(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007526
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】周辺車両判別システム、周辺車両判別プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220105BHJP
G08G 1/015 20060101ALI20220105BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20220105BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/015 A
B60W30/095
B60W40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110554
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂井 孝光
(72)【発明者】
【氏名】▲廣▼田 智明
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DB13Z
3D241DC01A
3D241DC01B
3D241DC18A
3D241DC18B
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC24
5H181EE07
5H181FF04
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】中央線のない道路において周辺車両が先行車両であるか対向車両であるかを判別する周辺車両判別システム提供する。
【解決手段】周辺車両判別システム10は、車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報30aから取得する走行道路情報取得部21aと、車両の前方に存在する周辺車両と、走行道路の外側線のうちの車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する検出部21bと、走行道路情報に基づいて、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別する周辺車両判別部21cと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報から取得する走行道路情報取得部と、
前記車両の前方に存在する周辺車両と、前記走行道路の外側線のうちの前記車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する検出部と、
前記走行道路情報に基づいて、前記走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、前記走行道路の内側において前記通行側外側線から前記周辺車両までの距離が基準距離以下である前記周辺車両を先行車両と判別し、前記距離が前記基準距離より大きい前記周辺車両を対向車両と判別する周辺車両判別部と、
を備える周辺車両判別システム。
【請求項2】
前記基準距離は、前記走行道路情報から取得した前記走行道路の幅、又は、前記車両の前方の画像から取得した前記走行道路の幅に基づいて設定される、
請求項1に記載の周辺車両判別システム。
【請求項3】
前記周辺車両の判別結果に基づいて前記車両に対するリスクを判定するリスク判定部を備える、
請求項1または請求項2に記載の周辺車両判別システム。
【請求項4】
前記周辺車両の検出精度が基準より低い場合、前記走行道路情報に基づいて、前記周辺車両は前記走行道路を法定速度で走行していると見なしてリスクが判定される、
請求項3に記載の周辺車両判別システム。
【請求項5】
前記車両の前方の画像において前記通行側外側線が検出できない非検出区間の前記通行側外側線の形状は、前記走行道路情報が示す前記走行道路の形状に基づいて推定される、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の周辺車両判別システム。
【請求項6】
コンピュータを、
車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報から取得する走行道路情報取得部、
前記車両の前方に存在する周辺車両と、前記走行道路の外側線のうちの前記車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する検出部、
前記走行道路情報に基づいて、前記走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、前記走行道路の内側において前記通行側外側線から前記周辺車両までの距離が基準距離以下である前記周辺車両を先行車両と判別し、前記距離が前記基準距離より大きい前記周辺車両を対向車両と判別する周辺車両判別部、
