IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社レクザムの特許一覧

特開2022-75260レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置
<>
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図1
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図2
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図3
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図4
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図5
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図6
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図7
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図8
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図9
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図10
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図11
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図12
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図13
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図14
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図15
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図16
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図17
  • 特開-レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075260
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/02 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
G01M11/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185940
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】390000594
【氏名又は名称】株式会社レクザム
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】小出 珠貴
【テーマコード(参考)】
2G086
【Fターム(参考)】
2G086HH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ズレなく眼鏡レンズに印点を打つことが可能なレンズ光学特性測定装置を提供する。
【解決手段】レンズ光学特性測定装置の印点機構部は、印点装置203、アーム202、及び印点装置移動部201を含み、アーム202の一端に印点装置203が装着され、アーム202の他端に印点装置移動部201が連結しており、印点装置203は、印点ペン2032を含み、印点装置移動部201は、アーム202を移動させることにより、印点装置203を移動し、印点時において、印点ペン2032が測定エリアの光軸上に位置するように印点装置203を移動し、かつ、レンズをX方向及びY方向の少なくとも一方の方向に移動させてレンズの印点箇所を光軸上に位置させ、Z方向において印点装置203及び/又はレンズを光軸上で移動させ、レンズの印点箇所と印点ペン2032のペン先とを接触させて印点する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力部、光学系、レンズ保持部、レンズ位置移動部、印点機構部、測定制御部、測定演算部、及び、出力部、を含み、
前記操作入力部は、測定内容を含む操作情報を前記測定制御部に入力可能であり、
前記光学系は、光照射部及び受光部を含み、
前記光照射部は、測定対象のレンズに光を照射し、
前記受光部は、前記光を照射された前記レンズから出射された測定光を受光し、
前記光照射部と前記受光部との間に測定エリア及び光照射による光軸が形成され、
前記レンズは、眼鏡レンズであり、
前記レンズは、加工前のレンズ、加工後のレンズ、又は、加工後で眼鏡の枠に設置されたレンズであり、
前記レンズ保持部は、前記レンズを保持し、
前記レンズ位置移動部は、前記レンズ保持部に連結して前記レンズの位置を、X軸方向、及び、Y軸方向に移動可能であり、
前記X軸方向及び前記Y軸方向は、同一面で互いに直交し、かつ、前記光軸方向と直交する方向であり、
前記印点機構部は、印点装置、アーム、及び印点装置移動部を含み、
前記アームの一端に前記印点装置が装着され、前記アームの他端に前記印点装置移動部が連結しており、
前記印点装置は、印点ペンを含み、前記印点ペンは、前記レンズに印点を施すことが可能であり、前記印点ペンは、一本であり、
前記印点装置移動部は、アームを移動させることにより、前記印点装置を、Z軸方向を含む方向に移動可能であり、
前記Z軸方向は、前記光軸と平行な方向であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部による前記レンズの位置移動、及び、前記印点装置移動部による前記印点装置の移動を制御可能であり、
前記測定演算部は、前記受光部で受光した光信号に基づきレンズ光学特性を演算可能であり、
前記出力部は、前記レンズ光学特性を出力可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズへの印点時には、前記印点装置を、前記測定エリア内に移動させ、前記レンズの光学特性測定時には、前記印点装置を、前記測定エリア外に移動させ、
前記印点時において、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点ペンが前記測定エリアの前記光軸上に位置するように前記印点装置を移動可能であり、かつ、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記レンズをX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方の方向に移動させて前記レンズの印点を打つ印点箇所を前記光軸上に位置させることが可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズの前記印点箇所に前記印点ペンのペン先を接触させて印点することが可能である、
レンズ光学特性測定装置。
【請求項2】
