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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075240
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ゴルフボール
(51)【国際特許分類】
   A63B 43/00 20060101AFI20220511BHJP
   A63B 37/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A63B43/00 D
A63B37/00 510
A63B37/00 412
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185904
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505057646
【氏名又は名称】THE WHY HOW DO COMPANY株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512031806
【氏名又は名称】ドリームフォレスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田窪 敏之
(72)【発明者】
【氏名】佐嶌 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】堀内 邦康
(72)【発明者】
【氏名】篠原 洋
(72)【発明者】
【氏名】森 次郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅信
(57)【要約】
【課題】弾道解析又はゴルフ用品の評価に適したゴルフボール2の提供。
【解決手段】ゴルフボールは、コア4と、このコア4の外側に位置するインナーカバー6と、このインナーカバー6の外側に位置するアウターカバー8とを有している。コア4は、カプセル14、複数のセパレータ16、電子ユニット18及び複数の充填体20を有している。カプセル14の融点は、100℃以上である。カプセル14の体積Vrの、コア4の体積Vcに対する比率P1は、25%以上75%以下である。電子ユニット18は、カプセル14に収容されている。この電子ユニット18は、ゴルフボール2の挙動を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと、このコアの外側に位置する1又は2以上のカバーとを備えたゴルフボールであって、
上記コアが、上記ゴルフボールの挙動を検出するための電子ユニットと、この電子ユニットを収容しており融点が100℃以上であるカプセルとを有しており、
上記カプセルの体積Vrの上記コアの体積Vcに対する比率P1が25%以上75%以下であるゴルフボール。
【請求項2】
上記コアが、上記電子ユニットが取り付けられることによりこの電子ユニットの上記カプセルに対する位置が固定されうる位置決め機構を、上記カプセルの中に有する請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記位置決め機構が、上記カプセルに固定されておりかつこのカプセルの内部を仕切るセパレータである請求項2に記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記コアが、上記カプセルと上記電子ユニットとの間に位置する充填体を有する請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記充填体の基材がエポキシ樹脂である請求項4に記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記充填体が、マトリクスと、このマトリクスに分散しておりかつこのマトリクスの密度よりも大きい密度を有する比重調整剤とを含む請求項4又は5に記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記比重調整剤がタングステン粉末である請求項6に記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記カプセルのショアD硬度が30以上である請求項1から7のいずれかに記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記カプセルの材質が樹脂組成物であり、この樹脂組成物の基材樹脂がポリカーボネート又はポリエーテルエーテルケトンである請求項1から8いずれかに記載のゴルフボール。
【請求項10】
ゴム組成物が架橋されることで形成されたカバーを有しており、
上記ゴム組成物が、
(1)基材ゴム、
(2)共架橋剤
及び
(3)その1分間半減期温度が170℃以下である架橋開始剤
を含む請求項1から9のいずれかに記載のゴルフボール。
【請求項11】
その材質が樹脂組成物であるカバーを有しており、
上記樹脂組成物の基材樹脂がアイオノマー樹脂又はポリウレタンである請求項1から10のいずれかに記載のゴルフボール。
【請求項12】
上記コアの外側に位置するインナーカバーと、このインナーカバーの外側に位置するアウターカバーとを有しており、
上記インナーカバーが、ゴム組成物が架橋されることで形成されており、
上記アウターカバーの材質が、樹脂組成物である請求項1から11のいずれかに記載のゴルフボール。
【請求項13】
上記インナーカバーの厚みが1.0mm以上であり、
上記インナーカバーのショアD硬度が50以下であり、
上記アウターカバーの厚みが1.0mm以上であり、
上記アウターカバーのショアD硬度が50以下である請求項12に記載のゴルフボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、その挙動が測定されるための電子ユニットを内蔵するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブで打撃されることにより、ゴルフボールは打ち出される。打撃直後のゴルフボールの速度は、「初速」と称されている。反発性能に優れたゴルフボールでは、大きな初速が達成される。大きな初速は、飛距離において有利である。
【0003】
ゴルフクラブのフェースは、ロフト角を有している。このゴルフクラブでゴルフボールが打撃されると、ゴルフボールは、ロフト角に応じた打ち出し角度を伴って打ち出される。ゴルフボールにはさらに、ロフト角に起因するバックスピンが生じる。ゴルフボールは、バックスピンを伴って飛行する。バックスピンは、ゴルフボールの周りの空気の、上側剥離点と下側剥離点とのズレを生む。このズレにより、ゴルフボールに揚力が働く。打ち出し角度及びバックスピンレートは、ゴルフボールの弾道に影響する。
【0004】
落下時のバックスピンの速度が大きい場合、ゴルフボールのランが小さい。バックスピンの速度が大きいゴルフボールを使用することにより、プレーヤーは、このゴルフボールを目標地点に静止させることができる。落下時のバックスピンの速度が小さい場合、ゴルフボールのランが大きい。バックスピンの速度が小さいゴルフボールを使用することにより、プレーヤーは、大きな飛距離を得ることができる。
【0005】
