(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075208
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】押し洗い式洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 35/00 20060101AFI20220511BHJP
D06F 33/36 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
D06F35/00 Z
D06F33/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185850
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 肇
【テーマコード(参考)】
3B167
3B168
【Fターム(参考)】
3B167AB01
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167BA08
3B167BA52
3B167JA01
3B167LC05
3B167LD03
3B167LE06
3B167LF30
3B167LG07
3B168AB01
3B168AE05
3B168AE07
3B168AE12
3B168BA52
(57)【要約】
【課題】衣類の押し洗い洗浄を十分に行うことが可能な押し洗い式洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明の押し洗い式洗濯機1は、洗濯物を収容する洗濯用ケース3と、洗濯用ケース3の内部に配置されたエアバッグA1,A2,A3,A4と、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアを供給するためのエアポンプと、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアポンプからのエアが供給される状態と、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアが排出される状態と切り替える切替手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容する洗濯用ケースと、
前記洗濯用ケースの内部に配置されたエアバッグと、
前記エアバッグに対してエアを供給するためのエアポンプと、
前記エアバッグに対して前記エアポンプからのエアが供給される状態と前記エアバッグ内のエアが排出される状態と切り替える切替手段とを備えることを特徴とする押し洗い式洗濯機。
【請求項2】
前記エアバッグは、前記洗濯用ケースの側面にそれぞれ設けられ、互いに対向するように配置された2つの側面エアバッグを含むことを特徴とする請求項1に記載の押し洗い式洗濯機。
【請求項3】
前記2つの側面エアバッグは、上下方向について複数段に配置されることを特徴とする請求項2に記載の押し洗い式洗濯機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記2つの側面エアバッグの一方の容積が増加する際に他方の容積が減少するように、前記エアポンプを制御することを特徴とする請求項2または3に記載の押し洗い式洗濯機。
【請求項5】
前記エアバッグは、前記洗濯用ケースの底面に配置された底面エアバッグを含むことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の押し洗い式洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯用ケースの内部に配置され、洗濯物を収容する袋状のウオッシュバッグを備えることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の押し洗い式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し洗い洗浄を行う押し洗い式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維が傷みやすい衣類を洗濯する場合に、繊維が傷みにくい押し洗い洗浄を行う押し洗い式洗濯機がある(例えば特許文献1)。特許文献1の押し洗い式洗濯機は、洗濯槽の投入口を開閉する蓋と、蓋に設けられた押し洗い部材と、蓋に設けられた駆動機構とを有している。
【0003】
押し洗い部材は、駆動機構のネジ軸の下端部に接続されており、ネジ軸は蓋を貫通するように配置されている。そのネジ軸がナットの回転で軸線に沿って移動すると、押し洗い部材は蓋に対してほぼ平行な状態を保ったまま移動する。押し洗い部材の下面は、ほぼ平らであり、押し洗い時に衣類を洗濯槽内全体で均等に押さえるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の押し洗い式洗濯機では、押し洗い部材により衣類を均等に押して洗う構造であり、手作業で押し洗いをする場合と比べて、衣類の動きが少なく、押し洗い洗浄が不十分である。
【0006】
