは、終了指示Q2aを通信装置13aから制御システム30に送信する(Sa6)。終了指示Q2aは、光演出動作の終了を指示するメッセージである。端末装置10aの動作は以上の通りである。以上の説明から理解される通り、端末装置10aは、光演出動作の運営のための運営装置として利用される。
【0035】
[制御システム30の動作]
図7は、制御システム30の制御装置31が実行する処理(以下「制御処理」という)Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。
【0036】
制御処理Sdが開始されると、制御装置31は、運営用の端末装置10aから送信される開始指示Q1aの受信を待機する(Sd1:NO)。開始指示Q1aを通信装置33により受信した場合(Sd1:YES)、制御装置31は、開始指示Q1aに含まれる目標色Ctと最短時間T1と最長時間T2とを記憶装置32に保存する(Sd2)。制御装置31は、各端末装置10bと各端末装置10cとに対して開始指示Q1bを送信する(Sd3)。開始指示Q1bは、光演出動作の開始を指示するメッセージであり、運営者Uaが選択した目標色Ctを含む。なお、開始指示Q1bの送信先となる端末装置10bおよび端末装置10cは、記憶装置32に事前に登録される。
【0037】
制御装置31は、制御値Xを最小値xLに初期化する(Sd4)。制御値Xは、演出進行度を制御するための変数であり、動作通知Aの受信回数Nに応じた速度で経時的に増加する。制御値Xの最小値xLは例えば0である。制御値Xを初期化すると、制御装置31は、光演出動作の経過時間tの計時を開始する(Sd5)。経過時間tは、光演出動作の開始から経過した時間長である。
【0038】
制御装置31は、複数の端末装置10cの各々から送信された動作通知Aを通信装置33により受信する(Sd6)。すなわち、制御装置31は、複数の端末装置10cの各々から視聴者Ucによる指示動作に応じて送信される動作通知Aを受信する受信部として機能する。制御装置31は、動作通知Aの受信回数Nを集計する(Sd7)。具体的には、所定長の単位期間内に動作通知Aを受信した回数が受信回数Nとして集計される。制御装置31は、受信回数Nに応じて制御値Xを更新する(Sd8)。
【0039】
図8は、制御値Xの時間的な変化に関する説明図である。制御装置31は、受信回数Nに応じた速度で制御値Xが増加するように制御値Xを更新する。具体的には、受信回数Nが多いほど制御値Xの増加速度が増加するように制御値Xを更新する。制御値Xの増加速度は、受信回数Nの集計(Sd7)毎に更新される。したがって、制御値Xは、
図8に鎖線で図示される通り、最小値xLを基点として時間tの経過とともに折線状に変化し、最終的には所定の最大値xHに到達する。最大値xHは、例えば100に設定される。
【0040】
図8の上限値EH(t)は、運営者Uaが指示した最短時間T1をかけて経時的に変化する数値である。具体的には、上限値EH(t)は、最短時間T1をかけて最小値xLから最大値xHまで直線的に変化する。他方、下限値EL(t)は、最短時間T1よりも長い最長時間T2をかけて経時的に変化する数値である。具体的には、下限値EL(t)は、最長時間T2をかけて最小値xLから最大値xHまで直線的に変化する。したがって、下限値EL(t)は上限値EH(t)を下回る。なお、
図8においては、上限値EH(t)が時間tの経過に対して直線的に変化する場合を例示したが、時間tと上限値EH(t)との関係は以上の例示に限定されない。例えば、時間tに対して上限値EH(t)が曲線状または折線状に変化してもよい。同様に、時間tと下限値EL(t)との関係は
図8の直線的な関係に限定されない。例えば、時間tに対して下限値EL(t)が曲線状または折線状に変化してもよい。
【0041】
図8から理解される通り、制御装置31は、現在の時間tにおける上限値EH(t)と下限値EL(t)との間の範囲内で制御値Xを変化させる。すなわち、受信回数Nに応じた増加速度で制御値Xを増加させた場合に当該制御値Xが上限値EH(t)を上回るならば、制御値Xは上限値EH(t)に設定される。他方、受信回数Nに応じた増加速度で増加させた場合に当該制御値Xが下限値EL(t)を下回るならば、制御値Xは下限値EL(t)に設定される。以上の説明から理解される通り、制御値Xが最小値xLから最大値xHに変化するまでの所要時間は、最短時間T1以上かつ最長時間T2以下の範囲内の時間となる。
【0042】
制御値Xを更新すると、制御装置31は、端末装置10bまたは端末装置10cから通信装置33が情報要求Rを受信したか否かを判定する(Sd9)。情報要求Rは、制御システム30に対して制御値Xを要求するメッセージである。情報要求Rを受信した場合(Sd9:YES)、制御装置31は、直近の更新(Sd8)後の制御値Xを、要求元の端末装置10bまたは端末装置10cに対して通信装置33から送信する(Sd10)。他方、情報要求Rを受信しない場合(Sd9:NO)、制御値Xの送信(Sd10)は実行されない。
【0043】
制御装置31は、運営者Uaの端末装置10aから通信装置33が終了指示Q2aを受信したか否かを判定する(Sd11)。終了指示Q2aを受信しない場合(Sd11:NO)、制御装置31は、処理をステップSd6に移行する。すなわち、動作通知Aの受信および集計(Sd6,Sd7)と、制御値Xの更新(Sd8)と、端末装置10bに対する制御値Xの送信(Sd9,Sd10)とが、終了指示Q2aの受信まで反復される。
【0044】