として機能させる周辺車両判別プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺車両判別システム、周辺車両判別プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラが撮影した車両の前方画像から自車左側の白線及び道路中央の白線を検出し、両白線内に位置する車両を検出した場合に、検出した車両を先行車両と認定する手法が知られている(例えば、特許文献1の段落0019~0022、0036~0038等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、中央線のない対面通行道路を走行中に撮影された前方画像内の車両が先行車両であるか対向車両であるかを判別することが困難である。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、中央線のない道路において周辺車両が先行車両であるか対向車両であるかを判別する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、周辺車両判別システムは、車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報から取得する走行道路情報取得部と、車両の前方に存在する周辺車両と、走行道路の外側線のうちの車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する検出部と、走行道路情報に基づいて、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別する周辺車両判別部と、を備える。
【0006】
さらに、上記の目的を達成するため、周辺車両判別プログラムは、コンピュータを、車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報から取得する走行道路情報取得部、車両の前方に存在する周辺車両と、走行道路の外側線のうちの車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する検出部、走行道路情報に基づいて、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別する周辺車両判別部、として機能させる。
【0007】
この周辺車両判別システム、周辺車両判別プログラムでは、走行道路の外側線のうち車両の通行側として定められている方の線から周辺車両までの距離が基準距離以下である場合に当該周辺車両を先行車両と判別する。また、当該線から周辺車両までの距離が基準距離より大きい場合に当該車両を対向車両と判別する。従って、この構成によれば、中央線の存在しない対面通行道路においても車両の前方に存在する周辺車両が先行車両であるか対向車両であるかを判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】周辺車両判別システムの構成を示すブロック図。
【
図4】他の実施形態にかかる走行道路の例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)周辺車両判別システムの構成:
(2)周辺車両判別処理:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)周辺車両判別システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる周辺車両判別システムを10の構成を示すブロック図である。周辺車両判別システム10は、車両Cに備えられており、制御部20、記録媒体30を備えている。制御部20は、CPU,RAM,ROM等を備えるコンピュータである。周辺車両判別システム10は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。
【0011】
地図情報30aは、車両Cの位置の特定や、交差点の位置の特定、道路形状の特定等に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置や形状等を示す地物データ等を含んでいる。なお、本実施形態においてノードは例えば交差点を示している。
【0012】
また、リンクデータには、リンクの属性を示す情報が対応付けられている。具体的には、リンクデータには、車線数、進行方向、車道幅員、幅員区分、道路種別等が対応付けられている。当該リンクデータに基づいて中央線の有無は取得可能である。例えば、リンクデータの車線数と進行方向を参照し、車線の数が1個で双方向に進行可能な区間は、中央線のない対面通行道路であると見なすことができる。なお、中央線の有無を示す情報がリンクデータに直接的に含まれていてもよい。本実施形態においてノードや形状補間点が示す位置は、中央線が存在する区間については道路上の中央線の位置を示しており、当該位置と車線の数および車線の幅等によって車道の位置や車道が存在する範囲が特定可能である。また、中央線が存在しない区間においては、ノードや形状補間点が示す位置は、車道幅員の中央の位置を示しており、当該位置と車道幅員等によって車道の位置や車道が存在する範囲を特定可能である。
【0013】