プレーヤーの意図により、ゴルフボールにサイドスピンが生じることがある。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。サイドスピンの速度が大きなゴルフボールを使用することにより、プレーヤーは、このゴルフボールを意図的に曲げることができる。プレーヤーの意図に反して、サイドスピンが生じることがある。意図に反したサイドスピンは、意図に反したゴルフボール弾道を招来する。
【0006】
ゴルフクラブでの打撃により、ゴルフボールには衝撃が生じる。衝撃の程度は、打球感に影響する。プレーヤーは、過大な衝撃を好まない。
【0007】
パターで打撃されると、ゴルフボールはスピンを伴って転がる。このスピンは、概ねオーバースピンであるが、多少のサイドスピンを伴うことがある。プレーヤーにとって、スピンの回転方向は重要である。プレーヤーにとって、パターで打撃された直後のゴルフボールの進行方向も、重要である。
【0008】
ゴルフクラブでの打撃時の、又はこの打撃の後の、ゴルフボールの挙動の測定は、ゴルフボールの弾道解析の上で重要である。この測定は、プレーヤーの技量を評価する上で重要である。さらにこの測定は、ゴルフクラブを評価する上で重要である。
【0009】
特開2019-042502公報には、電子ユニットを含むカプセルを有するボールが開示されている。このボールの挙動は、電子ユニットによって測定されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2019-042502公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ゴルフボールの弾道解析、プレーヤーの技量の評価及びゴルフクラブの評価のためには、ゴルフボールの挙動の、精度のよい測定が、繰り返し行われる必要がある。本発明の目的は、弾道解析又はゴルフ用品の評価に適したゴルフボールの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置する1又は2以上のカバーとを有する。このコアは、ゴルフボールの挙動を検出するための電子ユニットと、この電子ユニットを収容しており融点が100℃以上であるカプセルとを有する。カプセルの体積Vrのコアの体積Vcに対する比率P1は、25%以上75%以下である。
【0013】
好ましくは、コアは、電子ユニットが取り付けられることによりこの電子ユニットのカプセルに対する位置が固定されうる位置決め機構を、カプセルの中に有する。好ましくは、この位置決め機構は、カプセルに固定されておりかつこのカプセルの内部を仕切るセパレータである。
【0014】
好ましくは、コアは、カプセルと電子ユニットとの間に位置する充填体を有する。この充填体の好ましい基材は、エポキシ樹脂である。好ましくは、充填体は、マトリクスと、このマトリクスに分散しかつこのマトリクスの密度よりも大きい密度を有する比重調整剤とを含む。好ましい比重調整剤は、タングステン粉末である。
【0015】
好ましくは、カプセルのショアD硬度は、30以上である。
【0016】
カプセルの材質が、樹脂組成物であってよい。この樹脂組成物の好ましい基材樹脂は、ポリカーボネート及びポリエーテルエーテルケトンである。
【0017】
ゴルフボールが、ゴム組成物が架橋されることで形成されたカバーを有してよい。好ましくは、このゴム組成物は、
(1)基材ゴム、
(2)共架橋剤
及び
(3)その1分間半減期温度が170℃以下である架橋開始剤
を含む。
【0018】
ゴルフボールが、その材質が樹脂組成物であるカバーを有してよい。この樹脂組成物の好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂及びポリウレタンである。
【0019】
好ましくは、ゴルフボールは、コアの外側に位置するインナーカバーと、このインナーカバーの外側に位置するアウターカバーとを有する。インナーカバーは、ゴム組成物が架橋されることで形成される。アウターカバーの材質は、樹脂組成物である。好ましくは、インナーカバーの厚みは1.0mm以上であり、インナーカバーのショアD硬度は50以下であり、アウターカバーの厚みは1.0mm以上であり、アウターカバーのショアD硬度は50以下である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るゴルフボールでは、カプセルのサイズが適正である。このゴルフボールにより、精度のよい測定が繰り返し行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された正面図である。
図2図2は、図1のゴルフボールが示された模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0023】
図1及び2に示されたゴルフボール2は、コア4と、このコア4の外側に位置するインナーカバー6と、このインナーカバー6の外側に位置するアウターカバー8とを有している。このゴルフボール2は、その表面に複数のディンプル10を有している。ゴルフボール2の表面のうちディンプル10以外の部分は、ランド12である。このゴルフボール2は、アウターカバー8の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
【0024】
このゴルフボール2は、2つのカバーを有する。カバーの数が、1でもよい。カバーの数が、3以上でもよい。ゴルフボール2が、コア4とインナーカバー6との間に、他のカバーを有してもよい。ゴルフボール2が、インナーカバー6とアウターカバー8との間に、他のカバーを有してもよい。ゴルフボール2が、アウターカバー8の外側に、他のカバーを有してもよい。
【0025】
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下が好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。
【0026】
このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
【0027】
コア4は、球状である。このコア4は、カプセル14、複数のセパレータ16、電子ユニット18及び複数の充填体20(filling)を有している。
【0028】
カプセル14は、球状である。このカプセル14は、中空である。従ってカプセル14は、内部空間を有する。カプセル14の典型的な材質は、樹脂組成物である。本実施形態では、カプセル14は透明である。
【0029】
図2には、4つのセパレータ16が示されている。それぞれのセパレータ16は、概して「L」字形状を有する。このセパレータ16は、ピン22又はホール24を有している。セパレータ16は、カプセル14と一体に成形されている。従って、このセパレータ16の材質は、カプセル14の材質と同じである。カプセル14とは別に成形されたセパレータ16が、カプセル14に接合されてもよい。セパレータ16の材質が、カプセル14の材質と異なってもよい。セパレータ16は、カプセル14の内部を仕切っている。これらのセパレータ16により、カプセル14の内部にチャンバー26が形成されている。
【0030】
電子ユニット18は、カプセル14に収容されている。具体的は、電子ユニット18は、チャンバー26に収容されている。それぞれのセパレータ16は、この電子ユニット18に当接している。この当接により、電子ユニット18の移動が阻止されている。換言すれば、セパレータ16は、カプセル14に対する電子ユニット18の位置を固定する。このセパレータ16は、位置決め機構である。コア4が、セパレータ16以外の位置決め機構を有してもよい。種々の形状の位置決め機構が、採用されうる。種々の材質の位置決め機構が、採用されうる。