通信装置33が終了指示Q2aを受信した場合(Sd11:YES)、制御装置31は、各端末装置10bと各端末装置10cとに対して終了指示Q2bを送信する(Sd12)。終了指示Q2bの送信により制御処理Sdは終了する。
【0045】
[端末装置10cの動作]
図9は、視聴者Ucが使用する端末装置10cの制御装置11cが実行する処理(以下「参加処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。参加処理Scは、施設200内の光演出動作に視聴者Ucが関与するための処理である。操作装置14cに対する視聴者Ucからの指示を契機として参加処理Scが開始される。
【0046】
参加処理Scが開始されると、制御装置11cは、制御システム30から送信される開始指示Q1bの受信を待機する(Sc1:NO)。通信装置13cが開始指示Q1bを受信した場合(Sc1:YES)、制御装置11cは、開始指示Q1bに含まれる目標色Ctを記憶装置12cに保存する(Sc2)。
【0047】
制御装置11cは、
図10に例示される通り、操作画像51を表示装置15cに表示させる(Sc3)。操作画像51は、光演出動作への参加を視聴者Ucが指示するための画像である。制御装置11cは、視聴者Ucが操作画像51を操作するまで待機する(Sc4:NO)。以上の説明の通り、運営者Uaによる操作画像41の操作を契機として各視聴者Ucが光演出動作に参加可能な状態となる。
【0048】
操作画像51が操作されると(Sc4:YES)、制御装置11cは、
図10に例示される通り、初期的な状況画像52を表示装置15cに表示させる(Sc5)。状況画像52は、光演出動作の進行の状況を表す画像である。具体的には、状況画像52は、目標色Ctで表示される有効領域53を含む。参加処理Scが開始された直後の初期的な段階では、有効領域53は小さい面積で表示される。
【0049】
視聴者Ucは、状況画像52を視認しながら指示動作(例えばタップ操作)を実行する。制御装置11cは、視聴者Ucによる指示動作を操作装置14cが受付けたか否かを判定する(Sc6)。指示動作を受付けた場合(Sc6:YES)、制御装置11cは、指示動作の受付を意味する動作通知Aを通信装置13cから制御システム30に送信する(Sc7)。前述の通り、制御システム30は、各端末装置10cから送信された動作通知Aを受信する(Sd6)。他方、指示動作を受付けない場合(Sc6:NO)、制御装置11cは、動作通知Aの送信(Sc7)を実行しない。以上の通り、視聴者Ucによる指示動作毎に動作通知Aが制御システム30に送信される。
【0050】
制御装置11cは、状況画像52の表示または更新から所定の時間が経過するまで動作通知Aの送信(Sc6,Sc7)を反復する(Sc8:NO)。所定の時間が経過した場合(Sc8:YES)、制御装置11cは、情報要求Rを通信装置13cから制御システム30に送信する(Sc9)。前述の通り、端末装置10cから情報要求Rを受信した制御システム30は(Sd9:YES)、現時点の制御値Xを当該端末装置10cに送信する(Sd10)。端末装置10cの制御装置11cは、制御システム30から送信された制御値Xを通信装置13cにより受信する(Sc10)。すなわち、制御装置11cは、制御値Xを制御システム30から受信する受信部として機能する。
【0051】
制御装置11cは、制御システム30から受信した現時点の制御値Xに応じて状況画像52を更新する(Sc11)。具体的には、制御装置11cは、
図10に例示される通り、状況画像52内に目標色Ctで表示される有効領域53の面積を、制御値Xに応じて拡大する。有効領域53の面積は、制御値Xの増加とともに経時的に拡大する。また、制御値Xが所定の最大値xHに到達した場合、制御装置11cは、
図10に例示される通り、所定の達成画像54を表示装置15cに表示させる。達成画像54は、演出進行度が最大値に到達したことを意味する画像である。
【0052】
状況画像52を更新すると(Sc11)、制御装置11cは、通信装置13cが制御システム30から終了指示Q2bを受信したか否かを判定する(Sc12)。終了指示Q2bを受信しない場合(Sc12:NO)、制御装置11cは、処理をステップSc6に移行する。すなわち、視聴者Ucによる指示動作毎の動作通知Aの送信(Sc6,Sc7)と、制御値Xに応じた状況画像52の更新(Sc8~Sc11)とが、終了指示Q2bの受信まで反復される。終了指示Q2bの受信(Sc12:YES)により参加処理Scは終了する。
【0053】
[端末装置10bの動作]
図11は、施設200内の来場者Ubが使用する端末装置10bの制御装置11bが実行する処理(以下「演出処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。操作装置14bに対する来場者Ubからの指示を契機として演出処理Sbが開始される。なお、参加処理Scおよび演出処理Sbの何れを端末装置10に実行させるかを利用者U(来場者Ubまたは視聴者Uc)が選択できる構成も想定される。参加処理Scが選択された場合、端末装置10は視聴者Uc用の端末装置10cとして利用され、演出処理Sbが選択された場合、端末装置10は来場者Ub用の端末装置10bとして利用される。すなわち、端末装置10を演出用の端末装置10bとして使用するか、視聴用の端末装置10cとして使用するかを、利用者Uは選択できる。
【0054】
