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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075226
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】集積ごみ用保護網
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20220511BHJP
   A01M 29/32 20110101ALI20220511BHJP
【FI】
B65F1/16
A01M29/32
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185885
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】306032648
【氏名又は名称】小川 修
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】小川 修
【テーマコード(参考)】
2B121
3E023
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB26
2B121BB27
2B121FA12
3E023MA02
3E023MC10
(57)【要約】
【課題】設置場所によらず、カラス等からの被害を確実に防止する集積ごみ用の保護網を提供する。
【解決手段】集積ごみ用保護網において、交点を有した格子状を成す網目の面に対して、垂直方向に、棒状又は筒状に形成された複数の突起部を持つ構成を採用した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積ゴミ用の保護網であって、
網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持つことを特徴とする集積ごみ用保護網。
【請求項2】
前記網目の交点に前記突起部を持つことを特徴とする請求項1に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項3】
前記突起部は、棒状又は筒状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項4】
前記網目は、格子状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【請求項5】
前記突起部は、先端よりも基端の方が大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【請求項6】
複数の棒状又は筒状の保護体を平行に配置し、隣り合う該保護体は、該保護体の長手方向と交差する方向に、紐状部によって固定されていることを特徴とする集積ごみ用保護網。
【請求項7】
前記保護体は、長手方向に複数有り、接続部により接続されていることを特徴とする請求項6に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項8】
前記保護体は、複数の位置で折り曲げ可能であることを特徴とする請求項6に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項9】
前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積ごみ用保護網に関し、詳しくは、カラス等による被害を防ぐ集積ごみ用保護網についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭から出される可燃性ごみ等を集積する際に、集積したごみをカラス等が保護網からつまみ出し、路上に散乱させるような被害が多数発生し、環境衛生上問題になっている。
対応するために、ごみを硬質樹脂製や金属製などの強固な枠で覆うことが有効で有るが、設置が困難である場所も多い。また、保護網を黄色の樹脂とすることでカラスから見えにくくする技術もあるが、効果が薄い場合もある。
そのため、設置場所によらず、カラス等からの被害を確実に防止する保護網が求められていた。
【0003】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、カラス等による攻撃に対して集積ごみ用の保護網を強化する技術が記載されている(特許文献1参照)。具体的には、染色剤等の黄色着色剤で着色された天然植物繊維などを製網し、反射性微粒子をさらに添加した集積ごみ用保護網について記載されている。
【0004】
しかしながら、かかる従来技術によれば、黄色の着色の効果は絶対的ではないし、網の使用により、色がくすんでくることで効果が低減する可能性もある。そのため、本課題を十分に解決していると言えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3110101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、通常の集積ごみ用保護網によっては、カラス等からの被害を防ぐことが困難であるという問題点に鑑み、保護網の形状を変えることによって課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係る集積ごみ用保護網は、網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持つことを手段とする。
【0008】
