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特開2022-75172情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075172
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20220511BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20220511BHJP
   H04N 21/6543 20110101ALI20220511BHJP
   H04N 21/658 20110101ALI20220511BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20220511BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20220511BHJP
   H04H 60/46 20080101ALI20220511BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20220511BHJP
   H04H 60/66 20080101ALI20220511BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/442
H04N21/6543
H04N21/658
H04N17/00 N
H04H60/37
H04H60/46
H04H60/82
H04H60/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185784
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】509137087
【氏名又は名称】株式会社TBSテレビ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 俊二
【テーマコード(参考)】
5C061
5C164
【Fターム(参考)】
5C061BB03
5C164FA11
5C164SB07P
5C164SB41S
5C164TC02P
5C164TC14P
5C164UB10S
5C164UB26S
5C164UB41P
5C164YA10
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】直接的にCMの視聴状況を把握することを可能にする。
【解決手段】本発明の一態様に係る情報処理装置は、放送信号を生成する放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを切り替える切替部から、放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを取得し、取得されたコンテンツデータにCMデータが含まれるか否かを検知する検知部であって、CMデータは所定の記憶部に対応付けて記憶されたCMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを含む、検知部と、検知部により検知されたCMデータに含まれるCM識別情報を取得する取得部と、取得されたCM識別情報を含むイベントメッセージであって、放送信号生成部がコンテンツデータに含まれるCMデータに基づいて生成する放送信号に含めるためのイベントメッセージを生成する生成部と、イベントメッセージを放送信号生成部に送出する送出部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を生成する放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを切り替える切替部から、前記放送信号生成部に入力される前記コンテンツデータを取得し、取得された前記コンテンツデータにCMデータが含まれるか否かを検知する検知部であって、前記CMデータは所定の記憶部に対応付けて記憶されたCMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを含む、検知部と、
前記検知部により検知された前記CMデータに含まれる前記CM識別情報を取得する取得部と、
取得された前記CM識別情報を含むイベントメッセージであって、前記放送信号生成部が前記コンテンツデータに含まれる前記CMデータに基づいて生成する放送信号に含めるためのイベントメッセージを生成する生成部と、
前記イベントメッセージを前記放送信号生成部に送出する送出部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記CM識別情報は、共通コード管理センターが発番した10桁CMコード、又は放送局が発番した発局素材IDである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記イベントメッセージが生成されるタイミングを示すCM位置情報を算出し、算出された前記CM位置情報を前記イベントメッセージに含める、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記CM位置情報は、前記放送信号生成部に前記CMデータが入力されてからの経過時刻である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
放送信号を生成する放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを切り替える切替部から、前記放送信号生成部に入力される前記コンテンツデータを取得し、取得された前記コンテンツデータにCMデータが含まれるか否かを検知する検知ステップであって、前記CMデータは所定の記憶部に対応付けて記憶されたCMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを含む、検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記CMデータに含まれる前記CM識別情報を取得する取得ステップと、
取得された前記CM識別情報を含むイベントメッセージであって、前記放送信号生成部が前記コンテンツデータに含まれる前記CMデータに基づいて生成する放送信号に含めるためのイベントメッセージを生成する生成ステップと、
前記イベントメッセージを前記放送信号生成部に送出する送出ステップと、
を実行させる情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