操作入力部、光学系、レンズ保持部、レンズ位置移動部、印点機構部、測定制御部、測定演算部、及び、出力部、を含み、
前記操作入力部は、測定内容を含む操作情報を前記測定制御部に入力可能であり、
前記光学系は、光照射部及び受光部を含み、
前記光照射部は、測定対象のレンズに光を照射し、
前記受光部は、前記光を照射された前記レンズから出射された測定光を受光し、
前記光照射部と前記受光部との間に測定エリア及び光照射による光軸が形成され、
前記レンズは、眼鏡レンズであり、
前記レンズは、加工前のレンズ、加工後のレンズ、又は、加工後で眼鏡の枠に設置されたレンズであり、
前記レンズ保持部は、前記レンズを保持し、
前記レンズ位置移動部は、前記レンズ保持部に連結して前記レンズの位置を、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能であり、
前記X軸方向及び前記Y軸方向は、同一面で互いに直交し、かつ、前記光軸方向と直交する方向であり、
前記Z軸方向は、前記光軸と平行な方向であり、
前記印点機構部は、印点装置、アーム、及び印点装置移動部を含み、
前記アームの一端に前記印点装置が装着され、前記アームの他端に前記印点装置移動部が連結しており、
前記印点装置は、印点ペンを含み、前記印点ペンは、前記レンズに印点を施すことが可能であり、
前記印点装置移動部は、アームを移動させることにより、前記印点装置を移動可能であり
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部による前記レンズの位置移動、及び、前記印点装置移動部による前記印点装置の移動を制御可能であり、
前記測定演算部は、前記受光部で受光した光信号に基づきレンズ光学特性を演算可能であり、
前記出力部は、前記レンズ光学特性を出力可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズへの印点時には、前記印点装置を、前記測定エリア内に移動させ、前記レンズの光学特性測定時には、前記印点装置を、前記測定エリア外に移動させ、
前記印点時において、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点ペンが前記測定エリアの前記光軸上に位置するように前記印点装置を移動可能であり、かつ、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記レンズをX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方の方向に移動させて前記レンズの印点を打つ印点箇所を前記光軸上に位置させることが可能であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御し、Z軸方向において前記レンズを前記光軸上の前記印点ペン側に移動させ、前記レンズの印点箇所と前記印点ペンのペン先とを接触させて印点することが可能である、
レンズ光学特性測定装置。
【請求項3】
前記レンズは、光学中心の印点箇所及び前記光学中心を通る直線上に並ぶ二つの印点箇所を有し、
前記印点装置は、3つのペン先を含み、
前記3つのペン先は、前記光学中心の印点箇所及び前記二つの印点箇所に対応するように、直線状に並んだ状態で配置され、真ん中の前記ペン先は、前記光学中心の印点箇所に対応し、両側の二つのペン先は、前記二つの印点箇所に対応し、
前記印点装置移動部は、前記3つのペン先を、真ん中のペン先を回転軸として回転可能であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記X軸方向及び前記Y軸方向の少なくとも一つの方向に前記レンズを移動させて前記レンズの光学中心を前記光軸上に配置可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点装置の真ん中のペン先を前記光軸上に配置可能であり、かつ、前記3つのペン先を回転させて、前記両側のペン先を結ぶ直線の傾きを、前記レンズの前記二カ所の印点箇所を結ぶ直線の傾きに合わせることが可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部及び前記レンズ位置移動部の少なくとも一方を制御することにより、前記印点装置の前記光軸上のレンズ側への移動、及び、前記レンズの前記光軸上の前記印点ペン側への移動の少なくとも一方の移動を実施し、前記3つのペン先を前記レンズの3つの印点箇所に接触可能である、
請求項2記載のレンズ光学特性測定装置。
【請求項4】
前記印点装置移動部は、前記Z軸方向と平行な回動軸を有し、
前記印点装置移動部は、前記回動軸を中心軸とした円周上で前記アームの一端に装着された前記印点装置を回動可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ光学特性測定装置。
【請求項5】
前記印点装置移動部は、前記アームを直線上で前後に移動可能であり、前記アームの前記直線上での前後の移動により、前記印点装置が前記直線上で前後に移動可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ光学特性測定装置。
【請求項6】
前記レンズの印点箇所が複数あり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記一つの印点箇所への印点の終了後、前記レンズを前記X軸方向及び前記Y軸方向の少なくとも一つの方向に移動させて前記レンズの別の印点箇所を前記光軸上に位置させ、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部及び前記印点装置移動部の少なくとも一方を制御することにより、
前記印点ペンの前記ペン先と前記レンズの別の前記印点箇所を接触させて印点する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズ光学特性測定装置。
【請求項7】
前記印点装置は、さらに収容容器、及び、2つ以上のバネ部材を含み、
前記印点ペンは、前記ペン先を外部に出した状態で、前記収容容器に進退自在に収容されており、
前記2つ以上のバネ部材により、前記ペン先が前記レンズの前記印点箇所に接触した時に、前記ペン先が前記レンズ側の方向に付勢されており、
前記2つ以上のバネ部材は、前記進退方向に沿って直列状に配置され、
前記2つ以上のバネの圧縮した場合のバネ定数は、前記進退方向において隣り合う前記バネにおいて、前記レンズ側に位置するバネの方が大きい、
請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ光学特性測定装置。
【請求項8】
印点ペン、収容容器、及び、2つ以上のバネ部材を含み、
前記印点ペンは、ペン先を外部に出した状態で、前記収容容器に進退自在に収容されており、
前記2つ以上のバネ部材により、前記ペン先が前記レンズの前記印点箇所に接触した時に、前記ペン先が前記レンズ側の方向に付勢されており、
前記2つ以上のバネ部材は、前記進退方向に沿って直列状に配置され、
前記2つ以上のバネの圧縮した場合のバネ定数は、前記進退方向において隣り合う前記バネにおいて、前記レンズ側に位置するバネの方が大きい、