本実施形態における車両Cは、カメラ40とGNSS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とを備えている。GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信、図示しないインタフェースを介して車両Cの現在位置を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して地図の座標系における車両Cの現在位置(緯度、経度等)を取得する。車速センサ42は、車両Cが備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両Cの水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両Cの向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両Cの進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両Cの走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両Cの出発地と走行軌跡とに基づいて現在位置が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両Cの現在位置がGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
【0014】
カメラ40は、車両Cの前方に向けられた視野内の画像を取得する装置である。カメラ40の光軸は車両Cに対して固定されており、周辺車両判別システム10において当該光軸の方向が既知であればよい。本実施形態において、カメラ40は車両Cの車幅方向と光軸中心が垂直で、車両Cの進行方向前方が視野に含まれるような姿勢で車両Cに取り付けられている。制御部20は、当該カメラ40の出力する画像を取得し、特徴量の抽出等によって画像を解析することによって車両Cの周辺に存在する他の車両(周辺車両)を検出することができる。
【0015】
ユーザI/F部44は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル方式のディスプレイやスピーカ等を備えている。すなわち、ユーザI/F部44は画像や音の出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0016】
制御部20は、周辺車両判別プログラム21を実行することができる。周辺車両判別プログラム21は、車両Cの周辺に存在する周辺車両が挙動を判別し、車両Cとの衝突リスクの判定する機能を有する。この機能を実現するため、周辺車両判別プログラム21は、走行道路情報取得部21aと、検出部21bと、周辺車両判別部21cと、リスク判定部21dと、を備えている。
【0017】
走行道路情報取得部21aは、車両Cが走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報30aから取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号と地図情報30aに基づいて地図の座標系における車両Cの現在位置を取得する。さらに制御部20は、地図情報30aを用いたマップマッチング処理によって車両Cが走行中の走行区間を特定する。走行区間が対面通行道路である場合、制御部20は、当該走行区間のさらに前方において走行区間に続く対面通行道路である前方区間を特定する。制御部20は、車両Cの前方の既定距離内に車両Cが走行中の走行区間に接続する接続区間が複数存在する場合、制御部20は、複数の接続区間のうち、周辺車両を判別する対象とする区間である前方区間を選抜する。
【0018】
制御部20は、走行区間と属性が共通する接続区間を、前方区間とする。本実施形態においては、例えば制御部20は、地図情報30aを参照し、走行区間の路線番号と同じ路線番号の区間を前方区間とし、周辺車両の判別対象の区間として扱う。例えば、
図2Aにおいて、車両Cが走行中の走行区間を示すリンクL0と接続する3つの接続区間(L1,L2,L3)のうち、リンクL1がリンクL0と路線番号が同じであることを示している。この場合、制御部20はリンクL1を前方区間として扱う。なお、
図2Bに示すように、さらに車両Cから既定距離内に、リンクL0,L1と路線番号が同じであるリンクL4が存在する場合、制御部20はリンクL4も前方区間として扱う。[0]制御部20は、以上のようにして特定した走行区間および前方区間のリンクデータを走行道路情報として地図情報30aから取得する。走行道路上に位置しない周辺車両は判別の対象から除外されるため、制御部20における処理量を軽減できる。
【0019】
検出部21bは、車両の前方に存在する周辺車両と、走行道路の外側線のうちの車両の通行側として定められている方の通行側外側線と、を検出する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。制御部20は、カメラ40で連続的に撮影された画像を取得し、レンズによる歪み補正等を施す。制御部20は、例えばYOLO(You Only Look Once)やパターンマッチング等を用いた画像認識処理を実行することにより、画像に、車両(例えば、貨物自動車、乗用車、2輪車等)の特徴が含まれるか否かを判定し、車両Cの周辺に存在する周辺車両の画像を検出する。また、制御部20は、画像認識処理により、路面上に標示された道路の区画線の特徴が含まれるか否かを判定する。道路の区画線は、車道外側線(本明細書では、単に外側線と呼ぶ)、車道中央線(本明細書では、単に中央線と呼ぶ)、レーンの境界線等を含む。