【0031】
この電子ユニット18は、ゴルフボール2の挙動を検出しうる。具体的には、電子ユニット18は、ゴルフボール2の速度、飛行角度、スピン速度、スピンの回転軸方向又は衝撃を検出しうる。典型的な電子ユニット18は、センサー、制御装置及び通信装置を有する。典型的なセンサーは、加速度センサーである。この加速度センサーは、ゴルフボール2の重心から外れて配置される。この加速度センサーは、ゴルフボール2に加わる遠心力に基づき、検出を行う。制御装置は、CPU、RAM、ROM及びバッテリーを有する。制御装置は、センサーからの信号を受信し、これをRAM又はROMに記憶する。CPUは、必要に応じ、センサーからの信号に演算を加える。通信装置は、制御装置から得た信号を、ゴルフボール2の外部にある装置に送信する。
【0032】
電子ユニット18が、発光装置を有してもよい。この発光装置は、打撃時の衝撃により点灯しうる。発光装置が、リモートの操作により点灯してもよい。電子ユニット18が、スピーカーを有してもよい。このスピーカーは、打撃時の衝撃により音を発しうる。このスピーカーが、リモートの操作によって音を発してもよい。
【0033】
それぞれの充填体20は、カプセル14と電子ユニット18との間に位置している。充填体20は、カプセル14の内周面と当接し、かつ電子ユニット18と当接している。この充填体20は、電子ユニット18の位置ズレを抑制しうる。充填体20はさらに、電子ユニット18に伝わる衝撃を吸収しうる。
【0034】
充填体20の典型的な材質は、樹脂組成物である。この樹脂組成物の典型的な基材樹脂は、エポキシ樹脂である。この樹脂組成物は、比重調整剤を含有しうる。
【0035】
カプセル14の内部には、空隙28(vacant space)が存在する。この空隙28には、電子ユニット18、セパレータ16、充填体20等が存在しない。空隙28を有さないコア4を、ゴルフボール2が備えてもよい。空隙28を有さないコア4では、カプセル14の内部の、電子ユニット18及びセパレータ16以外の全ての部分に、充填体20が充填される。
【0036】
図2に示されるように、インナーカバー6はコア4の外側に位置している。このインナーカバー6は、コア4を包囲している。このインナーカバー6は、ゴム組成物が架橋されることで形成されている。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。ゴルフボール2の反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合、ポリブタジエンが主成分であることが好ましい。具体的には、全基材ゴムに対するポリブタジエンの比率は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましい。シス-1,4結合の比率が80%以上であるポリブタジエンが、特に好ましい。
【0037】
インナーカバー6のゴム組成物は、好ましくは、共架橋剤を含む。ゴルフボール2の耐久性及び反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β-不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤として、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが例示される。アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
【0038】
ゴム組成物が、炭素数が2から8であるα,β-不飽和カルボン酸と、酸化金属とを含んでもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、共架橋剤として機能する。好ましいα,β-不飽和カルボン酸として、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属として、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
【0039】
共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上45質量部以下が好ましい。この量が10質量部以上であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、この量は15質量部以上がより好ましく、20質量部以上が特に好ましい。この量が45質量部以下であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、この量は40質量部以下がより好ましく、35質量部以下が特に好ましい。
【0040】
好ましくは、インナーカバー6のゴム組成物は、有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の耐久性及び反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物として、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ-t-ブチルパーオキサイドが例示される。2以上の有機過酸化物が、併用されてもよい。
【0041】
有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上3.5質量部以下が好ましい。この量が0.1質量部以上であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、この量は0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。この量が3.5質量部以下であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、この量は3.0質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
【0042】
好ましくは、インナーカバー6のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。有機硫黄化合物は、ドライバーショットでの飛距離に寄与する。有機硫黄化合物には、ナフタレンチオール系化合物、ベンゼンチオール系化合物及びジスルフィド系化合物が含まれる。
【0043】
ナフタレンチオール系化合物として、1-ナフタレンチオール、2-ナフタレンチオール、4-クロロ-1-ナフタレンチオール、4-ブロモ-1-ナフタレンチオール、1-クロロ-2-ナフタレンチオール、1-ブロモ-2-ナフタレンチオール、1-フルオロ-2-ナフタレンチオール、1-シアノ-2-ナフタレンチオール及び1-アセチル-2-ナフタレンチオールが例示される。
【0044】
ベンゼンチオール系化合物として、ベンゼンチオール、4-クロロベンゼンチオール、3-クロロベンゼンチオール、4-ブロモベンゼンチオール、3-ブロモベンゼンチオール、4-フルオロベンゼンチオール、4-ヨードベンゼンチオール、2,5-ジクロロベンゼンチオール、3,5-ジクロロベンゼンチオール、2,6-ジクロロベンゼンチオール、2,5-ジブロモベンゼンチオール、3,5-ジブロモベンゼンチオール、2-クロロ-5-ブロモベンゼンチオール、2,4,6-トリクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6-ペンタクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンチオール、4-シアノベンゼンチオール、2-シアノベンゼンチオール、4-ニトロベンゼンチオール及び2-ニトロベンゼンチオールが例示される。