印点装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ光学特性測定装置、及び、印点装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡店では、レンズメータと通称される眼鏡レンズの屈折度数等の光学特性を測定するレンズ光学特性装置が使用されている。レンズの光学特性を測定する際に、測定箇所を明確にするために、レンズに印点を打つ(施す)ことが一般的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-199303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンズに印点を打つ場合、手動でレンズをノーズピースや支持ピンの上に載せて、印点ペンを使って印点を打つことが一般的である。しかし、レンズをノーズピースや支持ピンに載せて印点を打つ場合、レンズ又は印点ペンがズレて正確に印点を打つことができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、レンズに正確に印点を打つことが可能なレンズ光学特性測定装置及び印点装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の第1のレンズ光学特性測定装置(請求項1)は、
操作入力部、光学系、レンズ保持部、レンズ位置移動部、印点機構部、測定制御部、測定演算部、及び、出力部、を含み、
前記操作入力部は、測定内容を含む操作情報を前記測定制御部に入力可能であり、
前記光学系は、光照射部及び受光部を含み、
前記光照射部は、測定対象のレンズに光を照射し、
前記受光部は、前記光を照射された前記レンズから出射された測定光を受光し、
前記光照射部と前記受光部との間に測定エリア及び光照射による光軸が形成され、
前記レンズは、眼鏡レンズであり、
前記レンズは、加工前のレンズ、加工後のレンズ、又は、加工後で眼鏡の枠に設置されたレンズであり、
前記レンズ保持部は、前記レンズを保持し、
前記レンズ位置移動部は、前記レンズ保持部に連結して前記レンズの位置を、X軸方向、及び、Y軸方向に移動可能であり、
前記X軸方向及び前記Y軸方向は、同一面で互いに直交し、かつ、前記光軸方向と直交する方向であり、
前記印点機構部は、印点装置、アーム、及び印点装置移動部を含み、
前記アームの一端に前記印点装置が装着され、前記アームの他端に前記印点装置移動部が連結しており、
前記印点装置は、印点ペンを含み、前記印点ペンは、前記レンズに印点を施すことが可能であり、前記印点ペンは、一本であり、
前記印点装置移動部は、アームを移動させることにより、前記印点装置を、Z軸方向を含む方向に移動可能であり、
前記Z軸方向は、前記光軸と平行な方向であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部による前記レンズの位置移動、及び、前記印点装置移動部による前記印点装置の移動を制御可能であり、
前記測定演算部は、前記受光部で受光した光信号に基づきレンズ光学特性を演算可能であり、
前記出力部は、前記レンズ光学特性を出力可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズへの印点時には、前記印点装置を、前記測定エリア内に移動させ、前記レンズの光学特性測定時には、前記印点装置を、前記測定エリア外に移動させ、
前記印点時において、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点ペンが前記測定エリアの前記光軸上に位置するように前記印点装置を移動可能であり、かつ、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記レンズをX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方の方向に移動させて前記レンズの印点を打つ印点箇所を前記光軸上に位置させることが可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズの前記印点箇所に前記印点ペンのペン先を接触させて印点することが可能である、
装置である。
【0007】
本発明の第2のレンズ光学特性測定装置(請求項2)は、
操作入力部、光学系、レンズ保持部、レンズ位置移動部、印点機構部、測定制御部、測定演算部、及び、出力部、を含み、
前記操作入力部は、測定内容を含む操作情報を前記測定制御部に入力可能であり、
前記光学系は、光照射部及び受光部を含み、
前記光照射部は、測定対象のレンズに光を照射し、
前記受光部は、前記光を照射された前記レンズから出射された測定光を受光し、
前記光照射部と前記受光部との間に測定エリア及び光照射による光軸が形成され、
前記レンズは、眼鏡レンズであり、
前記レンズは、加工前のレンズ、加工後のレンズ、又は、加工後で眼鏡の枠に設置されたレンズであり、
前記レンズ保持部は、前記レンズを保持し、
前記レンズ位置移動部は、前記レンズ保持部に連結して前記レンズの位置を、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能であり、
前記X軸方向及び前記Y軸方向は、同一面で互いに直交し、かつ、前記光軸方向と直交する方向であり、
前記Z軸方向は、前記光軸と平行な方向であり、
前記印点機構部は、印点装置、アーム、及び印点装置移動部を含み、
前記アームの一端に前記印点装置が装着され、前記アームの他端に前記印点装置移動部が連結しており、
前記印点装置は、印点ペンを含み、前記印点ペンは、前記レンズに印点を施すことが可能であり、
前記印点装置移動部は、アームを移動させることにより、前記印点装置を移動可能であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部による前記レンズの位置移動、及び、前記印点装置移動部による前記印点装置の移動を制御可能であり、
前記測定演算部は、前記受光部で受光した光信号に基づきレンズ光学特性を演算可能であり、
前記出力部は、前記レンズ光学特性を出力可能であり、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記レンズへの印点時には、前記印点装置を、前記測定エリア内に移動させ、前記レンズの光学特性測定時には、前記印点装置を、前記測定エリア外に移動させ、
前記印点時において、
前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点ペンが前記測定エリアの前記光軸上に位置するように前記印点装置を移動可能であり、かつ、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記レンズをX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方の方向に移動させて前記レンズの印点を打つ印点箇所を前記光軸上に位置させることが可能であり、
前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御し、Z軸方向において前記レンズを前記光軸上の前記印点ペン側に移動させ、前記レンズの印点箇所と前記印点ペンのペン先とを接触させて印点することが可能である、
装置である。
【0008】
本発明の印点装置は、
印点ペン、収容容器、及び、2つ以上のバネ部材を含み、
前記印点ペンは、ペン先を外部に出した状態で、前記収容容器に進退自在に収容されており、
前記2つ以上のバネ部材により、前記ペン先が前記レンズの前記印点箇所に接触した時に、前記ペン先が前記レンズ側の方向に付勢されており、