そこで、本発明は、衣類の押し洗い洗浄を十分に行うことが可能な押し洗い式洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の押し洗い式洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯用ケースと、前記洗濯用ケースの内部に配置されたエアバッグと、前記エアバッグに対してエアを供給するためのエアポンプと、前記エアバッグに対して前記エアポンプからのエアが供給される状態と前記エアバッグ内のエアが排出される状態と切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の押し洗い式洗濯機において、前記エアバッグは、前記洗濯用ケースの側面にそれぞれ設けられ、互いに対向するように配置された2つの側面エアバッグを含むことが好適である。
【0009】
本発明の押し洗い式洗濯機において、前記2つの側面エアバッグは、上下方向について複数段に配置されることが好適である。
【0010】
本発明の押し洗い式洗濯機において、前記制御手段は、前記2つの側面エアバッグの一方の容積が増加する際に他方の容積が減少するように、前記エアポンプを制御することが好適である。
【0011】
本発明の押し洗い式洗濯機において、前記エアバッグは、前記洗濯用ケースの底面に配置された底面エアバッグを含むことが好適である。
【0012】
本発明の押し洗い式洗濯機において、前記洗濯用ケースの内部に配置され、洗濯物を収容する袋状のウオッシュバッグを備えることが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯用ケースの内部にエアバッグを配置し、エアバッグを大きく膨らみまたは小さく縮むように切り替えることにより、エアバッグの圧力を利用して、洗濯用ケース内の洗濯物を押し洗いすることができる。そのため、手作業での押し洗いと同等な布傷み、洗浄力を実現することができる。
【0014】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯用ケース内の側面に対向して設けられた2つのエアバッグを配置することで、エアバッグの弾力性、変形のしやすさにより、洗濯物にダメージを当てずに押し洗いすることができる。
【0015】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯用ケース内の側面に対向して設けられた2つのエアバッグを上下方向に複数段に配置することで、洗濯用ケースの高さを高くして、長手の衣類を洗濯することができるとともに、洗濯用ケースの容量を増加させることができる。
【0016】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯用ケース内の側面に対向して設けられた2つのエアバッグの動作タイミングをずらすことで、押し洗いタイミングを変化させ、洗濯物の動きの変化を増やして洗浄効果を高めることができる。
【0017】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯用ケースの底面に底面エアバッグを配置することで、底に沈んだ洗濯物を上方に持ち上げて、洗濯物の上下の動きによる左右のエアバッグ圧力位置を変えることで均等に洗うことができる。また、上下方向の水流の動きが発生するため、洗浄性の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の押し洗い式洗濯機では、洗濯物を袋状のウオッシュバッグに収容して押し洗いすることにより、エアバッグ圧力洗浄を、エアバッグの加圧力とウオッシュバッグを利用して衣類を手もみ洗い感覚を出して洗浄することができる。また、小型で少量洗いや、デリケートの洗濯を簡略化したいニーズに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る押し洗い式洗濯機1を正面から見たときの概略図、
図1(b)は、
図1(a)のa
1-a
1線における断面図、
図1(c)は、
図1(b)のa
2-a
2線における断面図である。
【
図2】
図1の押し洗い式洗濯機1のエアポンプ10とエアバッグA1~A4とを接続方法を説明する図である。
【
図3】
図1の押し洗い式洗濯機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の押し洗い式洗濯機1での洗浄方法を説明する図である。
【
図5】
図1の押し洗い式洗濯機1における作動パターンを示す図である。
【
図6】
図1の押し洗い式洗濯機1における作動パターンを示す図である。
【
図7】
図7(a)は、本発明の第2実施形態に係る押し洗い式洗濯機101を正面から見たときの概略図、
図7(b)は、
図7(a)のa
1-a
1線における断面図、
図7(c)は、
図7(b)のa
2-a
2線における断面図である。
【
図8】
図7の押し洗い式洗濯機101のエアポンプ10とエアバッグA1~A5とを接続方法を説明する図である。
【
図9】
図7の押し洗い式洗濯機101の電気的構成を示すブロック図である。
【
図10】
図7の押し洗い式洗濯機101における作動パターンを示す図である。
【
図11】
図7の押し洗い式洗濯機101における作動パターンを示す図である。
【
図12】
図7の押し洗い式洗濯機101における作動パターンを示す図である。
【
図13】第1実施形態の押し洗い式洗濯機1における作動パターンの変形例である。
【
図14】第2実施形態の押し洗い式洗濯機101における作動パターンの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態である押し洗い式洗濯機1について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態の押し洗い式洗濯機1は、
