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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075199
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】学習システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20220511BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220511BHJP
   G16Y 10/55 20200101ALI20220511BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220511BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220511BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
G09B7/04
G06Q50/20 300
G16Y10/55
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185833
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】520435599
【氏名又は名称】一般社団法人 みんなの認知症情報学会
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】石川 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】上野 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 美亜
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 直輝
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA02
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】結論を導くまでの一連の思考過程を学習者に学習させる学習システムにおいて、個々の学習者の習得度に合わせた適切な学習を実施できるようにする。
【解決手段】事例問題に関連する複数の質問を学習者に順に提示する質問提示部11と、当該順に提示される複数の質問に対して学習者により入力された複数の回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定する回答判定部14と、順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点では判定の結果を学習者に提示しない状態を維持し、複数の質問に対する複数の回答が全て入力された後に判定の結果を学習者に提示する結果提示部16とを備え、個々の学習者ごとに異なり得る思考が、正解と言える思考径路の方に随時誘導されることがなくなるようにして、個々の学習者における思考過程で問題がある部分が顕在化されやすくなるようにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習対象に関する事例問題を提示して、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に学習させるようになされた学習システムであって、
上記事例を把握して上記結論を導出するために考慮されるべき複数の事項についてあらかじめ用意された複数の質問を学習者用端末に順に提示する質問提示部と、
上記質問提示部により順に提示される複数の質問に対して上記学習者用端末を通じて学習者により入力された複数の回答を記録する回答記録部と、
上記複数の質問に対する上記複数の回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定する回答判定部と、
上記質問提示部により順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点では上記回答判定部による判定の結果を上記学習者用端末に提示しない状態を維持し、上記複数の質問に対する上記複数の回答が全て入力された後に、上記回答判定部による判定の結果を上記学習者用端末に提示する結果提示部とを備えた
ことを特徴とする学習システム。
【請求項2】
上記質問提示部により順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点における回答内容または上記回答判定部による判定の結果に応じて、上記質問提示部による質問の提示を制御する提示質問制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の学習システム。
【請求項3】
上記提示質問制御部による制御は、上記質問提示部により提示された質問に対する回答内容または上記回答判定部により行われた判定の結果に応じて、その後に上記質問提示部により順に提示する質問を変える制御を含むことを特徴とする請求項2に記載の学習システム。
【請求項4】
上記質問提示部は、上記事例において発現している状況の把握に関する複数の質問を提示する第1段階と、上記発現している状況の要因の把握に関する複数の質問を提示する第2段階とを含み、
上記提示質問制御部は、上記質問提示部により提示された上記第1段階の複数の質問に対する回答のうち少なくとも1つについて、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性があると上記回答判定部により判定された場合に上記第2段階に進むように制御し、上記質問提示部により提示された上記第2段階の質問に対する回答内容または上記回答判定部により行われた判定の結果に応じて、その後に上記質問提示部により順に提示する上記第2段階の質問を変えるように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の学習システム。
【請求項5】
上記回答判定部は、上記質問提示部により提示された上記第2段階の複数の質問の少なくとも一部に対する1以上の回答のそれぞれを1以上の結論として受け付け、上記1以上の結論の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定することを特徴とする請求項4に記載の学習システム。
【請求項6】
上記提示質問制御部は、学習者からの指示に応じて、順番を遡って、既に提示済みの質問を上記質問提示部により再提示するように制御し、
上記回答記録部は、上記質問提示部により質問を最初に提示したときに入力された回答および上記質問提示部により質問を再提示したときに入力された回答を共に記録する
ことを特徴とする請求項2~5の何れか1項に記載の学習システム。
【請求項7】
上記結果提示部は、上記複数の質問に対する上記複数の回答のうち、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性がないと上記回答判定部により判定された回答については、上記回答判定部による判定の結果に加えて、知識の補填またはその後の学習に役立つ情報を上記学習者用端末に提示することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の学習システム。
【請求項8】
上記結果提示部は、上記学習者用端末に加えて指導者用端末にも上記回答判定部による判定の結果を提示することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の学習システム。
【請求項9】
上記回答記録部により記録された回答と上記あらかじめ用意された内容との類似度を推定する類似度推定部と、