放送信号を生成する放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを切り替える切替部から、前記放送信号生成部に入力される前記コンテンツデータを取得し、取得された前記コンテンツデータにCMデータが含まれるか否かを検知する検知ステップであって、前記CMデータは所定の記憶部に対応付けて記憶されたCMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを含む、検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記CMデータに含まれる前記CM識別情報を取得する取得ステップと、
取得された前記CM識別情報を含むイベントメッセージであって、前記放送信号生成部が前記コンテンツデータに含まれる前記CMデータに基づいて生成する放送信号に含めるためのイベントメッセージを生成する生成ステップと、
前記イベントメッセージを前記放送信号生成部に送出する送出ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項7】
CMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記CM識別情報を含む放送信号を生成する放送信号生成部と、を備える放送局システムから送出される放送信号を受信して、該放送信号に基づくデータ放送を視聴するための受信装置であって、
受信した前記放送信号に含まれるCMを識別するためのCM識別情報を取得する取得部と、
取得された前記CM識別情報に基づいて視聴ログを生成する視聴ログ生成部と、
生成された前記視聴ログを他の情報処理装置に送信する送信部と、
を備える受信装置。
【請求項8】
データ放送の放送信号を送出する放送局システムと、前記放送信号を受信して前記データ放送を視聴するための受信装置と、前記データ放送におけるCMの視聴ログを収集する視聴ログ収集サーバと、を備える情報処理システムであって、
前記放送局システムは、
CMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記CM識別情報を含む前記放送信号を生成する放送信号生成部と、を備え、
前記受信装置は、
受信した前記放送信号に含まれる前記CM識別情報を取得する取得部と、
取得された前記CM識別情報に基づいて視聴ログを生成する視聴ログ生成部と、
生成された前記視聴ログを前記視聴ログ収集サーバに送信する送信部と、を備え、
前記視聴ログ収集サーバは、
前記受信装置から、前記視聴ログを受信する受信部と、
受信された前記視聴ログを解析する解析部と、を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信ネットワークに接続されたテレビ等の映像視聴機器から、視聴者によるCMの視聴履歴を視聴ログとして取得することが知られている。例えば、特許文献1には、複数のTV受信機から視聴ログを取得するポータルサーバが記載されている。当該視聴ログは、TV受信機を識別するためのテレビID、選局した放送番組の受信を開始した日時である開始時刻、選局した放送番組の受信を終了した日時である終了時刻、及び当該放送番組を放送している放送局等を識別するための放送局IDを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-220826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した視聴ログは、あくまでもどの受信機が何時から何時までどのチャンネルを視聴したかという間接的な指標に過ぎない。そのため、視聴者がどのCMを視聴したかを把握するためには、別途、視聴ログを番組やCMの放送スケジュールに照らす必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、直接的にCMの視聴状況を把握することを可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、放送信号を生成する放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを切り替える切替部から、放送信号生成部に入力されるコンテンツデータを取得し、取得されたコンテンツデータにCMデータが含まれるか否かを検知する検知部であって、CMデータは所定の記憶部に対応付けて記憶されたCMの素材データとCMを識別するためのCM識別情報とを含む、検知部と、検知部により検知されたCMデータに含まれるCM識別情報を取得する取得部と、取得されたCM識別情報を含むイベントメッセージであって、放送信号生成部がコンテンツデータに含まれるCMデータに基づいて生成する放送信号に含めるためのイベントメッセージを生成する生成部と、イベントメッセージを放送信号生成部に送出する送出部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、CMを識別するためのCM識別情報を含む放送信号を生成することが可能となるため、放送信号を受信装置や、受信装置から視聴ログを収集する視聴ログ収集サーバ等の情報処理装置において、直接的にCMの視聴状況を把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、直接的にCMの視聴状況を把握することを可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】放送システム1の全体構成の一例を示す概略図である。
図2】放送局システム10の構成例を概略的に示した図である。
図3】CM確認信号ANCパケットのデータ構造の一例を示す図である。
図4】CM確認信号EM変換部112の機能構成の一例を示す図である。
図5】汎用EM記述子のデータ構造の一例を示す図である。
図6】CM確認信号ANCパケット解析処理の動作フローの一例を示す図である。
図7】汎用EM記述子生成送出処理の動作フローの一例を示す図である。
図8】受信装置20の構成例を概略的に示した図である。
図9A】視聴ログのデータ構造の一例を示す図である。
図9B】視聴ログのデータ構造の他の一例を示す図である。
図10】視聴ログ生成処理の動作フローの一例を示す図である。
図11】視聴ログ送信処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0011】
(1)放送システム1
図1は、本実施形態に係る放送システム1の全体構成の一例を示す概略図である。放送システム1は、例えば、少なくとも1つの放送局システム10と、所定の放送エリア内に設置された少なくとも1つの受信装置20と、少なくとも1つの視聴ログ収集サーバ30とを含む。
【0012】