演出処理Sbが開始されると、制御装置11bは、制御システム30から送信される開始指示Q1bの受信を待機する(Sb1:NO)。通信装置13bが開始指示Q1bを受信した場合(Sb1:YES)、制御装置11bは、開始指示Q1bに含まれる目標色Ctを記憶装置12bに保存する(Sb2)。
【0055】
制御装置11bは、
図12に例示される通り、操作画像61を表示装置15bに表示させる(Sb3)。操作画像61は、光演出動作への参加を来場者Ubが指示するための画像である。制御装置11bは、視聴者Ucが操作画像61を操作するまで待機する(Sb4:NO)。以上の説明の通り、運営者Uaによる操作画像41の操作を契機として各来場者Ubが光演出動作に参加可能な状態となる。
【0056】
操作画像61が操作されると(Sb4:YES)、制御装置11bは、初期色C0を設定する(Sb5)。例えば、制御装置11bは、複数色の何れかを無作為に初期色C0として選択する。具体的には、制御装置11bは、例えば一様分布の乱数を発生し、複数色のうち当該乱数に対応する色を初期色C0として設定する。制御装置11bは、
図12に例示される通り、初期色C0の演出画像62を表示装置15bに表示させる(Sb6)。以上の通り、初期色C0は端末装置10b毎に個別に設定されるから、
図4に例示した通り、施設200内の2以上の端末装置10bにおいて初期色C0は相違する。
【0057】
また、制御装置11bは、設定値Yを設定する(Sb7)。設定値Yは、制御値Xの最小値xLから最大値xHまでの範囲内の数値(xL≦Y≦xH)に設定される。制御装置11bは、最小値xLから最大値xHまでの範囲内の数値を無作為に設定値Yとして選択する。具体的には、制御装置11bは、例えば最小値xLから最大値xHまでの範囲内で一様分布により発生する乱数を、設定値Yとして設定する。以上の通り、設定値Yは端末装置10b毎に無作為に設定されるから、施設200内の2以上の端末装置10において設定値Yは相違する。
【0058】
制御装置11bは、所定の時間が経過するまで待機する(Sb8)。所定の時間が経過した場合(Sb8:YES)、制御装置11bは、情報要求Rを通信装置13bから制御システム30に送信する(Sb9)。前述の通り、端末装置10bから情報要求Rを受信した制御システム30は(Sd9:YES)、現時点の制御値Xを当該端末装置10bに送信する(Sd10)。端末装置10bの制御装置11bは、制御システム30から送信された制御値Xを通信装置13bにより受信する(Sb10)。
【0059】
制御装置11bは、制御システム30から受信した現時点の制御値Xが設定値Yを上回るか否かを判定する(Sb11)。制御値Xが設定値Yを下回る場合(Sb11:NO)、制御装置11bは処理をステップSb8に移行する。すなわち、最新の制御値Xの取得(Sb9,Sb10)と、当該制御値Xと設定値Yとの比較(Sb11)とが、所定の時間毎に反復される。
【0060】
制御値Xが設定値Yを上回る場合(Sb11:YES)、制御装置11bは、
図12に例示される通り、表示装置15bに表示される演出画像62の表示色を、記憶装置12bに保存された目標色Ctに変更する(Sb12)。すなわち、経時的に増加する制御値Xが設定値Yに到達した場合に、演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctに変化する。以上の説明から理解される通り、制御システム30の制御装置31が制御値Xを各端末装置10bに送信する動作(Sd10)により、施設200内にある複数の端末装置10bにおける表示色を受信回数Nに応じて制御する制御部が実現される。また、端末装置10bの制御装置11bは、表示装置15bの表示態様を変化させる制御部として機能する。なお、制御値Xと設定値Yとが等しい場合には、ステップSb8への移行と演出画像62の更新(Sb12)との何れが実行されてもよい。
【0061】
前述の通り、設定値Yは端末装置10b毎に個別に設定される。他方、制御値Xは複数の端末装置10bについて共通する。したがって、演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctに変化する時点は、端末装置10b毎に相違する。すなわち、施設200内の複数の端末装置10bのうち演出画像62の表示色が目標色Ctに変化した端末装置10bの割合(すなわち演出進行度)が、制御値Xの増加とともに経時的に増加し、最終的には全部の端末装置10bの演出画像62が目標色Ctに変化する。制御値Xの増加速度は動作通知Aの受信回数Nに応じて制御されるから、演出進行度も受信回数Nに応じた速度で経時的に増加する。各端末装置10bにおける演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctに変化する時点が、動作通知Aの受信回数Nに応じて制御される、とも換言される。
【0062】
以上の説明から理解される通り、光演出動作の過程では、施設200内の複数の端末装置10bのうち制御値Xに応じた個数または割合の端末装置10bが目標色Ctを表示する。すなわち、制御値Xは、演出進行度と実質的に同視される。前述の通り、制御値Xは、最短時間T1をかけて経時的に変化する上限値EH(t)と、最長時間T2をかけて経時的に変化する下限値EL(t)との間の範囲内で経時的に変化する。したがって、演出進行度は、最短時間T1をかけて経時的に変化する最大値と、最長時間T2をかけて経時的に変化する最小値との間で経時的に変化する。
【0063】