また、本発明は、網目の交点に突起を持つことを手段とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記突起部が、棒状又は筒状であることを手段とする。
【0010】
またさらに、本発明は、前記網目が、格子状であることを手段とする。
【0011】
さらにまた、本発明は、前記突起部について、先端よりも基端の方が大きく形成されていることを手段とする。
【0012】
そしてまた、本発明は、複数の棒状又は筒状の保護体を平行に配置し、隣り合う保護体は、保護体の長手方向と交差する方向に、紐状部によって固定されていることを手段とする。
【0013】
さらにまた、本発明は、前記保護体が、長手方向に複数有り、接続部により接続されていることを手段とする。
【0014】
またさらに、本発明は、前記保護体が、複数の位置で折り曲げ可能であることを手段とする。
【0015】
そしてまた、本発明は、前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを手段とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る集積ごみ用保護網によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【0017】
また、本発明に係る集積ごみ用保護網によれば、複数の棒状又は筒状の保護体を平行に配置すると共に、保護体の長手方向と交差する方向に紐状部によって固定されることで、折りたたむが出来るため、片付けが容易になる、といった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の正面図、側面図、斜視図である。
図2】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の使用例を示す模式図である。
図3】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す斜視図である。
図4】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す正面図である。
図5】本発明に係る集積ごみ用保護網の他の実施例の正面図、側面図である。
図6】本発明に係る集積ごみ用保護網の他の実施例の使用例を示す模式図である。
図7】本発明に係る集積ごみ用保護網の他の実施例の正面図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことができることを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る集積ごみ用保護網の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0020】
なお、本発明に係る集積ごみ用保護網の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
【実施例0021】
図1から図4に従って、本発明を説明する。
図1(a)は、本発明に係る本実施例の正面図と側面図を示し、図1(b)は同斜視図を示すものである。図2は、本実施例でのカラスの挙動を示すものである。図3は、本実施例の突起部の形状を示すものである。図4は、本実施例の他の構成態様を示すものである。
集積ごみ用保護網1は、ごみ収集のために集積されるごみ袋を覆うことで、カラス等の鳥獣によって、ごみを散乱されることを防ぐための網である。通常の保護網でもカラス等からの被害をある程度防ぐことができるが、カラスが網の目の間からくちばしを入れ、ごみ袋を破ったり、ごみをつまみ出したりすることがある。そのため、くちばしの挿入を防止する構造が、集積ごみ用保護網1の特徴である。
【0022】
本発明に係る集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20からなる。全体としては、通常の保護網と同様に、集積されたごみ袋を柔軟に覆うことができる。
【0023】
網状部10は、一般的な保護網と同様の樹脂製平面状網構造である。網状部10は、縦紐部11と横紐部12から構成されている。縦紐部11、横紐部12とも樹脂製紐構造である。野外で用いるものであるので、強度、耐久性があり、雨水等をあまり吸収しない材質が好ましい。また、突起部20を接合することから、溶着、接着等に適した材質であることが好ましい。
【0024】
縦紐部11と横紐部12を格子状に編むことで網状部10を構成する。本実施例では、直交した格子状の網としているが、6角形状等、他の格子形状でも構わない。
【0025】
突起部20は、本発明の要部である。針状の突起であり、長手方向に1cmから5cmの長さを有する。好ましくは1.5cmから3cm程度が実用上有効である。突起の幅方向の寸法は、1mmから1cm程度である。棒状又は中空の管状である。材質は、軽量で耐久性のあるものが好ましく、例えば、樹脂製が該当する。
【0026】
突起部20の強度については、網状部10の面に垂直に立設し得るものであれば、特に限定するものではない。例えば、力を加えても簡単には傾倒したり折り曲がったりしない程度の強硬性を有するものから、ほんの少し力を加えただけで簡単に傾倒したり折り曲がったりする程度の柔軟性を有するものまで、あらゆる強度のものを採用し得る。尚、かかる突起部20の強度について、人が突起部20の先端によって危害を被ることのないよう、ある程度の柔軟性を有する態様が好適である。
【0027】
突起部20は、網状部10の網目の面に垂直に設けられている。突起部20を設ける位置は、縦紐部11、横紐部12のいずれでも良いが、縦紐部11、横紐部12の交点の位置であると強度的に好適である(図1)。突起部20は、縦紐部11、横紐部12に対して、接着、溶着等によって固定する。網状部10に突起部20を設けることで、集積ごみ用保護網1は、立体的構造となる(図1)。
