(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075300
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/22 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
H01R9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186001
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】000236780
【氏名又は名称】不二電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】山崎 高司
(72)【発明者】
【氏名】山下 力
(72)【発明者】
【氏名】藤居 和義
【テーマコード(参考)】
5E086
【Fターム(参考)】
5E086CC01
5E086CC46
5E086DD05
5E086DD33
5E086DD37
5E086DD44
5E086DD49
5E086HH02
5E086LL04
5E086LL16
(57)【要約】
【課題】取り付けおよび取り外しが容易であり、脱落を防止できる端子台を提供する。
【解決手段】端子台10は、第1筐体12と第2筐体14を備える。第2筐体14は第1筐体12に対して取り付けおよび取り外しできる。共通端子18および第1端子20が第1筐体12に備えられている。第2端子22が第2筐体14に備えられている。第1筐体12の内部に備えられている可動接点部材48は共通端子18に第1端子20または第2端子22を接続する部材である。第2筐体14にレバー66が備えられいる。レバー66が回転することで、治具62を回転させ、さらには可動接点部材48が回転される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
前記第1筐体に対して取り付けおよび取り外しできる第2筐体と、
前記第1筐体に備えられた共通端子と、
前記第1筐体に備えられた第1端子と、
前記第2筐体に備えられた第2端子と、
前記第1筐体に設けられ、前記共通端子に接続される第1端子または第2端子を選択する可動接点部材と、
前記第2筐体に備えられ、前記可動接点部材を稼働させるためのレバーと、
を含む端子台。
【請求項2】
第1筐体と、
前記第1筐体に対して取り付けおよび取り外しできる第2筐体と、
前記第1筐体に備えられた共通端子と、
前記第1筐体に備えられた第1端子または前記第2筐体に備えられた第2端子と、
前記第1筐体に設けられ、前記第1端子または第2端子の共通端子への接続または切断を選択する可動接点部材と、
前記第2筐体に備えられ、前記可動接点部材を稼働させるためのレバーと、
を含む端子台。
【請求項3】
前記レバーによって可動接点部材を第1端子に接続した状態または第2端子に接続されていない状態において、第2筐体が第1筐体に取り付けおよび取り外しでき、
前記レバーによって可動接点部材を第2端子に接続した状態または第1端子に接続されていない状態において、第2筐体が第1筐体に固定される
請求項1または2の端子台。
【請求項4】
前記レバーによって可動接点部材を第2端子に接続した状態または第1端子に接続されていない状態において、レバーが第1筐体に引っ掛けられる機構を備えた請求項1から3のいずれかの端子台。
【請求項5】
前記第1筐体にレバーが挿入される開口を備えた請求項1から4のいずれかの端子台。
【請求項6】
前記可動接点部材が第1端子に接続されまたは第2端子に接続されていず、レバーが開口に挿入された状態において、第2筐体が第1筐体に対してスライドできる請求項5の端子台。
【請求項7】
前記レバーが開口に挿入され、可動接点部材が第2端子に接続された状態または第1端子に接続されていない状態において、第2筐体が第1筐体に対してスライドすることを禁止するストッパーを含む請求項5または6の端子台。
【請求項8】
前記レバーを所定位置に戻すための弾性部材を含み、
前記可動接点部材が第2端子に接続された状態または第1端子に接続されていない状態を維持する力が弾性部材によってレバーを所定位置に戻す力よりも大きい請求項1から7のいずれかの端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配電盤などの負荷を交換する際、古い負荷に対して新しい負荷を並列に接続する。古い負荷への給電を停止して新しい負荷に給電し、古い負荷を切り離している。このような方法で新しい負荷と古い負荷を切り替えるための装置が必要になる。たとえば、特許文献1は第1片部と第2片部とを備え、それらが切り離し可能な端子台を開示している。第1片部に新しい負荷を接続し、第2片部に古い負荷を接続することで2つの負荷を並列接続できる。その後、第2片部を第1片部から取り外すことで、古い負荷を切り離すことができる。