前記2つ以上のバネ部材は、前記進退方向に沿って直列状に配置され、
前記2つ以上のバネの圧縮した場合のバネ定数は、前記進退方向において隣り合う前記バネにおいて、前記レンズ側に位置するバネの方が大きい、
装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1のレンズ光学特性測定装置は、レンズをレンズ保持部で保持してX軸方向及び又はY軸方向にレンズを移動させて印点箇所を位置決めし、印点装置を光軸方向(Z軸方向)に移動させて印点を打つ。また、本発明の第2のレンズ光学特性測定装置は、レンズをレンズ保持部で保持して光軸方向(Z軸方向)に動かすことにより印点を打つ。このため、本発明の第1及び第2のレンズ光学特性測定装置によれば、印点時のレンズのズレを防ぐことができ、その結果、正確に印点を打つことが可能となる。また、本発明の印点装置では、前記2つ以上のバネの圧縮した場合のバネ定数は、前記進退方向において隣り合う前記バネにおいて、前記レンズ側に位置するバネの方が大きいため、印点ペンをレンズに押し込んでも、レンズに対するバネ圧力がレンズのスライド量(距離)と比例して大きくなることがなく、印点ペンのレンズ上でのズレを防ぐことができ、その結果、正確に印点を打つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図12図12は、眼鏡レンズの構成の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図16図16は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図17図17は、本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図18図18は、ペン先の変異量と押し荷重の関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
【0012】
本発明の第2のレンズ光学特性測定装置において、前記レンズは、光学中心の印点箇所及び前記光学中心を通る直線上に並ぶ二つの印点箇所を有し、前記印点装置は、3つのペン先を含み、前記3つのペン先は、前記光学中心の印点箇所及び前記二つの印点箇所に対応するように、直線状に並んだ状態で配置され、真ん中の前記ペン先は、前記光学中心の印点箇所に対応し、両側の二つのペン先は、前記二つの印点箇所に対応し、前記印点装置移動部は、前記3つのペン先を、真ん中のペン先を回転軸として回転可能であり、前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記X軸方向及び前記Y軸方向の少なくとも一つの方向に前記レンズを移動させて前記レンズの光学中心を前記光軸上に配置可能であり、前記測定制御部は、前記印点装置移動部を制御することにより、前記印点装置の真ん中のペン先を前記光軸上に配置可能であり、かつ、前記3つのペン先を回転させて、前記両側のペン先を結ぶ直線の傾きを、前記レンズの前記二カ所の印点箇所を結ぶ直線の傾きに合わせることが可能であり、前記測定制御部は、前記印点装置移動部及び前記レンズ位置移動部の少なくとも一方を制御することにより、前記印点装置の前記光軸上のレンズ側への移動、及び、前記レンズの前記光軸上の前記印点ペン側への移動の少なくとも一方の移動を実施し、前記3つのペン先を前記レンズの3つの印点箇所に接触可能である、という態様であてもよい。本態様において、前記レンズの前記二つの印点箇所は、前記光学中心の印点箇所を中心として等間隔で配置され、前記3つのペン先は、前記光学中心の印点箇所及び前記二つの印点箇所に対応するように、直線状に並んだ状態で等間隔に配置されていてもよい。
【0013】
本発明の第1及び第2のレンズ光学特性測定装置において、前記印点装置移動部は、前記Z軸方向と平行な回動軸を有し、前記印点装置移動部は、前記回動軸を中心軸とした円周上で前記アームの一端に装着された前記印点装置を回動可能である、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の第1及び第2のレンズ光学特性測定装置において、前記印点装置移動部は、前記アームを直線上で前後に移動可能であり、前記アームの前記直線上での前後の移動により、前記印点装置が前記直線上で前後に移動可能である、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の第1及び第2のレンズ光学特性測定装置において、前記レンズの印点箇所が複数あり、前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部を制御することにより、前記一つの印点箇所への印点の終了後、前記レンズを前記X軸方向及び前記Y軸方向の少なくとも一つの方向に移動させて前記レンズの別の印点箇所を前記光軸上に位置させ、前記測定制御部は、前記レンズ位置移動部及び前記印点装置移動部の少なくとも一方を制御することにより、前記印点ペンの前記ペン先と前記レンズの別の前記印点箇所を接触させて印点する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明において、例えば、前記レンズは、累進レンズであり、前記印点箇所は、光学中心、及び、二つのアライメントマークに対応する印点箇所であるか、又は、前記レンズは、単焦点レンズであり、前記印点箇所は、光学中心、及び、乱視軸を示す二つの点である。
【0017】
本発明の第1及び第2のレンズ光学特性測定装置において、前記印点装置は、さらに収容容器、及び、2つ以上のバネ部材を含み、前記印点ペンは、前記ペン先を外部に出した状態で、前記収容容器に進退自在に収容されており、前記2つ以上のバネ部材により、前記ペン先が前記レンズの前記印点箇所に接触した時に、前記ペン先が前記レンズ側の方向に付勢されており、前記2つ以上のバネ部材は、前記進退方向に沿って直列状に配置され、前記2つ以上のバネの圧縮した場合のバネ定数は、前記進退方向において隣り合う前記バネにおいて、前記レンズ側に位置するバネの方が大きい、という態様であってもよい。
【0018】
本発明において、「対応する印点箇所」は、正確に対応する位置の印点箇所、及び、所定量位置ずれした位置に対応する印点箇所の双方を含む。例えば、二つのアライメントマークは、光学中心から17mm離れているが、印点箇所は、光学中心から17mm離れている箇所、光学中心から16mm離れている箇所、又は、光学中心から18mm離れている箇所等を含む。同様に、光学中心に対応する印点箇所は、正確に対応する位置の印点箇所、及び、所定量位置ずれした位置に対応する印点箇所を含む。
【0019】
本発明において、レンズ光学特性は特に制限されず、例えば、相対屈折率、絶対屈折率、アッベ数、プリズム屈折力、球面度数(S)、円柱度数(C)、乱視軸角度(A)、光線透過率、紫外線透過率、ブルーライト透過率、表裏面形状、中心厚み等がある。
【0020】
本発明において、前記眼鏡レンズは、加工前の玉レンズ、加工後のレンズ、フレームに装着したレンズのいずれであってもよい。
【0021】
本発明において、レンズの「表面」は、例えば、曲面であってもよいし、平面であってもよい。また、本発明において、前記レンズの後面は、眼鏡レンズの裏面ともいう。
【0022】