図1に示すように、略直方体形状を有する筐体2を有している。筐体2の内部には、洗濯物を収容する洗濯用ケース3が配置され、洗濯用ケース3の下方には、制御ボックス5が配置される。
【0022】
洗濯用ケース3は、略楕円形状の水平断面を有し、縦長の有底筒状の部材である。洗濯用ケース3の内部には、4つのエアバッグA1,A2,A3,A4が配置される。4つのエアバッグA1,A2,A3,A4は、例えばポリエステルで形成され、その内部にエアが供給されると大きく膨らむとともに、その内部からエアが排出されると小さく縮むように形成される。
【0023】
4つのエアバッグA1,A2,A3,A4は、何れも洗濯用ケース3の内周面の側面に取り付けられる。すなわち、エアバッグA1,A2,A3,A4は、側面エアバッグである。2つのエアバッグA1,A2は、洗濯用ケース3の上端側において互いに対向するように配置される。同様に、2つのエアバッグA3,A4は、洗濯用ケース3の底面側において互いに対向するように配置される。エアバッグA1は、エアバッグA3の上方に配置され、エアバッグA2は、エアバッグA4の上方に配置される。
【0024】
制御ボックス5の内部には、1つのエアポンプ10と、2つのソレノイドC1,C2と、図示しない制御基板とが収容される。エアポンプ10は、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアを供給するものであり、ソレノイドC1,C2は、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアを供給する状態と、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアを排出する状態とを切り替えるものである。
【0025】
図2に示すように、エアポンプ10のエア排出部10aには、分岐管t1が接続されており、分岐管t1の一方の出口部t1aには、ソレノイドC1が接続される。ソレノイドC1の出口部C1aには、接続ホースn1の一端部が接続され、接続ホースn1の他端部には、分岐管t2が接続される。
【0026】
分岐管t2の一方の出口部t2aには、接続ホースn2を介して、エアバッグA1が接続される。分岐管t2の他方の出口部t2bには、接続ホースn3を介して、エアバッグA2が接続される。
【0027】
ソレノイドC1は、通電されてオン状態になると、分岐管t1の出口部t1aとソレノイドC1の出口部C1aとを連通させて、エアポンプ10からのエアをエアバッグA1,A2に供給する状態となる。
【0028】
これに対して、ソレノイドC1は、通電が停止されてオフ状態になると、分岐管t1の出口部t1aとソレノイドC1の出口部C1aとを連通させないで、ソレノイドC1の出口部C1aとソレノイドC1の排出部C1bとを連通させて、エアバッグA1,A2内のエアを外部へ排出する状態となる。
【0029】
そのため、エアポンプ10がオン状態である場合において、ソレノイドC1がオン状態であるときに、エアポンプ10からのエアがエアバッグA1,A2内に供給されて、エアバッグA1,A2は大きく膨らむとともに、ソレノイドC1がオフ状態であるときに、エアバッグA1,A2内のエアが外部へと排出されて、エアバッグA1,A2は小さく縮む。すなわち、ソレノイドC1は、エアポンプ10からのエアが2つのエアバッグA1,A2に供給される状態と、2つのエアバッグA1,A2内のエアが外部へ排出される状態とを切り替えることができる。
【0030】
分岐管t1の他方の出口部t1bには、接続ホースn4の一端部が接続され、接続ホースn4の他端部には、分岐管t3が接続される。分岐管t3の一方の出口部t3aには、ソレノイドC2が接続される。分岐管t3の他方の出口部t3bは、閉鎖されている。
【0031】
ソレノイドC2の出口部C2aには、接続ホースn5の一端部が接続され、接続ホースn5の他端部には、分岐管t4が接続される。分岐管t4の一方の出口部t4aには、接続ホースn6を介して、エアバッグA3が接続される。分岐管t4の他方の出口部t4bには、接続ホースn7を介して、エアバッグA4が接続される。
【0032】
ソレノイドC2は、通電されてオン状態になると、分岐管t3の出口部t3aとソレノイドC2の出口部C2aとを連通させて、エアポンプ10からのエアをエアバッグA3,A4に供給する状態となる。
【0033】
これに対して、ソレノイドC1は、通電が停止されてオフ状態になると、分岐管t1の出口部t1aとソレノイドC1の出口部C1aとを連通させないで、ソレノイドC1の出口部C1aとソレノイドC1の排出部C1bとを連通させて、エアバッグA3,A4内のエアを外部へ排出する状態となる。
【0034】
そのため、エアポンプ10がオン状態である場合において、ソレノイドC2がオン状態であるときに、エアポンプ10からのエアがエアバッグA3,A4内に供給されて、エアバッグA3,A4は大きく膨らむとともに、ソレノイドC2がオフ状態であるときに、エアバッグA3,A4内のエアが外部へと排出されて、エアバッグA3,A4は小さく縮む。すなわち、ソレノイドC2は、エアポンプ10からのエアが2つのエアバッグA3,A4に供給される状態と、2つのエアバッグA3,A4内のエアが外部へ排出される状態とを切り替えることができる。
【0035】
制御ボックス5内に配置された制御基板には、制御部30が形成される。押し洗い式洗濯機1の動作は、マイクロコンピュータを含む制御部30によって制御される。制御部30は、システム全体の制御を司る中央制御部(CPU)を備え、この制御部30には、エアポンプ10と、ソレノイドC1,C2とがそれぞれ接続される。そのため、制御部30は、エアポンプ10の電源オンオフ及びエアポンプ10から供給されるエア量を制御するとともに、ソレノイドC1,C2の電源オンオフを制御する。