上記類似度推定部により推定された類似度が所定の条件を満たす回答を指導者用端末に提示し、当該指導者用端末を通じて指導者により登録の指示が入力された場合に、当該指示に係る回答を、上記あらかじめ用意された内容の1つとして追加登録する追加登録部とを更に備えた
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の学習システム。
【請求項10】
上記事例問題の文章を入力する事例問題入力部と、
上記事例問題入力部により入力された文章を意味単位に分割し、分割した意味単位のそれぞれに対し、上記事例を把握して上記結論を導出するために考慮されるべき複数の事項の何れかを割り当てる事項割当部と、
上記事例問題入力部により入力された文章において使われている表現および上記事項割当部により割り当てられた事項に対応してあらかじめ用意されている表現を用いて、上記質問を生成する質問生成部とを更に備えた
ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の学習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習システムに関し、特に、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に学習させるようになされた学習システムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータを活用して学習者の学習を支援するシステムが知られている。従来の学習システムの多くは、システムにおいて用意された問題を学習者に提示し、学習者により入力された回答が正解か否かを判定して学習者にフィードバックすることを骨子とするものである。学習者による学習の結果を指導者に提供するようになされた学習システムも存在する。
【0003】
学習対象によっては、学習者が問題に対して正解できるかどうかに加えて、正解を導くまでの思考過程が重要となる場合がある。例えば、医師が疾患の診断を行う場合、患者の症状を把握し、発症の要因を分析し、それらを総合的に勘案して正しい診断を行うことが必要であり、診断を行う際の一連の思考過程が重要となる。一連の思考過程が正確でないと、誤った診断をしてしまう可能性があるからである。または、診断によって特定した疾患が偶然に合っていたとしても、患者の症状や発症の要因などを正しく分析できていないと、真に適切な処置を行うことができない可能性があるからである。従って、疾患の診断方法を学習する場合は、正しい一連の思考過程を学習者に習得させることが望まれる。このように、一連の思考過程が重要となる学習対象は、疾患の診断方法の他にも多数存在する。
【0004】
従来、結論を導くまでの一連の思考過程を学習者に習得させることを目的とした学習システムも提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。特許文献1に記載の学習システムでは、看護事例教材(実例をもとに模擬患者を設定し、模擬患者に対する看護師の看護処置計画立案までのプロセスを教材化したもの)を、シーンという単位で細分化して学習者に提示する。学習者は、シーン単位で事例内容を分析して看護処置計画を策定し、あらかじめ指導者が作成した模範回答と比較しながら、自己評価を行う。
【0005】
特許文献2に記載の学習システムでは、学習者に対して演習問題を提示した後、その演習問題に関する複数の質問を順次提示し、学習者がそれぞれの質問の回答を入力する。複数の質問は、演習問題に回答するために理解されるべき複数の事項を学習者が理解していることを検証するためにあらかじめ順序付けられたものである。学習者により質問の回答が入力されると、入力された質問の回答が正しいか否かをあらかじめ記憶された質問の正解に基づいて判定し、回答が正しくないと判定された場合には正解を学習者に提示する。そして、複数の質問の提示および入力された質問の回答の判定が実行された後に、入力された演習問題の回答が正しいか否かをあらかじめ記憶された演習問題の正解に基づいて判定する。
【0006】
特許文献3に記載の学習システムでは、演習問題を提示し、その回答の入力を求める前に、回答を見つけるために学習者が理解すべき複数の必須事項の理解を検証する複数の質問を所定の思考過程に即して順次提示する。何れかの質問に対する回答が不正解のときには、正解を提示したうえで、次の質問を提示する。そして、全質問への回答の終了後に演習問題への回答を受け付ける。質問への回答が正解のときには途中点を与え、途中点と演習問題の回答に対する得点とから学習者の問題得点を決める。複数の質問には、演習問題の問題文に実質的に表された複数の必須事項に関する質問と、問題文に表されていない複数の必須事項に関する質問とが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-114769号公報
【特許文献2】特開2004-264874号公報
【特許文献3】特開2001-282090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1~3に記載の学習システムによれば、学習者は、正解を導くまでに習得すべき一連の思考過程をステップ・バイ・ステップで学習することができる。また、特許文献1~3に記載の学習システムは、シーンごとまたは質問ごとに、学習者が入力した回答に対する正解が都度提示される仕組みとなっている。そのため、学習者が途中で間違った思考の仕方をしている場合(途中の質問に対する回答が不正解の場合)でも、演習問題に対する最終的な回答が正解に至るための正しい思考の方向に軌道修正され、一連の学習を通じて正解に至ることができる可能性が高くなる。
【0009】
しかしながら、このような学習法では、個々の学習者ごとに異なり得る思考が、正解と言える思考径路の方に随時誘導されることとなる。その結果、学習者が学習システムの助けを借りなければ不適切となった可能性のある判断や、正解から逸脱した可能性のある思考が、学習の過程で顕在化されにくくなる。そのため、個々の学習者ごとに問題のある思考部分(正しい状況把握や正しい分析ができない可能性のある部分)を重点的に復習したり、関連する知識を強化したり、指導者が適切なアドバイスをしたりするといったことが難しいという問題があった。また、正解が1つとは限らないような学習対象に関する学習には向かないという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、結論を導くまでの一連の思考過程を学習者に学習させるようになされた学習システムにおいて、学習者ごとに問題のある思考部分が顕在化しやすくなるようにして、個々の学習者の習得度に合わせた適切な学習を実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、学習対象に関する事例問題を提示して、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に学習させるようになされた学習システムにおいて、事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項についてあらかじめ用意された複数の質問を学習者用端末に順に提示し、当該順に提示される複数の質問に対して学習者用端末を通じて学習者により入力された複数の回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定する。そして、順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点では判定の結果を学習者用端末に提示しない状態を維持し、複数の質問に対する複数の回答が全て入力された後に判定の結果を学習者用端末に提示するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、順に提示される質問に対して学習者が回答を入力するたびに正解が提示されることがないので、個々の学習者ごとに異なり得る思考が、正解と言える思考径路の方に随時誘導されることはない。そのため、事例の把握から結論の導出まで一貫して、学習者独自の思考に基づいて回答が進められていくので、個々の学習者における思考過程で問題がある部分(正しい状況把握や正しい分析ができない可能性のある部分)が顕在化されやすくなり、その部分を重点的に復習したり、関連する知識を強化したりすることが可能となる。このように、本発明によれば、学習者ごとに問題のある思考部分が顕在化しやすくなるようにして、個々の学習者の習得度に合わせた適切な学習を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態による学習システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による学習者用端末のディスプレイに表示される学習画面の一例を示す模式図である。