【0045】
ジスルフィド系化合物として、ジフェニルジスルフィド、ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3-クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4-フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4-ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(4-シアノフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2-クロロ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2-シアノ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2-シアノ-4-クロロ-6-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,5,6-テトラクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル)ジスルフィド及びビス(2,3,4,5,6-ペンタブロモフェニル)ジスルフィドが例示される。
【0046】
有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上1.5質量部以下が好ましい。この量が0.1質量部以上であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、この量は0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。この量が1.5質量部以下であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、この量は1.0質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が特に好ましい。2以上の有機硫黄化合物が、併用されてもよい。
【0047】
インナーカバー6のゴム組成物が、比重調整剤を含んでもよい。好適な比重調整剤として、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。比重調整剤の量は、インナーカバー6の意図した比重が達成されるように適宜決定される。
【0048】
インナーカバー6のゴム組成物が、硫黄、カルボン酸、カルボン酸塩、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の添加剤を適量含んでもよい。このゴム組成物が、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末を含んでもよい。
【0049】
インナーカバー6の厚さは、1.0mm以上10.0mm以下が好ましい。厚さが1.0mm以上であるカバーは、ゴルフボール2の反発性能に寄与しうる。この観点から、この厚さは2.5mm以上がより好ましく、3.5mm以上が特に好ましい。この厚さが10.0mm以下であるゴルフボール2では、十分に大きいカプセル14が採用されうる。この観点から、この厚さは8.0mm以下がより好ましく、7.5mm以下が特に好ましい。
【0050】
インナーカバー6の硬度は、20以上70以下が好ましい。硬度が20以上であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、硬度は30以上がより好ましく、35以上が特に好ましい。硬度が70以下であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、硬度は60以下がより好ましく、50以下が特に好ましい。
【0051】
インナーカバー6の硬度の測定では、ショアD型硬度計がインナーカバー6の表面に押し付けられる。測定時の温度は、23℃である。
【0052】
インナーカバー6の材質が、樹脂組成物であってもよい。この樹脂組成物の好ましい基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。
【0053】
特に、アイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂を含むインナーカバー6を有するゴルフボール2は、反発性能に優れる。このゴルフボール2は、飛行性能に優れる。
【0054】
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率は、50質量%以上が好ましい。
【0055】
好ましいアイオノマー樹脂として、α-オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα-オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β-不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂として、α-オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β-不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα-オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β-不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β-不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα-オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β-不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレンとアクリル酸との共重合体である。特に好ましい他のアイオノマー樹脂は、エチレンとメタクリル酸との共重合体である。
【0056】
二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
【0057】
アイオノマー樹脂の具体例として、三井・ダウポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7329」及び「ハイミランAM7337」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。
【0058】
好ましくは、インナーカバー6の樹脂組成物はアイオノマー樹脂と共に、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーを含む。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンブロックと、ソフトセグメントとを備えている。典型的なソフトセグメントは、ジエンブロックである。ジエンブロックの化合物として、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン及び2,3-ジメチル-1,3-ブタジエンが例示される。ブタジエン及びイソプレンが好ましい。2以上の化合物が併用されてもよい。