【0003】
配電盤などの負荷は複数の端子が必要である。そのため、特許文献1の第1片部も第2片部も複数あり、各片部は並べられて列(第1片部列、第2片部列)になっている。第1片部列に第2片部列を取り付けたり取り外したりするときに、大きな力が必要になる。片部列同士を取り付ける際、片部列の中央部で反りが生じ、中央部の取り付けが不十分になるおそれがある。第1片部列と第2片部列を分離させる際も大きな荷重がかかり、破損させるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、取り付けおよび取り外しが容易であり、脱落を防止できる端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端子台は、第1筐体と、前記第1筐体に対して取り付けおよび取り外しできる第2筐体と、前記第1筐体に備えられた共通端子と、前記第1筐体に備えられた第1端子と、前記第2筐体に備えられた第2端子と、前記第1筐体に設けられ、前記共通端子に接続される第1端子または第2端子を選択する可動接点部材と、前記第2筐体に備えられ、前記可動接点部材を稼働させるためのレバーとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、第1筐体と第2筐体のスライドおよびレバー操作によって第1筐体に対する第2筐体の取り付けおよび取り外し、第1端子に接続された第1回路と第2端子に接続された第2回路の選択を行うことができる。取り付けおよび取り外しが容易であり、脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】可動接点部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上方より見た斜視図であり、(c)は下方より見た斜視図である。
【
図6】可動接点部材が第1端子に接続されている様子を示す図である。
【
図7】可動接点部材が第2端子に接続されている様子を示す図である。
【
図8】第1筐体および第2筐体の内部を示す図である。
【
図11】第1開口、第2開口および第3開口を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の端子台について図面を使用して説明する。
【0010】
図1に示す端子台10は、第1筐体12と第2筐体14を備える。第1筐体12が任意の部材16に取り付けられている。第2筐体14は第1筐体12に対して取り付けおよび取り外しできる。各筐体12、14は絶縁性樹脂で形成されている。
【0011】
共通端子18および第1端子20が第1筐体12に備えられている。第2端子22が第2筐体14に備えられている。第1筐体12と第2筐体14に備えられる共通端子18、第1端子20および第2端子22の数は限定されず、それぞれの端子18、20、22が複数個備えられ、各端子18、20、22が並べられて列になっていてもよい。また、第1筐体12と第2筐体14に備えられる共通端子18、第1端子20および第2端子22の数はそれぞれ1つであり、第1筐体12と第2筐体14が複数であり、各筐体12、14が並べられて列になることで各端子18、20、22も列になっていてもよい。
【0012】
共通端子18は一次側の回路に接続される。たとえば一次側の回路は電源を含む回路である。第1端子20は二次側の第1回路に接続され、第2端子22は二次側の第2回路に接続される。たとえば第1回路と第2回路は電力供給される回路(負荷等)である。後述する可動接点部材で第1端子20または第2端子22を選択することで、一次側の回路から端子台10を介して第1回路または第2回路のいずれかに電力供給される。また、第2筐体14は第1筐体12から取り外し可能であるため、第2回路を一次側の回路から切り離すこともできる。
【0013】
共通端子18は導電性の板体を切断および折り曲げ加工して形成したものである(
図2)。共通端子18は第1筐体12の内部に配置された第1端部24と第1筐体12の外部に配置された第2端部26を備える。第1端部24と第2端部26は互いの平面が垂直方向を向いている。第1端部24が第1筐体12の中で可動接点部材に接続される。第1端部24は縁を傾斜させた部分28を備え、可動接点部材で挟まれやすくなっている。
【0014】