図4】本実施形態のサーバ装置において第1段階の質問を提示しているときの動作例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態のサーバ装置において第2段階の質問を提示しているときの動作例を示すフローチャートである。
図6】第1の変形例によるサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
図7】第2の変形例によるサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による学習システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の学習システムは、サーバ装置100、学習者用端末200および指導者用端末300を備えて構成される。サーバ装置100と学習者用端末200との間およびサーバ装置100と指導者用端末300との間は、インターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワーク500を介して接続される。
【0015】
学習者用端末200および指導者用端末300は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどであり、キーボードとマウスまたはタッチパネル等の入力デバイスと、ディスプレイ等の出力デバイスとを備えている。なお、ここでは図示の便宜上、学習者用端末200および指導者用端末300をそれぞれ1つずつ示しているが、複数存在し得る。
【0016】
本実施形態の学習システムは、学習対象に関する事例問題をサーバ装置100から学習者用端末200に提示して、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に学習させ、学習の結果を学習者用端末200および指導者用端末300に提供するようになされたシステムである。
【0017】
学習対象とは、何について学習するかを定めた題材であり、学習者が問題に対して正解できるかどうかに加えて、正解を導くまでの思考過程が重要となるような題材が学習対象となる。また、正解が1つとは限らないようなものも学習対象として好適である。例えば、医師による疾患の診断は、患者の症状を把握し、発症の要因を分析し、それらを総合的に勘案して正しい診断を行うことが必要であり、診断を行う際の一連の思考過程が重要となる。状況によっては、1つの疾患に断定することが適切でなく、該当する可能性のある複数の疾患を診断することが必要となる場合もある(正解が1つとは限らないケース)。よって、医師による疾患の診断方法は、学習対象の1つの好適な例である。以下では、この医師による疾患の診断方法を学習対象の一例として説明する。
【0018】
図2は、サーバ装置100の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態のサーバ装置100は、機能構成として、質問提示部11、回答受付部12、回答記録部13、回答判定部14、提示質問制御部15および結果提示部16を備えて構成される。また、本実施形態のサーバ装置100は、記録媒体として、学習コンテンツ記憶部10Aおよび学習ログ記憶部10Bを備えている。
【0019】
上記各機能ブロック11~16は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~16は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0020】
学習コンテンツ記憶部10Aは、種々の学習コンテンツをあらかじめ記憶する。学習コンテンツは、学習対象に関する事例問題、事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項についてあらかじめ用意された複数の質問、複数の質問に対してあらかじめ用意された内容(正解、正当または妥当な判断内容などを含む)、学習者に対するフィードバック情報などを含む。事例問題は、ある具体的な状況を提示して、その状況から特定の結論を導き出すことを求める問題である。医師による疾患の診断方法が学習対象の場合、患者の具体的な状況を提示し、その状況から特定の疾患(1つとは限らない)の可能性を診断することを求めるものが事例問題である。
【0021】
具体的には、例えば70歳女性の患者について、「高校卒業後、銀行勤務を経て23歳で結婚して専業主婦となる。2児をもうける。子供が独立してからは、夫婦二人暮らし。40歳頃に健診で高血圧を指摘され、内科に通院している。60歳頃に近隣トラブルがあって、抗不安薬を処方してもらうようになった。近隣トラブルの詳細は不明だが、現在は問題ないという。3~4年前から物忘れが認められるようになったが、年齢相応のものと思っていた。・・・」といった文章が、診断方法に関する事例問題である。なお、事例問題には、患者の属性や処方された抗不安薬の具体例など、事例に関連する付随情報も含まれる。
【0022】
事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項とは、事例問題において想定される結論(医師による疾患の診断方法が学習対象の場合は、診断されるべき1つ以上の疾患)を導出するために、思考過程において考慮すべき事項である。例えば、事例問題が疾患の診断方法である場合、思考過程において考慮すべき事項は、患者の症状に関して考慮すべき事項と、発症の要因に関して考慮すべき事項とに大別される。患者の症状に関して考慮すべき事項は1つ以上存在し、発症の要因に関して考慮すべき事項も1つ以上存在する。
【0023】
考慮されるべき複数の事項についてあらかじめ用意された複数の質問は、回答をYes/Noまたは複数の選択肢の中から求めるクローズ質問、または、回答を自由文の入力で求めるオープン質問の何れでもよい。また、クローズ質問とオープン質問とを併用してもよい。複数の質問は、事例において発現している状況の把握に関する複数の質問と、発現している状況の要因の把握に関する複数の質問とを含む。事例問題が疾患の診断方法である場合、複数の質問は、患者の症状の把握に関する複数の質問と、発症の要因の把握に関する複数の質問とを含む。
【0024】
複数の質問に対してあらかじめ用意された内容(正解、正当または妥当な判断内容など)は、クローズ質問の場合は、1つの質問に対して1つまたは複数の正解識別子である。質問の内容によっては、正解が1つだけでなく、複数の場合もある。オープン質問の場合は、質問に対して行うべき正当または妥当な判断内容を記述した文章である。または、質問に対する回答文の中に含まれるべき1つ以上のキーワードであってもよい。
【0025】
学習者に対するフィードバック情報は、知識の補填またはその後の学習に役立つ情報としてあらかじめ用意された情報である。フィードバック情報は、複数の事項に対応する個々の質問ごとに用意されており、例えば、不正解であった質問に関するフィードバック情報が、全ての質問に対する回答が終わった後に学習者用端末200に提供される。フィードバック情報は、例えば、正解と解説に関する情報、今後の学習方法に関するアドバイスやコメント、関連事項を学習する際に有効な映像や教科書などの学習コンテンツなどである。
【0026】