【0059】
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物として、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物として、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物として、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
【0060】
ゴルフボール2の反発性能の観点から、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。ゴルフボール2の打球感の観点から、この含有率は50質量%以下が好ましく、47質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
【0061】
本発明において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS及びSEEPSからなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、他の基材ポリマーとの相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイは、ゴルフボール2の反発性能に寄与しうる。炭素数が2以上10以下のオレフィンが好ましい。好適なオレフィンとして、エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが例示される。エチレン及びプロピレンが特に好ましい。
【0062】
ポリマーアロイの具体例として、三菱ケミカル社の商品名「テファブロックT3221C」、「テファブロックT3339C」、「テファブロックSJ4400N」、「テファブロックSJ5400N」、「テファブロックSJ6400N」、「テファブロックSJ7400N」、「テファブロックSJ8400N」、「テファブロックSJ9400N」及び「テファブロックSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例として、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG-252」が挙げられる。
【0063】
打球感の観点から、全基材ポリマーに対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率は10量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この比率は50質量%以下が好ましい。
【0064】
インナーカバー6の樹脂組成物が、着色剤、比重調整剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を適量含んでもよい。
【0065】
図2に示されるように、アウターカバー8は、インナーカバー6の外側に位置している。このアウターカバー8は、インナーカバー6を包囲している。このアウターカバー8は、樹脂組成物から成形されている。この樹脂組成物の好ましい基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。
【0066】
特に、ポリウレタンが好ましい。ポリウレタンを含むアウターカバー8は、ゴルフボール2のスピン性能に寄与しうる。アウターカバー8にポリウレタンと他の樹脂とが併用される場合、全基材樹脂に対するポリウレタンの比率は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
【0067】
アウターカバー8の樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタンを含んでもよく、熱硬化性ポリウレタンを含んでもよい。ゴルフボール2の生産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。熱可塑性ポリウレタンは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。熱可塑性ポリウレタンは、軟質である。このポリウレタンが用いられたアウターカバー8は、耐擦傷性に優れる。
【0068】
熱可塑性ポリウレタンは、分子内にウレタン結合を有する。このウレタン結合は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって形成されうる。ウレタン結合の原料であるポリオールは、複数のヒドロキシル基を有する。低分子量ポリオール及び高分子量ポリオールが用いられうる。
【0069】
低分子量のポリオールとして、ジオール、トリオール、テトラオール及びヘキサオールが挙げられる。ジオールの具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール及び1,6-シクロヘキサンジメチロールが例示される。アニリン系ジオール又はビスフェノールA系ジオールが用いられてもよい。トリオールの具体例として、グリセリン、トリメチロールプロパン及びヘキサントリオールが挙げられる。テトラオールの具体例として、ペンタエリスリトール及びソルビトールが挙げられる。
【0070】
高分子量のポリオールとして、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のようなポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)及びポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)のような縮合系ポリエステルポリオール;ポリ-ε-カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートのようなポリカーボネートポリオール;並びにアクリルポリオールが挙げられる。2種以上のポリオールが併用されてもよい。ゴルフボール2の打球感の観点から、高分子量のポリオールの数平均分子量は400以上が好ましく、1000以上がより好ましい。数平均分子量は、10000以下が好ましい。
【0071】
ウレタン結合の原料であるポリイソシアネートとして、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
【0072】
芳香族ジイソシアネートとして、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’-ビトリレン-4,4’-ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びパラフェニレンジイソシアネート(PPDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。脂環式ジイソシアネートとして、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HiMDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス-1,4-シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0073】