【0028】
突起部20の断面構造として、上述のように、棒状、言い換えれば、円筒状がある(図3(a))。また、中空の管状がある(図3(b))。また、断面形状は、これらの形状に限定されない。例えば、多角形の柱状が考えられる。一例として、三角の柱状(図3(c))や、四角の柱状(図3(d))が考えられる。また、星型(図3(e))でもよい。
【0029】
また、突起部20に補強部23を設け、突起部20の先端部21よりも基端部22が大きい形状としても良い(図3(f))。このような補強部23を、突起部20の4方向に伸ばす様に設け、補強部23の一方を縦紐部11、横紐部12に接続することによって、網状部10の網面に対して、突起部20を垂直方向に保持しやすくすることができる。
【0030】
突起部20について、先端部21よりも基端部22を大きく成形する場合の形状については、上記のとおり補強部23を設ける態様のほか、先端部21から基端部22へ拡径する末広状・錐状・テーパ状とする態様を採用し得る。先端部21よりも基端部22を大きく成形することで、網状部10と突起部20とを金型により一体成型した場合に、型外れが良好となって、製造容易性や製造効率の向上に資することとなる。
【0031】
以上のとおり構成される集積ごみ用保護網1において、図4に示すように、網状部10の周縁における所定箇所に連結手段24を備える態様を採用し得る。該連結手段24は、網状部10同士を繋ぎ合わせるための手段であって、複数の網状部10を適宜連結して、全体として任意の大きさの集積ごみ用保護網1を形成し得るものである。該連結手段24の具体的な構成については、特に限定するものではなく、ホックや面ファスナー、カラビナなど種々の構成・手段を採用することができる。例えば図示の様に、連結作業の容易性に鑑み、網状部10の周縁に突起部20の配列と同間隔で差込環状部材24aを備え(図4(a))、該差込環状部材24aを隣接の網状部10における突起部20に挿嵌することで(図4(b))、互いを繋ぎ合わせる態様が好適である。
【0032】
尚、図示していないが、突起部20の基端部22に網状部10が存する様に、突起部20の先端部21にも網状部10と同様の構造体を装備する態様を採用してもよい。すなわち、突起部20の基端部22同士が網状部10によって互いに繋がっている様に、先端部21も該構造体によって互いに繋げる態様である。突起部20は網状部10から突出した構造であって、その強度によっては人に危害を与えるおそれがあるところ、かかる構造体によって突起部20の先端部21が繋がれることで突出状ではなくなるため、人への危害を未然に防ぐことが可能となる。
【0033】
図2に沿って、本実施例の作用を説明する。集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20を持ち、突起部20は網状部10の網面に対して垂直に配置される。そのため、カラスKが網状部10で覆われたごみ袋をつまみ出そうとしても、上くちばしと下くちばしの間に突起部20が入り、ごみ袋をつまみ出すことができない(図2(a))。また、突起部20と突起部20の間にくちばしを入れようとすると、上下から突起部20に挟まれる形となり、くちばしを開けることができない(図2(b))。 さらには、仮に突起部20を無視してくちばしを先へ進入しようとすると、該突起部20が目や体表に突き刺さるなど自分に害が及ぶこととなるため、自己防衛本能が働き、突起部20を見ただけで啄む行為を避けるようになる、といった視覚的作用を奏する。
【0034】
このように、本発明によれば、カラス等がゴミネットから、ごみ収納袋と共に内容物をくわえ出すことはできない。また、カラス等が網の中の食料を含むゴミ廃棄物をくわえ出すことはできない。
また、本発明は、通常の保護網と同様に、折りたたむが出来、片付けが容易であり、さらに、付加された突起部20の重さは軽微であるので、集積ごみ用保護網1全体として軽量である。
またさらに、本発明によれば、突起部20が安価な樹脂であるので、集積ごみ用保護網1全体としても安価であると共に、網状部10に突起部20を接着、溶着、一体成型等するのみで完成するので、製造が容易である。
【0035】
このように、本発明によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【実施例0036】
他の実施例について、図5から図7を用いて説明する。図5は、本実施例の正面図と側面図を示すものである。図6は、本実施例でのカラスの挙動を示すものである。図7は、実施例2の変形案を示すものである。
実施例2の集積ごみ用保護網1は、すだれ状の形状によって、カラス等の被害を防ぐ構造である。集積ごみ用保護網1は、保護体30と紐状部40とから成る。
【0037】
保護体30は、長さが保護網の長さ程度あり、例えば1~数m程度である。棒状でもいいし、管状でも良い。保護体30の太さは、3mmから20mm程度である。保護体30は、幅方向に複数並んで配置される。保護体30の間隔は1cmから3cm程度であるが、2cm程度が好ましい。
【0038】
保護体30は、紐状部40にて一定間隔に固定される。紐状部40は、樹脂製紐構造である。野外で用いるものであるので、強度、耐久性があり、雨水等をあまり吸収しない材質が好ましい。紐状部40は保護体30の内部を貫通するように固定してもいいし、保護体30の周囲を回すように固定しても良い(図5)。
【0039】