【0020】
図2Cは、カメラ40によって撮影された画像(車両Cの前方の画像)であって歪み補正後の画像Iの一例を示す図である。同図において、バウンディングボックスBは、画像I内に検出された周辺車両を囲む矩形領域であり、周辺車両を示す画像の大きさや、画像I内における周辺車両の位置を示している。バウンディングボックスBの左右の辺は画像Iの左右の辺と平行であり、上下の辺は画像Iの上下の辺と平行である。バウンディングボックスBの大きさや位置は、例えばバウンディングボックスBの左上の頂点の座標と右下の頂点の座標によって表される。制御部20は、バウンディングボックスBの対角2頂点の座標から、バウンディングボックスBの高さh(画素数)と、バウンディングボックスBの代表座標Bo(x、y)を取得する。代表座標Boは、例えばバウンディングボックスBの中心座標(幅方向および高さ方向の中点)であってよい。
【0021】
画像I内の各座標には、車両Cを基準とした相対方位であって当該座標に写る物体の相対方位が対応付けられており、対応関係を示す情報が記録媒体30に記憶されている。制御部20はこの対応関係に基づいて、代表座標Boに写る周辺車両の車両Cを基準とした相対方位を取得する。本実施形態においては、車両Cを基準とした車両座標系を定義する。車両座標系は、互いに直交する車幅軸と車長軸と車高軸とで定義される3次元の座標系である。
図2Aは車幅軸と車長軸とを含む平面を示している。同図において点Oは、車両Cにおける車両座標系の原点である。
図2Aの例において、車長軸は車両C走行道路を示すリンクL0と平行である。相対方位は、例えば、車幅軸と車長軸とを含む平面において、車両座標系の原点Oと代表座標Boに対応する地点とを結ぶ直線(破線)と車長軸とのなす角度(θ)で表現される(例えばθが負値の場合は進行方向前方に向かって車長軸の左側、正値の場合は右側であることを示す)。
【0022】
また、制御部20は、バウンディングボックス内の周辺車両の種別と信頼度をYOLOにより取得する。車両の種別は、車体の大きさを示す種別であればよく、例えば貨物自動車、乗用車、2輪車等のように分類されてよい。信頼度は、値が大きいほどバウンディングボックス内の車両の種別の信頼度が高いことを示している。
【0023】
車両の種別毎に、代表的な車高(例えば乗用車の場合、1.5[m]等)が規定されており、車両Cと当該車両との直線距離と、当該車両を車両Cのカメラで撮影した場合のバウンディングボックスの高さとが予め計測されている。そして、車両の種別毎に、バウンディングボックスの高さと、車両座標系の原点を基準とした直線距離との対応関係を示す情報が記録媒体30に記憶されている。例えば、車高の代表的な実寸が1.5[m]の乗用車を囲むバウンディングボックスの高さがh1画素であれば直線距離がD1[m]であり、h2画素であれば直線距離がD2[m]であることが対応付けられている。貨物自動車や2輪車等の他の種別についてもそれぞれ対応関係を示す情報が記録媒体30に記憶されている。制御部20は、この対応関係に基づいて、バウンディングボックスBの高さhに対応する直線距離D(
図2Aを参照)を算出する。以上のようにして、制御部20は、カメラ40が撮影した画像に基づいて、画像内に含まれる周辺車両の相対方位θと、車両Cとの直線距離Dを取得する。
【0024】
また、制御部20は、画像認識処理により、画像I内の路面上の区画線を検出し、車両Cの現在位置や進行方向から、画像Iに含まれる区画線の種類を判別する。例えば、
図2Cに示す画像Iは、中央線のない道路を走行中に撮影された画像の例であり、制御部20は、線(101)を左側外側線、線(102)を右側外側線と判別する。本実施形態では、車両は左側通行であり、通行側外側線は、車道の両側の外側線のうち左側外側線(
図2Cにおいては101)であるとして説明を続ける。
【0025】
なお、制御部20は、車両Cの前方の画像において通行側外側線が検出できない非検出区間の通行側外側線の形状を、走行道路情報が示す走行道路の形状に基づいて推定する。非検出区間としては例えば、摩耗によって標示が薄れている区間、交差点における交差道路によって走行道路の外側線が途切れている区間や、障害物等によって外側線が遮蔽されている区間等を想定してよい。制御部20は、非検出区間を含むリンクが形状補間点を含まない(直線形状)の場合、非検出区間の前後の検出済み区間の外側線の端点同士を繋いだ線を非検出区間の外側線の形状とする。非検出区間を含むリンクが形状補間点を含む場合、非検出区間の前後の検出済み区間の外側線の端点を形状補間点等が示す道路の形状に沿って線を延長し外側線の形状とする。このようにすることで、制御部20は左側外側線の非検出区間においても周辺車両の判別を行うことができる。
【0026】