熱可塑性ポリウレタンの具体例として、BASFジャパン社の商品名「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY83A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY88A」、「エラストランNY90A」、「エラストランNY95A」、「エラストランNY97A」、「エラストランNY585」、「エラストランKP016N」及び「エラストラン1195A50STR」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び「レザミンPS62490」が挙げられる。
【0074】
アウターカバー8の樹脂組成物が、着色剤、充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を適量含んでもよい。ゴルフボール2の色相が白である場合、典型的な着色剤は二酸化チタンである。
【0075】
アウターカバー8の厚さは、0.3mm以上3.0mm以下が好ましい。厚さが0.3mm以上であるゴルフボール2では、アウターカバー8がスピン性能に寄与しうる。この観点から、厚さは0.7mm以上がより好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。厚さが3.0mm以下であるゴルフボール2は、アウターカバー8が反発性能を阻害しない。この観点から、厚さは2.5mm以下がより好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。厚さは、ランド12の直下において測定される。
【0076】
アウターカバー8の硬度は、20以上70以下が好ましい。硬度が20以上であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、硬度は30以上がより好ましく、35以上が特に好ましい。硬度が70以下であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、硬度は60以下がより好ましく、50以下が特に好ましい。
【0077】
アウターカバー8の硬度の測定では、ショアD型硬度計がアウターカバー8の表面に押し付けられる。測定時の温度は、23℃である。
【0078】
アウターカバー8の材質が、ポリウレタン以外の樹脂が基材である樹脂組成物であってもよい。インナーカバー6に関して前述された樹脂組成物が、アウターカバー8に用いられうる。アウターカバー8の材質が、架橋されたゴム組成物であってもよい。
【0079】
ゴルフボール2が、インナーカバー6とアウターカバー8との間に、補強層を有してもよい。補強層は、インナーカバー6と堅固に密着し、アウターカバー8とも堅固に密着する。補強層は、インナーカバー6からのアウターカバー8の剥離を抑制する。補強層は、樹脂組成物から形成されている。補強層の好ましい基材ポリマーとして、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が例示される。補強層の厚さは5μm以上30μm以下が好ましい。
【0080】
ゴルフボール2が、インナーカバー6とアウターカバー8との間に、ミッドカバーを有してもよい。ミッドカバーの好ましい材質は、樹脂組成物である。アウターカバー8の基材樹脂として前述された樹脂が、ミッドカバーに用いられうる。好ましい実施形態では、ゴルフボールは、その材質が架橋されたゴム組成物であるインナーカバー、その基材がアイオノマー樹脂であるミッドカバー、及びその基材がポリウレタンであるアウターカバーを有する。
【0081】
このゴルフボール2がゴルフクラブで打撃されると、電子ユニット18がゴルフボール2の挙動を検出する。電子ユニット18は、挙動に関する信号を、外部の装置に送信する。この信号に基づき、ゴルフボール2の弾道解析、プレーヤーの技量の評価及びゴルフクラブの評価がなされうる。
【0082】
カプセル14の体積Vrのコア4の体積Vcに対する比率P1は、25%以上75%以下が好ましい。この比率P1が25%以上であるカプセル14は、耐久性に優れる。このカプセル14を有するゴルフボール2は、繰り返し打撃されても破損しにくい。この観点から、この比率P1は30%以上がより好ましく、35%以上が特に好ましい。この比率P1が75%以下であるカプセル14を有するゴルフボール2は、打球感に優れる。従ってプレーヤーは、躊躇なくゴルフボール2を打撃できる。この打撃により、ゴルフボール2の挙動が精度よく測定されうる。この観点から、この比率P1は73%以下がより好ましく、70%以下が特に好ましい。
【0083】
カプセル14の体積Vrは、カプセル14の材料(樹脂組成物)の体積である。本実施形態では、カプセル14は球状である。従って、カプセル14の体積Vrは、下記の数式によって算出されうる。
Vr = 4 * π * (R1 - R2) /3
R1 = D1 / 2
R2 = D2 / 2
これらの数式において、D1はカプセル14の外径であり、D2はカプセル14の内径である。本実施形態では、コア4の外径は、カプセル14の外径D1に等しい。従って、コア4の体積Vcは、下記の数式によって算出されうる。
Vc = 4 * π * R1 / 3
【0084】
カプセル14の外径D1は、25mm以上35mm以下が好ましい。外径D1が25mm以上であるカプセル14には、十分に大きい電子ユニット18が収容されうる。この電子ユニット18では、ゴルフボール2の中心から十分に離れた位置に、センサーが配置されうる。このカプセル14は、計測の精度に寄与しうる。この観点から、外径D1は27mm以上がより好ましく、28mm以上が特に好ましい。外径D1が35mm以下であるゴルフボール2は、繰り返し打撃されても破損しにくい。さらにこのゴルフボール2は、電子ユニット18が内蔵されていないゴルフボール2に近い性能を有しうる。これらの観点から、外径D1は33mm以下がより好ましく、32mm以下が特に好ましい。
【0085】
前述の通り、カプセル14の材質は樹脂組成物である。カプセル14の融点(すなわち樹脂組成物の融点)は、100℃以上が好ましい。融点が100℃以上であるカプセル14は、カバーの成形時に溶融しにくい。このカプセル14は、電子ユニット18を保護しうる。この観点から、この融点は110℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。融点は、400℃以下が好ましい。カプセル14の基材樹脂の融点は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。基材樹脂の融点は、400℃以下が好ましい。
【0086】
本実施形態では、インナーカバー6が、カプセル14を直接に覆う。カプセル14の溶融抑制の観点から、カプセル14の融点T1と、カプセル14を直接に覆うカバーの成形温度T2との差(T1-T2)は、-20℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、10℃以上が特に好ましい。カバーの材質が架橋されたゴム組成物である場合、成形温度T2は架橋温度である。カバーの材質が熱可塑性樹脂組成物である場合、成形温度T2は溶融樹脂組成物が到達する最高温度である。