以上のとおり構成される集積ごみ用保護網1において、図示していないが、実施例1と同様、周縁における所定箇所に連結手段24を備える態様を採用し得る。該連結手段24は、本実施例に係る集積ごみ用保護網1同士を繋ぎ合わせるための手段であって、複数の集積ごみ用保護網1を適宜連結して、全体として任意の大きさの集積ごみ用保護網1を形成し得るものである。該連結手段24の具体的な構成については、特に限定するものではなく、ホックや面ファスナー、カラビナなど種々の構成・手段を採用することができる。
【0040】
図6に沿って、本実施例の作用を説明する。集積ごみ用保護網1は、保護体30と紐状部40を持ち、紐状部40は保護体30を一定間隔に配置される。そのため、カラスKが保護体30で覆われたごみ袋をつまみ出そうとしても、上くちばしと下くちばしの間に保護体30が入り、ごみ袋をつまみ出すことができない(図6(a))。また、保護体30と保護体30の間にくちばしを入れようとすると、上下から保護体30に挟まれる形となり、くちばしを開けることができない(図6(b))。
【0041】
また、さらに、取り扱いを容易にする構造を図6に示す。図7(a)は、保護体30を、比較的短い断片で構成し、長手方向の保護体30同士を接続部31で接続することで、全体としては、長い保護体30を並列して並べた構造でありながら、保護体30を容易に曲げることができる。そのため、通常の保護網と同様に、折りたたみが出来、片付けが容易である。保護体30の長さは、例えば、2cm程度が適当である。
【0042】
また、他の構造として、図7(b)に示す様に、保護体30を一定間隔で折り曲げ容易なくびれ部32を設けることで、図7(a)と同様に、折りたたみ、片付け容易とすることができる。
【0043】
このように、本実施例によれば、カラス等がゴミネットから、ごみ収納袋と共に内容物をくわえ出すことはできない。また、カラス等が網の中の食料を含むゴミ廃棄物をくわえ出すことはできない。
また、本実施例は、通常の保護網と同様に、折りたたむが出来、片付けが容易であり、さらに、保護体30が安価な樹脂であるので、集積ごみ用保護網1全体としても安価である。
またさらに、本実施例によれば、保護体30を紐状部40で固定する構造は、製造が容易である。
【0044】
このように、本発明によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、すだれ構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等からの被害を効果的に防ぐことができるので、衛生管理向上技術として産業上の利用可能性は大きいと解する。
【符号の説明】
【0046】
1 集積ごみ用保護網
10 網状部
11 縦紐部
12 横紐部
20 突起部
21 先端部
22 基端部
23 補強部
24 連結手段
30 保護体
31 接続部
32 くびれ部
40 紐状部
K カラス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積ゴミ用の保護網であって、
網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持つことを特徴とする集積ごみ用保護網。
【請求項2】
前記網目の交点に前記突起部を持つことを特徴とする請求項1に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項3】
前記突起部は、棒状又は筒状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項4】
前記網目は、格子状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【請求項5】
前記突起部は、先端よりも基端の方が大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【請求項6】
前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積ごみ用保護網に関し、詳しくは、カラス等による被害を防ぐ集積ごみ用保護網についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭から出される可燃性ごみ等を集積する際に、集積したごみをカラス等が保護網からつまみ出し、路上に散乱させるような被害が多数発生し、環境衛生上問題になっている。
対応するために、ごみを硬質樹脂製や金属製などの強固な枠で覆うことが有効で有るが、設置が困難である場所も多い。また、保護網を黄色の樹脂とすることでカラスから見えにくくする技術もあるが、効果が薄い場合もある。
そのため、設置場所によらず、カラス等からの被害を確実に防止する保護網が求められていた。
【0003】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、カラス等による攻撃に対して集積ごみ用の保護網を強化する技術が記載されている(特許文献1参照)。具体的には、染色剤等の黄色着色剤で着色された天然植物繊維などを製網し、反射性微粒子をさらに添加した集積ごみ用保護網について記載されている。
【0004】
しかしながら、かかる従来技術によれば、黄色の着色の効果は絶対的ではないし、網の使用により、色がくすんでくることで効果が低減する可能性もある。そのため、本課題を十分に解決していると言えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3110101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、通常の集積ごみ用保護網によっては、カラス等からの被害を防ぐことが困難であるという問題点に鑑み、保護網の形状を変えることによって課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係る集積ごみ用保護網は、網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持つことを手段とする。