学習ログ記憶部10Bは、以上のような複数の質問に対して学習者が入力した複数の回答を学習ログとして記憶する。また、学習ログ記憶部10Bは、後述するように回答判定部14によって複数の質問ごとに判定された回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性に関する判定結果も学習ログとして記憶する。回答および判定結果を含む学習ログは、学習者に対してあらかじめ付与されたユーザIDに紐づけて、学習者ごとに記憶される。
【0027】
質問提示部11は、学習コンテンツ記憶部10Aに記憶されている事例問題を学習者用端末200に提示するとともに、その事例問題に関する複数の質問を学習者用端末200に順に提示する。回答受付部12は、質問提示部11により順に提示される複数の質問に対して学習者用端末200を通じて学習者により入力された複数の回答を受け付ける。回答記録部13は、回答受付部12が順に受け付けた複数の回答を学習ログ記憶部10Bに順次記録する。
【0028】
図3は、学習者用端末200のディスプレイに表示される学習画面の一例を示す模式図である。図3に示す例において、学習画面は、事例問題が表示される事例表示領域31、質問が表示される質問表示領域32、選択肢の回答ボタンが表示される選択肢表示領域33、自由文を入力するための自由文入力領域34を含んでいる。質問表示領域32には、1つの質問が表示される。学習者は、表示された質問に対して、選択肢表示領域33および自由文入力領域34を使って回答を入力する。この例では、Yes/Noで答えを求めるクローズ質問を提示しつつ、どちらとも判断できないという選択肢も選択肢表示領域33にて用意し、どちらとも判断できないという選択をした場合に、それに関連する情報を自由文入力領域34に自由文で入力するという形式となっている。
【0029】
図3に示す学習画面は、質問提示部11が1つの質問を提示してそれに対する回答を学習者が入力するたびに、画面遷移が行われるようになっている。すなわち、図3(a)のように1つの質問が質問表示領域32に表示され、その質問に対して学習者が選択肢表示領域33と自由文入力領域34とを使って回答を入力すると、学習画面が図3(a)の状態から図3(b)の状態に遷移し、質問表示領域32に次の質問が表示される。このとき、次の質問に合わせて選択肢表示領域33および自由文入力領域34の表示も必要に応じて切り替わる。なお、複数の質問に対して順次回答する際に事例問題の内容を引き続き確認することができるように、事例表示領域31の事例問題は表示され続ける。このように、質問提示部11が事例問題に関する複数の質問を質問表示領域32に順に表示させる。そして、学習者が選択肢表示領域33と自由文入力領域34とを使って入力した回答を回答記録部13が学習ログ記憶部10Bに順次記録する。
【0030】
なお、図3に示した学習画面は一例であり、この形式に限定されるものではない。例えば、1つの質問ごとに画面遷移する構成に代えて、複数の質問に関する質問表示領域32とそれに対する選択肢表示領域33および自由文入力領域34とから成るセットを上下方向に並べて表示させ、学習者が学習画面をスクロールしながら回答する構成としてもよい。また、図3では、選択肢表示領域33および自由文入力領域34を設ける構成としたが、クローズ質問に対して選択肢表示領域33のみを設けるようにしてもよいし、オープン質問に対して自由文入力領域34のみを設けるようにしてもよい。
【0031】
回答判定部14は、学習コンテンツ記憶部10Aに記憶されている学習コンテンツと、学習ログ記憶部10Bに記憶された学習ログとに基づいて、複数の質問に対する複数の回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定する。回答判定部14は、質問提示部11が提示する1つの質問に対して回答が学習ログ記憶部10Bに記憶されるたびに、その回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性を判定する。なお、以下では説明を簡略するため、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性を判定することを「正解か否かを判定する」ということがある。また、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性があることを「正解した」ということがある。
【0032】
質問がクローズ質問の場合、回答判定部14は、Yes/Noまたは複数の選択肢の中から選択された回答と正解とが一致するか否かを判定する。質問がオープン質問の場合、回答判定部14は、例えば、学習者により回答として入力された自由文と、正当または妥当な判断内容として記述された文章との類似度を算出し、その類似度の高さから回答の正当性を判定する。類似度の算出は、公知の技術を用いることが可能である。あるいは、回答判定部14は、学習者により回答として入力された自由文を形態素解析して単語を抽出し、正解としてあらかじめ用意された1以上のキーワードとの一致度を算出し、その一致度の高さから回答の正当性を判定するようにしてもよい。
【0033】
また、質問がオープン質問の場合、回答判定部14は、学習者の属性情報を参照し、学習者のレベルに合わせた一致を判定する。例えば、医療的な知識を予めもっている学習者と、医療的知識のない学習者では正解に求める質が異なる。一致度の域値を決めることによってレベルを設定し、学習者のレベルに応じた正解を判定することが可能である。あるいは、回答判定部14は、学習者により回答として入力された自由文を形態素解析して抽出した単語の一致度の高さからレベルを設定し、正解かどうかを判定するようにしてもよい。
【0034】
オープン質問に対して回答の正当性を判定する場合、文章との類似度やキーワードとの一致度の値が所定値以上であれば正解、所定値未満であれば不正解との判定を行うようにしてもよい。このような正解/不正解の判定を行うことに代えてまたは加えて、文章との類似度やキーワードとの一致度からスコアを算出してこれを判定の結果としたり、回答の中にどのようなキーワードが不足しているかを判定の結果としたりするようにしてもよい。
【0035】
なお、図3の例のように、クローズ質問であっても、選択肢の1つを選択したときには自由文を追加して入力するようになされた形式の場合、その自由文については判定の対象外としてもよい。この場合、後述するように結果提示部16によって判定の結果を指導者用端末300に提示する際に、この自由文として入力された回答内容を判定の結果と共に提示するようにすることが可能である。指導者は、こうして提示される自由文の回答内容を確認することにより、必要に応じて学習者に対して指導を行うことが可能となる。一方、クローズ質問に対して自由文として入力された回答内容についても、オープン質問に対する回答と同様に判定の対象とするようにしてもよい。
【0036】
提示質問制御部15は、質問提示部11により順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点における回答内容または回答判定部14による判定の結果に応じて、質問提示部11による質問の提示を制御する。その制御方法は、学習対象、事例問題、複数の質問およびそれに対する回答の内容に応じて、あらかじめルールベースとして設定しておくことが可能である。例えば、次の質問に進むために必要な回答の条件を設定したり、回答の内容に応じて次以降に提示する質問の内容を分岐させるようにしたりすることが可能である。
【0037】
本実施形態では、1つ1つの回答に対して正解を都度提示して最終的に正しい結論に導くような学習方法とは異なり、学習者の自由な思考に任せて回答してもらい、回答が所定の条件を満たさない場合は学習を終了し、後述するように結果提示部16により判定の結果を学習者に提示する。また、本実施形態では、学習者の自由な思考に任せて回答してもらい、その回答の内容や判定の結果に応じて異なる径路を辿るようにすることで、学習者の思考の自由度を担保するようにしている。
【0038】