放送局システム10は、対応する放送局エリア内の受信装置20に対して、データ放送を提供する。すなわち、放送局システム10は、各種の番組データ及びCMデータ等のコンテンツデータや、他の付属的な情報を含む付属データに基づいて、放送信号を生成及び送出等するシステムである。放送信号の伝送方式は、特に限定されないが、例えばMPEG-2(Moving Picture Experts Group phase 2)のトランスポートストリーム(TS;Transport Stream)方式や、MMT(MPEG Media Transport)方式等であってよい。放送システム1が有する複数の放送局システム10は、放送事業者のネットワークである系列を構成してもよい。例えば同図には、一例として、系列におけるキー局に相当する放送局システム10Aと、当該系列における他の系列局に相当する放送局システム10B、…10Zとが示されている。
【0013】
受信装置20は、所定の放送エリア内に設置されており、放送局システム10から、上述した放送信号を受信する。また、受信装置20は、通信ネットワークNと接続する機能を有し、通信ネットワークNを介して視聴ログ収集サーバ30と接続している。受信装置20は、例えば、各種の番組やCM等のコンテンツの視聴履歴である視聴ログを収集サーバに送信する。
【0014】
視聴ログ収集サーバ30は、例えば1つ又は複数のコンピュータで構成されてよく、受信装置20から視聴ログを受信することにより、当該視聴ログを収集する。ここで、コンピュータは、例えば、プロセッサとメモリとを有する情報処理装置であってよい。
【0015】
本実施形態に係る放送システム1においては、放送局システム10は受信装置20に送出する放送信号に、CMを識別するためのCM識別情報を含めることが可能である。受信装置20は、放送信号に含まれるCM識別情報に基づいて視聴ログを生成し、視聴ログ収集サーバ30に送信する。視聴ログ収集サーバ30は、受信装置20から受信した視聴ログのみに基づいて、視聴されたCMを特定することができる。
【0016】
(2)放送局システム10
(2-1)放送局システム10の構成例
図2は、本実施形態に係る放送局システム10の構成例を概略的に示した図である。放送局システム10は、例えば、1つ又は複数のコンピュータで構成されてよい。放送局システム10は、例えば、CMバンク101と、番組サーバ102と、スタジオシステム103と、自動切替スイッチ104と、番組送出自動制御装置(APS/APC)105と、送出データ処理サーバ(DS)106と、放送信号生成部107と、CM確認信号EM変換部112とを含む。
【0017】
CMバンク101は、CMデータを保存・管理するシステムである。CMバンク101は、自動切替スイッチ104にCMデータを供給する。ここで、CMデータは、例えば、CM素材データと、CM素材データのフレーム間に埋め込まれたCM確認信号ANCパケットとを含む。CM素材データは、CMの映像データ及び音声データであり、例えば、広告主からの依頼に応じてCM製作会社によって作成されたデータである。CM素材データは、CM製作会社等から搬入され、当該CMバンク101に記憶される。CM確認信号ANCパケットは、CM素材データに関する各種の情報を含むパケットである。CM確認信号ANCパケットは、例えば、CM素材データにおけるCM開始1秒後の約1秒間の部分において、CM素材データのフレーム間に埋め込まれている。
【0018】
ここで、図3を参照して、本実施形態に係るCM確認信号ANCパケットのデータ構造の一例について説明する。図3には、CM確認信号ANCパケットの一例として、ARIB標準規格BTA-S005C規格に準じたデータ構造が示されている。具体的には、CM確認信号ANCパケットは、例えば、補助データフラグ(ADF)と、データ識別ワード(DID)と、第2データ識別ワード(SDID)と、データカウントワード(DC)と、ユーザデータワード(UDW)と、チェックサムワード(CS)とを含む。また、UDWは、例えば、ネットワーク区分と、局別IDと、10桁CMコードと、共通コード区分と、発局素材IDと、素材長と、定義版数と、予備領域と、を含む。なお、UDWの内容は、放送局システム10の管理者等が任意に設定可能であり、例えば、放送局の各系列毎に規定され得る。
【0019】
ネットワーク区分は、放送局の系列を識別するための情報である。局別IDは、放送局を識別するためのIDである。共通コード区分は、例えば、民放連共通コード「0」、及び代理店コード「1」等を含んでもよい。素材長は、CM素材の長さを示す情報である。素材長は、特に限定されないが、例えば、15秒、30秒、60秒、及び90秒等である。
【0020】
10桁CMコードは、CM識別情報の一例であって、共通コード管理センターによって付与されたCM素材を識別するためのコードである。10桁CMコードは、例えば、上4桁の広告事業者コードと、下6桁の素材コードから構成されてよい。広告事業者コードは、共通コード管理センターが広告主(広告事業者)からの申請により広告主単位で発番するコードであってよい。また、素材コードは、広告主(広告事業者)が独自に発番するコードであってよい。
【0021】
発局素材IDは、CM識別情報の他の一例であって、放送局等が独自に発番するCM素材を識別するためのIDである。発局素材IDの発番の方式は特に限定されず、放送局等の発番主体に固有のものであってよい。また、発局素材IDの発番主体は、放送局に限らず、広告会社、広告代理店、CM製作会社等の他の任意の組織・団体であってよい。
【0022】
図2を再び参照する。番組サーバ102は、収録番組データを保存・管理するサーバである。番組サーバ102は、収録番組データを自動切替スイッチ104に供給する。
【0023】
スタジオシステム103は、スタジオ等で収録された生放送の番組データ(生番組データ)を生成し、自動切替スイッチ104に供給する。
【0024】
自動切替スイッチ104には、各種の番組データや、CMバンク101から供給されるCMデータ等のコンテンツデータが入力される。番組データは、例えば、番組サーバ102から供給される収録番組データ、スタジオシステム103から供給される生番組データ、及び同系列内の他の放送局システム10から供給される番組データ(入中番組データ)等を含む。そして、自動切替スイッチ104は、APS/APC105による制御に基づいて、これら入力されたコンテンツデータ(番組データ又はCMデータ)を選択的に、CM確認信号EM変換部112、エンコーダ108、及び同系列内の他の放送局システム10等に送出する。
【0025】
番組送出自動制御装置(Automatic Program control System(APS)/Automatic Program Controller(APC))105は、送出データ処理サーバ(DS)106から供給される放送スケジュールに従って自動切替スイッチ104を制御する。