【0008】
また、本発明は、網目の交点に突起を持つことを手段とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記突起部が、棒状又は筒状であることを手段とする。
【0010】
またさらに、本発明は、前記網目が、格子状であることを手段とする。
【0011】
さらにまた、本発明は、前記突起部について、先端よりも基端の方が大きく形成されていることを手段とする。
【0012】
そしてまた、本発明は、前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを手段とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る集積ごみ用保護網によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の正面図、側面図、斜視図である。
図2】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の使用例を示す模式図である。
図3】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す斜視図である。
図4】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことができることを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る集積ごみ用保護網の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0016】
なお、本発明に係る集積ごみ用保護網の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
【0017】
図1から図4に従って、本発明を説明する。
図1(a)は、本発明に係る本実施例の正面図と側面図を示し、図1(b)は同斜視図を示すものである。図2は、本実施例でのカラスの挙動を示すものである。図3は、本実施例の突起部の形状を示すものである。図4は、本実施例の他の構成態様を示すものである。
集積ごみ用保護網1は、ごみ収集のために集積されるごみ袋を覆うことで、カラス等の鳥獣によって、ごみを散乱されることを防ぐための網である。通常の保護網でもカラス等からの被害をある程度防ぐことができるが、カラスが網の目の間からくちばしを入れ、ごみ袋を破ったり、ごみをつまみ出したりすることがある。そのため、くちばしの挿入を防止する構造が、集積ごみ用保護網1の特徴である。
【0018】
本発明に係る集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20からなる。全体としては、通常の保護網と同様に、集積されたごみ袋を柔軟に覆うことができる。
【0019】
網状部10は、一般的な保護網と同様の樹脂製平面状網構造である。網状部10は、縦紐部11と横紐部12から構成されている。縦紐部11、横紐部12とも樹脂製紐構造である。野外で用いるものであるので、強度、耐久性があり、雨水等をあまり吸収しない材質が好ましい。また、突起部20を接合することから、溶着、接着等に適した材質であることが好ましい。
【0020】
縦紐部11と横紐部12を格子状に編むことで網状部10を構成する。本実施例では、直交した格子状の網としているが、6角形状等、他の格子形状でも構わない。
【0021】
突起部20は、本発明の要部である。針状の突起であり、長手方向に1cmから5cmの長さを有する。好ましくは1.5cmから3cm程度が実用上有効である。突起の幅方向の寸法は、1mmから1cm程度である。棒状又は中空の管状である。材質は、軽量で耐久性のあるものが好ましく、例えば、樹脂製が該当する。
【0022】
突起部20の強度については、網状部10の面に垂直に立設し得るものであれば、特に限定するものではない。例えば、力を加えても簡単には傾倒したり折り曲がったりしない程度の強硬性を有するものから、ほんの少し力を加えただけで簡単に傾倒したり折り曲がったりする程度の柔軟性を有するものまで、あらゆる強度のものを採用し得る。尚、かかる突起部20の強度について、人が突起部20の先端によって危害を被ることのないよう、ある程度の柔軟性を有する態様が好適である。
【0023】
突起部20は、網状部10の網目の面に垂直に設けられている。突起部20を設ける位置は、縦紐部11、横紐部12のいずれでも良いが、縦紐部11、横紐部12の交点の位置であると強度的に好適である(図1)。突起部20は、縦紐部11、横紐部12に対して、接着、溶着等によって固定する。網状部10に突起部20を設けることで、集積ごみ用保護網1は、立体的構造となる(図1)。
【0024】
突起部20の断面構造として、上述のように、棒状、言い換えれば、円筒状がある(図3(a))。また、中空の管状がある(図3(b))。また、断面形状は、これらの形状に限定されない。例えば、多角形の柱状が考えられる。一例として、三角の柱状(図3(c))や、四角の柱状(図3(d))が考えられる。また、星型(図3(e))でもよい。
【0025】