第1端子20は導電性の板体を切断および折り曲げ加工して形成したものである(
図3)。第1端子20は第1筐体12の内部に配置された第1端部30と第1筐体12の外部に配置された第2端部32を備える。第1端部30は第2端部32に対して2方向に分割されており、分割された部分のそれぞれの先端付近が互いに近づいている。この先端付近に可動接点部材が入り込み、第1端子20と可動接点部材とが接続される。第1端部30にスリット34を設け、第1端部30が複数に分割されている。第1端部30の弾性力が大きくなり、可動接点部材が第1端部30の間に入ったときに第1端部30がたわみ易くなっている。可動接点部材が第1端部30の間に入りやすくなっている。
【0015】
第2端子22は導電性の板体を切断および折り曲げ加工して形成したものである(
図4)。第2端子22は第2筐体14の外部に露出し、第1筐体12の内部に挿入される第1端部36と第2筐体14の外部に配置された第2端部38を備える。第1端部36と第2端部38は互いの平面が垂直方向を向いている。第1端部36が第1筐体12、第2筐体14またはその両方の中で可動接点部材に接続される。第1端部36は可動接点部材に挟まれやすいように、縁に傾斜を有する部分40を有する。
【0016】
各端子18、20、22の第2端部26、32、38は平面状になっており、ねじまたはボルトが通される開口42、44、46を備える。第2端部26、32、38の下面にナットを設ける。回路の端子が第2端部26、32、38に配置され、ねじまたはボルトで第2端部26、32、38に固定される。このようなねじまたはボルトによる固定に限定されず、他の方法、たとえば回路の端子を第2端部26、32、38に差し込める形状にしたり、回路の端子を第2端部26、32、36に巻き付けられる形状にしたりするなど、他の方法で固定されるように適宜構造を変更してもよい。
【0017】
図5に示す可動接点部材48は、第1筐体12の内部に備えられている。可動接点部材48は共通端子18に第1端子20または第2端子22を接続する部材である。可動接点部材48は導電性の板体を切断および折り曲げ加工して形成したものである。可動接点部材48は第1端部50と第2端部52の間で90度折れ曲がっており、その折れ曲がった部分に突出した中間部54を形成している。第1端部50と第2端部52は同形状になった板体が互いに近づくように配置されている。中間部54はいずれかの板体に形成されている。可動接点部材48は第1端部50が共通端子18に接続され、第2端部52が第2端子22に接続され、中間部54が第1端子20に接続される。第1端部50は共通端子18を挟み込み、第2端部52は第2端子22を挟み込む。第1端部50と第2端部52はスリット56、58を有し、たわみやすくなっている。中間部54はいずれかの板体に設けられており、縁に傾斜60を備える。中間部54は傾斜60によって第1端子20に挟み込まれやすくなっている。第2端部52が第2端子22に接続されている場合、中間部54は第1端子20に接続されず、中間部54が第1端子20に接続されている場合、第2端部52は第2端子22に接続されない。
【0018】
可動接点部材48の第1端部50付近に治具62が取り付けられ(
図6、7)、その治具62が第1筐体12に回転可能に取り付けられている(
図8)。治具62が回転軸64を中心に回転することで、第2端部52が第2端子22に接続されるか中間部54が第1端子20に接続されるのかが選択される。回転軸64が可動接点部材48の第1端部50付近にあるため、可動接点部材48が回転しても第1端部50は共通端子18に接続されたままになっている(
図6、
図7)。
【0019】
第2筐体14にレバー66が備えられいる(
図1)。レバー66は絶縁性の樹脂で構成される。レバー66の第1端部68が操作部分、第2端部70が上記治具62の接触部分になっている(
図6、
図7)。レバー66の第1端部68と第2端部70の間に回転軸72を備え、その回転軸72が第2筐体14に回転可能に取り付けられる。レバー66の第1端部68を指で操作することで、レバー66は回転軸72を軸として回転される。レバー66の第2端部70は治具62に接触し、レバー66が回転することで、治具62を回転させ、さらには可動接点部材48が回転される。
【0020】
レバー66は共通端子18、第1端子20および第2端子22の数と同数備えられる。レバー66が複数あれば、各レバー66が独立して動作される。各端子18、20、22に接続される回路ごとに必要に応じてレバー66を操作することになる。また、複数のレバー66が一体になり、複数のレバー66が一括して動作されてもよい。
【0021】