【0026】
放送信号生成部107は、各種の番組データ及びCMデータ等のコンテンツデータや、他の付属的な情報を含む付属データに基づいて放送信号(ストリーム)を生成し、送信所113に送出する。放送信号生成部107は、例えば、エンコーダ108と、データ放送送出部109と、EPG情報送出部110と、多重化部(MUX)111とを含む。
【0027】
エンコーダ108は、自動切替スイッチ104から送出される各種の番組データやCMデータに含まれる映像データ及び音声データ等を符号化して、映像ストリーム及び音声ストリームとしてMUX111に送出する。この際、エンコーダ108は、CM確認信号ANCパケットは抽出しなくてよい。符号化の方式は特に限定されず、任意のものであってよい。映像データの符号化方式は、例えば、MPEG-2、H.264(MPEG-4 AVC(Advanced Video Coding))、及びH.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)等であってよい。また、音声データの符号化方式は、例えば、MPEG-2 AAC(Advanced Audio Coding)、MPEG-4 AVC等であってよい。
【0028】
データ放送送出部109は、コンテンツデータ(番組データ及びCMデータ等)とは異なる付属的な情報を含む付属データのデータストリームを生成し、これをMUX111に送出する。当該付属データは、例えば、ニュースや天気に関する情報や、放送中の番組に関する情報等を含んでもよい。
【0029】
EPG情報送出部110は、放送時間帯毎の番組情報が配列された電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を含む付属データのデータストリームを生成し、MUX111に送出する。
【0030】
MUX111は、エンコーダ108、データ放送送出部109、及びEPG情報送出部110それぞれから、放送信号に含めるためのデータストリーム(映像ストリーム、音声ストリーム、及び付属データストリーム)の供給を受ける。更に、MUX111は、後述するCM確認信号EM変換部112からも放送信号に含めるための付属データのデータストリームの供給を受ける。MUX111は、供給される各種のデータストリームを多重化して放送信号を生成し、送信所113に送出する。
【0031】
CM確認信号EM変換部112は、自動切替スイッチ104から送出される各種の番組データやCMデータに基づいて、放送信号生成部107が生成する放送信号に含めるための後述する汎用EM記述子を生成し、当該汎用EM記述子を含む出力信号をMUX111に送出する。CM確認信号EM変換部112の構成の詳細については後述する。
【0032】
送信所113は、放送局システム10の放送信号生成部107から供給された放送信号を、所定の放送エリアに含まれる受信装置20に向けてアンテナから送出する。
【0033】
(2-2)CM確認信号EM変換部112の構成
図4は、本実施形態に係るCM確認信号EM変換部112の機能構成の一例を示す図である。CM確認信号EM変換部112は、例えば、CM確認信号ANCパケット解析処理部120と、汎用EM記述子生成送出処理部130とを含む。
【0034】
CM確認信号ANCパケット解析処理部120は、例えば、CM確認信号ANCパケット検知部121と、CM確認信号ANCパケット内容取得部122と、を含む。CM確認信号ANCパケット検知部121は、例えば、自動切替スイッチ104から供給される入力信号(番組データ、及びCMデータ等)にCM確認信号ANCパケットが含まれるか否かを検知する。自動切替スイッチ104からの入力信号は、例えば、HD-SDI(High Definition-Serial Digital Interface)規格に準拠した信号であってよい。CM確認信号ANCパケット内容取得部122は、例えば、CM確認信号ANCパケット検知部121が検知したCM確認信号ANCパケットから、当該パケットの内容を示す情報を取得し、取得したパケットの内容を示す情報を汎用EM記述子生成送出処理部130に供給する。
【0035】
汎用EM記述子生成送出処理部130は、例えば、汎用EM記述子生成部131と、汎用EM記述子送出部132と、を含む。汎用EM記述子生成部131は、例えば、CM確認信号ANCパケット解析処理部120から供給されるパケットの内容に基づいて、汎用EM記述子を生成する。汎用EM記述子送出部132は、例えば、汎用EM記述子生成部131が生成した汎用EM記述子を含む出力信号を付属データのデータストリームとしてMUX111に送出する。MUX111に送出される信号は、例えば、DVB-ASI(Digital Video Broadcasting-Asynchronous Serial Interface)規格に準拠した信号であってよい。
【0036】
(2-3)汎用EM記述子のデータ構造
図5は、本実施形態に係る汎用EM記述子のデータ構造の一例を示す図である。汎用EM記述子は、例えば、ARIBSTD-B24第3編(ストリーム記述子を伝送するDSM-CCセクション)規格によって規定されたデータのうちのストリーム記述子領域に格納される記述子である。汎用EM記述子は、例えば、descriptor_tagと、descriptor_lengthと、event_msg_group_idと、reserved_future_useと、time_mode(=0)と、reserved_future_useと、event_msg_idと、PrivateDataByte(PDB)とを含む。event_msg_idは、例えば、message_idと、message_versionとを含む。
【0037】
PDBは、例えば、CM確認信号ANCパケットから抽出されたネットワーク区分と、局別IDと、10桁CMコードと、素材長と、発局素材IDとを含む。PDBは、更に、例えば汎用EM記述子生成送出処理部130によって設定・算出される、CM開始時刻と、経過時刻と、所定のカウンタと、CM中フラグと、CM終了フラグと、予備領域と、を含む。
【0038】
経過時刻は、「CM位置情報」の一例であって、CMが開始してから経過した時刻を示す。経過時刻は、例えば、予め設定されたインクリメント周期をDとして、当該Dと所定のカウンタnとの積「D×n」として算出されてもよい。
【0039】
CM中フラグは、CM中か否かを示すフラグである。CM中フラグは、例えば、CM中であることを示す「1」、及びCM中でないことを示す「0」を含む。
【0040】
CM終了フラグは、CMの終了が所定程度近いか否か、具体的にはCMの放送位置とCMの終了時刻との差分が所定閾値未満であるか否かを示すフラグである。CM終了フラグは、例えば、CMの放送位置とCMの終了時刻との差分が所定閾値未満である(CMの終了が所定程度近い)ことを示す「1」、及びCMの放送位置とCMの終了時刻との差分が所定閾値以上である(CMの終了が所定程度近くない)ことを示す「0」を含む。