周辺車両判別部21cは、走行道路情報に基づいて、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。
【0027】
制御部20は、車両Cの現在位置と周辺車両との直線距離Dと相対方位θに基づいて、地図の座標系における周辺車両の現在位置を算出し、周辺車両が走行道路上に位置しているか否かを判定する。走行道路上に位置している場合、制御部20は、周辺車両が位置する区間(リンク)を特定する。制御部20は、周辺車両が位置するリンクのリンクデータに基づいて中央線の有無を取得する。従って例えば、周辺車両が、車両Cが走行中の走行区間に周辺車両が存在する場合、走行区間のリンクデータが参照される。
【0028】
また例えば、周辺車両が、走行道路において、周辺車両が車両の前方の交差点よりさらに前方の前方区間に位置する場合、走行道路情報のうち前方区間の情報に基づいて、周辺車両が判別される。例えば、走行区間には中央線が存在し、前方区間には中央線が存在しない場合であっても、周辺車両が位置する前方区間のリンクデータに基づいて周辺車両が位置する区間には中央線が存在しないことを取得できる。
【0029】
さらに、制御部20は、走行道路情報から取得した走行道路の幅に基づいて基準距離を設定する。具体的には例えば、周辺車両が位置する区間が中央線のない区間である場合、当該区間の車道幅員の1/2を基準距離として設定する。周辺車両が位置する区間の道路幅に応じて基準距離を設定できるため、道路幅に応じずに常に一定の値を基準距離とする場合と比較すると、周辺車両の判別精度を高めることができる。
【0030】
制御部20は、バウンディングボックスBの下辺の延長線と左側外側線101との交点Pを算出し、バウンディングボックスBの下辺の中点B1と当該交点Pとの距離d1を算出する。制御部20は、距離d1が基準距離T以下であるか否かを判定する。走行道路の内側において、距離d1が基準距離T以下である場合、制御部20はバウンディングボックスBに囲まれた周辺車両は先行車両であると判別する。
図2Cに示すように、走行道路の内側において距離d1が基準距離より大きい場合、制御部20は、バウンディングボックスBに囲まれた周辺車両は対向車両であると判別する。なお走行道路の外側に位置する周辺車両を、制御部20は、例えば駐車車両等の路外車両と見なす。
以上のように、本実施形態の構成によれば、中央線の存在しない対面通行道路においても車両の前方に存在する周辺車両が先行車両であるか対向車両であるかを判別することができる。
【0031】
[0] リスク判定部21dは、周辺車両の判別結果に基づいて車両に対するリスクを判定する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。制御部20は、周辺車両との相対速度を算出する。例えば、撮影周期の数周期前に撮影された画像と最新の画像において、同一の周辺車両を認識し、認識した周辺車両の移動量を特定する。そして、制御部20は、これらの画像が撮影された時間間隔と、周辺車両の移動量とから、周辺車両の車両Cに対する相対速度を算出する。なお、周辺車両との車車間通信や、路車間通信等により、周辺車両の速度を取得し、車両Cとの相対速度を算出してもよい。
【0032】
周辺車両判別部21cの判定結果が先行車両である場合、制御部20は、先行車両である周辺車両が車両Cに接近する相対速度が予め決められた閾値以上である場合に、追突リスク有りと判定し、閾値未満である場合にリスク無しと判定する。追突リスク有りの場合、例えば、制御部20は、周辺車両が車両Cに接近する相対速度が閾値未満となるような推奨速度(≦法定速度)を示す情報をユーザI/F部44に出力させ、利用者に減速を促す。
【0033】
なお、周辺車両の検出精度が基準より低い場合、制御部20は、走行道路情報に基づいて、周辺車両は走行道路を法定速度で走行していると見なしてリスクを判定する。例えば、路面の凹凸などによりカメラ40が撮影した画像内の周辺車両の位置が短期間に変化を繰り返す場合や、画像認識処理によって周辺車両のバウンディングボックスに対応付けられた信頼度が既定値より低い場合に、制御部20は周辺車両の検出精度が基準より低いと見なすことができる。このような場合、画像から取得した相対速度も信頼度が低いと考えられる。そのため、カメラ40が撮影した画像から走行道路の速度制限標識を検出した場合、制御部20は、速度制限標識が示す速度で周辺車両が走行していると見なす。速度制限標識を検出できなかった場合、制御部20は周辺車両が走行道路を法定速度(標識等で指定がない場合の制限速度)で走行していると見なす。法定速度は走行道路の道路種別等に応じて取得可能である。なお速度制限標識が示す制限速度も広義の意味の法定速度に含まれる。そして、制御部20は車速センサ42から取得した車両Cの車速と周辺車両の見なし車速とから、相対速度を算出し、車両Cの推奨速度を算出する。
【0034】