【0087】
カプセル14の硬度は、30以上が好ましい。硬度が30以上であるカプセル14は、電子ユニット18を保護しうる。この観点から、この硬度は40以上がより好ましく、50以上が特に好ましい。この硬度は、90以下が好ましい。カプセル14の硬度の測定では、ショアD型硬度計がカプセル14の表面に押し付けられる。測定時の温度は、23℃である。
【0088】
カプセル14の樹脂組成物の、好ましい基材樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン及びポリカーボネートが例示される。基材樹脂がポリエーテルエーテルケトン又はポリカーボネートであるカプセル14は、カバーの成形時に溶融しにくい。さらにこのカプセル14は、強度に優れる。このカプセル14は、電子ユニット18を保護しうる。カバーの成形時に溶融しにくいとの観点から好ましい基材樹脂は、ポリカーボネート及びポリエーテルエーテルケトンである。ポリカーボネートの融点は、135℃である。ポリエーテルエーテルケトンの融点は、334℃である。汎用性の観点から特に好ましい基材樹脂は、ポリカーボネートである。
【0089】
前述の通り、インナーカバー6の材質は、架橋されたゴム組成物である。前述の通り、このゴム組成物は、共架橋剤及び有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。1分間半減期温度が170℃以下である架橋開始剤が、好ましい。この架橋開始剤を含むゴム組成物の架橋温度は、低い。このゴム組成物からインナーカバー6が成形されるとき、カプセル14が溶融しにくく、かつ電子ユニット18が損傷しにくい。この観点から、架橋開始剤の1分間半減期温度は160℃以下がより好ましく、155℃以下が特に好ましい。好ましい架橋開始剤は、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンである。1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの1分間半減期温度は、154℃である。1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの具体例として、日本油脂社の商品名「パーヘキサC」が挙げられる。1分間半減期温度が170℃以下である架橋開始剤と、他の架橋開始剤とが、併用されてもよい。架橋開始剤の全量に対する、1分間半減期温度が170℃以下である架橋開始剤の量の比率は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。
【0090】
前述の通り、充填体20の樹脂組成物は、比重調整剤を含有する。この比重調剤の密度Ddは、マトリクス(つまり基材樹脂)の密度Drよりも大きい。従って、この比重調整剤を含む充填体20の密度は、大きい。図2から明らかなように、電子ユニット18の形状は、球ではない。この電子ユニット18は、ゴルフボール2の周方向における質量分布の不均一を招来するおそれがある。密度が大きい充填体20がカプセル14と電子ユニット18との間に充填されることで、質量分布の不均一が抑制される。この観点から、比重調整剤の密度Dd(真密度)は10.0g/cm以上が好ましく、15.0g/cm以上がより好ましく、18.0g/cm以上特に好ましい。この密度は、30g/cm以下が好ましい。好ましい比重調整剤は、タングステン粉末である。
【0091】
充填体20の基材樹脂の密度Drに対する、比重調整剤の真密度Ddの比(Dd/Dr)は5.0以上が好ましく、10.0以上がより好ましく、15.0以上が特に好ましい。
【0092】
充填体20の合計体積Vfと、空隙28の合計体積Vvとの比(Vf/Vv)は、0/100以上100/0以下である。比(Vf/Vv)が0/100であるゴルフボール2は、充填体20を有しない。比(Vf/Vv)が100/0であるゴルフボール2は、空隙28を有しない。比(Vf/Vv)は30/70以上が好ましく、50/50以上がより好ましく、70/30以上が特に好ましい。
【0093】
体積Vfと体積Vvとの合計(Vf+Vv)の、コア4の体積Vcに対する比率は、15%以上55%以下が好ましい。
【0094】
ゴルフボール2が、質量分布の調整の目的で、ウエイトを有してもよい。ウエイトは、カプセル14の中に配置されてよく、カプセル14とカバーとの間に配置されてもよい。ウエイトが、カバーに含まれてもよい。
【0095】
このゴルフボール2の製造では、まずカプセル14のための2つのハーフシェルが準備される。それぞれのハーフシェルは、概して半球形状である。第一ハーフシェルのチャンバー26に、電子ユニット18が嵌め込まれる。この第一ハーフシェルに、第二ハーフシェルが合わされて、固定される。固定は、ホール24へのピン22の挿入によってなされうる。固定が、第一ハーフシェル(又は第二ハーフシェル)に形成された雄ネジと、第二ハーフシェル(又は第一ハーフシェル)に形成された雌ネジとの螺合によってなされてもよい。固定が、第一ハーフシェルへの第二ハーフシェルの嵌め込みよってなされてもよい。固定が、接着剤によってなされてもよい。固定により、球状のカプセル14が得られる。
【0096】
このカプセル14の中に、樹脂組成物が注入される。この樹脂組成物の硬化により、充填体20が形成され、コア4が得られる。第一ハーフシェルに第二ハーフシェルが合わされる前に、各ハーフシェルに樹脂組成物が充填されてもよい。
【0097】
次に、インナーカバー6のためのハーフシェルが準備される。このハーフシェルの材質は、未架橋(又は半架橋)のゴム組成物である。2つのハーフシェルによって、コア4が覆われる。これらハーフシェルとコア4とが金型に投入され、加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ゴム組成物が流動する。加熱によってゴムが架橋反応を起こし、インナーカバー6が成形される。インナーカバー6が射出成形法によって得られてもよい。
【0098】
次に、アウターカバー8のためのハーフシェルが準備される。このハーフシェルの材質は、熱可塑性樹脂組成物である。2つのハーフシェルによって、コア4及びインナーカバー6を有する球が覆われる。これらのハーフシェル及び球が、それぞれが半球状キャビティを備え、キャビティ面に多数のピンプルを備えた上型及び下型からなるファイナル金型に投入され、圧縮成形法にてアウターカバー8が成形される。このアウターカバー8には、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプル10が形成される。アウターカバー8が射出成形法によって得られてもよい。
【0099】
このアウターカバー8に、必要に応じてペイントがなされ、ゴルフボール2が得られる。
【実施例0100】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0101】
[実施例1]
球状のカプセルを、準備した。このカプセルの材質は、ポリカーボネート(PC)であった。このカプセルの直径は、30.0mmであった。このカプセルの体積比(Vr/Vc)は、40%であった。このカプセルに、電子ユニットを嵌め込んだ。このカプセルに、このカプセルの中を樹脂組成物が満たすように、樹脂組成物を注入した。この樹脂組成物は、基材としてのエポキシ樹脂と、比重調整剤としてのタングステン粉末とを含有していた。この樹脂組成物の硬化により、充填体が形成され、コアが得られた。充填体の体積Vfと空隙の体積Vvとの比(Vf/Vv)は、100/0であった。