また、突起部20に補強部23を設け、突起部20の先端部21よりも基端部22が大きい形状としても良い(図3(f))。このような補強部23を、突起部20の4方向に伸ばす様に設け、補強部23の一方を縦紐部11、横紐部12に接続することによって、網状部10の網面に対して、突起部20を垂直方向に保持しやすくすることができる。
【0026】
突起部20について、先端部21よりも基端部22を大きく成形する場合の形状については、上記のとおり補強部23を設ける態様のほか、先端部21から基端部22へ拡径する末広状・錐状・テーパ状とする態様を採用し得る。先端部21よりも基端部22を大きく成形することで、網状部10と突起部20とを金型により一体成型した場合に、型外れが良好となって、製造容易性や製造効率の向上に資することとなる。
【0027】
以上のとおり構成される集積ごみ用保護網1において、図4に示すように、網状部10の周縁における所定箇所に連結手段24を備える態様を採用し得る。該連結手段24は、網状部10同士を繋ぎ合わせるための手段であって、複数の網状部10を適宜連結して、全体として任意の大きさの集積ごみ用保護網1を形成し得るものである。該連結手段24の具体的な構成については、特に限定するものではなく、ホックや面ファスナー、カラビナなど種々の構成・手段を採用することができる。例えば図示の様に、連結作業の容易性に鑑み、網状部10の周縁に突起部20の配列と同間隔で差込環状部材24aを備え(図4(a))、該差込環状部材24aを隣接の網状部10における突起部20に挿嵌することで(図4(b))、互いを繋ぎ合わせる態様が好適である。
【0028】
尚、図示していないが、突起部20の基端部22に網状部10が存する様に、突起部20の先端部21にも網状部10と同様の構造体を装備する態様を採用してもよい。すなわち、突起部20の基端部22同士が網状部10によって互いに繋がっている様に、先端部21も該構造体によって互いに繋げる態様である。突起部20は網状部10から突出した構造であって、その強度によっては人に危害を与えるおそれがあるところ、かかる構造体によって突起部20の先端部21が繋がれることで突出状ではなくなるため、人への危害を未然に防ぐことが可能となる。
【0029】
図2に沿って、本実施例の作用を説明する。集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20を持ち、突起部20は網状部10の網面に対して垂直に配置される。そのため、カラスKが網状部10で覆われたごみ袋をつまみ出そうとしても、上くちばしと下くちばしの間に突起部20が入り、ごみ袋をつまみ出すことができない(図2(a))。また、突起部20と突起部20の間にくちばしを入れようとすると、上下から突起部20に挟まれる形となり、くちばしを開けることができない(図2(b))。 さらには、仮に突起部20を無視してくちばしを先へ進入しようとすると、該突起部20が目や体表に突き刺さるなど自分に害が及ぶこととなるため、自己防衛本能が働き、突起部20を見ただけで啄む行為を避けるようになる、といった視覚的作用を奏する。
【0030】
このように、本発明によれば、カラス等がゴミネットから、ごみ収納袋と共に内容物をくわえ出すことはできない。また、カラス等が網の中の食料を含むゴミ廃棄物をくわえ出すことはできない。
また、本発明は、通常の保護網と同様に、折りたたむが出来、片付けが容易であり、さらに、付加された突起部20の重さは軽微であるので、集積ごみ用保護網1全体として軽量である。
またさらに、本発明によれば、突起部20が安価な樹脂であるので、集積ごみ用保護網1全体としても安価であると共に、網状部10に突起部20を接着、溶着、一体成型等するのみで完成するので、製造が容易である。
【0031】
このように、本発明によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等からの被害を効果的に防ぐことができるので、衛生管理向上技術として産業上の利用可能性は大きいと解する。
【符号の説明】
【0033】
1 集積ごみ用保護網
10 網状部
11 縦紐部
12 横紐部
20 突起部
21 先端部
22 基端部
23 補強部
24 連結手段
K カラス
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2022-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積ゴミ用の保護網であって、
網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持ち、
該突起部は、棒状又は中空の管状であることを特徴とする集積ごみ用保護網。
【請求項2】
前記網目の交点に前記突起部を持つことを特徴とする請求項1に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項3】
前記網目は、格子状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集積ごみ用保護網。
【請求項4】
前記突起部は、先端よりも基端の方が大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【請求項5】
前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の集積ごみ用保護網。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積ごみ用保護網に関し、詳しくは、カラス等による被害を防ぐ集積ごみ用保護網についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭から出される可燃性ごみ等を集積する際に、集積したごみをカラス等が保護網からつまみ出し、路上に散乱させるような被害が多数発生し、環境衛生上問題になっている。