本発明において、アライメントマークは、レンズ内に刻印されたアライメントマークであってもよいし、レンズ内に刻印されたアライメントマークに対応する位置のレンズ表面に印刷されたアライメントマークであってもよい。
【0023】
本発明において、前記レンズの測定点は、例えば、アイポイント、光学中心点、遠点、遠点側方点(左右)、中間点、中間側方点(左右)、近点、近点側方点(左右)等がある。なお、近点の場合、眼鏡装用時においてあまり眼球を動かさないため、近点側方点(左右)は測定しなくてもよい。また、本発明において、遠点、中間点、近点の各側方点の数は、特に制限されず、1点、2点、3点、4点、5点、6点以上等のように複数点であってもよい。
【0024】
本発明のプログラムは、コンピュータに、本発明の測定方法の各工程を実行させるためのプログラムである。なお、本発明の測定方法において、「工程」は「手順」と読み換えることができる。本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0026】
[実施形態1]
図1(A)に、本実施形態のレンズ光学特性測定装置1の各部の構成を示す。図示のように、本装置1は、操作入力部11、測定制御部12、測定演算部13、記憶部14、出力部15、レンズ位置移動部16、光照射部17、レンズ保持部18、受光部19、及び、印点機構部20を備える。操作入力部11、測定制御部12、測定演算部13、及び、出力部15は、例えば、CPU又はGPU等の中央演算処理装置内で構成されている。レンズ保持部18は、測定対象のレンズを保持する。操作入力部11は、タッチパネル、マウス又はキーボード等の入力装置(図示せず)と接続されており、測定内容を含む操作情報を測定制御部12に入力する。測定制御部12は、入力された操作情報に基づき測定制御情報を生成し、光照射部17は、前記測定制御情報に基づいて光(図1(A)において上側の矢印)を、レンズ保持部18に保持されているレンズ(図示せず)に照射する。受光部19は、前記光を照射されたレンズから出射される測定光(図1(A)において下側の矢印)を受光して測定情報を生成し、測定演算部13は、前記測定情報に基づきレンズの光学特性情報を生成する。レンズの光学特性は、記憶部14に記憶され、出力部15により、前記光学特性情報を出力する。出力部15は、ディスプレー及びプリンター等の出力装置(図示せず)に接続され、前記光学特性情報は、ディスプレーに表示されたり、プリンターによって印刷されたりする。図1(B)に印点機構部20の構成を示す。同図に示すように、印点機構部20は、印点装置移動部201、アーム202、及び、印点装置203から構成されている。アーム202の一端に印点装置203が連結し、アーム202の他端に印点装置移動部201が連結している。印点装置203は、印点ペンを含む(図13参照)。
【0027】
記憶部14は、例えば、メモリである。メモリは、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリは、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。記憶装置は、例えば、記憶媒体と、記憶媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。なお、本発明において、記憶部14は、任意の構成要素であり、必須ではない。
【0028】
本装置1において、さらに通信デバイス(図示せず)を含み、通信デバイスにより、外部の通信回線網(ネットワーク)を介して、外部装置と通信してもよい。通信回線網としては、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等がある。通信デバイスによる通信は、有線でも無線でもよい。無線通信としては、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、等が挙げられる。無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよ
い。外部装置としては、例えば、サーバ、データベース、端末(パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、携帯電話等)、プリンター、ディスプレー等がある。
【0029】
レンズ位置移動部16は、レンズ保持部18に連結し、レンズ位置移動部16により、レンズ保持部18に保持されているレンズを、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Xθ方向、Yθ方向、及び、Zθ方向の6方向に移動可能である。なお、本発明のレンズ光学特性測定装置において、レンズの移動は、X軸及びY軸の2方向のみでもよいし、X軸、Y軸及びZ軸の3方向のみでもよいし、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びXθ方向、又は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びYθ方向の4方向のみでもよいし、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Xθ方向及びYθの5方向のみでもよい。本発明の第1のレンズ光学特性測定装置1においては、レンズ位置移動部16は、レンズを少なくともX軸方向及びY軸方向に移動可能である。本発明の第2のレンズ光学特性測定装置においては、レンズ位置移動部16は、レンズを少なくともX軸方向、Y軸及びZ軸方向に移動可能である。
【0030】
X軸方向及びY軸方向は、鉛直方向又は光軸方向と垂直な面で互いに直交する方向である。Z軸方向は、鉛直方向又は光軸方向である。Xθ方向は、Y軸方向及びZ軸方向が形成する面において、任意の位置のX軸を回転中心軸とする仮想円の円周方向である。Yθ方向は、X軸方向及びZ軸方向が形成する面において、任意の位置のY軸を回転中心軸とする仮想円の円周方向である。Zθ方向は、X軸方向及びY軸方向が形成する面において、任意の位置のZ軸を回転中心軸とする仮想円の円周方向である。
【0031】
[実施形態2]
次に、図2から図11に基づき、本発明のレンズ光学特性測定装置の構成の一例を説明する。
【0032】
図2に、本実施形態のレンズ光学特性測定装置の斜視図を示す。図示のように、本装置は、ディスプレー兼タッチパネル2、スタートスイッチ4、ケース本体5、プリンター6、レンズ保持部18、X軸スライダー16x1、アームカバー16xθ1を備える。3は、レンズ保持部18に保持された眼鏡である。レンズ保持部18は、鼻当て18aを含み、眼鏡3が保持されると眼鏡3の鼻当て部が、レンズ保持部18の鼻当て18aに当接して眼鏡3の鼻当て部が固定される。図示していないが、本装置は、さらに、操作入力部11、測定制御部12、測定演算部13、記憶部14、出力部15、レンズ位置移動部16、光照射部17、受光部19、及び、印点機構部20を含む。図3は、本装置の側面の断面図であり、光照射部17が示されている。操作入力部11及び出力部15は、ディスプレー兼タッチパネル2に接続されている。また、出力部15は、プリンター6とも接続している。アームカバー16xθ1は、レンズ位置移動部16の一部を構成するXθ方向移動のためのアーム等(後述)が格納されている。X軸スライダー16x1は、レンズ位置移動部16の一部を構成し、レンズ保持部18をX軸方向に移動させる。スタートスイッチ4により、本装置の光学特性の測定が開始できる。ケース本体5内には、本装置を構成する各種機構等が配置されている。