以上の通り、全部の端末装置10bにおける演出画像62の表示色が目標色Ctに変化するまでの時間は、最短時間T1以上かつ最長時間T2以下の範囲に制限される。したがって、最短時間T1を下回る過度な短時間で全部の演出画像62が目標色Ctに変化すること、または、全部の演出画像62の表示色が目標色Ctに変化するまでに、最長時間T2を上回る過度な長時間が経過することを抑制できる。
【0064】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、複数の端末装置10cから送信される動作通知Aの受信回数Nに応じて、施設200内の複数の端末装置10bにおける演出画像62の表示色が制御される。したがって、施設200外に所在する視聴者Ucが、施設200内における視覚的な演出効果に関与できる。第1実施形態においては、施設200内の複数の端末装置10bにおける演出画像62の表示色が共通の目標色Ctに変化するから、視覚的な統一感または一体感のある効果的な演出を実現できる。施設200内で光演出動作が進行する様子は、施設200内の様子を収録した動画コンテンツVの視聴により各視聴者Ucも確認できる。
【0065】
第1実施形態においては、複数の端末装置10bのうち演出画像62の表示色が目標色Ctに変化した端末装置10bの個数または割合である演出進行度が受信回数Nに応じて経時的に増加する。したがって、施設200外の複数の視聴者Ucが、施設200内における演出進行度の増加速度に関与できる。
【0066】
また、第1実施形態においては、複数の端末装置10bの各々が制御システム30から取得する制御値Xが、端末装置10b毎に設定される設定値Yに到達した場合に、当該端末装置10bにおける演出画像62の表示色が目標色Ctに変化する。したがって、複数の端末装置10bの各々における演出画像62の表示色を制御システム30が管理する必要がないという利点がある。
【0067】
端末装置10aに対する運営者Uaからの指示を契機として、各端末装置10cによる動作通知Aの送信(Sc7)と、各端末装置10bによる表示色の制御(Sb12)とが開始される。したがって、施設200内で進行するイベントに対して不適切な時点で光演出動作が開始される事態を回避できる。
【0068】
B:第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明と同様の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0069】
図13は、第2実施形態に係る演出システム100の構成を例示するブロック図である。第2実施形態の演出システム100は、第1実施形態と同様の要素に加えて放音システム25を具備する。放音システム25は、施設200内に設置された音響設備で構成される音響システムであり、施設200内に音響を放音する。放音システム25は、例えば、施設200内の相異なる場所に設置された複数の放音装置を具備する。
【0070】
第2実施形態の制御システム30は、第1実施形態と同様に光演出動作を制御するほか、放音システム25に各種の効果音を放音させる。効果音は、イベントに関する演出用の音響である。例えば、競技イベントの出場者に関する応援歌の歌唱音および楽器音、多数の観客が発声する歓声、観客の拍手により発生する拍手音、多数の観客が落胆時に発音する溜息音等が、効果音として例示される。制御システム30は、複数の効果音の何れかを選択的に放音システム25に放音させる。例えば、相異なる効果音の波形を表す複数の音響データの何れかを制御システム30が放音システム25に送信することで、放音システム25は、当該音響データに対応する効果音を放音する。施設200内における効果音の放音により、例えば来場者Ubが少ない状況でも、恰も多数の観客が観覧しているかのような雰囲気を施設200内に生成できる。なお、制御システム30は、光演出動作を制御する装置と効果音の放音を制御する装置とで構成されてもよい。
【0071】
図14は、視聴者Ucが使用する端末装置10cの表示装置15cが表示する選択画面70の模式図である。選択画面70は、複数種の効果音の何れかを視聴者Ucが選択するための画像である。具体的には、選択画面70には、相異なる効果音に対応する複数の操作画像71が配置される。各操作画像71は、操作装置14cを利用して視聴者Ucが操作可能なソフトウェアボタンである。
図14の「応援歌」は、競技イベントの出場者に関する応援歌の歌唱音および楽器音を意味する。「歓声」は、競技イベントにおいて観客が発声する歓声音を意味する。「拍手」は、観客の拍手により発音される拍手音を意味する。「落胆」は、観客が落胆時に発音する溜息音を意味する。
【0072】
視聴者Ucは、動画コンテンツVを視聴しながら操作装置14cを操作することで、複数種の効果音の何れかを選択画面70から選択できる。端末装置10cの制御装置11cは、視聴者Ucが選択した効果音を指定する選択通知Bを通信装置13cから制御システム30に送信する。
【0073】
制御システム30が送信する開始指示Q1bを端末装置10cが受信すると(Sc1)、制御装置11cは、
図14に例示される通り、選択画面70に重複するように操作画像51を表示装置15cに表示させる(Sc3)。なお、開始指示Q1bの受信前の状態では(Sc1:NO)、複数の操作画像71は表示装置15cに表示される一方、操作画像51は表示されない。すなわち、視聴者Ucによる効果音の選択を受付ける状態が、開始指示Q1bの受信を契機として、効果音の選択と光演出動作への参加の指示とを受付ける状態に遷移する。
【0074】