対応するために、ごみを硬質樹脂製や金属製などの強固な枠で覆うことが有効で有るが、設置が困難である場所も多い。また、保護網を黄色の樹脂とすることでカラスから見えにくくする技術もあるが、効果が薄い場合もある。
そのため、設置場所によらず、カラス等からの被害を確実に防止する保護網が求められていた。
【0003】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、カラス等による攻撃に対して集積ごみ用の保護網を強化する技術が記載されている(特許文献1参照)。具体的には、染色剤等の黄色着色剤で着色された天然植物繊維などを製網し、反射性微粒子をさらに添加した集積ごみ用保護網について記載されている。
【0004】
しかしながら、かかる従来技術によれば、黄色の着色の効果は絶対的ではないし、網の使用により、色がくすんでくることで効果が低減する可能性もある。そのため、本課題を十分に解決していると言えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3110101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、通常の集積ごみ用保護網によっては、カラス等からの被害を防ぐことが困難であるという問題点に鑑み、保護網の形状を変えることによって課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係る集積ごみ用保護網は、網目の面に対して、垂直方向に、複数の突起部を持つことを手段とする。
【0008】
また、本発明は、網目の交点に突起を持つことを手段とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記突起部が、棒状又は筒状であることを手段とする。
【0010】
またさらに、本発明は、前記網目が、格子状であることを手段とする。
【0011】
さらにまた、本発明は、前記突起部について、先端よりも基端の方が大きく形成されていることを手段とする。
【0012】
そしてまた、本発明は、前記集積ごみ用保護網の周縁所定箇所に、連結手段が備えられていることを手段とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る集積ごみ用保護網によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の正面図、側面図、斜視図である。
図2】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の使用例を示す模式図である。
図3】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す斜視図である。
図4】本発明に係る集積ごみ用保護網の実施例の他の形状を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことができることを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る集積ごみ用保護網の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0016】
なお、本発明に係る集積ごみ用保護網の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
【0017】
図1から図4に従って、本発明を説明する。
図1(a)は、本発明に係る本実施例の正面図と側面図を示し、図1(b)は同斜視図を示すものである。図2は、本実施例でのカラスの挙動を示すものである。図3は、本実施例の突起部の形状を示すものである。図4は、本実施例の他の構成態様を示すものである。
集積ごみ用保護網1は、ごみ収集のために集積されるごみ袋を覆うことで、カラス等の鳥獣によって、ごみを散乱されることを防ぐための網である。通常の保護網でもカラス等からの被害をある程度防ぐことができるが、カラスが網の目の間からくちばしを入れ、ごみ袋を破ったり、ごみをつまみ出したりすることがある。そのため、くちばしの挿入を防止する構造が、集積ごみ用保護網1の特徴である。
【0018】
本発明に係る集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20からなる。全体としては、通常の保護網と同様に、集積されたごみ袋を柔軟に覆うことができる。
【0019】
網状部10は、一般的な保護網と同様の樹脂製平面状網構造である。網状部10は、縦紐部11と横紐部12から構成されている。縦紐部11、横紐部12とも樹脂製紐構造である。野外で用いるものであるので、強度、耐久性があり、雨水等をあまり吸収しない材質が好ましい。また、突起部20を接合することから、溶着、接着等に適した材質であることが好ましい。
【0020】
縦紐部11と横紐部12を格子状に編むことで網状部10を構成する。本実施例では、直交した格子状の網としているが、6角形状等、他の格子形状でも構わない。
【0021】
突起部20は、本発明の要部である。棒状又は中空の管状の突起であり、長手方向に1cmから5cmの長さを有する。好ましくは1.5cmから3cm程度が実用上有効である。突起の幅方向の寸法は、1mmから1cm程度である。材質は、軽量で耐久性のあるものが好ましく、例えば、樹脂製が該当する。
【0022】