【0033】
本装置において、X軸方向は、装置正面(ディスプレー兼タッチパネル2が位置する面)において、左右方向であり、Y軸方向は、装置の前後方向であり、Z軸方向は、装置の高さ方向である。また、本装置において、Xθ方向は、装置側面において、レンズ下方に中心点を有する仮想円の円周方向(装置正面の前後方向に回転する方向、X軸を回転中心軸とする円周方向)であり、Yθ方向は、装置正面において、レンズ下方に中心点を有する仮想円の円周方向(装置正面の左右方向に回転する方向、Y軸を回転中心軸とする円周方向)であり、Zθ方向は、装置平面において、レンズの装置後方の外側に中心点を有する仮想円の円周方向(装置平面の円周方向、Z軸を回転中心軸とする円周方向)である。
【0034】
図4に、レンズ位置移動部16のX軸スライダー16x1を示す。X軸スライダー16x1は、レンズ保持部18をX軸方向に移動させる機構であり、X軸ギヤ16x2、X軸モータ16x3、及び、X軸ラック16x4を備える。X軸ラック16x4は、レンズ保持部18と連結しており、かつ、ギヤ部が形成され、このギヤ部がX軸ギヤ16x2とかみ合っている。X軸ギヤ16x2は、X軸モータ16x3のギヤともかみ合っている。X軸モータ16x3が回転することにより、X軸ギヤ16x2を介して、X軸ラック16x4に回転駆動力が伝達し、この回転駆動力により、X軸ラック16x4が、X軸方向に移動し、その結果、X軸ラック16x4に連結したレンズ保持部18がX軸方向に移動することになる。X軸モータ16x3は、測定制御部12の測定制御情報に基づき制御され、回転方向によりX軸の移動方向が制御でき、回転数により、X軸方向の移動距離が制御できる。また、X軸モータ16x3がステッピングモータの場合、ステップ数を制御することで、X軸方向の移動距離が制御できる。
【0035】
なお、図4に示すように、レンズ保持部18には、二本のワイヤー18bが、眼鏡3の左右の各レンズを支えるように張り渡されている。
【0036】
図5に、レンズ位置移動部16のY軸スライダーを示す。Y軸スライダーは、レンズ保持部18をY軸方向に移動させる機構であり、Y軸モータ16y1、及び、Y軸ラック16y2を備える。Y軸ラック16y2は、レンズ保持部18と連結しており、かつ、ギヤ部が形成され、このギヤ部がY軸モータ16y1のギヤと直接かみ合っている。Y軸モータ16y1が回転することにより、Y軸ラック16y2に回転駆動力が伝達し、この回転駆動力により、Y軸ラック16y2が、Y軸方向に移動し、その結果、Y軸ラック16y2に連結したレンズ保持部18がY軸方向に移動することになる。Y軸モータ16y1は、測定制御部12の測定制御情報に基づき制御され、回転方向によりY軸の移動方向が制御でき、回転数により、Y軸方向の移動距離が制御できる。また、Y軸モータ16y1がステッピングモータの場合、ステップ数を制御することで、Y軸方向の移動距離が制御できる。
【0037】
図6に、レンズ位置移動部16のZ軸スライダーを示す。Z軸スライダーは、レンズ保持部18をZ軸方向に移動させる機構であり、Z軸モータ16z1、Z軸ガイドピン16z2、及び、Z軸スクリュー16z3を備える。Z軸スクリュー16z3は、レンズ保持部18と連結している。Z軸スクリュー16z3は、凹凸のねじ溝構造を持つ。Z軸モータ16z1の回転軸は、Z軸スクリュー16z3と連結しており、Z軸モータ16z1が回転するとZ軸スクリュー16z3も回転し、ねじ溝構造により、ナットがZ軸方向に移動し、その結果、レンズ保持部18もZ軸方向に移動する。Z軸ガイドピン16z2は、レンズ保持部18のZ軸方向の移動がぶれないようにガイドするためのものである。Z軸モータ16z1は、測定制御部12の測定制御情報に基づき制御され、回転方向によりZ軸の移動方向が制御でき、回転数により、Z軸方向の移動距離が制御できる。また、Z軸モータ16z1がステッピングモータの場合、ステップ数を制御することで、Z軸方向の移動距離が制御できる。
【0038】
図7に、レンズ位置移動部16のXθ方向移動機構を示す。Xθ方向移動機構は、一対のアーム16xθ2、前記アーム16xθ2の上部に形成されたXθラック(ギヤ部)16xθ4、2つのXθギヤ16xθ3、及び、Xθモータ(図示せず)から構成されている。アーム16xθ2は、上方に張り出した円弧形状であり、レンズ保持部18に連結している。Xθラック(ギヤ部)16xθ4は、一方のギヤ16xθ3(図7において上側のギヤ)とかみ合っており、一方のXθギヤ16xθ3は他方のXθギヤ16xθ3とかみ合っており、他方のXθギヤ16xθ3は、Xθモータの回転軸に装着されたギア(図示せず)とかみ合っている。Xθモータが回転することにより、2つのXθギヤ16xθ3及びXθラック16xθ4を介して、一対のアーム16xθ2に回転駆動力が伝達し、この回転駆動力により、一対のアーム16xθ2が、Xθ方向に移動し、その結果、一対のアーム16xθ2に連結したレンズ保持部18がXθ方向に移動することになる。Xθモータは、測定制御部12の測定制御情報に基づき制御され、回転方向によりXθ方向の移動方向が制御でき、回転数により、Xθ方向の移動距離が制御できる。また、Xθモータがステッピングモータの場合、ステップ数を制御することで、Xθ方向の移動距離が制御できる。
【0039】
図8に、レンズ位置移動部16のYθ方向移動機構を示す。Yθ方向移動機構は、Yθアーム16yθ1、Yθギヤ16yθ2、Yθモータ16yθ3、及び、Yθラック16yθ4から構成されている。Yθアーム16yθ1の一端(図8において下方端)及びYθラック16yθ4の一端(図8において下方端)は連結し、両者は回転中心を同一として装置に回動自在に装着されている。Yθアーム16yθ1の他端(図8において上方端)は、レンズ保持部18と連結している。Yθラック16yθ4のギヤ部は、Yθギヤ16yθ2とかみ合っており、Yθギヤ16yθ2は、Yθモータ16yθ3の回転軸に装着されたギヤとかみ合っている。Yθモータ16yθ1が回転することにより、Yθギヤ16yθ2及びYθラック16yθ4を介して、Yθアーム16yθ1に回転駆動力が伝達し、この回転駆動力により、アーム16yθ1が、Yθ方向に移動し、その結果、Yθアーム16yθ1に連結したレンズ保持部18がYθ方向に移動することになる。Yθモータ16yθ3は、測定制御部12の測定制御情報に基づき制御され、回転方向によりYθ方向の移動方向が制御でき、回転数により、Yθ方向の移動距離が制御できる。また、Yθモータ16yθ3がステッピングモータの場合、ステップ数を制御することで、Yθ方向の移動距離が制御できる。
【0040】
本装置のX軸方向等の6方向の移動機構において、例えば、センサー(例えば、フォトインタラプター)により原点位置を検出し、ステッピングモータの累積ステップ数をリセットすることで、移動の際の繰り返しの位置精度を確保することができる。又は、エンコーダ付きステッピングモータを用いれば、モータで原点位置制御が可能である。
【0041】