図15は、第2実施形態の制御システム30が効果音の放音を制御するための処理(以下「放音処理」という)Seの具体的な手順を例示するフローチャートである。制御システム30の制御装置31は、第1実施形態と同様の制御処理Sd(
図7)に並行して放音処理Seを実行する。すなわち、施設200内のイベントの進行に並行して放音処理Seが実行される。放音処理Seは、所定の周期で反復される。
【0075】
放音処理Seが開始されると、制御装置31は、各端末装置10cから送信された選択通知Bを通信装置33により受信する(Se1)。制御装置31は、各選択通知Bが指定する効果音を集計することで、複数種の効果音の各々について選択回数Mを算定する(Se2)。各効果音の選択回数Mは、複数の視聴者Ucにより当該効果音が選択された回数である。
【0076】
制御装置31は、各効果音の選択回数Mに応じて複数種の効果音の何れかを選択する(Se3)。例えば、制御装置31は、複数種の効果音のうち選択回数Mが最大である効果音(以下「選択効果音」という)を選択する。制御装置31は、選択効果音を放音システム25に放音させる(Se4)。例えば、制御装置31は、選択効果音の音響データを放音システム25に供給することで当該選択効果音を放音させる。なお、制御装置31は、選択効果音の選択回数Mに応じて音響データを処理することで選択効果音の音量を調整してもよい。例えば、選択回数Mが多いほど選択効果音の音量が増加する構成が想定される。
【0077】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、光演出動作に加えて効果音の放音が実行されるから、視覚的な演出効果と聴覚的な演出効果との双方を施設200内で実現できる。また、複数の視聴者Ucが、視覚的な演出効果と聴覚的な演出効果との双方に関与できる。
【0078】
C:第3実施形態
図16は、第3実施形態において端末装置10aの表示装置15aに表示される操作画面40の模式図である。第3実施形態の操作画面40は、
図6に例示した第1実施形態の操作画面40と同様の要素に加えて操作画像46(即時変更)を含む。前述の通り、光演出動作は、最短時間T1以上かつ最長時間T2以下の範囲内の時間をかけて徐々に進行する。
図16の操作画像46は、運営者Uaが光演出動作を即時的かつ強制的に終了させるための画像である。運営者Uaが操作画像46を操作した場合、端末装置10aの制御装置11aは、即時終了指示を通信装置13aから制御システム30に送信する。
【0079】
図17は、第3実施形態における制御処理Sdの一部を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様の手順で制御値Xを更新すると(Sd8)、制御装置31は、通信装置33が端末装置10aから即時終了指示を受信したか否かを判定する(Sd21)。即時終了指示を受信した場合(Sd21:YES)、制御装置31は、制御値Xを最大値xHに設定する(Sd22)。他方、即時終了指示を受信しない場合(Sd21:NO)、制御値Xを最大値xHに設定する処理は実行されない。制御装置31は、第1実施形態と同様に、端末装置10bまたは端末装置10cに制御値Xを送信する(Sd9,Sd10)。
【0080】
制御値Xが最大値xHに設定された場合、当該制御値Xは、各端末装置10bについて設定された設定値Yを当然に上回る(Sb11)。すなわち、演出処理Sb(
図11)におけるステップSb11の判定の結果は肯定となる(Sb11:YES)。したがって、演出画像62が目標色Ctに変更されていない全部の端末装置10bにおいて、当該演出画像62の表示色は目標色Ctに変更される。すなわち、光演出動作は、最終的な状態まで強制的に進行する。また、制御値Xが最大値xHに設定されることで、端末装置10cにおいては達成画像54が表示される。
【0081】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態においては、運営者Uaが光演出動作を即時的かつ強制的に終了させることが可能である。なお、放音システム25が効果音を放音する第2実施形態の構成を第3実施形態に適用してもよい。また、以上の説明においては、制御値Xを最大値xHに設定することで光演出動作を終了したが、光演出動作の終了を指示する指示データを、制御システム30の制御装置31が各端末装置10bおよび各端末装置10cに送信してもよい。端末装置10bの制御装置11bは、制御システム30から指示データを受信した場合、演出画像62の表示色を目標色Ctに変更する。また、端末装置10cの制御装置11cは、制御システム30から指示データを受信した場合、達成画像54を表示装置15cに表示させる。
【0082】
D:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された複数の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0083】
(1)前述の各形態においては、表示装置15bによる表示色を目標色Ctに変化させる形態を例示したが、動作通知Aの受信回数Nに応じて変化される表示態様は表示色に限定されない。すなわち、受信回数Nに応じて表示態様が制御される形態であれば、表示態様の種類は任意である。「表示態様」は、観察者が視覚的に弁別可能な表示の特性を意味する。例えば前述の各形態で例示した表示色のほか、演出画像62の模様(図柄)または形状が「表示態様」の概念には包含される。なお、「表示色」は、色相(色調),彩度または明度(階調)で規定される。以上に例示した1種以上の表示態様が、動作通知Aの受信回数Nに応じて制御される。演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに変化させる処理は、端末装置10bの表示態様を初期的な表示態様(初期態様)から目標の表示態様(目標態様)に変化させる処理として包括的に表現される。なお、前述の各形態においては、演出画像62の全体の表示色が変化する形態を例示したが、演出画像62の一部の表示態様が変化する形態も想定される。