レバー66の第2端部70は第2筐体14の下部からはみ出すように配置されている(
図9)。第1筐体12の上部に第1開口74が形成されている(
図10、
図11)。レバー66の第2端部70は第1開口74から第1筐体12の中に入れられる。
【0022】
第1開口74を形成する縁から第1開口74の中に向けて突出したストッパー76が形成されている。ストッパー76は方形になっており、ストッパー76によって第1開口74の形状がL字形状になっている。ここで、第1開口74を形成する縁を第1辺78と第2辺80とし、第1辺78は各端子18、20、22が並べられる方向とし、第2辺80は第1辺78に対して垂直を向いた方向とする。第1開口74において第1辺78を向いた空間を第1辺部分82、第2辺80を向いた空間を第2辺部分84とする。第1辺部分82と第2辺部分84はストッパー76の横にない部分で重なる。第1開口74の第1辺部分82をレバー66が第2筐体14と共にスライドでき、第2辺部分84でレバー66を操作(回転軸72を軸にして回転)させてレバー66の位置および角度を変更させることができる。
【0023】
第1筐体12は凸部86を備え、第2筐体14は凹部88を備える(
図12)。第1筐体12の上部に第2開口90を備え、その第2開口90付近に凸部86が備えられる。第2筐体14は突出部分92を有し、その突出部分92に凹部88が備えられている。突出部分92が第2開口90から第1筐体12に入れられ、第2筐体14が第1筐体12に対してスライドされることで、凸部86と凹部88がはめ合わされる(
図13)。なお、このスライドは上記レバー66をスライドしたときと同時である。レバー66が第1辺部分82かつストッパー76の横にある時は第1筐体12に第2筐体14を取り付けたり取り外したりすることができる。その状態から第2筐体14をスライドさせることで、第2筐体14が第1筐体12に固定される。
【0024】
レバー66は回転軸72と第2端部70の間に凹部94を備える。第2筐体14と共にレバー66をスライドした後、レバー操作で可動接点部分48を第2端子22に接続させる。この時、レバー66は第1開口74の第2辺部分84においてストッパー76の横に配置される。この状態(
図7の状態)で、第1筐体12の上部(第1開口74を形成する縁、その縁の近傍またはその両方)がレバー66の凹部94に引っ掛けられる。レバー66によって第2筐体14が第1筐体12に固定される。
【0025】
レバー66が第1開口74の第2辺部分84でストッパー76の隣にあると、第1筐体12に対して第2筐体14をスライドさせようとしたとき、レバー66がストッパー76に当たる。第2筐体14をスライドできず、第1筐体12と第2筐体14の相対的位置が変化しない。上記説明のように凸部86と凹部88がはめ合わされ、さらにレバー66の凹部94が第1筐体12に引っかかるため、第2筐体14を第1筐体12から外すことはできない。
【0026】
レバー66の位置を所定位置に戻すための弾性部材(図示省略)を備える。弾性部材はたとえばコイルバネである。レバー66の位置が所定位置にない場合、弾性部材によってレバー66が所定位置に戻されるようになっている。たとえば、その所定位置は
図6の状態であり、レバー66を何も操作しなければ可動接点部材48は第1端子20に接続され、第2端子22に接続したければレバー66を操作する必要がある。
【0027】
上記のように可動接点部材48は第1端子20または第2端子22に接続される。第2端子22に可動接点部材48が挟み込まれて保持される力は、弾性部材によってレバー66を所定位置(可動接点部材48が第1端子20に接続される位置)に戻す力よりも大きい。レバー操作で可動接点部材48を第2端子22に接続した場合、その状態が保持される。
【0028】
なお、第1筐体12の上部に第3開口96を備える。この第3開口96は第2端子22の第1端部36を第1筐体12の内部に入れるための開口である。第1開口74、第2開口90および第3開口96の位置はレバー66、突出部分92および第2端子22の第1端部36の位置に合わせて適宜形成されている。
【0029】
第1筐体12と第2筐体14を固定するための締結部材98を備えてもよい。第2筐体14に備えられた締結部材98によって第1筐体12と第2筐体14を固定してもよい。
【0030】
次に本発明の端子台10の使用方法について説明する。第2回路が稼働中であり、第2回路から第1回路に切り替える場合を例に説明する。説明する工程の順番を変更できる場合は適宜変更してもよい。
【0031】
(1)回路を切り替えるポイントに第1筐体12を配置する。任意の部材16に第1筐体12を固定する。
【0032】