突起部20の強度については、網状部10の面に垂直に立設し得るものであれば、特に限定するものではない。例えば、力を加えても簡単には傾倒したり折り曲がったりしない程度の強硬性を有するものから、ほんの少し力を加えただけで簡単に傾倒したり折り曲がったりする程度の柔軟性を有するものまで、あらゆる強度のものを採用し得る。尚、かかる突起部20の強度について、人が突起部20の先端によって危害を被ることのないよう、ある程度の柔軟性を有する態様が好適である。
【0023】
突起部20は、網状部10の網目の面に垂直に設けられている。突起部20を設ける位置は、縦紐部11、横紐部12のいずれでも良いが、縦紐部11、横紐部12の交点の位置であると強度的に好適である(図1)。突起部20は、縦紐部11、横紐部12に対して、接着、溶着等によって固定する。網状部10に突起部20を設けることで、集積ごみ用保護網1は、立体的構造となる(図1)。
【0024】
突起部20の断面構造として、上述のように、棒状、言い換えれば、円筒状がある(図3(a))。また、中空の管状がある(図3(b))。また、断面形状は、これらの形状に限定されない。例えば、多角形の柱状が考えられる。一例として、三角の柱状(図3(c))や、四角の柱状(図3(d))が考えられる。また、星型(図3(e))でもよい。
【0025】
また、突起部20に補強部23を設け、突起部20の先端部21よりも基端部22が大きい形状としても良い(図3(f))。このような補強部23を、突起部20の4方向に伸ばす様に設け、補強部23の一方を縦紐部11、横紐部12に接続することによって、網状部10の網面に対して、突起部20を垂直方向に保持しやすくすることができる。
【0026】
突起部20について、先端部21よりも基端部22を大きく成形する場合の形状については、上記のとおり補強部23を設ける態様のほか、先端部21から基端部22へ拡径する末広状・錐状・テーパ状とする態様を採用し得る。先端部21よりも基端部22を大きく成形することで、網状部10と突起部20とを金型により一体成型した場合に、型外れが良好となって、製造容易性や製造効率の向上に資することとなる。
【0027】
以上のとおり構成される集積ごみ用保護網1において、図4に示すように、網状部10の周縁における所定箇所に連結手段24を備える態様を採用し得る。該連結手段24は、網状部10同士を繋ぎ合わせるための手段であって、複数の網状部10を適宜連結して、全体として任意の大きさの集積ごみ用保護網1を形成し得るものである。該連結手段24の具体的な構成については、特に限定するものではなく、ホックや面ファスナー、カラビナなど種々の構成・手段を採用することができる。例えば図示の様に、連結作業の容易性に鑑み、網状部10の周縁に突起部20の配列と同間隔で差込環状部材24aを備え(図4(a))、該差込環状部材24aを隣接の網状部10における突起部20に挿嵌することで(図4(b))、互いを繋ぎ合わせる態様が好適である。
【0028】
尚、図示していないが、突起部20の基端部22に網状部10が存する様に、突起部20の先端部21にも網状部10と同様の構造体を装備する態様を採用してもよい。すなわち、突起部20の基端部22同士が網状部10によって互いに繋がっている様に、先端部21も該構造体によって互いに繋げる態様である。突起部20は網状部10から突出した構造であって、その強度によっては人に危害を与えるおそれがあるところ、かかる構造体によって突起部20の先端部21が繋がれることで突出状ではなくなるため、人への危害を未然に防ぐことが可能となる。
【0029】
図2に沿って、本実施例の作用を説明する。集積ごみ用保護網1は、網状部10と突起部20を持ち、突起部20は網状部10の網面に対して垂直に配置される。そのため、カラスKが網状部10で覆われたごみ袋をつまみ出そうとしても、上くちばしと下くちばしの間に突起部20が入り、ごみ袋をつまみ出すことができない(図2(a))。また、突起部20と突起部20の間にくちばしを入れようとすると、上下から突起部20に挟まれる形となり、くちばしを開けることができない(図2(b))。 さらには、仮に突起部20を無視してくちばしを先へ進入しようとすると、該突起部20が目や体表に突き刺さるなど自分に害が及ぶこととなるため、自己防衛本能が働き、突起部20を見ただけで啄む行為を避けるようになる、といった視覚的作用を奏する。
【0030】
このように、本発明によれば、カラス等がゴミネットから、ごみ収納袋と共に内容物をくわえ出すことはできない。また、カラス等が網の中の食料を含むゴミ廃棄物をくわえ出すことはできない。
また、本発明は、通常の保護網と同様に、折りたたむが出来、片付けが容易であり、さらに、付加された突起部20の重さは軽微であるので、集積ごみ用保護網1全体として軽量である。
またさらに、本発明によれば、突起部20が安価な樹脂であるので、集積ごみ用保護網1全体としても安価であると共に、網状部10に突起部20を接着、溶着、一体成型等するのみで完成するので、製造が容易である。
【0031】
このように、本発明によれば、一般的な保護網と同様の使用方法でありながら、平面の網に突起を有する立体構造とすることによって、カラス等によるごみの散乱の被害を防ぐことが出来、環境衛生の向上に資するものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る集積ごみ用保護網は、カラス等からの被害を効果的に防ぐことができるので、衛生管理向上技術として産業上の利用可能性は大きいと解する。
【符号の説明】
【0033】
1 集積ごみ用保護網
10 網状部
11 縦紐部
12 横紐部
20 突起部
21 先端部
22 基端部
23 補強部
24 連結手段
K カラス