【0084】
(2)前述の各形態においては、来場者Ubが使用する端末装置10bを演出用の装置(以下「演出装置」という)として例示したが、演出装置は以上の例示に限定されない。例えば、発光色が可変である照明装置を演出装置として利用してもよい。照明装置は、制御システム30と通信可能な可搬型(例えばペンライト型)の発光体を具備する。照明装置の発光色は、前述の各形態における端末装置10bと同様の動作により初期色C0から目標色Ctに変化する。また、例えば施設200内に設置された表示装置を演出装置として利用してもよい。表示装置は、制御システム30と通信可能な大型の表示体(例えば野球場に設置されるバックスクリーン)である。表示装置の表示色は、前述の各形態における端末装置10bと同様の動作により初期色C0から目標色Ctに変化する。以上の説明から理解される通り、演出装置は、表示態様を変更可能な任意の装置である。なお、照明装置が演出装置として利用される構成では、発光色または発光量が「表示態様」の概念に包含される。
【0085】
(3)前述の各形態においては、表示装置15cの表示面に対するタップ操作を指示動作として例示したが、指示動作は以上の例示に限定されない。例えば、表示装置15cの表示面に対するフリック操作もしくはダブルタップ操作、または操作装置14cが具備する操作子を押圧する動作も「指示動作」に包含される。また、指示動作は、操作装置14cが検出する動作に限定されない。例えば、操作装置14c以外の検出装置(例えば加速度センサ)が検出する視聴者Ucの動作も「指示動作」には包含される。例えば、視聴者Ucが端末装置10cを振る動作を「指示動作」として検出装置が検出してもよい。
【0086】
(4)前述の各形態においては、演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに切替えたが、表示色の変化の態様は以上の例示に限定されない。例えば、演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctまで段階的または連続的に変化してもよい。具体的には、初期色C0と目標色Ctとの間の範囲内において演出画像62の表示色を制御値Xに応じて多値的に制御する構成が想定される。演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctに変化する速度を、動作通知Aの受信回数Nに応じて制御してもよい。
【0087】
(5)前述の各形態においては、動作通知Aの受信回数Nに応じた時点で各端末装置10bにおける演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに変更したが、受信回数Nと端末装置10bの表示態様との関係は以上の例示に限定されない。例えば、各端末装置10bにおける演出画像62の明度または彩度を受信回数Nに応じて制御してもよい。例えば、受信回数Nが多いほど各端末装置10bにおける演出画像62の明度または彩度を上昇させる構成が想定される。また、受信回数Nに応じた頻度で各端末装置10bにおける演出画像62の表示態様を変化させてもよい。複数の端末装置10bにおいて演出画像62の表示態様が変化する時点の異同は不問である。以上の例示から理解される通り、「受信回数Nに応じて表示態様を制御する」とは、受信回数Nの変化に連動して端末装置10bにおける表示態様が変化することを意味する。すなわち、受信回数Nが第1値である場合と、受信回数Nが第1値以外の第2値である場合とにおいて、表示態様の変化(例えば変化の条件)が相違する構成が想定される。受信回数Nが第1値である場合における演出進行度の時間変化と、受信回数Nが第2値である場合おける演出進行度の時間変化とが相違する構成、とも換言される。
【0088】
例えば、前述の各形態においては、動作通知Aの受信回数Nに応じて制御値X(演出進行度)の増加速度を制御したが、受信回数Nと制御値Xとの関係は以上の例示に限定されない。具体的には、受信回数Nに応じた頻度で制御値Xを増加させる構成も想定される。
【0089】
(6)前述の各形態においては、各端末装置10bにおける演出画像62の表示色が、複数の端末装置10bの間で共通の目標色Ctに変化する形態を例示したが、演出画像62の最終的な表示態様が複数の端末装置10bについて共通することは必須ではない。例えば、前述の各形態とは反対に、演出画像62の表示色が、複数の端末装置10bについて共通する初期色C0から、端末装置10b毎に個別に設定された目標色Ctに変化する形態も想定される。
【0090】
(7)前述の各形態においては、演出画像62の初期色C0を各端末装置10bが個別に設定する形態を例示したが、制御システム30が複数の端末装置10bの各々について統括的に初期色C0を設定してもよい。例えば、制御システム30の制御装置31は、複数の端末装置10bの各々について複数の表示色の何れかを初期色C0として選択し、当該初期色C0を各端末装置10bに通知する。以上の構成によれば、演出画像62の初期色C0を複数の端末装置10bにおいて適度に分散させることが可能である。