【0041】
(2-4)CM確認信号ANCパケット解析処理
図6は、本実施形態に係るCM確認信号ANCパケット解析処理部120が実行するCM確認信号ANCパケット解析処理の動作フローの一例を示す図である。当該動作処理では、自動切替スイッチ104からCM確認信号EM変換部112に供給される入力信号(番組データ、及びCMデータ等)に基づいて、CM確認信号ANCパケットが解析される。
【0042】
(S101)CM確認信号ANCパケット検知部121は、自動切替スイッチ104から供給される入力信号にCM確認信号ANCパケットが含まれるか否かを周期的に判定している。
【0043】
(S102)自動切替スイッチ104から供給される入力信号にCM確認信号ANCパケットが含まれると判定された場合(S101;Yes)、割込事象AとしてCM確認信号ANCパケット検知割込事象が発生する。
【0044】
(S103)次に、CM確認信号ANCパケット内容取得部122は、所定のタイマであるtimer1の初期値をゼロにセットする。
【0045】
(S104)次に、CM確認信号ANCパケット検知部121は、CM開始時刻Tを算出する。ここで、CM開始時刻Tは、現在時刻をtとし、予め設定された修正秒数をRとして、T=t-Rとして算出されてよい。現在時刻tは、例えば、自動切替スイッチ104から供給される入力信号に含まれる局間制御信号内の現在時刻情報でもよいし、CM確認信号EM変換部112の装置内時計から取得される時刻であってもよい。
【0046】
(S105)次に、CM確認信号ANCパケット内容取得部122は、CM確認信号ANCパケットに含まれるUDWを取得し、取得したUDWを汎用EM記述子生成送出処理部130に供給する。CM確認信号ANCパケット内容取得部122は、取得したUDWの内容を所定の記憶部に格納してもよい。
【0047】
(S106)次に、割込事象BとしてCM確認信号受信処理完了割込事象が発生し、処理が終了する。
【0048】
図7は、本実施形態に係る汎用EM記述子生成送出処理部130が実行する汎用EM記述子生成送出処理の動作フローの一例を示す図である。当該汎用EM記述子生成送出処理では、CM確認信号ANCパケット解析処理部120から供給される入力信号に基づいて、例えば汎用EM記述子が生成され、これがMUX111に送出される。
【0049】
(S200)例えば、上述したステップS106の割込事象B(CM確認信号受信処理完了割込事象)の発生を契機として、処理はステップS201に進む。
【0050】
(S201)次に、汎用EM記述子生成部131は、所定のカウンタであるnを0(ゼロ)にセットする。
【0051】
(S202)次に、汎用EM記述子生成部131は、所定のタイマであるtimer2の初期値を0(ゼロ)にセットする。
【0052】
(S203)次に、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子生成処理(1)を実行する。汎用EM記述子生成処理(1)では、上述したステップS105においてCM確認信号ANCパケットから取得されたUDWから抽出された、ネットワーク区分と、局別IDと、10桁CMコードと、素材長と、発局素材IDとが、汎用EM記述子に含められる。更に、汎用EM記述子生成処理(1)では、各種の項目が以下のとおりセットされた上で、汎用EM記述子に含められる。
・CM開始時刻:ステップS104において算出されたCM開始時刻T
・経過時刻:D×n(予め定められたインクリメント周期Dと、カウンタnとの積)
・カウンタ:n
・CM中フラグ:1
・CM終了フラグ:0
【0053】
(S204)次に、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子に含まれるmessage_versionをインクリメントする。
【0054】
(S205)次に、汎用EM記述子生成部131は、「timer2>S-δ-γ」が満たされるか否かを判定する。ここで、Sは、上述したステップS105においてCM確認信号ANCパケットから取得されたUDWに含まれる素材長の値であり、δは、予め設定されたCM終了フラグ送出期間であり、γは、予め設定されたイベントメッセージ送出終了オフセット値である。
【0055】
「timer2>S-δ-γ」が満たされると判定された場合(S205;Yes)、処理はステップS209に進む。「timer2>S-δ-γ」が満たされないと判定された場合(S205;No)、処理はステップS206に進む。
【0056】
(S206)「timer2>S-δ-γ」が満たされないと判定された場合(S205;No)、汎用EM記述子生成部131は、「timer2>D×(n+1)」が満たされるか否かを判定する。
【0057】
(S207)「timer2>D×(n+1)」が満たされると判定された場合(S206;Yes)、汎用EM記述子生成部131は、カウンタnをインクリメントする。そして、処理はステップS203に戻る。
【0058】
(S208)「timer2>D×(n+1)」が満たされないと判定された場合(S206;No)、汎用EM記述子送出部132は、汎用EM記述子送出処理として、ステップS203の汎用EM記述子生成処理(1)で生成された汎用EM記述子を含む出力信号をMUX111に送出する。そして、処理はステップS205に戻る。ステップS205~ステップS208のループ処理中に割込事象Bが発生した場合、処理はステップS200に戻る。
【0059】
(S209)「timer2>S-δ-γ」が満たされると判定された場合(S205;Yes)、汎用EM記述子生成部131は、「δ=0」が満たされるか否かを判定する。「δ=0」が満たされると判定された場合(S209;Yes)、処理はステップS214に進む。「δ=0」が満たされないと判定された場合(S209;No)、処理はステップS210に進む。
【0060】
(S210)「δ=0」が満たされないと判定された場合(S209;No)、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子生成処理(2)を実行する。汎用EM記述子生成処理(2)では、上述したステップS105においてCM確認信号ANCパケットから取得されたUDWから抽出された、ネットワーク区分と、局別IDと、10桁CMコードと、素材長と、発局素材IDとが、汎用EM記述子に含められる。更に、汎用EM記述子生成処理(2)では、各種の項目が以下のとおりセットされた上で、汎用EM記述子に含められる。
・CM開始時刻:ステップS104において算出されたCM開始時刻T