一例として、質問提示部11は、状況の把握に関する複数の質問を提示する第1段階と、要因の把握に関する複数の質問を提示する第2段階とを含み、提示質問制御部15は、質問提示部11により提示された第1段階の複数の質問に対する回答のうち少なくとも1つについて、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性がある(少なくとも1つの質問に対して正解した)と回答判定部14により判定された場合に、第2段階の質問に進むように制御する。
【0039】
この例では、第1段階において状況の把握に関して提示された複数の質問に対して学習者が全て正解することが理想であるが、全ての質問に対して正解を回答していなくても、少なくとも1つ正解があれば、要因の把握に関する第2段階の質問に進むようにする。状況の把握に関する質問に対して全て正解していない場合、一連の思考過程を経て最終的に出される結論が間違う可能性もある。あるいは、状況の把握に関する質問に対して全て正解していない場合でも、一部について正しく把握した状況から偶然に正しい結論に至る可能性もある。どちらの場合も、最終的に出された結論が正しいかどうかに加えて、思考過程のどの部分で問題があったのかを学習者および指導者が認識できるようにすることが重要である。
【0040】
そのため、状況の把握に関する質問に対して1つでも正解している場合は、不正解であった質問に対する正解をあえて学習者に提示することなく(詳細は結果提示部16の動作として後述する)、第2段階の質問に進むようにする。なお、状況の把握に関する複数の質問に対して1つも正解していない場合(全て不正解の場合)は、正しい結論を導出できる可能性が低いと考えられるため、第2段階の質問に進まず、結果提示部16により判定の結果を提示してそこで学習は終了とする。
【0041】
また、提示質問制御部15は、第1段階から第2段階に進んだ後、質問提示部11により提示された第2段階の質問に対する回答内容または回答判定部14により行われた判定の結果に応じて、その後に質問提示部11により順に提示する第2段階の質問を変えるように制御してもよい。医師による疾患の診断の場合、症状が発生していることの要因によって、診断される疾患が変わるのが通例である。このような通例に合わせて、学習者が第2段階における前段の質問に対してどのような回答を行ったか、またはその回答に対する判定の結果に応じて、その後に提示する後段の質問を変えるようにする。
【0042】
ここで、回答判定部14は、質問提示部11により提示された第2段階の複数の質問の少なくとも一部について、それに対する1以上の回答のそれぞれを1以上の結論として受け付け、1以上の結論の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定するようにしてもよい。ある症状が発生していることの要因が1つだけでなく複数考えられる場合、それら複数の要因から導かれる疾患の可能性が複数存在する場合もある。この場合、結論としての正解は1つだけでなく、複数存在することになる。回答判定部14は、1つ以上存在する正解を学習者が回答できたか否かを1つずつ判定する。例えば、上述した第2段階における後段の質問において、複数の要因から導かれる疾患の可能性を1つずつ問うていき、それぞれの質問に対して正解できているか否かを判定するようにすることが可能である。
【0043】
結果提示部16は、質問提示部11により順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点では回答判定部14による判定の結果を学習者用端末200に提示しない状態を維持し、複数の質問に対する複数の回答が全て入力されて回答記録部13によって学習ログ記憶部10Bに記録された後に、当該学習ログ記憶部10Bに記録された回答判定部14による判定の結果を学習者用端末200に提示する。
【0044】
ここで、結果提示部16は、複数の質問に対する複数の回答のうち、回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性がないと回答判定部14により判定された回答については、回答判定部14による判定の結果に加えて、学習コンテンツ記憶部10Aにあらかじめ記憶されているフィードバック情報(知識の補填またはその後の学習に役立つ情報)を学習者用端末200に提示する。
【0045】
上述したように、フィードバック情報は、複数の事項に対応する個々の質問ごとに用意された情報であるが、全ての質問に対する回答結果の総合成績に関してあらかじめ用意された情報を含んでもよい。例えば、結果提示部16は、全ての質問に対する回答の正解率を算出し、正解率に応じてあらかじめ用意されたフィードバック情報を提示するようにすることが可能である。あるいは、複数の質問を複数のカテゴリに分類しておき、カテゴリごとの正解率を算出して、カテゴリごとに、正解率に応じてあらかじめ用意されたフィードバック情報を提示するようにしてもよい。カテゴリの一例は、状況の把握に関する第1段階の質問を第1カテゴリとし、要因の把握に関する第2段階の質問を第2カテゴリとすることである。あるいは、状況の把握および要因の把握をそれぞれ細分化したカテゴリを設定するようにしてもよい。
【0046】
結果提示部16は、学習者用端末200に加えて指導者用端末300にも回答判定部14による判定の結果を提示するようにしてもよい。指導者用端末300に対して判定の結果を提示する際は、学習者により入力された回答の内容も併せて提示するのが好ましい。指導者は、結果提示部16により指導者用端末300に提示された情報を見ることにより、学習者がどのような状況を正しく把握できて、どのような状況を正しく把握できなかったのかを確認することができる。同様に、学習者がどのような要因を正しく分析できて、どのような要因を正しく分析できなかったのかを確認することができる。さらに、特に自由文による回答内容を見ることにより、学習者がどのような思考をして回答したのかも確認することができる。
【0047】
これにより、指導者は、学習者の理解状況に合わせて適切なアドバイスや指導を行うことが可能となる。特に、学習者が最終的に正しい結論を出していたとしても、思考過程において何か問題があれば、指導者はそのことを結果提示部16により提示された情報から認識することができる。つまり、学習者が事例問題を真に理解して正しい結論を導き出したのか、事例問題を真に理解してはいないが偶然に正しい結論となったのかを判別することができる。したがって、指導者は、正しい結論を出している学習者に対しても、思考過程の中で問題のある部分を指摘して適切な指導を行うことができる。
【0048】
なお、判定結果の提示は、例えば、サーバ装置100から学習者用端末200および指導者用端末300に対するプッシュ通知の形式で行うようにすることが可能である。あるいは、サーバ装置100が提供する結果提示画面において判定の結果を表示するようにし、学習者用端末200および指導者用端末300からサーバ装置100にアクセスすることによって判定の結果をいつでも閲覧できるような形式で判定結果の提示を行うようにしてもよい。
【0049】
図4および図5は、上記のように構成したサーバ装置100の動作例を示すフローチャートである。このうち、図4は、第1段階の質問を提示しているときの動作例を示す。図5は、第2段階の質問を提示しているときの動作例を示す。
【0050】
図4において、まず質問提示部11は、事例問題を事例表示領域31に表示させるとともに(ステップS101)、第1段階における1つ目の質問Q1を質問表示領域32に表示させる(ステップS102)。そして、当該質問Q1に対する学習者の回答A1を回答受付部12にて受け付けて、当該回答A1を回答記録部13により学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS103)。
【0051】
1つ目の質問Q1に対する回答A1が学習ログ記憶部10Bに記録されると、回答判定部14は、その回答A1が正解か否かを判定し、その判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS104)。ここで、回答A1が正解であった場合、回答判定部14はその旨を示す正解フラグをオンとする(ステップS105)。一方、不正解であった場合、回答判定部14は正解フラグを操作しない。