【0091】
また、前述の各形態においては、設定値Yを各端末装置10bが個別に設定する形態を例示したが、制御システム30が複数の端末装置10bの各々について統括的に設定値Yを設定してもよい。例えば、制御システム30の制御装置31は、複数の端末装置10bの各々について相異なる設定値Yを設定し、当該設定値Yを各端末装置10bに通知する。各端末装置10bの制御装置11bは、通信装置13bにより設定値Yを受信する。設定値Yが適用される具体的な処理は第1実施形態と同様である。以上の構成によれば、設定値Yを複数の端末装置10bにおいて適度に分散させることが可能である。すなわち、演出画像62の表示色が初期色C0から目標色Ctに変化する時点を複数の端末装置10bの間において適度に分散させることが可能である。以上の説明から理解される通り、端末装置10bの制御装置11bは、設定値Yを取得する要素(取得部)として機能する。取得部は、第1実施形態の例示のように設定値Yを設定する要素と、制御システム30から設定値Yを受信する要素との双方を包含する。
【0092】
(8)前述の各形態においては、画像全体にわたり表示色が一様である大面積の画像を演出画像62として例示したが、演出画像62は以上に例示した画像に限定されない。例えば、領域毎に表示色が相違する画像、または、幾何学模様等の各種の模様を含む画像等、任意の画像が演出画像62として利用される。
【0093】
(9)前述の各形態においては、経時的に増加する制御値Xが端末装置10b毎の設定値Yを上回る場合に、端末装置10bが演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに変更したが、各端末装置10bにおいて演出画像62の表示色を変更するための具体的な構成および方法は、以上の例示に限定されない。例えば、演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに変更する指示(以下「変更指示」という)を制御システム30から各端末装置10bに送信してもよい。具体的には、制御システム30の制御装置31は、演出進行度が受信回数Nに応じて経時的に増加するように複数の端末装置10bの各々を順次に選択し、選択した各端末装置10bに対して変更指示を送信する。各端末装置10bは、通信装置13bが制御システム30から変更指示を受信した場合に、演出画像62の表示色を初期色C0から目標色Ctに変更する。
【0094】
(10)前述の各形態においては、端末装置10を演出用の端末装置10bとして使用するか視聴用の端末装置10cとして使用するかを利用者Uが選択したが、施設200内に所在する端末装置10を演出用の端末装置10bとして動作させ、施設200内に所在しない端末装置10を視聴用の端末装置10cとして動作させる構成も想定される。
【0095】
例えば、施設200内に無線送信装置が設置される。無線送信装置は、端末装置10が施設200内に所在することを表す確認データを、近距離無線通信により施設200内に送信する。すなわち、施設200内に所在する端末装置10は確認データを受信できるが、施設200外に所在する端末装置10は確認データを受信できない。確認データを受信した端末装置10が演出用の端末装置10bとして動作し、確認データを受信できない端末装置10は視聴用の端末装置10cとして動作する。無線送信装置が実行する近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信、または、音響を伝送媒体とする音響通信である。確認データを音響通信により送信する構成では、例えば施設200内に案内音声を放音する放音装置が無線送信装置として利用される。また、施設200内に掲示されたQRコード(登録商標)の読取を実行した端末装置10を、演出用の端末装置10bとして動作させてもよい。
【0096】
(11)前述の各形態においては競技イベントおよび音楽イベントを例示したが、前述の各形態が適用されるイベントは以上の例示に限定されない。例えば、ダンサーがダンスするダンスイベント、俳優が出演する演劇イベント、講演者が講演する講演イベント、学校や学習塾等の各種の教育機関が生徒に授業を提供する教育イベント等、特定の目的で実施される各種のイベントに、前述の各形態は適用される。
【0097】
(12)以上に例示した制御システム30の機能は、前述の通り、制御装置31を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。また、各端末装置10(10a,10b,10c)の機能は、制御装置11を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0098】
以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0099】
E:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0100】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る演出方法は、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信し、特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する。以上の態様においては、複数の端末装置から送信される動作通知の受信回数に応じて、特定の場所にある演出装置の表示態様が制御される。したがって、例えば特定の場所以外の場所に所在する端末装置の利用者が、特定の場所における視覚的な演出効果に関与できる。