・経過時刻:D×n(予め定められたインクリメント周期Dと、カウンタnとの積)
・カウンタ:n
・CM中フラグ:1
・CM終了フラグ:1
【0061】
(S211)次に、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子に含まれるmessage_versionをインクリメントする。
【0062】
(S212)次に、汎用EM記述子生成部131は、「timer2>S-γ」が満たされるか否かを判定する。「timer2>S-γ」が満たされると判定された場合(S212;Yes)、処理はステップS214に進む。「timer2>S-γ」が満たされないと判定された場合(S212;No)、処理はステップS213に進む。
【0063】
(S213)「timer2>S-γ」が満たされないと判定された場合(S212;No)、汎用EM記述子送出部132は、汎用EM記述子送出処理として、ステップS210の汎用EM記述子生成処理(2)で生成された汎用EM記述子を含む出力信号をMUX111に送出する。そして、処理はステップS212に戻る。ステップS212~ステップS213のループ処理中に割込事象Bが発生した場合、処理はステップS200に戻る。
【0064】
(S214)上述したステップS209において「δ=0」が満たされると判定された場合(S209;Yes)、又は上述したステップS212において「timer2>S-γ」が満たされると判定された場合(S212;Yes)、汎用EM記述子生成部131は、timer2を停止する。そして、処理はステップS215に進む。
【0065】
(S215)次に、汎用EM記述子生成部131は、「timer1≦S+P」で且つ割込事象Aが発生したか否かを判定する。ここで、Pは、CMブロック終了判定秒数である。「timer1≦S+P」で且つ割込事象Aが発生した場合(S215;Yes)、汎用EM記述子生成部131がtimer1を停止した上で(S217)、処理はステップS200へ進む。「timer1≦S+P」ではない場合、又は、割込事象Aが発生しなかった場合、汎用EM記述子生成部131がtimer1を停止した上で(S216)、処理はステップS218に進む。
【0066】
(S218)次に、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子生成処理(3)を実行する。なお、所定の開始条件が満たされた場合に、ステップS218を実行してもよい。汎用EM記述子生成処理(3)では、汎用EM記述子のPDB領域に、以下の項目がセットされる。汎用EM記述子生成処理(3)では、各種の項目が以下のとおりセットされた上で、汎用EM記述子に含められる。
・ネットワーク区分:null
・局別ID:null
・10桁CMコード:null
・共通コード区分:null
・素材長:null
・CM開始時刻:null
・経過時刻:null
・カウンタ:null
・CM中フラグ:0
・CM終了フラグ:1
・発局素材ID:null
・予備領域:null
【0067】
(S219)次に、汎用EM記述子生成部131は、汎用EM記述子に含まれるmessage_versionをインクリメントする。
【0068】
(S220)次に、汎用EM記述子送出部132は、汎用EM記述子送出処理として、ステップS218の汎用EM記述子生成処理(3)で生成された汎用EM記述子を含む出力信号をMUX111に送出する。汎用EM記述子送出部132は、割込事象Bが発生するまでステップS220を繰り返す。
【0069】
(3)受信装置20
(3-1)受信装置20の構成例
図8は、本実施形態に係る受信装置20の構成例を概略的に示した図である。受信装置20は、例えば、1つ又は複数のコンピュータで構成されてよい。受信装置20は、例えば、放送チューナ201と、デマルチプレクサ202と、データ放送受信処理部203と、映像デコーダ204と、音声デコーダ205と、データ放送エンジン207と、表示制御部208と、表示装置209と、スピーカ210と、通信制御部212と、を含む。なお、図8では、表示装置209及びスピーカ210は、受信装置20に内蔵されている例として記載しているが、これらは例えばHDMI(登録商標)等のI/Fにより接続された外部の表示器およびスピーカであってもよい。
【0070】
放送チューナ201は、放送局システム10から送られてきた放送信号(ストリーム)を復調し、復調された放送信号(ストリーム)をデマルチプレクサ202に供給する。
【0071】
デマルチプレクサ202は、多重化されている放送信号(ストリーム)を、付属データストリーム、映像ストリーム、及び音声ストリーム等に分離(逆多重化)し、付属データストリームをデータ放送受信処理部203に、映像ストリームを映像デコーダ204に、音声ストリームを音声デコーダ205に、それぞれ入力する。
【0072】
映像デコーダ204は、デマルチプレクサ202から供給される映像ストリームを復号し、合成器215を介して表示制御部208に供給する。復号の方式は特に限定されず、任意のものであってよく、放送局システム10のエンコーダ108の符号化の方式に応じたものであってよい。具体的には、復号方式は、例えば、MPEG-2、H.264(MPEG-4 AVC)、及びH.265(HEVC)等であってよい。表示制御部208は、合成器215を介して映像デコーダ204から供給された表示用信号に基づいて、表示装置209に映像を表示する。
【0073】
音声デコーダ205は、デマルチプレクサ202から供給される音声ストリームを復号し、スピーカ210に供給する。スピーカ210は、当該音声ストリームに応じた音声を出力する。復号の方式は特に限定されず、任意のものであってよく、放送局システム10のエンコーダ108の符号化の方式に応じたものであってよい。具体的には、復号方式は、例えば、MPEG-2 AAC、MPEG-4 AVC等であってよい。
【0074】
データ放送受信処理部203は、デマルチプレクサ202から供給された付属データストリームの受信処理を行う。具体的には、データ放送受信処理部203は、デマルチプレクサ202から供給された付属データストリームから、データ放送として表示装置209に表示する表示用信号を取り出し、取り出した表示用信号をデータ放送エンジン207に入力する。データ放送エンジン207は、データ放送受信処理部203から供給された表示用信号を解析し、合成器215を介して解析した内容を表示制御部208に供給する。表示制御部208は、合成器215を介してデータ放送エンジン207から供給された表示用信号に基づいて、表示装置209にデータ放送の内容を表示する。
【0075】
また、データ放送受信処理部203は、デマルチプレクサ202から供給された付属データストリームから、CM識別情報、及びCM位置情報等のCMの視聴に関する情報を取り出し、取り出した情報をデータ放送エンジン207が備える視聴ログ処理部211に入力する。