周辺車両判別部21cによる判定結果が対向車両である場合、制御部20は車両Cと周辺車両との間の道路区間の車道幅員に応じてすれ違い時の接触リスクを判定し、推奨速度(≦走行道路の法定速度)を算出する。すなわち車道幅員が狭いほど、小さい速度をすれ違い時の車両Cの推奨速度とする。あるいは、制御部20は、車両Cと周辺車両の車幅に応じて接触リスクを判定し、すれ違い時の車両Cの推奨速度を算出してもよい。具体的には例えば、制御部20は、車幅に応じて区分し、記録媒体30に予め記録されている車両Cの車種等に基づいて車両Cの車幅区分を取得する。また、制御部20は、画像認識処理の結果から周辺車両の車幅区分を取得する。制御部20は、両者の車幅区分の組み合わせから、すれ違い時の両者の間隔が狭くなる組み合わせに対応する、すれ違い時の車両Cの推奨速度を取得する。例えば、区分が大小2区分であれば、両者の組み合わせが大大の場合の推奨速度<大小の場合の推奨速度<小小の場合の推奨速度とする。このようにして算出した推奨速度を、制御部20はユーザI/F部44から出力し利用者に案内する。なお、例えば車幅区分の組み合わせが小小の場合は接触リスクが他の組み合わせと比較して低いと見なし、推奨速度の案内は実施しない構成を採用してもよい。また、車道幅員と、両車両の車幅の組み合わせとに応じて接触リスクが判定されてよい。
なお、制御部20は、路外車両と判別された周辺車両は、リスクなしと見なす。
【0035】
(2)周辺車両判別処理:
次に、制御部20が実行する周辺車両判別処理を、
図3を参照しながら説明する。制御部20は、カメラ40による撮影周期毎に、周辺車両判別処理を実行する。周辺車両判別処理が開始されると、制御部20は、検出部21bの処理により、周辺車両を検出する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、カメラ40で撮影された画像を対象とする画像認識処理を実行し、撮影された画像内に車両の特徴を示す画像が含まれている場合、周辺車両の画像を囲むバウンディングボックスの対角2頂点の座標を取得する。また、制御部20は、バウンディングボックス内の周辺車両の種別と信頼度を取得する。さらに、制御部20は、バウンディングボックスBの対角2頂点の座標から代表座標Boを算出する。そして、画像I内の各座標と、自車両を基準とした相対方位との対応関係に基づいて、制御部20は、バウンディングボックスBの代表座標Boに写る周辺車両の相対方位θを取得する。また、制御部20は、バウンディングボックスBの対角2頂点の座標から、バウンディングボックスBの高さhを算出する。また制御部20は、バウンディングボックスB内の車両の種別を取得する。そして、バウンディングボックスの高さを示す画素数と、当該バウンディングボックス内の車両との直線距離との対応関係であって、車両の種別に応じた対応関係に基づいて、制御部20は、バウンディングボックスBの高さhに対応する直線距離Dを算出する。
【0036】
続いて、制御部20は、走行道路情報取得部21aの機能により、走行道路情報を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号と地図情報に基づいて、地図の座標系における車両Cの現在位置を取得する。制御部20は、車両Cが走行中の走行区間と前方区間を特定し、走行区間と前方区間を含む走行道路を示す走行道路情報を取得する。
【0037】
続いて、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両が位置する道路は中央線のある道路であるか否かを判定する(ステップS110)。制御部20は、ステップS100で検出した周辺車両の相対方位θと直線距離Dに基づいて、ステップS105で特定した走行道路上の周辺車両が位置する区間を特定する。そして、制御部20は、走行道路情報を参照し周辺車両が位置する区間に中央線が存在するか否かを判定する。なお、周辺車両が画像内に複数存在する場合、周辺車両毎にステップS110以降の処理が実施されてよい。また、周辺車両が走行道路上に位置しない(例えば交差道路上に位置する等)場合、当該周辺車両についてはステップS110以降の処理が実施されなくてよい。
【0038】
ステップS110において、中央線のある道路であると判定された場合、制御部20は、検出部21bの機能により、左右の線を検出する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、画像認識処理により画像から、車両Cが走行する車線を区画する両側の線を検出する。
【0039】
続いて、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両は左右の線の範囲内であるか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、周辺車両を囲むバウンディングボックスが、車両Cが走行する車線の内側に存在しているか否かを判定する。
【0040】
ステップS120において、周辺車両は左右の線の範囲内であると判定されなかった場合、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両は先行車両ではないと判別する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、周辺車両は路外車両や、対向車線を走行する対向車両等であると見なす。続いて、制御部20は、リスク判定部21dの機能により、当該周辺車両に対する走行リスク無しと見なす(ステップS130)。