【0102】
100質量部のポリブタジエン(JSR社の商品名「BR730」)、2質量部の1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(前述の商品名「パーヘキサC」)、5質量部の酸化亜鉛(商品名「ホワイトシール」)、0.1質量部の老化防止剤(本州化学工業社の商品名「H-BHT」)、30質量部のアクリル酸亜鉛(三新化学工業社の商品名「ZN-DA90SN」)及び0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社)を混練し、ゴム組成物C1を得た。このゴム組成物C1から、ハーフシェルを形成した。2つのハーフシェルで、コアを覆った。これらのハーフシェルとコア4とを金型に投入し、120℃で50分間加熱して、インナーカバーを成形した。
【0103】
100質量部の熱可塑性ポリウレタン(前述の商品名「エラストランNY82A」)、4質量部の二酸化チタン及び0.04質量部のウルトラマリンブルーを混練し、樹脂組成物C5を得た。この樹脂組成物C5から、ハーフシェルを得た。このハーフシェル2枚で、コア及びインナーカバーからなる球を被覆した。これらのハーフシェル及び球を、それぞれが半球状キャビティを備え、キャビティ面に多数のピンプルを備えた上型及び下型からなるファイナル金型に投入し、圧縮成形法にてアウターカバーを得た。
【0104】
このアウターカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.8gである実施例1のゴルフボールを得た。
【0105】
[実施例2-4]
比(Vf/Vv)を下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-4のゴルフボールを得た。
【0106】
[実施例5]
充填体の樹脂組成物における比重調整剤の含有率をゼロとした他は実施例1と同様にして、実施例5のゴルフボールを得た。
【0107】
[実施例6]
材質がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であるカプセルを用いた他は実施例1と同様にして、実施例6のゴルフボールを得た。
【0108】
[比較例1]
材質がポリスチレン(PS)であるカプセルを用い、かつインナーカバーの組成を下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、比較例1のゴルフボールを得た。
【0109】
[実施例7-9]
インナーカバーの組成を下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7-9のゴルフボールを得た。
【0110】
[実施例10-13並びに比較例2及び3]
カプセルの体積比(Vr/Vc)並びに充填体及び空隙の体積比((Vf+Vv)/Vc)を下記の表5に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10-13並びに比較例2及び3のゴルフボールを得た。
【0111】
[通信状況]
電子ユニットと外部装置との通信状況を、下記の基準に従って格付けした。
A:良好
B:やや不良
C:通信不可
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0112】
[電圧状況]
電子ユニットの電源装置の電圧を測定し、下記の基準に従って格付けした。
A:良好
B:やや不良
C:なし
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0113】
[耐久性]
オートメイティッドデザインコーポレーション社(Automated Design Corporation)の試験機(Ball COR Durability Tester)により、43m/sの速度でゴルフボールを金属板に衝突させた。この衝突を繰り返し、電子ユニットの通信が不可能になるまでの衝突回数をカウントした。5個のゴルフボールについての衝突回数の平均値を算出し、下記の基準に従って格付けした。
A:60回以上
B:20回以上59回以下
C:19回以下
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0114】
[フィーリング]
10人のプレーヤーにゴルフボールを打撃させ、打球感を聞き取った。打球感が良好と回答したプレーヤーの数に基づき、格付けした。
A:8人以上
B:5人以上7人以下
C:4人以下
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0115】
[慣性モーメント]
X軸、Y軸及びZ軸の慣性モーメントを、測定器(INERTIA DYNAMICS社の「モデルNo.005-002、シリーズNo.M99274」)で測定した。アウターカバーのパーティングラインを地球儀の赤道と仮定したとき、各軸は下記2点を通過する。
X軸:第一点(緯度90度)、第二点(緯度-90度)
Y軸:第一点(緯度0度、経度0度)、第二点緯度(緯度0度、経度180度)
Z軸:第一点(緯度0度、経度90度)、第二点緯度(緯度0度、経度270度)
3つの測定値の最大値と最小値との差に基づき、格付けした。
A:差が0.50gcm未満
B:差が0.50gcm以上1.00gcm未満
C:差が1.00gcm以上
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0116】
[総合評価]
前述の5つの項目の総合評価を、下記の基準に従って行った。
S1:全てAランク
S2:Bランクが1で、Cランクがない
S3:Bランクが2以上、又はCランクが1以上
この結果が、下記の表3-5に示されている。
【0117】
【表1】
【0118】
表1におけるパークミルDは、ジクミルパーオキサイド(日本油脂社)である。その1分間半減期温度は、175℃である。
【0119】
【表2】
【0120】
表2におけるアイオノマー樹脂の詳細は、以下の通りである。
*1 ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
*2 亜鉛イオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
*3 亜鉛イオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
*4 ナトリウムイオン中和エチレン-アクリル酸共重合体
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
【表5】
【0124】
表3-5に示されるように、各実施例のゴルフボールは、諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明に係るゴルフボールは、弾道解析、プレーヤーの技量の評価及びゴルフクラブの評価に適している。
【符号の説明】
【0126】
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・インナーカバー
8・・・アウターカバー
10・・・ディンプル
12・・・ランド
14・・・カプセル
16・・・セパレータ
18・・・電子ユニット
20・・・充填体
26・・・チャンバー
28・・・空隙
図1
図2