【0052】
次に、質問提示部11は、2つ目の質問Q2を質問表示領域32に表示させる(ステップS106)。そして、当該質問Q2に対する学習者の回答A2を回答受付部12にて受け付けて、当該回答A2を回答記録部13により学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS107)。回答判定部14は、その回答A2が正解か否かを判定してその判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録し(ステップS108)、正解であった場合は正解フラグをオンとする(ステップS109)。一方、不正解であった場合、回答判定部14は正解フラグを操作しない。
【0053】
以降、3つ目以降の質問についても同様の処理を繰り返す。図4のフローチャートでは、ステップS110~S113で10個目の質問Q10に関する処理を実行することにより、第1段階における複数の質問の提示とそれに対する回答および判定結果の記録を終える。ここで、提示質問制御部15は、正解フラグがオンか否かを判定する(ステップS114)。
【0054】
ここで、正解フラグがオンの場合は、第1段階における複数の質問Q1~Q10に対する回答A1~A10のうち少なくとも1つについて正解したという状況なので、図5に示す第2段階の質問に進むように質問提示部11を制御する(ステップS115)。一方、正解フラグがオフの場合は、第1段階における複数の質問Q1~Q10に対する回答A1~A10が全て不正解であったという状況なので、図5に示す第2段階の質問には進まず、結果提示部16により回答判定部14の判定結果を学習者用端末200および指導者用端末300に提示して(ステップS116)、学習処理を終了する。このとき、学習者用端末200にはフィードバック情報も提示し、指導者用端末300には学習者の回答内容も提示する。
【0055】
図5において、まず質問提示部11は、第2段階における1つ目の質問Q11を質問表示領域32に表示させる(ステップS201)。そして、当該質問Q11に対する学習者の回答A11を回答受付部12にて受け付けて、当該回答A11を回答記録部13により学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS202)。回答判定部14は、その回答A11が、質問した要因に該当するという内容であるか否かを判定し、その判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS203)。ここで、該当するという回答内容であった場合、回答判定部14はその旨を示す該当フラグをオンとする(ステップS204)。一方、該当するという回答内容ではなかった場合、回答判定部14は該当フラグを操作しない。
【0056】
次に、質問提示部11は、2つ目の質問Q12を質問表示領域32に表示させる(ステップS205)。そして、当該質問Q12に対する学習者の回答A12を回答受付部12にて受け付けて、当該回答A12を回答記録部13により学習ログ記憶部10Bに記録する(ステップS206)。回答判定部14は、その回答A12が、質問した要因に該当するという内容であるか否かを判定してその判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録し(ステップS207)、該当するという回答内容であった場合は該当フラグをオンとする(ステップS208)。一方、該当するという回答内容ではなかった場合、回答判定部14は該当フラグを操作しない。このステップS201~S208の処理が、第2段階における前段の質問に関する処理に相当する。
【0057】
その後、提示質問制御部15は、該当フラグがオンか否かを判定する(ステップS209)。ここで、該当フラグがオンの場合は、第1の疾患に相当する可能性があるとして、ステップS210~S215に示す質問をするように質問提示部11を制御する。一方、該当フラグがオフの場合は、第2の疾患に相当する可能性があるとして、ステップS216~S221に示す質問をするように質問提示部11を制御する。このステップS210~S221の処理が、第2段階における後段の質問に関する処理に相当する。
【0058】
ステップS210~S215は、第1の疾患を発症している要因の把握に関して、質問提示部11による複数の質問Q13~Q20の提示と、それに対して入力された複数の回答A13~A20の回答記録部13による学習ログ記憶部10Bへの記録と、回答判定部14による回答の判定とを繰り返し実行する内容を示している。例えば、質問Q13~Q20において、複数の要因のそれぞれについて該当するか否かを順に質問していき、該当するとの回答があったものについて、その回答を結論の1つとして受け付ける。すなわち、回答判定部14は、学習者が該当すると回答した要因に基づく第1の疾患(「〇〇要因性の第1の疾患」という)が診断結果の1つの結論であるものとして受け付け、この結論の正当性または妥当性を判定してその判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録する。
【0059】
ステップS216~S221は、第2の疾患を発症している要因の把握に関して、質問提示部11による複数の質問Q21~Q25の提示と、それに対して入力された複数の回答A21~A25の回答記録部13による学習ログ記憶部10Bへの記録と、回答判定部14による回答の判定とを繰り返し実行する内容を示している。例えば、質問Q21~Q25において、複数の要因のそれぞれについて該当するか否かを順に質問していき、該当するとの回答があったものについて、その回答を結論の1つとして受け付ける。すなわち、回答判定部14は、学習者が該当すると回答した要因に基づく第2の疾患(「〇〇要因性の第2の疾患」という)が診断結果の1つの結論であるものとして受け付け、この結論の正当性または妥当性を判定してその判定の結果を学習ログ記憶部10Bに記録する。
【0060】
最後に、結果提示部16は、複数の質問(図4および図5に示すフローチャートの場合、質問Q1~Q20または質問Q1~Q12,Q21~Q25)に対する複数の回答(回答A1~A20または回答A1~A12,A21~A25)が全て入力されて回答記録部13によって学習ログ記憶部10Bに記録された後に、当該学習ログ記憶部10Bに記録された回答判定部14による判定の結果を学習者用端末200および指導者用端末300に提示する(ステップS222)。このとき、学習者用端末200にはフィードバック情報も提示する。指導者用端末300には複数の回答内容も提示する。これにより、学習処理を終了する。図4および図5のフローチャートからも明らかな通り、図4のステップS101~S115の処理が行われている間、および図5のステップS201~S221の処理が行われている間、結果提示部16は、回答判定部14による判定の結果を学習者用端末200に提示しない状態を維持している。
【0061】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、学習対象に関する事例問題を提示して、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に学習させるようになされた学習システムにおいて、事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項についてあらかじめ用意された複数の質問を学習者用端末200に順に提示し、当該順に提示される複数の質問に対して学習者用端末200を通じて学習者により入力された複数の回答の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定する。そして、順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点では判定の結果を学習者用端末200に提示しない状態を維持し、複数の質問に対する複数の回答が全て入力された後に判定の結果を学習者用端末200に提示するようにしている。