【0036】
また、制御部30は、洗濯パターン記憶部6aを有しており、メモリに格納されたプログラムをマイクロコンピュータが実行することにより予め定められた洗濯動作が行われるとともに、メモリには、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶される。洗濯パターン記憶部6aには、複数の作動パターンと、それらの作動パターンを複数組み合わせた複数種類の洗濯パターンとが記憶される。作動パターン及び洗濯パターンは、洗濯用ケース3内にある洗濯物の押し洗いを行う際に、4つのエアバッグA1,A2,A3,A4を膨らませたり縮ませたりする動作を示すものである。
【0037】
本実施形態の洗濯パターン記憶部6aは、後述する2つの作動パターンを記憶するとともに、その2つの作動パターンを互いに異なる順序で組み合わせた複数種類の洗濯パターンとを記憶する。そのため、押し洗い式洗濯機1では、ユーザにより選択された洗濯パターンにしたがって、4つのエアバッグA1,A2,A3,A4を動作させて押し洗い洗浄を行う。
【0038】
なお、押し洗い洗浄が行われる際、
図4(a)に示すように、洗濯物を袋状のウオッシュバッグ6に収容して、ウオッシュバッグ6の投入口から水と洗剤が投入される。その後、ウオッシュバッグ6内の空気を外部に出して、ウオッシュバッグ6の投入口が閉鎖される。
【0039】
洗濯物を収容したウオッシュバッグ6は、
図4(b)に示すように、洗濯用ケース3の内部に配置される。その状態で、エアバッグA1,A2,A3,A4が膨らんだり縮んだりして押し洗い洗浄が行われる。ウオッシュバッグ6の内周面には、
図4(c)に示すように、小さい凸部6aが設けられている。そのため、ウオッシュバッグ6の内周面に複数の凹凸が形成され、洗濯物の洗浄する力が向上する。
【0040】
押し洗い洗浄が終了すると、
図4(d)に示すように、ウオッシュバッグ6内から水を排水する。その後、ウオッシュバッグ6の投入口から水が投入されて、上述と同様にして、すすぎ洗いが行われる。すすぎ洗いが終了すると、ウオッシュバッグ6内から水を排水して、洗濯物が取り出される。
【0041】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、
図5の作動パターンと
図6の作動パターンとが組み合わされた洗濯パターンに基づいて押し洗い洗浄が行われる。
【0042】
(エアバッグ側面4個同時作動パターン)
図5に示す作動パターンは、エアバッグA1,A2,A3,A4を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりする作動パターンである。
【0043】
時刻T1において、ソレノイドC1,C2が同時にオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA1,A2,A3,A4にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。
【0044】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC1,C2が同時にオフ状態となり、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0045】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC1,C2が同時にオン状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。その後も同様に、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯物を押圧しない状態と、洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。なお、第1所定時間と第2所定時間とは同一でも異なってもよい。以下の作動パターンについても同様である。
【0046】
(エアバッグ上下異なる作動パターン)
図6に示す作動パターンは、上側のエアバッグA1,A2を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりするとともに、エアバッグA1,A2と反対のタイミングで、下側のエアバッグA3,A4を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりする作動パターンである。
【0047】
時刻T1において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA1,A2にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA3,A4内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA3,A4は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0048】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC1がオフ状態となり且つソレノイドC2がオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA3,A4にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA1,A2内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0049】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、膨らんで洗濯物を押圧する状態となり、エアバッグA3,A4は、縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。その後も同様に、エアバッグA1,A2とエアバッグA3,A4は、洗濯物を押圧しない状態と洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。