(2)レバー66の第2端部70を第1開口74から第1筐体12の中に入れる。その際、レバー66の第2端部70を第1開口74の第1辺部分82におけるストッパー76の横から入れる。これと同時に第2筐体14の突出部分92は第2開口90から第1筐体12に入れられる(
図12)。第2端子22の第1端部36は第3開口96から第1筐体12に入れられる。
【0033】
(3)第1筐体12に対して第2筐体14をスライドさせる。レバー66は第1開口74の第1辺部分82をスライドされ、ストッパー76の横から移動する。このとき、
図6に示すように、可動接点部材48は中間部54が第1端子20に接続されており、第2端子22に接続されていない。また、第1筐体12の凸部86と第2筐体14の突出部分92にある凹部88がはめ合わされる(
図13)。
【0034】
(4)第1端子20に第1回路を接続する。第1回路の端子を第1端子20の第2端部32に配置し、固定する。上記(1)の工程を行う際にこの(4)の工程を同時または先に行っておいてもよい。
【0035】
(5)第2回路を第2端子22に接続する。第2回路の端子を第2端子22の第2端部38に配置し、固定する。なお、第2回路を一時的に停止してもよい。
【0036】
(6)共通端子18に一次側の回路を接続する。一次側の回路の端子を共通端子18の第2端部26に配置し、固定する。
【0037】
(7)以上の工程で各端子18、20、22に一次側の回路および二次側の回路が接続されており、その接続を確認する。
【0038】
(8)レバー66を操作し、可動接点部材48を第2端子22に接続する(
図7)。端子台10を介して一次側の回路と二次側の第2回路が接続される。一次側の回路が電源を含んでいれば、第2回路に電力供給される。
【0039】
(9)レバー66を操作し、可動接点部材48を第1端子20に接続する(
図6)。一次側の回路に対して第2回路が切断され、第1回路が接続される。一次側の回路が電源を含んでいれば、第2回路への電力供給が停止し、第1回路に電力供給される。
【0040】
(10)レバー66が第1開口74における第2辺部分84のストッパー76の横からストッパー76の無い部分に移動されており、第1筐体12に対して第2筐体14をスライドさせる。レバー66が第1開口74における第1辺部分82のストッパー76の横に移動される。この移動によって第1筐体12の凸部86が第2筐体14の凹部88から外れる。また、上記(6)によってレバー66の凹部94は第1筐体12の上部から外れている。
【0041】
なお、上記のレバー操作は、共通端子18、第1端子20および第2端子22が複数ある場合、各端子18、20、22と同じ数のレバー66を備えている。各レバー66は独立して操作されてもよい。また、複数のレバー66を一体にした場合、一括して可動接点部材48を駆動させることができる。
【0042】
(11)第2筐体14を第1筐体12から取り外す。第2回路は一次側の回路から切り離されており、第2回路を撤去できる。さらに、第2筐体14と第2回路を一緒に処分することができる。
【0043】
以上のように、本発明は分離機能および切り替え機能を備えている。本発明は従来のように大きな力を必要とせずに、レバー操作によって第1筐体12と第2筐体14を取り付けおよび取り外しできる。複数の第1筐体12と第2筐体14によって列になったとしても、小さな力で第1筐体12の列から第2筐体14の列を取り付けおよび取り外しすることができる。第1筐体12と第2筐体14がたわまず、端子接続を確実に行うことができる。
【0044】
また、1つの第1筐体12および第2筐体14に複数の第1端子20および第2端子22を備えていても、各端子20、22に対してレバー66を備えるため、端子20、22ごとに共通端子18への接続および切断を操作することができる。複数の第1筐体12および第2筐体14を並べて列にした場合、少なくとも1つのレバー66が操作され、可動接点部材48が第2端子22に接続されることで、すべての第2筐体14の第1筐体12に対するスライドを防止することができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。たとえば、可動接点部材48を治具62によって回転可能に第1筐体12の中に収納したが、可動接点部材48が自ら回転可能に第1筐体12の中に収納されてもい。そして、レバー66が直接可動接点部材48を回転させてもよい。
【0046】