【0041】
ステップS120において、周辺車両が左右の線の範囲内であると判定された場合、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両を先行車両であると判別する(ステップS135)。続いて、制御部20は、リスク判定部21dの機能により、先行車両との走行リスクを判定する(ステップS140)。すなわち制御部20は、周辺車両との相対速度を算出し、相対速度が閾値以上の場合に追突リスク有りと見なし、推奨速度を案内する。
【0042】
ステップS110において、中央線のある道路であると判定されなかった場合、制御部20は、検出部21bの機能により、左側外側線を検出する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、画像認識処理により画像から、周辺車両が走行する区間における左側外側線を検出する。
【0043】
続いて、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両は左側外側線から基準距離の範囲内であるか否かを判定する(ステップS150)。制御部20は、走行道路情報を参照し、周辺車両が位置する区間の車道幅員を取得する。制御部20は、車道幅員に応じて基準距離を設定する。制御部20は、周辺車両のバウンディングボックスBの下辺の延長線と左側外側線との交点Pを算出し、当該交点PとバウンディングボックスBの下辺の中点B1との距離d1を算出する。制御部20は、距離d1が基準距離Tの範囲内であるか否かを判定する。
【0044】
ステップS150において、周辺車両が左側外側線から基準距離の範囲内であると判定された場合、制御部20は、ステップS135、S140を実行する。ステップS150において、周辺車両が左側外側線から基準距離の範囲内であると判定されなかった場合、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両は対向車線側にあるか否かを判定する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、左側外側線の右側に周辺車両が位置するか否かを判定する。
【0045】
ステップS155において、対向車線側であると判定された場合、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両を対向車両であると判別し(ステップS160)。続いて、制御部20は、リスク判定部21dの機能により、対向車両との走行リスクを判定する(ステップS165)。すなわち、制御部20は、車両Cと周辺車両との間の区間の車道幅員や両車両の車幅に応じてすれ違い時の接触リスクを判定し、推奨車速を算出して案内する。
【0046】
ステップS155において、対向車線側であると判定されなかった場合、制御部20は、周辺車両判別部21cの機能により、周辺車両は道路外の車両であると判別する(ステップS170)。続いて、制御部20は、リスク判定部21dの機能により、当該車両に対する走行リスク無しと見なす(ステップS175)。
【0047】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、周辺車両判別システムは、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバや、ナビゲーション装置内の制御部とユーザI/F部内の制御部等)によって実現されるシステムであっても良い。周辺車両判別システムを構成する走行道路情報取得部21a、検出部21b、周辺車両判別部21c、リスク判定部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0048】
例えば、リスク判定部21dが省略され、周辺車両の判別結果に基づいて、先行車両や対向車両の存在を単に利用者に報知する構成を採用してもよい。また例えば、道路区間毎に対向車両の台数をカウントし、台数をサーバに送信する構成を採用してもよい。サーバでは台数に基づいて当該道路区間の対向側の渋滞情報を生成し配信するように構成されてもよい。
【0049】
走行道路情報取得部は、車両が走行する走行道路を示す走行道路情報を地図情報から取得することができればよい。走行道路は、車両が走行中の走行区間と、当該走行区間のさらに前方において走行区間に続く前方区間を含む構成を採用してよい。前方区間は、走行区間に接続する接続区間のうち走行区間と属性が共通する区間である構成を採用してよい。ここで、属性としては例えば、車道幅員、幅員区分、車線数、道路種別、等を想定してよい。また、前方区間は、走行区間を基準とした直進方向に最も近い区間であってもよいし、車両の走行履歴に基づいて走行区間から進行した走行回数が最も多い区間であってもよい。
【0050】
また、車両の前方の交差点に設置された信号機において、接続区間から走行区間に進行可能な現示がなされ、且つ、走行区間から接続区間に進行可能な現示がなされている場合、当該接続区間を前方区間とする構成を採用してもよい。すなわち、前方の交差点にて走行区間と接続する接続区間のうち、信号機の現示によっていずれかの接続区間と走行区間とが互いに対面通行可能な関係にある場合に、当該接続区間上の周辺車両を判別の対象とする構成を採用してもよい。