図9に、本装置の光学系の構成を示す。本装置の光学系は、両側テレセントリック光学系であり、光照射部17及び受光部19から構成される。本装置において、光照射部17は、レンズ保持部18の下方に配置され、受光部19は、レンズ保持部18の上方に配置されている。光照射部17は、複数のLED(発光ダイオード)を搭載したLED基板17a、拡散板17b、及び、視標シート17cから構成されており、LED基板17aの上方に拡散板17bが配置され、拡散板17bの上面に視標シート17cが配置されている。受光部19は、コリメートレンズ19a、光学ミラー19b、及び、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)19cから構成されている。図9において、一点鎖線は、光軸を示す。図9に示すように、LED基板17aのLEDから出射された光(直線光)は、拡散板17bにより拡散され平行光となってレンズLeに照射され、レンズLeの測定される光学特性に応じた測定光が出射される。レンズLeから出射した測定光は、コリメートレンズ19aを通り、光学ミラー19bで反射されて、結像レンズ19dで平行光にされて、CMOS19cに入光し、CMOS19cで測定光の光信号が電気信号に変換される。視標シート17cは、例えば、周期的な市松模様と色の濃淡を重畳(例えば、SINカーブ)したものであり、レンズ有無のCMOS19c上の視標位置ずれにより、レンズの光学特性を測定するためのものである。
【0042】
本発明において、図9の光学系は例示であり、本発明を制限又は限定しない。本発明において、光照射部17の光源は、LEDでもよいし、通常のランプでもよい。また、光源は、波長の異なる複数の光源であってもよい。本発明において、受光部19の受光素子は、CMOSに限定されず、他の受光素子であってよい。
【0043】
図10及び図11に、レンズ保持部18の構成の一例を示す。図10は、レンズ保持部18の斜視図であり、図11(A)は、レンズ保持部18の平面図であり、同図(B)は、E-E方向断面図である。図10及び図11に示すように、レンズ保持部18は、略矩形の型枠18h、4本のアーム18f、4つのスライダー18e、4つのバネ18g、カバー18c、レンズ抑え18d、2つの同期シャフト18i、鼻当て18a、2本のワイヤー18bから構成されている。図10において、二つの矢印は、左右方向、及び、前後方向を示す。型枠18hは、左右方向及び前後方向を有し、型枠18h内において、4本のアーム18fが、前記型枠内の中心点を基準点として左右対称かつ前後対称の状態で配置されている。4本のアーム18fのうち2本の一対のアーム18fの各一端が型枠18hの左側端部に回動自在に配置され、4本のアーム18fのうち他の2本の一対のアーム18fの各一端が型枠18hの右側端部に回動自在に配置されている。型枠18hの各左右端部に配置された一対のアーム18fの一端には、それぞれギア部が形成されて、相互にかみ合っている。4本のアーム18fの各他端には、スライダー18eが左右方向移動(スライド)可能な状態で連結している。スライダー18eの型枠中心方向の端部にはレンズと当接するレンズ当接部が形成されている。また、スライダー18eの型枠18h左右方向の端部には、円筒状の摺動部18kが形成され、一対のアーム18fが同期するための同期シャフト18iの両端が摺動部18kに摺動可能なように挿入されている。また、型枠18hの4角のそれぞれにバネ18gが配置されて4つの各摺動部18kに付勢を付けた状態で当接している。スライダー18eのレンズ当接部の上方には、カバー18cが配置されている。型枠18hの前後方向において二本のワイヤー18bが張り渡されており、丸レンズLeを下方から支えている。型枠18hの左右方向中央部には、それぞれ二つのレンズ抑え18dが配置されており、丸レンズLeを上方向から押さえている。また、図11(B)に示すように、型枠18hの下部には、レンズ抑え18dに対向する状態でレンズ受18jが形成されている。なお、図10及び図11では、レンズ保持部18は丸レンズを保持しているため、鼻当て18aは起立状態になっている。
【0044】
図10及び図11のレンズ保持部18において、4本のアーム18fと4つのスライダー18eは、一対のアーム18f毎に形成されたギア部、及び、同期シャフト18iにより、左右対称かつ前後対称に同期して動き、4つのバネ18gにより、4つの各スライダー18eが付勢されているため、4つの各スライダーのレンズ当接部は、型枠18hの中心点に向かって圧力がかかるようになっている。このため、丸レンズLeは、自動的に型枠18hの中心点と丸レンズLeの中心点が同軸となる状態で(センタリング)、レンズ保持部18に保持される。
【0045】
[実施形態3]
図12に累進レンズの眼鏡レンズの構成を示す。同図(A)の平面図は、加工前の玉レンズを示し、同図(B)の平面図は、加工されて眼鏡フレームに装着されたレンズを示し、同図(B)のLHは、眼鏡装着時の左側を示し、RHは、眼鏡装着時の右側を示す。同図に示すように、レンズには、二つのアライメントマークが刻印されており、二つのアライメントマークを通る軸がレンズのX軸となり、レンズのX軸上において、二つのアライメントマークの中間点が、光学中心点となる。また、レンズの光学中心でX軸と垂直に交わる軸がレンズのY軸となる。例えば、二つのアライメントマーク及び光学中心に対応するレンズ前面(眼鏡装着時に眼球側と反対側)の三つの点(印点箇所)に、印点が打たれる。
【0046】
本発明において、印点を打つ印点箇所は、累進レンズの場合は、光学中心、二つのアライメントマークであり、単焦点レンズの場合は、光学中心、及び、乱視軸を示す二つの点、その他に、アイポイント、プリズム基準点、及び、軸打ちの点等がある。
【0047】
[実施形態4]
図13に、印点機構部20の一例を示す。同図に示す印点機構部20は、アーム202の一端に印点装置203が装着され、アーム202の他端に印点装置移動部201が連結している。印点装置移動部201は、Z軸を回転中心として回転可能であり、その結果、印点装置203をZθ方向に移動させることができる。同図に示す印点機構部20において、レンズLeの光学特性測定時には、印点装置203を、測定エリア外に移動させ、待機状態とする。そして、印点時において、前記印点装置移動部201がZ軸を回転中心として回転することにより、印点装置203がZθ方向に移動し、印点ペン2032が測定エリアの光軸上に位置するようなる。この状態で、レンズ位置移動部(同図に図示せず)により、レンズLeをX方向(Xスライド)及びY方向(Yスライド)の少なくとも一方の方向に移動させ、レンズLeの印点箇所(光学中心点、二つのアライメントマーク)を光軸上に位置させる。そして、本発明の第1のレンズ光学特性測定装置では、印点装置移動部201により、印点装置203をZ軸方向に移動(下降)させて、レンズLeの印点箇所と印点ペン2032のペン先とを接触させて印点を打つ。また、本発明の第2のレンズ光学特性測定装置では、レンズ位置移動部により、レンズLeをZ方向(Zスライド)に上昇させて、レンズLeの印点箇所と印点ペン2032のペン先とを接触させて印点を打つ。印点が終了し、レンズLeの光学特性測定時には、印点装置移動部201が回転することにより、印点装置203は、測定エリア外に移動し、再び、待機状態となる。例えば、累進レンズの光学中心及び二つのアライメントマークに印点を打つ場合、印点ペン2032が、光軸上に位置し、レンズ位置移動部によりレンズLeをX軸方向及びY軸方向に移動させることにより、例えば、光学中心、二つのアライメントマークを順番に光軸上に位置させて、それぞれの印点箇所で、印点装置及び/又はレンズLeをZ軸方向に移動させて、レンズLeが印点ペン2032のペン先と接触した後、ペン先からレンズLeを離すことで、印点を打つ。
【0048】