【0062】
このように構成した本実施形態によれば、順に提示される質問に対して学習者が回答を入力するたびに正解が提示されることがないので、個々の学習者ごとに異なり得る思考が、正解と言える思考径路の方に随時誘導されることはない。そのため、事例の把握から結論の導出まで一貫して、学習者独自の思考に基づいて回答が進められていくので、個々の学習者における思考過程で問題がある部分(正しい状況把握や正しい分析ができない可能性のある部分)が顕在化されやすくなり、その部分を重点的に復習したり、関連する知識を強化したりすることが可能となる。このように、本実施形態によれば、学習者ごとに問題のある思考部分が顕在化しやすくなるようにして、個々の学習者の習得度に合わせた適切な学習を実施することができる。
【0063】
また、本実施形態では、質問提示部11により順に提示される質問に対して回答が順に入力された個々の時点における回答内容または回答判定部14による判定の結果に応じて、提示質問制御部15が質問提示部11による質問の提示を制御するようにしている。このようにすることにより、学習者の自由な思考の仕方に合わせて、提示する複数の質問を変えて、当該複数の質問を通じて辿る思考径路を変えていくことができる。これにより、学習者ごとに問題のある思考部分が顕在化しやすくなるようにすることができる。
【0064】
また、本実施形態では、質問提示部11により提示された第2段階の複数の質問の少なくとも一部に対する1以上の回答のそれぞれを1以上の結論として受け付け、当該1以上の結論の正当性またはあらかじめ用意された内容との一致性をそれぞれ判定するようにしている。このようにすることにより、正解が1つとは限らない学習対象についても、事例の把握から結論の導出までの一連の思考過程を学習者に適切に学習させるようにすることができる。
【0065】
また、本実施形態では、不正解と判定された回答については、回答判定部14による判定の結果に加えて、知識の補填またはその後の学習に役立つフィードバック情報を学習者用端末200に提示するようにしている。また、本実施形態では、学習者用端末200に加えて指導者用端末300にも回答判定部14による判定の結果を提示するようにしている。これにより、学習者は、自分の知識不足や思考の仕方で良くない点などを判定の結果から把握することができるだけでなく、それらを補うために今度どのように学習を進めていけばよいかの有用な情報を得ることができ、学習を効果的に進めることができる。また、指導者は、学習者の知識不足や思考の仕方で良くない点などを判定の結果から的確に把握することができ、適切なアドバイスや指導を行うことができる。
【0066】
なお、上記実施形態では、複数の質問をあらかじめ決められた順番に従って昇順に提示していく例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、提示質問制御部15は、学習者からの指示に応じて、順番を遡って、既に提示済みの質問を質問提示部11により再提示するように制御するようにしてもよい。例えば、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS201~S209の処理の結果に応じて、ステップS210~S215の処理に分岐した後に、学習者からの指示に応じて、ステップS205またはステップS201まで遡って、質問Q12または質問Q11,Q12を再提示するようにしてもよい。ステップS216~S221の処理に分岐した後にも同様に、学習者からの指示に応じて、ステップS205またはステップS201まで遡って、質問Q12または質問Q11,Q12を再提示するようにしてもよい。
【0067】
学習者が自分の判断に間違があることに途中で気づいた場合などに、質問を遡って回答を変えられるようにするものである。この場合、回答記録部13は、質問提示部11により質問を最初に提示したときに入力された回答と、質問提示部11により質問を再提示したときに入力された回答とを共に学習ログ記憶部10Bに記録するのが好ましい。このような学習者の思考の行き来を学習ログとして記録し、それを指導者用端末300に提示することにより、指導者は、学習者の思考過程と事例問題の理解度を詳細に認識することが可能である。
【0068】
図6は、第1の変形例に係るサーバ装置100Aの機能構成例を示すブロック図である。この図6において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。第1の変形例に係るサーバ装置100Aは、機能構成として、類似度推定部17および追加登録部18を更に備えている。
【0069】
類似度推定部17は、回答記録部13により学習ログ記憶部10Bに記録された複数の回答と、あらかじめ用意されて学習コンテンツ記憶部10Aに記憶されている内容(正解、正当または妥当な判断内容など)との類似度を推定する。ここでいう複数の回答とは、図4および図5のフローチャートでいうところの回答A1~A25のことである。これらの回答の中には、クローズ質問に対する回答とオープン質問に対する回答とが含まれ得る。
【0070】
ここで、クローズ質問に対する回答に関しては、類似度の推定対象から外してもよい。あるいは、クローズ質問に対する回答に関しても、類似度の推定対象とするようにしてもよい。この場合、類似度を例えば数値0~1で表すものとして、回答が正解の場合は類似度“1”、回答が不正解の場合は類似度“0”などとすることが可能である。また、図3のようにクローズ質問に関しても自由文入力領域34に入力する自由文の回答がある場合は、この自由文の回答に関して類似度を推定するようにしてもよい。この場合の類似度は、以下に述べるオープン質問に対する回答の類似度の推定方法を適用することが可能である。
【0071】
オープン質問に対する回答に関しては、例えば、学習者により自由文による回答として入力された文章と、正当または妥当な判断内容としてあらかじめ用意されている文章との類似度を推定する。文章間の類似度の推定方法は、公知の技術を用いることが可能である。一例として、文章を形態素解析して複数の単語を抽出し、抽出された複数の単語の組み合わせから所定の数値化ルールに従って文章ベクトルを算出して、文章ベクトルの類似度を推定するといった方法を用いることが可能である。
【0072】
類似度推定部17は、以上のようにして、複数の質問に対する回答のそれぞれごとに、あらかじめ正解として学習コンテンツ記憶部10Aに記憶された内容との類似度を推定することができる。そして、個々の回答ごとに求められた類似度を総合した1つの類似度を求めることが可能である。例えば、クローズ質問に対する回答について求められた類似度を示す値と、オープン質問に対する回答について求められた類似度を示す値との加重平均を算出することにより、複数の質問に対する複数の回答に関する1つの総合類似度を推定することが可能である。
【0073】
別の方法として、学習対象に関する内容を関連キーワードを用いて概念的に定義した概念辞書(例えば、医師による疾患の診断方法が学習対象の場合は、結論として導くべき疾患を症状や要因などの観点から関連キーワードを用いて概念的に定義した辞書)をあらかじめ学習コンテンツ記憶部10Aに記憶しておき、回答の文章から抽出される単語と概念辞書のキーワードとの一致度合いに基づいて類似度を推定するようにしてもよい。ここで、回答の文章に含まれる複数の単語と概念辞書に含まれる複数のキーワードとの共通性を推定するための手段として、共起ネットワークを作成するようにしてもよい。
【0074】
追加登録部18は、類似度推定部17により推定された類似度(例えば、上述の総合類似度)が所定の条件を満たす複数の回答を指導者用端末300に提示し、当該指導者用端末300を通じて指導者により登録の指示が入力された場合に、当該指示に係る複数の回答を1つの許容可能な思考過程として、あらかじめ用意された内容の1つとして学習コンテンツ記憶部10Aに追加登録する。複数の回答を指導者用端末300に提示する際に、学習者の回答の文章には含まれていて概念辞書にない単語を抽出して提示するようにしてもよい。
【0075】