図4は、車両Cの前方の交差点に接続する接続区間の一例を示す模式図である。リンクL0は車両Cが走行中の走行区間であり、リンクL1,L2,L3が前方の交差点に接続する接続区間である。信号機S0はリンクL0から交差点に進行する車両が従う信号であり、信号機S1はリンクL1から交差点に進行する車両が従う信号機である。信号機S2はリンクL2から交差点に進行する車両が従う信号であり、信号機S3はリンクL3から交差点に進行する車両が従う信号である。
【0051】
例えば、信号機S0が進行可能なことを示す現示である場合、信号機S1も進行可能なことを示す現示となる交差点を想定する。さらに、この交差点において、車両CはリンクL1、L2、L3に進行可能である場合、リンクL1の車両はリンクL0、L2、L3に進行可能である。さらに、この場合において、信号機S2と信号機S3は進行不可なことを示す現示となることが想定されている。従って、この現示において、リンクL2の車両やリンクL3の車両は交差点に進入することができない。リンクL0上の車両CとリンクL1上の車両は互いに対面通行可能な関係であるが、例えばL0上の車両CとリンクL2上の車両は互いに対面通行可能な関係ではない。制御部20は、前方の信号機の変化周期を示す情報を例えば路車間通信等によって取得し、車両Cが走行中の走行区間と互いに対面通行可能となる区間を特定し、当該区間を前方区間と扱う。このように前方区間として扱う接続区間を選択することにより、五叉路以上の複雑な交差点においても適切に前方区間を選択可能である。なお、信号機の変化周期は、カメラ40が撮影した画像を対象とした画像認識処理によって取得してもよい。[0]
【0052】
検出部は、車両の前方に存在する周辺車両と、走行道路の外側線のうちの車両の通行側として定められている方の外側線(通行側外側線)と、を検出することができればよい。例えば、カメラの他にも、LiDAR、レーダ等を用いて周辺車両を検出する構成を採用可能である。
【0053】
周辺車両判別部は、走行道路情報に基づいて、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路であると判定される場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、当該距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別することができればよい。例えば、基準距離は、車両の前方の画像から取得した走行道路の幅に基づいて設定されてもよい。
【0054】
また、周辺車両の判別は、車両の前方で交差する交差道路の規模と同じか又は交差道路より規模が大きい(交通量が多いことが想定される)道路を車両が走行している場合に、行われる構成を採用してもよい。すなわち、車両の前方で交差する交差道路の規模より小さい(交通量が少ないことが想定される)道路を車両が走行している場合に、車両において周辺車両の判別は行われなくても良い。例えば車両が細街路を走行しており、車両の前方の交差点で幹線道路と交差している(直進方向は細街路)場合、当該交差点よりさらに前方の前方区間における周辺車両よりも、幹線道路を走行する周辺車両の車両に対するリスクを判定することを優先する構成を採用してもよい。
【0055】
リスク判定部は、周辺車両の判別結果に基づいて車両に対するリスクを判定することができればよい。リスク判定の結果を、次のように利用してもよい。例えばリスクに応じた車両制御が行われてもよい。車両制御を行うためには、例えば、
図1に示す構成に対して、車両内の制御対象を制御するためのインタフェースを追加し、制御部20からの制御指示に応じて制御対象を制御できるように構成される。そして、制御部20が、例えば、リスクを低減させるように車両制御を行う。リスクを低減させるための車両制御は、種々の態様で実現されて良く、例えば、リスクが基準を超える場合にはブレーキやシフトを制御して車両を減速させる構成や、ステアリングを制御して進行方向を変更させる構成等が挙げられる。
【0056】
さらに、本発明のように、走行道路が中央線の存在しない対面通行道路である場合、走行道路の内側において通行側外側線から周辺車両までの距離が基準距離以下である周辺車両を先行車両と判別し、当該距離が基準距離より大きい周辺車両を対向車両と判別する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0057】
10…周辺車両判別システム、20…制御部、21…周辺車両判別プログラム、21a…走行道路情報取得部、21b…検出部、21c…周辺車両判別部、21d…リスク判定部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…カメラ、41…GNSS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部、101…左側外側線、B…バウンディングボックス、Bo…代表座標、C…車両、I…画像、P…交点、S0~S4…信号機、T…基準距離