【0050】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1は、洗濯物を収容する洗濯用ケース3と、洗濯用ケース3の内部に配置されたエアバッグA1,A2,A3,A4と、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアを供給するためのエアポンプ10と、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアポンプ10からのエアが供給される状態と、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアが排出される状態と切り替える切替手段であるソレノイドC1,C2とを備える。
【0051】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、洗濯用ケース3の内部にエアバッグA1,A2,A3,A4を配置し、エアバッグA1,A2,A3,A4を大きく膨らみまたは小さく縮むように切り替えることにより、エアバッグの圧力を利用して、洗濯用ケース3内の洗濯物を押し洗いすることができる。そのため、手作業での押し洗いと同等な布傷み、洗浄力を実現することができる。
【0052】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の側面にそれぞれ設けられ、互いに対向するように配置された2つの側面エアバッグA1,A2及び2つの側面エアバッグA3,A4を含む。
【0053】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、洗濯用ケース3内の側面に対向して設けられた2つの側面エアバッグA1,A2及び2つの側面エアバッグA3,A4を配置することで、エアバッグの弾力性、変形のしやすさにより、洗濯物にダメージを当てずに押し洗いすることができる。
【0054】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1において、2つの側面エアバッグA1,A2及び2つの側面エアバッグA3,A4は、上下方向について2段に配置される。
【0055】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、洗濯用ケース3内の側面に対向して設けられた2つの側面エアバッグA1,A2及び2つの側面エアバッグA3,A4を上下方向に2段に配置することで、洗濯用ケース3の高さを高くして、長手の衣類を洗濯することができるとともに、洗濯用ケース3の容量を増加させることができる。
【0056】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1において、制御手段である制御部30は、2つの側面エアバッグA1,A2の一方の容積が増加する際に他方の容積が減少し、2つの側面エアバッグA3,A4の一方の容積が増加する際に他方の容積が減少するように、エアポンプ10を制御する。
【0057】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、洗濯用ケース3内の側面に対向して設けられた2つの側面エアバッグA1,A2及び2つの側面エアバッグA3,A4の動作タイミングをずらすことで、押し洗いタイミングを変化させ、洗濯物の動きの変化を増やして洗浄効果を高めることができる。
【0058】
本実施形態の押し洗い式洗濯機1において、洗濯用ケース3の内部に配置され、洗濯物を収容する袋状のウオッシュバッグを備える。
【0059】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機1では、洗濯物を袋状のウオッシュバッグに収容して押し洗いすることにより、エアバッグ圧力洗浄を、エアバッグの加圧力とウオッシュバッグを利用して衣類を手もみ洗い感覚を出して洗浄することができる。また、小型で少量洗いや、デリケートの洗濯を簡略化したいニーズに対応することができる。
【0060】
(第2実施形態)
本実施形態の押し洗い式洗濯機101が、第1実施形態の押し洗い式洗濯機1と異なる点は、第1実施形態では、4つのエアバッグA1,A2,A3,A4が洗濯用ケース3の側面に設けられるのに対して、本実施形態では、4つのエアバッグA1,A2,A3,A4が洗濯用ケース3の側面に設けられるとともに、1つのエアバッグA5が洗濯用ケース3の底面に設けられる点である。なお、本実施形態の押し洗い式洗濯機101の構成において、第1実施形態の押し洗い式洗濯機1の構成と同様である点については、詳細説明を省略する。
【0061】
本実施形態の押し洗い式洗濯機101は、
図7に示すように、第1実施形態の押し洗い式洗濯機1と同様に、洗濯物を収容する洗濯用ケース3が筐体2内に配置される。