図14に、印点装置移動部201が、Z方向に移動して印点装置203を上下に移動させることができる機構を示す。なお、印点装置移動部201は、前述のように、回転することでアーム202を旋回させることが可能である。同図に示すように、印点装置移動部201は、ガイドレール204に連結しており、ガイドレール204に従って、Z方向に移動可能である。その結果、印点装置203は、上下方向に移動可能となり、例えば、印点装置203を下降させて印点ペン2032のペン先2031をレンズLeの印点箇所に接触させることにより、印点を打つことができる。この場合、レンズLeをZ方向に上昇させてもよい。
【0049】
[実施形態5]
図15に、印点機構部20の他の例を示す。本例の印点機構部20は、3つの印点を同時に打つことができる機構である。同図に示すように、本例の印点機構部20は、アーム202の一端に、3つの印点装置203が等間隔で直線上に並んだ状態で配置されている。また、アーム202の他端は、L字状に屈曲しており、横軸2017bの一端と連結している。横軸2017bの他端は、L字状のノブ2016と連結している。横軸2017bは、ブラケット2015に回動可能な状態で支持されており、バネ(図示せず)により、逆時計回り方向に付勢されており、かつ、ノブ2016により、手動で回転させることができ、その結果、3つの印点装置203を水平状態及び垂直状態(起立状態軸)の双方の状態にすることができる。また、ブラケット2015は、上レール2014bに連結しており、上レール2014bは、下レール2014aに垂直スライド可能な状態で連結している。また、ブラケット2015は、バネ(図示せず)により上方に付勢されている。下レール2014aは、スライダー2013と連結しており、スライダー2013には、縦軸2017aの下端が連結している。縦軸2017aの上端側には、傘歯車2012bが装着されており、傘歯車2012bには、傘歯車2012aがかみ合っており、傘歯車2012aには、モータ2011が連結している。モータ2011の回転駆動は、二つの傘歯車2012a及び2012bを介して縦軸2017aに伝わり、その結果、スライダー2013がZ軸を回転中心として回転する。スライダー2013の回転により、ブラケット2015及びアーム202を介して、3つの印点装置203が、Zθ方向に移動可能である。
【0050】
図16に示すように、3つの印点装置203の印点ペン2032のペン先2031は、レンズLeの3つの印点箇所(例えば、光学中心点、二つのアライメントマーク)に対応するように、等間隔で直線上に並んでいる。そして、図15に示すように、モータ2011の回転駆動により、3つの印点装置を測定エリアに移動させ、ノブ2016の操作により印点装置203を垂直状態にし、真ん中の印点ペン2032のペン先2031を光軸上に位置させる。また、同図に示すように、レンズ位置移動部(図示せず)により、光学中心点が、光軸上に位置するように、レンズLeを測定エリアに移動させる。その結果、3つの印点ペン2032の各ペン先2031は、レンズLeの3つの印点箇所(光学中心点、二つのアライメントマーク)に対向した状態となる。この状態で、ノブ2016を下方に押す操作をすることにより、ブラケット2015が下降し、その結果、3つの印点ペン2032の各ペン先2031が、レンズLeの3つの印点箇所と接触し、印点される。印点終了後、ノブ2016の下方に押す操作を解除すると、バネ(図示せず)の上方への付勢により、ブラケット2015が上昇し、その結果、3つの印点ペン2032の各ペン先2031は、レンズLeの3つの印点箇所から離れる。なお、本例では、3つの印点装置203は、真ん中の印点ペンを中心に回転させるが、本発明は、これに限定されず、3つの印点装置の回転軸は、任意に設定できる。
【0051】
[実施形態6]
図17に、印点装置203の一例を示す。この印点装置は、バネ定数が異なる二つのバネを組み合わせることにより、レンズに当接したペン先が、深く押し込まれても、ペン先のレンズに対する押し圧の上昇を低減することが可能な装置である。同図に示すように、本例の印点装置203は、印点ペン2032、収容容器2034、及び、バネ2033a及びバネ2033bから構成されている。印点ペン2032は、ペン先2031を外部に出した状態で、収容容器2034に進退自在に収容されている。また、バネ2033a及び2033bにより、ペン先2031がレンズの印点箇所に接触した場合、ペン先2031がレンズ側の方向に付勢されている。バネ2033a及び2033bは、印点ペン2032の進退方向に沿って直列状に配置されている。バネを圧縮した場合のバネ定数は、レンズ側に位置する2033aのバネよりも、レンズ側と反対側に位置するバネ2033bの方が小さい。
【0052】
図18のグラフに、印点ペン2032のペン先2031の変位量(y)と、レンズに当接した場合のペン先2031の押し荷重(F)との関係を示す。同図に示すように、ペン先2031がレンズに当接し、レンズ側と反対方向に後退すると、レンズ側のバネ2033aが縮み、ペン先2031の後退する移動距離(変位量)が大きくなるに従い、ペン先2031にかかる押し荷重も比例して大きくなる。そして、ペン先2031の後退する移動距離(変位量)がバネ2033aの収縮限界(これ以上縮まない)を超えると、レンズ側と反対側のバネ2033bが縮むが、バネ2033bのバネ定数は、バネ2033bよりも小さいため、ペン先2031の後退する移動距離(変位量)が大きくなっても、押し荷重の増加は穏やかになる。その結果、ペン先2031がレンズと当接して深く押し込まれても、ペン先2031の圧力は、それほど大きくならないため、ペン先2031のレンズ表面でのズレを防止でき、その結果、正確な印点を打つことが可能となる。印点機構を自動化し、自動的に印点を打つ仕様にした場合、レンズ上面の印点箇所のZ軸方向の位置が不明であるため、印点装置203のZ軸方向の移動距離を長くとる必要があり、その結果、ペン先の押し込み量(ストローク量)を大きく想定する必要があり(オーバーストローク)、ペン先の押し込み量が大きくなった場合のバネの反発力を低減する必要がある。一方で、印点を打つ際には、レンズ上面でのペン先の押し圧は、ある程度の強さが必要である。しかし、押し圧が過大になると、ペン先の潰れで、耐久回数が低下し、さらに、印点のサイズが大きくなり、位置の読取り精度が低下する。このような事情に本発明の印点装置は対応可能なものであり、印点を打つ際には、レンズ上面のペン先の押し圧を必要な大きさとし、かつ、オーバーストロークの場合でも、レンズ上面にかかるペン先の押し圧の上昇を低減することができ、自動化した印点機構に有用である。
【0053】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上、説明したとおり、本発明によれば、印点時のレンズ又は印点ペンのズレを防ぐことができ、その結果、正確に印点を打つことが可能となる。本発明は、例えば、眼鏡店等において、眼鏡レンズの光学特性を測定するのに有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 レンズ光学特性測定装置
11 操作入力部
12 測定制御部
13 測定演算部
14 記憶部
15 出力部
16 レンズ位置移動部
17 光照射部
18 レンズ保持部
19 受光部
20 印点機構部
201 印点装置移動部
202 アーム
203 印点装置
2032印点ペン
Le レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18