ここで、類似度が所定の条件を満たす複数の回答は、例えば、類似度が第1閾値以上かつ第2閾値以下となる回答とすることが可能である。類似度が第1閾値以上となる回答に限定するのは、正解との類似度があまりにも低いものは許容可能な思考過程ではない可能性が高いと考えられるからである。また、類似度が第2閾値以下となる回答に限定するのは、正解との類似度があまりにも高いものは新たな知見にならない可能性が高いと考えられるからである。なお、第2閾値による条件は課さず、類似度が第1閾値以上となる回答を指導者用端末300に提示するようにしてもよい。
【0076】
なお、ここでは総合類似度が所定の条件を満たす複数の回答を指導者用端末300に提示し、指導者用端末300が登録を指示した場合には当該複数の回答を学習コンテンツ記憶部10Aに追加登録する例を示したが、この例に限定されない。すなわち、総合類似度は算出せず、個々の回答ごとに求められた類似度がそれぞれ所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たす回答を指導者用端末300に提示して、指導者用端末300が登録を指示した回答を学習コンテンツ記憶部10Aに追加登録するようにしてもよい。
【0077】
このように構成した第1の変形例によれば、元々は学習コンテンツ記憶部10Aに正解として登録されていない回答内容であっても、指導者が1つの許容可能な思考過程または回答として認めた場合には、新たな知見として学習コンテンツ記憶部10Aに追加登録することができる。このようにすれば、指導者も学習者の思考過程から新たな気付きを得ることが可能であり、新たな気付きが妥当なものであればそれを学習コンテンツ記憶部10Aに追加登録して学習システムを成長させることができる。
【0078】
図7は、第2の変形例に係るサーバ装置100Bの機能構成例を示すブロック図である。この図7において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。第2の変形例に係るサーバ装置100Bは、機能構成として、事例問題入力部19、事項割当部20および質問生成部21を更に備えている。なお、ここでは図示を省略するが、図6に示した類似度推定部17および追加登録部18を更に備えるようにしてもよい。
【0079】
事例問題入力部19は、事例問題の文章を入力する。事例問題の文章は、文字データから成るものであってもよいし、スキャン画像データをOCR処理して文字データ化したものであってもよい。例えば、事例問題入力部19は、指導者用端末300で生成された事例問題の文章に関する文字データを、通信ネットワーク500を介して入力する。
【0080】
事項割当部20は、事例問題入力部19により入力された事例問題の文章を意味単位に分割し、分割した意味単位のそれぞれに対し、事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項の何れかを割り当てる。例えば、事項割当部20は、事例問題の文章を公知の方法によって構文解析した後、意味的な解析を行うことにより、構文が確認された表現の意味を識別して、意味の区切りごとに文章を分割する。より単純な方法として、事例問題の文章を句読点の区切りごとに分割するようにしてもよい。
【0081】
事項割当部20は、以上のようにして分割した個々の意味単位を、例えば一覧形式にして指導者用端末300に提示する。指導者は、ディスプレイに表示された意味単位の一覧を確認し、それぞれの意味単位に対し、事例を把握して結論を導出するために考慮されるべき複数の事項の割り当てを指示するための操作を行う。このとき、指導者が意味単位の編集を行うことができるようにしてもよい。事項割当部20は、指導者により指導者用端末300を通じて行われた割り当て結果の情報を受け付け、上述のように分割した意味単位のそれぞれと、指導者により割り当てられた複数の事項の何れかとを紐づけて登録する。
【0082】
質問生成部21は、事例問題入力部19により入力された文章において使われている表現と、事項割当部20により割り当てられた事項に対応してあらかじめ用意されている表現とを用いて、質問を生成する。例えば、質問生成部21は、複数の事項のそれぞれに対応する質問文(あらかじめ用意された表現を用いたもの)のテンプレートを備えている。テンプレートは、例えば「この方は、通常とは異なるどのような症状が出現していますか?」のように完成された文章から成る質問文、または、例えば「〇〇で該当するものは何ですか?」のように一部が空欄となっている文章から成る質問文の何れでもよく、事項に応じて何れか適切なものをテンプレートとして備えている。
【0083】
質問生成部21は、完成された文章から成るテンプレートの場合は、事項割当部20により割り当てられた事項に対応してあらかじめ用意されているテンプレートをそのまま用いて質問文を生成する。一方、一部が空欄となっている文章から成るテンプレートについては、事項割当部20により割り当てられた事項に対応してあらかじめ用意されているテンプレートの空欄部分に、事項割当部20により分割された意味単位の文章において使われている表現を入力して質問文を生成する。空欄部分に入力する表現は、例えば、意味単位の文章から抽出する単語である。ここで抽出する単語は、症状や要因に関連する単語としてあらかじめリスト化されたものの中の何れかである。
【0084】
以上のように構成した第2の変形例によれば、事例問題に対する複数の質問を簡単に生成することができる。
【0085】
なお、上記実施形態および変形例において、指導者用端末300からサーバ100にアクセスすることにより、学習ログ記憶部10Bに記憶されている学習者の学習ログを指導者がいつでも閲覧できるように構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態および変形例において、学習者の職種、所属先、経験年数、学習理解度(回答判定部14による判定結果)などの個人属性に基づいて複数の学習者をグルーピングし、グループ単位で学習を実施して、その学習の結果をグループ内で共有する仕組みを設けるようにしてもよい。このようにすれば、他の学習者の思考過程を参考にしながら知見を広げたり復習を行ったりすることができるようになる。
【0087】
また、上記実施形態および変形例では、順に提示される複数の質問に対して複数の回答が順に入力された個々の時点において判定の結果を学習者用端末200に提示しない状態を維持するようにしている。これに対し、指導者用端末300に対しては、複数の回答が順に入力された個々の時点において判定の結果を都度提示するようにしてもよいし、全ての回答が入力されるまで判定の結果を提示しない状態を維持するようにしてもよい。指導者用端末300に対して判定の結果を都度提示する場合、指導者用端末300からサーバ装置100を通じて学習者用端末200に対して回答のヒントを必要に応じて提供できるように構成してもよい。
【0088】
また、上記実施形態および変形例では、医師による疾患の診断方法を学習対象の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、特許文献1に記載されているような看護処置計画の策定方法の他、顧客からのクレーム対応方法、市場分析に基づく営業戦略策定方法、既存製品に関する改良アイデア創出方法など、状況の把握から結論の導出までに複数段階の思考を踏むような事例であれば何れも適用可能である。
【0089】
その他、上記実施形態および変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0090】
10A 学習コンテンツ記憶部
10B 学習ログ記憶部
11 質問提示部
12 回答受付部
13 回答記録部
14 回答判定部
15 提示質問制御部
16 結果提示部
17 類似度推定部
18 追加登録部
19 事例問題入力部
20 事項割当部
21 質問生成部
100,100A,100B サーバ装置
200 学習者用端末
300 指導者用端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7