【0062】
洗濯用ケース3の内部には、5つのエアバッグA1,A2,A3,A4,A5が配置される。5つのエアバッグA1,A2,A3,A4は、例えばポリエステルで形成される。4つのエアバッグA1,A2,A3,A4は、何れも洗濯用ケース3の内周面の側面に取り付けられる。1つのエアバッグA5は、洗濯用ケース3の内周面の底面に取り付けられる。すなわち、エアバッグA1,A2,A3,A4は、側面エアバッグであり、エアバッグA5は、底面エアバッグである。
【0063】
制御ボックス5の内部には、1つのエアポンプ10と、3つのソレノイドC1,C2,C3と、図示しない制御基板とが収容される。エアポンプ10は、エアバッグA1,A2,A3,A4,A5に対してエアを供給するものであり、ソレノイドC1,C2,C3は、エアバッグA1,A2,A3,A4に対してエアを供給する状態と、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアを排出する状態とを切り替えるものである。
【0064】
押し洗い式洗濯機101において、エアバッグA1,A2,A3,A4にエアを供給する構成及びエアを排出する構成は、第1実施形態の押し洗い式洗濯機1と同様である。そのため、
図8において
図2と異なる部分について説明する。
【0065】
押し洗い式洗濯機101では、
図8に示すように、分岐管t3の他方の出口部t3bには、接続ホースn8の一端部が接続され、接続ホースn8の他端部には、ソレノイドC3が接続される。ソレノイドC3の出口部C3aには、接続ホースn9を介して、エアバッグA5が接続される。
【0066】
ソレノイドC3は、通電されてオン状態になると、接続ホースn8とソレノイドC3の出口部C3aとを連通させて、エアポンプ10からのエアをエアバッグA5に供給する状態となる。
【0067】
これに対して、ソレノイドC3は、通電が停止されてオフ状態になると、接続ホースn8とソレノイドC3の出口部C3aとを連通させないで、ソレノイドC3の出口部C3aとソレノイドC3の排出部C3bとを連通させて、エアバッグA5内のエアを外部へ排出する状態となる。
【0068】
そのため、エアポンプ10がオン状態である場合において、ソレノイドC3がオン状態であるときに、エアポンプ10からのエアがエアバッグA5内に供給されて、エアバッグA5は大きく膨らむとともに、ソレノイドC3がオフ状態であるときに、エアバッグA5内のエアが外部へと排出されて、エアバッグA5は小さく縮む。すなわち、ソレノイドC3は、エアポンプ10からのエアがエアバッグA5に供給される状態と、エアバッグA5内のエアが外部へ排出される状態とを切り替えることがきる。
【0069】
制御ボックス5内に配置された制御基板には、制御部130が形成される。制御部130には、エアポンプ10と、ソレノイドC1,C2,C3とがそれぞれ接続される。そのため、制御部30は、エアポンプ10の電源オンオフ及びエアポンプ10から供給されるエア量を制御するとともに、ソレノイドC1,C2,C3の電源オンオフを制御する。
【0070】
本実施形態の洗濯パターン記憶部130aは、後述する3つの作動パターンを記憶するとともに、その3つの作動パターンを互いに異なる順序で組み合わせた複数の洗濯パターンとを記憶する。そのため、押し洗い式洗濯機101では、ユーザにより選択された洗濯パターンにしたがって、5つのエアバッグA1,A2,A3,A4,A5を動作させて押し洗い洗浄を行う。
【0071】
(エアバッグ側面4個作動パターン:底面エアバッグ停止)
図10に示す作動パターンは、底面エアバッグA5を縮ませた状態で、エアバッグA1,A2,A3,A4を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりする作動パターンである。
【0072】
時刻T1において、ソレノイドC1,C2が同時にオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA1,A2,A3,A4にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。
【0073】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC1,C2が同時にオフ状態となり、エアバッグA1,A2,A3,A4内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0074】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC1,C2が同時にオン状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。その後も同様に、エアバッグA1,A2,A3,A4は、洗濯物を押圧しない状態と、洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。
【0075】
(エアバッグ上下異なる作動パターン:底面エアバッグ停止)
図11に示す作動パターンは、底面エアバッグA5を縮ませた状態で、上側のエアバッグA1,A2を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりするとともに、エアバッグA1,A2と反対のタイミングで、下側のエアバッグA3,A4を同時に膨らませたり、同時に縮ませたりする作動パターンである。
【0076】