【0076】
視聴ログ処理部211は、データ放送受信処理部203から供給される情報に基づいて、CMの視聴ログに関する処理を実行する。視聴ログ処理部211は、例えば、取得部211aと、生成部211bと、送信部211cとを備える。取得部211aは、デマルチプレクサ202から供給される情報に含まれるCM識別情報(10桁CMコード、及び発局素材ID等)、及びCM位置情報(経過時刻等)等を取得する。生成部211bは、取得部211aが取得したCM識別情報、及びCM位置情報等に基づいて、CMの視聴ログを生成する。送信部211cは、生成部211bが生成した視聴ログを所定の送信電文に含めて視聴ログ収集サーバ30等の他の情報処理装置に送信する。所定の送信電文は、例えば、視聴ログ専用の送信電文であってもよいし、ビーコン電文であってもよい。また、送信部211cは、送信電文の送信タイミングを、取得部211aが取得した汎用EM記述子に含まれるイベントメッセージに含まれるパラメータに応じて設定してもよい。
【0077】
図9Aは、視聴ログを含む送信電文のデータ構造の一例を示す図である。同図には、送信部211cが視聴ログ専用の送信電文に視聴ログを含めて送信する方式における当該ログ専用の送信電文のデータ構造が示されている。図9Aに示すとおり、ログ専用の送信電文は、例えば、受信装置IDと、受信装置属性情報と、視聴者属性情報と、電文送信時刻と、10桁CMコードと、CM開始時刻と、素材長と、経過時刻と、発局素材IDとを含んでもよい。10桁CMコードと、CM開始時刻と、素材長と、経過時刻と、発局素材IDとは、纏まって一つの視聴ログを構成する。送信電文は、1つ又は複数の視聴ログを含んでもよい。
【0078】
受信装置IDは、受信装置20を識別するためのIDである。受信装置属性情報は、受信装置20に関する任意の属性情報であって、例えば、機種、メーカ、型番等の受信装置20の構成に関する属性情報や、放送エリア等の受信装置20の設置環境に関する属性情報等であってよい。視聴者属性情報は、受信装置20を利用する視聴者としてのユーザの任意の属性情報であって、例えば、ユーザの年齢、性別、居住地域、放送の視聴傾向(好みのチャンネルや番組等)等を含んでもよい。また、視聴者属性情報は、一人のユーザのみならず、複数のユーザや家族等に関する属性情報であってもよい。10桁CMコード(CM識別情報の一例)、CM開始時刻、素材長、経過時刻(CM位置情報の一例)、発局素材ID(CM識別情報の他の一例であって、放送局等が独自に発番するCM素材を識別するためのID)はそれぞれ、例えばステップS303において記憶部に格納された汎用EM記述子(のPDB)に含まれるものであってよい。
【0079】
図9Bは、視聴ログを含む送信電文のデータ構造の他の一例を示す図である。同図には、送信部211cが所定のビーコン電文に視聴ログを含めて送信する方式における当該所定のビーコン電文のデータ構造が示されている。ここで、所定のビーコン電文は、例えば、周期的(例えば15秒間隔)に視聴ログ収集サーバ30に送信される信号であってよい。図9Bに示すとおり、ビーコン電文は、例えば、受信装置IDと、受信装置属性情報と、視聴者属性情報と、視聴開始時刻と、電文送信時刻と、10桁CMコードと、CM開始時刻と、素材長と、発局素材IDと、ポインタ値とを含んでもよい。10桁CMコードと、CM開始時刻と、素材長と、発局素材IDと、ポインタ値とは、纏まって一つの視聴ログを構成する。ビーコン電文は、1つ又は複数の視聴ログを含んでもよい。
【0080】
視聴開始時刻は、受信装置20において放送の視聴が開始された時刻である。ポインタ値は、CM位置情報の他の一例であって、例えば汎用EM記述子に含まれるパラメータに基づいて生成部211bにより生成されてもよい。ポインタ値は、例えば、CM素材の先頭部分を視聴したことを示す「S」、ビーコン送信時点が、CM素材の先頭から何秒目かを示す秒数を示す「a(数字)」、及びCM素材の最後尾部分を視聴したことを示す「E」のいずれかを含む。
【0081】
このように、視聴ログは、CM識別情報(例えば、10桁CMコードや発局素材ID)を含む。そのため、視聴ログ収集サーバ30は、当該視聴ログを収集することにより、ユーザにより視聴されたCMを直接的に特定することが可能となる。更に、視聴ログは、CM位置情報(例えば、経過時刻)を含む。そのため、視聴ログ収集サーバ30は、ユーザにより視聴されたCMの位置を直接的に特定することが可能となる。
【0082】
再び図8を参照する。送信部211cは、視聴ログを所定の送信電文に含めて視聴ログ収集サーバ30に送信してもよい。
【0083】
通信制御部212は、ネットワークI/F213と、リモコンI/F214とを有する。ネットワークI/F213は、通信ネットワークNとのインタフェース回路である。リモコンI/F214は、リモートコントローラRCとのインタフェース回路である。
【0084】
(3-2)視聴ログ生成処理
図10は、本実施形態に係る視聴ログ処理部211が実行する視聴ログ生成処理の動作フローの一例を示す図である。当該動作処理では、放送信号に含まれる汎用EM記述子に基づいて視聴ログが生成される。
【0085】
(S301)取得部211aは、デマルチプレクサ202から供給される付属データを取得しており、生成部211bは、当該付属データに含まれる汎用EM記述子を参照して、汎用EM記述子に含まれるパラメータについて判定処理を実行する。例えば、生成部211bは、message_versionが更新されたか否かを周期的に判定する。なお、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれる他のパラメータに基づいて当該判定処理を実行してもよい。
【0086】
(S302)汎用EM記述子に含まれるmessage_versionが更新されたと判定された場合(S301;Yes)、割込事象Cとして、message_version更新割込事象が発生する。
【0087】
(S303)次に、取得部211aは、汎用EM記述子に含まれるPDBの内容を所定の記憶部に格納する。
【0088】
(S304)次に、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれるCM素材コード(10桁CMコード又は発局素材ID)が変化したか否かを判定する。
【0089】