共通端子18、第1端子20、第2端子22および可動接点部材48の構造は限定されない。共通端子18と第2端子22は可動接点部材48に挟み込まれ、第1端子20は可動接点部材48を挟み込んだが、いずれであってもよい。また、可動接点部材48が第1端子20および第2端子22に接続されるのであれば、他の構造であってもよい。たとえば、第1端子20および第2端子22が平面構造を有し、第1端子20と第2端子22の平面が互いに対向し、その間に可動接点部材48が配置されてもよい。可動接点部材48が第1端子20と第2端子22の間を行き来し、いずれかに接触するようにする。
【0047】
第1筐体12の凸部86と第2筐体14の凹部88は逆であってもよい。第1筐体12に凹部88、第2筐体14に凸部86が設けられる。
【0048】
第1筐体12の第1開口74を第2辺部分84のみにし、第1筐体12の凸部86と第2筐体14の凹部88を省略してもよい。第1筐体12に対して第2筐体14がスライドせず、レバー操作のみで第2筐体14を第1筐体12に固定する。
【0049】
第1開口74の内部に向けて突出するようにストッパー76が形成されているが、レバー66にあたることで第2筐体14が第1筐体12に対してスライドを禁止できるのであれば、ストッパー76は他の形状であってもよい。ストッパー76は第1開口74の内部に形成されず、第1筐体12の中に形成されていてもよい。
【0050】
レバー66を操作したとき、レバー66の凹部94が第1筐体12の上部に引っ掛けられたが、レバー66を第1筐体12に引っ掛ける機構は他の構造であってもよい。第1筐体12に任意の凸部を形成し、レバー66の凹部94にはめ込まれるようにしても良い。また、レバー66に凸部を設け、第1筐体12に凹部を設けることで、レバー66を第1筐体12に引っ掛けてもよい。
【0051】
第1筐体12の上部に形成されている第1開口74、第2開口90および第3開口96はその中の2つまたは3つが一体になっていてもよい。
【0052】
第1端子20に第1回路が接続され、第2端子22に第2回路が接続されることに限定されない。いずれかの端子20、22のみに回路が接続されてもよい。可動接点部材48によって共通端子18に接続される端子20、22を選択することで、一次側の回路への接続と切断をおこなう。
【0053】
また、第1端子20または第2端子22のいずれかが省略されていてもよい。上記と同じで二次側の回路のいずれかを省略した構造であり、断路端子台となる。可動接点部材48は第1端子20または第2端子22の共通端子18への接続または切断を選択することになる。
【0054】
第2端子22が省略された場合、上記のように可動接点部材48を第2端子22に接続した状態を保持できない。そのため、可動接点部材48が第1端子20から離されている状態を保持するための部材、たとえば弾性部材などを備えてもよい。
【0055】
上記実施形態と同様に、第1端子20に可動接点部材48が接続され、または第2端子22に可動接点部材48が接続されていない状態で、第1筐体12に第2筐体14が取り付けおよび取り外しが可能になる。レバー66によって可動接点部材48を第2端子22に接続した状態または第1端子20に接続されていない状態において、レバー66が第1筐体12に引っ掛けられる。さらに、可動接点部材48が第1端子20に接続され、レバー66が第1開口74に挿入された状態において、第2筐体14が第1筐体12に対してスライドできる。また、レバー66が第1開口74に挿入され、可動接点部材48が第2端子22に接続された状態または第1端子20に接続されていない状態において、ストッパー76は第2筐体14が第1筐体12に対してスライドすることを禁止する。
【0056】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0057】
10:端子台
12:第1筐体
14:第2筐体
18:共通端子
20:第1端子
22:第2端子
24:共通端子の第1端部
26:共通端子の第2端部
28:第1端部の傾斜部分
30:第1端子の第1端部
32:第1端子の第2端部
34:第1端子のスリット
36:第2端子の第1端部
38:第2端子の第2端部
40:第1端部の傾斜部分
42、44、46:第2端部の開口
48:可動接点部材
50:可動接点部材の第1端部
52:可動接点部材の第2端部
54:可動接点部材の中間部
56、58:可動接点部材のスリット
60:中間部の傾斜部分
62:治具
64:回転軸
66:レバー
68:レバーの第1端部
70:レバーの第2端部
72:レバーの回転軸
74:第1開口
76:ストッパー
78:第1開口を形成する第1辺
80:第1開口を形成する第2辺
82:第1開口の第1辺部分
84:第1開口の第2辺部分
86:第1筐体の凸部
88:第2筐体の凹部
90:第2開口
92:第2筐体の突出部分
94:レバーの凹部
96:第3開口