時刻T1において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA1,A2にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA3,A4内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA3,A4は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0077】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC1がオフ状態となり且つソレノイドC2がオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA3,A4にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA3,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA1,A2内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0078】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A2は、膨らんで洗濯物を押圧する状態となり、エアバッグA3,A4は、縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。その後も同様に、エアバッグA1,A2とエアバッグA3,A4は、洗濯物を押圧しない状態と洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。
【0079】
(底面エアバッグ作動パターン:エアバッグ側面4個同時停止)
図12に示す作動パターンは、エアバッグA1,A2,A3,A4を縮ませた状態で、底面エアバッグA5を膨らませたり縮ませたりする作動パターンである。
【0080】
時刻T1において、ソレノイドC3がオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA5に供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA5は、洗濯用ケース3の中央上方に向かって膨らんで洗濯物を上方に押圧する状態となる。
【0081】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC3がオフ状態となり、エアバッグA5内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA5は、洗濯用ケース3の底面に沿うように縮んだ状態となる。
【0082】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC3がオン状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA5は、洗濯用ケース3の中央上方に向かって膨らんで洗濯物を上方に押圧する状態となる。その後も同様に、エアバッグA5は、洗濯用ケース3の底面に沿うように縮んだ状態と、洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。
【0083】
本実施形態の押し洗い式洗濯機101においても、第1実施形態の押し洗い式洗濯機1と同様に、洗濯物を洗濯する際、洗濯物を袋状のウオッシュバッグ6に収容して、そのウオッシュバッグ6が洗濯用ケース3の内部に配置された状態で、エアバッグA1,A2,A3,A4,A5が膨らんだり縮んだりして押し洗い洗浄が行われる。
【0084】
本実施形態の押し洗い式洗濯機101では、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0085】
また、本実施形態の押し洗い式洗濯機101において、エアバッグは、洗濯用ケース3の底面に配置された底面エアバッグA5を含む。
【0086】
これにより、本実施形態の押し洗い式洗濯機101では、洗濯用ケース3の底面に底面エアバッグA5を配置することで、底に沈んだ洗濯物を上方に持ち上げて、洗濯物の上下の動きによる左右のエアバッグ圧力位置を変えることで均等に洗うことができる。また、上下方向の水流の動きが発生するため、洗浄性の向上を図ることができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0088】
例えば上記第1実施形態では、洗濯用ケース3内に4つのエアバックを側面に配置し、上記第2実施形態では、洗濯用ケース3内に5つのエアバックを側面及び底面に配置したが、それらに限られない。すなわち、本発明の押し洗い式洗濯機において、洗濯用ケース3内に配置するエアバックの数は任意であり、例えば洗濯用ケース3内に配置するエアバックは、1つでもよい。1つまたは複数のエアバックの洗濯用ケース3における配置は任意である。
【0089】
上記第1及び第2実施形態では、ポリエステルで形成されたエアバックについて説明したが、それに限られない。本発明の押し洗い式洗濯機において、エアバックの材質、厚さ、形状、大きさは任意である。
【0090】
上記第1実施形態では、1つのエアポンプ10とそれに接続された2つのソレノイドC1,C2を有しており、上記第2実施形態では、1つのエアポンプ10とそれに接続された3つのソレノイドC1,C2,C3を有しているが、それらに限られない。本発明の押し洗い式洗濯機において、複数のエアバッグについて、エアが供給される状態とエアが外部へ排出される状態とを切り替え可能であれば、エアポンプの数、ソレノイドの数、エアポンプとソレノイドの接続方法は任意である。