(S305)次に、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれるPDBに基づいて、視聴ログを生成する。(i)例えば、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれるCM素材コードが、番組本編放送中であることを示す「Null」から、特定のCMを示す「A」に変化した場合、[CM素材コード=A、ポインタ値=S]という1つのレコードを生成し、所定の記憶部の記憶領域1に格納する。(ii)また、例えば、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれるCM素材コードが、特定のCMを示す「A」から、他の特定のCMを示す「B」に変化した場合、[CM素材コード=A、ポインタ値=E]、及び[CM素材コード=B、ポインタ値=S]という2つのレコードを生成し、記憶領域1に格納する。(iii)また、例えば、生成部211bは、汎用EM記述子に含まれるCM素材コードが、特定のCMを示す「B」から、番組本編放送中であることを示す「Null」に変化した場合、[CM素材コード=B、ポインタ値=E]という1つのレコードを生成し、記憶領域1に格納する。
【0090】
(S306)次に、生成部211bは、CM素材コードが特定のCMを示すコードに変化した場合(上述の(i)又は(ii)の場合)、当該CM素材コードを所定の記憶部の記憶領域2に格納すると共に、タイマTRの初期値を「0」に設定した上で、当該タイマTRを起動してCM素材内のラップタイム時計のカウントを開始する。また、CM放送中にチャンネルインした場合(視聴を開始した場合)は、当該CM素材コードを記憶領域2に格納すると共に、タイマTRの初期値を汎用EM記述子に含まれる経過時刻に設定した上で、タイマTRを起動してCM素材内のラップタイム時計のカウントを開始する。また、生成部211bは、CM素材コードが番組本編放送中であることを示す「Null」に変化した場合(上述の(iii)の場合)、記憶領域2に格納されたCM素材コードをクリアし、更にタイマTRをクリアする。その後、処理はステップS301に戻り、再びステップS301~S306が繰り返される。
【0091】
(3-3)視聴ログ送信処理
図11は、本実施形態に係る視聴ログ処理部211が実行する視聴ログ送信処理の動作フローの一例を示す図である。当該動作処理では、所定のタイミングで視聴ログが視聴ログ収集サーバ30に送信される。
【0092】
(S401)まず、送信部211cは、視聴ログを送信する所定のタイミングが到来したか否かを判定する。視聴ログを送信する所定のタイミングは、特に限定されないが、例えば所定の間隔(例えば15秒等)による周期的なタイミングであってよい。なお、当該所定のタイミングは、上述した視聴ログの生成のタイミングとは非同期であってよい。
【0093】
(S402)送信部211cは、視聴ログを送信する所定のタイミングが到来したと判定した場合、記憶領域1に格納されている各レコードに基づいて視聴ログを生成し、生成された少なくとも1つの視聴ログを送信電文に含めて、視聴ログ収集サーバ30に送信する。このとき送信部211cは、記憶領域1に格納されている視聴ログをクリアする。また、記憶領域2にCM素材コード(例えば、「C」)が格納されている場合(すなわち、CM素材コード「C」のCM放送中に視聴ログを含む送信電文を送信する場合)、[CM素材コード=C、ポインタ値=タイマTRの値]というレコードに基づいて視聴ログを追加で生成した上でこれを送信電文に含めて、視聴ログ収集サーバ30に送信する。以上で、視聴ログ送信処理が終了する。
【0094】
(4)カウント係数
視聴ログ収集サーバ30は、受信装置20から視聴ログを受信する受信部と、受信した視聴ログを解析する解析部とを備えてもよい。解析部は、例えば、CMの視聴ログ(視聴インプレッション数等)を集計するに際して、CMの全体のうちどの位の割合が視聴されたかを計算してもよい。CMの視聴ログを、例えば15秒間隔等の周期で受信装置20から視聴ログ収集サーバ30に送信される所定のビーコン電文に含める場合、正確な視聴秒数を把握することは困難である。そこで、視聴ログ収集サーバ30は、当該ビーコン電文に含まれる視聴ログの数や、視聴ログに含まれるポインタ値により、「CM全体の何パーセントを視聴したか」を係数化したカウント係数(視聴インプレッションカウント係数)を算出してもよい。
【0095】
カウント係数は、CM全体のうちの視聴された割合に応じた係数であってよく、例えば、CMの全編を視聴したときには1とし、一部しか視聴しなかった場合は、視聴秒数(ビーコン電文により収集できた視聴秒数)に応じて、1以下の値を個々に算出してもよい。また、カウント係数は、CMの素材長に応じて、異なる算出式を用いてもよい。
【0096】
例えば、素材長が所定時間(15秒等)以上のCMの場合、カウント係数の算出式は、例えば、「送信電文に含まれる視聴ログの数÷所定の母数」であってもよい。ここで、「所定の母数」は、CMの素材長に応じた値であってよく、例えば、CMの素材長を第1定数(例えば16(ビーコン電文の周期+1))で除して得られる値(剰余を除く)に第2定数(例えば3)を足した値、すなわち「{素材長÷第1定数(剰余を除く)}+第2定数」として算出してもよい。
【0097】
また、例えば、素材長が所定時間(ビーコン電文の周期)未満のCMの場合、カウント係数は、以下のように規定してもよい。
(a)1(送信電文に含まれる視聴ログの数が3の場合)
(b)1(送信電文に含まれる視聴ログに開始ポインタS及び終了ポインタEが含まれている場合)
(c)送信電文に含まれる視聴ログの数÷3(上記(a)及び(b)以外の場合)
【0098】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、及び条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…放送システム、10…放送局システム、101…CMバンク、102…番組サーバ、103…スタジオシステム、104…自動切替スイッチ、105…APC/APS、106…DS、107…放送信号生成部、108…エンコーダ、109…データ放送送出部、110…EPG情報送出部、111…MUX、112…CM確認信号EM変換部、113…送信所、120…CM確認信号ANCパケット解析処理部、121…CM確認信号ANCパケット検知部、122…CM確認信号ANCパケット内容取得部、130…汎用EM記述子生成送出処理部、131…汎用EM記述子生成部、132…汎用EM記述子送出部132、20…受信装置201…放送チューナ、202…デマルチプレクサ、203…データ放送受信処理部、204…映像デコーダ、205…音声デコーダ、207…データ放送エンジン、208…表示制御部、209…表示装置、210…スピーカ、211…視聴ログ処理部、211a…取得部、211b…生成部、211c…送信部、212…通信制御部、213…ネットワークI/F、214…リモコンI/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11