【0101】
態様1の具体例(態様2)において、前記1以上の演出装置は、複数の演出装置であり、前記表示態様の制御においては、前記複数の演出装置の各々の表示態様を共通の目標態様に変化させる。以上の態様においては、特定の場所にある複数の演出装置の表示態様が共通の目標態様に変化する。したがって、視覚的な統一感または一体感のある効果的な演出を実現できる。なお、複数の演出装置の各々において表示態様が目標態様に変化する時点の異同は不問である。
【0102】
態様2の具体例(態様3)において、前記表示態様の制御においては、前記複数の演出装置のうち前記表示態様が前記目標態様に変化した演出装置の個数または割合である演出進行度が、前記受信回数に応じて経時的に増加するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する。以上の態様においては、複数の演出装置のうち表示態様が変化した演出装置の個数または割合である演出進行度が、動作通知の受信回数に応じて経時的に増加する。したがって、端末装置の利用者が、特定の場所における演出進行度の増加速度に関与できる。
【0103】
なお、動作通知の受信回数と演出進行度との関係は任意である。例えば、動作通知の受信回数の増加に対して演出進行度が単調増加する構成が想定される。なお、受信回数の数値範囲の全域にわたり、演出進行度が受信回数に連動する必要はない。例えば、特定の範囲内における受信回数の変化に対して演出進行度が変化しない形態も想定される。
【0104】
態様3の具体例(態様4)において、前記表示態様の制御においては、前記演出進行度の増加速度が前記受信回数に応じて変化するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する。以上の態様においては、複数の演出装置にわたる全体的な表示態様が目標態様に変化する速度を制御できる。例えば、動作通知の受信回数が多いほど演出進行度の増加速度が上昇する構成が想定される。なお、演出進行度の増加速度とは、演出進行度の時間的な増加率(単位時間毎の増加量)を意味する。
【0105】
態様3または態様4の具体例(態様5)において、前記表示態様の制御においては、第1時間をかけて経時的に変化する最大値と、前記第1時間よりも長い第2時間をかけて経時的に変化する最小値との間の範囲内において、前記演出進行度が変化するように、前記複数の演出装置の各々の表示態様を制御する。以上の態様においては、複数の演出装置の全部の表示態様が目標態様に変化するまでの時間を、第1時間以上かつ第2時間以下の範囲に制限できる。すなわち、複数の演出装置の表示態様を、第1時間以上かつ第2時間以下の適度な時間をかけて目標態様に変化させることが可能である。例えば、過度な短時間で全部の演出装置の表示態様が目標態様に変化すること、または、全部の演出装置の表示態様が目標態様に変化するまでに過度に長時間が経過することを抑制できる。
【0106】
態様2から態様5の何れかの具体例(態様6)において、前記複数の演出装置の各々は設定値を設定し、前記表示態様の制御においては、前記複数の端末装置の各々から前記動作通知を受信する制御システムが、前記受信回数に応じて制御値を経時的に増加させ、前記複数の演出装置の各々が、前記制御システムから前記制御値を取得し、当該演出装置に設定された前記設定値に当該制御値が到達した場合に前記表示態様を変化させる。以上の態様においては、複数の演出装置の各々が制御システムから取得する制御値が、演出装置毎に設定される設定値に到達した場合に、当該演出装置が表示態様を変化させる。したがって、複数の演出装置の各々における表示態様を制御システムが把握する必要がない。
【0107】
態様1から態様6の何れかの具体例(態様7)において、運営装置に対する運営者からの指示を契機として、前記複数の端末装置の各々による動作通知の送信と、前記1以上の演出装置の表示態様の制御とが開始される。以上の態様においては、運営装置に対する運営者からの指示を契機として、各端末装置による動作通知の送信と演出装置の表示態様の制御とが開始される。したがって、不適切な時点で演出装置の表示態様が変化する事態を回避できる。
【0108】
本開示のひとつの態様(態様8)に係る制御システムは、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知を受信する受信部と、特定の場所にある1以上の演出装置の表示態様を、前記動作通知の受信回数に応じて制御する制御部とを具備する。また、本開示のひとつの態様(態様9)に係る端末装置は、設定値を取得する取得部と、複数の端末装置の各々から利用者による動作に応じて送信される動作通知の受信回数に応じて経時的に増加する制御値を、制御システムから受信する受信部と、前記制御値が前記設定値に到達した場合に表示装置の表示態様を変化させる制御部とを具備する。
【符号の説明】
【0109】
100…演出システム100、10(10a,10b,10c)…端末装置10、11(11a,11b,11c)…制御装置、12(12a,12b,12c)…記憶装置、13(13a,13b,13c)…通信装置、14(14a,14b,14c)…操作装置、15(15a,15b,15c)…表示装置、21…収録システム、22…配信システム、30…制御システム、31…制御装置、32…記憶装置、33…通信装置。