【0091】
上記第1実施形態では、ソレノイドC1がエアバッグA1,A2に接続され、ソレノイドC2がエアバッグA3,A4に接続されており、ソレノイドC1によりエアバッグA1,A2が同時に膨らんだり縮んだりするとともに、ソレノイドC2により、エアバッグA3,A4が同時に膨らんだり縮んだりするように制御される場合を説明したが、それに限られない。
【0092】
例えば、上記第1実施形態において、2つのソレノイドC1,C2と4つのエアバッグA1,A2,A3,A4との接続方法を変えることにより、上述した2つの作動パターン以外の作動パターンが可能となる。すなわち、本発明の押し洗い式洗濯機において、作動パターン及び洗濯パターンは任意に設定可能である。第2実施形態についても同様である。
【0093】
例えば、1つのエアポンプ10に2つのソレノイドC1,C2を接続し、ソレノイドC1をエアバッグA1,A4に接続し、ソレノイドC2をエアバッグA2,A3に接続することにより、ソレノイドC1によりエアバッグA1,A4が同時に膨らんだり縮んだりするとともに、ソレノイドC2によりエアバッグA2,A3が同時に膨らんだり縮んだりするように制御する作動パターンが可能となる。
【0094】
(エアバッグ側面上下交互作動パターン)
図13に示す作動パターンは、上側のエアバッグA1と下側のエアバッグA4とを同時に膨らませたりに縮ませたりするとともに、上側のエアバッグA2と下側のエアバッグA3とを同時に膨らませたりに縮ませたりする作動パターンである。
【0095】
時刻T1において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA1,A4にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A4は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA2,A3内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA2,A3は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0096】
時刻T1から第1所定時間が経過した時刻T2において、ソレノイドC1がオフ状態となり且つソレノイドC2がオン状態となり、エアポンプ10からのエアが、エアバッグA2,A3にそれぞれ供給されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA2,A3は、洗濯用ケース3の中央に向かって膨らんで洗濯物を押圧する状態となる。そのとき、エアバッグA1,A4内のエアが外部へ排出されるため、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A4は、洗濯用ケース3の内周面に沿うように縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。
【0097】
時刻T2から第2所定時間が経過した時刻T3において、ソレノイドC1がオン状態となり且つソレノイドC2がオフ状態となり、洗濯用ケース3内において、エアバッグA1,A4は、膨らんで洗濯物を押圧する状態となり、エアバッグA2,A3は、縮んで洗濯物を押圧しない状態となる。その後も同様に、エアバッグA1,A4とエアバッグA2,A3は、洗濯物を押圧しない状態と洗濯物を押圧する状態とを交互に繰り返す。
【0098】
また、上記第2実施形態の押し洗い洗濯機101において、
図14に示すように、洗濯用ケース3の側面に配置されたエアバッグA1~A4と、洗濯用ケース3の底面に配置されたエアバッグA5とを全て同時に膨らんだり縮んだりするように制御してもよい。
【0099】
上記第1実施形態において、1つのエアポンプ10に対して4つのソレノイドを接続し、その4つのソレノイドを4つのエアバッグにそれぞれ接続し、4つのソレノイドがオン状態またはオフ状態にそれぞれ切り替えられることにより、4つのエアバッグがそれぞれ別々に膨らんだり縮んだりするように制御されてよい。第2実施形態についても同様である。
【0100】
上記第1及び第2実施形態では、洗濯物を洗濯する際、洗濯物を洗浄水及び洗剤とともにウオッシュバッグ6に収容して、そのウオッシュバッグ6が洗濯用ケース3の内部に配置された状態で押し洗い洗浄が行われる場合を説明したが、それに限られない。本発明の押し洗い式洗濯機において、洗濯物を洗浄水及び洗剤とともにウオッシュバッグ6に収容しないで、洗濯物を洗浄水及び洗剤とともに洗濯用ケース3に収容して押し洗い洗浄を行ってもよい。洗濯物を洗浄水及び洗剤とともに洗濯用ケース3に収容して押し洗い洗浄を行う場合には、洗濯用ケース3内に洗浄水を供給する給水装置、及び、洗濯用ケース3内の洗浄水を排水する排水装置の少なくとも一方を筐体2に設けてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 押し洗い式洗濯機
3 洗濯用ケース
6 ウオッシュバッグ
10 エアポンプ
30 制御部
A1 エアバッグ(側面エアバッグ)
A2 エアバッグ(側面エアバッグ)
A3 エアバッグ(側面エアバッグ)
A4 エアバッグ(側面エアバッグ)
A5 エアバッグ(底面エアバッグ)
C1 ソレノイド(切替手段)
C2 ソレノイド(切替手段)
C3 ソレノイド(切替手段)